JPH08155240A - 脱臭剤及び脱臭フィルタ - Google Patents

脱臭剤及び脱臭フィルタ

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JPH08155240A
JPH08155240A JP6331709A JP33170994A JPH08155240A JP H08155240 A JPH08155240 A JP H08155240A JP 6331709 A JP6331709 A JP 6331709A JP 33170994 A JP33170994 A JP 33170994A JP H08155240 A JPH08155240 A JP H08155240A
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JP
Japan
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deodorizing
porous
adsorbent
deodorizing filter
agent
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Application number
JP6331709A
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English (en)
Inventor
Satoru Kadowaki
覚 門脇
Makoto Suzuki
鈴木  誠
Kunio Okamoto
邦夫 岡本
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間優れた脱臭性能を維持することができ
る脱臭剤,及びこれを用いた,小型で,且つ低圧損の脱
臭フィルタ及び脱臭装置を提供すること。 【構成】 脱臭剤は,多孔質吸着材とアミノ基を含む添
着剤とよりなる。添着剤は多孔質吸着材に対して25〜
100重量%含有されている。例えば,多孔質吸着材は
活性炭であり,かつ添着剤は3─アミノプロピルトリハ
イドロシランである。また,上記の脱臭剤を三次元網目
構造の多孔質担体に担持させてなる脱臭フィルタがあ
る。多孔質担体は,1インチ当たり8〜20個のセルを
有するポリウレタンフォームであり,かつ上記脱臭剤
は,ポリウレタンフォームに対して0.03〜0.20
g/cc担持されていることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,車室内空気清浄器,エ
アコン等に用いられる脱臭剤,特に,長期間優れた脱臭
性能を維持することができる脱臭剤,及びこれを用い
た,小型で,且つ低圧損の脱臭フィルタ及び脱臭装置に
関する。
【0002】
【従来技術】近年,車室内における快適化志向が高ま
り,車室内空気の脱臭を行なう従来のエアコン臭対応フ
ィルタのみでは満足されず,外気導入空気をワンパス
(1回の通過)で脱臭できる脱臭フィルタが強く要求さ
れている。このため,高級車には,近年,1kg以上の
活性炭を用いた脱臭フィルタが搭載されている。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記脱臭フィ
ルタは,多量の活性炭を用いるため,大容積を占め,小
型の大衆車への搭載が困難である。また,活性炭は,5
00m3 /hrのガスを導入した場合の圧力損失が12
00Paと高い。更に,活性炭は物理吸着が主体のた
め,長期間使用すると逆に脱離臭が発生するという問題
がある。
【0004】そこで,従来より種々の探究がなされ,特
開昭62─210030号,特開平4─180834
号,特開平4─342746号,及び特開平6─225
927号公報に示す発明が提案されてきた。しかし,い
ずれも,高い脱臭性能を長期間維持できなかったり,大
型で,高い圧力損失を示すなど,満足できる脱臭フィル
タではない。
【0005】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,長期
間優れた脱臭性能を維持することができる脱臭剤,及び
これを用いた,小型で,且つ低圧損の脱臭フィルタ及び
脱臭装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は,多孔質吸着材とアミノ基
を含む添着剤とよりなり,該添着剤は多孔質吸着材に対
