JPH07181817A - 複写物の加工方法および装置 - Google Patents

複写物の加工方法および装置

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JPH07181817A
JPH07181817A JP13389794A JP13389794A JPH07181817A JP H07181817 A JPH07181817 A JP H07181817A JP 13389794 A JP13389794 A JP 13389794A JP 13389794 A JP13389794 A JP 13389794A JP H07181817 A JPH07181817 A JP H07181817A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、静電記録紙に対し静電記録方式複
写機によって複写して構成される複写物を利用し、ポス
ターや電飾フイルムの製造を容易に行うことを目的とす
る。 【構成】 静電記録紙にて構成される複写物5の複写面
6に対し、合成樹脂製のシート状の透明フイルム7を被
着するようにする。フイルム7と複写物5は、例えば加
圧ローラ、加熱ローラ間で挟圧する状態で重合・密着さ
せてもよく、これにより基紙1表面に間に導電層3を介
して備えられる誘電層2(複写面6)がフイルム7に転
写される。こうして重合・密着されたフイルム7と複写
物5から基紙1を剥離し、フイルム7の一面側に複写面
6を転写したポスター、電飾フイルム等の形成が可能と
なる。基紙1の剥離は、基紙1に水を含浸させることに
より簡単に行うことができ、こうして基紙1を剥離した
フイルム7は水で洗浄し、乾燥した上で保護フイルム
を、複写面6の転写されたフイルム7に被着すれば、よ
り高品質のポスター、電飾フイルムが形成可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば広告用として
用いられる大型のポスターや電飾フイルム等の製造を行
う場合に、静電記録式の複写機やプリンタにて記録され
た複写物を利用し、加工する複写物の加工方法および装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば屋外の広告用として用いる
大型のポスターや電飾フイルム(例えば縦1m、横3m
程度のもの)を製造する際には、一般に合成樹脂製のシ
ート状の透明フイルムの裏面に直接印刷を行う方法(印
刷法)や、あるいは透明フイルムの裏面に紙質印刷物を
貼着した後、紙質のみを薬品で除去してフイルムに印刷
部分を転写する方法(転写法)が用いられていた。
【0003】印刷法あるいは転写法により、裏面に印刷
内容が被着された透明フイルムは、一般に透明フイルム
の裏面に保護フイルムを貼着するいわゆるバッキング
(裏打ち作業)が行われている。バッキングは、印刷ま
たは転写された透明フイルムと保護フイルムを重合させ
た状態で、これらを一対の熱溶着ローラ間に挿入し、両
フイルムを溶着・一体化させることとしていた。この結
果、耐水性、耐候性に優れた印刷物(ポスター、電飾フ
イルム等)の製造が可能となった。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
の方法により印刷物を製造する場合に、先ず印刷法によ
り、フイルムの裏面に直接印刷を行う方法にあっては、
印刷物の大きさに合わせて製版を行わなければならず、
カラー印刷の場合、4つの版を作らなければならなかっ
た。また、版の製造上、サイズ的にも限界があり、大型
印刷物(例えば縦2m、横3m以上のもの)の製造には
不向きとされた。また製造コストが高くつくため、少数
ロットの場合は一枚当りの単価が極めて高くなる不具合
があった。またこの方法では、印刷可能なフイルム素材
も限定されていた。
【0005】一方、転写法により、印刷物を製造する場
合には、紙質印刷物を、印刷面がフイルム裏面に合わさ
るように、両者を加熱し貼着しなければならず、さらに
紙質印刷物が貼着された透明フイルムのうち、紙質分の
みを薬液に浸漬して分解・除去しなければならないた
め、作業が大変面倒とされた。特に、紙質分を除去する
際、薬液への浸漬時間をまちがえたり、また無理に紙質
物をフイルムから剥がそうとすると、せっかくフイルム
裏面に転写された印刷部分まで剥がれ落ちてしまうこと
となり、作業に細心の注意を払わなければならなかっ
た。
【0006】また、転写法によりフイルム裏面に印刷を
行い、紙質分を取り除いた場合には、一旦薬液を除去
し、水で十分洗い流した後に、さらにフイルムを乾燥さ
せた状態でバッキング作業を行わなければならなかっ
た。すなわち、万一薬液、水分等の水滴が付着したまま
フイルム1の裏面に保護フイルムを貼着し、熱溶着する
とその部分に水泡あるいは空気だまりが発生し、印刷物
の製品としての品質が著しく低下するものとされた。こ
のため、透明フイルムは、長時間に亘り自然乾燥されな
ければならず、作業に多くの時間を要するものとされ
た。
【0007】なお、従来特開昭52−1438281に
示すトナー画像の転写方法が提案されている。この転写
方法は、金属板からなる導電性基体の表面に透明な電子
写真感光層を基体に対し剥離し易い状態で支持し、次に
トナー画像を感光し、被着した感光層を、接着剤層を備
えた転写部材に感光層ごと転写し、基体より転写部材を
剥離させるものである。しかしこれらに用いられる基体
は、アルミニウムやステンレスで形成される大型のボー
ド状とされるために取扱いが複雑で面倒とされ、しかも
大型の設備が必要とされた。またこれらのボードにおけ
る感光層の塗布作業も暗所で均一に行わなければならな
いため、手間がかかるものとされた。
【0008】その他従来ポスターや電飾フイルムの製造
においては、フイルム裏面に印画面を構成し、該印画面
に写真焼付けを行う写真法があったが、大型の焼付設備
が必要とされ、かつ製作されたフイルムが、日光による
たい色により寿命が短く、通常屋外において1〜2ヶ月
の寿命しかないという不具合があった。
