JPH07188539A - 共重合ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

共重合ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH07188539A
JPH07188539A JP35267693A JP35267693A JPH07188539A JP H07188539 A JPH07188539 A JP H07188539A JP 35267693 A JP35267693 A JP 35267693A JP 35267693 A JP35267693 A JP 35267693A JP H07188539 A JPH07188539 A JP H07188539A
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JP
Japan
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polycarbonate resin
resin composition
copolycarbonate resin
bis
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JP35267693A
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Tomohide Fujiguchi
智英 藤口
Hideyuki Itoi
秀行 糸井
Akihiro Saito
明宏 斉藤
Yumiko Yoshida
由美子 吉田
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
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GE Plastics Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 機械的強度、光学的特性、透明性を損なうこ
となしに帯電防止効果を得る共重合ポリカーボネート樹
脂組成物を提供する。 【構成】 一般式が、次式(1),(2) (式中、R4,R5は、ハロゲン原子または一価の炭化水
素基であり、Bは−(R1−)C(−R2)−[R1,R2
は水素原子または一価の炭化水素基]、−C(=R3
−[R3は二価の炭化水素基]、−O−、−S−、−S
O−または−SO2−であり、R6は炭素数1〜10の炭
化水素基もしくはそのハロゲン化物またはハロゲン原
子、p、q、nは0〜4の整数)で示され、かつ2の構
造単位の量は1および2の合計量の2〜90モル%を占
める共重合ポリカーボネート樹脂100重量部に対し
て、次式(3)、 で表されるスルホン酸ホスホニウム塩を0.1〜10重
量部、を含む共重合ポリカーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、共重合ポリカーボネー
ト樹脂組成物に関し、特に透明性、流動性並びに機械的
強度を維持しつつ帯電防止性に優れた共重合カーボネー
ト樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性、耐熱
性に優れた透明性の高い樹脂であり、寸法精度や機械的
強度の要求を満たすことができるため、各種の電気・電
子機器やOA機器等に広く採用されている。
【0003】各種事務機器やOA機器の部品やシャーシ
などにおいては、静電気による障害防止のために帯電防
止効果の期待される用途が多い。このような帯電防止効
果を得るために、従来はカーボンブラックやカーボンフ
ァイバ等の導電性成分を配合する技術が採用されてい
た。
【0004】しかしこの解決法は、色相の面で不利であ
ることは否めない。意匠的または技術的にみて色彩上の
制約のない黒色その他の濃色をも許容する用途には適す
るものの、透明または淡色等を要求するようなその他の
用途には適合しない。
【0005】黒系統以外の色彩を必要とする用途にあっ
ては、アルカリ金属やアルカリ土類金属のスルホン酸塩
化合物等の帯電防止剤が使用されるが、この場合には不
透明の白色状態となる。また、機械的強度が低下する欠
点も生ずる。
【0006】ポリカーボネート樹脂の、機械的強度と透
明性とを維持しつつ帯電防止効果を期待する用途がます
ます拡大している。
【0007】例えば、OA機器類のシャーシやレーザ応
用機器類の光学部材のような用途にあっては、外部衝撃
に耐えるための機械的強度、光学的特性ないしは内部透
視その他による意匠上の要求に応えるための透明性に加
えて埃の付着を防止するための帯電防止性を付与したい
とする要請がある。
【0008】しかし、ポリカーボネート樹脂により十分
な帯電防止性を得ようとすると、色相の点で満足できな
い限界があった。
【0009】一方、近年ポリカーボネート樹脂よりも溶
融温度が低い共重合ポリカーボネート樹脂が出現し、透
