JPH07186721A - 車体側部のエネルギー吸収構造 - Google Patents

車体側部のエネルギー吸収構造

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JPH07186721A
JPH07186721A JP5337442A JP33744293A JPH07186721A JP H07186721 A JPH07186721 A JP H07186721A JP 5337442 A JP5337442 A JP 5337442A JP 33744293 A JP33744293 A JP 33744293A JP H07186721 A JPH07186721 A JP H07186721A
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規夫 漆
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俊充 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗員の二次衝突時に乗員からドアトリム側へ
入力される荷重を継続的に吸収する。 【構成】 エネルギー吸収部材24の長手方向両端部2
4Aの端末はドアインナパネルの上端部に固定され、又
長手方向中間24Bには当て面24B’が形成されてい
る。従って、このエネルギー吸収部材24をドアインナ
パネルの上端部の車室内側に組付けると、長手方向中間
部24Bと当該上端部との間に隙間が形成される。これ
により、乗員の二次衝突初期においてはエネルギー吸収
部材24の長手方向中間部24Bが隙間を潰す方向へ塑
性変形(曲げ)することでエネルギー吸収を行い、当て
面24B’が当該上端部に当接した後は当該上端部から
の反力で長手方向中間部24Bが圧縮塑性変形すること
でエネルギー吸収を行う。従って、継続的にエネルギー
吸収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乗員がドアトリムに二
次衝突した際に、乗員を保護するための車体側部のエネ
ルギー吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車用ドアのアウタパネル
への所定の荷重作用時に乗員が自動車用ドアのインナパ
ネル側(ドアトリム)に当接する所謂乗員の二次衝突時
の乗員保護性能を向上させるべく、種々のエネルギー吸
収構造が案出されている(一例として、実開平3−16
514号公報参照)。以下、この公報に開示された構造
について簡単に説明する。
【0003】図13には、自動車のサイドドア150の
上部構造が縦断面にて示されている。この図に示される
ように、サイドドア150は、ドアアウタパネル152
とドアインナパネル154とを備えており、この内ドア
インナパネル154の上端部室外側には長尺状のドアイ
ンナリインフォースメント156が配設されている。
【0004】図14に示されるように、このドアインナ
リインフォースメント156の長手方向中間部には、所
定の間隔で車室外側へ凹む凹部158が形成されてい
る。この凹部158を形成したことにより、ドアインナ
リインフォースメント156とドアインナパネル154
との間に空間が形成され脆弱部160を構成している。
【0005】上記構成によれば、乗員の肩部がドアトリ
ム162(図13参照)に二次衝突した場合、前述した
脆弱部160の形成部位では剛性が低くなっているた
め、乗員がドアインナパネル154から受ける荷重(二
次衝突荷重)を低減することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報に開示されたエネルギー吸収構造による場合、所定値
以上の荷重で脆弱部160が一挙に塑性変形してしまう
ので、乗員からドアトリム側へ入力される荷重を継続的
に吸収することが困難である。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、乗員の二次衝
突時に乗員からドアトリム側へ入力される荷重を継続的
に吸収することができる車体側部のエネルギー吸収構造
を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
係る車体側部のエネルギー吸収構造は、車両のサイドド
アの一部を構成するインナ側パネルの車室内側でかつ着
座姿勢の乗員の腰部を含む上体部の少なくとも一部と対
向する側に、所定値以上の荷重が作用すると変形する長
