JPH07188400A - 共重合ポリエステルおよびそれからなる熱収縮フィルム - Google Patents
共重合ポリエステルおよびそれからなる熱収縮フィルムInfo
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- JPH07188400A JPH07188400A JP33341393A JP33341393A JPH07188400A JP H07188400 A JPH07188400 A JP H07188400A JP 33341393 A JP33341393 A JP 33341393A JP 33341393 A JP33341393 A JP 33341393A JP H07188400 A JPH07188400 A JP H07188400A
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Abstract
0/100、(3)/(4)のモル比が95/5〜65
/35であり、式:(4X+Y)/Z〔式中、Xは
(2)のモル数を、Yは(4)のモル数を、Zは
(1)、(2)、(3)および(4)のモル数の和を示
す〕が10/200〜50/200であるポリエステル
であって、ガラス転移温度が40〜80℃で、かつ極限
粘度が0.4dl/g以上である共重合ポリエステル、
およびこれからなる熱収縮フィルム。 【効果】 本発明の共重合ポリエステルは、熱収縮フィ
ルムとしたときに、適当な熱収縮開始温度、適当に緩和
された収縮速度および広い収縮温度範囲を示すフィルム
になる。
Description
ル、および該共重合ポリエステルからなる熱収縮フィル
ムに関する。本発明の共重合ポリエステルは、収縮率の
最大値が大きく、低温収縮性に優れ、かつ収縮後の仕上
がりが良好なる熱収縮フィルムを与えうる。すなわち、
本発明の共重合ポリエステルは、被覆材、結束材、外装
材などの素材として有効である。
ィルムは、熱風、輻射熱、熱水などの加熱条件下で収縮
する性質を有するものであり、包装、ラベル、キャップ
シール、電気絶縁材などに幅広く用いられている。熱収
縮フィルムの樹脂素材としては、主にポリ塩化ビニル、
ポリスチレンおよびポリオレフィンが使用されている
が、ポリ塩化ビニル系フィルムは焼却時に毒性のあるガ
スを発生する点、、ポリスチレン系フィルムは使用前の
保存期間中に自然収縮が生じやすい点、ポリオレフィン
系フィルムは低温収縮性が悪い点など、それぞれ欠点を
有している。
縮フィルムに成形される。ポリエチレンテレフタレート
系フィルムは透明性、耐溶剤性、耐候性等に優れ、かつ
抗張力が高く、しかも廃棄処理における燃焼時に有毒な
ガスの発生が少ないという長所を有することから、種々
の用途に使用されている。しかしながらポリエチレンテ
レフタレートからなる熱収縮フィルムは、収縮率の最大
値が小さいこと、収縮開始温度が高いこと(すなわち、
低温収縮性が悪いこと)、および収縮開始温度を越える
とその付近の狭い温度域で収縮率が急激に増大し、短い
時間で最大値に到達してしまうこと(すなわち、収縮速
度が高いこと)という欠点があるために、実用面におい
て大きな制約を受けている。
は、収縮トンネル装置内で加熱された場合に、加熱処理
初期に瞬時に収縮してしまい、それ以降の加熱ではもは
やそれ以上の収縮が望めない。そのため、収縮トンネル
装置内に初めに入るフィルム部分と後に入るフィルム部
分との間で収縮差が生じてしまい、収縮させたフィルム
には収縮斑、皺、波打ちなどが発生することになる。
ムのこれらの収縮特性上の欠点を改善することを目的と
した種々のものが提案されている。例えば、ネオペンチ
ルグリコールまたはイソフタル酸をコモノマー成分とし
て加え、得られるポリエチレンテレフタレートの非晶化
およびガラス転移温度の低下を図った共重合ポリエチレ
ンテレフタレートからなるフィルムが提案されている
(特開昭63−156833号公報、特開昭63−20
2429号公報および特公昭63−7573号公報参
照)。また同様の目的で、イソフタル酸と1,4−ブタ
ンジオールをコモノマー成分として加えた共重合ポリエ
チレンテレフタレートも提案されている(特開昭63−
114629号公報)。
用する場合、主として一方向に収縮する性質を有する熱
収縮フィルムが要望され、該要望を満たすべく、主とし
て一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムが提案さ
れている。しかしながら、該延伸フィルムは通常延伸方
向が収縮方向となるが、それに垂直な方向は収縮過程で
一時的に膨張するため、収縮したフィルムには、皺、収
縮斑、皺、波打ちなどの不都合が発生することが多い。
ソフタル酸を共重合させた共重合ポリエチレンテレフタ
レートからなる熱収縮フィルムは、上記コモノマーを使
用しないポリエチレンテレフタレートからなる熱収縮フ
ィルムに比べると、収縮率の最大値の向上などにおいて
収縮特性がある程度改善されてはいるが、まだ十分な水
準であるとは言い難い。すなわち、ネオペンチルグリコ
