JPH07188035A - 軟骨保護剤 - Google Patents

軟骨保護剤

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JPH07188035A
JPH07188035A JP5347338A JP34733893A JPH07188035A JP H07188035 A JPH07188035 A JP H07188035A JP 5347338 A JP5347338 A JP 5347338A JP 34733893 A JP34733893 A JP 34733893A JP H07188035 A JPH07188035 A JP H07188035A
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cartilage
substance
polysaccharide
weight
medium
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JP5347338A
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Takatoshi Watanabe
孝寿 渡辺
Katsumi Kawaguchi
克己 河口
Satoshi Fujimoto
智 藤本
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本物質は多糖類で、菌類、特にクレブシェラ
属に属する菌の培養により得られる。主要構成糖はラム
ノース、ガラクトース、グルコース、マンノース、グル
クロン酸で、白色ないし淡褐色の粉末であり、分子量は
103〜107、元素分析はC、H、N、S等を示す。 【効果】 本物質は、軟骨マトリックスを構成するグリ
コサミノグリカンの減少を強く抑制し、軟骨保護作用を
示し、低毒性である。従って、慢性関節リウマチ、変形
性関節症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腰痛症等の関
節症の治療に極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軟骨保護剤に関する。詳
しくは多糖類を含有する軟骨保護剤に関する。
【0002】
【従来の技術】関節症には、慢性関節リウマチ、リウマ
チ熱、及び変形性関節症等がある。中でも慢性関節リウ
マチ及び変形性関節症は患者数が多く、主要な関節症と
して検討されてきた。変形性関節症は、先天性のもの或
いは二次性のものと、老化による関節軟骨の退行変性に
よる一次性のものがある。一次性の変形性関節症は、近
年老齢者人口の増加につれて増加している。慢性関節リ
ウマチと変形性関節症では、病因、病態に大きな違いが
ある。しかし何れも最終的には、軟骨破壊により関節機
能が障害される点では共通している。慢性関節リウマ
チ、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、変形性関節
症等のリウマチ性疾患に対する第一選択薬は、アスピリ
ン、インドメタシン等の鎮痛抗炎症剤である。慢性関節
症治療薬としては、他にシオゾール等の金製剤、免疫調
節剤、ステロイド剤、D−ペニシラミン等が使用され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記鎮
痛抗炎症剤は、関節軟骨の破壊抑制効果がなく、軟骨細
胞を用いた実験においては、逆に、増悪する場合もあ
る。更に、上記慢性関節症治療薬にも、関節軟骨の破壊
抑制作用は見だされていない。本発明者等は、関節軟骨
の破壊を抑制する軟骨保護剤を開発すべく鋭意検討した
結果、下記の多糖類(以下本物質と称する)が、軟骨マ
トリックスを構成するグリコサミノグリカン(GAG)
の減少を強く抑制することを見出し、軟骨保護剤として