【0009】この発明は、静電記録紙に対し静電記録方
式複写機によって複写して構成する複写物やプリンタに
より静電記録紙に記録された複写物を利用し、ポスター
や電飾フイルムの製造を容易に行うことを可能としたも
のである。
【0010】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、本発明は、導電処理した基紙の表面に、または導
電材をコーティングしてなる基紙の表面に、誘電層を備
える静電記録紙の誘電層に、記録内容に対応する電荷を
付与し、帯電させたトナーを誘電層の電荷の付与部分に
付着させ、該トナーを誘電層に定着して複写面とする複
写物の加工方法であって、複写物の複写面に、透光性を
有するフイルムを被着した後、該フイルムより複写物の
基紙部分を剥離し、トナーを定着した誘電層からなる複
写物の複写面をフイルムに転写して構成するようにした
ものである。
【0011】また本発明は、導電処理した基紙の表面
に、または導電材をコーティングしてなる基紙の表面
に、誘電層を備える静電記録紙の誘電層に、記録内容に
対応する電荷を付与し、帯電させたトナーを誘電層の電
荷の付与部分に付着させ、該トナーを誘電層に定着して
複写面とする複写物の加工方法であって、複写物の複写
面に、透光性を有するフイルムを加圧または加熱もしく
は加圧・加熱状態で被着した後、該フイルムより複写物
の基紙部分を剥離し、トナーを定着した誘電層からなる
複写物の複写面をフイルムに転写して構成するようにし
たものである。
【0012】また本発明は、導電処理した基紙の表面
に、または導電材をコーティングしてなる基紙の表面
に、誘電層を備える静電記録紙の誘電層に、記録内容に
対応する電荷を付与し、帯電させたトナーを誘電層の電
荷の付与部分に付着させ、該トナーを誘電層に定着して
複写面とする複写物の加工方法であって、複写物の複写
面に、透光性を有するフイルムを被着した後、複写物の
基紙部分に水を含浸させ、複写物の基紙部分をフイルム
から剥離し、トナーを定着した誘電層からなる複写物の
複写面をフイルムに転写して構成するようにしたもので
ある。
【0013】また本発明は、導電処理した基紙の表面
に、または導電材をコーティングしてなる基紙の表面
に、誘電層を備える静電記録紙の誘電層に、記録内容に
対応す電荷を付与し、帯電させたトナーを誘電層の電荷
の付与部分に付着させ、該トナーを誘電層に定着して複
写面とする複写物の加工方法において、複写物の複写面
に、透光性を有する耐水性フイルムを被着した後、複写
物の基紙部分に水を含浸させ、複写物の基紙部分をフイ
ルムから剥離し、トナーを定着した誘電層からなる複写
物の複写面をフイルムに転写して構成する複写物の加工
装置であって、フイルムを被着した複写物に水を含浸さ
せる状態で収容する水槽と、上記水槽の上方に架設さ
れ、水槽内に収容される複写物のうち、基紙部分を巻き
取る紙質巻き取りローラと、紙質巻き取りローラと対向
する状態で架設され、フイルムを被着した複写物のう
ち、フイルム部分を巻き取るフイルム巻き取りローラ
と、紙質巻き取りローラとフイルム巻き取りローラ間に
配設され、フイルム巻き取りローラにより巻き取られ、
一面にトナーを定着した誘電層からなる複写面を転写し
て構成されるフイルムの表面および裏面にそれぞれ洗浄
水を噴射する噴射管と、を備えることとしたものであ
る。
【0014】また本発明は、導電処理した基紙の表面
に、または導電材をコーティングしてなる基紙の表面
に、誘電層を備える静電記録紙の誘電層に、記録内容に
対応する電荷を付与し、帯電させたトナーを誘電層の電
荷の付与部分に付着させ、該トナーを誘電層に定着して
複写面とする複写物の加工方法において、複写物の複写
面に、透光性を有する耐水性フイルムを被着した後、複
写物の基紙部分に水を含浸させ、複写物の基紙部分をフ
イルムから剥離し、トナーを定着した誘電層からなる複
写物の複写面をフイルムに転写するとともに、フイルム
の被転写面に保護フイルムを被着して構成する複写物の
加工方法であって、一面をトナーを定着した誘電層から
なる複写物の複写面の被転写面とし、水洗浄の行われた
耐水性フイルムを給送する給送体と、該給送体に並設さ
れ、給送されるフイルムの被転写面に保護フイルムを被
着するフイルム被着手段と、フイルムまたはフイルムお
よび保護フイルムのそれぞれに向けて熱風を噴射する熱
風噴射体と、を備えることとしたものである。
【0015】また本発明は、導電処理した基紙の表面
に、または導電材をコーティングしてなる基紙の表面
に、誘電層を備える静電記録紙の誘電層に、記録内容に
対応する電荷を付与し、帯電させたトナーを誘電層の電
荷の付与部分に付着させ、該トナーを誘電層に定着して
複写面とする複写物の加工方法において、複写物の複写
面に、透光性を有する耐水性フイルムを被着した後、複
写物の基紙部分に水を含浸させ、複写物の基紙部分をフ
イルムから剥離し、トナーを定着した誘電層からなる複
写物の複写面をフイルムに転写して構成する複写物の加
工装置であって、フイルムを被着した複写物に水を含浸
させる状態で収容する水槽と、上記水槽の上方に架設さ
れ、水槽内に収容される複写物のうち、基紙部分を巻き
取る紙質巻き取りローラと、紙質巻き取りローラと対向
する状態で架設され、フイルムを被着した複写物のう
ち、フイルム部分を巻き取るフイルム巻き取りローラ
と、紙質巻き取りローラとフイルム巻き取りローラ間に
配設され、フイルム巻き取りローラにより巻き取られ、
一面にトナーを定着した誘電層からなる複写面を転写し
て構成されるフイルムの表面および裏面にそれぞれ洗浄
水を噴射する噴射管と、一面をトナーを定着した誘電層
からなる複写物の複写面の被転写面とし、水洗浄の行わ
れた耐水性フイルムを給送する給送体と、該給送体に並
設され、給送されるフイルムの被転写面に保護フイルム
を被着するフイルム被着手段と、フイルムまたはフイル
ムおよび保護フイルムのそれぞれに向けて熱風を噴射す
る熱風噴射体と、を備えることとしたものである。
【0016】
【作用】本発明によれば、静電記録紙のうち、記録内容
に対応するトナーを定着した誘電層が、導電処理した基
