JPH07185336A - 繊維状吸着材及びその製造方法 - Google Patents
繊維状吸着材及びその製造方法Info
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- JPH07185336A JPH07185336A JP5349171A JP34917193A JPH07185336A JP H07185336 A JPH07185336 A JP H07185336A JP 5349171 A JP5349171 A JP 5349171A JP 34917193 A JP34917193 A JP 34917193A JP H07185336 A JPH07185336 A JP H07185336A
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- Inorganic Fibers (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 芳香族スルホン酸の縮合物若しくはその塩等
を原料として得られる炭素繊維を酸素存在下で熱処理し
て、高比表面積及びキレ−ト能を有する繊維状吸着材を
得る。 【構成】 芳香族スルホン酸の縮合物若しくはその塩、
又はこれに水溶性高分子を添加した原料を紡糸して不活
性雰囲気で熱処理して得られる炭素繊維を、酸素存在下
300〜600℃で熱処理して、酸素含有量7〜25重
量%、比表面積700〜1600m2 /g及びキレ−ト
能0.05〜0.25mmol/gの繊維状吸着材を得
る。
を原料として得られる炭素繊維を酸素存在下で熱処理し
て、高比表面積及びキレ−ト能を有する繊維状吸着材を
得る。 【構成】 芳香族スルホン酸の縮合物若しくはその塩、
又はこれに水溶性高分子を添加した原料を紡糸して不活
性雰囲気で熱処理して得られる炭素繊維を、酸素存在下
300〜600℃で熱処理して、酸素含有量7〜25重
量%、比表面積700〜1600m2 /g及びキレ−ト
能0.05〜0.25mmol/gの繊維状吸着材を得
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種溶剤の除去及び回
収、有毒ガス及び悪臭の除去、水処理、並びに各種触媒
の担体などとして利用できる高比表面積と高酸素含有量
に由来する優れた吸着性能と同時にイオン交換能及びキ
レ−ト能を有する繊維状吸着材及びこの繊維状吸着材の
製造方法に関するものである。
収、有毒ガス及び悪臭の除去、水処理、並びに各種触媒
の担体などとして利用できる高比表面積と高酸素含有量
に由来する優れた吸着性能と同時にイオン交換能及びキ
レ−ト能を有する繊維状吸着材及びこの繊維状吸着材の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高性能繊維状吸着材として活性炭
素繊維が用いられている。しかしながら、活性炭素繊維
の、アンモニアやアミンに対する吸着性能は低く、この
ため活性炭素繊維を酸化処理して活性炭素繊維中に酸素
を導入し、アンモニアやアミンに対する吸着性能を向上
させる試みがなされてきた。
素繊維が用いられている。しかしながら、活性炭素繊維
の、アンモニアやアミンに対する吸着性能は低く、この
ため活性炭素繊維を酸化処理して活性炭素繊維中に酸素
を導入し、アンモニアやアミンに対する吸着性能を向上
させる試みがなされてきた。
【0003】例えば、特開平1−111017及び特開
平2−118121では、活性炭素繊維を、酸素ガスを
特定量以上含む雰囲気で熱処理することにより賦活し、
活性炭素繊維に酸素含有基を導入しアンモニア類の吸着
を高める方法が開示されている。しかし、この賦活法
は、操作が複雑で安定した物性の活性炭素繊維製品を得
るのは困難であった。また、特開平2−253844で
は、同じくアンモニア類の吸着性能を高めるために、ピ
ッチ系、フェノ−ル系、セルロ−ス系、レ−ヨン系及び
PAN系等の炭素繊維を、従来の賦活法に代り酸素存在
下250〜900℃で熱処理し、比表面積30〜700
m2 /g、酸素含有量3wt%以上の炭素質吸着材を製
造する方法が開示されている。
平2−118121では、活性炭素繊維を、酸素ガスを
特定量以上含む雰囲気で熱処理することにより賦活し、
活性炭素繊維に酸素含有基を導入しアンモニア類の吸着
を高める方法が開示されている。しかし、この賦活法
は、操作が複雑で安定した物性の活性炭素繊維製品を得
るのは困難であった。また、特開平2−253844で