有用である事を知り、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本物質の起源はいずれの
ものであってもよいが、一般に菌より生産される。特に
クレブシェラ属(Klebsiella)の菌より生産
される。本物質の一部は特開平4ー299986号公
報、特願平4ー310956号公報、特願平5ー825
11号公報、特願平5ー167357号公報、特願平5
ー123149号公報等に記載されている。
【0005】クレブシェラ属に属する本物質産生菌とし
ては、クレブシェラ・ニューモニア(Klebsiel
la pneumoniae)、クレブシェラ・プラン
ティコーラ(Klebsiella plantico
la)、クレブシェラ・オキシトカ(Klebsiel
la oxytoca)、及びクレブシェラ・テリゲナ
(Klebsiella terrigena)があげ
られる。なお、クレブシェラ属(Klebsiell
a)菌株は、紫外線、X線、放射線などの照射及び突然
変異源(例えば、ニトロソグアニジン、ナイトロジェン
マスタード、アクリジンオレンジ)などの変異手段によ
り容易に変異し得るので、このようにして得られる変異
株であっても、本物質の産生能を有するものは利用でき
る。
【0006】次に、クレブシェラ属の菌株を用いての本
物質の製造方法を説明する。本物質は、上記菌株を、炭
素源、窒素源、およびその他の成育に必要な栄養成分を
含む固体培地もしくは液体培地中で、振盪培養や通気攪
拌培養のような好気的培養を行うことにより生産され
る。炭素源は、ラクトース、シュークロース、マルトー
ス、ガラクトース、グルコース、フラクトース等の糖類
又はグリセロール等が例示し得るが、なかでもラクトー
スが好ましい。これら糖類の培地中における濃度は使用
菌株が成育し得る程度あれば特に限定されないが、通常
1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%である。また
窒素源は、ポリペプトン、酵母エキス、肉エキス、もし
くはトリプチケースペプトンのような有機物、または硝
酸塩、アンモニウム塩のような無機物を例示し得るが、
有機態の窒素源が好ましい。更に、必要に応じて、リン
酸一カリウムやリン酸二カリウムのようなリン酸塩;
鉄、銅、マグネシウム、マンガン、モリブデン、亜鉛、
ホウ素等の微量金属類;ビオチン、チアミン、ビタミン
B12等のビタミン類;及び核酸類等を添加してもよい。
【0007】培養温度は20〜37℃、好ましくは25
〜32℃である。培地のpHは3〜11、好ましくは4
〜10.5である。培養時間は培地の粘度が最大に達す
るまで行えば良いが、通常は1〜7日間培養する。
【0008】培養終了後、培地中の本物質を分離する。
液体培地の場合には、培養終了後培養液を水で希釈し、
遠心分離などにより菌体等の不純物を除去する。培養液
にメタノール、エタノール、イソプロパノール、及びア
セトンのような有機溶媒;セチルトリメチルアンモニウ
ム塩のような第4級アンモニウム塩;又はブチルアマイ
ドのような酸アマイドを加えると本物質が沈殿してく
る。この沈殿を乾燥することにより本物質を得る事が出
来る。
【0009】本物質を必要に応じてクロロスルホン酸、
ピペリジンーN−スルホン酸等を含む溶液中で35〜1
40℃好ましくは50〜90℃で処理してもよい。反応
物を、例えば、中和、濃縮、沈殿、クロマトグラフィー
等により精製して、スルホン化物を得ても良い。本物質
は次の特性を有する。 a 外観: 白色乃至淡褐色粉末 b 溶解性:水に易溶、メタノール、酢酸エチル、クロ
ロホルム、及びベンゼンに難溶、鉱酸で加水分解 c 主要構成糖: ラムノース0.0〜37.3%、ガ
ラクトース16.8〜70.0%、グルコース0.0〜
36.6%、グルクロン酸12.3〜37.0%、マン
ノース0.0〜27.9% d 分子量: 1×103〜1×107 e 元素分析値: C 5.0〜40.0%、H 2.
