JPH07188078A - シクロヘキサンジメタノールの製造法 - Google Patents

シクロヘキサンジメタノールの製造法

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JPH07188078A
JPH07188078A JP6000792A JP79294A JPH07188078A JP H07188078 A JPH07188078 A JP H07188078A JP 6000792 A JP6000792 A JP 6000792A JP 79294 A JP79294 A JP 79294A JP H07188078 A JPH07188078 A JP H07188078A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシレー
トから工業的有利にトランス異性体比率の比較的高いシ
クロヘキサンジメタノールを製造する。 【構成】蒸気状のジアルキルシクロヘキサンジカルボキ
シレートを不均一系エステル水素化触媒の存在下水素ガ
スと接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シクロヘキサンジメ
タノールの製造法、特に大量のシクロヘキサンジメタノ
ールのトランス異性体と少量の対応するシス異性体を含
む混合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,4−シクロヘキサンジメタノール
は、テレフタール酸との反応により高重合鎖状縮合ポリ
マーを製造するのに使用され、かつある種のポリエステ
ルやポリエステルアミドの製造における中間体として有
用なものである。このような目的のための1,4−シク
ロヘキサンジメタノールの使用は、たとえばUS−A−
2901466に記載されている。この文献は、ポリシ
クロヘキシレンジメチレンテレフタレートのトランス異
性体(315〜320℃)が対応するシス異性体(26
0〜267℃)よりも高い融点範囲を持っていることを
教えている。
【0003】1,4−シクロヘキサンジメタノール(ヘ
キサヒドロテレフタリルアルコール)を製造する一つの
方法は、US−A−2105664の実施例3に記載さ
れているように、スラリー相反応器中、銅クロマイト触
媒の存在下、3,000psia(約206.84バール)の
圧力と255℃の温度で実施する、ジエチル1,4−シ
クロヘキサンジカルボキシレート(ジエチルヘキサヒド
ロテレフタレート)の水素化を含むものであって、収率
は、77.5%と言われている。
【0004】ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレート(DMCD)の1,4−シクロヘキサンジメ
タノール(CHDM)への水素化は、次式(1)で示さ
れる:
【化1】 このようにして製造されたCHDMの2種の幾何学異性
体は、次のとおりである:
【化2】
【0005】結果として得られた1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール成績体は、異なった融点を有するこれら
2種の異性体の混合物である。Menachem Lewisら編、
Marcel Decker,Inc.出版、「Fiber Chemistr
y」9頁に報告されているように、「脂環式エステル
(すなわち、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレート)と脂環式ジオール(すなわち、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール)は、共に2種の異性形、シ
スとトランスで存在し、それらは結合の開裂なしには相
互変換不可能なものである」。更に、それに続いて、
「(シス:トランス)比のコントロールは、多くのポリ
マーや繊維の性質がそれに依存するから、(1,4−シ
クロヘキサンジメタノールにおいて)重要である」と記
載されている。
【0006】1,4−シクロヘキサンジメタノールのシ
ス異性体は、融点43℃で、トランスは、融点67℃で
ある。より融点の高いトランス異性体は、高融点のポリ
エステルやポリエステルアミドが望ましいと考えられる
場合には、シス異性体よりも好ましい試薬として使用さ
れることが多い。上記の様に、トランス−ポリシクロヘ
キシルメチルテレフタレートのような典型的なポリエス
テルのトランス異性体は、シス異性体よりも高い融点を
有する。それ故に、例えば、US−A−5124435
はポリエステル共重合体を開示しているが、その1,4
−シクロヘキサンジメタノール含量は、少なくとも80
モル%のトランス異性体含量を有し、高い耐熱性を有す
る。シス−1,4−シクロヘキサンジメタノールよりも
トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノールの方が
好ましいことについても、US−A−2917549、
US−A−4999090およびGB−A−98831
6に開示がある。
【0007】ジメチルテレフタレートの複数段階の水素
化による1,4−シクロヘキサンジメタノールの液相製
造方法は、US−A−3334149に記載されてい
る。これは、パラジウム触媒を使用してジメチルテレフ
タレートからジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレートへの水素化を実施し、次いで液相中で銅クロ
マイト触媒を使用してこのジエステルを1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールへ水素化するものである。該特許
明細書の実施例1に記載された方法では、約40ないし
50分の滞留時間がその第2段階で使用される。
【0008】US−A−3334149に開示された
1,4−シクロヘキサンジメタノールの液相製造方法に
おいて、1,4−シクロヘキサンジメタノールのトラン
ス:シス異性体の比率は、平衡値に向かう傾向があると
思われる。この平衡値については種々の報告があり、約
2.57:1(トランス−:シス−1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール)(GB−A−988316における報
告)と約3:1(US−A−2917549における報
告)の間にある可能性がある。しかしながら、出発物質
であるジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ートは、一般に商業的には、シス異性体が多いシスおよ
びトランス異性体の混合物として得られる。このよう
に、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレー
トの典型的な商品グレードは、トランス:シス異性体比
約0.5:1〜0.6:1である。
【0009】1,4−シクロヘキサンジメタノールの製
造時に好ましさの度合が低いシス−1,4−シクロヘキ
サンジメタノール異性体が過剰に存在する問題を克服す
る試みは、シクロヘキサンジメタノールのシス異性体か
らそのトランス異性体への異性化に焦点が向けられて来
た。
【0010】US−A−2917549は、シス−1,
4−シクロヘキサンジメタノールをリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、アルミニウムのような低原
子量金属のアルコキシドの存在下、少なくとも200℃
の温度に加熱することから成る、シス−1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールのトランス−1,4−シクロヘキ
サンジメタノールへの異性化方法を開示している。しか
しながら、US−A−2917549の方法は、当初の
シス/トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール
水素化物を水素化ゾーンから回収し、窒素雰囲気中、金
属アルコキシド触媒の存在下、200℃を越える温度で
処理する必要がある。US−A−2917549に教示
された方法を実施するためのプラントの建設費および運
転費はかなりの高額とになるものと思われる。このよう
なプラントの他の不利な点は、異性化ゾーンにおける触
媒としての金属アルコキシドの使用に伴う危険性であ
る。このような触媒は、銅/クロムまたはラネーニッケ
ル触媒のような水素化触媒を使用する典型的な水素化条
件下では進行しないと報告されている異性化を、US−
A−2917549の実施例11の教示に従って実施す
るために必要である。更に、金属アルコキシド触媒によ
る製品の汚染を防ぐための工程が必要である。
【0011】US−A−4999090は、アルカリ金
属水酸化物またはアルコキシドの存在下150〜200
℃の温度と1〜50mmHg(1.33〜66.5ミリバー
ル)の圧力で蒸留することによりシス−1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールを異性化する方法を開示してい
る。この方法は、US−A−2917549の方法に非
常に類似した欠点を持っている。
【0012】GB−A−988316は、ジメチルヘキ
サヒドロテレフタレート(すなわちジメチル1,4−シ
クロヘキサンジカルボキシレート)のシスおよびトラン
ス異性体の混合物を銅/亜鉛触媒の存在下、高温高圧で
水素化する、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールの製造法を教示する。トランス−1,4−ジメチ
ロールシクロヘキサン(すなわちトランス−1,4−シ
クロヘキサンジメタノール)を反応成績体から結晶化に
よって分離し、シス−1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールが富化された残留物を水素化ゾーンにリサイクル
し、異性化によりシス/トランス−1,4−シクロヘキ
サンジメタノール混合物を形成させる。リサイクルを繰
り返し実施することにより、トランス異性体を実質的過
剰に含む1,4−シクロヘキサンジメタノール製品が得
られる。しかしながら、GB−A−988316の方法
は、より好ましくはリサイクルしたシス異性体富化物を
新しいジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ート供給物と共に水素化ゾーンに再導入するような条件
下で運転される。シス異性体を水素化ゾーンへリサイク
ルする効果は、主として水素化と異性化の触媒作用を持
っている銅/亜鉛触媒の二重機能の結果である。熱動力
学的原理から予期されるように、異性化作用はシス異性
体を優位に含む混合物を水素化ゾーンにリサイクルする
とき、最も効果的である。しかしながら、シス異性体を
このようにリサイクルすることは、新しい問題、すなわ
ち1−メチル−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサンの
ような好ましくない副生物が生成することが知られてお
り、このものは苛酷な条件下に水素化反応を実施した場
合に形成される。このような副生物の生成を抑制するた
めに、水素化ゾーンはGB−A−988316の教示
(例えば2頁55〜79行参照)に従い、「比較的温和
な条件」下に運転するのがよい。しかし、そのような温
和な条件は、水素化ゾーンのワンパスについてジメチル
