JPH07185324A - 脱臭剤及び脱臭性複合材料 - Google Patents

脱臭剤及び脱臭性複合材料

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JPH07185324A
JPH07185324A JP5351117A JP35111793A JPH07185324A JP H07185324 A JPH07185324 A JP H07185324A JP 5351117 A JP5351117 A JP 5351117A JP 35111793 A JP35111793 A JP 35111793A JP H07185324 A JPH07185324 A JP H07185324A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱臭の即効性及び持続性に優れる脱臭剤及び
脱臭性複合材料を提供する。 【構成】 硫酸第二銅5水和物の水溶液を、細孔容積
1.5ml/g、平均細孔径15nm、平均粒子径0.
3mmのシリカゲルにスプレーして脱臭剤を得た。不織
布の片面にポリウレタンバインダーを塗布し、これに前
記脱臭剤を200g/m2となるように振りかけた後、
120℃で5分間乾燥して脱臭性複合材料を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱臭剤及び脱臭性複合
材料に関する。さらに詳しくは脱臭の即効性及び持続性
に優れる脱臭剤及びその脱臭剤を用いた脱臭性複合材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、悪臭を除去するために空気清浄機
やルームエアコンに脱臭性を付与させたフィルターを使
用することが多くなってきた。このような脱臭性フィル
ターには悪臭を瞬時に除去できること及びフィルター交
換頻度を少なくするために脱臭性能が長期間持続するこ
とが要求される。従来、フィルターに脱臭性能を付与す
るために用いる脱臭剤としては、活性炭、ゼオライトな
どの多孔質材料に金属塩類を含浸させてなるもの;フラ
ボノイド系消臭剤;金属塩と有機酸とからなる脱臭剤;
等が知られている。しかし、これらの脱臭剤を付着させ
てなる脱臭性フィルターは脱臭即効性及び持続性が低か
った。また、最近、平均粒子径3〜5mmの耐水性シリ
カゲルに金属銅の微細粒子を担持させた脱臭剤が提案さ
れ、これをフィルター状に成形してなる脱臭性フィルタ
ーが提案されている(特開平5−177131号公
報)。しかし、この脱臭性フィルターは、脱臭性能を有
しているものの、脱臭即効性及び持続性が低く、前記の
要求を満足するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、脱臭
の即効性及び持続性に優れる脱臭剤及び脱臭性複合材料
を提供することにある。本発明者らは前述の目的を達成
すべく鋭意研究した結果、水溶性金属塩を、特定の平均
細孔径、細孔容積及び平均粒子径を有するシリカゲルに
吸収させることによって、本目的を達成できることを見
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、Cu、Zn、Al、Fe、Ag、Mg、Ni、Mn
及びCoから選ばれる元素の水溶性金属塩を、平均細孔
径が5〜50nmで、細孔容積が0.5〜2.0ml/
gで且つ平均粒子径が0.01〜2mmであるシリカゲ
ルに含有させてなることを特徴とする脱臭剤が提供され
る。また、本発明によれば、基材に前記の脱臭剤を付着
させてなることを特徴とする脱臭性複合材料が提供され
る。
【0005】本発明の脱臭剤は、シルカゲルに、水溶性
の金属塩を含有させてなるものである。
【0006】本発明の脱臭剤に用いるシリカゲルは、二
酸化ケイ素を主成分とするキセロゲルである。シリカゲ
ルには二酸化ケイ素単独のもの;二酸化ケイ素と、酸化
アルミニウムや酸化マグネシウムなどとが複合したもの
が挙げられる。またシリカエーロゲルを挙げることもで
きる。好適には二酸化ケイ素単独のものが用いられる。
【0007】本発明の脱臭剤に用いるシリカゲルは、そ
の細孔容積が0.5〜2.0ml/g、好ましくは
0.6〜1.7ml/gであることが脱臭の即効性、持
続性を向上させるために重要である。細孔容積がこの範
囲外になると脱臭即効性及び持続性が低くなる。
【0008】シリカゲルは、その平均細孔径が、5〜5
0nm、好ましくは5〜35nmである。平均細孔径が
この範囲外になるとアンモニアなどのアルカリ性悪臭ま
たは硫化水素などの硫黄系悪臭に対する脱臭の即効性が
低くなる。なお、平均細孔径及び細孔容積は後記の方法
によって求められた値である。
【0009】シリカゲルは、その平均粒子径が、0.0
1〜2mm、好ましくは0.05〜1mmである。0.
