JP2019072956A - 樹脂成形体の成形型 - Google Patents

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石井 卓哉
Takuya Ishii
卓哉 石井
勝史 竹尾
Katsushi Takeo
勝史 竹尾
阿部 浩久
Hirohisa Abe
浩久 阿部
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【課題】インサート成形するマグネットの破損を防止しつつ、1回の射出成形で後加工なしで安価にマグネット付きの樹脂成形体を製造できる成形型を提供する。【解決手段】成形型1は、キャビティ内に配置された円筒状マグネット12の中空内部に溶融樹脂を注入して固化させて樹脂成形部14を一体成形する成形型であり、キャビティ内に配置された円筒状マグネット12の外周面12bとキャビティの内壁面4bとの間の空間を調整可能であり、型開き時には内壁面4bの径が円筒状マグネット12の外周面12bの径より大きく、型締め時には内壁面4bの径が円筒状マグネット12の外周面12の径より小さい、もしくは同じである。【選択図】図1

Description

本発明は、マグネット付きの樹脂成形体の成形型に関する。特に、脆性材料からなる円筒状のマグネットの中空内部に樹脂を一体成形するための成形型に関する。
機械装置などの部品の1つとして、樹脂製のナット部材とこの外周に一体的に設けた円筒状のマグネットを備えたマグネット付きの樹脂成形体(マグネット付きナット部材)がある。このマグネット付きナット部材は、電動機を構成するナットとねじ軸との間で回転運動を直線運動に変換するねじ駆動装置などに利用されている。このような構造の樹脂成形体は、例えば、マグネットを金型内に予め配置してインサート成形(射出成形)することで製造される。従来、インサート成形により該樹脂成形体を製造する方法として、特許文献1などが提案されている。
この樹脂成形体の製造方法を図6に基づいて説明する。図6はこの製造方法に用いる射出成形金型の断面図である。この金型は、2つの射出成形金型21と22とから構成される。これらの金型21と金型22を衝合することにで、キャビティ23が形成される。金型22には、キャビティ23の中空部分に連通するランナ24が設けられている。ランナ24を介してキャビティ23の中空部分に溶融樹脂が充填される。また、キャビティ23の内部において円筒状マグネット25を配置したときに、キャビティ23の内周壁面(金型21の内周壁面)とマグネット25の外周面との間に筒状空間26が形成される。金型22には、この筒状空間26に連通するランナ27も設けられている。ランナ27を介してキャビティ23の筒状空間26に溶融樹脂が充填される。
この射出成形金型を用いて、以下の手順でマグネット付き樹脂成形体が製造される。まず、型開き状態において、キャビティ23の内部に脆性材料で形成された円筒状マグネット25を挿入配置する。これにより、キャビティ23の内周壁面とマグネット25の外周面との間に筒状空間26が形成される。次に、型締め状態において、この筒状空間26にランナ27を介して溶融樹脂(補強体用)を充填する。この溶融樹脂が固化することで、マグネット25の外周に沿った補強体が形成される。その後、キャビティ23の中空部分にランナ24を介して溶融樹脂(本体用)を充填し、これが固化することで、マグネット25の中空内部に樹脂成形体を一体成形したマグネット付き樹脂成形体が得られる。
また、同様の樹脂成形体を別の方法で製造するものとして、特許文献2が提案されている。特許文献2は、特許文献1と同様にキャビティ内に円筒状マグネットの内側(中空内部)と外側(外側空間)に空間がある構成において、円筒状マグネットの一方端面に溶融樹脂を突き当てて圧送することで、中空内部と外側空間に同時に溶融樹脂を充填する方法である。
特開平9−39027号公報 特許第5001603号公報