ヘキサヒドロテレフタレート(ジメチル1,4−シクロ
ヘキサンジカルボキシレート)の相当量が未変化のまま
残るため、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキ
シレートの変換率が低下する。上記「比較的温和な条
件」とは、GB−A−988316の2頁26〜32行
の記載によれば、少なくとも200℃、好ましくは24
0〜300℃の温度と200〜300気圧(202.6
5〜303.98バール)の圧力を意味する。これら高
い温度での高圧の使用は、このように極端な圧力に耐え
るように構成された特別な合金の厚い壁とフランジを有
する反応器を必要とする他に、危険である。従ってGB
−A−988316の教示と同じような高圧で運転する
プラントを建設することは高額となる。更に、プラント
を200気圧(202.65バール)またはそれ以上で
操作するのは極めて危険であり、プラントの建設費のみ
ならず、運転費の点でも、非常に高額なものとなる。こ
の建設費の本質的な部分は、高圧常套商業規模の水素化
プラントを運転する場合に注意されるべき苛酷な安全予
防措置に関連するものである。気体流をこのような高圧
に圧縮し、プラント内を循環させることもまた、高い費
用を必要とする。
【0013】「気体相」を使用している文献(GB−A
−988316の1頁84行参照)もあるが、温度30
0℃でさえ、200〜300気圧(202.65〜30
3.98バール)の圧力で、その実施例に記載された水
素:エステル比において、シスおよびトランス−ジメチ
ルヘキサヒドロテレフタレートのいずれもが液相にある
ものと思われる。このように、GB−A−988316
の各実施例では、液相条件が使用されている。ジメチル
ヘキサヒドロテレフタレート(すなわち1,4−ジメチル
シクロヘキサンジカルボキシレート)およびリサイクル
方法において使用され得るようなメタノールを含有する
供給混合物を使用している実施例4では、水素化成績体
中ジオールで存在する異性体は、トランス異性体約72
%およびシス異性体28%、すなわちトランス:シス比
=約2.57:1の平衡混合物として現されている。
【0014】気相中におけるある種のエステルおよびジ
エステルの水素化は知られている。例えば、気体相でエ
ステルの水素化を行うために還元酸化銅/酸化亜鉛触媒
を使用することが提案されている。例えば、GB−B−
2116552およびWO−A−90/8121参照。
【0015】更に、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、
またはこれらの2種またはそれ以上の混合物のジメチル
またはジエチルエステルのようなジカルボン酸のエステ
ルの触媒的水素化によるブタン−1,4−ジオールなど
のジオールの製造が知られている。このような方法は、
例えばGB−A−1454440、GB−A−1464
263、DE−A−2719867、US−A−403
2458およびUS−A−4172961に記載されて
いる。
【0016】ジエステル、代表的にはマレイン酸、フマ
ル酸、コハク酸、およびそれらの2種またはそれ以上の
混合物から選択されるC4ジカルボン酸のジアルキルエ
ステルの気相水素化によるブタン1,4−ジオールの製
造が提案されている。このような方法において、ジエス
テルはジメチルまたはジエチルマレエート、フマレート
またはサクシネートのようなジ−C1ないしC4アルキル
エステルが都合良い。このような方法は、更にUS−A
−4584419、EP−A−0143634、WO−
A−86/03189、WO−A−86/07358お
よびWO−A−88/00937にもその記載を見るこ
とができる。
【0017】上記の気相方法の全てにおいて、エステル
またはジエステルはすべてジメチル1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシレートや1,4−シクロヘキサンジメ
タノールの蒸気圧と比較して高い蒸気圧を持つ。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシレート、例
えばジメチルシクロヘキサンジカルボキシレートの水素
化による、実質的に安全性を増し、相対的に低圧力で経
済的に運転することの出来る、シクロヘキサンジメタノ
ールの製造方法を提供することである。本発明の他の目
的は、ジメチルシクロヘキサンジカルボキシレートの水
素化によりシクロヘキサンジメタノールを製造するにあ
たり、その水素化工程が慣用的な水素化法で達成できる
と報告されているトランス:シス異性体比よりも高い比
率で直接的にシクロヘキサンジメタノール成績体を与え
るような方法を提供することである。故に、本発明の更
なる目的は、極端な水素化条件や別の異性化工程の採用
を必要とする上記従来技術の設備費や運転費の増加を避
けることである。なおまた、ジメチル1,4−シクロヘ
キサンジカルボキシレートのシスおよびトランス異性体
混合物を迅速に高変換率および高選択率をもって、トラ
ンス異性体がシス異性体に対して過剰に存在する1,4
−シクロヘキサンジメタノールのシスおよびトランス異
性体混合物を製造する方法を提供することも本発明の目
的である。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、トラン
ス:シス異性体比約1:1以下のジアルキルシクロヘキ
サンジカルボキシレートの水素化によりトランス:シス
異性体比約1:1以上のシクロヘキサンジメタノールを
製造する方法であって、(a)粒状の不均一系(hetero
geneous)エステル水素化触媒を持つ水素化ゾーンを設
けること、(b)上記水素化ゾーンに、水素とジアルキ
ルシクロヘキサンジカルボキシレートを含む水素化可能
物質を含有する混合物を蒸気状の供給流として当該混合
物の露点温度以上の供給温度で供給すること、(c)上
記水素化ゾーンを、エステルの水素化をもたらす温度と
圧力条件下に維持すること、(d)上記水素化ゾーンに
蒸気状供給流を通過させること、および(e)上記水素
化ゾーンからトランス:シス異性体比1:1以上を有す
る所望のシクロヘキサンジメタノール含有成績体流を回
収することを含んで成る方法が提供される。本発明は、
蒸気相水素化条件下で、出発物質ジアルキルシクロヘキ
サンジカルボキシレートが目的物質シクロヘキサンジメ
タノールへ極めて迅速に変換され、実質的に完全な変換
が起こるのに数秒を要するに過ぎないと云うだけでな
く、水素化ゾーンを通過中に起こるシクロヘキサンジメ
タノールの異性化が比較的速く進行するという発見に基
づくものである。これは、2種の別々の反応が含まれて
いる点で、驚くべき発見である。すなわち、通常、約
2.0:1〜3.84:1の高いトランス:シス−1,4
−シクロヘキサンジメタノール比率と、ジアルキル1,
4−シクロヘキサンジカルボキシレートから1,4−シ
クロヘキサンジメタノールへの本質的に完全な変換が、
水素化ゾーン中反応混合物の約1分以下、典型的には約
2〜15秒の範囲の滞留時間で達成される。この滞留時
間は、US−A−3334149の実施例1で使用され
た40〜50分の滞留時間のように従来技術で推奨され
た広い長い滞留時間とは、全く対照的である。
【0020】
【作用】本発明の方法は、水素化ゾーンに対して実質的
に液体のない蒸気状態で供給される供給物流を用いて、
蒸気供給条件下に操作される。故に、供給物流は、混合
物の露点温度を越える入口温度で水素化ゾーンに供給さ
れる。該方法は、蒸気相条件が水素化ゾーン中全体にわ
たって存在するように操作することが出来る。しかしな
がら、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ートを出発物質として用いた場合、成績体1,4−シク
ロヘキサンジメタノールは、出発物質ジメチル1,4−
シクロヘキサンジカルボキシレートよりも揮発性が低い
ため、1,4−シクロヘキサンジメタノールに富む液体
が触媒上に凝結する可能性があり、特に供給物の流れの
温度がその露点に近い場合、可能性が高い。そのような
触媒上の1,4−シクロヘキサンジメタノールに富む液
体の凝結は、本発明方法にとって、有害なものではな
い。何故なら、1,4−シクロヘキサンジメタノールに
富む液体に存在するジメチル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレートの水素化熱は、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールのヒートシンク効果(heat sink effec
t)により放散され得るからである。しかしながら、蒸気
相供給条件の利点を実現させるのであれば、供給物蒸気
は触媒床の入口端部においてその露点を越える供給温度
であることが必須である。本発明方法の蒸気相供給条件
の使用には、液相操作と比較して、一般により低い操作
圧を使用出来ると云う利点がある。これは、一般にプラ
ントの建設費だけでなく運転費にもまた顕著でかつ有利
な効果をもたらすものである。
【0021】水素化ゾーンにおいて、水素化可能物質は
極度に速く水素化され、上記式(1)に例示したように
シクロヘキサンジメタノールを与える。加えて、比較的
速い異性化反応が使用した水素化条件で起こる。故に、
シス−ジメチルシクロヘキサンジカルボキシレート中の
豊富な水素化可能物質は、出発エステルのトランス異性
体含量より高いトランス異性体含量を有するシクロヘキ
サンジメタノール成績体を与える傾向にある。
【0022】ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレートの水素化の場合、反応成績体混合物に存在す
る1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス:シ
ス異性体比は、蒸気相水素化条件下で、約3.84:1
にも及ぶ高い比率となる可能性があることが見い出され
た。この比率は、液相反応条件下、低変換率で達成され
ると報告されている2.57:1と3:1の間の値よりも
顕著に高いものである。
【0023】好ましい方法では、ジアルキルシクロヘキ
サンジカルボキシレートは、例えばジメチル、ジエチ
ル、ジ−n−または−iso−プロピル、またはジ−n
−、−iso−または−sec−ブチルシクロヘキサンジカル
ボキシレート、より好ましくはジメチルシクロヘキサン
ジカルボキシレートのようなジ−(C1ないしC4アルキ
ル)シクロヘキサンジカルボキシレートである。特に好
ましい方法では、ジメチルシクロヘキサンジカルボキシ
レートは、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキ
シレートである。
【0024】特に好ましい方法では、ジアルキルシクロ
ヘキサンジカルボキシレートは、ジメチル1,4−シク
ロヘキサンジカルボキシレートであり、工程(e)の成
績体流は、トランス:シス異性体比が約2:1〜3.8
4:1の範囲であり、より好ましくは少なくとも約2.
6:1〜3.84:1である、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール成績体を含んで成る。故に、本発明の方法
は、トランス:シス異性体比が約2:1〜3.84:
1、例えば約2.6:1〜2.7:1の過剰である、1,
4−シクロヘキサンジメタノール成績体を単一工程で容
易に調製可能にする。この比率は、少なくとも約2.