尺状のエネルギー吸収部材を配置し、このエネルギー吸
収部材の長手方向両端部を、インナ側パネルの車室内側
面に固定すると共に、エネルギー吸収部材の長手方向中
間部を、インナ側パネルから離間させることでインナ側
パネルとの間に所定の隙間を設けた、ことを特徴として
いる。
【0009】請求項2記載の本発明に係る車体側部のエ
ネルギー吸収構造は、車両のサイドドアの一部を構成す
るインナ側パネルの車室内側でかつ着座姿勢の乗員の腰
部を含む上体部の少なくとも一部と対向する側に、所定
値以上の荷重が作用すると変形する長尺状のエネルギー
吸収部材を配置し、このエネルギー吸収部材を、インナ
側パネルの車室内側面に固定すると共に、エネルギー吸
収部材における車室内側端部に、長手方向に所定の間隔
でドア上下方向に延びる脆弱部を設けた、ことを特徴と
している。
【0010】請求項3記載の本発明に係る車体側部のエ
ネルギー吸収構造は、車両のサイドドアの一部を構成す
るインナ側パネルとこのインナ側パネルの車室内側に配
置されるドアトリムとの間でかつ着座姿勢の乗員の腰部
を含む上体部の少なくとも一部と対向する側に、所定値
以上の荷重が作用すると変形する長尺状のエネルギー吸
収部材を配置し、このエネルギー吸収部材の長手方向両
端部を、インナ側パネルの車室内側面に固定すると共に
ドアトリム側に突出させて当該ドアトリムの車室外側面
に当接或いは近接させ、さらに、エネルギー吸収部材の
長手方向中間部をドアトリムとインナ側パネルとの中間
に位置させることで、当該長手方向中間部とドアトリム
及びインナ側パネルとの間に所定の隙間をそれぞれ設け
た、ことを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1記載の本発明によれば、エネルギー吸
収部材の長手方向中間部をインナ側パネルから離間させ
ることでインナ側パネルとの間に所定の隙間を設けたの
で、乗員が二次衝突した初期においては、エネルギー吸
収部材の長手方向中間部が隙間を潰す方向へ変形するこ
とによりエネルギー吸収がなされる。
【0012】そして、エネルギー吸収部材の長手方向中
間部がインナ側パネルに当接した後は、エネルギー吸収
部材の長手方向中間部がインナ側パネルからの反力で変
形することによりエネルギー吸収がなされる。
【0013】従って、本発明によれば、乗員の二次衝突
時に乗員からドアトリム側へ入力される荷重を継続的に
吸収することが可能となる。
【0014】請求項2記載の本発明によれば、エネルギ
ー吸収部材における車室内側端部に長手方向に所定の間
隔でドア上下方向に延びる脆弱部を設けたので、エネル
ギー吸収部材の車室内側端部が長手方向に沿って複数の
部位に分割される。従って、乗員が二次衝突した初期に
おいては、エネルギー吸収部材の当該衝突部位のみが変
形することによりエネルギー吸収がなされる。
【0015】そして、エネルギー吸収部材の当該衝突部
位の変形が進むと、次に脆弱部を挟んで当該衝突部位の
両側に位置する部位が変形することによりエネルギー吸
収がなされる。同様にして、更にその両側に位置する部
位が変形してエネルギー吸収がなされていく。つまり、
本発明によれば、荷重が徐々に立ち上がる。
【0016】従って、本発明においても、乗員の二次衝
突時に乗員からドアトリム側へ入力される荷重を継続的
に吸収することが可能となる。さらに、本発明による場
合、エネルギー吸収部材のどの部位に乗員が二次衝突し
ても、同一のエネルギー吸収特性が得られる。
【0017】請求項3記載の本発明によれば、エネルギ
ー吸収部材をインナ側パネルとドアトリムとの間に配置
すると共に、エネルギー吸収部材の長手方向両端部をド
アトリムの車室外側面に当接或いは近接させ、かつ、エ
ネルギー吸収部材の長手方向中間部をドアトリムとイン
ナ側パネルとの中間に位置させることでドアトリム及び
インナ側パネルとの間に所定の隙間をそれぞれ設けたの
で、乗員が二次衝突した初期においては、ドアトリムが
エネルギー吸収部材の長手方向両端部を支持点として当
該エネルギー吸収部材との間の隙間を潰す方向へ撓むこ
とによりエネルギー吸収がなされる。
【0018】そして、ドアトリムがエネルギー吸収部材
の長手方向中間部に当接した時点からは、エネルギー吸
収部材の長手方向中間部がインナ側パネルとの間の隙間
を潰す方向へ変形することによりエネルギー吸収がなさ
れる。
【0019】従って、本発明においても、乗員の二次衝
突時に乗員からドアトリム側へ入力される荷重を継続的
に吸収することが可能となる。
【0020】また、本発明では、乗員の二次衝突時のエ
ネルギー吸収をドアトリム及びエネルギー吸収部材の二
