JP3334294B2 - 吸着体及び多孔吸着材 - Google Patents

吸着体及び多孔吸着材

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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,自動車用空気清浄器,
室内用空気清浄器,又は蒸発燃料処理装置等,多目的に
用いられる吸着体及び多孔吸着材に関する。
【0002】
【従来技術】近年,内燃機関の燃料タンクから発生する
燃料空気が,環境や人体に与える悪影響が問題となって
いる。そのため,蒸気の排出規制を強化する動きがあ
る。また,室内の快適化志向が強まる中で脱臭ニーズも
高まりつつある。このように,様々な環境改善志向が高
まるなかで,燃料蒸気や臭気等を吸着する吸着体が求め
られている。かかる要望に対し,従来,例えば,活性
炭,触媒等の各種脱臭剤をシート状,ハニカム状に成形
する方法や,活性炭素繊維を主材とするウェップ,トウ
のような多孔性の繊維集合体を用いる方法がある(特公
昭59─24271号公報)。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記前者の活
性炭を用いる方法では,吸着速度が比較的遅く速効性が
弱い等の問題がある。また,後者の繊維集合体を用いる
方法は,吸着速度が比較的速いため,速効性がある。し
かし,活性炭素繊維は充填密度が低いため,粉末活性炭
以上に容積当たりの吸着効果を向上させることは困難で
ある。
【0004】また,多孔性の活性炭素繊維を用いる場合
には,繊維間の開孔空間が微少になるために圧力損失が
高くなる。また,長期間繰り返し使用する間に,目詰ま
り等によりパージエアが流れにくく脱離しにくくなる。
そのために再生効率が悪くなるという問題がある。本発
明はかかる従来の問題点に鑑み,吸着性能及び再生性能
に優れた吸着体及び多孔吸着材を提供しようとするもの
である。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は,活性炭素繊維の微粉砕体
用いて造粒して顆粒状に成形してなり,かつ上記微粉
砕体は,比表面積が700〜2000m 2 /gであると
共に繊維方向の長さが0.05〜0.5mmであること
を特徴とする吸着体にある。
【0006】本発明において,活性炭素繊維の微粉砕体
は,微細な多くの細孔を有する。そして,微粉砕体の比
表面積は700〜2000m2/gである700m2
/g未満の場合には,吸着量が不十分になるおそれがあ
る。一方,2000m2/gを越える場合には,細孔容
積が大きくなり,充填密度が上がりにくく,製造面にお
いても著しく効率が悪いため,入手出来にくくなるおそ
れがある。ここに,比表面積とは,微粉砕体の単位重量
当たりの細孔も含めた表面積をいう。また,微粉砕体の
繊維方向の長さは,0.05〜0.5mmである0.
05mm未満の場合には,細かすぎて取り扱いが困難に
なるおそれがある。一方,0.5mmを越える場合に
は,微粉砕体の容積当たりの吸着性能が劣るおそれがあ
る。
【0007】上記活性炭素繊維は,被吸着ガスに応じ
て,細孔径,比表面積の適正なものを選定すればよく,
複合被吸着ガスに対しては特性の異なる活性炭素繊維を
数種類組み合わせて用いてもよい。特に大きな分子の被
吸着ガスを含む場合には,細孔径の大きな粉末活性炭を
上記微粉砕体と組み合わせても効果がある。
【0008】上記吸着体を製造する方法について,その
一例を説明する。まず,活性炭素繊維をミキサー等によ
り粗く粉砕して粗粒子とする。次に,この粗粒子をボー
ルミル等により粉砕して,活性炭素繊維の微粉砕体を調
製する。次いで,この微粉砕体にバインダー及び水等を
加え,混練する。その後,これを造粒機により顆粒状に
成形して,上記吸着体を得る。上記バインダーとして
は,顆粒の中心部分まで吸着性能に寄与させるため,被
膜性の小さい樹脂,例えば,水添ロジン,コーンスター
チ,メチルセルロース等を用いることが好ましい。
【0009】また,本発明の吸着体において,上記活性
炭素繊維の微粉砕体には,酸性ガス吸着物,塩基性ガス
吸着物のいずれか一方又は両方が添着されていることが
好ましい。これにより,低圧損で,かつ酸性,塩基性,
中性の被吸着ガスに対して吸着速度が速く,他に類のな