ールを共重合させたポリエステルは、ガラス転移温度が
高く、熱収縮フィルムとしたときに収縮開始温度がまだ
高く、さらに収縮速度も高い。一方、イソフタル酸を共
重合させたポリエステルフィルムも、収縮速度の改善が
不十分であり、また収縮率の最大値もなお不足してい
る。また、上記のごときイソフタル酸と1,4−ブタン
ジオールをコモノマー成分として共重合させたポリエチ
レンテレフタレートも、収縮率の最大値が不足してい
る。さらに、上記ポリエステルの一軸延伸フィルムも、
延伸方向と垂直な方向において膨張を生じる傾向があ
る。
が大きいのみならず、低温収縮性に優れ、かつ収縮速度
が緩和された、収縮斑、皺、波打ちなどがない良好な収
縮仕上がりとなる熱収縮フィルム、特に一軸延伸フィル
ムとした場合、延伸方向に垂直な方向に膨張を生じない
熱収縮フィルムを与えうる新規なポリエステル、および
それからなる熱収縮フィルムを提供することにある。
重ねた結果、特定のコモノマー単位を特定量、ポリエチ
レンテレフタレート分子中に導入することにより、収縮
率の最大値が大きいのみならず、低温収縮性に優れ、か
つ収縮速度が緩和され、従って収縮斑、皺、波打ちなど
がない良好な収縮仕上がりとなる熱収縮フィルムを与え
うるポリエステルが提供されることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
(I):
I):
(IV):
たはメチル基である。ただし、A、Bの少なくともいず
れか一方は水素原子である)で示される構成単位(4)
からなり、構成単位(1)と構成単位(2)のモル比
〔(1)/(2)〕が995/5〜900/100、構
成単位(3)と構成単位(4)のモル比〔(3)/
(4)〕が95/5〜65/35であり、下記関係式: (4X+Y)/Z 〔式中、Xは構成単位(2)のモル数を、Yは構成単位
(4)のモル数を、Zは構成単位(1)、構成単位
(2)、構成単位(3)および構成単位(4)のモル数
の和を示す〕が10/200〜50/200の範囲内で
あるポリエステルであって、該ポリエステルのガラス転
移温度が40〜80℃であり、かつフェノールとテトラ
クロロエタンの等重量混合溶媒中での30℃における極
限粘度が0.4dl/g以上である共重合ポリエステ
ル、および該共重合ポリエステルからなる熱収縮フィル
ムに関する。
(1)と構成単位(2)のモル比〔(1)/(2)〕が
995/5〜900/100の範囲内であることが必要
である。構成単位(1)/構成単位(2)(モル比)が
995/5を越える場合は、得られる熱収縮フィルムの
ガラス転移温度が高く低温収縮性も不十分となるか、ま
たは収縮速度が高くなる。一方、構成単位(1)/構成
単位(2)(モル比)が900/100未満の場合に
は、得られるポリエステルのガラス転移温度が低くなり
すぎて、熱収縮フィルムとしたときに常温付近で自然収
縮が生じてしまうために実用に供し得なくなる。収縮開
始温度および適度に緩和された収縮速度の両者のバラン
スから、構成単位(1)/構成単位(2)(モル比)が
992/8〜930/70の範囲内であることが好まし
い。
〔(3)/(4)〕は95/5〜65/35の範囲内で
あることが必要である。構成単位(3)/構成単位
(4)(モル比)が95/5を越える場合は、得られる
熱収縮フィルムの収縮率の最大値が低くなるか、または
ガラス転移温度が高く低温収縮性も不十分となる。一
方、構成単位(3)/構成単位(4)(モル比)が65
/35未満の場合は、得られるポリエステルのガラス転
移温度が低くなりすぎて、熱収縮フィルムとしたときに
常温付近で自然収縮が生じてしまうために実用に供し得
なくなる。さらに後者の場合、熱収縮フィルムとしたと
きに収縮速度が高くなり、収縮斑、皺、波打ちなどが発
生し易くなる。適度な収縮開始温度、収縮率の最大値お
よび適度に緩和された収縮速度の点から、構成単位
(3)/構成単位(4)のモル比〔(3)/(4)〕が
90/10〜70/30の範囲内であることが好まし
い。
(4)のモル数を、Zは構成単位(1)、構成単位
(2)、構成単位(3)および構成単位(4)のモル数
の和を示す〕で表される値が10/200〜50/20
0の範囲内であることが必要である。(4X+Y)/Z
の値が10/200未満の場合、得られる熱収縮フィル
ムのガラス転移温度が高く、低温収縮性も不十分とな
り、また収縮率の最大値も低くなる。(4X+Y)/Z
が50/200を越える場合は、得られるポリエステル
のガラス転移温度が低くなりすぎて、熱収縮フィルムと
したときに常温付近で自然収縮が生じてしまうために実
用に供し得なくなる。さらに熱収縮フィルムとしたとき
に収縮速度が高くなり、収縮斑、皺、波打ちなどが発生
しやすくなる。常温付近での自然収縮の防止および適度
に制御された収縮速度の点から、(4X+Y)/Zの値
は、0.05〜0.20が好ましく、0.05〜0.1
7の範囲がさらに好ましい。なお本発明の共重合ポリエ
ステルにおいて、通常、構成単位(1)および構成単位
(2)のモル数の和と、構成単位(3)および構成単位