特許文献1で提案されたマグネット付き樹脂成形体の製造方法では、マグネット25が一般的に脆性材料からなる焼結体であることを考慮し、射出成形工程を2回に分けている。合成樹脂で円筒状マグネット25をインサート成形すると、その射出圧力によってマグネット25が破損するおそれがある。例えば、マグネット25の中空内部だけに溶融樹脂を射出成形した場合、射出圧力によりマグネット25の円周方向に引張応力が生じる。マグネット25の引張特性において許容不可能な射出圧力が加わった際にマグネット25が破損する。このようなマグネット25の破損を防止するため、上記図6を参照して説明したような2回の射出成形工程を必要としている。しかしながら、射出成形工程を2回必要とすると、効率が悪く製造コスト面で不利である。
一方、特許文献2で開示されたマグネット付き樹脂成形体の製造方法のように、マグネットの中空内部とともに外側空間にも樹脂を同時に射出成形すると、マグネットの破損は防止され、1回の射出成形工程で成形体を得ることができる。しかしながら、マグネット付き樹脂成形体を、電動機を構成するナットとねじ軸との間で回転運動を直線運動に変換するねじ駆動装置などに用いる場合は、マグネット外側の樹脂は不要である。寧ろ、外側に樹脂があることでコイルとマグネットの距離が離れるため、効率良くマグネットを回転させることができず悪影響を及ぼす。射出成形後に、マグネットの外側の樹脂の除去加工は可能であるが、工程が増えるために製造コスト面で不利となる。また、マグネットの外側の空間、すなわち、キャビティの内壁面とマグネットの外周面との間の空間がゼロではないため、特にフェライト系焼結磁石のような脆性材料からなるマグネットでは破損するおそれがある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、インサート成形するマグネットの破損を防止しつつ、1回の射出成形で後加工なしで安価にマグネット付きの樹脂成形体を製造できる成形型を提供することを目的とする。
本発明の樹脂成形体の成形型は、円筒状マグネットと、該円筒状マグネットの中空内部に一体に設けられた樹脂成形部とを有するマグネット付きの樹脂成形体を成形するための成形型であって、上記成形型は、キャビティ内に配置された上記円筒状マグネットの中空内部に溶融樹脂を注入して固化させて上記樹脂成形部を一体成形する成形型であり、上記キャビティ内に配置された上記円筒状マグネットの外周面と上記キャビティの内壁面との間の空間を調整可能であり、型開き時には上記内壁面の径が上記円筒状マグネットの外周面の径より大きく、型締め時には上記内壁面の径が上記円筒状マグネットの外周面の径より小さい、もしくは同じであることを特徴とする。
上記成形型の一部は、上記円筒状マグネットの外周面に沿った中空部を有する略円すい台形状の内金型と、ベース型とに分割され、上記内金型における上記中空部を構成する内径面が上記キャビティの内壁面であり、上記内金型の外側面と、この外側面との分割面となる上記ベース型の内側面とがテーパであり、成形型開閉時において上記内金型は上記ベース型に対して上記テーパに沿って摺動しながら軸方向に可動可能であり、この成形型開閉時の可動によって、上記キャビティの内壁面の径が変化することを特徴とする。
上記内金型は、軸方向の一方に開口しつつ他方には開口しない少なくとも2箇所の溝を有することを特徴とする。また、上記溝は、4箇所以上の偶数個であり、周方向略等間隔に配置され、周方向で隣り合う上記溝の開口側が相反していることを特徴とする。
本発明の樹脂成形体の成形型は、キャビティ内に配置された円筒状マグネットの中空内部に溶融樹脂を注入して固化させて樹脂成形部を一体成形する成形型であり、キャビティ内に配置された円筒状マグネットの外周面とキャビティの内壁面との間の空間を調整可能であり、型開き時には内壁面の径が円筒状マグネットの外周面の径より大きく、型締め時には内壁面の径が円筒状マグネットの外周面の径より小さい、もしくは同じである。このため、型開き時には、容易にマグネット付き樹脂成形体を金型から取り出し、マグネットをインサートできる。型締め時には、マグネット外周の空間がなくなり、この状態で中空内部に樹脂を射出成形すると、円筒状マグネットが外径方向に拡張されず、引張力が加わらないため、マグネットの割れを防止できる。よって、インサート成形するマグネットの破損を防止しつつ、1回の射出成形でマグネット付きの樹脂成形体を製造できる。また、型締め時には、マグネット外周の空間がないため、このマグネット外周に樹脂成形部が形成されることがなく、樹脂の除去加工などの後加工が不要である。これらの結果、安価にマグネット付きの樹脂成形体を製造できる。