いワンパス脱臭性能,即ちワンパス無臭を実現するもの
である。この添着方法としては,例えば,上記酸性ガス
吸着物,塩基性ガス吸着物のいずれか一方又は両方の溶
液中において,上記活性炭素繊維の粗粒子を湿式混合し
て,該粗粒子の微細化と上記有機物の添着とを同時に行
う方法がある。
【0010】上記酸性ガス吸着物は,アミノ基を有する
有機化合物であり,3─アミノプロピルトリハイドロシ
ラン,γ─アミノプロピルエトキシシラン,ジメチルト
リメチルシリルアミン,及びN−(2−アミノエチル)
─3─アミノプロピルトリメトキシシランのグループか
ら選ばれた1又は2種以上の化合物等である。上記酸性
ガス吸着物は,硫化水素,アセトアルデヒド等の酸性ガ
スを吸着することができるものである。
【0011】上記塩基性ガス吸着物は,L−酒石酸,酸
化コバルト,酸化マンガン,アセチルアセトンコバル
ト,アセチルアセトンマンガン,リンゴ酸,及びコハク
酸のグループから選ばれた1又は2種以上の化合物等で
ある。上記塩基性ガス吸着物は,アンモニア等のアルカ
リ性ガスを吸着することができるものである。上記吸着
体は,シート状,ハニカム状に成形して用いることがで
きる。
【0012】また,上記吸着体を多孔体に担持して,多
孔吸着材を構成することもできる。上記多孔体は,三次
元網目構造を有し,例えば,ウレタンフォーム,ハニカ
ム等を用いる。この多孔吸着材は,従来の活性炭に比べ
て吸着速度が速い。また,多孔吸着材は,三次元網目構
造である。それ故,その内部にガスを通す場合には,低
圧損で,被吸着ガスとの接触効率が良い。従って,ワン
パスの吸着効果に優れている。また,上記多孔吸着材
は,特に硫化水素,アセトアルデヒド,アンモニア等の
臭気成分の吸着性能が良く,優れた脱臭剤として機能を
発揮することができる。
【0013】上記吸着体を多孔体に担持する方法として
は,粘性のあるスラリー状の微粉砕体の中に多孔体を含
浸し,これを乾燥する等,一般的な方法がある。含浸し
た後,この多孔体を連通気孔とし,乾燥することが好ま
しい。これにより,三次元網目構造の吸着体が得られ
る。また,他の有効な充填方法として,粒状活性炭表面
に上記微粉砕体をコーティングする方法もある。
【0014】更に,多孔体に,上記吸着体の全量を担持
させたときは,従来の粒状活性炭より吸収,脱着速度が
著しく速くなる。そのため,脱臭剤のほぼ全量が吸着に
利用されるため,最も優れた性能を発揮する。また,吸
着体を粒状活性炭と組み合わせて多孔体に担持させても
よい。この場合においても,活性炭素繊維の微粉砕体が
存在するため,吸着性能が向上する。
【0015】
【作用及び効果】本発明の吸着体においては,活性炭素
繊維の微粉砕体を顆粒化して用いている。そのため,吸
着用タンク等の収納体内に,高密度に充填することがで
きる。それ故,容積当たりの被吸着ガスの吸着性能が高
い。また,収納体内に充填するに当たって,活性炭素繊
維をそのまま用いる場合のようなプレス等を行う必要が
ない。そのため,取扱易く,作業性が向上する。また,
収納体の小型化を図ることができる。また,活性炭素繊
維の微粉砕体を顆粒化したものを用いているため,流体
の流れがよい。それ故,本発明の吸着体は,使用中にお
ける圧力損失が低い。従って,長期間に渡って繰り返し
使用することができ,再生性能に優れている。
【0016】また,活性炭素繊維は,粒状活性炭にない
微細な細孔を多く有する。そのため,粒状活性炭では吸
着されにくい,低濃度,分子の被吸着ガスを十分に吸
着することができる。従って,本発明の吸着体は,蒸発
燃料,臭気成分,有害ガス等の被吸着ガスを吸着するこ
とができる。
【0017】更に,本発明の吸着体は,多方面の用途に
おいて波及効果を期待することができる。例えば,上記
吸着体は,ガソリン内燃機関,ディーゼル内燃機関,燃
料タンク等に装着された蒸発燃料処理装置,自動車用又
は室内用空気清浄器,浄水器,溶剤回収装置等に用いる
ことができる。上記のごとく,本発明によれば,吸着性
能及び再生性能に優れた吸着体及び多孔吸着材を提供す
ることができる。
【0018】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかる吸着体について,図1,図2を
用いて説明する。本例の吸着体は,活性炭素繊維(以