01mm未満では取り扱いが困難になることがあり、2
mmを超えると脱臭の即効性が低くなることがある。
【0010】また、シリカゲルは、その比表面積が、通
常、50〜500m2/g、好ましくは100〜450
2/gである。比表面積が、50m2/g未満又は50
0m2/gを超えると脱臭の即効性が低下傾向になる。
【0011】本発明で用いる水溶性金属塩は、Cu、Z
n、Al、Fe、Ag、Mg、Ni、Mn及びCoから
選ばれる元素の水溶性塩である。ここで水溶性とは、2
0℃の水に対する溶解度が5重量%以上のことをいう。
水溶性塩には、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩などが
ある。水溶性金属塩の具体例としては、硫酸銅、塩化
銅、硝酸銅、酢酸銅などの銅塩;硫酸亜鉛、塩化亜鉛、
硝酸亜鉛、酢酸亜鉛などの亜鉛塩;硫酸アルミニウム、
硝酸アルミニウムなどのアルミニウム塩;硝酸銀、酢酸
銀などの銀塩;硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硝酸第二鉄な
どの鉄塩;硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル
などのニッケル塩;硫酸マンガン、塩化マンガン、硝酸
マンガンなどのマンガン塩;硫酸コバルト、塩化コバル
ト、硝酸コバルト、酢酸コバルトなどのコバルト塩;硫
酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム
などのマグネシウム塩;等が挙げられる。これらの水溶
性金属塩のうち、硫黄系悪臭に対する脱臭即効性及び持
続性に優れた脱臭剤が得られるので、銅塩が好ましい。
またこの銅塩に亜鉛塩、アルミニウム塩又は銀塩を組み
合わせたものはさらに好ましい。
【0012】本発明の脱臭剤において、シリカゲルと水
溶性金属塩との比率は、シリカゲル100重量部に対し
て水溶性金属塩が、通常、1〜50重量部、好ましくは
10〜40重量部である。水溶性金属塩が50重量部を
超えるとシリカゲルの外側に水溶性金属塩の一部が析出
し、飛散しやすくなるので、取扱が不便になる。逆に1
重量部未満では脱臭の持続性が低下傾向になる。
【0013】本発明の脱臭剤の調製方法としては、シリ
カゲルに水溶性金属塩の水溶液をスプレーし吸収させる
方法、水溶性金属塩の水溶液にシリカゲルを浸漬し、水
切りする方法などが挙げられる。
【0014】本発明の脱臭性複合材料は、前記脱臭剤を
基材に付着させてなるものである。
【0015】本発明に用いる基材としては、不織布、織
布、紙、ウレタンフォーム、セラミック、プラスチッ
ク、木、金属などが挙げられる。基材の形状は用途に応
じて選定する。例えば、壁紙、カーテン、テーブルクロ
スなどの用途にはシート形状の基材が、また、エアコン
ディショナー、空気清浄機などのフィルター用途にはハ
ニカム形状、コルゲート形状、格子形状の基材が好適に
用いられる。
【0016】本発明の脱臭性複合材料において、脱臭剤
の基材に対する付着量は、通常、20〜1000g/m
2、好ましくは50〜500g/m2である。20g/m
2未満では脱臭性能が低下傾向になる。1000g/m2
を超えると、脱臭剤が脱落しやすくなり、またフィルタ
ー用途においては圧力損失が高くなりやすいので実用に
適しなくなる傾向になる。
【0017】本発明の脱臭性複合材料の製法としては、
前記脱臭剤の水分散液を基材に塗布する方法、基材を脱
臭剤の水分散液に浸漬する方法又は基材に脱臭剤の粒を
ふりかける方法などが挙げられる。これらの製法のう
ち、基材に脱臭剤の粒をふりかける方法は、脱臭の即効
性及び持続性が高い複合材料が得られるので好ましい。