明性、機械的強度その他の物性等の点でポリカーボネー
ト樹脂に匹敵することが確認されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のポリ
カーボネート樹脂に替えて、機械的強度、光学的特性、
透明性を損なうことなしに帯電防止効果を得ることので
きる共重合ポリカーボネート樹脂組成物を提供すること
を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、共重合
ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、一般式
が、次式(化4)、
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1 は炭素数1〜40のアルキル
基又はアリール基であり、R2、R3、R4 、R5 は水素
原子、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であ
り、これらは同じであっても異なっていてもよい。)で
表されるスルホン酸ホスホニウム塩を0.1〜10重量
部、を含む共重合ポリカーボネート樹脂組成物によって
達成される。
【0014】次に、本発明で使用する共重合ポリカーボ
ネートは、以下の構造式(化5)および(化6)で示さ
れる構造単位を有する事が必要である。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】(化5)で示される構造単位はジフェノー
ル成分およびカーボネート成分よりなる。ジフェノール
成分を導入する為に使用できるジフェノールを次式(化
7)に示す。
【0018】
【化7】 上記式中、R4、R5、B,pおよびqは、さきに示した
のと同義である。
【0019】本発明において有効なジフェノールとして
は、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆ
るビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェ
ニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチ
ルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパンなどのビス
(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロ
キシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテルなどのジヒ
ドロキシアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルジフェニルスルフィドなどのジヒドロキ
シジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロ
キシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルフェニルスルホンなどのジヒドロキシジ
アリールスルホン類などが挙げられるが、これらに限定
されない。また、これらを1種または2種以上組み合わ
せて使用する事ができ、特に、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0019】また、カーボネート成分を導入するための
前駆物質としては、例えばジフェニルカーボネート、ジ
トリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボ
ネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボ
ネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネ
ート、ジシクロヘキシルカーボネートなどの炭酸ジエス
テル、およびホスゲンなどのハロゲン化カルボニル化合
物等が挙げられる。これらの1種または2種以上組合せ
て使用する事ができ、特にジフェニルカーボネートが好
ましい。
【0019】次に、上記式(化6)で示される構造単位
は、ジフェノール成分、レゾルシンおよび/または置換
レゾルシン成分ならびにカーボネート成分からなる。ジ
フェノール成分の導入に付いては、上記と同様のジフェ
ノールが使用可能である。またカーボネート成分として
は、上記の炭酸ジエステルまたはホスゲンを使用でき
る。
【0019】レゾルシン及び/または置換レゾルシン成
分の導入に付いては、次式(化8)
【0019】
【化8】 (ここで、R6およびnは上記と同義である。)
【0019】上記式で示される化合物は1種または2種
以上組合せて使用することができる。例えばレゾルシ
ン、および3−メチルレゾルシン、3−エチルレゾルシ
ン、3−プロピルレゾルシン、3−ブチルレゾルシン、