下,ACFという。)の微粉砕体を顆粒状に成形してな
り,図2に示す蒸発燃料処理装置2のタンク3内に充填
されている。以下,上記吸着体の製造方法について,図
1を用いて詳説する。
【0019】即ち,まず,ワタ状のACFと水とをミキ
サーに入れ,ACFと水との重量比は1対100とし,
ACFを3分間湿式粉砕した。これにより,粗粒子とし
てのACF短繊維(繊維の長さ5mm以下)を得た。次
いで,このACF短繊維をボールミルにて微粉砕し,脱
水,乾燥する。これにより,ACFの微粉砕体を得た。
該微粉砕体の比表面積は1200m2 /gであり,微粉
砕体の繊維方向の長さは0.1mmである。
【0020】次に,上記微粉砕体に,バインダーと水と
を加えて,らいかい機にて混練し,スラリーを得た。バ
インダーは,上記微粉砕体1重量部に対して,2重量部
加えた。水は,バインダー及び微粉砕体95重量%に対
して,5重量%を加えた。バインダーとしてはコーンス
ターチを用いた。次に,このスラリーを,造粒機(アイ
リッヒミキサー,ペレタイザー)にて,1〜2mmの顆
粒状に成形し,120℃,3時間乾燥し,吸着体を得
た。
【0021】次に,図2に示すごとく,上記により得た
吸着体1は,下記の性能テストに供するため,蒸発燃料
処理装置2のタンク3内に充填した。該タンク3には,
燃料タンクポート4と,大気ポート5と,パージポート
6とを設けている。上記吸着体1は,タンク3内に設け
られた多孔状の整流板30,31の間に充填されて,固
定されている。タンク3は,容積850cc,高さ12
cmである。
【0022】次に,この吸着体の再生性能について測定
した。測定に当たっては,まず,大気ポート5及びパー
ジポート6を閉じた状態で,燃料タンクポート4より,
上記吸着体1を収納したタンク3内に,測定用ガスとし
ての99.9%n−ブタンを0.5リットル/分間の流
速で導入した。そして,吸着体1に0.3%破過終点ま
で上記測定用ガスを吸着させた(JASOE501−9
0準拠)。このときの吸着体の重量を測定し,「ガス吸
着時の重量」とした。
【0023】その後,上記燃料タンクポート4を閉塞
し,測定用ガスの導入を停止した。その一方で,大気ポ
ート5から200リットルの空気を10リットル/分間
の流速で導入した。これと同時に,パージポート6を開
けて,タンク3中の大気及び吸着体1より脱離した測定
用ガスを,該パージポート6から20分間放出させた。
このときの吸着体の重量を測定し,「ガス脱離時の重
量」とした。
【0024】そして,吸着体1の再生性能をワーキング
キャパシティ(W.C.)として,以下の式により算出
し,その結果を表1に示した。 W.C.=ガス吸着時の重量(g)−ガス離脱後の重量
(g) 尚,比較のために,微粉末化処理を行っていないACF
長繊維(繊維方向の長さ1mm)を比較例1とし,これ
についても,上記と同様にワーキングキャパシティを測
定した。上記測定結果より,本発明にかかる吸着体1の
ワーキングキャパシティは,従来例に係る粒状活性炭に
比べて40%程度向上したことが確認された。
【0025】このように,ACFを顆粒状にした微粉砕
体を吸着体として用いることにより,粒状活性炭と同程
度に充填密度を向上させることができる。それ故,容積
当たりの被吸着ガスの吸着性能が高い。また,使用中に
おける圧力損失が低く,長期間に渡って繰り返し使用す
ることができる。
【0026】また,ACFをワタ状のままタンク内に充
填するには,プレス機等により圧縮することが必要であ
り,そのために大がかりな設備を必要とする。しかし,
本例においては活性炭素繊維の微粉砕体を顆粒状に成形
しているため,タンク3内に充填する際には,プレス等
を行う必要がない。そのため,取扱易く,作業性が向上
する。また,タンクの小型化を図ることができる。
【0027】また,ACFは,元来粒状活性炭にない微
細な細孔を多くもつため,低濃度,分子の被吸着ガス
の吸着に優れている。そのため,多種類の被吸着ガスを
吸着することができる。そして,このACFは,微粉末
化されても,上記の優れた特性を保持することができ
る。また,微粉末化されることにより,充填密度が向上
し,その分だけ吸着,脱着性能が向上する。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 本例は,吸着体を脱臭剤として用いた例である。上記吸
