JP2017224674A - 環状磁石の製造装置及び環状磁石の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂組成物の歩留りを高め、ウェルド部の発生を効果的に抑えることができる環状磁石の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】環状磁石の製造装置1は、磁性粉を含む樹脂組成物rを成型して、環状磁石を製造する。環状のキャビティ50と、キャビティ50に対して軸L方向に延びる樹脂供給スプルー51と、樹脂供給スプルー51に放射状に連接された複数の第一ランナー52と、複数の第一ランナー52に連接されたディスク状の第二ランナー53と、第二ランナー53と環状のキャビティ50の内周部50aとの間に介在するディスクゲート54と、型開き時に前記ディスクゲートのゲートカットをなし得るゲートカット機構部55と、を含む成型型5と、樹脂供給スプルー51からディスクゲート54までの樹脂組成物を溶融状態に保つヒータ8と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、回転検出用のエンコーダとして適用される環状磁石の製造装置と当該製造装置による環状磁石の製造方法に関する。
近時、自動車の車輪やエンジンの回転検出装置として、周方向に多数のN極及びS極が交互に着磁された環状の樹脂成型体からなる磁気エンコーダが用いられることがある。特許文献1〜4には、このような磁気エンコーダを製造するための成型装置或いは製造方法が記載されている。特許文献1には、環状のキャビティの内周部の全周より溶融した磁石材料(磁性粉を含有する溶融樹脂)をキャビティ内に射出するディスクゲート方式の成型装置において、キャビティ内に磁石材料を射出後急冷・固化して成型することが記載されている。また、特許文献2も、ディスクゲート方式の成型装置であって、キャビティ内に磁性粉を含有する溶融樹脂を射出後冷却・固化し、その後型開きして成型品を取出すことが記載されている。さらに、特許文献3には、リングゲート(ディスクゲートと同義と解される)方式の成型装置であって、この場合も、キャビティ内に磁性粉を含有する溶融樹脂を射出後冷却・固化し、その後型開きして成型品を取出すことが記載されている。これら特許文献1〜3に記載された成型装置は、いずれもディスクゲートを用いたコールドランナー方式の成型装置と解される。一方、特許文献4には、ディスクゲートを用いる点は特許文献1〜3に記載された成型装置と共通するが、ホットランナー方式である点で相違する。
特開2005−214874号公報 特開2015−108573号公報 特許第4682737号公報 特開2015−112728号公報
ところで、特許文献1〜4に記載された成型装置では、いずれもディスクゲートを用いるので、環状の成型品にウェルド部が生じ難いと言うメリットがある。しかし、特許文献1〜3に記載された成型装置はいずれもコールドランナー方式であるため、ディスクゲート部等に残る固化した樹脂が多くなり、樹脂材料の歩留まりが悪くなると言う難点がある。これに対して、特許文献4に記載された成型装置はホットランナー方式であるため、ディスクゲートを用いているにも拘わらず、樹脂材料の歩留りが悪くなる懸念が小さい。しかし、特許文献4に記載された成型装置の場合、ディスクゲート状の供給通路16Aに通じる円筒状の供給通路16B,16Cに対して、1本の通路としての供給通路16Dが供給通路16Cの上端側部に接続されている。そして、溶融樹脂は、この供給通路16Dから供給通路16Cに導入され、供給通路16B,16A及びゲート18を経てキャビティ12内に供給されるようになされている。そのため、供給通路16Dから円環状の供給通路16Cに導入された溶融樹脂が円環状の供給通路16B,16C内で片寄りが生じ、その状態で溶融樹脂がディスクゲート状の供給通路16Aを経てキャビティ12内に供給されることも予想される。したがって、特許文献4に記載された成型装置でも、成型品にウェルド部が生じる懸念が払拭し得ないものと考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みなされたもので、使用される樹脂組成物の歩留りを高め、ウェルド部の発生を抑えることができる環状磁石の製造装置及び製造方法を提供することを目的としている。