6:1であるのが好ましい。本発明は、約3.1:1〜
3.84:1、例えば約3.2:1〜3.7:1のトラン
ス:シス異性体比を有する1,4−シクロヘキサンジメ
タノール成績体を単一工程で製造することを可能にす
る。
【0025】水素化ゾーンに供給される水素化可能物質
は、実質的に純粋なシス−ジメチルシクロヘキサンジカ
ルボキシレートを含んでいてもよい。しかしながら、ト
ランス:シス異性体が1:1よりも少ないものであれ
ば、更にそのシス異性体に加えて、トランス−ジメチル
シクロヘキサンジカルボキシレートを含んでいてもよ
い。水素化ゾーンに供給される水素化可能物質がトラン
ス−ジメチルシクロヘキサンジカルボキシレートを含ん
で成る場合、トランス−ジメチルシクロヘキサンジカル
ボキシレートのシス−ジメチルシクロヘキサンジカルボ
キシレートに対するモル比は、約0.01:1〜1:1
の範囲、好ましくは約0.05〜1.1の範囲であって
もよい。典型的には、水素化可能物質中のトランス異性
体のシス異性体に対するモル比は、ジメチルシクロヘキ
サンジカルボキシレートが1,4−異性体である場合、
約0.5:1〜0.6:1であろう。
【0026】本発明方法は、ジメチル1,4−シクロヘ
キサンジカルボキシレートの水素化に有利に用いられる
が、当該方法がジメチル1,2−シクロヘキサンジカル
ボキシレート、ジメチル1,3−シクロヘキサンジカル
ボキシレートまたはジメチル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレート、およびこれらの2種またはそれ以上
の混合物のいずれかまたは全ての水素化にも等しく良好
に適用され得るものであることは当業者に理解されるで
あろう。
【0027】本発明は、その好ましい態様において、次
の操作を含むことを特徴とする、ジメチルシクロヘキサ
ンジカルボキシレートの水素化によるシクロヘキサンジ
メタノールの蒸気相製造法を提供する: (a)粒状の不均一系エステル水素化触媒を含有する水
素化ゾーンを設けること、(b)上記水素化ゾーンに混
合物の露点またはそれ以上の入口温度で水素およびジメ
チルシクロヘキサンジカルボキシレートを含有する蒸気
供給物流を供給し、ジメチルシクロヘキサンジカルボキ
シレートを当該水素化ゾーンに約0.05から約4.0h
-1の液体毎時空間速度に対応する速度で供給すること、
(c)上記水素化ゾーンを約150℃300℃の温度お
よび約150psia(約10.34バール)〜2000psi
a(約137.90バール)の圧力に維持し、これにより
ジメチルシクロヘキサンジカルボキシレート反応体およ
びシクロヘキサンジメタノール成績体のいずれもを蒸気
相で維持すること、および(d)上記水素化ゾーンから
1,4−シクロヘキサンジメタノール成績体のトラン
ス:シス異性体比が約2:1〜3.8:1の範囲である
蒸気状シクロヘキサンジメタノール成績体を回収するこ
とを含んで成る。
【0028】本発明は、また、次の操作を含むことを特
徴とする、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキ
シレートの水素化による1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールの蒸気相製造法を提供する: (a)粒状の不均一系エステル水素化触媒を含有する水
素化ゾーンを設けること、(b)上記水素化ゾーンに混
合物の露点またはそれ以上の入口温度で水素およびジメ
チル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートを含有
する蒸気供給物流を供給し、ジメチルシクロヘキサンジ
カルボキシレートを当該水素化ゾーンに約0.2から約
1.0h-1の液体毎時空間速度に対応する速度で供給す
ること、(c)上記水素化ゾーンを約210℃〜260
℃の温度および約450psia(約31.03バール)〜
1000psia(約68.95バール)の圧力に維持し、
ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート反
応体および1,4−シクロヘキサンジメタノール成績体
のいずれもを蒸気相に維持すること、および(d)上記
水素化ゾーンから1,4−シクロヘキサンジメタノール
成績体のトランス:シス異性体比が約2.6:1〜3.
8:1の範囲である蒸気状1,4−シクロヘキサンジメ
タノール成績体を回収することを含んで成る。
【0029】従来技術によるジメチルシクロヘキサンジ
カルボキシレートの水素化は、通常、高圧、液相法とし
て実施されて来た。ジメチルシクロヘキサンジカルボキ
シレートが比較的高分子量であり、熱分解が起こり易い
ような温度(例えば約300℃)以下において比較的低
い蒸気圧を示すにも拘わらず、蒸気相供給条件を利用す
るジメチルシクロヘキサンジカルボキシレートの水素化
のための実施可能な商業的水素化プラントが設計出来る
と云うことは、驚くべきことである。
【0030】本発明の方法によりトランス:シス異性体
比が液相条件下の正常な平衡比率よりも過剰である1,
4−シクロヘキサンジメタノール成績体を生成すると云
うことは驚くべき発見である。故に、液相条件下で正常
なトランス:シス異性体平衡比率は、好ましい条件下で
約3:1程度に高いが、本発明は、蒸気供給条件で操作
するものであり、3.84:1にも達する高いトラン
ス:シス異性体比率で1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールの製造を可能にする。
【0031】銅含有触媒は、低い操作圧においては触媒
活性が短く、かつ低いと云う当該技術分野における先入
観から考えると、本発明の方法が数カ月またはそれ以上
の長期間にわたり、所望のシクロヘキサンジメタノール
成績体に対する高い選択性および出発ジアルキルシクロ
ヘキサンジカルボキシレートの高い変換率で操作され得
ると云うことも驚くべきことである。
【0032】従来技術では、ジメチル1,4−シクロヘ
キサンジカルボキシレート(ジメチルヘキサヒドロテレ
フタレート)の水素化ではかなりの量の副生物の形成を
免れないことが明らかにされている。故に、GB−A−
988316は、1−メチル−4−ヒドロキシメチルシクロヘ
キサンのような不必要な副生物の形成により生じる問題
を認めている。本発明の方法が、ジメチルシクロヘキサ
ンジカルボキシレートの相対的に低い蒸気圧と比較して
非常に過剰な水素の存在および非常に高い水素の蒸気圧
の使用にも拘わらず、反応がジメチルシクロヘキサンジ
カルボキシレートから所望の成績体、すなわちシクロヘ
キサンジカルボキシレートへ高い変換率で、しかもその
成績体への非常に高い選択性およびそれに起因する非常
に低い副生物の収率で迅速に進行するように操作出来る
事実を見い出したことは、驚くべきことである。よっ
て、好ましい条件下、ジメチルシクロヘキサンジカルボ
キシレートからシクロヘキサンジメタノールの形成は、
98モル%以上にも及ぶ高変換率と96モル%以上にも
達する高選択率をもって達成することが出来る。加え
て、適切な反応条件下において、トランス:シス異性体
比1:1以下である出発エステル(ジメチル1,4−シ
クロヘキサンジカルボキシレート)を、1工程で、トラ
ンス:シス異性体比1:1以上、通常、約2.6:1〜
3.84:1の範囲−この値は従来技術に開示されてい
る最高の平衡トランス:シス異性体比よりも更に遥かに
高い−においてシクロヘキサンジメタノール成績体に変
換可能であることを見い出したことも驚きである。更に
驚くべきことに、これは、比較的に低い操作温度および
圧力で達成され得ることも見い出された。
【0033】商業的なプラントにおいて、本発明方法
は、通常、連続的基準で運転される。少なくとも2つの
水素化ゾーンを設定するのが好ましい場合があり、それ
ぞれに異種エステル水素化触媒が充填され、並列に連結
されている。これらゾーンはそれぞれを蒸気状供給原料
混合物の供給から独立して分離することが出来る。よっ
て、分離されたゾーンを残りのゾーンまたは両ゾーンで
実施されている条件とは実質的に異なる条件に付する場
合があり、例えば、他の1つまたはそれ以上のゾーンで
本発明方法が継続している間に、当該ゾーンの触媒充填
物を再活性化または入れ換えることも可能である。この
配列もまたWO−A−91/01961で教示されてい
る条件下での操作を可能にする。この場合は、並列につ
ながった2つの水素化反応器が用いられる。触媒の新し
い充填物による操作の第1相においては、反応器の1つ
のみを使用し、他方の反応器は水素中の触媒と共に待機
モード(standby mode)に保持する。触媒活性がやや低
下する程度まで運転した後、第二の反応器の使用を開始
し、第一の反応器は待機状態に置く。更に運転した後、
両反応器を並列に使用し、消費が終了した後、触媒充填
物全体を入れ換える。
【0034】本発明の方法は、通常、約150℃〜35
0℃の供給温度で運転する。供給温度は、約150℃〜
300℃の範囲が好ましく、約200℃〜260℃の範
囲が最も好ましい。供給圧は、典型的には、約150ps
ia(約10.34バール)〜2000psia(約137.9
0バール)の範囲である。しかしながら、蒸気相供給条
件を使用するこの低圧法の利益および利点は、約450
psia(約31.03バール)〜1000psia(約68.9
5バール)の供給圧を用いる方法を実施することにより
最もよく実現される。
【0035】本発明方法は、蒸気状供給流をその露点以
上に保持し、ジアルキル(例えばジメチル)シクロヘキ
サンジカルボキシレートがそのまたは各触媒床の入口端
で蒸気相として存在することが必要である。このこと
は、蒸気供給混合物の組成を制御し、選択された操作条
件下において、そのまたは各触媒床の入口端で混合物の
温度が操作圧で常にその露点以上でなければならないこ
とを意味している。“露点”の用語は、気体および蒸気
の混合物がちょうど霧状または膜状の液体になる温度を
意味するものである。この露点液体は、通常、蒸気相の
全ての凝縮可能な成分や溶解した気体を通常の蒸気/液
体基準を満たす濃度で含有している。典型的には、蒸気
供給混合物の水素化ゾーンへの供給温度は、操作圧にお
ける露点の10℃またはそれ以上を越える温度である。
【0036】本発明方法で使用する蒸気混合物を形成す
るのに都合の良い方法は、液体ジアルキル(例えばジメ
チル)シクロヘキサンジカルボキシレートまたはジアル
キルシクロヘキサジカルボキシレート溶液を熱水素含有
気体流にスプレーし、飽和または部分的飽和蒸気混合物
を形成するものである。代替法として、熱水素含有気体
を液体ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシレートま
たはジアルキルシクロヘキサジカルボキシレート溶液を
通して泡立たせることにより、このような蒸気混合物を
得ることも出来る。飽和蒸気混合物が形成される場合
は、触媒と接触させる前に、更に加熱するか、またはよ
り熱い気体で希釈して、部分的飽和蒸気混合物を生成せ
しめる。
【0037】本発明方法において、水素含有気体:ジア
ルキル(例えばジメチル)シクロヘキサンジカルボキシ
レートのモル比は、温度および圧力に依存する広い範囲