着体において,活性炭素繊維(以下,ACFという。)
の微粉砕体には,酸性ガス吸着物及び活性炭素繊維が添
着されている。この吸着体は,多孔体に充填されてい
る。上記酸性ガス吸着物としては,3─アミノプロピル
トリハイドロシラン(以下,APTSという。)を用い
ている。上記塩基性ガス吸着物としては,L−酒石酸を
用いている。上記多孔体は,三次元網目構造を有し,ウ
レタンフォームを用いている。
【0030】次に,上記吸着体の製造方法について,図
3を用いて説明する。即ち,まず,ACFと水とをミキ
サーに入れて,ACFの湿式粉砕を行い,粗粒子として
のACF短繊維(繊維の長さ5mm以下)を得る。この
とき,AFCと水との重量比は1対100とし,粉砕時
間は3分間とした。次に,このACF短繊維をボールミ
ル中に入れ,更に,上記APTS水溶液とL−酒石酸水
溶液とを各々加えた。APTSと両水溶液の濃度は,各
々0.1mol/リットルである。また,ACF短繊維
とAPTSとL−酒石酸との重量比は,3対1対1とし
た。
【0031】次いで,上記ボールミルを10時間回転さ
せて,ACF短繊維とAPTSとL−酒石酸との微粉化
を行うと共に,ACF短繊維にAPTSとL−酒石酸と
を各々添着させ,アミノ基とカルボキシル基を担持させ
た。次に,これらを脱水し,120℃/2時間乾燥し
た。これにより,APTS添着ACF及びL−酒石酸添
着ACFを得た。
【0032】次に,上記APTS添着ACF及びL−酒
石酸添着ACFを,バインダー及び水と混合して,含浸
用スラリーを調製した。バインダーとしては,被膜性の
少ないコーンスターチを用いた。バインダー添加量は,
ACFの5重量倍とし,0.5%水溶液になるように調
整した。
【0033】次に,この含浸用スラリー中に,多孔体と
しての,連通気孔のウレタンフォームを含浸させた。次
いで,このウレタンフォームを絞って余分な含浸用スラ
リーを取り除き,100℃/3時間乾燥した。両添着A
CFは,太さ15μm,長さ25μm程度であり,秤量
として100g/m2 のウレタンフォームに担持させ
た。
【0034】次に,本例の吸着体においては,活性炭素
繊維の微粉砕体に,酸性ガス吸着物としてのAPTSと
塩基性ガス吸着物としてのL−酒石酸とを添着させた,
APTS添着ACF,L−酒石酸添着ACFを用いてい
る。APTS添着ACFは,成分中のアミノ基の作用に
より酸性ガスを中和反応により化学的に吸着する吸着体
である。一方,L−酒石酸添着ACFは,成分中のカル
ボキシル基の作用により塩基性ガスを中和反応により化
学的に吸着する吸着体である。
【0035】また,両添着ACFとも添着後の比表面積
は1000m2 /g程度であって,添着前のACFの比
表面積が1200m2 /g程度であるのに対し,さほど
かわらない。そのため,中性ガスは多孔体の細孔内に捕
獲されて,物理的に吸着される。従って,APTS添着
ACF及びL−酒石酸添着ACFを適宜組み合わせるこ
とにより,酸性,塩基性,中性のあらゆる被吸着ガスに
対し対応可能なマルチ脱臭剤を得ることができる。その
他,本例においても,実施例1と同様の効果を得ること
ができる。
【0036】実施例3 本例においては,本発明の吸着体について,ガス吸着率
の経時的変化を測定した。測定にあたっては,初期濃度
(R)の単成分ガスを充満させた恒温恒湿槽(温度25
℃,湿度60%)に,測定用脱臭剤を60分間保存し
た。測定に供する上記測定用脱臭剤の坪量は,同一(1
00g/m2 )とした。保存中は,恒温恒湿槽中の単成
分ガスを絶えず循環させる。その間,上記恒温恒湿槽内
に残存する単成分ガスの残存濃度(Q)を,ガスクロマ
トグラフにより測定した。尚,単成分ガスがアンモニア
の場合には,検知管を用いた。
【0037】単成分ガスの除去率(S)は,以下の式よ
り算出する。 S(%)=100×(R−Q)/R 上記各種単成分ガスは,トルエン,硫化水素,アセトア
ルデヒド,アンモニアである。トルエンの初期濃度
(R)は,1000ppmである。硫化水素,アセトア
ルデヒド,及びアンモニアの初期濃度(R)は,100
ppmである。
【0038】尚,比較例としては,酸性ガス吸着物及び
塩基性ガス吸着物のいずれも添着していない,粒状活性
炭(未添着),ACFシート(未添着)を用い,それぞ
れ比較例2,比較例3とした。測定結果を表2に示し