第1の発明に係る環状磁石の製造装置は、磁性粉を含む樹脂組成物を成型して、環状磁石を製造する環状磁石の製造装置であって、環状のキャビティと、該キャビティに対して軸方向に延びる樹脂供給スプルーと、該樹脂供給スプルーに放射状に連接された複数の第一ランナーと、該複数の第一ランナーに連接されたディスク状の第二ランナーと、該第二ランナーと前記環状のキャビティの内周部との間に介在するディスクゲートと、型開き時に前記ディスクゲートのゲートカットをなし得るゲートカット機構部と、を含む成型型と、前記樹脂供給スプルーから前記ディスクゲートまでの樹脂組成物を溶融状態に保つヒータと、を備えていることを特徴とする。
また、第2の発明に係る環状磁石の製造方法は、前記製造装置を用いて環状磁石を製造する装置であって、前記成型型を型締めする工程と、前記ヒータをオンとした状態で前記スプルーから、第一ランナー及び第二ランナーを経て前記ディスクゲートから前記キャビティ内に溶融状態の樹脂組成物を供給する工程と、前記成型型を型開きする工程と、前記第二型に残留する半製品を取り出す工程と、を備えたことを特徴とする。
第1及び第2の発明によれば、第二ランナーと環状のキャビティの内周部との間に介在するディスクゲートは、型開き時にゲートカット機構部によってゲートカットされる。そして、樹脂供給スプルーからディスクゲートまでの樹脂組成物はヒータによって溶融状態に保たれるから、そのまま再使用が可能で、これによって、使用される樹脂組成物の歩留りを高めることができる。また、樹脂供給スプルーから供給された樹脂組成物は、放射状の第一ランナーによって放射状に広がるため、樹脂組成物の供給圧を低減することができ、キャビティ内での成型が円滑になされる。さらに、樹脂組成物は、ディスクゲートから環状のキャビティに供給されるため、環状の樹脂成型品にウェルド部が発生することが抑制される。
第1の発明において、前記成型型は、前記環状磁石の端面に整合する第一主型、及び前記ディスクゲートが設けられるとともに型開き時に前記第一主型に先行して移動する第一中子を含む第一型と、前記第一型との合体部に前記キャビティを形成する第二型とを備え、前記ゲートカット機構部は、型開き時に前記第一主型と前記第一中子との移動差により生じるせん断力によってゲートカットするものとしてもよい。
本発明によれば、ゲートカットが型開き時における第一主型と前記第一中子との移動差により生じるせん断力によってなされるから、ゲート跡の表面に凹凸が生じることを抑えることができる。
第1の発明において、前記複数の第一ランナーにおける前記第二ランナー側開口部は、前記軸方向に螺旋状をなし、且つ、前記軸回りに等間隔で配列されているものとしてもよい。
本発明によれば、軸方向に平行に形成された第一ランナーにおける第二ランナー側開口部に比べて、放射状に延びる複数の第一ランナーにおける第二ランナー側開口部の開口面積を大きく確保することができる。したがって、その分、樹脂組成物の供給圧をより低減することができる。
第1の発明において、前記成型型を前記軸方向において間に挟むように配設され、前記キャビティに供給された前記樹脂組成物中の前記磁性粉を配向させるための励磁コイルを備えているものとしてもよい。
本発明によれば、成型時に励磁コイルによってキャビティ中の樹脂組成物に含有される磁性粉を配向させることで、得られる環状磁石の磁力等の磁気特性を向上させることができる。
この場合、前記励磁コイル間の前記成型型における前記キャビティを挟む磁界路部分は磁性体金属からなるものとしてもよい。
これによれば、成型時に励磁コイルから発生した磁束がキャビティを通過し易くなり、成型品における磁性粉の配向度を高めることができる。
第1の発明において、前記キャビティは、金属環をその一面が当該キャビティ内に露出した状態で保持可能とされ、前記成型型は、当該金属環をキャビティの所定位置に位置決めする位置決め構造部を有しているものとしてもよい。
本発明によれば、金属環をキャビティの所定位置にインサートした状態で、金属環と一体とされた環状磁石を成型することができる。
第2の発明において、前記成型型を前記軸方向において間に挟むように励磁コイルを配設し、前記キャビティ内に樹脂組成物を供給する工程と並行して、前記励磁コイルによって、前記キャビティ内に供給された前記樹脂組成物中の磁性粉を磁場配向させる工程をさらに付加したものとしてもよい。