内で変化し得る。水素含有気体の主要な構成分は水素で
あるが、他の気体を通常は少量であるが当該方法に供給
された水素含有気体中に導入してもよく、かかる他の気
体の例としては、窒素、アルゴン、メタン、酸化炭素な
どがある。蒸気供給流を、操作圧においてそのまたは各
触媒床の入口端で露点以上に維持するために、水素含有
気体:ジアルキル(例えばジメチル)シクロヘキサンジ
カルボキシレートのモル比は、少なくとも約10:1〜
8000:1、望ましくは約200:1〜1000:1
の範囲が好ましい。
【0038】しかしながら、ジメチル1,4−シクロヘ
キサンジカルボキシレートをジエステル出発物質として
用いる場合、そのまたは各触媒の全部分と接触する蒸気
状混合物が1,4−シクロヘキサンジメタノールに富む
液体の凝結を妨げるような露点以上の温度である必要は
ない(シクロヘキサンジメタノールはエステル出発物質
ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートよ
りも揮発性が低い)。
【0039】本発明方法で用いられる水素含有気体は、
新鮮な補給(make-up)気体または補給気体とリサイク
ル(recycle)気体の混合物を含むことが出来る。補給
気体は、水素とCOやCO2のような任意の少量成分と
アルゴン、窒素またはメタンのような不活性ガスの混合
物であって、少なくとも70モル%の水素を含有するも
のであってよい。補給気体は、好ましくは少なくとも9
0モル%、更に好ましくは少なくとも97モル%の水素
を含有していてもよい。補給気体は、適当な方法、例え
ば天然ガスの部分的酸化または蒸気改質、続いて水性ガ
ス移動反応およびCO2吸収、続いて必要に応じ、酸化
炭素の残留痕跡の少なくとも幾分かのメタン化により生
成することが出来る。高純度水素補給気体が必要なら
ば、圧力旋回吸収(pressure swing absorption)を用
いることも出来る。気体リサイクルを利用する場合、リ
サイクル気体は、通常、水素化ゾーンの下流の成績体回
収段階で十分に凝縮されなかった水素化反応成績体の1
種またはそれ以上を少量含有する。例えば、気体リサイ
クルを用いる場合、気体リサイクル流は、通常、微量の
アルカノール(例えば、メタノール)を含有するであろ
う。
【0040】本発明方法は、蒸気相の供給流を使用して
操作されるが、水素化可能物質の水素化ゾーンへの供給
速度を空間速度として表現し、その空間速度を液体毎時
空間速度として表現するのが便利である。故に、供給速
度を、水素化可能物質の蒸気化ゾーンへの液体供給速度
の、水素化触媒容量に対する比率で表現するのが便利で
ある。よって、水素化可能物質の水素化触媒を通過する
均等(equivalent)液体毎時空間速度は、好ましくは約
0.05〜4.0h-1である。言い換えると、液体水素化
可能物質を、触媒の単位容量当たり、毎時水素化可能物
質の単位容量約0.05〜4.0に等しい速度(即ち、触
媒m3当たり約0.05〜4.0m3-1)で蒸気化ゾーン
に供給するのが好ましい。更に具体的には、液体毎時空
間速度は、約0.1〜1.0h-1である。
【0041】蒸気状供給流が水素化ゾーンを通過する速
度は、水素化可能物質の蒸気化ゾーンへの供給速度およ
び水素含有気体:水素化可能物質のモル比に依存するこ
とは、当業者にとって容易に明らかであろう。
【0042】ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレート供給物を用いる場合、充分量のシス−ジメチ
ル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートを含有
し、約1:1以下のトランス:シスジメチル1,4−シ
クロヘキサンジカルボキシレート異性体比を有する供給
原料が使用されてよい。適切でかつ商業的に入手可能
な、シス−リッチの供給物エステル、ジメチル1,4−
シクロヘキサンジカルボキシレートは、高純度ジメチル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート、テクニカ
ル級(technical grade)ジメチル1,4−シクロヘキサ
ンジカルボキシレートおよびシス−ジメチル1,4−シ
クロヘキサンジカルボキシレートである。高純度あるい
はシス−ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
レートはそのようなグレードにするのに付加的精製段階
を必要とするから、本発明方法に特に好ましい供給原料
は、テクニカル級ジメチル1,4−シクロヘキサンジカ
ルボキシレートである。
【0043】本発明方法で用いられる粒状触媒は、エス
テルの対応するアルコールまたは混合物への水素化また
は水素化分解を触媒する作用を持つものであれば格別の
制限はない。それは適当な形、例えばペレット、輪状ま
たは鞍型に成形されていてもよい。
【0044】典型的なエステル水素化触媒には、銅含有
触媒および第VIII族金属含有触媒が含まれる。適切な銅
含有触媒の例としては、還元銅−アルミナ触媒、還元酸
化銅/酸化亜鉛触媒(必要に応じて助触媒を伴う)、還
元マンガン促進化銅触媒、還元銅クロマイト触媒(必要
に応じて助触媒を伴う)などがあり、また適切な第VIII
族金属触媒としては、白金触媒、パラジウム触媒などが
ある。適当な酸化銅/酸化亜鉛触媒前駆体としては、C
uO/ZnO混合物を含んでおり、Cu:Zn重量比が、約
0.4:1〜2:1であるものが含まれる。例として、
DRD 92/71と呼ばれる触媒前駆体がある。促進
化酸化銅/酸化亜鉛前駆体は、CuO/ZnO混合物を含
んでおり、そのCu:Zn重量比が、約0.4:1〜2:
1の範囲のものであり、約0.1〜15重量%のバリウ
ム、マンガンまたはバリウムとマンガンの混合物により
促進化される。このように促進化CuO/ZnO混合物に
は、DRD 92/92の呼称で入手可能なMn−促進化
CuO/ZnO前駆体がある。適切な銅クロマイト触媒前
駆体には、約0.1:1〜4:1、好ましくは約0.5:
1〜4:1の範囲のCu:Cr重量比を持つものが含まれ
る。この型の触媒前駆体は、DRD 89/21または
PG 85/1なる呼称で入手可能である。促進化銅ク
ロマイト前駆体は、約0.1:1〜4:1、好ましくは
約0.5:1〜4:1の範囲のCu:Cr重量比を有する
ものが含まれ、約0.1〜15重量%のバリウム、マン
ガンまたはバリウムとマンガンの混合物により反応促進
される。マンガン促進化銅触媒前駆体は、典型的には、
約2:1〜10:1のCu:Mn重量比を有しており、通
常、約2:1〜4:1のCu:Al重量比となるようにア
ルミナ支持体を含有している。その具体例としては、触
媒前駆体DRD 92/89がある。
【0045】上記一般呼称DRDまたはPGを有する触
媒は、全てイギリス、クリヴランド・TS18・3H
A、ストックトン−オン−ティーズ、ボウスフィールド
・レーン、P.O.Box 37のディビー・リサーチ・ア
ンド・デベロップメント・リミテッドから入手すること
が出来る。
【0046】使用出来ると考えられる他の触媒として
は、P.S.WehnerらによりJournal of Catalysis,136,4
20−426(1992)により記載された型のPd/ZnO触媒、
US−A−4837368およびUS−A−51854
76に開示された型の担持パラジウム/亜鉛触媒、US
−A−4929777に開示された型の化学的混合銅−
チタン酸化物などがある。
【0047】更に本発明方法において使用の対象となる
触媒としては、A.El MansourらがAngew.Chem.,101,3
60(1989)に報告したロジウム/スズ触媒などを挙げる
ことが出来る。
【0048】本発明方法で使用される触媒の物理的支持
体としては、支持体として知られているものを適宜に使
用することが可能であり、そのような支持体は、酸化亜
鉛、アルミナ、シリカ、アルミナ−シリカ、シリコンカ
ーバイド、ジルコニア、チタニア、炭素、ゼオライト、
またはそれらの適当な組合せなどの物質により提供され
る。本発明の方法に使用するのに特に好ましい触媒は、
上記した還元形の銅クロマイト、促進化銅クロマイト、
およびマンガン促進化銅触媒前駆体である。
【0049】好ましい一態様において、本発明方法は、
並列に連結された少なくとも2つの水素化反応器を用い
て行われ、各ゾーンには、水素化触媒が充填されてい
る。蒸気状供給流は、新しい触媒充填物を使用する第1
相の操作では、1つ(第1)の反応器のみへ供給され、他
方(第2)の反応器は待機モードに維持される。操作の第
2相では、供給流は第2の反応器へ供給され、第1の反
応器は待機モードに維持される。これら最初の二相の各
々において、当初新しい触媒充填物はそれぞれの反応器
中で多少とも非活性化される。操作の第3相では、WO
−A−91/01961の教示のように、蒸気状供給混
合物は、両方の反応器に同時に供給される。この方法に
より、全触媒充填物の有効寿命を延長させることが出来
る。
【0050】2つまたはそれ以上の水素化反応器を直列
に連結して成る水素化ゾーンを使用することも考慮され
てよい。そのまたは各水素化ゾーンは、シェル−アンド
−チューブ型反応器を備えることが出来、これは等温ま
たはほぼ等温の条件下、管内の触媒および反対に殼内の
冷却剤で操作され得る多管式反応器から成ることがあ
る。しかしながら、普通は、建設費が低い点で断熱式反
応器を用いるのが好ましい。このような断熱式反応器
は、水素化触媒の単一充填部を有してもよく、また同じ
もしくは異なった水素化触媒の触媒床の2つまたはそれ
以上を有していてもよい。所望ならば、外部または内部
のインターベッド(inter-bed)熱交換器を設け、入口
温度を断熱型水素化反応器の入り口から下流の1つまた
はそれ以上の触媒床に調節してもよい。
【0051】別の方法において、プラントは、少なくと
も2つの水素化ゾーンを有しており、かつそれぞれに粒
状水素化触媒の充填物を含有しており、操作の第一相に
おいて蒸気状供給流が少なくとも1つの水素化ゾーンに
供給されると共に、他の水素化ゾーンの少なくとも1つ
に水素含有気体流が供給され、それによりその中で水素
化触媒の充填物を再活性化する。操作の第二相では、当
該他の水素化ゾーンの少なくとも1つに蒸気状供給流を
供給すると共に、前記少なくとも1つの水素化ゾーンに
水素含有気体流が供給され、それによりその中で水素化
触媒の充填物を再活性化する。
【0052】この方法では、稼働していないそのまたは
各水素化ゾーンには、水素含有気体流が供給され、それ
により触媒充填物が再活性化される。通常は、この再活
性化を高温、典型的には約100〜350℃の温度で行
うのが好ましい。この再活性化段階において、そのまた
は各水素化ゾーンの入口温度は、稼働している水素化ゾ
ーンへの蒸気状供給流の供給温度よりも低い(例えば約
10〜50℃低い)、本質的に等しい、または高い(例
えば約10〜50℃高い)ものであってもよい。このよ
うな再活性化段階で用いられる水素含有気体流は、熱リ
サイクル補給気体流を含んでいてもよい。
【0053】この別方法の一態様では、触媒の再活性化