【0018】本発明の脱臭性複合材料の製造において
は、結合剤を用いて、脱臭剤を基材に付着させるのが好
ましい。結合剤としてはポリウレタン、ポリメタアクリ
ル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリイソプレン、ポリブタジエ
ン等が挙げられる。これら結合剤のうち、ポリウレタン
は、脱臭持続性が高くなるので好適である。結合剤は、
通常、水に分散又は溶解したものが用いられる。結合剤
の使用方法としては、結合剤を脱臭剤と混合配合した
後、基材に塗布又はふりかけて使用することもできる
が、高い脱臭即効性及び持続性の複合材料が得られるの
で、脱臭剤を塗布又はふりかける前に結合剤を単独で基
材に塗布又はふりかけて使用するのが好ましい。
【0019】結合剤の量は、脱臭剤100重量部に対し
て、通常、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量
部である。1重量部未満では脱臭剤が剥がれ落ちやすく
なり、逆に、100重量部を超えると脱臭性複合材料の
脱臭即効性が低下傾向になる。
【0020】なお、脱臭性複合材料には、必要に応じ
て、活性炭、ゼオライト、着色剤などをさらに付着させ
ることができる。
【0021】本発明の脱臭剤の好適な態様を以下に示
す。 (1) シリカゲルの細孔容積が0.6〜1.7ml/
gで、平均細孔径が5〜35nmで、平均粒子径が0.
05〜1mmであることを特徴とする本発明の脱臭剤。 (2) シリカゲルの比表面積が50〜500m2/g
であることを特徴とする本発明の脱臭剤。 (3) 水溶性金属塩が銅塩であることを特徴とする本
発明の脱臭剤。 (4) 水溶性金属塩が銅塩と、亜鉛塩、アルミニウム
塩又は銀塩との組合せからなるものであることを特徴と
する本発明の脱臭剤。 (5) シリカゲル100重量部に対して水溶性金属塩
を1〜50重量部含有することを特徴とする本発明の脱
臭剤。
【0022】本発明の脱臭性複合材料の好適な態様を以
下に示す。 (1) 脱臭剤が基材に20〜1000g/m2の範囲
で付着してなることを特徴とする本発明の脱臭性複合材
料。 (2) 脱臭剤を結合剤を用いて基材に付着させてなる
ことを特徴とする本発明の脱臭性複合材料。 (3) 結合剤が水分散性ポリウレタンであることを特
徴とする本発明の脱臭性複合材料。 (4) 脱臭剤100重量部に対して結合剤を1〜10
0重量部使用して付着させてなることを特徴とする本発
明の脱臭性複合材料。
【0023】
【発明の効果】本発明の脱臭剤は、アルカリ性悪臭、硫
黄系悪臭などに対しての脱臭即効性及び持続性に優れて
いる。また本発明の脱臭性複合材料は脱臭即効性及び持
続性に優れているので、壁紙、カーテン、テーブルクロ
ス、フィルターなどの用途に好適である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中の部は重量基準である。
【0025】本実施例で行った評価方法を以下に説明す
る。 (平均細孔径及び細孔容積)ポロシメーター(CARL
・ERBA社製)を用いて、水銀圧入法により測定し
た。
【0026】(比表面積)窒素ガスを用いてBET法に
より測定した。
【0027】(脱臭剤のアンモニア脱臭性能)内径8m
m、長さ150mmのガラス製反応管に脱臭剤1gを充
填し、ガラス管の両端を脱脂綿で塞ぎ、さらに内径3m
mのガラス製ガス管が貫通したシリコンゴム栓を取り付
けた。ガラス製ガス管の一方(ガス入口)から、35p
pm、25℃のアンモニアガスを2500cm3/分で
反応管に送り込み、ガラス製ガス管のもう一方(ガス出
口)から排出した。所定時間経過後、ガス入口及びガス
出口におけるアンモニア濃度を検知管を用いて測定し、