本発明によれば、前記励磁コイルによる磁界が、前記キャビティにより形成される円環状体に対して、前記円環状体の軸方向に沿って作用するよう構成されているものとしてもよい。これによれば、磁性粉が前記軸方向に沿うように配向されるから、得られた成型体を着磁によってアキシャルタイプの磁気エンコーダとする場合に、その着磁が極めて効果的になされる。
本発明に係る環状磁石の製造装置及び製造方法によれば、使用される樹脂組成物の歩留りを高め、ウェルド部の発生を抑えることができる。
本発明に係る環状磁石の製造装置の一例を示す概略的縦断面図である。 図1におけるX−X線矢視断面図である。 (a)(b)(c)は本発明に係る環状磁石の製造方法の一例を図1のY部に対応する部分で示す工程図であり、(a)は金属環をキャビティに配置する工程を、(b)は第一型及び第二型を型締めする工程を、(c)はキャビティに溶融樹脂を供給する工程を、それぞれ示す。 (a)(b)(c)は同工程の次工程以降を示し、(a)は型開き工程においてゲートカットがなされた状態を、(b)は型開きが完了した状態を、それぞれ示す図3と同様図であり、(c)は成型型から取り出す工程の後に得られた環状磁石の部分破断縦断面図を示す。
以下に本発明の実施の形態について、図1〜図4を参照して説明する。なお、断面図において、クロスハッチング部分は磁性体からなることを示し、通常のハッチング部分は非磁性体からなることを示している。
図1及び図2は、本発明に係る環状磁石の製造装置が、磁場成型装置1であることを示している。本実施形態の磁場成型装置1は、固定盤2と、該固定盤2に対して4本の磁性体製タイバー3…を介して上下方向に互いに接近及び離反可能に設けられた可動盤4と、前記固定盤2及び可動盤4間に介装された磁場成型用金型(成型型)5と、ヒータ8とを備える。なお、金型支持盤としての固定盤2及び可動盤4は、固定及び可動関係を逆にし、或いは両者とも可動として互いに接近及び離反可能に構成することも可能である。固定盤2には励磁コイル200が埋設されている。可動盤4には励磁コイル400が埋設されている。
成型型5は、環状のキャビティ50と、キャビティ50に対して軸L方向に延びる樹脂供給スプルー51と、樹脂供給スプルー51に放射状に連接された複数(図例では16個、図2参照)の第一ランナー52…と、複数の第一ランナー52…に連接されたディスク状の第二ランナー53と、第二ランナー53と環状のキャビティ50の内周部50aとの間に介在するディスクゲート54と、型開き時に前記ディスクゲート54のゲートカットをなし得るゲートカット機構部55とを含む。本実施形態では、樹脂供給スプルー51、ディスク状の第二ランナー53、ディスクゲート54及び環状のキャビティ50が軸Lと同軸になるように形成されている。さらに具体的には、成型型5は、後記する環状磁石(図4(c)参照)9の端面に整合する環状の第一主型61、及び、ディスクゲート54が設けられるとともに型開き時に第一主型61に先行して移動する第一中子62を含む第一型6と、第一型6との合体部にキャビティ50を形成する第二型7とを備える。本実施形態におけるゲートカット機構部55は、型開き時に第一主型61と第一中子62との移動差により生じるせん断力によってゲートカットするように構成されている。また、第一型6には、樹脂供給スプルー51からディスクゲート54までの樹脂組成物r(図4(a)参照)を溶融状態に保つ複数のヒータ8が、軸L回りに適宜間隔毎に埋設されている。
第一型6は、前記第一主型61に加えて当該第一主型61の上端に一体とされた環状の第二主型61Aと、この第二主型61Aに圧縮スプリング63を介して連結された環状の第三主型61Bとを有している。第一主型61、第二主型61A、圧縮スプリング63及び第三主型61Bは磁性体金属からなる。また、第一型6は、前記第一中子62に加えて当該第一中子62の下部凹所62aに同軸的にねじ結合された第二中子62Aと、この第二中子62Aの下部円柱状部62Abに同軸的にねじ結合された第三中子62Bとを有している。符号62bは、第一中子62と第二中子62Aとのねじ結合部を示し、符号62Acは、第二中子62Aと第三中子62Bとのねじ結合部を示す。第一中子62、第二中子62A及び第三中子62Bは非磁性体材料からなる。第一中子62の上部であるとともに第三主型61Bの内周側には両者に一体とされた非磁性体製の第四中子62Cが設けられている。第三主型61B及び第四中子62Cの上端にはスペーサ部材64を介して磁性体金属製の上側金型ベース65が一体に設けられている。