を行っているゾーン水素含有気体流を回収するものであ
り、この気体流は、ジアルキル(例えばジメチル)シク
ロヘキサンジカルボキシレートの蒸気状水素含有流と混
合されて、稼働ゾーンへの蒸気状供給流を形成する。も
う一つの態様では、触媒の再活性化を行っているゾーン
から水素含有気体流を回収するものであり、この気体流
は稼働ゾーンからの反応成績体流と混合される。更なる
態様では、触媒の再活性化を行っているゾーンから水素
含有気体流を回収するものであり、この気体流はジアル
キル(例えばジメチル)シクロヘキサンジカルボキシレ
ートを蒸気化してジアルキルシクロヘキサンジカルボキ
シレートの蒸気状水素含有流を形成するのに使用され
る。なお、熱リサイクル気体とジアルキル(例えばジメ
チル)シクロヘキサンジカルボキシレートの蒸気状水素
含有流を混合することにより、稼働ゾーンへの蒸気状供
給流を形成することは更に好都合である。触媒再活性化
が起こっている、そのまたは各水素化ゾーンを通過する
水素含有気体流の流動方向は、そのゾーンが稼働してい
る場合、そこを通過する蒸気状供給流の流動方向と同じ
であっても逆であってもよい。
【0054】図1〜4は、それぞれ並列に連結された2
つの水素化反応器内で、ジメチル1,4−シクロヘキサ
ンジカルボキシレートの水素化により1,4−シクロヘ
キサンジメタノールを製造するための、プラントの簡略
化されたフローチャートである。図5は、単一水素化ゾ
ーン内でジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
レートの水素化により1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールを製造するための実験的装置の、簡略化されたフロ
ーチャートである。
【0055】図1〜4はフローチャートであり、商業的
プラントでは更に温度および圧力センサー、圧力リリー
フバルブ、コントロールバルブ、レベルコントローラー
などの装置部材が付加的に必要となることは、当業者に
とって理解出来るところである。このような付属の装置
部材を設けることは、本発明の必須構成要素ではなく、
慣用的な化学工学技術に過ぎない。更に、本発明の範囲
は、様々な流れの加熱、蒸気化および凝縮の具体的な方
法、またはそのために設けられる加熱器、熱交換器また
は蒸気化あるいは凝縮装置の配列により、何ら制限を受
けるべきものではない。本発明の要件を満たす図1〜4
に示された以外の装置を、慣用的な化学工学技術に従
い、図示されている装置の代わりに用いることも出来
る。
【0056】図1を参照するに、テクニカル級ジメチル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートは、操作の
第1相において、ライン1でパッキング4のベッド上の
蒸発器容器3の上部に位置する蒸発器ノズル2に供給さ
れる。熱水素含有気体流は、ライン5で蒸発器容器3の
底部に供給される。ジメチル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレートを含む飽和蒸気状混合物は、ライン6
で蒸発器容器3の頂部から回収される。生じた蒸気状混
合物を、更にバルブ8で調節しながらライン7からの熱
水素含有気体と混合する。水素:ジメチル1,4−シク
ロヘキサンジカルボキシレートのモル比4:1を有し、
圧力約63バール、温度約230℃である混合流をバル
ブ9およびライン10により、還元銅クロマイト触媒ま
たはDRD92/89と呼称されるクロムを含まない触媒の
ようなペレット化した不均一系水素化触媒12のベッド
を含む水素化反応器11に送り込む。水素化反応成績体
混合物は、ライン13を経て反応器11から出て行き、
バルブ14を通ってライン15に入る。ライン15へ入
った水素化反応成績体混合物は、熱互交換器16で冷却
され、生じた部分的凝縮混合物は、ライン17で冷却器
18を通り、そこで更に冷却される。生じた気体と凝縮
物の混合物はライン19で気体−液体分離器20へ流れ
て行き、そこからメタノールと粗1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールの混合物がライン21で回収される。ラ
イン22における未凝縮の気体状混合物は、不活性気体
およびメタノール蒸気と共に未反応水素を含んでおり、
コンプレッサー23により圧縮されて、ライン24で圧
縮気体流を得る。
【0057】ライン24における圧縮リサイクル気体を
ライン25からの補給水素含有気体と合する。ライン2
6におけるこの合した混合物を、熱交換器16を通過さ
せて加熱し、ライン27で加熱器28に流し込み、その
温度をジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ート供給物の蒸気化をもたらすに適当な温度まで上げ
る。生じた熱気体をライン29で2つの気体流に分け、
一方はライン5の、他方はライン30の気体流とする。
この後者の気体流を更に加熱器31で約240℃まで加
熱し、ライン32、バルブ33およびライン34と35
を通過させて、操作の第1相では再活性化モードとなっ
ている第2の水素化反応器36の底へ導く。反応器36
は水素化触媒37の充填物を含有している。ライン7で
反応器36の頂部を出た熱気体を、既に記載したように
ライン6での飽和蒸気状混合物と混合し、その中の水
素:ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレー
トのモル比を増大させ、その温度を露点以上、例えば少
なくとも5〜10℃以上高い温度に上げる。
【0058】プラントはまたライン38および39とバ
ルブ40および41を含んでおり、両方ともこの操作相
では閉じられている。ライン42は、蒸発器容器3の底
部に集められた“重いもの(heavies)”を含有する流
れを吸引し得るものである。43は、循環気体中に不活
性ガスが増えるのを制限するため、パージガス流を取り
出すことが出来るパージガスラインを示している。この
ような不活性ガスはライン25で補給気体流にまぎれて
プラントに入ることがある。
【0059】操作期間後、触媒充填物12の活性は再活
性化が望まれる点まで低下しているであろう。触媒不活
性化の理由は明確ではないが、この触媒活性の損失の原
因として考えられるのは、エステル交換反応により触媒
表面上に不揮発性ポリエステルの痕跡が形成されること
である。このエステル交換反応は、例えばジメチル1,
4−シクロヘキサンジカルボキシレートと、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールまたは水素化反応の中間生成
物であると考えられるメチル4−ヒドロキシメチルシク
ロヘキサンカルボキシレートもしくはジメチル1,4−
シクロヘキサンジカルボキシレートと1,4−シクロヘ
キサンジメタノールエステルとの間の交換生成物である
ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル1,4−シクロ
ヘキサンジカルボキシレートとの間で生ずるものと推定
される。生成した2量体または3量体物質は、更に蒸気
状混合物の成分と反応して、これらの低重合体鎖を伸長
させることとなる。ポリエステルおよび混合ポリエーテ
ル−ポリエステルもまた形成することがある。
【0060】このような触媒表面上の重合体副生物は、
水素化されやすい。故に、熱水素含有気体との処理によ
る触媒の再活性化が可能である。更に本発明の背景をな
すジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート
の水素化に関する実験研究過程において、理由はともあ
れ、部分的に不活性化された触媒の熱水素含有気体流に
よる処理は、触媒活性を少なくとも部分的に回復させる
に有益な効果を示すことが認められた。
【0061】従って、操作の第2相では、バルブ33を
閉じ、バルブ41を開けると共に、バルブ14を閉じ、
バルブ40を開ける。これにより、新しいまたは再活性
化した触媒充填物37を持つ水素化反応器36を稼働さ
せ、他方、反応器11を再活性化モードにし、その触媒
の部分的不活性化充填物12を再活性化する。この操作
の第2のモードでは、ライン6の飽和蒸気状混合物をラ
イン10からの熱水素含有気体と混合して蒸気状供給混
合物を形成させ、この混合物はライン7で反応器36と
その触媒充填物37に流れる。生じた反応混合物は、ラ
イン35および38によりバルブ40を通ってライン1
5に流れる。ライン32からの熱水素含有気体はバルブ
41を通ってライン39に行き、その後ライン13を通
って水素化反応器11の底部に行く。
【0062】触媒充填物37がある程度不活性化したと
き、バルブ14、33、40および41を再調整して水
素化反応器11および36の流れを切り変えて操作の第
1相の流れに戻すことが出来る。
【0063】上記段階は、都合の良い程度に繰り返すこ
とが出来、反応器11および36を再活性化手段により
もはや触媒活性が所望の増加を示さなくなるまで、また
はプラントを整備またはその他の理由などで閉鎖しなけ
ればならなくなるまで順に稼働させ、そのうえで触媒充
填物12および37を排出し、触媒または触媒前駆体の
新しい充填物に置換することが出来る。
【0064】ライン25における補給気体は、水素、C
OやCO2のような任意の少量成分およびアルゴン、窒
素またはメタンのような不活性ガスの混合物であって、
少なくとも水素を約70モル%含有するものであり得
る。補給気体は、水素を好ましくは少なくとも90モル
%、より好ましくは少なくとも97モル%含有する。補
給気体は、常套の方法、例えば天然ガスの部分的酸化ま
たは蒸気改質、それに続く水性ガス移動反応およびCO
2吸収、必要ならばそれに続く酸化炭素の残留痕跡の少
なくとも幾分かのメタン化により製造することが出来
る。高純度水素補給気体が所望ならば、圧力旋回吸収を
用いることも出来る。
【0065】プラントの運転開始時に、反応器11およ
び36をそれぞれ、銅クロマイト触媒前駆体のような不
均一系水素化触媒前駆体の充填物で充填する。しかしな
がら、反応器11および36は、DRD92/89のような
クロムを含まない水素化触媒を充填するのが好ましい。
その後、触媒供給業者の指示に従って、触媒前駆体を注
意深く還元する。EP−A−0301853の方法を用いて銅
クロマイト前駆体を還元する場合には、その後、触媒床
12および37の両者を同時に還元することが出来る。
触媒前駆体を予備還元した後、熱水素含有気体をプラン
ト中に循環させる。蒸発器容器3および反応器11の入
り口温度が適温に達したら、ライン1でのジメチル1,
4−シクロヘキサンジカルボキシレートの流入を開始
し、プラントを操作の第1相で稼働状態にする。
【0066】図2は、図1と同じ符号を用いており、同
じ装置部材を示している。図1のプラントの場合、水素
含有気体は、再活性化モードの間、触媒床12または3
7を蒸気状供給流が稼働モードで流れる方向とは逆方向
に流れるのに対し、図2のプラントの場合、気体が触媒
床12または37を流れる方向は、触媒床活性化モード
でも稼働でも同じである。
【0067】図2のプラントにおいて、ライン32にお