紙あるいは導電材をコーティングしてなる基紙に対して
剥離し易いという性質に着目し、複写物の複写面に、透
光性を有するフイルムを被着した後、該フイルムより複
写物の基紙部分を剥離し、トナーを定着した誘電層から
なる複写物の複写面をフイルムに転写するようにしたも
のである。この方法によれば、簡単な作業によりフイル
ムの一面側に誘電層からなる複写面を転写することがで
き、高品質のポスターや電飾フイルムの製造を容易に行
うことが可能となる。
【0017】また、本発明によれば、静電記録紙のう
ち、記録内容に対応するトナーを定着した誘電層が、導
電処理した基紙あるいは導電材をコーティングしてなる
基紙に対して剥離し易いという性質に着目し、複写物の
複写面に、透光性を有するフイルムを加圧または加熱も
しくは加圧・加熱状態で被着した後、該フイルムより複
写物の基紙部分を剥離し、トナーを定着した誘電層から
なる複写物の複写面をフイルムに転写するにしたもので
ある。この方法によれば、さらに鮮明かつ高品位でフイ
ルムの一面側に誘電層からなる複写面を転写することが
でき、高品質のポスターや電飾フイルムの製造を容易に
行うことが可能となる。
【0018】また、本発明によれば、静電記録紙に水を
含浸させた場合に、記録内容に対応するトナーを定着し
た誘電層が、導電処理した基紙あるいは導電材をコーテ
ィングしてなる基紙に対して剥離し易いという性質に着
目し、複写物の複写面に、透光性を有するフイルムを被
着した後、複写物の基紙部分に水を含浸させ、複写物の
基紙部分をフイルムから剥離し、トナーを定着した誘電
層からなる複写物の複写面をフイルムに転写するように
したものである。この方法によれば、フイルムから簡単
に基紙部分を除去することができ、フイルムの一面側に
誘電層からなる複写面を転写することができ、高品質の
ポスターや電飾フイルムの製造を容易に行うことが可能
となる。
【0019】さらに本発明によれば、上記のように複写
物の複写面をフイルムに容易に転写することができる現
象に着目し、フイルムを被着した複写物に水を含浸させ
る状態で収容する水槽と、上記水槽の上方に架設され、
水槽内に収容される複写物のうち、基紙部分を巻き取る
紙質巻き取りローラと、紙質巻き取りローラと対向する
状態で架設され、フイルムを被着した複写物のうち、フ
イルム部分を巻き取るフイルム巻き取りローラと、紙質
巻き取りローラとフイルム巻き取りローラ間に配設さ
れ、フイルム巻き取りローラにより巻き取られ、一面に
トナーを定着した誘電層からなる複写面を転写して構成
されるフイルムの表面および裏面にそれぞれ洗浄水を噴
射する噴射管と、を備える複写物の加工装置を提供した
ものである。この装置によれば、一貫したプロセスで基
紙に対する水の含浸、基紙の剥離、フイルムの巻取およ
び洗浄を行うことができ、高品質のポスターや電飾フイ
ルムを製造することが可能となる。
【0020】また本発明によれば、一面をトナーを定着
した誘電層からなる複写物の複写面の被転写面とし、水
洗浄の行われた耐水性フイルムを給送する給送体と、該
給送体に並設され、給送されるフイルムの被転写面に保
護フイルムを被着するフイルム被着手段と、フイルムま
たはフイルムおよび保護フイルムのそれぞれに向けて熱
風を噴射する熱風噴射体と、を備える複写物の加工装置
としたため、熱風噴射体より噴射される熱風により、フ
イルムにおける複写面の転写部分に保護フイルムを熱溶
着することができ、高品質のポスターや電飾フイルムを
製造することが可能となる。
【0021】さらに本発明によれば、フイルムを被着し
た複写物に水を含浸させる状態で収容する水槽と、上記
水槽の上方に架設され、水槽内に収容される複写物のう
ち、基紙部分を巻き取る紙質巻き取りローラと、紙質巻
き取りローラと対向する状態で架設され、フイルムを被
着した複写物のうち、フイルム部分を巻き取るフイルム
巻き取りローラと、紙質巻き取りローラとフイルム巻き
取りローラ間に配設され、フイルム巻き取りローラによ
り巻き取られ、一面にトナーを定着した誘電層からなる
複写面を転写して構成されるフイルムの表面および裏面
にそれぞれ洗浄水を噴射する噴射管と、を備えるととも
に、一面をトナーを定着した誘電層からなる複写物の複
写面の被転写面とし、水洗浄の行われた耐水性フイルム
を給送する給送体と、該給送体に並設され、給送される
フイルムの被転写面に保護フイルムを被着するフイルム
被着手段と、フイルムまたはフイルムおよび保護フイル
ムのそれぞれに向けて熱風を噴射する熱風噴射体と、を
備えることとしたため、一貫したプロセスで保護フイル
ムの被着された高品質のポスターや電飾フイルムを製造
することが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。先ず、本発明に係る複写物の加工方法および装置
を説明する前に、本発明に用いられる静電記録紙の概要
を説明する。従来、モノクロあるいはカラーの静電方式
の複写機に使用される静電記録紙には、多種多様なもの
が存在するが、一般には静電気潜像を固定させるための
高電気抵抗層(誘電層)と、そのために必要な低電気抵
抗層(導電層)を基紙上に設けた構成になっている。静
電記録紙のタイプとしては、例えば図19〜図21に示
すタイプのものがあり、図19に示す静電記録紙は2層
構造、図20に示す静電記録紙は3層構造、図22に示
す静電記録紙は4層構造をなす。
【0023】2層構造の静電記録紙(図19参照)は、
非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性
ポリマー等の導電剤を紙質分に含浸させ、導電処理した
基紙1の表面に、誘電層2を備える構造とされる。基紙
1に含浸される導電剤の電気抵抗は104〜103Ω程度
とされ、極めて電気抵抗が低い物質が用いられる。これ
に対し、誘電層2は1013〜1015Ω程度の電気抵抗か
らなる塩ビ・酸ビ共重合体、スチレン化アルキッド樹脂
その他の高電気抵抗性ポリマーで構成され、基紙1の表
面に塗布される構成とされる。
【0024】3層構造の静電記録紙(図20参照)は、