スペーサ部材64は、図示しない射出装置のノズルが挿入される挿入孔64aaを有する非磁性体製の円板部64aと、その外周部に一体とされた磁性体金属製の円輪部64bとからなる。なお、上側金型ベース65及び可動盤4にも、射出装置のノズルが挿入される図示しない挿入孔が設けられている。円輪部64bは第三主型61Bの上端部と上側金型ベース65との間に密接的に介在する。上側金型ベース65は、可動盤4に設けられた励磁コイル400の一部と重なる大きさの板状体からなる。第一主型61及び第二主型61Aは、第一中子62に対して軸L方向に沿って摺動可能な嵌合関係となるように構成されている。この第一主型61と第一中子62との摺動可能な嵌合関係が後記するゲートカット機構部55を構成する。
樹脂供給スプルー51は、第一中子62及び第二中子62Aの中心に軸Lと同軸的に設けられ、その上端部は図示しない射出装置のノズルに接合される。また、第二中子62Aの軸L方向に沿った中間部62Aaには、樹脂供給スプルー51の下端部に、軸Lに直交する方向に延び、且つ、360度に亘り周方向に等間隔で放射状に連接された複数の第一ランナー52…が設けられている。この第一ランナー52…は樹脂供給スプルー51側の開口部52aを介して樹脂供給スプルー51に連通している。第一ランナー52…が設けられる第二中子62Aの中間部62Aaは円錐台形状とされ、この中間部62Aaの側面61Abには各第一ランナー52…の第二ランナー53側の開口部52b…が形成されている。第一ランナー52における第二ランナー53側の開口部52b…は、軸L方向に螺旋状をなし、且つ、軸L回りに等間隔で配列されている。また、各第一ランナー52の開口部52b…は、正面視長楕円形状に形成されている。第二ランナー53は、第二中子62Aにおける中間部62Aaの側面61Abと第一中子62の下向きに拡径するテーパ形状の内周面との間のディスク状間隙によって形成される。第二ランナー53は、キャビティ50に近づくにつれて外周側に延びるように形成されており、換言すればラッパ型に形成されている。さらに、ディスクゲート54は、第一中子62と第三中子62Bとの間隙であって、第二ランナー53の先端部に連接され、漸次間隙が狭まりながら延びて、周縁部54aがキャビティ50の内周部50aに臨むように形成されている。
第二型7は、磁性体金属からなり、第一型6との合体部において第一型6と共に環状のキャビティ50を形成する。第二型7は、磁性体金属製の下側金型ベース66上に一体に設けられている。下側金型ベース66は、固定盤2に設けられた励磁コイル200の一部に重なる大きさの板状体からなる。第二型7におけるキャビティ50側の外周部7aの外径は、後記する金属環9の円筒部9aの内径と略同じ若しくはやや小とされている。さらに、第一型6における第一主型61及び第二主型61Aには内向き(軸L側に向く)に延出するフランジ部10aを有する円筒状の補助型10が外嵌一体とされている。補助型10は非磁性の金属材から構成されている。フランジ部10aは、その内周部10aaがキャビティ50の外形状を画成するとともに、金属環9をその一面がキャビティ50内に露出した状態で保持するよう所定の位置に位置決めるための位置決め構造部を構成する。
前記のように構成された環状磁石の製造装置としての磁場成型装置1を用いて環状磁石を製造する方法を図3及び図4をも参照して説明する。先ず、可動盤4の下面所定位置に第一型6を不図示の治具によって固定し、固定盤2の上面所定位置に第二型7を同様に固定する。この第一型6及び第二型7の固定状態では、上側金型ベース65の上面が可動盤4の下面に接している。また、第一型6及び第二型7の固定状態では、下側金型ベース66の下面が固定盤2の上面に、接している。並行して、溶融状態の熱可塑性樹脂とフェライト等の異方性磁性粉とを所定割合に混合して樹脂組成物rを調製し、この樹脂組成物rを不図示の射出装置に充填する。次いで、キャビティ50の所定位置に金属環9を配置する。金属環9は、円筒部9aと、円筒部9aの一端部から内向き(軸L側に向く)に形成されたフランジ状の円板部9bとからなる。この金属環9の配置は、円筒部9aを第二型7の外周部7aに嵌合し、円板部9bを第二型7の上端面7bに載せ置くようになされる。このように金属環9が配置された状態では、円板部9bの片面9ba及び内周面9bb(金属環9の一面)がキャビティ50内に露出した状態とされる(図3(a)(b)参照)。