また、成形型の一部は、円筒状マグネットの外周面に沿った中空部を有する略円すい台形状の内金型と、ベース型とに分割され、内金型における中空部を構成する内径面がキャビティの内壁面であり、内金型の外側面と、この外側面との分割面となるベース型の内側面とがテーパであり、成形型開閉時において内金型はベース型に対してテーパに沿って摺動しながら軸方向に可動可能であり、この成形型開閉時の可動によって、キャビティの内壁面の径が変化するので、成形型の開閉に連動して容易にキャビティの縮径・拡径が可能となる。
また、内金型は、軸方向の一方に開口しつつ他方には開口しない少なくとも2箇所の溝を有するので、テーパで抑え込んだ際に変形させやすい。特に、この溝は、4箇所以上の偶数個であり、周方向略等間隔に配置され、周方向で隣り合う溝の開口側が相反しているので、部分的な歪の発生を防止でき、該内金型の破損などを防止できる。
本発明の成形型の一例を示す金型断面図である。 成形型に各部品をインサートした状態を示す金型断面図等である。 内金型を示す斜視図である。 図1等の成形型を用いた場合の製造工程図である。 マグネット付き樹脂成形体の一例を示す側断面図である。 従来の射出成形金型の断面図である。
本発明の成形型で製造されるマグネット付き樹脂成形体の一例を図5に基づいて説明する。図5は、本発明の成形型を用いて製造されたマグネット付き樹脂成形体の一例として、ねじ駆動装置に使用されるマグネット付きナット部材の内部構造を示す側断面図である。図5に示すように、このマグネット付きナット部材11は、円筒状マグネット12と樹脂成形部14とを備えてなり、ねじ軸13と螺合している。樹脂成形部14は、その外周側に円筒状マグネット12が一体に設けられ、その内周側にねじ軸13と螺合する雌ねじ部14aが形成されている。円筒状マグネット12は、その端面12aの一部または全部が樹脂で覆われ、その外周面12bは樹脂で覆われずに露出している。このマグネット付きナット部材11の外側に配置されるコイルなどにより、円筒状マグネット12を介して該ナット部材11が回転させられ、これに伴いねじ軸13が軸方向に移動する。
マグネット付きナット部材11は、例えば、電動機を構成する該ナット部材11とねじ軸13との間で回転運動を直線運動に変換するねじ駆動装置として利用できる。円筒状マグネット12の外周面12bが樹脂で覆われていないことにより、外側に配置されるコイルとの距離を近くでき、マグネットを効率良く回転させることができる。また、円筒状マグネット12の端面12aの一部または全部が樹脂で覆われていることで、円筒状マグネット12と樹脂成形部14とを強固に一体化できる。
上記ねじ駆動装置は、例えば排ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)などに搭載される。このような用途では、ねじ軸と樹脂成形部との間で回転運動が頻繁に生じる部位に使用されることが想定される。このため、樹脂成形部を構成する樹脂は、耐熱性とともに、雌ねじ部とねじ軸との間の摩擦力を低減しながら耐摩耗性にも優れたものが要求される。
樹脂成形部の樹脂材料としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、芳香族系ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、および芳香族系ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂が使用できる。これらの中でも、PPS樹脂が、使用時に求められる要求特性(高強度、高弾性率、低摩擦低摩耗特性、耐衝撃性、耐熱変形性など)を満たしやすく好適である。また、これらの要求特性に対応すべく、上記樹脂に、ガラス繊維、炭素繊維などの補強剤、フッ素樹脂、黒鉛などの固体潤滑剤、高熱伝導剤、顔料などの充填剤を配合してもよい。また、摩擦摩耗特性向上のため、雌ねじ部とねじ軸との間にグリースなどの潤滑剤を介在させてもよい。
