JPH0718076A - 気相重合膜および情報媒体 - Google Patents

気相重合膜および情報媒体

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JPH0718076A
JPH0718076A JP18730393A JP18730393A JPH0718076A JP H0718076 A JPH0718076 A JP H0718076A JP 18730393 A JP18730393 A JP 18730393A JP 18730393 A JP18730393 A JP 18730393A JP H0718076 A JPH0718076 A JP H0718076A
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JP
Japan
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film
vapor
phase
polymerized film
substrate
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JP18730393A
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English (en)
Inventor
Yuichi Kubota
悠一 久保田
Kunihiro Ueda
国博 上田
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐湿性や潤滑性、さらには耐溶剤性、場合に
よっては耐熱性の良好な気相重合膜を得る。 【構成】 好ましくはメチル基等のアルキル基を有する
環状ないし鎖状のシロキサン結合を1〜5個有する低分
子量シロキサン多量体を好ましくはプラズマCVDや熱
CVDにより低温ないし熱プラズマ重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気相重合膜と、この気相
重合膜を耐湿、潤滑膜、あるいは耐溶剤性膜、場合によ
っては耐熱性膜として有する情報媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】大容量情報担持媒体として光ディスクが
注目されている。光ディスクは、通常、光記録ディスク
と再生専用光ディスクに大きく分類される。光記録ディ
スクとしては、光磁気記録ディスク、相変化型ディスク
等の消去可能タイプ、あるいはピット形成型光記録ディ
スク等の追記タイプなどがあり、再生専用光ディスクと
しては、レーザーディスクやコンパクトディスクなどが
ある。これらの光ディスクは、基板上に記録層あるいは
情報担持層を有する構成となっている。
【0003】他方、磁気記録媒体として計算機等に用い
られる磁気ディスク駆動装置には、剛性基板上に磁性層
を塗設したハードタイプの磁気ディスクが用いられてい
る。このハードタイプの磁気ディスクは、磁性粉とバイ
ンダとを含有する磁性塗料を塗布して形成される塗布型
磁性層を有する塗布型磁気ディスクや、スパッタ法、め
っき法等により設層される連続薄膜型の磁性層を有する
薄膜型磁気ディスクが用いられている。
【0004】また、近年磁気テープはますます高密度化
しており、中でもCoを主体としNi等を添加した強磁
性金属薄膜を用いた磁気テープは、飽和磁束密度が大き
くしかも保磁力が高い。この型の磁気テープは、種々の
方法で製造されるが、特に優れた方法としては、非磁性
基体上に斜め蒸着法により強磁性金属薄膜を単層膜とし
て形成したり2層以上積層して多層構造としたりするこ
とが提案されている。
【0005】これらの各種情報媒体の非磁性基体として
は通常、樹脂が用いられるが、樹脂基体を通して水分や
空気が侵入し、記録層、磁性層等が腐食して記録・再生
時の反射率や電磁変換特性等が劣化する。また、このよ
うな腐食は記録層等の表面からも起こる。また、磁気記
録媒体をはじめ、これらの媒体のいくつかは、表面の潤
滑性が要求される。
【0006】従来、各種気相重合膜を、これら媒体のト