基紙1の上面に前記導電剤をコーティングしてなる導電
層3を備えてなり、さらにその上面に図19と同様の構
成に係る誘電層2を備えてなる。
【0025】4層構造の静電記録紙(図21参照)は、
基紙1の上面および下面に、前記導電剤をコーティング
してなる導電層3を備えてなり、さらに一面側の導電層
3の表面に、図19と同様の構成に係る誘電層2を備え
てなる。
【0026】各静電記録紙に対しては、複写機における
多針電極によって例えば−500〜−800程度の電圧
が誘電層2の表面に印加され、これにより記録内容に対
応する電荷が誘電層2の表面に2次元的に付与されるこ
ととなる。すなわち、静電記録紙は、導電層3あるいは
導電処理された基紙1に比し、電気抵抗の高い誘電層2
の表面に帯電が発生することとなり、該帯電部分には複
写機の内部において帯電されたトナー4が付着される。
こうして、電荷の付与部分にトナー4が付着されたら、
複写機の内部においてトナー4を誘電層2に定着し(一
般にヒータによる熱定着)、静電記録紙の表面において
複写面を構成することが可能となる。
【0027】ところで、静電記録紙において非イオン性
ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー等
の導電剤を基紙1に含浸または塗布するに際しては、こ
れらのポリマーはそのままの状態で基紙1に含浸または
塗布しにくいため、バインダーおよび顔料を混合させる
こととしていた。すなわち、導電剤にバインダーおよび
顔料を混合させることで、その粘性および電気抵抗特性
を改善させるようにしている。バインダーとしては変性
でんぷん、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、
スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルラテックス
等が用いられ、また顔料としてはクレー、酸化チタン、
炭酸カルシウム等が用いられる。このように図20はま
たは図21に示す静電記録紙にあっては、基紙1に塗着
することで構成される導電層3、図19に示す静電記録
紙にあっては基紙1に含浸することで構成される導電剤
は、上記バインダーおよび顔料を混合しているため、静
電記録紙に水を含浸させるとバインダーおよび顔料が水
に溶け出すものとされた。すなわち、バインダーおよび
顔料が水に溶け出すと、基紙1に対して誘電層2が剥離
し易い状態になり、これとともに、誘電層2の表面に定
着されたトナー、すなわち複写面も誘電層2と共に剥離
するものとされた。また、図20および図21に示す基
紙1の表面に導電層3を支持し、さらにその上面に誘電
層2を塗布する構造の静電記録紙にあっては、水を含浸
させなくとも、誘電層2の部分が基紙1に対し、間に導
電層2が介装させているため、剥離し易いものとなって
いる。
【0028】本出願人は、こうした静電記録紙の特性に
着目し、本出願に係る複写物の加工方法および装置を発
明するに至ったものである。したがって、本発明におい
ては、図19〜図21に示すそれぞれの静電記録紙を用
いることが可能とされるが、以下の実施例においては図
20に示す静電記録紙を用いることを例にとって説明す
る。
【0029】先ず、図1に示す第1実施例(請求項1に
対応)においては、図20と同じ構成に係る静電記録紙
の誘電層2にトナー4を定着して構成される複写物5の
複写面6に対し、合成樹脂のシート状の耐水性透明フイ
ルム7(例えば塩化ビニールフイルム)を被着するよう
にする。このフイルム7は紫外線防止フイルムが最適と
される。複写物5の複写面6に対するフイルム7の被着
は、図1の矢印に示すように手で行ってもよく、また図
2のようにそれぞれロール状に巻回された複写物5とフ
イルム7を一対の加圧ローラ8間で挟み、ローラ8の矢
印方向の回転により、両者を重合・密着させるようにし
てもよい(請求項2に対応)。こうして、フイルム7が
複写面6に密着された複写物5は、図2の拡大部分で示
すように、上方より基紙1、導電層3、誘電層2が積層
され、これにフイルム7が重合された状態となる。次
に、図3に示すように、重合された複写物5とフイルム
7から、再び複写物5を剥がすようにする。すると、複
写物5の基紙1(具体的には基紙1と導電層3)に対し
てフイルム7が剥がされることとなり、フイルム7の一
面側に図3の拡大部分に示すように、複写面6(誘電層
2)が転写された状態となる。この結果、フイルム7の
一面に複写面6を備えたポスターあるいは電飾フイルム
等が形成可能となる。フイルム7は複写面6が転写され
易いように予め、一面側に粘着剤を塗布しておくように
したり(請求項3に対応)、また帯電させるようにして
もよい。
【0030】上記実施例において、図2に示す加圧ロー
ラ8は内部に加熱装置を備え、複写物5とフイルム7の
密着を加圧・加熱状態で行うようにしてもよい(請求項
2に対応)。こうしてフイルム7に対し、複写物5が加
圧・加熱状態で密着されると、よりフイルム7に対する
複写面6の転写性を高めることが可能となり(特に冬場
の気温の低い時に良好)、またフイルム7の一面側に予
め粘着剤を塗布しておくと一層良好な転写が可能とな
る。特に、カラーの複写物にあっては、より鮮明できめ
細かいフイルムの製造を行うことができる。
【0031】次に、フイルム7に対し、複写面6を転写
する他の実施例を図4に基づき説明する。この実施例
(請求項4に対応)では、上記実施例と同様な方法で重
合・密着された複写物5とフイルム7に対し、図4に示
すように複写物5に対し水9の含浸を行うようにする。
これにより複写物5は基紙1および導電層3の部分に水
9が含浸された状態となり、耐水性を有するフイルム7
に対して剥がれ易い状態になる。すなわち、この状態で
図4の拡大部分に示す導電層3のバインダーおよび顔料
が水に溶解され、フイルム7から基紙1(具体的には基
紙1と誘電層2)部分が剥がされ易い状態となり、フイ
ルム7の一面側に複写面5(誘電層2)が転写されたポ
スターあるいは電飾フイルム等が形成されることとな
る。
【0032】こうして形成される製品としては、例えば