(4)のモル数の和はほぼ等しい。
単位(1)と構成単位(2)のモル数の和が構成単位
(3)と構成単位(4)のモル数の和に等しい〔すなわ
ち(1)と(2)の和および(3)と(4)の和がいず
れもZ/2である〕場合における、Zに対する構成単位
(2)の含有率(X/Z)および構成単位(4)の含有
率(Y/Z)の範囲を図1に示す。図1において、各辺
によって囲まれた領域が、構成単位(2)および構成単
位(4)の含有率として取りうる範囲である。
た低温収縮性と常温付近での自然収縮防止性能とを両立
させる適当な収縮開始温度、および適当なレベルにまで
緩和された収縮速度という全ての点において望ましい収
縮特性を兼ね備えた熱収縮フィルムを与えるポリエステ
ルを得るためには、ポリエチレンテレフタレートに共重
合するコモノマー単位として、上記構成単位(2)また
は構成単位(4)の一方のみを選択するだけでは不十分
であり、これらの両方を、しかもそれぞれ特定された範
囲内の適切な量において、選択することが重要である。
温度は、40〜80℃の範囲内である。ガラス転移温度
が40℃以下では、熱収縮フィルムとしたときに常温付
近で自然収縮が生じてしまうので好ましくない。またガ
ラス転移温度が80℃を越えると、熱収縮フィルムとし
たときに低温収縮性が悪くなる。熱収縮フィルムとした
ときに適度な収縮開始温度を発現し得る点から、ガラス
転移温度が50〜70℃の範囲内であることが好まし
く、55〜70℃であることがさらに好ましい。
とテトラクロロエタンの等重量混合溶媒中での30℃に
おける極限粘度は0.4dl/g以上である。極限粘度
が0.4dl/gより小さいと熱収縮フィルムとしたと
きの強度、耐衝撃性等の機械的性能が不十分となる。熱
収縮フィルムへの成形性および熱収縮フィルムとしたと
きの機械的性能の両方に優れる点で、極限粘度は0.5
〜1.5dl/gの範囲内であることが好ましい。
しては、公知のポリエステルの製造方法を適用すること
ができる。すなわち、本発明の共重合ポリエステルはジ
カルボン酸とジオールとを重縮合反応させる直接法、あ
るいはジカルボン酸低級アルキルエステル化合物とジオ
ールとをエステル交換反応によって重縮合反応させるエ
ステル交換法のいずれによっても製造され得る。重縮合
様式としては、溶融重縮合法を採用することができる
が、高重合度を望むのであれば、溶融重合法と固相重合
法とを組合わせ、溶融重合で得られたポリエステルを減
圧下または不活性ガス流通下において融点または軟化点
以下の温度で熱処理することにより固相重合を行っても
よい。
ル酸、セバシン酸、エチレングリコール、ならびに1,
5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオールおよび2−メチル−1,5−ペンタンジオール
からなる群から選ばれる少なくとも一種(以下1,5−
ペンタンジオール類ともいう)を原料モノマーとして用
いて製造する方法の一例を以下に示す。
カルボン酸混合物と、エチレングリコールおよび1,5
−ペンタンジオール類からなるジオール混合物を、該ジ
オール混合物の合計量が該ジカルボン酸混合物の合計量
に対し過剰モル量、例えば1.1〜2.5倍モルとなる
ような割合で、常圧下もしくは絶対圧で約3Kg/cm
2 以下の加圧下に約230〜280℃の温度で、生成す
る水を留出させながらエステル化させ、次いで必要に応
じて重縮合触媒、着色防止剤などの添加物を添加したの
ち、5mmHg以下の減圧下に約200〜280℃で、
生成ポリエステルが所望の極限粘度を有するに至るまで
重縮合させる。
用いうるが、代表例としては、酸化アンチモンなどのア
ンチモン化合物、酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム
化合物、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタ
ン、テトラn-プロポキシチタン、テトライソプロポキシ
チタン、テトラブトキシチタンなどのチタン化合物、ジ
n-ブチル錫ジラウレート、ジn-ブチル錫オキシド、ジn-
ブチル錫ジアセテートなどの錫化合物などが挙げられ、
これらの触媒は混合物として使用することも可能であ
る。ただし、ジオール混合物中の1,5−ペンタンジオ
ール類の割合が高い場合には、重縮合性が著しく低下す
ることがあるため、チタン化合物等の高活性の重縮合触
媒を使用するのが好ましい。重縮合触媒の量は、それぞ
れ生成する共重合ポリエステルに対して0.002〜
0.8重量%の範囲内となるように用いることが好まし
い。
酸、トリメチルホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト、トリデシルホスファイト、トリメチルホスフェー
ト、トリデシルホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト等のリン化合物が例示される。着色防止剤の量は、生
成する共重合ポリエステルに対し、0.001〜0.5