部材によって別個独立に行う構成であるので、エネルギ
ー吸収特性のチューニングが容易である。
【0021】
【実施例】
〔第1実施例〕以下、図1〜図4を用いて、第1実施例
について説明する。なお、この第1実施例が、請求項1
記載の本発明の一実施例に相当する。また、図1〜図4
において、適宜示される矢印FRは車両前方側を示し、
矢印UPは車両上方側を示し、矢印INは車両室内側を
示している。
【0022】図2には、自動車のサイドドア10の上部
構造が縦断面にて示されている。この図に示されるよう
に、サイドドア10は、車室外側に配置されるドアアウ
タパネル12と、車室内側に配置されるドアインナパネ
ル14とを備えている。ドアアウタパネル12の上端部
の車室内側にはドアアウタリインフォースメント16が
固着されており、これによりドアアウタパネル12の上
端部に閉断面部18が形成されている。同様に、ドアイ
ンナパネル14の上端部の車室外側にはドアインナリイ
ンフォースメント20が固着されており、これによりド
アインナパネル14の上端部に閉断面部22が形成され
ている。なお、ドアインナパネル14の車室内側には、
図示しないドアトリムが配設されている。上述したドア
インナパネル14の上端部の車室内側にはエネルギー吸
収部材24が配置されており、以下このエネルギー吸収
部材24について詳細に説明する。
【0023】図1に示されるように、エネルギー吸収部
材24は、鋼板を適宜屈曲させることにより断面略コ字
形かつ長尺状に形成されている。詳しくは、エネルギー
吸収部材24の長手方向両端部24Aは断面ハット形状
とされており、この長手方向両端部24Aの端末がドア
インナパネル14の上端部の車室内側面にスポット溶接
にて固着されている。従って、エネルギー吸収部材24
は、両端支持梁としてドアインナパネル14に取り付け
られている。また、エネルギー吸収部材24の長手方向
中間部24Bは、その開放端側が矩形状に切り欠かれて
いる。さらに、エネルギー吸収部材24の長手方向中間
部24Bには、互いに離反する方向に屈曲された当て面
(フランジ)24B’が形成されている。これらの一対
の当て面24B’は、ドアインナパネル14の車室内側
面から所定距離Pだけ離間している(図2参照)。従っ
て、これらの当て面24B’とドアインナパネル14の
車室内側面との間には、所定の隙間26が形成されてい
る。
【0024】以下に、本実施例の作用を説明する。サイ
ドドア10のドアアウタパネル12の車室外側の面に所
定の荷重が作用すると(一次衝突)、シートに着座して
いる乗員はそのときの慣性力でドアインナパネル14側
へ移動して、乗員の肩部が図示しないドアトリムに当接
する(所謂乗員の二次衝突)。
【0025】この場合、二次衝突の初期においては、図
示しないドアトリムに押圧されて、エネルギー吸収部材
24の長手方向中間部24Bが隙間26を潰す方向へ塑
性変形する(曲げられる)。すなわち、エネルギー吸収
部材24の長手方向中間部24Bが隙間26を潰す方向
へ塑性変形することにより、乗員の二次衝突初期の荷重
が吸収される。この過程をグラフで観ると、図4に示さ
れる如くとなる。なお、このグラフは、横軸にエネルギ
ー吸収部材24の変位を採り、縦軸にエネルギー吸収部
材24の反力(荷重)を採ったものである。また、図4
に二点鎖線で示されるのが、乗員の二次衝突に対する要
求特性である。このグラフに示されるA部が、エネルギ
ー吸収部材24の長手方向中間部24Bが隙間26を潰
しながら塑性変形することによって乗員の二次衝突時の
荷重が吸収された範囲(曲げによる荷重吸収範囲)であ
る。
【0026】エネルギー吸収部材24の長手方向中間部
24Bの塑性変形(曲げ)が進むと、図3(A)に示さ
れる如く、エネルギー吸収部材24の当て面24B’が
ドアインナパネル14の車室内側面に当接する。その後
は、図3(B)に示される如く、エネルギー吸収部材2
4の長手方向中間部24Bが塑性変形しながら断面を圧
縮していく。すなわち、エネルギー吸収部材24の当て
面24B’の当接後は、エネルギー吸収部材24の長手
方向中間部24Bがドアインナパネル14からの反力で
圧縮塑性変形することにより、乗員の二次衝突荷重が吸
収される。この過程を図4に示されるグラフで観ると、
グラフのB部が、エネルギー吸収部材24の長手方向中
間部24Bが圧縮塑性変形することによって乗員の二次
衝突時の荷重が吸収された範囲(断面圧縮による荷重吸
収範囲)である。
【0027】このように本実施例では、ドアインナパネ
ル14の上端部の車室内側に長尺状のエネルギー吸収部