円筒状マグネットの材質としては、ネオジウム−鉄系焼結磁石などの希土類磁石、希土類・コバルト磁石、フェライト粉末もしくはハードフェライトからなるフェライト磁石、または、これらのボンド系磁石などが使用できる。より詳細には、Nd−Fe系(ネオジウム−鉄系)、Nd−Fe−B系(ネオジウム−鉄−ホウ素系)、Sm−Co系(サマリウム−コバルト系)、Sm−Fe−N系(サマリウム−鉄−窒素系)、Sm−Fe−Co−N系(サマリウム−鉄−コバルト−窒素系)などの脆性材料が使用できる。
本発明の樹脂成形体の成形型を用いて実施する成形方法としては、注型成形、射出成形など、特に限定しないが、射出成形法を主に採用する。また、使用する成形型は、耐久性や生産性の面から主に射出成形金型を採用する。
本発明の樹脂成形体の成形型の一例を図1〜図3に基づいて説明する。図1はマグネット付き樹脂成形体を射出成形したときの金型断面図であり、図2(a)は成形型に各部品をインサートした状態を示す金型断面図であり、図2(b)は図2(a)における各部材の斜視図であり、図3はキャビティ内に配置された円筒状マグネットの外周面とキャビティ内壁面との空間を調整可能な内金型を示す斜視図である。なお、この成形型は、射出成形金型である。図1に示すように、成形型1は、固定型である金型2と可動型である金型3とを備えてなり、金型2と金型3が衝合することでキャビティが形成されている。図1では、この樹脂成形部14の部分が金型のキャビティである。金型2には、キャビティと連通して溶融樹脂を充填するためのゲート(図示省略)が設けられている。ゲートの位置は特に限定されないが、例えば、円筒状マグネット12の端面付近や樹脂成形部14の先端(図2中上側)付近に設置される。また、ゲートは複数個所とし、例えば、円筒部材に対して周方向等間隔で3箇所に設置される。
ここで、成形型1は、キャビティ内に配置された円筒状マグネット12の外周面12bとキャビティの内壁面4bとの間の空間を調整可能である。すなわち、キャビティの内壁面4bを縮径可能(拡径も可能)である。図2(a)に示すように、金型3は、円筒状マグネット12の外周面12bに沿った中空部を有する略円すい台形状の内金型4と、ベース型6とに分割されている。ここで、内金型4における中空部を構成する内径面がキャビティの内壁面4bである。内金型4の外側面4aと、この外側面4aとの分割面となるベース型6の内側面6aが、相互に対応するテーパ(傾斜面)とされている。このテーパは、固定型である金型2側が大径となるテーパである。内金型4は、ベース型6と完全には固定していないため、成形型開閉時において、ベース型6に対してテーパに沿って摺動しながら軸方向に可動可能である。この成形型開閉時の内金型4の可動によって、キャビティの内壁面4bの径が変化する。その他、金型3には、製品(マグネット付き樹脂成形体)を金型から離型させるための突き出しピン5が設けられている。
図2(b)に示すように、内金型4は、円筒軸方向に貫通しない溝4cを複数有している。図2(a)に示すように、この内金型4をベース型6のテーパで抑え込むことで、内径面、すなわちキャビティの内壁面4bが縮径する。内金型4の内径面の径を円筒状マグネットの外周面の径よりも僅かに大きく設定しておき、これを縮径させることで、成形型1の型開き時には、キャビティの内壁面4bの径が円筒状マグネット12の外周面12bの径より大きく、型締め時には内壁面4bの径が円筒状マグネット12の外周面12bの径より小さい、もしくは同じとできる。
図3に示すように、内金型4の溝4cは、円筒軸方向に貫通しない溝であり、これは軸方向の一方に開口しつつ他方には開口しない溝である。また、溝4cは、4箇所以上の偶数個とすることが好ましい。いずれも方向以外は同形状とする。該図では、6個形成されている。また、溝4cは、周方向等間隔に配置することが好ましい。さらに、周方向で隣り合う溝4cの開口側が相反していることが好ましい。溝の開口側を交互に各端面に設けることで、テーパで抑え込んだ際に変形させやすい。また、これと併せて、上記のとおり同形状で周方向等間隔に配置することで、部分的な歪の発生を防止でき、破損などを防止できる。