ップコート膜や、バックコート膜として適用する旨の提
案がなされている。しかし、従来の保護膜やトップコー
ト膜やバックコート膜では、水分や酸素等の遮断性と潤
滑性との点で不十分である。
【0007】また、色素塗膜を記録層とする記録媒体等
の情報媒体では、色素を溶剤に溶解させた塗液を調製
し、これを用いて基板上に色素塗膜に形成する方法が採
用されている。しかし、この場合、溶剤を選択するにあ
たり、色素の溶解性のみならず、基板材質をも考慮しな
ければならず、用いる溶剤に制限があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、耐湿性と潤滑性、ならびに耐溶剤性、さらに場合に
よっては耐熱性とに優れた気相重合膜と、この膜を耐湿
ないし潤滑膜として、あるいは基板の耐溶剤性を改良す
る耐溶剤膜として、さらに場合によっては耐熱性膜とし
て用いた情報媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)の本発明により達成される。 (1)低分子量シロキサン多量体を気相重合させたこと
を特徴とする気相重合膜。 (2)前記気相重合を熱CVDにより行なう上記(1)
に記載の気相重合膜。 (3)前記気相重合をプラズマCVDにより行なう上記
(1)に記載の気相重合膜。 (4)前記低分子量シロキサン多量体は、アルキル基を
有し、シロキサン結合を1〜5個有する環状ないし鎖状
のシロキサン多量体である上記(1)ないし(3)のい
ずれかに記載の気相重合膜。 (5)前記低分子量シロキサン多量体は、下記化3で表
される上記(4)に記載の気相重合膜。
【0010】
【化3】
【0011】(6)前記低分子量シロキサン多量体は、
下記化4で表される上記(4)に記載の気相重合膜。
【0012】
【化4】
【0013】(7)活性エネルギー線を照射し、活性化
した基板表面に形成した上記(1)ないし6のいずれか
に記載の気相重合膜。 (8)上記(1)ないし(7)のいずれかに記載された
気相重合膜を表面に有する情報媒体。 (9)強磁性金属薄膜を有する上記(8)に記載の情報
媒体。 (10)上記(1)ないし(7)のいずれかに記載され
た気相重合膜を樹脂製基板表面に形成し、その上に色素
塗膜を記録層として形成した情報媒体。
【0014】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0015】本発明の気相重合膜は、低分子量シロキサ
ン多量体を気相重合させたものである。ここで用いる低
分子量シロキサン多量体は、常温で液体であり、シロキ
サン結合を1〜5個有する環状ないし鎖状の化合物であ
る。この場合のシロキサン結合は、水素原子および/ま
たは炭素数1〜4のアルキル基、特に好ましくはメチル
基を有するものであってもよい。また、シロキサン多量
体は、縮合によって形成されたものであってもよく、ま
た場合によっては、水素結合等の分子間相互作用によっ
て多量体を形成するものであってもよい。
【0016】シロキサン多量体のなかでも、化3で表さ
れる環状化合物および化4で表される鎖状化合物が好適
である。特に、化3、化4において、シロキサン結合に
メチル基を有するものが好ましい。
【0017】化3、化4で表される化合物のうち、代表
的な化合物を沸点(bp)とともに以下に例示する。
【0018】化合物 (1)化3において、p=1、q=0、m=4(bp1
50℃程度) (2)化3において、p=1、q=1、m=4(bp1
75℃程度) (3)化4において、t=0(bp100.5℃程度) (4)化4において、r=1、s=1、t=1(bp1
53℃程度) (5)化4において、r=1、s=1、t=2(bp1
94℃程度) (6)化4において、r=1、s=1、t=3(bp2
29℃程度)
【0019】このような低分子量、低沸点のシロキサン
多量体を用いることにより、気相重合膜の成膜が容易と
なる。
【0020】このようなシロキサン多量体を用いて気相
重合膜を設層するには、熱CVD、プラズマCVD、に
よればよい。これにより、上記シリコーン化合物をモノ
マー原料として、熱プラズマ重合や低温プラズマ重合が