重量%の範囲内となるように用いるのが一般的である。
温度は、該共重合ポリエステル分子中の上記構成単位
(1)〜(4)の各構成単位の割合に依存するので、使
用するモノマー相互間での組成割合を適宜選択すること
により、所望の構成単位組成およびガラス転移温度を有
する共重合ポリエステルを得ることができる。
うにテレフタル酸またはそのジメチルエステル、ジエチ
ルエステル等の低級アルキルエステル、セバシン酸また
はそのジメチルエステル、ジエチルエステル等の低級ア
ルキルエステル、エチレングリコールおよび1,5−ペ
ンタンジオール類を出発原料として使用して製造するこ
とができるが、その他のモノマーを目的に応じて少量併
用してもよい。併用可能なモノマーとしては、アジピン
酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ナトリウムスルホ
イソフタル酸、ジブロモテレフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環
式ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など
の3価以上の多価カルボン酸、またはこれらのカルボン
酸のエステル形成性誘導体であるメチルエステル、エチ
ルエステルなどの低級アルキルエステル、1,3-プロパン
ジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオー
ル、1,4-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8- オクタンジオール
などの脂肪族ジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、
1,4-シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオー
ル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのエチ
レンオキシド付加物、4,4'- スルホニルビスフェノール
のエチレンオキシド付加物等の2価の芳香族アルコー
ル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールな
どの3価以上の多価アルコールなどが例示される。
る場合には、該モノマーに対応する構成単位を少量有す
る共重合ポリエステルが得られる。本発明の共重合ポリ
エステルは、かかる併用モノマーから誘導される構成単
位および/またはエチレングリコールに由来するジエチ
レングリコール単位を少量有していても良いが、本発明
の効果を発揮させる上でこれらの構成単位(1)〜
(4)以外の構成単位のモル数の和は、全構成単位のモ
ル数の和に対して5モル%以下であることが好ましい。
ば、通常の熱可塑性ポリエステルに採用されると同様な
方法で、フィルム状に成形し、それと同時にまたはその
後に少なくとも一軸方向に延伸し、さらに必要に応じて
熱処理に付することにより熱収縮フィルムが製造され
る。共重合ポリエステルをフィルム状に成形する方法と
してはキャスト法、インフレーション法などの押出し成
形法などが採用でき、共重合ポリエステルを乾燥後、キ
ャスト法、インフレーション法などの押出し成形法によ
りTダイ、リングダイなどの所定形状のダイから溶融押
出しし、冷却することによってフィルム化することがで
きる。
る延伸方法としては、共重合ポリエステルのガラス転移
温度付近の温度で、少なくとも一軸方向に2〜6倍、よ
り好ましくは3〜6倍に延伸するのがよい。高い収縮率
を有するフィルムを再現性よく製造するためには、ガラ
ス転移温度より5℃高い温度からガラス転移温度より3
0℃高い温度までの範囲内の延伸温度を採用することが
好ましい。得られる熱収縮フィルムに一軸収縮性を付与
したいのであれば、主として一軸方向に延伸を行えばよ
い。その場合、主延伸方向が主収縮方向となる。ただ
し、その主延伸方向に引裂かれ易くなるなど、主延伸方
向と垂直な方向の強度不足が生じることがあるので、所
望により、主延伸方向と垂直な方向に2倍未満の延伸を
行ってもよい。
を主として一軸方向に延伸することにより、温水中に3
0秒浸漬した場合における主収縮方向の収縮率が、60
℃の温水において5〜35%であり、80℃の温水にお
いて35〜60%であり、かつ100℃の温水において
50〜80%である熱収縮フィルムを製造することがで
きる。
ムとしては、長さ方向の収縮率は小さく、横方向の収縮
率が大きいものが特に好ましい。かかるフィルムは、本
発明の共重合ポリエステルフィルムを、好ましくは50
〜80℃で3〜6倍に、より好ましくは60〜75℃で
3.5〜5倍に一軸延伸することによって得られる。
そのまま熱収縮フィルムとして使用することが可能であ
るが、さらに熱処理してもよい。熱処理は通常50〜1
20℃の温度範囲、数秒間から数十秒間の時間範囲で、
フィルムの収縮性を喪失してしまわないような条件下で
行う。このような熱処理を行うことにより、熱収縮フィ