3−t−ブチルレゾルシン、3−フェニルレゾルシン、
3−クミルレゾルシン、2,3,4,6−テトラフルオ
ロレゾルシン、2,3,4,6−テトラブロモレゾルシ
ンなどの置換レゾルシンが挙げられる。このうち特にレ
ゾルシンが好ましい。
【0025】共重合ポリカーボネートは、(化5)(化
6)で示される上記の2種の構造単位を次の割合で有し
ている。すなわち、(化6)で示される構造単位の量
が、(化5)および(化6)の合計量の2〜90モル
%、好ましくは2〜40モル%である。
【0026】構造単位(化6)の量が2モル%より少な
いとガラス転移温度(Tg)の低下が不十分であるの
で、流動性の改良効果がみられない。また、90モル%
より多いと従来のポリカーボネートと同等の優れた物
性、例えば機械的強度、耐熱性等が得られない。
【0027】共重合ポリカーボネートの重量平均分子量
は、通常10,000〜100,000、好ましくは18,000〜40,000
である。ここでいう重量平均分子量とは、ポリカーボネ
ート用に補正されたポリスチレンを用いて、GPC(ゲ
ル浸透クロマトグラフィー)によって測定されたもので
ある。(また、メチレンクロリド中、25℃で測定した
固定粘度が、0.35〜0.65dl/gであるものが
好ましい。)
【0028】本発明における共重合ポリカーボネート
は、公知のポリカーボネートの製造方法、例えばホスゲ
ンを用いる界面重合法、溶融重合法等によって製造でき
る。特に溶融重合法は毒性物質であるホスゲンや塩化メ
チレンなどを用いないので、環境衛生上好ましい。
【0029】溶融重合反応の際の温度、圧力等の条件は
任意であり、公知の慣用の条件を用いる事ができる。具
体的に好ましくは80〜250℃、より好ましくは10
0〜230℃、特に好ましくは120〜190℃の温度
で、好ましくは0〜5時間、より好ましくは0〜4時
間、特に好ましくは0〜3時間、常圧下でジフェノール
および上記式(化8)で示される化合物と炭酸ジエステ
ルとを反応させる。
【0030】次いで、反応系を減圧にしながら反応温度
を高めて、ジフェノールおよび上記式(化8)で示され
る化合物を炭酸ジエステルとの反応を行い、最終的には
5mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下の減圧下で24
0〜320℃の温度で、ジフェノールおよび上記式(化
8)で示される化合物と、炭酸ジエステルとの反応を行
うのが好ましい。
【0031】上記の様な重縮合反応は、連続式で行って
も良く、バッチ式で行っても良い。また、上記反応を行
う際に使用する反応装置は、槽型、管型、塔型であって
もよい。
【0032】また、この溶融重合法によれば、得られる
共重合ポリカーボネートにおける構造単位(化6)が
(化5)および(化6)の合計の90モル%を超えるよ
うな割合で、すなわちレゾルシンおよび/または置換レ
ゾルシンを、ジフェノール100モルに対して、90モ
ルを超えるような量で使用しても、他の方法、例えば界
面重合法等に比べて、色相、耐水性、耐熱性の優れた共
重合ポリカーボネートが得られる。
【0033】また、共重合ポリカーボネートは、その末
端がフェノールであっても十分な耐衝撃強度を有する
が、p−t−ブチルフェノール、イソノニルフェノー
ル、イソオクチルフェノール、m−またはp−クミルフ
ェノール(好ましくはp−クミルフェノール)、クロマ
ニル化合物、例えばクロマンのような、よりかさ高い末
端基を導入すると、より低温衝撃性が優れた共重合ポリ
カーボネートを得ることができる。
【0034】本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、
比較的溶融温度が低く透明性の高い樹脂である。したが
って、性格の類似するポリカーボネート樹脂に比して、
低い温度で原料ペレットの押出し加工が可能であり、ま
た最終製品としての成形加工時における温度条件も低く
することができる。
【0035】このように、押出し・成形時の温度条件が
緩和されることから、樹脂の物性の劣化が少なく、また
色相の変化も極めて僅かなものとなる。
【0036】本発明において使用されるスルホン酸ホス
ホニウム塩としては、下記の一般式で表されるものが適
する。
【0037】
【化9】
【0038】(式中、R1 は炭素数1〜40のアルキル
基又はアリール基であり、R2 、R3、R4、R5 は水素
原子、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であ
り、これらは同じであっても異なっていてもよい。)
【0039】このような一般式で表されるスルホン酸ホ
スホニウム塩は、レゾシノールポリカーボネート樹脂1
00重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは
0.5〜8重量部配合される。0.1重量部以下では十
分な帯電防止効果が得られず、また10重量部以上では
透明性ならびに機械的強度が低下し、また成形品表面の
