JPH07188654A - 発光材料 - Google Patents

発光材料

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JPH07188654A
JPH07188654A JP33117293A JP33117293A JPH07188654A JP H07188654 A JPH07188654 A JP H07188654A JP 33117293 A JP33117293 A JP 33117293A JP 33117293 A JP33117293 A JP 33117293A JP H07188654 A JPH07188654 A JP H07188654A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の発光材料は赤外ならびに可視域を含
む広い波長範囲で室温においても強い発光を示す発光材
料で、容易に入手できる材料を用い作製法が容易な発光
材料を提供するものである。可視の発光材料は各種の表
示デバイスやテレビ、コンピュータなどの画像表示デバ
イスとして使用することができる。 【構成】 本発明の可視域を含む発光材料は、シリコン
と窒素を主とする化合物であることを特徴とする。窒素
以外に添加する材料としては酸素を用いることができ
る。構造は結晶である必要はない。本発明では膜作製条
件を最適化することにより常温においても高効率発光を
得ることができる。また組成を変えることにより発光波
長容易に制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発光とくに赤外から可視
域における発光材料を提供するものである。材料の成分
は容易にかつ大量に入手することが可能で作製方法も容
易である。可視の発光材料は各種の表示デバイスやテレ
ビ、コンピュータなどの画像表示デバイスやその他の発
光素子として使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、発光材料はバルク材料を用いたも
のとしては直接遷移型の半導体や蛍光体が用いられてい
た。例えばGaAs,GaPなどの半導体材料はバルク
結晶そのものが発光特性を持っている。これらの発光波
長は材料に固有のものである。発光波長を変えるために
は混晶を形成することで達成できる。例えばAlx Ga
1 - x AsはGaAsとAlAsの発光波長の中間の波
長のものが作製できる。
【0003】これとは別に材料そのもので発光するもの
としては希土類の化合物、例えばCaWO4 、MgWO
4 などは希土類の内核電子に励起電子が落ちこむことで
固有の発光をする。ZnS:Cuのように発光センター
を導入することにより発光センターに付随した発光を得
るものがある。
【0004】さらに水素とわずかな酸素を含む非晶質炭
化珪素から可視域の発光が得られている(特開昭58−
218114号公報)。
【0005】またアルモファスシリコンで低温において
赤外発光が得られたとの報告がある(ケイ・モリガキ、
ワイ・サノ、アイ・ヒラバヤシ、ジャーナル オブ ザ
フィジカル ソサイアティ オブ ジャパン(K.M
orinagaki,Y.Sano.I.Hiraba
yasi,J.Phy.Soc.Jpn.)vol.5
1、pp.147−152(1982))。このとき膜
中の酸素濃度を増すと発光強度が増すとともにピーク波
長が変わるとの報告があるが室温では強度が弱い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】半導体の発光材料で
は、材料の結晶性の良さが発光効率の高さや性質に敏感
に反映するが、結晶性の良いものを作製するのは容易で
はない。発光波長は材料に固有で特に可視域の短波長の
発光を得られる材料は結晶成長が容易でない物が多い。
また波長制御のための混晶の作製は全ての混晶比で達成
できるわけではない。さらに、このような材料を用いる
場合は材料固有の性質により発光波長(範囲)が定まっ
てしまう。すなわち広い発光波長範囲を得ることが困難
である。希土類化合物や発光センターを用いた材料の発
光波長は同様に材料により決まっている。またアルモフ
ァス材料として作製された膜では炭素を含む膜では酸素
ならびに水素が同時に必要であることが報告されており
複雑な組成が必要である。またシリコンと酸素のみより
なる材料の報告によると発光波長範囲は7000オング
ストロームから6000オングストロームの範囲であ
り、波長可変範囲が狭い。(アール・キャリウス、アー
ル・フィッシャー、イー・ホルツェンカンファー、ジャ
ーナル オブ ルミネッセンス(R.Carius,
R.Fischer,and E.Holzenkam
pfer,J.Lumines.)24/25,47
(1981))。
【0007】本発明の目的は、赤外ならびに可視域を含
む広い波長範囲で室温においても強い発光を示す発光材