起き、重合体が形成される。
【0021】このときのプラズマ重合膜は公知の方法に
従い、前述の原料ガスの放電プラズマを基板や記録層に
接触させることにより重合膜を形成するものである。低
温プラズマ重合における動作圧力は0.1Pa〜10Pa程
度とする。また、電極配置、印加電流、処理時間等は通
常の条件とすればよい。なお、キャリアガスは必ずしも
用いなくてもよいが、O2 、Ar、N2 、He、H2
どを使用してもよい。プラズマ発生源としては、高周波
放電の他に、マイクロ波放電、直流放電、交流放電等い
ずれでも利用できる。また、重合膜の被着体(基板ない
し基材)は、通常加熱する必要はないが、多少加熱して
もよい。
【0022】また、熱プラズマ重合における基板温度は
50℃〜150℃、好ましくは80℃〜150℃とすれ
ばよく、動作圧力は1mmHg〜500mmHgとすればよい。
その他の条件は上記の低温プラズマ重合と同様にすれば
よい。
【0023】このような方法を採ることによって、重合
体を容易に形成することができ、量産に適し、いずれに
おいても低温で行なうことができることから、後述のよ
うに磁性層等の記録層上に保護膜等として成膜する場合
であっても媒体に与えるダメージが少ない。また、樹脂
基板に変形を与えることもない。
【0024】このような原料を用いて形成されるプラズ
マ重合膜の膜厚は、耐湿ないし潤滑膜とする場合、50
〜1000A 、より好ましくは400〜600A とする
のがよい。膜厚が減少すると本発明の実効がなく、また
膜厚が増加すると量産上不利である。そして膜厚を増加
させた場合、効果の向上は見られず、むしろ保護膜にク
ラックが生じやすく、水分の遮断性が低下してしまう。
【0025】また、樹脂基板の耐溶剤性を改善する目的
では、膜厚を50〜1000A 、好ましくは200〜6
00A とすればよく、このような範囲とすることによっ
て実効が得られる。
【0026】なお、膜厚の測定はエリプソメーター等を
用いればよい。このような膜厚の制御は、プラズマ重合
膜形成時の反応時間、原料ガス流量等を制限すればよ
い。
【0027】気相重合膜中のSi含有量は28〜60at
% 、好ましくは33〜55at% とすればよい。このよう
なSi含有量とすることによって、水分の侵入遮断効果
が得られる。これ以外の範囲では、膜の密度が低下し、
遮断効果が不十分となってくる。また、O含有量、C含
有量およびH含有量は、それぞれ、40〜72at% 、1
〜5at% および1〜5at% 程度とする。なお、膜中のS
i等の含有量の分析はSIMS(2次イオン質量分析)
やAES(オージェ分光分析)等に従えばよい。
【0028】また、本発明においては、プラズマ重合膜
を形成するに際し、被着体(基板ないし基材)表面に活
性エネルギー線を照射し、この活性化した表面にて重合
を行なってもよい。活性エネルギー線による処理には、
紫外線照射による処理、プラズマ処理などがある。これ
により重合の反応効率を向上できる。
【0029】このなかで、例えば、プラズマ処理は、発
生したラジカルを逃すことがないような所定の容器を用
いて行なえばよく、Ar、O2 、N2 、He、H2 等の
無機ガスを処理ガスとして用いる。すなわち、系内を1
-5Torrにまで排気した後、処理ガスにて置換し圧力を
0.1Pa〜5Paとし、プラズマ出力を50〜500W、
プラズマ周波数DC〜13.56MHz で、プラズマを発
生させる。また、このときに、基材にバイアス電圧を印
加することにより、ラジカル発生の効率が良化し、さら
に効果が増大する。プラズマ処理時間は5〜10分程度
で行なう。
【0030】このようなプラズマ処理によって、基板表
面における活性点の数は1013〜1018個/cm2 、好ま
しくは1015〜1018個/cm3 となる。
【0031】そして、このように活性化した基材表面
に、前記シロキサン多量体を導入して熱CVD、プラズ
マCVDにより重合すればよい。この場合、減圧モノマ
ーをベーキングシステム(液体供給装置)より導入する
か、ディップによるか、または注入口より液体をシリン
ダーより供給するかすればよい。