は、同じくアンモニア類の吸着性能を高めるために、ピ
ッチ系、フェノ−ル系、セルロ−ス系、レ−ヨン系及び
PAN系等の炭素繊維を、従来の賦活法に代り酸素存在
下250〜900℃で熱処理し、比表面積30〜700
m2 /g、酸素含有量3wt%以上の炭素質吸着材を製
造する方法が開示されている。
【0004】しかし、特開平2−253844で開示さ
れた方法、即ち炭素繊維を原料とし酸化賦活法により活
性炭素繊維を製造する方法は、従来の活性炭素繊維を原
料とする方法に比べ簡便ではあるものの、得られる活性
炭素繊維の比表面積は700m2 /g以下と低いものと
なった。
れた方法、即ち炭素繊維を原料とし酸化賦活法により活
性炭素繊維を製造する方法は、従来の活性炭素繊維を原
料とする方法に比べ簡便ではあるものの、得られる活性
炭素繊維の比表面積は700m2 /g以下と低いものと
なった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、活性炭素繊
維製品の比表面積が700m2 /g以上の性能を有し、
且つアンモニア類やキレ−ト等に対する高い吸着性能を
有する繊維状吸着材及びその簡便な製造方法の提供を目
的とする。
維製品の比表面積が700m2 /g以上の性能を有し、
且つアンモニア類やキレ−ト等に対する高い吸着性能を
有する繊維状吸着材及びその簡便な製造方法の提供を目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来にな
い等方的な性質を有する炭素繊維、具体的には芳香族ス
ルホン酸の縮合物若しくはその塩であり、更にこれらの
芳香族スルホン酸の縮合物若しくはその塩に対し0.0
2〜20wt%の水溶液高分子を曳糸助材として添加し
た組成物を原料として製造された炭素繊維を、酸化賦活
用の基材とすることにより、大きな比表面積を有し、且
つこの繊維状吸着材がキレ−ト能を具備する本発明の吸
着材を新たに見出し、更に、簡便に且つ高性能の繊維状
吸着材を製造する本発明の方法を完成するに至った。
い等方的な性質を有する炭素繊維、具体的には芳香族ス
ルホン酸の縮合物若しくはその塩であり、更にこれらの
芳香族スルホン酸の縮合物若しくはその塩に対し0.0
2〜20wt%の水溶液高分子を曳糸助材として添加し
た組成物を原料として製造された炭素繊維を、酸化賦活
用の基材とすることにより、大きな比表面積を有し、且
つこの繊維状吸着材がキレ−ト能を具備する本発明の吸
着材を新たに見出し、更に、簡便に且つ高性能の繊維状
吸着材を製造する本発明の方法を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、酸素含有量7〜25wt
%、比表面積700〜1600m2/g及びキレ−ト能
0.05〜0.25mmol/gの物性を有することを
特徴とする繊維状吸着材、並びに、芳香族スルホン酸の
縮合物若しくはその塩からなる組成物、又は芳香族スル
ホン酸の縮合物若しくはその塩及びこの芳香族スルホン
酸の縮合物若しくはその塩に対し0.02〜20wt%
の水溶性高分子からなる組成物を紡糸後、600〜16
00℃の不活性雰囲気で熱処理して得られる炭素繊維
を、更に酸素存在下380〜500℃で熱処理すること
を特徴とする繊維状吸着材の製造方法である。
%、比表面積700〜1600m2/g及びキレ−ト能
0.05〜0.25mmol/gの物性を有することを
特徴とする繊維状吸着材、並びに、芳香族スルホン酸の
縮合物若しくはその塩からなる組成物、又は芳香族スル
ホン酸の縮合物若しくはその塩及びこの芳香族スルホン
酸の縮合物若しくはその塩に対し0.02〜20wt%
の水溶性高分子からなる組成物を紡糸後、600〜16
00℃の不活性雰囲気で熱処理して得られる炭素繊維
を、更に酸素存在下380〜500℃で熱処理すること
を特徴とする繊維状吸着材の製造方法である。
【0008】本発明の繊維状吸着材の製造に用いられる
紡糸原料は、芳香族スルホン酸の縮合物若しくはその塩
であり、更にこれらの芳香族スルホン酸の縮合物若しく
はその塩に対し0.02〜20wt%の水溶液高分子を
曳糸助材として添加した組成物を用いることができる。
芳香族スルホン酸の縮合物若しくはその塩であり、更に
は高分子を添加した組成物はいずれも水溶性であり、水
系溶剤を用いて適当な曳糸粘度に調製された紡糸液は例
えば乾式紡糸法により容易に繊維化することができる。
紡糸後の繊維は、空気中で250〜400℃で熱処理