0〜6.0%、N 0.0〜1.0%、S 0.0〜
2.0%
【0010】上述の本物質は更に水に溶解し、溶質をメ
タノール、エタノール、イソプロパノールやアセトンの
ような有機溶媒;セチルトリメチルアンモニウム塩のよ
うな第4級アンモニウム塩;又はブチルアマイドのよう
な酸アマイドを用いて繰り返し再析出させる。更に必要
に応じて透析又はクロマトグラフィーを行い精製処理に
より本物質を得る事が出来る。これらをスルホン化して
もよい。精製した本物質の特性は次の通りである。
【0011】a 外観: 白色粉末 b 溶解性:水に易溶、メタノール、酢酸エチル、クロ
ロホルム、及びベンゼンに難溶、鉱酸で加水分解 c 主要構成糖: ラムノース0.0〜33.0%、ガ
ラクトース16.8〜65.0%、グルコース0.0〜
36.6%、グルクロン酸14.5〜35.0%、マン
ノース0.0〜27.0% d 分子量: 1×104〜1×107 e 元素分析値: C 31.0〜40.0%、H
4.0〜6.0%、N 0.0〜0.2%、S 0.0
〜2.0%
【0012】本物質の急性毒性は次の通りである。JC
L/ICRマウス(雄、4週齢)に、本物質(1000
mg/kg)を経口投与した後、1週間観察したが、死
亡も、何等異常も見られなかった。本物質は、培養軟骨
細胞(家兎の肩、膝関節軟骨細胞)における軟骨破壊抑
制作用を有する(後記実施例4乃至5参照)。従って、
本物質は関節の軟骨破壊を伴う各種関節症のための軟骨
保護剤として有用である。このような関節症の例は、慢
性関節リウマチ、変形性関節症、肩関節周囲炎、頸肩腕
症候群、腰痛症等である。
【0013】製剤形態は、一般的な形態でよい。本物質
は単独又は製剤上許容し得る担体もしくは希釈剤との混
合物の何れでも、製剤として使用できる。製剤中の有効
成分の量は、0.01〜100重量%、好ましくは0.
1〜70重量%である。この軟骨保護剤は、経口、非経
口何れでも投与できる。投与量は、対象(動物あるいは
ヒト)、年齢、個人差、病状等に依るので、下記範囲外
量を投与する場合もある。しかしながら、一般にヒトを
対象とする場合、本物質の経口投与量は、1日当たり
0.1〜500mg/kg(体重)、好ましくは0.5
〜300mg/kg(体重)である。通常、1日量を、
1回または2〜4回に分けて投与する。
【0014】
【実施例】
実施例1 本物質(No.1〜No.3)の製造:クレブシェラ・
プランチコーラ(Klebsiella planti
cola)(KPS5003,微工研条寄第3300
号)を、ラクトース(3重量%)、トリプチケースペプ
トン(0.35重量%)、リン酸一カリウム(0.6重
量%)、硫酸マグネシウム(0.07重量%)、塩化マ
ンガン(0.0001重量%)、および寒天(1.4重
量%)から成る斜面培地において増殖させたものを白金
耳でかき取り、上記培地において寒天を除いた液体培地
(10ml)に接種し、30℃で1日間前培養を行っ
た。次いで、上記培地(pH10、1000ml)を1
20℃で15分間加熱滅菌した。これに上記培養菌を接
種し、30℃で5日間振盪培養(120rpm)を行っ
た。培養液を遠心分離(31000g、15分間)し、
菌体を除去した。培養液にエタノール(2倍量)を加え
て沈殿を得た。この沈殿を遠心分離により採取し、エタ
ノール洗浄を繰り返した。洗浄物にアセトンを加えてホ
モジナイズし、次にアセトンを除去し、本物質(No.