ルムの収縮率の調整、熱収縮フィルム保存時の自然収縮
の抑制、収縮後の収縮斑の減少など、寸法安定性を向上
させることができる。
明の共重合ポリエステルに、必要に応じ、他の熱可塑性
樹脂を補助的に少量混合したり、一般的に熱可塑性樹脂
に添加される添加剤、すなわち、紫外線吸収剤等の安定
剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃補助剤、染料、顔料等の
着色剤、潤滑剤、可塑剤、無機充填剤を配合することも
可能である。
を付与するために従来公知の加工が施されていてもよ
い。この種の加工の例としては、紫外線、α線、β線、
γ線、電子線などの照射、コロナ処理、プラズマ照射処
理、火炎処理などの処理、塩化ビニリデン、ポリアミ
ド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコールなどの樹脂
の塗布またはラミネート、金属蒸着などが挙げられる。
のではなく、用途に応じて適宜選択しうるが、通常1〜
600μmの範囲内である。包装用途、特に、食品、飲
料、医薬品等の包装用途においては、厚さが5〜380
μmの範囲のものが好適である。また、ポリエステルボ
トル、ガラス瓶などのボトルのラベルとして用いる場合
は、厚さが20〜70μmの範囲内のものが好適であ
る。
縮フィルムは、収縮率の最大値が大きく、低温収縮性に
優れ、かつ収縮速度が緩和され、収縮斑、皺、波打ちな
どがない良好な収縮仕上がりとなる。また主として一軸
方向に延伸された熱収縮フィルムでは、その主延伸方向
で高い収縮率を発現し、一方その垂直方向で膨張を生じ
ない、望ましい熱収縮性を有する。このため本発明の熱
収縮フィルムは、被覆材、結束材、外装材、電気絶縁材
などとして、とりわけ包装材、ラベル、キャップシール
などとして有用である。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、ポリエステル、フィルムの特性値の測定条件は次
の通りである。
ノマーの含有率 テレフタル酸、エチレングリコールおよびそれら以外の
コモノマーからそれぞれ誘導されたポリエステル分子中
の各構成単位について、全ジカルボン酸単位基準または
全ジオール単位基準でのモル%を、重水素化トリフルオ
ロ酢酸を溶媒とした該ポリエステルの 1H−NMR測定
結果に基づき求めた。
30℃で測定した。
g) JIS K7121に基づき示差熱分析法(DSC)に
より昇温温度10℃/分で測定した。ガラス転移温度が
低いポリエステルほど、熱収縮フィルムとしたときに収
縮開始温度が低くなる傾向がある。
填した内容積1リットルのPET(ポリエチレンテレフ
タレート)ボトルに被せ、設定温度80℃の収縮トンネ
ル装置内を通して熱風により加熱収縮させた。この加熱
収縮試験を30回行い、得られた30本の試料につい
て、ボトルの肩部および胴部を被覆しているラベルの形
態の良否を肉眼で評価し、また該フィルムがずり動くか
否かでラベルとボトルと密着状態を評価した。これらの
評価に基づき、下記の基準で収縮性を判定した。 ◎:極めて良好な収縮状態(すべての試料について、収
縮斑、皺、波打ちなどがなく、密着状態がよく、しかも
ラベル軸方向での寸法斑がない) ○:良好な収縮状態(収縮斑、皺、波打ちなどがなく、
密着状態がよいが、試料の中にラベル軸方向で軽度の寸
法斑があるものが見受けられる) △:やや不良な収縮状態(収縮斑、皺、波打ちなどが若
干認められ、密着状態もあまりよくない) ×:不良な収縮状態(収縮斑、皺、波打ちなどが著し
く、密着状態も不良である)
垂直な方向に5cmの長方形の試料を7枚切取り、これ
らの試料をそれぞれ40〜130℃の範囲内の10℃間
隔の各温度の雰囲気中に、無荷重の状態で30秒間浸漬
して収縮させた後、試料の主延伸方向の寸法L(cm)
を測定した。この寸法に基づき下記式、 熱収縮率(%)=[(10−L)/10]×100 (式中、Lは収縮後の試料の主延伸方向の寸法を示す)
に従い、各温度に置ける熱収縮率(%)を求め、熱収縮
率(縦軸)と温度(横軸)との関係を熱収縮曲線として
作成した。熱収縮曲線において、曲線の立上がり温度が
収縮開始温度を示し、曲線最上部の温度が収縮終了温度
を示す。収縮開始温度が高すぎる熱収縮フィルムは、低
温収縮性が悪いと判断できる。また、曲線の立上り部の
傾きが急でなく、しかも収縮開始温度から収縮終了温度
までの収縮可能な温度範囲が広い熱収縮性フィルムほ
ど、使用時に収縮斑、皺、波打ち等が発生しにくくなる
と判定できる。 (方法2)方法1と同じ大きさの試料を、50℃、60
℃、70℃、80℃、90℃および100℃の温水中に
無荷重の状態で30秒間浸漬し、主延伸方向およびそれ
と垂直な方向における熱収縮率を求めた。
チレングリコール25.51 重量部からなるスラリーを形成
し、このスラリーを加圧下(絶対圧2.5Kg/c
m2 )、250℃の温度でエステル化率が95%になる
までエステル化反応させて低重合体を製造した。次に、
得られた低重合体に3-メチル-1,5- ペンタンジオール7.