し、溶剤や熱に対し不溶不融の繊維とすることができ
る。またこの熱処理は不活性雰囲気で行うこともでき
る。
紡糸原料は、芳香族スルホン酸の縮合物若しくはその塩
であり、更にこれらの芳香族スルホン酸の縮合物若しく
はその塩に対し0.02〜20wt%の水溶液高分子を
曳糸助材として添加した組成物を用いることができる。
芳香族スルホン酸の縮合物若しくはその塩であり、更に
は高分子を添加した組成物はいずれも水溶性であり、水
系溶剤を用いて適当な曳糸粘度に調製された紡糸液は例
えば乾式紡糸法により容易に繊維化することができる。
紡糸後の繊維は、空気中で250〜400℃で熱処理
し、溶剤や熱に対し不溶不融の繊維とすることができ
る。またこの熱処理は不活性雰囲気で行うこともでき
る。
【0009】更に、不溶不融となった繊維を不活性雰囲
気下600〜1600℃で熱処理することにより、賦活
収率及び吸着性能の優れた繊維状吸着材の基材となる炭
素繊維が得られる。熱処理温度が600℃未満の場合、
基材の耐酸化性は不十分であり、空気酸化賦活時の収率
は低く、且つ得られる繊維状吸着材の比表面積は低く、
且つ賦活処理物の物性のバラツキも大きく、再現性良く
繊維状吸着材を製造することができないので、好ましく
ない。また、熱処理温度が1600℃を超えても得られ
る炭素繊維の物性は殆ど一定であり、基材を得るために
この熱処理温度を1600℃を超えさせても意味がな
い。ここで得られる炭素繊維を2400℃で熱処理して
も炭素の結晶化は全く認められず、2800℃の熱処理
で僅かに002回折線のプロフィルが現れる程度であ
る。
気下600〜1600℃で熱処理することにより、賦活
収率及び吸着性能の優れた繊維状吸着材の基材となる炭
素繊維が得られる。熱処理温度が600℃未満の場合、
基材の耐酸化性は不十分であり、空気酸化賦活時の収率
は低く、且つ得られる繊維状吸着材の比表面積は低く、
且つ賦活処理物の物性のバラツキも大きく、再現性良く
繊維状吸着材を製造することができないので、好ましく
ない。また、熱処理温度が1600℃を超えても得られ
る炭素繊維の物性は殆ど一定であり、基材を得るために
この熱処理温度を1600℃を超えさせても意味がな
い。ここで得られる炭素繊維を2400℃で熱処理して
も炭素の結晶化は全く認められず、2800℃の熱処理
で僅かに002回折線のプロフィルが現れる程度であ
る。
【0010】耐酸化性又は空気酸化に対する抵抗性は基
材の黒鉛化性の良い物ほど高い、即ち酸化され難いこと
が知られている。本発明で用いられる基材が前記のよう
に全く等方性であることから、酸素との反応性が高く、
即ち賦活され易く、またその反応が極めて均一に進行す
る材料である。その結果、本発明において空気酸化賦活
用基材として用いられる炭素繊維は、従来用いられてき
たピッチ系、フェノ−ル系、セルロ−ス系、レ−ヨン系
及びPAN系等の炭素繊維に比べて穏和な条件下で酸化
賦活を行うことができるため、高い酸化賦活収率と大き
な比表面積を有する繊維状吸着材を製造するに適した基
材といえる。
材の黒鉛化性の良い物ほど高い、即ち酸化され難いこと
が知られている。本発明で用いられる基材が前記のよう
に全く等方性であることから、酸素との反応性が高く、
即ち賦活され易く、またその反応が極めて均一に進行す
る材料である。その結果、本発明において空気酸化賦活
用基材として用いられる炭素繊維は、従来用いられてき
たピッチ系、フェノ−ル系、セルロ−ス系、レ−ヨン系
及びPAN系等の炭素繊維に比べて穏和な条件下で酸化
賦活を行うことができるため、高い酸化賦活収率と大き
な比表面積を有する繊維状吸着材を製造するに適した基
材といえる。
【0011】得られた基材は、酸素存在下300〜60
0℃、好ましくは、380〜500℃の酸化賦活温度域
に0.1〜10時間、好ましくは、1〜4時間滞留させ
て熱処理することにより、酸化賦活させる。酸化賦活温
度が300℃未満では、賦活はほとんど進まないので不
適であり、一方、酸化賦活温度が600℃を超えると、
酸化速度が過大となり、基材は容易に燃焼し酸化賦活反
応を制御することができなくなるので不適である。
0℃、好ましくは、380〜500℃の酸化賦活温度域
に0.1〜10時間、好ましくは、1〜4時間滞留させ
て熱処理することにより、酸化賦活させる。酸化賦活温
度が300℃未満では、賦活はほとんど進まないので不
適であり、一方、酸化賦活温度が600℃を超えると、
酸化速度が過大となり、基材は容易に燃焼し酸化賦活反
応を制御することができなくなるので不適である。