して25〜100重量%含有されていることを特徴とす
る脱臭剤にある。
【0007】本発明において最も注目すべきことは,上
記多孔質吸着材には,アミノ基を含む添着剤が添着され
ていることである。上記添着剤のアミノ基は,臭い成分
を化学的に吸着する官能基である。上記添着剤は,多孔
質吸着材に対して25〜100重量%含有されている。
25重量%未満の場合には,長期間の使用により脱臭剤
から臭い成分が脱離して,脱臭性能が低下する。一方,
100重量%を越える場合には,多孔質吸着材の細孔を
埋めすぎて比表面積が少なくなり,臭い成分の吸着部位
が減少して,脱臭性能が低下する。
【0008】上記添着剤としては,3─アミノプロピル
トリハイドロシラン(以下,3−APTSという。),
γ─アミノプロピルトリエトキシシラン,γ─グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン,N−β(アミノエチ
ル)─γ─アミノプロピルトリメトキシシラン,ジメチ
ルトリメチル─シリルアミン,或いはN−(β─アミノ
エチル)─γ─アミノプロピル─トリメトキシシラン等
の珪素化合物,アニリン,ベンゼナミンクロライド,ピ
リジン,又はアントラニル酸等を用いることができる。
また,その他にも,例えば,酸化コバルト,酸化銅,酸
化マンガン,酸化クロム,酸化鉄,又は酸化ニッケル等
の金属酸化物を添着剤として用いることができる。
【0009】上記多孔質吸着材は,多数の細孔を有する
多孔質体である。かかる多孔質吸着材としては,活性
炭,活性炭素繊維,シリカゲル,ゼオライト,水酸化ア
ルミ,セピオライト等を用いることが好ましい。これに
より,臭い成分を物理的に多量に吸着することができ
る。上記の活性炭素繊維は,長繊維のためそのままでは
多孔質体の内部まで均一に入らないため,粉砕して粉末
として用いることが好ましい。
【0010】脱臭剤は,その比表面積が大きい程,吸着
性能が向上することは言うまでもない。しかし,脱臭剤
の比表面積が2000m2 /g以上になると,その細孔
容積が大きくなり,脱離臭が強くなると同時に,脱臭剤
自身の充填密度が低下するという問題が発生するおそれ
がある。そのため,比表面積は800〜2000m2
gであることが好ましい。
【0011】次に,上記脱臭剤を用いた脱臭フィルタと
しては,例えば,三次元網目構造の多孔質担体と該多孔
質担体に担持された脱臭剤とよりなる脱臭フィルタであ
って,上記脱臭剤は,多孔質吸着材とアミノ基を含む添
着剤とよりなり,該添着剤は多孔質吸着材に対して25
〜100重量%含有されていることを特徴とする脱臭フ
ィルタがある。
【0012】上記多孔質担体は,多数のセルを有する三
次元網目構造体であり,その網目骨格の表面には上記脱
臭剤が担持されている。
【0013】上記多孔質担体としては,例えばポリウレ
タンフォーム,発泡プラスチック,多孔質ガラス,又は
多孔質構造の結合体等を用いることが好ましい。上記発
泡プラスチックとしては,ポリエーテル型ポリウレタン
フォーム,ポリエステル型ポリウレタンフォーム,ラバ
ーフォーム,ビニールフォーム,ポリスチレンフォー
ム,アクリルフォーム,ポリアセタールフォーム,又は
ナイロンフォーム等を用いることが好ましい。
【0014】また,上記多孔質構造の結合体としては,
多孔質セラミック,又は顆粒状物質をバインダにより結
合したもの等を用いることが好ましい。これらの多孔質
担体を用いた場合には,最適なセル構造が得られ,脱臭
剤の担持が容易で,かつ圧力損失を低くすることができ
る。
【0015】多孔質担体として上記のポリウレタンフォ
ームを用いた場合には,ポリウレタンフォームは,1イ
ンチ当たり8〜20個のセルを有することが好ましい。
8個未満の場合には,ポリウレタンフォームの比表面積
が低くなり,脱臭剤を十分に担持させることが困難とな
る。そのため,脱臭フィルタの脱臭性能が低下するおそ
れがある。一方,20個を越える場合には,ポリウレタ
ンフォームの圧力損失が高くなるおそれがある。
【0016】そして,ポリウレタンフォームが上記の8
〜20の範囲内のセル数を有する場合には,上記脱臭剤
は,ポリウレタンフォームに対して乾燥重量にて(以
下,同様。)0.03〜0.20g/cc担持されてい
ることが好ましい。0.03g/cc未満の場合には,
脱臭フィルタの脱臭性能が低下するおそれがある。一
方,0.20g/ccを越える場合には,圧力損失が増