ける気体流からの熱気体は、バルブ51およびライン5
2を経てライン7、その後反応器36へと供給される
か、バルブ53およびライン54を経てライン10、そ
の後反応器11へと供給されるかのいずれかであり得
る。もし、反応器11が稼働モードでバルブ8が閉じて
おり、反応器36が再活性化モードであるならば、バル
ブ51を調整して、ライン32からの気体の殆どをバル
ブ51を通して反応器36へ流し、反応器11の入り口
温度を露点以上に上げるに充分な気体のみをバルブ53
を通してライン10へ流す。反応器36を稼働モードに
するため、バルブ9を閉じ、バルブ8を開ける。その上
でバルブ51を幾分か閉じ、それに対応する程度にバル
ブ53を開け、ライン32からの気体のほとんどを反応
器11に流す一方、露点必要条件を満たすに充分な気体
のみをバルブ51に通す。
【0068】図2のプラントにおいて、反応モードで放
出される揮発性潜在的触媒不活性化物質は、稼働状態の
触媒充填物を通過せず、ライン21で成績体流中に回収
され得る。水素化されつつある不飽和有機化合物がジメ
チル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートである
場合、このような触媒不活性化物質は何ら放出されない
と言う予めの指摘みあるが、他の不飽和有機化合物が水
素化されつつある場合は必ずしもそうではない。
【0069】図3は、本発明にかかる水素化プラントの
更に他の態様を説明するものである。このプラントにお
いては、図2のプラントの場合と同じく、気体がそれぞ
れの再活性化モードの間、各触媒床12および37を通
過して流れる方向は、蒸気状供給混合物が稼働モードの
間に流れる方向と同じである。図3で使用した符号は、
図1そのてまた図2で見られた装置部材と同じものを指
している。
【0070】図3のプラントにおいて、ライン1で入っ
て来るジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ートの蒸気化のためにライン5で供給される水素含有気
体は、まず、触媒床12または37の1つをその再活性
化モードで通過する。従って、反応器36が再活性化モ
ードである場合、ライン29の熱気体の殆どがバルブ5
1およびライン52を通り、触媒充填物37を通って反
応器36に供給され、ライン35およびバルブ61を通
って流れ、ライン5に入る。バルブ8および40を閉
じ、露点必要条件を満足させるに充分な気体がライン1
0に入る限度においてバルブ53を開ける。一方、ライ
ン6の蒸気供給混合物はバルブ9を通り、ライン10を
経て、その触媒充填物12が稼働モードである反応器1
1に入る。ライン13の成績体流は、バルブ14を通っ
てライン15に流れ込み、バルブ62は閉じている。触
媒充填物37を稼働状態とし、反応器11の触媒充填物
12を再活性化するのが望ましい場合、バルブ8、40
および62を開ける一方、先に開けていたバルブ9、1
4および61を閉める。バルブ53を幾分か開け、バル
ブ51を通って流れる気体量を露点を考慮して必要な程
度で減少させる。触媒充填物37が再活性化し、触媒充
填物12が再び稼働している先の条件に戻すために、種
々のバルブの条件をそれぞれ前の条件に調整し直す。こ
の方法を1度またはそれ以上繰り返してもよい。
【0071】図4のプラントにおいて、ライン29でリ
サイクル気体および補給気体の熱混合物の一部は、ライ
ン5により蒸発器3に供給される一方、残りはライン3
0で蒸発器3に迂回し、ライン6の本質的に飽和したジ
メチルシクロヘキサンジカルボキシレートの蒸気状水素
含有流と混合されて、水素化段階に提供するための供給
混合物をライン63で形成する。ライン63で供給流を
分配し、ライン7および10により排出ライン35およ
び13を持つ水素化反応器36および11に供給するこ
とが出来る。これらの排出ライン35と13は、同時に
共通の出口ライン15に連結させることが出来る。代替
法として、ライン63の蒸気流全体をライン7またはラ
イン10により反応器36と11の1つのみを通して供
給し、成績体混合物をライン35またはライン13によ
りライン15に集めてもよい。
【0072】図4のプラントの開始時に、水素化反応器
36と11をそれぞれ水素化触媒前駆体で充填し、その
後、この触媒前駆体を触媒提供者の指示に従い注意深く
還元する。EP−A−0301853の方法を使用して
銅クロマイト前駆体を還元する場合は、触媒床37と1
2のいずれをも同時に還元させることが出来る。他の場
合には、触媒床37と12を別々に還元させる方が都合
の良いこともある。触媒前駆体の予備還元後、熱水素含
有気体をプラント内に循環させる。蒸気化容器3と反応
器36および/または反応器11に対する適当な出口温
度を達成したとき、ライン1におけるジメチル1,4−
シクロヘキサンジカルボキシレートの流れが開始され
る。
【0073】WO−A−91/01961の方法を使用
すべき場合には、第1相の操作で反応器36を単独で使
用し、反応器11を待機モードで休止させ、その触媒床
12を水素で満たす。触媒床37で触媒活性が幾分か低
減する程度の適当な操作期間後、供給物を反応器11に
切り替えると共に、反応器36を待機状態に置く。プラ
ントの第2相の操作で触媒床12の水素化触媒の活性が
低減した後、反応器36を再び稼働させ、反応器36と
11のいずれもを第3相の操作で同時に平行して使用す
る。これによりプラントのスループットを維持すること
が出来る一方、反応器36と11における各液体毎時空
間速度はプラントの第1相および第2相の各操作期間中
における速度の約50%である。この第3の操作の後、
触媒活性は、整備のためにプラントを閉鎖し、新しい触
媒充填物を配置するのが望ましい程度まで低下するであ
ろう。
【0074】以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細
に説明する。実施例で使用された触媒A〜Dの組成は、
表Iに示したとおりである。触媒の酸素含量は、各場合
において分析対象から除外された。
【表1】
【0075】
【実施例】
実施例1 高純度グレイドジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボ
キシレートの水素添加について、図5に示した実験装置
を用いて調べた。高純度供給物の組成は、以下の通りで
ある:トランス-ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボ
キシレート36.16重量%、シス-ジメチル1,4-シク
ロヘキサンジカルボキシレート63.26重量%、以下
の式:
【化3】 で示されるメチル水素1,4-シクロヘキサンジカルボキ
シレート0.17%、水分0.07重量%および残部不純
物。
【0076】商業的プラントでは、水素ガスを、水素添
加生成物から分離して有利には水素添加域へ再循環させ
ている。水素再循環流れは所定量の、ジメチル1,4-シ
クロヘキサンジカルボキシレートの水添によって生成し
たメタノール蒸気を含んでいる。よって、商業プラント
の水素添加域に供給された蒸気混合物は、一般に水素お
よび不飽和有機化合物に加え、メタノールを含んでい
る。以下に記載の実験装置は、商業的操作で得られるで
あろう結果を正確に予測できるものでなければならず、
このため、蒸発器へ供給される液体供給物につき、商業
プラントの再循環水素流れに含まれるであろう所定量の
メタノールに相当する所定量の液体メタノールによって
修正した。以下に記載の実験装置では水素を再循環させ
るが、再循環水素流れ中に含まれる所定量のメタノール
は、対応する商業的再循環流れに含まれるものよりも比
較的少ない量とした。この差異が生じたのは、実験装置
内の再循環ガスが、商業プラントで好適に冷却される温
度よりも実質的に低い温度に冷却されるためである。こ
のため、実験上の再循環水素流れから、より多量のメタ
ノールが「たたき出される」 。実験装置と商業プラント
の間のこの不一致は、実験装置に用いられる器具、とく
に分析器具の精巧さにより必然的なものである。この実
施例および後続の全ての実施例において、メタノールを
実験用の液体生成物に対し、実験用再循環水素流れ中に
実際に存在するメタノール量を差し引いた、仮に実験装
置を商業的な条件下に操作した場合に実験用再循環流れ
中に存在する釣りあったメタノール量と実質的に等しい
用量で添加する。当該実施例では、変換率や単位時間当
たりの空間速度のような全てのパラメーターは、メタノ
ール不存在下の基準で算出した。
【0077】実験用装置は図5に示した。約70重量%
メタノール溶液の高純度グレイドのジメチル1,4-シク
ロヘキサンジカルボキシレートを貯蔵器100からバル
ブ101、ライン102およびバルブ103により液体
供給ポンプ104へ供給する。ビュレット105は緩衝
的な供給を付与する一方、ビュレット106はバルブ1
01をコントロールする液体レベルコントロラー(図示
せず)を付設して備え、その結果、液体供給物の、貯蔵
器100から液体供給ポンプ104への一定の水頭での
供給が保証される。液体供給物を非返還バルブ107お
よび単離バルブ108を介してライン109へポンプ供
給するが、ここは、加熱液体が6mm×6mmのガラスリン
グ112床上方の絶縁蒸発器111内に入る前に電気加
熱テープ110で加熱することができる。ステンレスス
チール・デミスターパッド113は蒸発器111の頂部
に付設する。高温水素含有ガスの流れはライン114の
蒸発器111の底部に供給する。ドレインバルブ116
を付設して備える液体ドレインライン115は蒸発器1
11の基部から未蒸発液体供給物質(たとえば、重質類)
の回収を可能にさせる。蒸発器111へ供給された液体
供給物の蒸発は、加熱テープ117により促進される。
ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートおよ
び水素からなる飽和蒸発混合物は、蒸発器111の頂部
からライン118により回収する。蒸気混合物は、粒状
亜クロム酸銅水素添加触媒121(300ml、428.1
g)床を含む水素添加反応器120の頂部に入る前に、加
熱テープ119により加熱して当該混合物の露点以上の
温度に上昇させる。当該触媒は表Iの触媒Aである。ガ
ラスリングは反応器120内の触媒床121の上下に充
填する。蒸気混合物は、ジメチル1,4-シクロヘキサン
ジカルボキシレートの1,4-シクロヘキサンジメタノー
ルへの転化が断熱条件で生じる触媒床121介し下方に
進行する。断熱性は、反応器120周囲の絶縁物質内の
電気加熱テープ(図示せず)により、好適な位置に配置し
た熱電対(図示せず)のコントロールの下に維持される。
総反応は穏やかな発熱反応で、触媒床の温度は通常約1
〜2℃上昇する。水素添加生成混合物は、ライン122
の水添反応器120に存在し、熱交換器123を通過す
るが、この熱交換器は、水素添加生成混合物の冷却と、
ライン124からの水素含有ガスの供給物の加熱を同時
に行う。ライン122における1,4-シクロヘキサンジ
メタノールの大半の凝縮は熱交換器123で起こる。ラ
イン124のガスはライン125からの水素含有ガスか
らなり、所望によりライン126から供給されたメタ