【0012】酸化賦活時間が長くなるに伴い繊維状吸着
材の比表面積と酸素含有量は増大するので、酸化賦活時
間は繊維状吸着材の所望すると比表面積や導入される酸
素量によって決めることができるが、酸化賦活時間が
0.1時間未満では、賦活がほとんど進まないので不適
であり、一方、酸化賦活時間が10時間を超えても、導
入された酸素により細孔が侵食されたり、酸素が二酸化
炭素や一酸化炭素として脱離するため、比表面積はほぼ
1600m2 /gで、酸素量もほぼ25wt%で頭打ち
になるので、あまり意味がない。
材の比表面積と酸素含有量は増大するので、酸化賦活時
間は繊維状吸着材の所望すると比表面積や導入される酸
素量によって決めることができるが、酸化賦活時間が
0.1時間未満では、賦活がほとんど進まないので不適
であり、一方、酸化賦活時間が10時間を超えても、導
入された酸素により細孔が侵食されたり、酸素が二酸化
炭素や一酸化炭素として脱離するため、比表面積はほぼ
1600m2 /gで、酸素量もほぼ25wt%で頭打ち
になるので、あまり意味がない。
【0013】酸化賦活の雰囲気は、空気雰囲気で十分で
あるが、基材の熱処理温度が600〜800℃と低いと
きは、基材の耐酸化性が低いので、窒素等の不活性ガス
で希釈し雰囲気中の酸素含有量を下げて酸化処理を行う
ことが好ましい。
あるが、基材の熱処理温度が600〜800℃と低いと
きは、基材の耐酸化性が低いので、窒素等の不活性ガス
で希釈し雰囲気中の酸素含有量を下げて酸化処理を行う
ことが好ましい。
【0014】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
する。
【0015】(実施例1)β−ナフタレンスルホン酸を
ホルムアルデヒドと反応させ、平均分子量103. 5 の縮
合物を得た。この縮合物をアンモニア水で中和し、濾過
精製後、水分を55wt%として乾式紡糸を行った。得
られた連続繊維を切断し、嵩比重0.05のマットに成
型した。このマットを窒素雰囲気下において250℃か
ら1100℃まで20℃/minで昇温し、この110
0℃で5分間保持して熱処理を行った。この得られた炭
素繊維を空気酸化賦活用の基材とした。この基材を47
0℃で3時間空気酸化賦活し繊維状吸着材を得た。表1
にその結果を示す。
ホルムアルデヒドと反応させ、平均分子量103. 5 の縮
合物を得た。この縮合物をアンモニア水で中和し、濾過
精製後、水分を55wt%として乾式紡糸を行った。得
られた連続繊維を切断し、嵩比重0.05のマットに成
型した。このマットを窒素雰囲気下において250℃か
ら1100℃まで20℃/minで昇温し、この110
0℃で5分間保持して熱処理を行った。この得られた炭
素繊維を空気酸化賦活用の基材とした。この基材を47
0℃で3時間空気酸化賦活し繊維状吸着材を得た。表1
にその結果を示す。
【0016】
【表1】
【0017】なお、表1に示す物性値は、JIS R−
7601及びJIS K−7141に準拠して測定し
た。また、キレ−ト能の測定は、Cu2+イオン濃度42
ppmの硫酸銅水溶液300mlに繊維状吸着材1gを
浸漬し3時間振盪後、繊維状吸着材浸漬前後の硫酸銅水
溶液の濃度をイオンクロマトグラフィ−で測定して、キ
レ−ト能を以下の式で算出した。 キレ−ト能=10-3×{(C0 −C1 )×V}/{W×At } (mmol/g) ここで C0 : 浸漬前のCu2+濃度 (ppm) C1 : 浸漬後のCu2+濃度 (ppm) V : 浸漬に用いた硫酸銅水溶液の容量 (ml) W : 繊維状吸着材の重量 (g) At : 銅の原子量
7601及びJIS K−7141に準拠して測定し
た。また、キレ−ト能の測定は、Cu2+イオン濃度42
ppmの硫酸銅水溶液300mlに繊維状吸着材1gを
浸漬し3時間振盪後、繊維状吸着材浸漬前後の硫酸銅水
溶液の濃度をイオンクロマトグラフィ−で測定して、キ
レ−ト能を以下の式で算出した。 キレ−ト能=10-3×{(C0 −C1 )×V}/{W×At } (mmol/g) ここで C0 : 浸漬前のCu2+濃度 (ppm) C1 : 浸漬後のCu2+濃度 (ppm) V : 浸漬に用いた硫酸銅水溶液の容量 (ml) W : 繊維状吸着材の重量 (g) At : 銅の原子量
【0018】更に、イオン交換能の測定は、0.5mo
l/l NaCl水溶液20mlに繊維状吸着材0.5
gを浸漬し3時間振盪後のNaClのHClへの変換量
をメチルオレンジを指示薬として0.1N NaOH水