1)(13.3g)を得た。
【0015】本物質(No.1)(4.0g)及びDM
SO(300ml)をナス型フラスコ(1500ml)
に加えて、室温で2時間攪拌した。ピペリジン−N−ス
ルホン酸(8.8g)をこの溶液に加え、85℃で45
分間攪拌した。ナス型フラスコを氷浴上に移し、飽和炭
酸水素ナトリウム(300ml)を加え、中和した。こ
の中和液をビーカー(5000ml)に移し、アセトン
(2000ml)を加え、沈殿を得た。この沈殿を採取
し、アセトンで3回洗浄した。次に洗浄物を水に溶解
し、透析し、凍結乾燥をして、本物質(No.2)
(3.5g)を得た。
【0016】本物質(No.1)(4.0g)を蒸留水
に溶解し、遠心分離(4℃,31000g)にかけた。
この上清にエタノールを加えて白色固体を析出させた。
更に析出を2回繰り返した。析出物を蒸留水に溶解し、
純水に対して24時間透析を行い、続いて真空凍結乾燥
を行い、本物質(No.3)(3.6g)を白色物とし
て得た。本物質(No.1〜No.3)の特性を表1及
び表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】構成糖: 加水分解物のアルディトール・
アセテート化物をガスクロ(島津GC−8APF)で分
離、測定した。 元素分析: 柳本MT3型元素分析器を用いた。Sは堀
場炭素硫黄分析装置(EMIAー510)を用いた。 分子量: GPC(カラムはAsahipak GSM
700H 2連)を用いた。
【0020】実施例2 本物質(No.4〜No.7)の製造:クレブシェラ・
オキシトカ(Klebsiella oxytoca)
JCM1665、クレブシェラ・テリゲナ(Klebs
iella terrigena)JCM1687(A
TCC33257)、クレブシェラ・ニューモニア(K
lebsiella pneumoniae)KPS5
002(微工研条寄第625号)、及びクレブシェラ・
プランチコーラ(Klebsiella planti
cola)JCM7251(ATCC15050)の各
々を、ラクトース(3重量%)、トリプチケースペプト
ン(0.35重量%)、リン酸一カリウム(0.6重量
%)、硫酸マグネシウム(0.07重量%)、及び寒天
(1.4重量%)から成る斜面培地において増殖させ
た。これらを白金耳でかき取り、上記培地において寒天
を除いた液体培地(10ml)の各々に接種し、28℃
で1日間前培養を行った。次いで、上記培地(pH1
0、100ml)を120℃で15分間加熱滅菌し、こ
れに上記培養菌の各々を接種し、28℃で、1日間振盪
培養(180rpm)を行った。培養液を遠心分離(3
1000g、15分間)し、菌体を除去した。培養液に
エタノール(2倍量)を加えて沈殿を得た。この沈殿を
遠心分離にかけた。遠沈物をエタノールで3回洗浄し
た。洗浄物を蒸留水に溶解し、真空凍結乾燥し、本物質
(No.4、No.5、No.6、及びNo.7)
(1.45g、0.95g、1.0g、及び0.95
g)を白色乃至淡褐色物として得た。特性を表3及び表
4に示す。
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】本物質(No7)を実施例1と同様にして
スルホン化して本物質(No.8)を得た。更に本物質
(No.4、No.5、及びNo.7)を蒸留水に溶解
し、遠心分離(4℃、31000g)にかけた。この上
清にエタノールを加えて白色固体を析出させた。更に析
出を2回繰り返した。析出物を蒸留水に溶解し、純水に
対して24時間透析を行い、続いて真空凍結乾燥を行
い、本物質(No.9〜No.11)を得た。特性を表
5に示す。
【0024】
【表5】
【0025】実施例3 急性毒性(LD50):4週齢のマウス(雄、JCL/I
CR)を22〜25℃の飼育室でゲージに10匹ずつ収
容し、固型飼料及び水を自由に摂取させた。本物質を生
理食塩水溶液(2.5w/v%)とし、40ml/kg
量を胃ゾンデにより強制経口投した。本物質(No.1
〜No.11)の各々の投与群について試験マウスを―
週間観察したが、異常も、死亡も認められなかった。L
50値は1000mg/kg以上であった。