ン、アルゴン、窒素などの不活性ガスの混合物または単
独の不活性ガスを含む。ライン125のガスはライン1
27により供給された補給水素と、ライン128により
供給された再循環水素から構成される。ライン127に
よる補給水素は、ライン129および/またはライン1
30の流れにより、ライン125へ、圧力コントロラー
131〜136および高純度水素シリンダー(図示せず)
からのマスフロー・コントロラー137のシステムを介
して供給する。
【0078】熱交換器123からの加熱水素含有ガス
は、ライン114を通過し、さらに電気的加熱テープ1
38により加熱し、蒸発器111へ供給する。熱交換器
123からの冷却水素添加生成物はライン139を通過
し、さらにクーラー140で室温付近の温度に冷却す
る。クーラー140からの液体/蒸気混合物はライン1
41を通過して、第1ノックアウト・ポット142に入
るが、ここに液体水素添加生成物が集められ、バルブ1
43、ライン144およびコントロールバルブ145に
よる最終的な供給によって製品ライン146へ送られ
る。水素および未凝縮メタノールからなる蒸気混合物
は、ライン147のノックアウト・ポット142の頂部
に存在し、さらにクーラー148で温度10℃に冷却さ
れる。クーラー148からの付加的に冷却した液体/蒸
気混合物は、ライン149を介し、第2ノックアウト・
ポット150へ供給するが、ここに凝縮メタノールが集
められ、バルブ151およびライン152を介する最終
的な供給により製品ライン146へ送る。ノックアウト
・ポット150からのガスおよび未凝縮物質は、ライン
153を介し吸引ポット154を通ってライン155内
に入り、次いでバルブ156を介してガス再循環圧縮器
157へ送る。ガスは、バルブ158、ライン128、
125、124および114を介して貯蔵器111へ再
循環する。窒素などの不活性ガス濃度のコントロールの
ために、再循環ガス中に、パージガス流をライン159
のシステムからバルブ160のコントロールの下に流入
させる。
【0079】参照番号161バイパスバルブを示す。本
発明の装置の始動時点で、触媒充填物を反応器120へ
内に入れ、次いで窒素で当該反応器をパージする。触媒
充填物を次いでEP-A-0301853開示に従い還元
した。メタノールで好適に希釈した高純度ジメチル1,
4-シクロヘキサンジカルボキシレートを次いで蒸発器
111へ、速度75ml/時(単位時間当たりの液体空間
速度0.25(1/時)に相当)でポンプ輸送する。ライン
118における蒸気混合物中のガス:ジメチル1,4-シ
クロヘキサンジカルボキシレートのモル比は915:1
であった。反応器120は温度220℃および圧力90
0psia(62.05バール)に維持した。これにより、水
素添加域はジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシ
レートおよび揮発性が低い1,4-シクロヘキサンジメタ
ノール生成物の両方についての凝縮を防止可能な条件下
に操作することができる。水素添加域全体の温度は操作
圧力における露点以上であった。
【0080】ライン146の液体は、毛管ガスクロマト
グラフィにより、長さ15mおよび内径0.32mmの溶融
シリカカラム(DBワックスの0.25μm膜で内部被
覆)、ヘリウム流速2ml/分(ガス供給分割比= 100:
1)およびフレーム・イオン化検出器を用い、定期的に
分析した。当該機器はピーク・インテグレイターを有す
るチャート・レコーダーを備え、市販の試料である既知
組成のジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレー
トを用いて検定した。また出口ガスを採取し、ガスクロ
マトグラフィによりクロマトグラフィ法を用いて分析し
た。ピークの同定は、当該物質の基準試料の分析によっ
て観察された保持時間の比較およびマススペクトルによ
り確認した。反応混合物中に検出された化合物には、以
下のものが含まれていた:1,4-シクロヘキサンジメタ
ノール、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレ
ート、4-メトキシメチル・シクロヘキサンメタノー
ル、ジ(4-メトキシメチルシクロヘキシルメチル)エー
テルおよびメタノール。得られた結果から、ジメチル
1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートは、99%以
上転化され、1,4-シクロヘキサンジメタノールへの選
択率約98.5%が得られ、少量の副産物が残部である
ことが、証明された。貯蔵庫100からのジメチル1,
4-シクロヘキサンジカルボキシレートの供給溶液中に
存在するメタノールを差し引くと、水添反応の化学量論
に従い変換されたジメチル1,4-シクロヘキサンジカル
ボキシレート1モルごとに、メタノール2モルが検出さ
れた。結果を以下の表IIに、後続の実施例2〜8の結果
とともに掲げた。
【表2】 表IIについての注) DMCD= ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキ
シレート LHSV= 単位時間当たりの液体空間速度 CHDM= シクロヘキサンジメタノール BYPR= 種々の副生物 METH= 4-メトキシメチル・シクロヘキサンメタノ
ール DETH= ジ-4-ヒドロキシメチルシクロヘキシルメ
チル・エーテル ガス= 水素98%以上を含む、水素含有ガス
【0081】実施例2〜8 実施例1に記載と同様な方法および同じ供給溶液を用
い、付加的な実験を、亜クロム酸銅触媒(表Iの触媒A)
を用いて行った。実験は、温度、圧力、LHSVおよび
ガス:エステルのモル比のような操作条件を変化させた
場合の水添反応の効果を試験すべく、設計されている。
各実施例の場合、触媒と接触する蒸気混合物は露点以上
であった。結果を表IIにまとめた。
【0082】実施例9 実施例1〜8で用いた亜クロム酸銅触媒充填物に代え
て、DRD89/21(表Iの触媒B)150ml(240.
8g)(銅-クロマイト触媒、Cu:Crの重量比=3:1)を
用いた。触媒を実施例1記載の方法に従い活性化し、高
純度ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート
のメタノール溶液を蒸発器111へ、速度60ml/時
(単位時間当たりの液体空間速度0.40(1/時)に相
当)で供給した。水添域の入口温度は221℃、即ち蒸
気混合物の露点以上であった。
【0083】ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキ
シレート99.52%の変換率を得た。詳細な結果を実
施例10〜23で得た結果とともに以下の表IIIに示
す。また、表IIの注を表IIIに適用する。
【表3】
【表4】
【0084】実施例10〜14 実施例9記載の操作条件を変化させた場合のジメチル
1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート水素添加につ
いての効果を付加的な5つの実験において調べた。詳細
な結果を表IIIに示す。実施例10〜14の各実施例に
おいて、触媒と接触する蒸気混合物はその露点以上であ
った。
【0085】実施例15〜23 実施例1〜14の水添域に供給された高純度ジメチル
1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートに代えて、工
業グレイドの供給物を用いた。工業グレイドの供給物に
ついての組成は以下のとおりである:トランス-ジメチル
1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート33.95重
量%、シス-ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキ
シレート61.60重量%、メチル水素1,4-シクロヘ
キサンジカルボキシレート1.59重量%、水分0.07
重量%およびジ-4-ヒドロキシメチルシクロヘキシルメ
チル・エーテルを含む高沸点不純物2.79重量%。供
給物には、実施例1記載のごとくメタノールを補足し
た。詳細な結果を表IIIに示す。これらの各実施例にお
いて、触媒と接触する蒸気混合物はその露点以上であっ
た。
【0086】実施例24 実施例9〜23に用いた亜クロム酸銅触媒の充填物に代
えて、DRD92/89(表Iの触媒C)300ml(銅、マ
ンガンおよびアルミナ含有非クロム触媒)を用いた。触
媒を実施例1記載の方法に従い活性化し、高純度ジメチ
ル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートのメタノー
ル溶液を蒸発器111へ、速度123ml/時(単位時間
当たりの液体空間速度0.42(1/時)に相当)で供給し
た。水添域に達する蒸気混合物中のガス:エステルのモ
ル比は、703:1で、水添域は900psiaa(62.05
バール)で維持し、入口温度は220℃、即ちこの圧力
での蒸気供給混合物の露点よりも10℃高温であった。
ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート9
9.78%の変換率を得た。詳細な結果を以下の表IVに
示す。また、表IIの注を表IVに適用する。
【0087】実施例25 実施例24記載の操作条件、とくにLHSVを変化させ
た場合の高純度ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボ
キシレート水素添加についての効果を付加的な実験にお
いて調べた。詳細な結果を表IVに示す。再度、ジメチル
1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートを蒸発器へ、
メタノール溶液として供給した。触媒と接触する蒸気混
合物は操作圧でその露点よりも約10℃高温であった。
【0088】実施例26〜32 実施例24および25の高純度ジメチル1,4-シクロヘ
キサンジカルボキシレートに代えて、その組成を実施例
15〜23ですでに記載した工業グレイドの供給物を用
いた。実施例24記載の操作条件を変化させて、この工
業グレイドの供給物の水添についての効果を、付加的な
7つの実験において調べた。詳細な結果を表IVに示す。
また、表IIの注)を表IVに適用する。実施例26〜32
の各実施例において、触媒と接触する蒸気混合物はその
露点以上であった。
【表5】
【0089】実施例33〜35 気相、平衡トランス:シスのジメチル1,4-シクロヘキ
サンジメタノール生成物の比率を決定するための実験に
おいて、実施例1記載のタイプの実験装置に、表Iの触
媒C(250ml)を充填し、以下の組成を有するジメチル
1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートの水添生成物
の供給を行った:メタノール48.6重量%、ジメチル
1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート1.4重量
%、トランス-1,4-シクロヘキサンジメタノール36.