加するおそれがある。
【0017】更に,ポリウレタンフォームの1インチ当
たりのセル数は,その下限が10であり,その上限が1
3であることが好ましい。これにより,ポリウレタンフ
ォームは脱臭剤を十分に担持でき,且つ圧力損失が低い
ものとなる。そのため,脱臭性能が高く且つ圧力損失の
高い脱臭フィルタが得られる。
【0018】そして,ポリウレタンフォームが上記の1
0〜13の範囲内のセル数を有する場合には,上記脱臭
剤は,ポリウレタンフォームに対して0.04〜0.0
9g/cc担持されていることが好ましい。かかる範囲
内の担持量であれば,脱臭性能が最も高く,且つ著しく
低い圧力損失の脱臭フィルタが得られる。
【0019】上記多孔質担体には,例えば,バインダを
用いて脱臭剤を担持させることができる。バインダとし
ては,エチレン/酢酸ビニル共重合体エマルジョン,ア
クリルエマルジョン,ポリビニールアルコール,塩化ビ
ニル,アクリル─エチレン共重合体,エーテル─エステ
ルポリウレタン樹脂,ポリエステル─ウレタン,ウレタ
ン系レジン,メチルセルロース,ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース,ホットメルトポリエステル,又は酢酸
ビニルエマルジョン等を用いる。ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースは,NH4 塩,又はNa塩であることが
好ましい。
【0020】上記多孔質担体に担持する脱臭剤として
は,上述した脱臭剤を用いる。上記脱臭フィルタは,例
えば,脱臭シート,エアコン用脱臭フィルタ等に用いる
ことができる。
【0021】次に,上記脱臭フィルタを用いた脱臭装置
としては,例えば,外気導入通路に脱臭フィルタを配設
してなる脱臭装置であって,上記脱臭フィルタは,三次
元網目構造の多孔質担体と該多孔質担体に担持された脱
臭剤とよりなり,該脱臭剤は,多孔質吸着材とアミノ基
を含む添着剤とよりなり,該添着剤は多孔質吸着材に対
して25〜100重量%含有されていることを特徴とす
る脱臭装置がある。
【0022】上記外気導入通路は,外気を脱臭フィルタ
に導入するための通路である。本発明の脱臭装置は,例
えば,車室内空気清浄器,エアコン,温風器等の中に装
着することができる。特に,この脱臭装置は,ディーゼ
ルエンジン車の排気ガスの脱臭に,その効果を大いに発
揮することができる。
【0023】
【作用及び効果】本発明の脱臭剤は,多孔質吸着材に,
アミノ基を含む添着剤を添着したものである。添着剤の
アミノ基は,酸性臭い成分に対する吸着性能が高い。そ
のため,排ガスの中に含まれるアセトアルデヒド等の酸
性臭い成分を,効率よく除去することができる。また,
添着剤のアミノ基は,臭い成分を化学的に吸着する官能
基である。そのため,添着剤に吸着された臭い成分は,
脱離しにくい。それ故,脱臭剤は長期間優れた吸着性能
を維持することができる。
【0024】また,上記多孔質吸着材は,多数の細孔を
有する多孔質である。そのため,臭い成分は細孔の中に
おいて,物理的に吸着される。そして,本発明の脱臭剤
は,添着剤と多孔質吸着材とを上記の割合で含有するた
め,多孔質吸着材による物理吸着の割合は,添着剤によ
る化学吸着に対して3分の1程度に抑制される。
【0025】それ故,本発明の脱臭剤によれば,化学吸
着と物理吸着とをバランス良く行うことができる。従っ
て,上記脱臭剤は,長期間に渡って優れた脱臭性能を発
揮し続けることができる。また,そのため,本発明の脱
臭剤は,脱臭しようとする空気をワンパスさせるのみで
も優れた脱臭効果を発揮することができる。
【0026】次に,本発明の脱臭フィルタは,三次元網
目構造の多孔質吸着材に,上記の脱臭剤を担持させたも
のである。上記脱臭剤は,多孔質吸着材の無数のセルの
中に露出しているため,臭い成分との接触機会が多い。
そのため,上記の優れた脱臭剤を,極力最大限に発揮さ
せることができる。従って,脱臭フィルタの小型化を図
ることができる。また,多孔質担体は無数のセルを有し
ているため,流体が容易にセルの中を通過できる。その
ため,上記脱臭フィルタは,圧力損失が少ない。
【0027】また,本発明の脱臭装置は,外気導入通路
に,上記の優れた脱臭フィルタを配設しているため,長
期間優れた脱臭性能を維持することができ,かつ小型で
低圧損である。
【0028】以上のごとく,本発明によれば,長期間優