図5に示す電飾フイルム10があり、この電飾フイルム
10は耐水性透明フイルム7の裏面に複写面6が転写す
る状態で密着されるため、裏面側より照明11を当てる
ことで電飾看板を構成することが可能となる。さらに、
こうして形成される電飾フイルム10の裏面に図6に示
すように保護フイルムとしての両面粘着シート12を貼
着してもよい(請求項5、6に対応)。すなわち、両面
粘着シート12には図8に示すように基材13の両面に
粘着剤層14を塗布して構成され、該シート12をフイ
ルム7の裏面に貼着することで誘電層2にて構成される
複写面6が保護されることとなる。さらに、こうしてフ
イルム7に貼着した粘着シート12の他面側の粘着剤層
14を剥離フイルム15を剥がして(図8の一点鎖線参
照)、任意のガラスボード(不図示)に貼着してもよ
い。また、図8に示す両面粘着シート12の基材13を
白色にすると電飾フイルム10が鮮やかな色となって表
面側に創出させることが可能となる。なお、電飾フイル
ム10と粘着シート12の貼着は、図7に示すように両
者を一対の挟圧ローラ16間で挟圧することとすればよ
い。
【0033】このように上記実施例に係る複写物の加工
方法によれば、静電記録紙による複写物5を使用するこ
とによって、印刷用あるいは転写用の版をわざわざ製造
することもなく、低コストかつ短期間で広告用のポスタ
ーや電飾フイルムを容易に製造することができることと
なり、さらに複写機により、拡大複写あるいは既存の被
写体を複写することでより多機能な製品を創出すること
ができる。また、従来の転写法のように紙質の除去に薬
液を使用することもなく、誘電層2が基紙1にコーティ
ングされた導電層3から剥がれ易いという性質に着目し
て、水だけ、あるいは水なしでも簡単に紙質を剥離する
ことができ、排水処理のための特別な施設(薬液の処理
施設)も必要としないので環境面でも安全かつ低コスト
とされる。
【0034】次に、図9ないし図11に基づき、重合・
密着された複写物5とフイルム7から、自動的に基紙1
の部分を除去する過程を説明する(請求項7に対応)。
この基紙除去装置は、除去装置本体21の内部に水槽2
2を備えてなる(図10参照)。また水槽22には給水
槽30が隣接され、水槽22に対しては給水槽30から
供給管31を通じて水が供給され、水が貯溜されること
となる。この水槽22内には図1、図2に示す方法等に
より、重合・密着されたフイルム7および複写物5の重
合体17がロール状に収容される(図10参照)。
【0035】除去装置本体21のうち、水槽22の上方
位置には水槽22内に収容されるロール状の重合体17
のうち、基紙1部分(詳しくは基紙1および導電層3)
を巻き取る紙質巻き取りローラ23が架設される。ま
た、紙質巻き取りローラ23の上方位置には、重合体1
7のうち、フイルム7の部分を巻き取るフイルム巻き取
りローラ24が架設される。すなわち、本装置において
は、水槽22内において重合体17の基紙1の部分に水
が含浸され、この状態で各巻き取りローラ23、24の
うち、紙質巻き取りローラ23に剥離した基紙1の端部
を係着し、またフイルム巻き取りローラ24にフイルム
7の端部を係着することとしている(図11参照)。こ
の結果、各ローラ23、24の矢印方向の回転作動によ
り、重合体17は基紙1と複写面6を転写したフイルム
7とに分離され、それぞれ巻き取られることとなる。
【0036】フイルム巻き取りローラ24に巻き取られ
るフイルム7は、給水槽30に隣設される排水槽32の
上方に架設される誘導ローラ25およびテンションロー
ラ26と接触される。誘導ローラ25およびテンション
ローラ26に接触し、給送されるフイルム3に対する上
下各位置には、フイルム裏面水噴射管27およびフイル
ム表面水噴射管28が架設される。両噴射管27、28
には給送されるフイルム7に指向する水噴射ノズル29
が設けられ、給送されるフイルム7に対し、洗浄水を噴
出するようにしている。ノズル29は各噴射管27、2
8の長手方向において適宣間隔で設けられ(図9参
照)、複写面6(誘電層2)を転写してなる一面側およ
び他面側の全体を洗浄するととしている。こうして、フ
イルムの洗浄を行った水は排水槽32に向けて流下さ
れ、途中排水槽32の上方に配設されるフイルター33
により、紙質片等が除去されるようにしている。
【0037】この除去装置によれば、基紙1とフイルム
7をそれぞれ巻き取り、分離しながら、噴出水だけで洗
浄することができ、大きな設備によることなく自動的に
フイルム7から基紙を剥がすことができる。すなわち、
複写物5は導電層3の部分に水が含浸されることによ
り、導電層5の導電剤に混合されるバインダーや顔料が
水に溶け出すこととなり、この結果、重合体17から基
紙1および該導電層3が剥がれることとなる。したがっ
て、従来の転写法のように基紙の除去に薬液を使用する
こともなく、特別な水処理施設(薬液の処理施設)も要
らないため、安全かつ低コストでフイルムの洗浄が行え
ることとなる。またノズル29から噴射される水により
フイルム7側に残った導電層3を流し落とすことも可能
とされる。
【0038】次に、図12ないし図15に基づき、一面
側に複写面6を転写されたフイルム7に対し、バッキン
グ作業を行う過程を説明する。図9ないし図11に示す
除去装置あるいは図3、図4に示す方法により基紙1の
除去が行われたフイルム7は、まだ洗浄水等の水分が付
着された状態とされる。このため、このままの状態で乾
燥を十分に行わず、フイルム7の複写面6の転写された
部分に保護フイルムを被着したのでは、水泡や空気だま
りがフイルム内にできてしまうこととなり、従来のバッ
キングにおいては十分にフイルムを自然乾燥させた上で
作業を行っていた。
【0039】これに対し、図12および図13に示す装
置は、付着した水分の除去およびフイルム7に対する保
護フイルムの被着を、連続かつ自動的に行うことを可能
としたものである(請求項8に対応)。このバッキング
装置は、台状の装置本体41の両側部にロール支持部4
2を立設し、さらに装置本体41の手前側に熱風噴射用
パイプ43(熱風噴射体)が横架されるものである。こ