た。表2より,本発明の吸着体は,比較例2,3よりも
著しく初期の吸着性能が優れていること,及び60分間
経過しても除去率が殆ど変化しないことがわかる。
【0039】次に,本発明の吸着体について圧力損失を
測定した。その結果,30cm/秒の風速で,3mmA
q(水柱)であった。また,比較のために,粒状活性炭
に上記APTS及びL−酒石酸を添着させたものを,上
記と同様にしてウレタンフォームに担持させ,複合シー
トを得た。この比較例に係る吸着体と上記本発明にかか
る吸着体との圧力損失を,同坪量にて比較した。その結
果,本発明品は,比較品に対して100分の1以下の圧
力損失であることが確認された。もちろん,脱臭性能に
ついても,本発明品は比較品と同等以上であることは言
うまでもない。
【0040】このように,本発明品は,添着AFCの層
内部まで効率良く脱臭に寄与しているため,低い圧力損
失であるにもかかわらず酸性,塩基性,中性のあらゆる
被吸着ガスに対して,吸着速度が速く,他に類をみない
ワンパス脱臭性能を実現するものである。
【0041】
【表2】
【0042】実施例4 本例の吸着体は,上記実施例2の吸着体において用いた
APTSの代わりに,γ─アミノプロピルエトキシシラ
ン,ジメチルトリメチルシリルアミン,N−(2─アミ
ノエチル)─3─アミノプロピルトリメトキシシラン等
の酸性ガス吸着物を用いた。また,実施例2の吸着体に
おいて用いたL−酒石酸の代わりに,酸化コバルト,酸
化マンガン,アセチルアセトンコバルト,アセチルアセ
トンマンガン,リンゴ酸,コハク酸等の塩基性ガス吸着
物を用いた。
【0043】その他は,実施例2と同様である。本例の
吸着体について,実施例3と同様の測定を行ったとこ
ろ,上記実施例2に係る吸着体と同様の効果を発揮する
ことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の吸着体の製造方法を示す説明図。
【図2】実施例1の,吸着体を充填したタンクの説明
図。
【図3】実施例2の吸着体の製造方法を示す説明図。
【符号の説明】
1...吸着体, 2...蒸発燃料処理装置, 3...タンク,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01D 53/81 ZAB B01D 53/34 119 B01J 20/28 ZAB (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/20 ZAB B01D 53/34 B01D 53/40 B01D 53/42 B01D 53/81 B01J 20/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭素繊維の微粉砕体を用いて造粒し
    顆粒状に成形してなり,かつ上記微粉砕体は,比表面
    積が700〜2000m 2 /gであると共に繊維方向の
    長さが0.05〜0.5mmであることを特徴とする吸
    着体。
  2. 【請求項2】 請求項1において,活性炭素繊維の微粉
    砕体に,酸性ガス吸着物,塩基性ガス吸着物のいずれか
    一方又は両方が添着されていることを特徴とする吸着
    体。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記酸性ガス吸着物
    は,3─アミノプロピルトリハイドロシラン,γ─アミ
    ノプロピルエトキシシラン,ジメチルトリメチルシリル
    アミン,及びN−(2−アミノエチル)─3─アミノプ
    ロピルトリメトキシシランのグループから選ばれた1又
    は2種以上の化合物であることを特徴とする吸着体。
  4. 【請求項4】 請求項2において,上記塩基性ガス吸着
    物は,L−酒石酸,酸化コバルト,酸化マンガン,アセ
    チルアセトンコバルト,アセチルアセトンマンガン,リ
    ンゴ酸,及びコハク酸のグループから選ばれた1又は2
    種以上の化合物であることを特徴とする吸着体。
  5. 【請求項5】 請求項2,3,又は4に示した吸着体
    を,多孔体に担持してなることを特徴とする多孔吸着
    材。
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