れた脱臭性能を維持することができる脱臭剤,及びこれ
を用いた,小型で,且つ低圧損の脱臭フィルタ及び脱臭
装置を提供することができる。
【0029】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例に係る脱臭フィルタについて,図1〜図
7を用いて説明する。本例の脱臭フィルタ1は,図2に
示すごとく,三次元網目構造の多孔質担体2と,多孔質
担体2に担持された脱臭剤3とよりなる。多孔質担体2
は,1インチ当たり10個のセル5を有するポリウレタ
ンフォームである。脱臭剤3は,ポリウレタンフォーム
に対して0.05〜0.06g/cc担持されている。
【0030】脱臭剤は,図1に示すごとく,多孔質吸着
材に,アミノ基を含む添着剤を添着したものである。多
孔質吸着材は,粒径5〜30μm,比表面積1000m
2 /gの粉末活性炭である。添着剤は,3─APTSで
ある。添着剤は,多孔質吸着材に対して30重量%含有
されている。
【0031】次に,上記脱臭フィルタの製造方法につい
て説明する。まず,ビーカーに水を入れ,その中に3─
APTSを300g入れ攪拌して,均一な水溶液とし
た。次に,この水溶液に上記粉末活性炭を1kg投入し
攪拌を行い,1〜2時間含浸した。
【0032】次に,バインダとしてのエチレン/酢酸ビ
ニル共重合体エマルジョンを,350g投入し,攪拌
し,均一なスラリーを得た。次に,このスラリーに上記
のポリウレタンフォームを含浸して,その骨格表面にス
ラリーを付着させ,これを乾燥させた。これにより,上
記脱臭フィルタを得た。
【0033】次に,上記脱臭フィルタの脱臭性能を測定
した。脱臭性能の測定のために,上記脱臭フィルタを,
直径31mm,厚み40mmの円柱形状とした。これを
円筒形状のホルダー(内径φ31mm,長さ150m
m)の中に入れて,発明品として測定に供した。
【0034】測定ガスは,ディーゼルエンジンの排ガス
に含まれているアセトアルデヒドを用いた。アセトアル
デヒドは,排ガスの臭気の主原因物質であり,認知閾値
以上となる確率が最も高いものである。測定ガス濃度を
3ppmとし,流速1m/秒にて,上記発明品へ連続的
に通過させた。測定ガスを1回通過(ワンパス)させた
後の,排ガス中のアセトアルデヒドの濃度を測定した。
排ガス濃度は,ガスクロマトグラフ(日立製)を用いて
測定した。測定値より,以下の算出式を用いてアセトア
ルデヒドの除去率を求めた。その結果を図3に示した。
【0035】アセトアルデヒドの除去率(%)=100
×(通過前のアセトアルデヒド濃度─通過後のアセトア
ルデヒド濃度)/(通過前のアセトアルデヒド濃度)
【0036】また,比較のために,上記のホルダーの中
に,粒径2〜3mmの顆粒状のノーマル活性炭を充填し
て,比較品とし,これについても上記と同様の測定を行
った。
【0037】図3より示すように,発明品のアセトアル
デヒド除去率は,脱臭初期では60%以上であり,30
分経過後においても40%程度と高い値を維持した。一
方,比較品の場合は,脱臭初期においては発明品よりも
高い値を示したが,すぐに除去率が下降し,20分経過
後には0%まで低下した。このことから,発明品は,長
時間高い脱臭性能を維持することができることがわか
る。
【0038】発明品が上記のように長時間高い脱臭性能
を維持しているのは,図1に示すごとく,多孔質吸着材
による物理吸着だけでなく,添着剤のアミノ基との化学
的な強い吸着により,アセトアルデヒドが脱離しにくく
なるためであると考えられる。更に,図2に示すごと
く,脱臭剤3が多孔質担体2の多数のセル5の中に露出
しているため,アセトアルデヒドとの接触機会が多く,
吸着初期の優れた脱臭性能を最大限に発揮させることが
できるためであると考えられる。
【0039】一方,比較品が初期に高い値を示したの
は,同容積当たり,比較品には,発明品の活性炭量に対
して約5倍も多くの活性炭が存在していること,比較品
の脱臭性能は物理吸着が支配的であるため,化学吸着が
支配的な発明品より吸着速度が速いためであると考えら
れる。
【0040】次に,脱臭フィルタの圧力損失を測定し
た。圧力損失の測定のために,上記の脱臭フィルタを4
0cm×20cm,厚み40mmの箱型とし,発明品と
して測定に供した。また,比較のために,上記の活性炭
を,発明品と同様の大きさのホルダーに入れて,比較品
とした。そして,上記発明品及び比較品の圧力損失を測
定し,その結果を図4に示した。