の熱風噴射用パイプ43には、装置本体41のフイルム
挿入面44に向けて熱風が噴射されるように噴射孔45
Aが備えられる。また、熱噴射用パイプ43には、一対
のロール支持部42の下方間に横架される挟着用ローラ
50に向けて熱風を噴射する噴射孔45Bも備えられる
(図13参照)。装置本体41には、ヒータおよび送風
ファンが組み込まれた熱風供給部46が内蔵され、上記
熱風噴射用パイプ43に熱風を供給可能としてなる。
【0040】一対のロール支持部42の上部間には、貼
着用フイルム送り出しロール47が回転自在に横架さ
れ、またその上部には剥離紙用巻き取りロール48が駆
動回転可能な状態で横架される(図13参照)。また、
貼着用フイルム送り出しロール47の下方で挟着用ロー
ラ50の上方位置には、分離用ローラ49が横架され
る。またフイルム挿入面44の中途部に横架される挟着
用ローラ50(給送体、フイルム被着手段)は上下一対
で構成され、駆動回転可能な状態で横架される。さら
に、挟着用ローラ50の送り出し方向にも上下一対の送
り出しローラ51が駆動回転可能な状態で横架される。
上記各ロールまたはローラの駆動回転は、不図示の電動
モータの駆動により行われる。
【0041】貼着用のフイルム送り出しロール47に予
め支持される貼着用フイルム(保護フイルム)は、紫外
線防止あるいは耐水性を有する合成樹脂シート材にて構
成され、フイルム挿入面44に向けて矢印方向(図1
3、図14、図15参照)に挿入されるフイルム7の複
写面6(上面側)に対し貼着され、複写面6を保護する
ものである。貼着用フイルムとしては例えば図8に示す
両面粘着シート12や片面粘着シート等があり、基材1
3の表裏面に貼着材14を塗布し、同貼着材14の部分
にさらに剥離紙15を貼着して構成される。
【0042】このような構成からなり、ロール47に支
持される貼着用フイルム12は、図14および図15に
示すように分離用ローラ49の部分で剥離紙15が剥が
され、剥がされた剥離紙15は剥離紙巻き取りロール4
8に巻き取られることとなる。一方、剥離紙15が除去
された貼着用フイルム12は、貼着材層14を下面に位
置させながら、一対の挟着のローラ50および送り出し
ローラ51に向けて給送され、挟着ローラ50の部分で
矢印方向に挿入されるフイルム7に対し貼着される。こ
の際、給送される貼着フイルム12は噴射孔45Bより
噴射される熱風により加熱される。また矢印方向に挿入
されるフイルム7も噴射孔45Aより噴射される熱風に
より加熱され、付着していた水分も除去されることとな
る。こうして、送り出しローラ51より送り出されるフ
イルム7には貼着フイルム12が貼着される状態でバッ
キング(裏打ち)が行われることとなり、複写面6(ト
ナー4を定着した誘電層2)を貼着フイルム12で保護
された高品質の電飾フイルム、ポスター等が製造可能と
なる。すなわち、このバッキング装置によれば、フイル
ム7は噴射孔45Aより噴射される熱風により水分が除
去され、同時にフイルム7に貼着される貼着フイルム1
2も噴射孔45Bより噴射される熱風にて加熱されるた
め、両フイルム間に水泡や空気だまりができたり、また
貼着後両フイルムの温度差により皺、反りなどの歪みが
発生することもない。こうして構成されるバッキングさ
れたフイルム7は、複写面6が保護され、下面の剥離紙
15を剥がす状態で使用可能とされる。なお、図12な
いし図15においては、バッキングする保護フイルムと
して両面あるいは片面に粘着材層を備えた粘着シートを
使用することとしているが、保護フイルムとしてはこう
した粘着シートによることなく、熱風により加熱・溶融
する合成樹脂シートを使用したり、挟着ローラ50にて
フイルム7に圧着可能なシートを使用してもよく、要は
フイルム7の複写面6を密着・保護可能なものであれば
よい(請求項9に対応)。
【0043】図16〜図18は、上記図9〜図11に示
す除去装置および図12〜図15に示すバッキング装置
を一体化したものであり、重合体17からの基紙1の除
去と複写面6に対する保護フイルム12の被着を連続し
て行うことを可能としたものである(請求項10に対
応)。この装置60は、内部の前方に水槽61を備え、
水槽61内にはローラ62が支持される。このローラ6
2にはフイルム7および複写物5の重合体17がロール
状に支持される。水槽61の上方前方位置には、ロール
状の重合体17のうち、基紙1の部分を巻き取る紙質巻
き取りローラ23が架設される。この巻き取りローラ2
3には、水槽61内に、配設されるローラ62に巻回さ
れる重合体17の全てが図17に示すように一旦全て巻
き取られるようにされる。すなわち、重合体17をこう
して巻き取りローラ23に巻き取ることで、ローラ62
に外装される重合体17を水槽61内で回転させること
が可能となり、これによりロール状に積層される重合体
17の基紙1部分に充分水を含浸させることができる。
【0044】上記のように基紙1の部分に水を含浸され
た重合体17は、再び水槽61内のローラ62に外装さ
れ、この状態で紙質巻き取りローラ23に重合体17よ
り剥離された基紙1の端部を係着させる。一方、基紙1
が剥離されたフイルム7は、各誘導ローラ63、64、
65に案内される状態で矢印方向に上方へ給送され、こ
のフイルム7の基紙1の剥離面に対しては水槽61の上
方に配設される回転ブラシ66が、回転接触される。ま
た一対の水噴射管27、28に配設される水噴射ノズル
29からは、フイルム7に向けて水が噴射され、これに
よりフイルム7の表裏両面が洗浄される(図16参
照)。水槽61よりオーバーフローされる水、あるいは
ノズル29から噴射された水は、排水管67より排水さ
れる。
【0045】こうして洗浄が行われ、複写面6を転写し
てなるフイルム7は、装置60の上方に配設される上下
一対の熱風噴射パイプ43より噴射される熱風により、
付着される水分が乾燥され、さらに該フイルム7は軟化
されることとなる。軟化されたフイルム7は、上下一対
の挟着用ローラ50(給送体、フイルム被着手段)へと
給送され、貼着用のフイルム送り出しロール47に支持