可動盤4を不図示の昇降装置によって下降させ、図1及び図3(b)に示すように第一型6を第二型7に合体させて型締めする(型締めする工程)。この型締めは、前記圧縮スプリング63が圧縮された状態でなされ、この型締めによって、キャビティ50が第一型6の第一中子62及び第三中子62Bと、第二型7の上端面7bと、補助型10の内周部10aaとによって画成された空間として形成される。また、この型締めによって、金属環9がその一面9ba,9bbがキャビティ50内に露出した状態で保持される。この保持状態では、補助型10のフランジ部10aが金属環9の円板部9bに弾性的に当接し、この弾性的な当接によって、金属環9が上動することなく所定位置に安定的に位置決めされる。さらに、この型締めによって、ディスクゲート54は、その周縁部(ゲート端)54aが環状のキャビティ50の内周部50aに臨むように位置付けられる。
上述のように型締めする工程が完了すると、樹脂組成物を供給する工程が実施される。この樹脂組成物を供給する工程においては、先ず、ヒータ8をオンとして第一型6を所定の温度に保ちながら、射出装置(不図示)により溶融状態の樹脂組成物rをスプルー51に供給する。さらに、スプルー51から第一ランナー52…及び第二ランナー53を経てディスクゲート54からキャビティ50内に溶融状態の樹脂組成物rを射出供給する(図3(c))。軸Lと同軸のスプルー51からは、溶融状態の樹脂組成物rが、軸Lに直交する方向に延び、且つ、360度に亘り周方向に等間隔で放射状に連接された複数の第一ランナー52…に供給されるから、各第一ランナー52に樹脂組成物rが略均等に供給される。そして、樹脂組成物rは、第一ランナー52…の第二ランナー53側の開口部52bからディスク状の第二ランナー53に供給され、ここで均等化されてディスクゲート54に供給される。特に、第二ランナー53側の開口部52b…は、軸L方向に螺旋状をなし、且つ、軸L回りに等間隔で配列されているから、第二ランナー53内での樹脂組成物rの均等化がより確実になされる。ディスクゲート54では周方向に均一化された状態で樹脂組成物rが供給されるから、キャビティ50にはディスクゲート54のゲート端54aから内周部50aの周方向に沿って樹脂組成物rが均等に供給される。この結果、成型品にウェルド部を生じる懸念がない。
本実施形態においては、前記樹脂組成物を供給する工程と並行して、磁性粉を磁場配向させる工程が実施される。本磁場配向させる工程においては、励磁コイル200,400に通電して磁場成型装置1に所定の磁界a(図1及び図3(c)参照)を形成する。磁界aは、上側の励磁コイル400から、可動盤4、上側金型ベース65、スペーサ部材64の円輪部64b、第三主型61B、第二主型61A、第一主型61、金属環9を含むキャビティ50、第二型7、下側金型ベース66、固定盤2、タイバー3及び可動盤4を経て励磁コイル400に至るループ状の磁界路を形成する。この磁界aにより、キャビティ50内に供給された樹脂組成物rに含有される磁性粉が一方向に配向される。このループ状の磁界路に沿った前記各部材は、全て磁性体金属からなるから、励磁コイル200,400から発生した磁界aが磁束密度が高い状態でキャビティ50を通過し易くなり、得られる成型品における磁性粉の配向度を高めることができる。
前記のように樹脂組成物の供給工程及び磁性粉を配向する工程が完了すると、成型型を型開きする工程が実施される。この型開きに際し、先ず、ヒータ8をオン状態に保ったまま射出装置からの樹脂組成物の供給を停止し、可動盤4を上昇させる。可動盤4の上昇の初期段階では、第三主型61B、第一中子62、第二中子62A、第三中子62B及び第四中子62Cが一体となって上昇する。この時、第一主型61、第二主型61A及び補助型10は、圧縮スプリング63の下向き弾力により静止状態に保たれる。そのため、第一中子62は第三中子62Bと共に第一主型61との嵌合部を摺接しながら上昇する。これにより、ディスクゲート54のゲート端54aとキャビティ50の内周部50aとの間には、第一主型61と第一中子62との移動差によるせん断力が生じ、キャビティ50及びディスクゲート54間に存在する溶融状態の樹脂組成物rがこの部分でカットされる(図4(a)参照)。本実施形態では、ゲートカット機構部55が、圧縮スプリング63を介した第一主型61及び第一中子62との移動差によるせん断力を生じる機構によって構成されている。このようなゲートカット機構部55によって、ゲート跡の表面に凹凸が生じることを抑えることができる。また、第二主型61Aと第三主型61Bとの間に圧縮スプリング63を介在させるだけで、型開き時に機能するゲートカット機構部55を構成することができ、装置のコンパクト化と製造工程の効率化を図ることができる。