外観不良をもたらすため好ましくない。
【0040】前述の一般式におけるR1 は、アルキル基
またはアリール基であるが、透明性や耐熱性の観点なら
びに共重合ポリカーボネート樹脂に対する影響の点から
は、アリール基のほうが望ましい。
【0041】アリール基の例としては、アルキルベンゼ
ン、アルキルナフタリン環などから誘導される基が挙げ
られる。これらの具体的な化合物の例としては、ドデシ
ルスルホン酸ホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸ホスホニウム等がある。
【0042】共重合ポリカーボネート樹脂に、スルホン
酸ホスホニウムを配合する方法としては、最終成形品を
成形する直前までの任意の段階で、種々の手段によって
実施することができる。
【0043】例えば、最も簡便には共重合ポリカーボネ
ートと添加物とをドライブレンドする方法があり、この
ドライブレンドされた結果物を溶融押出ししてペレット
を形成することができる。
【0044】また所定量以上の添加物を含むマスターペ
レットを形成しておき、これを基本樹脂とブレンドし、
溶融押出しすることもできる。いずれの場合にあって
も、添加物の分散を良好にするように配慮することが望
ましい。
【0045】本発明にかかる共重合ポリカーボネート樹
脂組成物による最終成形品の製造は、射出成形、押出し
成形、ブロー成形、圧縮成形等の通常の成形手段を適用
することができる。
【0046】なお、本発明にかかる共重合ポリカーボネ
ート樹脂組成物には、上記添加物に加えて、グラスファ
イバー、カーボンファイバー、金属ウィスカ等のような
補強剤を始め、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ガ
ラスビーズのような充填剤、パラフィンワックス、シリ
コンオイル等のような滑剤、ヒンダードフェノールその
他の酸化防止剤、エポキシ系のモノマー、トリアジン系
等の耐候性付与剤、ハロゲン系またはリン酸系等の難燃
剤等周知の添加物を配合することができる。
【0047】また、ポリカーボネート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン、ポリエチレン・プロピレン共重合体などのポリマ
ーを併用することもできる。
【0048】
【実施例】以下、実施例に即して本発明をさらに開示す
る。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
【0049】物性の測定は以下の基準に準拠した。 引張強度、伸び・・・ ASTM D 638 Izod衝撃値・・・ ASTM D 256 全光線透過率・・・・ ASTM D 1003 黄色度(YI)・・・ JIS K 7103
【0050】RS−PC:以下のようにして製造した共
重合ポリカーボネート;ビスフェノールA(日本ジーイ
ープラスチックス(株)製)0.22キロモル、レゾル
シン0.22キロモルおよびジフェニルカーボネート
(エニィ社製)0.44キロモルを、第1の槽型攪拌機
(容量250リットル)に仕込、140℃で溶融した。
この温度に保持しながら得られた混合物をビスフェノー
ルA換算で毎時0.16キロモルの速度で、第2の槽型
攪拌機(容量50リットル)に送液した。なお、第2の
槽型攪拌機の温度は180℃に保持した。
【0051】ここに溶媒として、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシドを毎時0.04モルおよび水酸化ナト
リウムを毎時0.00016モル(1×10-6モル/モ
ル−ビスフェノールA)点かし、滞留時間が30分間と
なるように時間を調整し、攪拌した。
【0052】次に、この反応液をビスフェノールA換算
で毎時0.16キロモルの速度で、第3の槽型攪拌機
(容量50リットル)に送液した。第3の槽型攪拌機の
温度は210℃、圧力は200mmHg出会った。滞留時間
が30分間となるように時間を調整し、フェノールを抽
出除去しながら攪拌した。
【0053】次に、この反応液をビスフェノールA換算
で毎時0.16キロモルの速度で、第4の槽型攪拌機
(容量50リットル)に送液した。第4の槽型攪拌機の
温度は240℃、圧力は15mmHg出会った。滞留時間が
30分間となるように時間を調整し、フェノールを抽出
除去しながら攪拌した。反応が定常になって得られた反
応物の極限粘度[η]は0.15dl/gであった。
【0054】次に、この反応物をギアポンプで昇圧し、
ビスフェノールA換算で毎時0.16キロモルの速度で
遠心式薄膜蒸発機に送入して反応を進めた。薄膜蒸発機
の温度及び圧力はそれぞれ、270℃および2mmHgに制
御した。反応物を蒸発機下部よりギアポンプにて、29
0℃および0.2mmHgに制御された二軸横型攪拌重合槽
(L/D=3、攪拌翼回転直径220mm、内容積80リ
ットル)に、ビスフェノールA換算で毎時0.16キロ