される貼着用フイルム(保護フイルム)が貼着される。
貼着用フイルムとしては、図8に示す両面粘着シート1
2や片面粘着シートが用いられ、該粘着シート12は分
離用ローラ49の部分で剥離紙15が剥がされる。剥が
された剥離紙15は剥離紙巻き取りロール48に巻き取
られることとなる。一方、剥離紙15が除去された貼着
用フイルム12は貼着材層を下面に位置させながら、一
対の挟着ローラ50間に給送されてフイルム7の複写面
6の転写面に対して貼着されることとなる。こうして貼
着用フイルム12が被着されたフイルム7は、順次装置
60の巻き取りロール68に巻き取られることとなり、
保護フイルム12でバッキング(裏打ち)された高品質
の電飾フイルム、ポスター等が製造可能となる。
【0046】この装置60は、図18に示すようにヒン
ジ69の部分を中心に水槽61の上部のカバー70が開
閉可能とされ、これによりローラ62へのフイルム7の
充填、回転ブラシ66の洗浄等、メンテナンスや交換作
業がし易いようにしている。その他の構成および作用は
前記除去装置およびバッキング装置と同様につき説明を
省略する。
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、静電記
録紙に対し、静電記録方式複写機によって複写して構成
する複写物を利用し、ポスターや電飾フイルムの製造を
容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る複写物の加工方法に係
り、フイルムを複写物の複写面に被着する状態を示す断
面図である。
【図2】複写物の複写面に加圧ローラを用いてフイルム
を被着する状態を示す断面図である。
【図3】複写物にフイルムを被着した状態において、基
紙を剥離する状態を示す側面図である。
【図4】フイルムを被着した複写物の基紙に水を含浸さ
せる状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る複写物の加工方法により製造され
る電飾フイルムを示す断面図である。
【図6】電飾フイルムの裏面に保護フイルムを貼着する
状態を示す斜視図である。
【図7】電飾フイルムに対し保護フイルムを貼着する状
態を示す断面図である。
【図8】電飾フイルムに対し保護フイルムとしての両面
粘着シートを貼着した状態を示す断面図である。
【図9】フイルムを被着した複写物の基紙の除去を行う
除去装置を示す斜視図である。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図である。
【図11】基紙の除去状態を示す図10と同様の断面図
である。
【図12】複写面を転写して構成されるフイルムにバッ
キングを行う装置の全体を示す斜視図である。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿う断面図
である。
【図14】図12に示す装置によりバッキングを行う状
態を示す斜視図である。
【図15】保護フイルムをバッキングする状態を示す図
13と同様の断面図である。
【図16】除去装置およびバッキング装置を一体化した
装置を示す断面図である。
【図17】図16に示す装置により、フイルムを被着し
た複写物の基紙に水を含浸する状態を示す断面図であ
る。
【図18】カバーを開けた状態を示す図16と同様の断
面図である。
【図19】本発明において使用される複写物の一例を示
す断面図である。
【図20】本発明において使用される他の複写物を示す
断面図である。
【図21】本発明において使用されるその他の複写物を
示す断面図である。
【符号の説明】 1 基紙 2 誘電層 3 導電層 4 トナー 5 複写物 6 複写面 7 フイルム 8 加圧ローラ 9 水 10 電飾フイルム 12 両面粘着シート(保護フイルム) 13 基材 14 貼着材層 15 剥離紙 21 除去装置本体 22、61 水槽 23 紙質巻き取りローラ 24 フイルム巻き取りローラ 25 誘導ローラ 27、28 水噴射管 29 水噴射ノズル 30 給水槽 31 供給管 32 排水槽 43 熱風噴射用パイプ 48 剥離紙巻き取りロール 50 挟着用ローラ(給送体、フイルム被着手段) 51 送り出しローラ 62 ローラ 63、64、65 誘導ローラ 66 回転ブラシ 67 排水管 68 巻き取りロール 69 ヒンジ 70 カバー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電処理した基紙の表面に、または導電
    材をコーティングしてなる基紙の表面に、誘電層を備え
    る静電記録紙の誘電層に、記録内容に対応する電荷を付
    与し、帯電させたトナーを誘電層の電荷の付与部分に付
    着させ、該トナーを誘電層に定着して複写面とする複写
    物の加工方法であって、 複写物の複写面に、透光性を有するフイルムを被着した
    後、該フイルムより複写物の基紙部分を剥離し、トナー
    を定着した誘電層からなる複写物の複写面をフイルムに
    転写して構成する複写物の加工方法。
  2. 【請求項2】 導電処理した基紙の表面に、または導電
    材をコーティングしてなる基紙の表面に、誘電層を備え
    る静電記録紙の誘電層に、記録内容に対応する電荷を付
    与し、帯電させたトナーを誘電層の電荷の付与部分に付
    着させ、該トナーを誘電層に定着して複写面とする複写
    物の加工方法であって、 複写物の複写面に、透光性を有するフイルムを加圧また
    は加熱もしくは加圧・加熱状態で被着した後、該フイル
    ムより複写物の基紙部分を剥離し、トナーを定着した誘
    電層からなる複写物の複写面をフイルムに転写して構成
    する複写物の加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、予めフイル
    ムの複写物の被着面に粘着剤を塗布し、複写物にフイル
    ムを被着して、トナーを定着した誘電層からなる複写面
    を粘着状態で該フイルムに転写する複写物の加工方法。