ゲートカットがなされた後、さらに可動盤4が上昇すると、圧縮スプリング63が伸長し、圧縮スプリング63が伸長限界に達すると、圧縮スプリング63によって第一主型61、第二主型61A及び補助型10が引き上げられる。その結果、図4(b)に示すように、第二型7上に金属環9の一面9ba,9bbに樹脂組成物rが未硬化の成型品として一体とされた半製品11が残存し、これによって型開き工程が完了する。その後、半製品11を第二型7上で冷却して溶融状態の樹脂組成物rを硬化させ、図4(c)に示すように、樹脂成型品12が金属環9に一体とされた製品としての環状磁石13が成型型(第二型7)5から取り出される(取り出す工程)。そして、ヒータ8はオンの状態に保たれているから、樹脂供給スプルー51、第一ランナー52、第二ランナー53及びディスクゲート54に残留する樹脂組成物rは溶融状態に維持される。したがって、引き続き前記工程を開始して次の環状磁石13を製造することができ、これにより、効率的な環状磁石13の製造を実施することができ、また、樹脂組成物rを無駄なく使用でき、製品歩留まりの向上を図ることができる。
なお、第二型7から半製品を取出した後、硬化させて製品としての環状磁石13とすることも可能である。
前記のようにして得られた環状磁石13においては、環状の樹脂成型品12が、その周方向においてウェルド部が存在しない均質なものとされ、また、樹脂成型品12に含有される磁性粉の大半がその厚み方向(軸Lに沿った方向)に配向している。したがって、本環状磁石13を磁気エンコーダとして応用する場合、その表面に対する多極着磁が効果的になされ、これにより、高精度の回転検出機構が構成可能とされる。このように環状磁石13に多極着磁がなされた磁気エンコーダは、例えば、自動車の車輪用軸受装置における回転側部材(内輪等)に金属環9を介して装着され、固定側部材(外輪、車体等)に磁気センサを多極着磁面に対峙するように設置して、車輪の回転検出機構を構成することができる。
なお、前記実施形態におけるゲートカット機構部55は、圧縮スプリング63を介した第一主型61及び第一中子62との移動差によるせん断力を生じる機構によって構成されているが、これに限らない。例えば、圧縮スプリング63を設けず、型開き時に第一主型61及び第一中子62が共に移動して、ディスクゲート54が環状磁石13から自然に分離することによってゲートカットするゲートカット機構でも良い。また、第一ランナー52における第二ランナー53側の開口部52b…が螺旋状であれば、その他の第一ランナー52の部分の形状については特に限定されない。例えば、第一ランナー52の形状は、樹脂供給スプルー51側の開口部52aから第二ランナー53側の開口部52bに至る途中まで軸L方向に対して直交する方向に延びるように形成されていてもよい。また、第一ランナー52における第二ランナー53側の開口部52bは螺旋状に限らず、軸L方向に平行な開口部であってもよいし、軸L回りに不等間隔で配列していてもよい。
さらに、前記実施形態では、ヒータ8が第一型6に埋設された例を示したが、これに限らず、樹脂供給スプルー51からディスクゲート54までの樹脂組成物rを溶融状態に保つことができれば、ヒータ8を埋設以外の方法で設けることも除外するものではない。また、樹脂供給スプルー51を環状のキャビティ50と同軸にした例を示したが、キャビティ50とは偏心した位置に樹脂供給スプルー51を設けてもよい。さらに、環状磁石13を金属環9と樹脂成型品12とを一体とした例について述べたが、環状磁石13が樹脂成型品12のみからなるものとしてもよい。また、環状磁石13を構成する金属環9の円板部9bが内向きに形成されている例について述べたが、外向き(軸Lに対し遠心側に向く)に形成されているものであってもよい。加えて、磁場配向を要しない場合は、励磁コイルが不要とされ、また、磁性体金属からなるとした各構成部(可動盤4、上側金型ベース65、スペーサ部材64の円輪部64b、第三主型61B,第二主型61A、第一主型61、第二型7、下側金型ベース66、固定盤2及びタイバー3等)は、非磁性体からなるものとしてもよい。その他、製造装置1の各部位の構成や形状は、本発明を逸脱しない限り、他の構成や形状とすることはもとより可能である。
1 磁場成型装置(製造装置)
5 成型型
50 キャビティ