溶液で定量して、イオン交換能を以下の式で算出した。 イオン交換能=10-4×(V−V0 )×f/W (meq/g) ここで V : 0.1N NaOHの滴定量 (ml) V0 : ブランク値 (ml) f : 0.1N NaOHのファクタ− W : 繊維状吸着材の重量 (g)
l/l NaCl水溶液20mlに繊維状吸着材0.5
gを浸漬し3時間振盪後のNaClのHClへの変換量
をメチルオレンジを指示薬として0.1N NaOH水
溶液で定量して、イオン交換能を以下の式で算出した。 イオン交換能=10-4×(V−V0 )×f/W (meq/g) ここで V : 0.1N NaOHの滴定量 (ml) V0 : ブランク値 (ml) f : 0.1N NaOHのファクタ− W : 繊維状吸着材の重量 (g)
【0019】(実施例2)実施例1で得た基材を470
℃で2時間空気酸化賦活した以外は、実施例1と同様に
して行い、繊維状吸着材を得た。表1にその結果を示
す。これらの実施例から、本発明の方法によって、活性
炭素繊維製品の比表面積が700m2 /g以上の性能を
有し、且つアンモニア類やキレ−ト等に対する高い吸着
性能を有する繊維状吸着材が簡便な製造方法で得られる
ことがわかる。
℃で2時間空気酸化賦活した以外は、実施例1と同様に
して行い、繊維状吸着材を得た。表1にその結果を示
す。これらの実施例から、本発明の方法によって、活性
炭素繊維製品の比表面積が700m2 /g以上の性能を
有し、且つアンモニア類やキレ−ト等に対する高い吸着
性能を有する繊維状吸着材が簡便な製造方法で得られる
ことがわかる。
【0020】このように、本発明の方法で得られた繊維
状吸着材は、その比表面積が高いばかりでなく、Cu2+
の吸着量等で表されるキレ−ト能及びイオン交換能が高
いことも特徴とするが、このキレ−ト能及びイオン交換
能は、本発明の場合には、繊維状吸着材中のカルボニル
基の存在量、ひいては繊維状吸着材中の酸素含有量に依
存し、この酸素含有量が25wt%になると、Cu2+吸
着量はほぼ0.25mmolに、イオン吸着能は2.5
meq/gに達する。前記カルボニル基の存在量につい
ては、本発明の繊維状吸着材にアンモニアを吸脱着させ
た場合、1回目の吸着アンモニア量と2回目以降の吸着
アンモニア量に明瞭な差が認められ、2回目の吸着アン
モニア量は1回目の吸着アンモニア量の約70〜80%
となり、3回目以降の吸着アンモニア量は2回目の吸着
アンモニア量と変わらないが、1回目の吸着アンモニア
量と2回目以降の吸着アンモニア量との差が、カルボニ
ル基による化学吸着に依存していることから、この吸着
アンモニア量の差からも評価できる。
状吸着材は、その比表面積が高いばかりでなく、Cu2+
の吸着量等で表されるキレ−ト能及びイオン交換能が高
いことも特徴とするが、このキレ−ト能及びイオン交換
能は、本発明の場合には、繊維状吸着材中のカルボニル
基の存在量、ひいては繊維状吸着材中の酸素含有量に依
存し、この酸素含有量が25wt%になると、Cu2+吸
着量はほぼ0.25mmolに、イオン吸着能は2.5
meq/gに達する。前記カルボニル基の存在量につい
ては、本発明の繊維状吸着材にアンモニアを吸脱着させ
た場合、1回目の吸着アンモニア量と2回目以降の吸着
アンモニア量に明瞭な差が認められ、2回目の吸着アン
モニア量は1回目の吸着アンモニア量の約70〜80%
となり、3回目以降の吸着アンモニア量は2回目の吸着
アンモニア量と変わらないが、1回目の吸着アンモニア
量と2回目以降の吸着アンモニア量との差が、カルボニ
ル基による化学吸着に依存していることから、この吸着
アンモニア量の差からも評価できる。
【0021】この吸着アンモニア量の差から本発明の繊
維状吸着材中のカルボニル基の存在量を求めると、この
繊維状吸着材中に導入された酸素のほぼ70%がカルボ
ニル基として存在し、残りの酸素はカルボン酸として存
在することが分かり、このことが、本発明の方法で得ら
れた繊維状吸着材が、キレ−ト能及びイオン交換能の高
いことことの一因となっている。
維状吸着材中のカルボニル基の存在量を求めると、この
繊維状吸着材中に導入された酸素のほぼ70%がカルボ
ニル基として存在し、残りの酸素はカルボン酸として存
在することが分かり、このことが、本発明の方法で得ら
れた繊維状吸着材が、キレ−ト能及びイオン交換能の高
いことことの一因となっている。
【0022】
【発明の効果】本発明により得られる繊維状吸着材は、
未活性化炭素繊維を酸素存在下で熱処理賦活する方法で