37重量部を加え、常圧下に250 ℃で30分間加熱すること
により解重合を行った。得られた解重合体に対して25
0ppmのテトライソプロピルチタネートを加えて絶対
圧1トールの減圧下、260℃の温度で解重合体を重縮
合し、極限粘度0.77dl/gの共重合ポリエステルを得
た。得られた共重合ポリエステルについて、重水素化ト
リフルオロ酢酸を溶媒として 1H−NMR測定を行い、
2.5ppmにおける構成単位(2)のカルボニル隣接
炭素に結合したプロトンの吸収、1.2ppmにおける
構成単位(4)のメチル基のプロトンの吸収などから、
該共重合ポリエステルが主として構成単位(1)、構成
単位(2)、構成単位(3)および構成単位(4)から
なることが判明した。また該共重合ポリエステルは、
4.3ppmにおけるジエチレングリコール単位のエー
テル性酸素原子両隣のメチレン基のプロトンの吸収か
ら、少量のジエチレングリコール単位を有することが判
明した。さらに得られた共重合ポリエステルについて、
上記したような特性評価を行った。これらの評価結果を
表1に示す。
溶融させ、T−ダイより30℃の冷却ロール上に押出し、
厚さ0.2mmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フ
ィルムを、使用した共重合ポリエステルのガラス転移温
度より10℃高い温度で、縦方向(MD方向)に1.1
倍、次いで横方向(TD方向)に4.0 倍延伸して、厚さ
50μmの熱収縮フィルムを得た。得られた熱収縮フィル
ムの収縮性の評価を行った。結果を表1に示す。また、
該熱収縮フィルムの熱収縮曲線( 方法1による)を図2
に示す。
び3-メチル-1,5- ペンタンジオールまたは1,5-ペンタン
ジオールの使用量を表1に示す値に変えた以外は実施例
1と同様にして反応を行い、種々の組成比の共重合ポリ
エステルを得た。また、実施例1と同様にして厚さ50μ
mの熱収縮フィルムを得た。得られた該ポリエステルお
よび該フィルムについて、特性評価を行った。結果を表
1、図2および図3に示す。
リコールおよびネオペンチルグリコールの使用量を表1
に示す値にし、重縮合触媒であるテトライソプロピルチ
タネートに代えて、亜リン酸および重縮合触媒である三
酸化アンチモンをそれぞれ得られるポリマーに対して12
3ppmおよび350ppm加えた以外は実施例1と同様にして反
応を行い、種々の組成比の共重合ポリエステルを得た。
ここで得られた共重合ポリエステルを使用する以外は実
施例1と同様にして厚さ50μmの熱収縮フィルムを作成
した。得られたポリエステルおよびフィルムについて、
特性評価を行った。ポリエステルの特性評価およびフィ
ルムの収縮性評価の結果を表1に示し、フィルムの熱収
縮曲線(方法1による)を図4に示す。
3-メチル-1,5- ペンタンジオールの使用量を表1に示す
値に変えた以外は実施例1と同様にして反応を行い、表
1に示す組成比の共重合ポリエステルを得た。また実施
例1と同様にして、厚さ23μmの熱収縮フィルムを得
た。得られたポリエステルおよびフィルムについて、特
性評価を行なった。結果を表1および図4に示す。
はセバシン酸を、IPAはイソフタル酸を、EGはエチ
レングリコールを、MPDは3−メチル−1,5−ペン
タンジオールを、n-PDは1,5-ペンタンジオールを、N
PGはネオペンチルグリコールを、DEGはジエチレン
グリコールを表す。
明の共重合ポリエステルからなる熱収縮フィルムの熱収
縮曲線を示す。図3は、実施例7および8でそれぞれ得
られた本発明の共重合ポリエステルからなる熱収縮フィ
ルムの熱収縮曲線を示す。図4は、比較例1〜6で得ら
れた本発明とは異なるポリエステルからなる熱収縮フィ
ルムの熱収縮曲線を示す。図2〜4を対比することによ
り、本発明の熱収縮フィルムの熱収縮曲線は、適当な立
上がり温度(熱収縮開始温度)を示し、立上がり部の傾
きが比較的緩やかで、かつ加熱収縮温度範囲が広いこと
がわかる。
酸(SBA)、イソフタル酸(IPA)、エチレングリ
コール(EG)および3-メチル-1,5- ペンタンジオール
(MPD)を表2に示す割合で使用した以外は実施例1
と同様にして反応を行い、表2に示す組成比の共重合ポ
リエステルを得た。
することにより未延伸フィルムを得、該未延伸フィルム
を表3に示す条件(延伸温度、延伸倍率)で横方向(T
D方向)に延伸した。このようにして得た熱収縮フィル
ムの熱収縮特性を、方法2にしたがって評価した。結果
を表3に示す。
ることにより未延伸フィルムを得、該未延伸フィルムを
表3に示す条件(延伸温度、延伸倍率)で横方向(TD
方向)に延伸した。このようにして得た熱収縮フィルム
の熱収縮特性を、方法2にしたがって評価した。結果を
表3に示す。
用いて得られた熱収縮フィルムは、延伸方向(TD方
向)において、適度な立上がり温度を示し、立上がり部
の傾きが比較的緩やかで、加熱収縮温度範囲が広く、か
つ収縮率の最大値が大きいことがわかる。一方、延伸方
向に垂直な方向(MD方向)においては、膨張挙動を実
質的に示さず、収縮率の最大値も低いことがわかる。
性フィルムとしたときに、適当な熱収縮開始温度、適当
に緩和された収縮速度および広い収縮温度範囲を示し、
さらに優れた一方向収縮性を発揮させることができる。