50a 内周部
51 樹脂供給スプルー
52 第一ランナー
52b 第二ランナー側開口部
53 第二ランナー
54 ディスクゲート
55 ゲートカット機構部
6 第一型
61 第一主型
62 第一中子
7 第二型
8 ヒータ
9 金属環
9ba 円板部の片面(一面)
9bb 円板部の内周面(一面)
10 補助型(位置決め構造部)
11 半製品
13 環状磁石
200,400 励磁コイル
a 磁界
L 軸

Claims (8)

  1. 磁性粉を含む樹脂組成物を成型して、環状磁石を製造する環状磁石の製造装置であって、
    環状のキャビティと、該キャビティに対して軸方向に延びる樹脂供給スプルーと、該樹脂供給スプルーに放射状に連接された複数の第一ランナーと、該複数の第一ランナーに連接されたディスク状の第二ランナーと、該第二ランナーと前記環状のキャビティの内周部との間に介在するディスクゲートと、型開き時に前記ディスクゲートのゲートカットをなし得るゲートカット機構部と、を含む成型型と、
    前記樹脂供給スプルーから前記ディスクゲートまでの樹脂組成物を溶融状態に保つヒータと、
    を備えていることを特徴とする環状磁石の製造装置。
  2. 請求項1に記載の環状磁石の製造装置において、
    前記成型型は、前記環状磁石の端面に整合する第一主型、及び前記ディスクゲートが設けられるとともに型開き時に前記第一主型に先行して移動する第一中子を含む第一型と、前記第一型との合体部に前記キャビティを形成する第二型とを備え、
    前記ゲートカット機構部は、型開き時に前記第一主型と前記第一中子との移動差により生じるせん断力によってゲートカットすることを特徴とする環状磁石の製造装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の環状磁石の製造装置において、
    前記複数の第一ランナーにおける前記第二ランナー側開口部は、前記軸方向に螺旋状をなし、且つ、前記軸回りに等間隔で配列されていることを特徴とする環状磁石の製造装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の環状磁石の製造装置において、
    前記成型型を前記軸方向において間に挟むように配設され、前記キャビティに供給された前記樹脂組成物中の前記磁性粉を配向させるための励磁コイルを備えていることを特徴とする環状磁石の製造装置。
  5. 請求項4に記載の環状磁石の製造装置において、
    前記励磁コイル間の前記成型型における前記キャビティを挟む磁界路部分は磁性体金属からなることを特徴とする環状磁石の製造装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の環状磁石の製造装置において、
    前記キャビティは、金属環をその一面が当該キャビティ内に露出した状態で保持可能とされ、前記成型型は、当該金属環をキャビティの所定位置に位置決めする位置決め構造部を有していることを特徴とする環状磁石の製造装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の環状磁石の製造装置を用いて製造する環状磁石の製造方法であって、
    前記成型型を型締めする工程と、
    前記ヒータをオンとした状態で前記スプルーから、第一ランナー及び第二ランナーを経て前記ディスクゲートから前記キャビティ内に溶融状態の樹脂組成物を供給する工程と、
    前記成型型を型開きする工程と、
    前記第二型に残留する半製品を取り出す工程と、
    を備えたことを特徴とする環状磁石の製造方法。
  8. 請求項7に記載の環状磁石の製造方法において、
    前記成型型を前記軸方向において間に挟むように励磁コイルを配設し、
    前記キャビティ内に樹脂組成物を供給する工程と並行して、前記励磁コイルによって、前記キャビティ内に供給された前記樹脂組成物中の磁性粉を磁場配向させる工程をさらに付加したことを特徴とする環状磁石の製造方法。
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CN116313493A (zh) * 2023-05-19 2023-06-23 苏州洲盛非晶科技有限公司 一种非晶合金铁芯的生产工艺

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