は得られなかった700m2 /gを超える大きな比表面
積を有し、且つ従来の繊維状活性炭では発現し得えなか
ったキレ−ト能及びイオン交換能の高い繊維状吸着材で
ある。更に、本発明の方法によれば、600℃以下とい
う低い温度でしかも空気を酸化剤として賦活を行うこと
により、低いエネルギ−コスト、且つ高収率で高性能の
繊維状吸着材を製造することができる。
未活性化炭素繊維を酸素存在下で熱処理賦活する方法で
は得られなかった700m2 /gを超える大きな比表面
積を有し、且つ従来の繊維状活性炭では発現し得えなか
ったキレ−ト能及びイオン交換能の高い繊維状吸着材で
ある。更に、本発明の方法によれば、600℃以下とい
う低い温度でしかも空気を酸化剤として賦活を行うこと
により、低いエネルギ−コスト、且つ高収率で高性能の
繊維状吸着材を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 47/12 E D01D 5/04 D01F 9/12 9/24 551
Claims (2)
- 【請求項1】 酸素含有量7〜25wt%、比表面積7
00〜1600m2/g及びキレ−ト能0.05〜0.
25mmol/gの物性を有することを特徴とする繊維
状吸着材。 - 【請求項2】 芳香族スルホン酸の縮合物若しくはその
塩からなる組成物、又は芳香族スルホン酸の縮合物若し
くはその塩及びこの芳香族スルホン酸の縮合物若しくは
その塩に対し0.02〜20wt%の水溶性高分子から
なる組成物を紡糸後、600〜1600℃の不活性雰囲
気で熱処理して得られる炭素繊維を、更に酸素存在下3
00〜600℃で熱処理することを特徴とする繊維状吸
着材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5349171A JPH07185336A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 繊維状吸着材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5349171A JPH07185336A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 繊維状吸着材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07185336A true JPH07185336A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18401953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5349171A Pending JPH07185336A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 繊維状吸着材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07185336A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20130196155A1 (en) * | 2012-02-01 | 2013-08-01 | Ut-Battelle, Llc | Apparatus and process for the surface treatment of carbon fibers |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP5349171A patent/JPH07185336A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20130196155A1 (en) * | 2012-02-01 | 2013-08-01 | Ut-Battelle, Llc | Apparatus and process for the surface treatment of carbon fibers |
US9340677B2 (en) | 2012-02-01 | 2016-05-17 | Ut-Battelle, Llc | Apparatus and process for the surface treatment of carbon fibers |
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