モルの速度(約40Kg/時間)で送り込み、滞留時間
30分間にて重合させた。このときの生成物の極限粘度
[η]は0.49dl/g出会った。生成物は、次式
(化9)および(化10)をモル比50:50で有する
共重合ポリカーボネートであった。以下ではこれをRS
−PCと略する。
【0055】
【化10】
【0056】
【化11】
【0057】実施例1、実施例2 RS−PC100重量部に対し、表1に示すドデシルベ
ンゼンスルホン酸のテトラブチルホスホニウム塩を表中
の配合量で加え、一軸押出機により、設定温度270
℃、樹脂温度283℃で練り込みペレット化した。
【0058】このようにして得られたペレットを熱風乾
燥した後、射出成形機を用い、設定温度270℃、ポリ
カーボネート樹脂の場合よりも低い樹脂温度283℃で
試験片を成形し、引張強度、引張伸び、Izod衝撃値
を測定した。
【0059】また、同一条件において成形した、50m
m×50mmの角板(2mm厚)を成形し、黄色指数を
測定した。
【0060】帯電圧の半減時間と全光線透過率の測定に
は、40秒の成形サイクルで作成した同じ角板を用い
た。
【0061】帯電圧の半減時間は、宍戸静電気(株)製
の帯電試験機S−5109によって測定した。
【0062】測定条件は、23度C、50%RHの状態
で、6kVの電圧をかけて帯電した電圧が半減する迄の
時間を測定した。これらの結果は表1に示す通りであ
る。
【0063】
【0064】なお、比較例1および2として、溶融粘度
(IV)が0.51のポリカーボネート樹脂単独の場合
およびドデシルベンゼンスルホン酸のテトラブチルホス
ホニウム塩を2重量部加えた場合の配合についての結果
を同様に表1に示した。この共重合ポリカーボネート樹
脂の場合の成形は、設定温度270℃、樹脂温度307
℃で行った。これらの比較例においては、帯電防止効果
または黄色指数等の点での要求が満たされていない。
【0065】また、比較例3としてIVが0.31のポ
リカーボネート樹脂を使用し、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸のテトラブチルホスホニウム塩を2重量部加えた場
合の配合についての結果を同様に表1に示した。このポ
リカーボネート樹脂の場合の成形は、設定温度270
℃、樹脂温度285℃で行った。この比較例では、樹脂
温度が低いため帯電防止効果または黄色指数等の点での
要求も満たされているが、耐衝撃性が大幅に低下してい
る。
【0066】
【発明の効果】本発明にかかる共重合ポリカーボネート
樹脂組成物は、高い透明性ならびに機械的強度を維持し
つつ、期待通りの帯電防止効果が達成される。したがっ
て従来のポリカーボネート樹脂組成物の代わりに、幅広
い用途に適合する樹脂組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 由美子 栃木県真岡市鬼怒ケ丘2−2 日本ジーイ ープラスチックス株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式が、次式(化1)、 【化1】 および次式(化2)、 【化2】 (上記式中、R4およびR5はそれぞれ独立して、ハロゲ
    ン原子または一価の炭化水素基であり、Bは−(R
    1−)C(−R2)−[ここで、R1およびR2はそれぞれ
    独立して水素原子または一価の炭化水素基である]、−
    C(=R3)−[ここでR3は二価の炭化水素基であ
    る]、−O−、−S−、−SO−または−SO2−であ
    り、R6は炭素数1〜10の炭化水素基もしくはそのハ
    ロゲン化物またはハロゲン原子であり、p、q及びnは
    それぞれ独立して0〜4の整数である。)で示される構
    造単位を有し、かつ前記(化2)の構造単位の量は(化
    1)及び(化2)の構造単位の合計量の2〜90モル%
    を占めるところの共重合ポリカーボネート樹脂100重
    量部に対して、次式(化3)、 【化3】 (式中、R1は炭素数1〜40のアルキル基またはアリ
    ール基であり、R2、R3、R4、R5は水素原子、炭素数
    1〜10のアルキル基またはアリール基であり、これら
    は同じであっても異なっていても良い。)で表されるス
    ルホン酸ホスホニウム塩 0.1〜10重量部、を含む
    ことを特徴とする共重合ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1で記載の共重合ポリカーボネー
    ト樹脂組成物において、前記スルホン酸ホスホニウム塩
    におけるR1 が炭素数6〜40のアリール基であるも
    の。
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Cited By (5)

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