ガス入口におけるアンモニア濃度に対するガス出口にお
けるアンモニア濃度の減少率を求めた。
【0028】(脱臭剤の硫化水素脱臭性能)35ppm
のアンモニアガスに代えて10ppm、25℃の硫化水
素ガスを用いた他は脱臭剤のアンモニア脱臭性能試験と
同様にして脱臭剤の硫化水素脱臭性能を求めた。
【0029】(脱臭性複合材料のアンモニア脱臭性能)
径8mm、長さ300mmのガラス製反応管に8mm×
200mmのシート状脱臭性複合材料を縦ながに挿入
し、ガラス管の両端を脱脂綿で塞ぎ、さらに内径3mm
のガラス製ガス管が貫通したシリコンゴム栓を取り付け
た。ガラス製ガス管の一方(ガス入口)から、35pp
m、25℃のアンモニアガスを500cm3/分で反応
管に送り込み、ガラス製ガス管のもう一方(ガス出口)
から排出した。所定時間経過後、ガス入口及びガス出口
におけるアンモニア濃度を検知管を用いて測定し、ガス
入口におけるアンモニア濃度に対するガス出口における
アンモニア濃度の減少率を求めた。
【0030】(脱臭性複合材料の硫化水素脱臭性能)3
5ppmのアンモニアガスに代えて10ppm、25℃
の硫化水素ガスを用いた他は複合材料のアンモニア脱臭
性能試験と同様にして複合材料の硫化水素脱臭性能を求
めた。
【0031】実施例1 硫酸第二銅・5水和物20部を水80部に溶解し水溶液
を得た。次に細孔容積1.5ml/g、平均細孔径15
nm、平均粒子径0.3mmのシリカゲル100部をか
き混ぜながら、前記水溶液をスプレーして脱臭剤Aを得
た。この脱臭剤Aの評価結果を表1に示した。
【0032】実施例2〜14、比較例1〜4 表1又は表2に示す処方に変えた他は実施例1と同様に
して脱臭剤B〜N及びo〜rを得た。これらの脱臭剤の
評価結果を表1又は表2に示した。
【0033】比較例5 硫酸第二銅・5水和物20部を水80部に溶解した後、
還元剤(四水素化ホウ素ナトリウム)6部を添加して、
水溶液を得た。この水溶液にシリカゲルを1分間浸漬し
て、水切りした後、1カ月間大気中で乾燥し、金属銅粒
子をシリカゲルに担持して、脱臭剤sを得た。この脱臭
剤sの評価結果を表2に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】実施例15〜19及び比較例5〜7 目付量60g/m2のポリエステル製不織布の片面にポ
リウレタンエマルジョン(スーパーフレックス、第一工
業製薬社製)を0.1mm厚になるようにバーコートを
用いて塗布した。これに表3に示す脱臭剤を30メッシ
ュのふるいを用いて、脱臭剤の不織布に対する付着量が
200g/m2 になるように均一にふりかけ、120℃
で5分間乾燥して脱臭性複合材料を得た。これら脱臭性
複合材料について、脱臭剤の評価方法と同様に脱臭性能
を評価した。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】以上から、本発明の脱臭剤及び脱臭性複合
材料は、アンモニア又は硫化水素に対して優れた脱臭即
効性及び持続性があることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu、Zn、Al、Fe、Ag、Mg、
    Ni、Mn及びCoから選ばれる元素の水溶性金属塩
    を、平均細孔径が5〜50nmで、細孔容積が0.5〜
    2.0ml/gで且つ平均粒子径が0.01〜2mmで
    あるシリカゲルに含有させてなることを特徴とする脱臭
    剤。
  2. 【請求項2】 基材に請求項1記載の脱臭剤を付着させ
    てなることを特徴とする脱臭性複合材料。
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