本発明の共重合ポリエステルからなる熱収縮性フィルム
では、このような優れた熱収縮特性に由来して、収縮
斑、皺、波打ちがないなど、良好な収縮仕上りとなる。
の含有率(X/Z)および構造単位(4)の含有率(Y
/Z)の範囲を示す図である。
ィルムの熱収縮性曲線を示すグラフである。
縮フィルムの熱収縮性曲線を示すグラフである。
ルムの熱収縮性曲線を示すグラフである。
である。ただし、A、Bの少なくともいずれか一方は水
素原子である)で示される構成単位(4)からなり、構
成単位(1)と構成単位(2)のモル比〔(1)/
(2)〕が995/5〜900/100、構成単位
(3)と構成単位(4)のモル比〔(3)/(4)〕が
95/5〜65/35であり、下記関係式: (4X+Y)/Z 〔式中、Xは構成単位(2)のモル数を、Yは構成単位
(4)のモル数を、Zは構成単位(1)、構成単位
(2)、構成単位(3)および構成単位(4)のモル数
の和を示す〕が10/200〜50/200の範囲内で
あるポリエステルであって、該ポリエステルのガラス転
移温度が40〜80℃であり、かつフェノールとテトラ
クロロエタンの等重量混合溶媒中での30℃における極
限粘度が0.4dl/g以上である共重合ポリエステ
ル。
ィルムは、熱風、輻射熱、熱水などの加熱条件下で収縮
する性質を有するものであり、包装、ラベル、キャップ
シール、電気絶縁材などに幅広く用いられている。熱収
縮フィルムの樹脂素材としては、主にポリ塩化ビニル、
ポリスチレンおよびポリオレフィンが使用されている
が、ポリ塩化ビニル系フィルムは焼却時に毒性のあるガ
スを発生する点、ポリスチレン系フィルムは使用前の保
存期間中に自然収縮が生じやすい点、ポリオレフィン系
フィルムは低温収縮性が悪い点など、それぞれ欠点を有
している。
縮フィルムに成形される。ポリエチレンテレフタレート
系フィルムは透明性、耐溶剤性、耐候性などに優れ、か
つ抗張力が高く、しかも廃棄処理における燃焼時に有毒
なガスの発生が少ないという長所を有することから、種
々の用途に使用されている。しかしながらポリエチレン
テレフタレートからなる熱収縮フィルムは、収縮率の最
大値が小さいこと、収縮開始温度が高いこと(すなわ
ち、低温収縮性が悪いこと)、および収縮開始温度を越
えるとその付近の狭い温度域で収縮率が急激に増大し、
短い時間で最大値に到達してしまうこと(すなわち、収
縮速度が高いこと)という欠点があるために、実用面に
おいて大きな制約を受けている。
用する場合、主として一方向に収縮する性質を有する熱
収縮フィルムが要望され、該要望を満たすべく、主とし
て一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムが提案さ
れている。しかしながら、該延伸フィルムは通常延伸方
向が収縮方向となるが、それに垂直な方向は収縮過程で
一時的に膨張するため、収縮したフィルムには、皺、収
縮斑、波打ちなどの不都合が発生することが多い。
I):
温度は、40〜80℃の範囲内である。ガラス転移温度
が40℃未満では、熱収縮フィルムとしたときに常温付
近で自然収縮が生じてしまうので好ましくない。またガ
ラス転移温度が80℃を越えると、熱収縮フィルムとし
たときに低温収縮性が悪くなる。熱収縮フィルムとした
ときに適度な収縮開始温度を発現し得る点から、ガラス
転移温度が50〜70℃の範囲内であることが好まし
く、55〜70℃であることがさらに好ましい。
とテトラクロロエタンの等重量混合溶媒中での30℃に
おける極限粘度は0.4dl/g以上である。極限粘度
が0.4dl/gより小さいと熱収縮フィルムとしたと
きの強度、耐衝撃性などの機械的性能が不十分となる。
熱収縮フィルムへの成形性および熱収縮フィルムとした
ときの機械的性能の両方に優れる点で、極限粘度は0.
5〜1.5dl/gの範囲内であることが好ましい。
用いうるが、代表例としては、酸化アンチモンなどのア
ンチモン化合物、酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム
化合物、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタ
ン、テトラn-プロポキシチタン、テトライソプロポキシ
チタン、テトラブトキシチタンなどのチタン化合物、ジ
n-ブチル錫ジラウレート、ジn-ブチル錫オキシド、ジn-
ブチル錫ジアセテートなどの錫化合物などが挙げられ、
これらの触媒は混合物として使用することも可能であ
る。ただし、ジオール混合物中の1,5−ペンタンジオ
ール類の割合が高い場合には、重縮合性が著しく低下す
ることがあるため、チタン化合物などの高活性の重縮合
触媒を使用するのが好ましい。重縮合触媒の量は、それ
ぞれ生成する共重合ポリエステルに対して0.002〜
0.8重量%の範囲内となるように用いることが好まし
い。
酸、トリメチルホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト、トリデシルホスファイト、トリメチルホスフェー
ト、トリデシルホスフェート、トリフェニルホスフェー
トなどのリン化合物が例示される。着色防止剤の量は、
生成する共重合ポリエステルに対し、0.001〜0.