以上の成形型を用いた樹脂成形体の製造方法における工程のフロー図を図4に示す。図1、図2、図4に基づき、この製造工程を説明する。全体の概略としては、次のとおりである。(S1)金型の型開きの際に、金型内に円筒状マグネット12とねじコアピン7を挿入配置(インサート)する[マグネット配置工程]、(S2)型締めを行なう[キャビティ縮径工程]、(S3)樹脂を射出成形することで樹脂成形部が形成される[樹脂注入固化工程]、(S4)型を開き、マグネット付きナット部材11とねじコアピン7を金型から取り出す[突き出し工程]。以下に詳細に示す。
まず、マグネット配置工程として、図2(a)に示すように、成形型1を型開きして、金型3のキャビティ内に円筒状マグネット12を、円筒状マグネット12の外周面12bとキャビティの内壁面4bとが対向するようにインサートする。ここで、内金型4の内径面の径は、円筒状マグネット12の外径よりも僅かに大きく設定しておく。また、この型開きの際に、樹脂成形部の雌ねじ部を形成するためのねじコアピン7を円筒状マグネット12の略中央に位置するようにインサートする。この工程では、内金型4の内径面は縮径していない状態(拡径状態)である。
内金型4の内径面の径を、円筒状マグネット12の外径よりも僅かに大きく設定することで、この工程を含む型開き時には、円筒状マグネットの外周面とキャビティの内壁面との間に若干の隙間が与えられる。これにより、成形型内に容易にマグネットをインサートできる。なお、この工程段階における上記隙間は、仮に樹脂注入固化工程でそのまま溶融樹脂を充填した場合には、該樹脂が流れ込む大きさであってもよい。
次に、キャビティ縮径工程が、型締めに連動して実行される。型締めに連動して実行することで、マグネットのずれを防止しつつ、成形時間の短縮も図れる。図1と図2(a)に示すように、金型2と金型3とを衝合させて型締めがなされる。この際に、固定側である金型2の内金型4の端面に突き当たる部分に、金型3と衝合する凸部を設けておくことで、金型2と金型3の衝合に連動して、内金型4が金型3側に押し込まれる。あるいは、型開き時に内金型4はベース型6の端面より飛び出しており、型締め時に内金型4は固定側金型2の端面によりベース型6の中に押し込まれる。これにより、内金型4がベース型6のテーパで抑え込まれて、その内径面、すなわちキャビティの内壁面4bが縮径する。この結果、キャビティの内壁面4bを縮径し、円筒状マグネット12の外周面12bとキャビティの内壁面4bとの間の空間をなくして、該空間に溶融樹脂が流れ込まないようにできる。キャビティの内壁面4bの縮径後における、円筒状マグネット12の外周面12bとキャビティの内壁面4bとの間の空間の広さ、すなわち、円筒状マグネットの外周面とキャビティの内壁面との隙間は、可能な限りゼロに近い状態とする。以上のように、この工程では、内金型4の内径面は縮径している状態である。
その後、樹脂注入固化工程として、図1に示すように、キャビティ内において円筒状マグネット12の円筒端面を覆いつつ中空内部に溶融樹脂を注入して固化させる。円筒状マグネット12の中空内部側から加わる射出圧力に対向する方向に、内金型4から与圧が加わるため、マグネットの破損をより防止できる。端面を樹脂で覆う構造は、これに対応させたキャビティ構造を設けることで形成できる。また、円筒状マグネットの各端面において、成形型内に固定する箇所を除いて、その一部または全部を覆うことができる。キャビティへの溶融樹脂の注入・充填は、成形型1に設けられた該キャビティに連通するゲートを介して行われる。キャビティ内の溶融樹脂が固化することで、円筒状マグネットの中空内部に樹脂成形部が一体成形(インサート成形)された部材が形成される。この工程では、内金型4の内径面は縮径したままの状態である。
最後に、金型2と金型3の衝合を解除して型開きし、突き出し工程として、マグネット付きナット部材11とねじコアピン7とからなる部材を、突き出しピン5(図2参照)により、円筒状マグネット12の端面を突き出して離型させる。型開きにより、内金型4が解放され、軸方向(離型方向)に僅かに移動して、その内径面は先の縮径状態から拡径される。よって、この工程では、内金型4の内径面は縮径していない状態(拡径状態)である。