【0026】実施例4 培養軟骨細胞における軟骨破壊抑制作用: a)培養軟骨細胞の調製 家兎(New Zealand White Rabb
it)(体重1〜1.5kg)の肩膝関節等より無菌的
に軟骨を取り出した。これをPBS(Ca2+、Mg2+
リー)、ハンクス、及びEDTA(0.1%)含有PB
Sでよく洗浄した後、約1mm角に刻んだ。これにED
TA(0.1%)含有PBS(Ca2+、Mg2+フリー)
を加え、37℃の恒温槽で30分間処理した。更に、ト
リプシン溶液(0.25%)を用いて37℃で1時間処
理し、軟骨に付着した結合組織を取り除いた。上清を除
去した後、軟骨を0.2%コラゲナーゼ Ham F−
12(FBS10%含有)溶液で約2〜2.5時間処理
した。このコラゲナーゼ溶液を遠心分離(1500rp
m)した後、FBS(10%)含有ハムメディウム(軟
骨メディウム)で2回洗浄し、最終的に軟骨細胞を3×
105個/mlにした。この分散液(1mlずつ)をプ
レート(24穴)に播種し、4日後コンフルエントに達
した後、2週間以内に実験に供した。
【0027】b)被験物質及び軟骨破壊因子の添加 これまで軟骨細胞の培養に使用した軟骨メディウムを取
り除き、新たに血清フリーのS−clone培地800
μl(0.1%ヒト血清アルブミン含有)を加え、これ
に各濃度の被験物質(100μl)を加えた。分散液を
二酸化炭素(5%)と空気(95%)の存在下で2時間
培養した後、軟骨破壊因子のインターロイキンー1α
(IL−1α)(最終濃度20u/ml)を軟骨細胞培
養液中に加えた。
【0028】ここで使用した被験物質は以下の通りであ
る。 本物物質:No.1〜No.3 比較物質:インドメタシン(IM)
【0029】c)グリコサミノグリカン(GAG)の定
量 2日後、軟骨細胞培養上清を取り除いた。残りの軟骨マ
トリックス層に、パパイン溶液(0.03%、1ml)
を加え、65℃で1時間反応させ、マトリックス層から
GAGを遊離させた。処理したパパイン溶液中のGAG
含有量を、1,9−ジメチルメチレンブルー法を用いて
定量した(R.W.Farndale,Biochi
m.Biophys.Acta.,Vol.883,p
p.173〜177,1986参照)。軟骨破壊因子無
添加群(コントロール)の軟骨マトリックス中のGAG
含有量を100とした時の、各被験物質のGAG相対量
を下記の式で求めた。コントロールのGAG含有量は、
軟骨細胞がコンフルエントに達した後実験に供するまで
の経過日数の違いにより、ある幅を示した。
【0030】
【数1】GAG相対量% = (B/A)×100 A:軟骨破壊因子無添加群(コントロール)のGAG含
有量 B:軟骨破壊因子添加群又は(軟骨破壊因子+被験物
質)添加群のGAG含有量
【0031】結果を表6示す。GAG含有量はn=3の
平均値である。各実験について、コントロール及び軟骨
破壊因子添加群を入れた。軟骨破壊因子無添加群(コン
トロール)のGAG含有量に対して、軟骨破壊因子であ
るILー1αを添加することにより、GAGの減少が誘
導された。この条件下で、本物質は、GAGの減少を抑
制し、軟骨破壊抑制作用を有することが確認された。こ
れに対して、従来の鎮痛抗炎症剤であるインドメタシン
では、軟骨破壊抑制作用は見られなかった。
【0032】
【表6】 ─────────────────────────────────── 被験物質 量 GAG量(μg/ml) GAG相対量 ─────────────────────────────────── コントロール 17.4 100 IL−1α 20u/ml 7.16 41 + No.1 1mg/ml 13.8 79 + No.2 1mg/ml 12.8 74 コントロール 8.30 100 IL−1α 20u/ml 6.31 76 + No.3 1mg/ml 9.15 110 コントロール 28.0 100 IL−1α 20u/ml 15.4 55 + IM 10μM 13.2 47 + IM 33μM 12.0 42 ───────────────────────────────────
【0033】実施例5 軟骨マトリックス中のプロテオグリカン(PG)の分解
抑制:PGの分解はSolurshとMeier(J.