材24を配置し、エネルギー吸収部材24の長手方向両
端部24Aをドアインナパネル14の車室内側面に固着
すると共にエネルギー吸収部材24の長手方向中間部2
4Bに当て面24B’を形成した上でドアインナパネル
14の上端部から離間させて隙間26を設けたので、乗
員の二次衝突時に継続的にエネルギー吸収させることが
できる。すなわち、図4のグラフに示されるように、荷
重を持続させて要求特性を満足させることができる。 〔第2実施例〕以下、図5〜図9を用いて、第2実施例
について説明する。なお、この第2実施例が、請求項2
記載の本発明の一実施例に相当する。なお、第1実施例
と同一構成部分には同一番号を付してその説明を省略す
る。
【0028】この実施例では、図5に示されるように、
長尺状かつ断面略コ字形のエネルギー吸収部材30を用
いている。このエネルギー吸収部材30は、前述したエ
ネルギー吸収部材24とは異なり、長手方向両端部の端
末のみならず長手方向中間部の端末においてもドアイン
ナパネル14の上端部の車室内側面にスポット溶接され
ている(図6参照)。また、エネルギー吸収部材30の
車室内側端部30Aには、長手方向に等間隔でスリット
32が形成されている。これにより、エネルギー吸収部
材30の車室内側端部30Aは、複数の要素30A’に
分割されている。これらの複数の要素30A’は、ドア
インナパネル14の車室内側面に対して平行に点在して
いる(図7参照)。
【0029】上記構成によれば、乗員の二次衝突初期に
おいては、図示しないドアトリムに押圧されて、エネル
ギー吸収部材30の複数の要素30A’の内の一つ(図
8(A)に図示されるX部)が塑性変形しながら断面を
圧縮していく。なお、この図8においては、乗員を衝撃
体として示している。この過程を図9に示されるグラフ
で観ると、C部が一つめの要素30A’(X部)が塑性
変形することによって乗員の二次衝突時の荷重が吸収さ
れた範囲である。
【0030】続いて、スリット32を挟んでX部の両隣
に位置された要素30A’(図8(B)に図示されるY
部)が同様に塑性変形しながら断面を圧縮していく。こ
の過程を図9に示されるグラフで観ると、D部が両隣に
位置された要素30A’(Y部)が塑性変形することに
よって乗員の二次衝突時の荷重が吸収された範囲であ
る。
【0031】すなわち、この実施例では、乗員の二次衝
突時に、エネルギー吸収部材30の各要素30A’が連
続的に塑性変形することにより、乗員の二次衝突時のエ
ネルギー吸収がなされる。従って、この実施例において
も、前述した第1実施例と同様に、乗員の二次衝突時に
継続的にエネルギー吸収させることができる。
【0032】また、本実施例によれば、エネルギー吸収
部材30のどの要素30A’に乗員が二次衝突しても、
同一のエネルギー吸収特性が得られる。 〔第3実施例〕以下、図10〜図12を用いて、第3実
施例について説明する。なお、この第3実施例が、請求
項3記載の本発明の一実施例に相当する。なお、第1実
施例と同一構成部分には同一番号を付してその説明を省
略する。
【0033】この実施例では、図10に示されるよう
に、長尺状かつ断面略コ字形のエネルギー吸収部材40
をドアインナパネル14の上端部とドアインナパネル1
4の車室内側に配設されたドアトリム42との間に配置
している。また、図11に示されるように、エネルギー
吸収部材40は、その長手方向両端部40Aの端末がド
アインナパネル14の上端部の車室内側面にスポット溶
接されている。さらに、エネルギー吸収部材40の長手
方向両端部40Aはドアトリム42側へ突出されてお
り、その突出端面がドアトリム42の車室外側面に当接
する当て面40A’となっている。
【0034】また、エネルギー吸収部材40の長手方向
中間部40Bには、ドアインナパネル14側へ凹む凹部
44が形成されている。従って、この凹部44の底部
は、ドアインナパネル14の上端部の車室内側面とドア
トリム42の車室外側面との中間に位置されている。こ
れにより、凹部44の底部とドアトリム42の車室外側
面との間及び凹部44の底部とドアインナパネル14の
車室内側面との間には、所定の隙間46、48がそれぞ
れ形成されている。
【0035】上記構成によれば、乗員の二次衝突初期に
おいては、ドアトリム42がエネルギー吸収部材40の
一対の当て面40A’を支持点として隙間46を潰す方
向へ撓むことによりエネルギー吸収がなされる。このド
アトリム42の撓みによるエネルギー吸収特性が図12
の一点鎖線グラフで示される。
【0036】ドアトリム42の撓みが進むと、ドアトリ