5重量%の範囲内となるように用いるのが一般的であ
る。
うにテレフタル酸またはそのジメチルエステル、ジエチ
ルエステルなどの低級アルキルエステル、セバシン酸ま
たはそのジメチルエステル、ジエチルエステルなどの低
級アルキルエステル、エチレングリコールおよび1,5
−ペンタンジオール類を出発原料として使用して製造す
ることができるが、その他のモノマーを目的に応じて少
量併用してもよい。併用可能なモノマーとしては、アジ
ピン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカル
ボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ナトリウムス
ルホイソフタル酸、ジブロモテレフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などの
脂環式ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸
などの3価以上の多価カルボン酸、またはこれらのカル
ボン酸のエステル形成性誘導体であるメチルエステル、
エチルエステルなどの低級アルキルエステル、1,3-プロ
パンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオ
ール、1,4-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8- オクタンジオ
ールなどの脂肪族ジオール、1,4-シクロヘキサンジオー
ル、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオ
ール、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのエ
チレンオキシド付加物、4,4'- スルホニルビスフェノー
ルのエチレンオキシド付加物などの2価の芳香族アルコ
ール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
などの3価以上の多価アルコールなどが例示される。
明の共重合ポリエステルに、必要に応じ、他の熱可塑性
樹脂を補助的に少量混合したり、一般的に熱可塑性樹脂
に添加される添加剤、すなわち、紫外線吸収剤などの安
定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃補助剤、染料、顔料な
どの着色剤、潤滑剤、可塑剤、無機充填剤を配合するこ
とも可能である。
のではなく、用途に応じて適宜選択しうるが、通常1〜
600μmの範囲内である。包装用途、特に、食品、飲
料、医薬品などの包装用途においては、厚さが5〜38
0μmの範囲のものが好適である。また、ポリエステル
ボトル、ガラス瓶などのボトルのラベルとして用いる場
合は、厚さが20〜70μmの範囲内のものが好適であ
る。
垂直な方向に5cmの長方形の試料を7枚切取り、これ
らの試料をそれぞれ40〜130℃の範囲内の10℃間
隔の各温度の雰囲気中に、無荷重の状態で30秒間浸漬
して収縮させた後、試料の主延伸方向の寸法L(cm)
を測定した。この寸法に基づき下記式、 熱収縮率(%)=[(10−L)/10]×100 (式中、Lは収縮後の試料の主延伸方向の寸法を示す)
に従い、各温度に置ける熱収縮率(%)を求め、熱収縮
率(縦軸)と温度(横軸)との関係を熱収縮曲線として
作成した。熱収縮曲線において、曲線の立上がり温度が
収縮開始温度を示し、曲線最上部の温度が収縮終了温度
を示す。収縮開始温度が高すぎる熱収縮フィルムは、低
温収縮性が悪いと判断できる。また、曲線の立上り部の
傾きが急でなく、しかも収縮開始温度から収縮終了温度
までの収縮可能な温度範囲が広い熱収縮フィルムほど、
使用時に収縮斑、皺、波打ちなどが発生しにくくなると
判定できる。 (方法2)方法1と同じ大きさの試料を、50℃、60
℃、70℃、80℃、90℃および100℃の温水中に
無荷重の状態で30秒間浸漬し、主延伸方向およびそれ
と垂直な方向における熱収縮率を求めた。
3-メチル-1,5- ペンタンジオールの使用量を表1に示す
値に変えた以外は実施例1と同様にして反応を行い、表
1に示す組成比の共重合ポリエステルを得た。また実施
例1と同様にして、厚さ50μmの熱収縮フィルムを得
た。得られたポリエステルおよびフィルムについて、特
性評価を行なった。結果を表1および図4に示す。
フィルムとしたときに、適当な熱収縮開始温度、適当に
緩和された収縮速度および広い収縮温度範囲を示し、さ
らに優れた一方向収縮性を発揮させることができる。本
発明の共重合ポリエステルからなる熱収縮性フィルムで
は、このような優れた熱収縮特性に由来して、収縮斑、
皺、波打ちがないなど、良好な収縮仕上りとなる。
Claims (3)
- 【請求項1】 主成分として式(I): 【化1】 で示される構成単位(1)、式(II): 【化2】 で示される構成単位(2)、一般式(III): 【化3】 で示される構成単位(3)および一般式(IV): 【化4】 (式中、AおよびBはそれぞれ水素原子またはメチル基
である。ただし、A、Bの少なくともいずれか一方は水
素原子である)で示される構成単位(4)からなり、構
成単位(1)と構成単位(2)のモル比〔(1)/
(2)〕が995/5〜900/100、構成単位
(3)と構成単位(4)のモル比〔(3)/(4)〕が
95/5〜65/35であり、下記関係式: (4X+Y)/Z 〔式中、Xは構成単位(2)のモル数を、Yは構成単位
(4)のモル数を、Zは構成単位(1)、構成単位
(2)、構成単位(3)および構成単位(4)のモル数
の和を示す〕が10/200〜50/200の範囲内で
あるポリエステルであって、該ポリエステルのガラス転
移温度が40〜80℃であり、かつフェノールとテトラ
クロロエタンの等重量混合溶媒中での30℃における極
限粘度が0.4dl/g以上である共重合ポリエステ
ル。 - 【請求項2】 請求項1記載の共重合ポリエステルから
なる熱収縮フィルム。 - 【請求項3】 延伸されたフィルムであって、温水中に
30秒浸漬した場合における主延伸方向の収縮率が、6
0℃の温水において15〜35%、80℃の温水におい
て35〜60%かつ100℃の温水において50〜80
%である請求項2記載のフィルム。
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JP33341393A JP3187228B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 共重合ポリエステルおよびそれからなる熱収縮フィルム |
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-
1993
- 1993-12-27 JP JP33341393A patent/JP3187228B2/ja not_active Expired - Lifetime
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