料で、容易に入手できる材料を用い作製法が容易な発光
材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の可視域を含む発
光材料は、シリコンとそれと化合物を形成するひとつま
たは複数の材料を用いることを特徴とする。化合物を形
成する材料として酸素、窒素を用いる。構造は結晶であ
る必要はない。そのため作製法は簡単であり、また成長
させる基板の種類や状態を選ばない。
【0009】本発明では、組成を変えることにより発光
波長を広い範囲で連続的に制御することができる。
【0010】発光材料を作製する基板は金属、半導体基
板、絶縁体基板のいずれでも良い。シリコンを堆積させ
るためにガスを供給する。例えばシラン(SiH4 )を
用いることができる。シリコンと化合させる成分として
窒素さらに酸素をそれぞれのガスを導入することで化合
させる。酸素と窒素を同時に供給するためにはN2 Oガ
スなどの化合物ガスを用いることもできる。
【0011】反応チャンバーとしてはバレル型や平行平
板型のRFプラズマ放電装置やECRプラズマイオン源
などガスを解離・活性化できる方法を用いることができ
る。基板温度は膜質や堆積速度に影響するのでそれぞれ
のガスにより適当な温度を選択する。
【0012】ガス圧力、ガス流量比、基板温度、プラズ
マ発生電力などの堆積膜作製条件により堆積膜の組成比
が変化し発光強度や発光波長を制御することができる。
本発明の発光材料は完全結晶は不要であるので、基板材
料は結晶成長させるときほど問題にはならず、多種多様
な基板を選択できる長所がある。堆積速度は基板温度、
供給反応ガス量、プラズマ発生電力などにより制御する
ことができる。熱分解しやすいガスを用いた場合は基板
の熱加熱のみで堆積させる熱CVD法で堆積させること
もできる。このとき堆積速度は基板温度、供給反応ガス
量により制御することができる。
【0013】堆積する膜の組成は供給する反応ガスの流
量比、ガス圧、基板温度、RF電力などで決まる。堆積
膜の組成は例えばシリコンと窒素と酸素の組み合わせで
はSiOxNyと表すとxは2以下yは1.25以下で
ある。もっぱら完全結晶からずれた組成比で作製しその
組成比を例えばx=0.5〜1.5,y=0.2〜1の
ように変えることにより発光波長を変化させることがで
きる。一例としてSiOx 0 . 6 x の場合を図1に示
す。この材料の場合は赤外域と可視域に発光のピークを
有する。図2はこの膜を成長させたときのN2 Oガスと
SiH4 ガスの流量比を0.5から4まで変化させたと
きの発光ピークの位置の変化を示したものである。図2
よりガス流量比により発光波長が制御できていることが
わかる。このときの膜の組成比はほぼx=0.5から
1.0に対応している。
【0014】室温での発光効率を高めるためには一般に
は膜内の未結合手が少ないほどよい。本膜においては基
板温度RF電力、ガス圧などの堆積条件を最適化するこ
とによりSi,N,Oの相互の結合により未結合手を減
少させることができる。本膜においても水素の添加によ
り未結合手を減少させることもできる。本膜作製法にお
いてはSiH4 ガスを用いた場合、水素が同時に供給さ
れるので、未結合手を自動的に終端する働きがある。堆
積中にさらに水素を添加して未結合手終端効率を高める
ことができる。そのときは水素ガスをそのまま添加せず
ラジカル化することにより効率よく終端することが可能
である。
【0015】使用する反応ガスの種類と基板の状態によ
り堆積速度に選択性を持たせることができる。例えば基
板の材料が異なる場合、表面処理が異なる場合、表面温
度が異なる場合などにより選択性を持たせ任意のパター
ンを持った発光材料を成長させることができる。
【0016】堆積させた膜は光励起、電子線励起などで
発光させることができる。また電極を形成し電界発光も
しくは電流注入発光をさせることができる。膜質を均一
に作ることが容易で発光強度の均一なものを作ることが
できる。
【0017】このようにして作製した発光層は、通常の
リソグラフィ、エッチングプロセスで容易に加工ができ
形状を自由に制御できる。また半導体基板上への堆積が
可能であるので表示デバイスなどへの応用が容易であ
る。
【0018】
【作用】本発明では、シリコン、窒素、酸素という容易
に得られる材料を用い発光材料を得ることができる。
【0019】発光波長の制御は組成比を変えることによ
り行うことができる。一例としてSiOx 0 . 6 x
合を図1に示す。この材料の場合は赤外域と可視域に発
光のピークを有する。図2はこの膜を成長させたときの
2 OガスとSiH4 ガスの組成比を0.5から4まで
変化させたときの発光ピークの位置の変化を示したもの
である。図2よりガス流量比を変えることにより、発光
波長が赤外域から可視域にかけて変化していることがわ
かる。このときの膜の組成比はほぼx=0.5から1.