Exp.Zool.,181,253ー262,197
2)及び加藤(Exp.Cell.Res.,130,
73ー81,1980)の方法を用いた。軟骨マトリッ
クス中のあらかじめラベルされた35S−GAGの培地中
への放出量で示した。軟骨細胞がコンフルエントに達し
た後、これを74kBqのNa2SO4含有Ham F−
12(10%FBS含有)中で24時間培養してGAG
を硫酸化した。培養後、大部分のフリーの35SO4 2-
含有している培地を除いた。更にマトリックス画分をH
am F−12培地で洗浄して、0.1%人アルブミン
含有のS−Clone培地(800μl)を加えた。2
時間後、被験物質(No.1〜No.2、No.4〜N
o.11)(最終濃度、1mg/ml)及び/又はフォ
ルボールミリステートアセテート(PMA)(最終濃
度、0.1μg/ml)を加えて、24時間培養した。
培地500μlを当量の10%TCAで沈殿させた。沈
殿物を遠心分離してプロナーゼE(1mg/ml、0.
2M Tris−HCl溶液)で55℃、24時間処理
した。処理物に非放射性のコンドロイチンサルフェート
(100μl)を加えた後、35S−GAGをCPC(1
%)にて沈降させ、遠心分離にかけた。沈殿物をPBS
(ー)に再溶解し、次に放射能を測定して35S−GAG
量を求めた。結果を表7に示す。
【0034】
【表7】 ──────────────────────────────── 被験物質 量 35S−GAG量(dpm×10ー3) /culture ──────────────────────────────── コントロール 25 PMA 0.1μg/ml 71 + No.1 1mg/ml 9 + No.2 〃 50 + No.4 〃 66 + No.5 〃 49 + No.6 〃 51 + No.7 〃 37 + No.8 〃 59 + No.9 〃 53 + No.10 〃 40 + No.11 〃 30 ────────────────────────────────
【0035】実施例6 製剤例(顆粒剤): 本物質(No.1) 20重量部 乳糖 68重量部 低置換ヒドロキシプロピルセルロース 10重量部 ヒドロキシプロピルセルロース 2重量部 を均一に混合した後、湿潤剤(エタノール)32重量部を
用いて練合した。次いで湿式造粒を行い、乾燥して顆粒
剤を得た。
【0036】
【発明の効果】本物質は、軟骨マトリックスを構成する
GAGの減少を強く抑制し、軟骨保護作用を示し、更に
低毒性である。従って、本物質は、軟骨保護剤として、
慢性関節リウマチ、変形性関節症、肩関節周囲炎、頸肩
腕症候群、腰痛症等の関節症の治療に極めて有用であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記特性を有する多糖類を含有する軟骨
    保護剤。 a 外観: 白色乃至淡褐色粉末 b 溶解性:水に易溶、メタノール、酢酸エチル、クロ
    ロホルム、及びベンゼンに難溶、鉱酸で加水分解 c 主要構成糖: ラムノース0.0〜37.3%、ガ
    ラクトース16.8〜70.0%、グルコース0.0〜
    36.6%、グルクロン酸12.3〜37.0%、マン
    ノース0.0〜27.9% d 分子量: 1×103〜1×107 e 元素分析値: C 5.0〜40.0%、H 2.
    0〜6.0%、N 0.0〜1.0%、S 0.0〜
    2.0%
  2. 【請求項2】 多糖類はクレブシェラ属に属する菌より
    得られたものである請求項1に記載の軟骨保護剤。
  3. 【請求項3】 多糖類は下記特性を有すものである請求
    項1に記載の軟骨保護剤。 a 外観: 白色粉末 b 溶解性: 水に易溶、メタノール、酢酸エチル、ク
    ロロホルム、及びベンゼンに難溶、鉱酸で加水分解 c 主要構成糖: ラムノース0.0〜33.0%、ガ
    ラクトース16.8〜65.0%、グルコース0.0〜
    36.6%、グルクロン酸14.5〜35.0%、マン
    ノース0.0〜27.0% d 分子量: 1×104〜1×107 e 元素分析値: C 31.0〜40.0%、H
    4.0〜6.0%、N 0.0〜0.2%、S 0.0
    〜2.0%
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