【0041】図4より,発明品の圧力損失は,比較品の
圧力損失よりも10分の1程度と小さく,発明品が低圧
損構造となっていることがわかる。発明品が低圧損であ
るのは,図2に示すごとく,多孔質担体2が多数のセル
5を有しているため,アセトアルデヒド5がセルの中を
容易に通過できるためであると考えられる。一方,比較
品が高い圧損である原因は,活性炭がホルダーの中に密
に充填されているため,ガスの流通を妨げているためで
あると考えられる。
【0042】次に,自動車実装時の,脱臭フィルタの脱
臭性能について測定した。即ち,図5に示すごとく,上
記の圧力損失測定時と同様の発明品としての脱臭フィル
タ6を,自動車7の外気導入通路71の中に配置して,
脱臭装置9とした。また,脱臭フィルタ6の上流側に
は,除塵フィルタ79を配置した。除塵フィルタ79
は,粒径0.3μm以下の微粒子を50%以上吸着する
性能を有している。この自動車7の室内に4名のパネラ
ー75を乗せて一般車道を走行した。
【0043】走行中のディーゼル車尾追走時の脱臭性能
について,パネラー4名により臭気強度を評価した。無
臭の場合を0,やっと感知出来る臭いの場合を1,何の
臭いか分かる弱い臭いを2,楽に感知出来る臭いの場合
を3,強い臭いの場合を4,強烈な臭いの場合を5と
し,パネラーの評価値を平均し,評価結果を得た。外気
の臭気強度が高い場合の評価結果を,図6に示した。一
方,外気の臭気が殆ど無い場合についても,同様の評価
をし,その結果を図7に示した。また,比較のために,
上記の圧力損失測定時と同様の,活性炭からなる比較品
を,脱臭フィルタ6として用い,同様の測定を行った。
【0044】外気の臭気強度が高い場合には,図6より
知られるように,発明品は長時間臭気強度を低く維持し
た。一方,比較品は,走行時間が長くなるに連れて臭気
強度が高くなった。外気の臭気が無い場合には,図7に
示すごとく,発明品については,何ら臭気が発生しなか
った。これは,発明品においては,吸着物質との吸着力
が強い化学吸着が支配的であるため,吸着物質の脱離が
殆ど無く,脱離臭を抑制できたためであると考えられ
る。一方,比較品の場合には,長時間走行により甘い臭
いが発生し,臭気強度が高くなり,フィルタ自体が臭気
源となった。この甘い臭いは,比較品は物理吸着が支配
的であり,一旦吸着された物質が逆に脱離したためであ
ると考えられる。
【0045】以上の測定結果を総合して考察すると,本
例の脱臭フィルタは,従来の活性炭に比べて,活性炭の
使用量を5分の1程度に抑制でき,また圧力損失を10
分の1程度に抑えることができたといえる。従って,本
例の脱臭フィルタは,長期間高い脱臭性能を維持でき,
また脱離臭の問題も解消できたといえる。
【0046】実施例2 本例の脱臭フィルタにおいては,添着剤として,γ─ア
ミノプロピルトリエトキシシラン,γ─グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン,N−β(アミノエチル)─
γ─アミノプロピルトリメトキシシラン,ジメチルトリ
メチル─シリルアミン,N−(β─アミノエチル)─γ
─アミノプロピル─トリメトキシシラン,アニリン,ベ
ンゼナミンクロライド,ピリジン,アントラニル酸,酸
化コバルト,酸化銅,酸化マンガン,酸化クロム,酸化
鉄,又は酸化ニッケルのいずれかを用いた。その他は,
実施例1と同様である。いずれの添着剤を用いた場合に
も,実施例1と同様に優れた脱臭特性が確認された。
【0047】実施例3 本例の脱臭フィルタにおいては,脱臭剤を多孔質担体に
担持させる際に用いるバインダとして,アクリルエマル
ジョン,ポリビニルアルコール,塩化ビニル,アクリル
─エチレン共重合体,エーテル─エステルポリウレタン
樹脂,ポリエステル─ウレタン,ウレタン系レジン,メ
チルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース
(NH4 塩,又はNa塩),ホットメルトポリエステ
ル,又は酢酸ビニルエマルジョンのいずれかを用いた。
その他は,実施例1と同様である。いずれのバインダを
用いた場合にも,実施例1と同様に優れた脱臭特性が確
認された。
【0048】実施例4 本例の脱臭フィルタにおいては,多孔質吸着材として,
活性炭,活性炭素繊維,シリカゲル,ゼオライト,水酸
化アルミ,又はセピオライトを用いた。活性炭素繊維
は,ボールミルにより粉砕して,粉末として用いた。そ