  4. 【請求項4】 導電処理した基紙の表面に、または導電
    材をコーティングしてなる基紙の表面に、誘電層を備え
    る静電記録紙の誘電層に、記録内容に対応する電荷を付
    与し、帯電させたトナーを誘電層の電荷の付与部分に付
    着させ、該トナーを誘電層に定着して複写面とする複写
    物の加工方法であって、 複写物の複写面に、透光性を有するフイルムを被着した
    後、複写物の基紙部分に水を含浸させ、複写物の基紙部
    分をフイルムから剥離し、トナーを定着した誘電層から
    なる複写物の複写面をフイルムに転写して構成する複写
    物の加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4において、紙質を剥離
    し、トナーを定着した誘電層からなる複写面を転写して
    構成されるフイルムの被転写面に保護フイルムを被着し
    て構成する複写物の加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、フイルムの被転写面
    に被着する保護フイルムは、両面に粘着剤を塗布して構
    成される粘着フイルムからなる複写物の加工方法。
  7. 【請求項7】 導電処理した基紙の表面に、または導電
    材をコーティングしてなる基紙の表面に、誘電層を備え
    る静電記録紙の誘電層に、記録内容に対応する電荷を付
    与し、帯電させたトナーを誘電層の電荷の付与部分に付
    着させ、該トナーを誘電層に定着して複写面とする複写
    物の加工方法において、複写物の複写面に、透光性を有
    する耐水性フイルムを被着した後、複写物の基紙部分に
    水を含浸させ、複写物の基紙部分をフイルムから剥離
    し、トナーを定着した誘電層からなる複写物の複写面を
    フイルムに転写して構成する複写物の加工装置であっ
    て、 フイルムを被着した複写物に水を含浸させる状態で収容
    する水槽と、 上記水槽の上方に架設され、水槽内に収容される複写物
    のうち、基紙部分を巻き取る紙質巻き取りローラと、 紙質巻き取りローラと対向する状態で架設され、フイル
    ムを被着した複写物のうち、フイルム部分を巻き取るフ
    イルム巻き取りローラと、 紙質巻き取りローラとフイルム巻き取りローラ間に配設
    され、フイルム巻き取りローラにより巻き取られ、一面
    にトナーを定着した誘電層からなる複写面を転写して構
    成されるフイルムの表面および裏面にそれぞれ洗浄水を
    噴射する噴射管と、 を備えてなる複写物の加工装置。
  8. 【請求項8】 導電処理した基紙の表面に、または導電
    材をコーティングしてなる基紙の表面に、誘電層を備え
    る静電記録紙の誘電層に、記録内容に対応する電荷を付
    与し、帯電させたトナーを誘電層の電荷の付与部分に付
    着させ、該トナーを誘電層に定着して複写面とする複写
    物の加工方法において、複写物の複写面に、透光性を有
    する耐水性フイルムを被着した後、複写物の基紙部分に
    水を含浸させ、複写物の基紙部分をフイルムから剥離
    し、トナーを定着した誘電層からなる複写物の複写面を
    フイルムに転写するとともに、フイルムの被転写面に保
    護フイルムを被着して構成する複写物の加工装置であっ
    て、 一面をトナーを定着した誘電層からなる複写物の複写面
    の被転写面とし、水洗浄の行われた耐水性フイルムを給
    送する給送体と、 該給送体に並設され、給送されるフイルムの被転写面に
    保護フイルムを被着するフイルム被着手段と、 フイルムまたはフイルムおよび保護フイルムのそれぞれ
    に向けて熱風を噴射する熱風噴射体と、 を備えてなる複写物の加工装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、フイルム被着手段
    は、熱風噴射体からの熱風の噴射により、乾燥され、軟
    化したフイルムとこれに被着される保護フイルムとを重
    合した状態で挟圧・一体化する一対の挟圧ローラからな
    る複写物の加工装置。
  10. 【請求項10】 導電処理した基紙の表面に、または導
    電材をコーティングしてなる基紙の表面に、誘電層を備
    える静電記録紙の誘電層に、記録内容に対応する電荷を
    付与し、帯電させたトナーを誘電層の電荷の付与部分に
    付着させ、該トナーを誘電層に定着して複写面とする複
    写物の加工方法において、複写物の複写面に、透光性を
    有する耐水性フイルムを被着した後、複写物の基紙部分
    に水を含浸させ、複写物の基紙部分をフイルムから剥離
    し、トナーを定着した誘電層からなる複写物の複写面を
    フイルムに転写して構成する複写物の加工装置であっ
    て、 フイルムを被着した複写物に水を含浸させる状態
    で収容する水槽と、 上記水槽の上方に架設され、水槽内に収容される複写物
    のうち、基紙部分を巻き取る紙質巻き取りローラと、 紙質巻き取りローラと対向する状態で架設され、フイル
    ムを被着した複写物のうち、フイルム部分を巻き取るフ
    イルム巻き取りローラと、 紙質巻き取りローラとフイルム巻き取りローラ間に配設
    され、フイルム巻き取りローラにより巻き取られ、一面
    にトナーを定着した誘電層からなる複写面を転写して構
    成されるフイルムの表面および裏面にそれぞれ洗浄水を
    噴射する噴射管と、 一面をトナーを定着した誘電層からなる複写物の複写面
    の被転写面とし、水洗浄の行われた耐水性フイルムを給
    送する給送体と、 該給送体に並設され、給送されるフイルムの被転写面に
    保護フイルムを被着するフイルム被着手段と、 フイルムまたはフイルムおよび保護フイルムのそれぞれ
    に向けて熱風を噴射する熱風噴射体と、 を備えてなる複写物の加工装置。
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