ム42がエネルギー吸収部材40の凹部44の底部に当
接する。その後は、エネルギー吸収部材40の長手方向
中間部40Bが隙間48を潰す方向へ塑性変形すること
により、乗員の二次衝突荷重が吸収される。このエネル
ギー吸収部材40の塑性変形によるエネルギー吸収特性
が図12の破線グラフで示される。なお、一点鎖線グラ
フの立ち上がり初期点(原点)から破線グラフの立ち上
がり初期点までのずれEは隙間46に起因して生じる。
【0037】上述したエネルギー吸収特性を合成する
と、実線グラフで示されるエネルギー吸収特性となり、
要求特性(二点鎖線グラフ)を満足することが判る。
【0038】すなわち、この実施例では、乗員の二次衝
突初期においてはドアトリム42の撓みによってエネル
ギー吸収なされ、続いてエネルギー吸収部材40の塑性
変形によってエネルギー吸収がなされる。従って、この
実施例においても、前述した第1実施例、第2実施例と
同様に、乗員の二次衝突時に継続的にエネルギー吸収さ
せることができる。
【0039】また、この実施例では、ドアトリム42と
エネルギー吸収部材40の二部材で乗員の二次衝突時の
エネルギーを吸収させる構造(ドアトリム42によるエ
ネルギー吸収とエネルギー吸収部材40によるエネルギ
ー吸収とが別個独立)であるので、エネルギー吸収特性
のチューニングが容易になるという効果もある。さら
に、エネルギー吸収特性のチューニングという観点から
すれば、エネルギー吸収部材40の当て面40A’間の
ピッチR(図11参照)を適宜調整することによって
も、或いは隙間46、48の間隙寸法S、S’(図10
参照)を適宜調整することによっても、エネルギー吸収
特性のチューニングを容易に行うことができる。
【0040】なお、上述した実施例では、ドアインナパ
ネル14の上端部の車室内側にエネルギー吸収部材2
4、30、40を設けることで乗員の肩部が二次衝突し
た際のエネルギーを吸収させたが、これに限らず、上述
した第1実施例乃至第3実施例のいずれかの構造を例え
ばアームレスト内に設定することにより乗員の腰部が二
次衝突した際のエネルギーを吸収させるようにしてもよ
い。
【0041】また、上述した実施例では、エネルギー吸
収部材24、30、40をドアインナパネル14の上端
部の室内側に配置する構成を採ったが、これに限らず、
例えば、ドアインナパネル14の上端部を車室外側へ屈
曲させた上でその車室内側にドアインナリインフォース
メント20を固着し、このドアインナリインフォースメ
ント20の車室内側に上述したエネルギー吸収部材2
4、30、40を配置する構成を採ってもよい。
【0042】さらに、上述した実施例では、エネルギー
吸収部材24、30、40をいずれも鋼板製としたが、
これに限らず、例えば高硬度の樹脂製にしてもよいし高
靱性の樹脂製にしてもよい。
【0043】また、第2実施例では、エネルギー吸収部
材30の車室内側端部30Aに複数のスリット32を形
成したが、これに限らず、その部分の剛性を低下させる
脆弱部であればよく、例えば薄肉にする等の構成にして
もよい。
【0044】さらに、第3実施例では、エネルギー吸収
部材40の当て面40A’をドアトリム42の車室外側
面に当接させたが、これに限らず、近接配置する構成に
してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の本発
明に係る車体側部のエネルギー吸収構造は、エネルギー
吸収部材の長手方向両端部をインナ側パネルの車室内側
面に固定すると共に、エネルギー吸収部材の長手方向中
間部をインナ側パネルから離間させることでインナ側パ
ネルとの間に所定の隙間を設けたので、乗員の二次衝突
時に乗員からドアトリム側へ入力される荷重を継続的に
吸収することができるという優れた効果を有する。
【0046】また、請求項2記載の本発明に係る車体側
部のエネルギー吸収構造は、エネルギー吸収部材をイン
ナ側パネルの車室内側面に固定すると共に、エネルギー
吸収部材における車室内側端部に長手方向に所定の間隔
でドア上下方向に延びる脆弱部を設けたので、乗員の二
次衝突時に乗員からドアトリム側へ入力される荷重を継
続的に吸収することができるという優れた効果を有す
る。
【0047】さらに、請求項3記載の本発明に係る車体
側部のエネルギー吸収構造は、エネルギー吸収部材の長
手方向両端部をインナ側パネルの車室内側面に固定する
と共にドアトリム側に突出させて当該ドアトリムの車室
外側面に当接或いは近接させ、さらに、エネルギー吸収
部材の長手方向中間部をドアトリムとインナ側パネルと
の中間に位置させることで、当該長手方向中間部とドア