の他は,実施例1と同様である。いずれの多孔質吸着材
を用いた場合にも,実施例1と同様に優れた脱臭特性が
確認された。また,この活性炭素繊維を粉砕したものを
用いた場合には,粒状活性炭を用いた場合よりも,ガス
除去率が20%以上向上することが確認された。
【0049】実施例5 本例の脱臭フィルタにおいては,多孔質担体として,発
泡プラスチック,多孔質ガラス,又は多孔質構造の結合
体のいずれかを用いた。上記の発泡プラスチックとして
は,ポリエーテル型ポリウレタンフォーム,ポリエステ
ル型ポリウレタンフォーム,ラバーフォーム,ビニール
フォーム,ポリスチレンフォーム,アクリルフォーム,
ポリアセタールフォーム,又はナイロンフォームのいず
れかを用いた。上記の多孔質構造の結合体としては,多
孔質セラミック,又は顆粒状物質をバインダにより結合
したものを用いた。その他は,実施例1と同様である。
いずれの多孔質担体を用いた場合にも,実施例1と同様
に優れた脱臭特性が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の脱臭剤における,添着剤を添着させ
た多孔質吸着材の細孔表面構造を示す説明図。
【図2】実施例1の脱臭フィルタにおける,脱臭剤を担
持した多孔質担体の説明図。
【図3】実施例1の脱臭フィルタについての,アセトア
ルデヒドの除去率を示す線図。
【図4】実施例1の脱臭フィルタの圧力損失を示す線
図。
【図5】実施例1の,自動車に実装した脱臭フィルタに
ついて,その脱臭性能の評価法を示す説明図。
【図6】実施例1の,臭気強度が高い外気に対する,脱
臭フィルタの脱臭性能の評価結果を示す線図。
【図7】実施例1の,臭気が無い外気に対する,脱臭フ
ィルタの脱臭性能の評価結果を示す線図。
【符号の説明】
1...脱臭フィルタ, 2...多孔質担体, 3...脱臭剤, 5...セル,

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質吸着材とアミノ基を含む添着剤と
    よりなり,該添着剤は多孔質吸着材に対して25〜10
    0重量%含有されていることを特徴とする脱臭剤。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記多孔質吸着材は
    活性炭であり,かつ上記添着剤は3─アミノプロピルト
    リハイドロシランであることを特徴とする脱臭剤。
  3. 【請求項3】 三次元網目構造の多孔質担体と該多孔質
    担体に担持された脱臭剤とよりなる脱臭フィルタであっ
    て,上記脱臭剤は,多孔質吸着材とアミノ基を含む添着
    剤とよりなり,該添着剤は多孔質吸着材に対して25〜
    100重量%含有されていることを特徴とする脱臭フィ
    ルタ。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記多孔質担体は,
    1インチ当たり8〜20個のセルを有するポリウレタン
    フォームであり,かつ上記脱臭剤は,ポリウレタンフォ
    ームに対して0.03〜0.20g/cc担持されてい
    ることを特徴とする脱臭フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項3において,上記多孔質担体は,
    1インチ当たり10〜13個のセルを有するポリウレタ
    ンフォームであり,かつ上記脱臭剤は,ポリウレタンフ
    ォームに対して0.04〜0.09g/cc担持されて
    いることを特徴とする脱臭フィルタ。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか一項において,
    上記多孔質吸着材は活性炭であり,かつ上記添着剤は3
    ─アミノプロピルトリハイドロシランであることを特徴
    とする脱臭フィルタ。
  7. 【請求項7】 外気導入通路に脱臭フィルタを配設して
    なる脱臭装置であって,上記脱臭フィルタは,三次元網
    目構造の多孔質担体と該多孔質担体に担持された脱臭剤
    とよりなり,該脱臭剤は,多孔質吸着材とアミノ基を含
    む添着剤とよりなり,該添着剤は多孔質吸着材に対して
    25〜100重量%含有されていることを特徴とする脱
    臭装置。
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