2重量%、シス-1,4-シクロヘキサンジメタノール1
0.4重量%、4-メトキシメチル・シクロヘキサンメタ
ノール0.11重量%、ジ-(4-ヒドロキシメチルシクロ
ヘキシルメチル)エーテル0.42重量%、水分0.5重
量%および他の副産物2.31重量%。したがって、こ
の水添生成物は、トランス:シス-シクロヘキサンジメタ
ノールの比率が3.48:1であった。実施例33のプロ
セスパラメーターを表Vに示した。次いで、実施例33
の生成物を実施例1記載のタイプの第2実験装置の反応
器(表Iの触媒C(250ml)を充填)に通した。この第2
実験についてのプロセスパラメーターおよび生成物のト
ランス:シス比率は表VIの実施例34に示す。実施例3
4の生成混合物を実施例1記載のタイプの第3実験装置
(表Iの触媒C(250ml)を充填)に通した。この第3実
験の実施例35で得られたトランス-:シス-1,4-シク
ロヘキサンジメタノール生成物の比率は蒸気平衡値、約
3.84:1で安定することが判明した。
【表6】
【0090】実施例36および37 ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートに代
えて、ジメチル1,2-シクロヘキサンジカルボキシレー
トおよびジメチル1,3-シクロヘキサンジカルボキシレ
ート各々を用い、実施例1の方法を繰り返した。同様な
結果を得た。
【0091】実施例38 触媒Aに代えて、等容量の触媒Dを用い、実施例1の方
法を繰り返した。同様な結果が観察された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施態様を示すフローチャート
である。
【図2】本発明方法の他の一実施態様を示すフローチャ
ートである。
【図3】本発明方法の他の一実施態様を示すフローチャ
ートである。
【図4】本発明方法の他の一実施態様を示すフローチャ
ートである。
【図5】本発明方法の試験的規模における一実施態様を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 蒸発器ノズル 3 蒸発器容器 4 パッキングベッド 11、36 反応器 12、37 水素化触媒床 16 熱交換器 18 冷却器 20 気液分離器 23 コンプレッサー 28、31 加熱器
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/72 X 23/86 X 23/889 C07B 53/00 C 7419−4H C07C 29/149 // C07B 61/00 300 (72)発明者 マイケル・アンソニー・ウッド イギリス、イングランド、ティエス7・0 キューエス、クリーブランド、ミドルスボ ロー、ナンソープ、ウォッチゲイト9番

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランス:シスの異性体比率が約1:1
    以下であるジアルキルシクロヘキサンジカルボキシレー
    トを水素添加することにより、トランス:シスの異性体
    比率が約1:1以上であるシクロヘキサンジメタノール
    を製造するにあたり、 (a)不均一系エステル水素添加用触媒を含む水素添加
    域を設け、 (b)水素添加域へ、水素と、ジアルキルシクロヘキサ
    ンジカルボキシレート含有水素添加可能な物質とを含む
    蒸気供給流を、当該混合物の露点以上の入口温度で供給
    し、 (c)水素添加域を、当該エステルを水素添加するのに
    役立つ温度および圧力の条件に維持し、 (d)蒸気供給流を水素添加域を通過させ、 (e)水素添加域から、トランス:シスの異性体比率が
    約1:1以上であるシクロヘキサンジメタノールを含む
    生成物流を回収することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシ
    レートがジ−(炭素数1〜4のアルキル)シクロヘキサ
    ンジカルボキシレートである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシ
    レートがジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
    レートである請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシ
    レートがシス-ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
    キシレートである請求項1〜3の1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシ
    レートがジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
    レートのシスおよびトランス異性体の混合物であって、
    トランス-ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
    レート:シス-ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
    キシレートのモル比が約0.01:1〜1:1である請
    求項1〜4の1つに記載の方法。
  6. 【請求項6】 ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシ
    レートがジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
    レートのシスおよびトランス異性体の混合物であって、
    トランス-ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
    レート:シス-ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
    キシレートのモル比が約0.05:1〜1:1である請
    求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシ
    レートがジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
    レートのシスおよびトランス異性体の混合物であって、
    トランス-ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
    レート:シス−ジメチル1,4−シクロヘキサンジカル
    ボキシレートのモル比が約0.5:1〜0.6:1である
    請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 蒸気混合物中の水素含有ガス:ジアルキ
    ルシクロヘキサンジカルボキシレートのモル比が、約2
    00:1〜1000:1である請求項1〜7の1つに記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 水素添加域の供給物温度が約150℃〜
    350℃である請求項1〜8の1つに記載の方法。
  10. 【請求項10】 水素添加域の供給物温度が約150℃
    〜300℃である請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 水素添加域の供給物温度が約200℃
    〜260℃である請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 水素添加域の供給物圧力が約150
    (約10.34バール)〜2000psia(約137.90
    バール)である請求項1〜11の1つに記載の方法。
  13. 【請求項13】 水素添加域の供給物圧力が約450
    (約31.03バール)〜1000psia(約68.95バ
    ール)である請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記触媒が、還元マンガン助触媒付銅
    触媒、還元亜クロム酸銅触媒、還元助触媒付亜クロム酸
    銅触媒、担体付パラジウム/亜鉛触媒、化学的混合銅-
    チタン触媒、白金触媒およびパラジウム触媒からなる群
    から選ばれるものである請求項1〜13の1つに記載の
    方法。
  15. 【請求項15】 触媒が、還元形態である亜クロム酸
    銅、助触媒付亜クロム酸銅およびマンガン助触媒付銅の
    触媒からなる群から選ばれるものである請求項14記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 触媒がバリウム、マンガンまたはそれ
    らの混合物から選ばれる少なくとも1つの助触媒を、約
    15重量%以下の量で含有する請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 蒸気供給物流が約0.05〜4.0(1
    /時間)のジアルキルシクロヘキサンジカルボキシレー
    トの単位時間当たりの液体空間速度に相当する速度で供
    給する請求項1〜16の1つに記載の方法。
  18. 【請求項18】 ジアルキルシクロヘキサンジカルボキ
    シレートがジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキ
    シレートであって、前記工程(e)の生成物流がトラン
    ス:シスの異性体比率約2:1〜3.84:1の1,4−
    シクロヘキサンジメタノール生成物である請求項1〜1
    7の1つに記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記工程(e)の生成物流がトランス:
    シスの異性体比率約2.6:1〜3.84:1の1,4−シ
    クロヘキサンジメタノール生成物である請求項18記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 前記工程(e)の生成物流がトランス:
    シスの異性体比率約3.1:1〜3.84:1の1,4−
    シクロヘキサンジメタノール生成物である請求項19記
    載の方法。
  21. 【請求項21】 蒸気混合物がジメチル1,3−シクロ
    ヘキサンジカルボキシレートを含む請求項1記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 蒸気混合物がジメチル1,2−シクロ
    ヘキサンジカルボキシレートを含む請求項1記載の方
    法。
  23. 【請求項23】 ジメチル・シクロヘキサンジカルボキ
    シレートの水素添加によりシクロヘキサンジメタノール
    を製造するための気相法であって、 (a)不均一系エステル水素添加用触媒を含む水素添加
    域を設け、 (b)水素添加域へ、水素と、ジメチル・シクロヘキサ
    ンジカルボキシレートとを含む蒸気供給流を当該混合物
    の露点またはそれ以上の入口温度にて供給し(ただしジ
    メチル・シクロヘキサンジカルボキシレートは、単位時
    間当たりの液体空間速度約0.05〜4.0(1/時)に
    相当する速度で供給する。)、 (c)水素添加域を、反応体であるジメチル・シクロヘ
    キサンジカルボキシレートおよび生成物であるシクロヘ
    キサンジメタノールの両者を気相中に維持する条件、す
    なわち約150℃〜300℃の温度および約150(約
    10.34バール)〜2000psia(約137.90バー
    ル)の圧力の組合わせにより維持し、 (d)水素添加域から、シクロヘキサンジメタノール生
    成物のトランス:シスの異性体比率が約2:1〜3.
    8:1であるシクロヘキサンジメタノール蒸気生成物を
    回収することを特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 不均一系エステル水素添加触媒が、還
    元形態である亜クロム酸銅、助触媒付亜クロム酸銅およ
    びマンガン助触媒付銅の水素添加触媒からなる群から選
    ばれるものである請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 不均一系エステル水素添加触媒が銅-
    亜鉛水素添加触媒である請求項23記載の方法。
  26. 【請求項26】 ジメチル1,4−シクロヘキサンジカ
    ルボキシレートの水素添加により1,4−シクロヘキサ
    ンジメタノールを製造するための気相法であって、 (a)不均一系エステル水素添加用触媒を含む水素添加
    域を設け、 (b)水素添加域へ、水素と、ジメチル・シクロヘキサ
    ンジカルボキシレートとを含む蒸気供給流を当該混合物
    の露点またはそれ以上の入口温度にて供給し(ただしジ
    メチル・シクロヘキサンジカルボキシレートは、単位時
    間当たりの液体空間速度約0.2〜1.0(1/時)に相
    当する速度で供給する。)、 (c)水素添加域を、反応体であるジメチル1,4−シ
    クロヘキサンジカルボキシレートおよび生成物である
    1,4−シクロヘキサンジメタノールの両者を気相中に
    維持する条件、すなわち約210℃〜260℃の温度お
    よび約450(約31.03バール)〜1000psia
    (約68.95バール)の圧力の組合わせにより維持
    し、 (d)水素添加域から、1,4−シクロヘキサンジメタ
    ノール生成物のトランス:シスの異性体比率が約2.
    6:1〜3.8:1であるシクロヘキサンジメタノール
    蒸気生成物を回収することを特徴とする方法。
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