トリム及びインナ側パネルとの間に所定の隙間をそれぞ
れ設けたので、乗員の二次衝突時に乗員からドアトリム
側へ入力される荷重を継続的に吸収することができると
いう優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るエネルギー吸収部材を示す斜
視図である。
【図2】図1に示されるエネルギー吸収部材を備えたサ
イドドアの上部構造を示す図1の2−2線断面図であ
る。
【図3】(A)及び(B)は第1実施例による場合のエ
ネルギー吸収過程を示す説明図である。
【図4】第1実施例の構造を用いた場合のエネルギー吸
収特性を示すグラフである。
【図5】第2実施例に係るエネルギー吸収部材を示す斜
視図である。
【図6】図5に示されるエネルギー吸収部材を備えたサ
イドドアの上部構造を示す図5の6−6線断面図であ
る。
【図7】図5の7−7線断面図である。
【図8】(A)及び(B)は第2実施例による場合のエ
ネルギー吸収過程を示す説明図である。
【図9】第2実施例の構造を用いた場合のエネルギー吸
収特性を示すグラフである。
【図10】第3実施例に係るエネルギー吸収部材を備え
たサイドドアの上部構造を示す断面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】第3実施例の構造を用いた場合のエネルギー
吸収特性を示すグラフである。
【図13】従来例に係る車体側部のエネルギー吸収構造
を示す断面図である。
【図14】図13に示されるエネルギー吸収構造を車室
内側から見た状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
10 サイドドア 14 ドアインナパネル(インナ側パネル) 24 エネルギー吸収部材 26 隙間 30 エネルギー吸収部材 32 スリット(脆弱部) 40 エネルギー吸収部材 42 ドアトリム 44 凹部 46 隙間 48 隙間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のサイドドアの一部を構成するイン
    ナ側パネルの車室内側でかつ着座姿勢の乗員の腰部を含
    む上体部の少なくとも一部と対向する側に、所定値以上
    の荷重が作用すると変形する長尺状のエネルギー吸収部
    材を配置し、 このエネルギー吸収部材の長手方向両端部を、インナ側
    パネルの車室内側面に固定すると共に、 エネルギー吸収部材の長手方向中間部を、インナ側パネ
    ルから離間させることでインナ側パネルとの間に所定の
    隙間を設けた、 ことを特徴とする車体側部のエネルギー吸収構造。
  2. 【請求項2】 車両のサイドドアの一部を構成するイン
    ナ側パネルの車室内側でかつ着座姿勢の乗員の腰部を含
    む上体部の少なくとも一部と対向する側に、所定値以上
    の荷重が作用すると変形する長尺状のエネルギー吸収部
    材を配置し、 このエネルギー吸収部材を、インナ側パネルの車室内側
    面に固定すると共に、 エネルギー吸収部材における車室内側端部に、長手方向
    に所定の間隔でドア上下方向に延びる脆弱部を設けた、 ことを特徴とする車体側部のエネルギー吸収構造。
  3. 【請求項3】 車両のサイドドアの一部を構成するイン
    ナ側パネルとこのインナ側パネルの車室内側に配置され
    るドアトリムとの間でかつ着座姿勢の乗員の腰部を含む
    上体部の少なくとも一部と対向する側に、所定値以上の
    荷重が作用すると変形する長尺状のエネルギー吸収部材
    を配置し、 このエネルギー吸収部材の長手方向両端部を、インナ側
    パネルの車室内側面に固定すると共にドアトリム側に突
    出させて当該ドアトリムの車室外側面に当接或いは近接
    させ、 さらに、エネルギー吸収部材の長手方向中間部をドアト
    リムとインナ側パネルとの中間に位置させることで、当
    該長手方向中間部とドアトリム及びインナ側パネルとの
    間に所定の隙間をそれぞれ設けた、 ことを特徴とする車体側部のエネルギー吸収構造。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0316514U (ja) * 1989-06-30 1991-02-19
JPH05514U (ja) * 1991-06-24 1993-01-08 河西工業株式会社 自動車用内装部品

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