0に対応している。
【0020】
【実施例】
(実施例1)本実施例ではシリコン基板ならびに石英基
板を用いた。シリコンを堆積させるためにガスとしてシ
ラン(SiH4 )を用い、酸素と窒素を同時に供給する
ことができるガスとしてN2 Oガスを用いた。
【0021】図4に示す平行平板型のプラズマ発生装置
を用い、13.5MHzの高周波を印加してプラズマを
発生させた。図4において、1はRF電源基板、2は真
空チャンバー、3は発光材料(堆積膜)、4は基板、5
は基板加熱ホルダー、6はラジカル発生装置、7はシラ
ンガス導入口、8はN2 Oガス導入口、9は水素ガス導
入口である。
【0022】ガス圧はSiH4 ガスならびにN2 Oガス
を同時に供給したときに常に30Paとした。高周波電
力は280Wで用いた。このときのガス流量は、N2
/SiH4 流量比が0.5、N2 Oガスが66.6SC
CM、SiH4 ガスが133.3SCCMである。基板
温度は、280℃で行った。
【0023】堆積速度は30n/minであった。Si
4 ガスを用いた場合、水素が同時に供給されるので、
未結合手を自動的に終端する働きがある。堆積中にさら
に水素を添加して未結合手終端効率を高めることができ
る。そのときは水素ガスをそのまま添加せずラジカル化
することにより効率よく終端することが可能である。ま
た作製後水素中でアニールすることも有効である。
【0024】(実施例2〜7)実施例1と同様に、ただ
しN2 OガスとSiH4 ガスの流量を変えて作成した。
ガス圧をSiH4 ガスならびにN2 Oガスを同時に供給
したときに常に30Paとし、N2 O/SiH4 流量比
を0.75〜4まで変化させて作成した。このときのガ
ス流量比を表1に示す。
【0025】実施例ではガスの流量比のみを変化させて
堆積膜の組成を制御した。
【0026】
【表1】
【0027】図3に実施例1〜7の膜の膜中のH、O、
Nの体積密度を分析した結果を示す。Siは2×102
2個/cm3 と分かっているため、この結果より、Hは
Siと同等含まれており、N、Oの組成比はSiOx
0 . 6 x と表したとき、x=0.5〜1に対応してい
る。
【0028】図2に実施例1〜7の発光波長を示す。組
成を変えることにより、発光のピーク位置で8300オ
ングストロームの近赤外域から6100オングストロー
ムの可視域まで制御できていることが分かる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明は従来の膜と
比較し発光波長の制御範囲が広く、応用範囲が広がる。
また材料の入手が容易で、また作製プロセスが簡単で再
現性が良く、生産性が上がる。本膜の作製においては基
板を汚染もしくは損傷する事が少ない。また選択的に発
光層を堆積し作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光材料の発光スペクトルの一例を示
す図である。
【図2】本発明の発光材料の発光スペクトルピークが組
成により制御できることを示す図である。
【図3】N2 OとSiH4 ガスの流量比を変えたときの
窒素、酸素、水素の濃度を示す図である。
【図4】本発明の発光材料の作製装置を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 RF電源基板 2 真空チャンバー 3 発光材料(堆積膜) 4 基板 5 基板加熱ホルダー 6 ラジカル発生装置 7 シランガス導入口 8 N2 Oガス導入口 9 水素ガス導入口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンと窒素が主成分であることを特
    徴とする発光材料。
  2. 【請求項2】 シリコンと窒素ならびに酸素を含むこと
    を特徴とする発光材料。
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WO2008126540A1 (ja) * 2007-03-23 2008-10-23 Ube Industries, Ltd. α型窒化ケイ素蛍光体及びその製造方法

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