円筒状マグネット12は樹脂成形部14と一体化させており、ねじコアピン7は離型後に回転させて樹脂成形部14から取り出す。これを繰り返し、マグネット付き樹脂成形体を連続成形する。
このように、上記成形型を用いた製造方法では、型開き時には、内金型の内径は円筒状マグネットの外径より大きくなるため、容易にマグネット付き樹脂成形体を金型から取り出し、マグネットをインサートできる。型締め時には、内金型の内径は円筒状マグネットの外径より小さくなるため、マグネット外周の空間がなくなる。この状態で中空内部に樹脂を射出成形すると、円筒状マグネットが外径方向に拡張されず、引張力が加わらないため、マグネットの割れを防止できる。
マグネットは圧環荷重に対しては耐力が高い。そのため、マグネット外径寸法のばらつきを吸収するために、型締め時の内金型の内径面の径を、円筒状マグネットの外周面の径と同じ、もしくは小さくすることが好ましい。これによって、マグネットの割れのばらつきを防止でき、品質の安定したマグネット付き樹脂成形体を得ることができる。なお、マグネット外径寸法のばらつきを小さくする手段として、センタレスなどによる外径加工を施してもよい。
本発明の樹脂成形体の成形型は、インサート成形するマグネットの破損を防止しつつ、1回の射出成形で後加工なしで安価にマグネット付きの樹脂成形体を製造できるので、ねじ駆動装置などに使用される樹脂製ナット部材とこの外周に一体的に設けた円筒状のマグネットを備えたマグネット付き樹脂成形体の製造に利用できる。特に、マグネットの外側に樹脂成形部を設けない電動機用のねじ駆動装置の製造に好適に利用できる。また、円筒状マグネットの中空部に樹脂成形体を設けた部材の製造に広く利用でき、雌ねじ部を有さない部材などの製造にも適用できる。
1 成形型
2 金型(固定型)
3 金型(可動型)
4 内金型
5 突き出しピン
6 ベース型
7 ねじコアピン
11 マグネット付きナット部材
12 円筒状マグネット
13 ねじ軸
14 樹脂成形部

Claims (4)

  1. 円筒状マグネットと、該円筒状マグネットの中空内部に一体に設けられた樹脂成形部とを有するマグネット付きの樹脂成形体を成形するための成形型であって、
    前記成形型は、キャビティ内に配置された前記円筒状マグネットの中空内部に溶融樹脂を注入して固化させて前記樹脂成形部を一体成形する成形型であり、
    前記キャビティ内に配置された前記円筒状マグネットの外周面と前記キャビティの内壁面との間の空間を調整可能であり、型開き時には前記内壁面の径が前記円筒状マグネットの外周面の径より大きく、型締め時には前記内壁面の径が前記円筒状マグネットの外周面の径より小さい、もしくは同じであることを特徴とする樹脂成形体の成形型。
  2. 前記成形型の一部は、前記円筒状マグネットの外周面に沿った中空部を有する略円すい台形状の内金型と、ベース型とに分割され、前記内金型における前記中空部を構成する内径面が前記キャビティの内壁面であり、
    前記内金型の外側面と、この外側面との分割面となる前記ベース型の内側面とがテーパであり、成形型開閉時において前記内金型は前記ベース型に対して前記テーパに沿って摺動しながら軸方向に可動可能であり、この成形型開閉時の可動によって、前記キャビティの内壁面の径が変化することを特徴とする請求項1記載の樹脂成形体の成形型。
  3. 前記内金型は、軸方向の一方に開口しつつ他方には開口しない少なくとも2箇所の溝を有することを特徴とする請求項2記載の樹脂成形体の成形型。
  4. 前記溝は、4箇所以上の偶数個であり、周方向略等間隔に配置され、周方向で隣り合う前記溝の開口側が相反していることを特徴とする請求項3記載の樹脂成形体の成形型。
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KR20210157694A (ko) * 2020-06-22 2021-12-29 경성정밀주식회사 경사면 슬라이딩코어를 구비한 회전자 사출금형
KR102358399B1 (ko) * 2020-06-22 2022-02-04 경성정밀주식회사 경사면 슬라이딩코어를 구비한 회전자 사출금형

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