【0032】このような方法によっても、前記と同様の
膜厚の重合膜を得ることができる。
【0033】なお、本発明において、高分子量ポリシロ
キサンSi系プラズマ重合膜の形成が期待できるとき
は、この重合膜の形成により被着体(基板ないし基材)
表面の耐熱性が向上するという効果も得られる。
【0034】本発明の情報媒体の第1の例である光媒体
のうち光記録媒体は、例えば光磁気記録ディスク、相変
化型の光磁気ディスク、ピット形成型の光記録ディスク
等である。ここでは光記録ディスクの好適例として光磁
気記録ディスクを例に挙げて説明する。
【0035】光磁気記録ディスクは基板表面上に中間
層、記録層および保護コートを順次有する。その記録・
再生に際しては、通常、基板側からレーザビーム等を照
射する。このため、用いる基板は、透明なもの、例えば
ガラスや樹脂等から構成される。このような場合、ディ
スクの軽量化や、トラッキング用のグルーブやピット形
成の容易さの点から、従来光磁気記録ディスクの基板と
しては樹脂性の基板が用いられており、特に光学特性に
優れたポリメチルメタクリレートとポリカーボネート
(PC)、さらにはアモルファスポリオレフィン(AP
O)が使用されている。なかでも、コスト、成型性、光
学特性よりポリカーボネートが多用されている。
【0036】基板上に設けられる中間層は、C/N比を
向上させるために設けられ、各種誘電体物質から形成さ
れることが好ましい。
【0037】記録層は、変調された熱ビームあるいは変
調された磁界により、情報が磁気的に記録されるもので
あり、記録情報は磁気−光変換して再生されるものであ
る。記録層は、光磁気記録が行なえるものであればその
材質に特に制限はないが、希土類金属元素を含有する合
金、特に希土類金属と遷移金属との合金を、スパッタ、
蒸着、イオンプレーティング等、特にスパッタにより、
非晶質膜として形成したものであることが好ましい。希
土類金属としては、Tb、Dy、Nd、Gd、Sm、C
eのうちの1種以上を用いることが好ましい。遷移金属
としては、FeおよびCoが好ましい。この場合、Fe
とCoの総含有量は、65〜85at% であることが好ま
しい。そして、残部は実質的に希土類金属である。
【0038】このような記録層と中間層の積層体の上下
には保護層が設けられていてもよい。また、反射層を設
けてもよい。記録層側の表面には紫外線硬化樹脂等の保
護コートが設層されることが好ましい。
【0039】本発明では、このような媒体の基板裏面側
に耐湿層として低分子量シリコーンオイルの気相重合膜
を設けるが、記録層側に対しても、保護コート層上に、
あるいは保護コートにかえて、耐湿膜を兼ね、磁気ヘッ
ド摺動の際の潤滑膜として、この気相重合膜を設けても
よい。
【0040】また、記録用ミニディスクシステム等で採
用されるように効率のよい磁界変調オーバーライト方式
においては、旧信号上に新信号を記録するため低消費電
力で100ナノ秒程度で磁界反転させる磁気記録ヘッド
を光磁気記録層側の保護コートないし保護膜と直接摺動
させる必要がある。その際に多数回安定に磁界変調記録
を可能とするためにもSi重合膜で形成された保護コー
トないし保護膜、さらには潤滑膜を設けることが好まし
い。
【0041】本発明は、この他、いわゆる相変化型等の
記録層を有し、反射率変化により記録・再生を行なう光
記録ディスクにも適用することができる。さらには、色
素の塗布膜等を記録層とし、この上に空隙を設けて内封
したり、色素層上に反射層を密着して積層した光記録デ
ィスクであってもよい。また、再生専用ディスクであっ
てもよい。
【0042】このような色素塗膜を形成するに際して
は、樹脂基板表面に前記気相重合膜を設けることによっ
て、耐溶剤性を付与することができ、溶剤の選択の巾が
広がる。
【0043】本発明の情報媒体の第2の例は、磁気記録
媒体であって、例えば磁気テープ、ハードタイプの磁気
ディスク等である。ここでは、磁気記録媒体の好適適用
例として強磁性金属薄膜を用いた磁気テープを例に挙げ
て説明する。
【0044】用いる非磁性基体の材質には特に制限はな
く強磁性金属薄膜蒸着時の熱に耐える樹脂フィルム、例
えばポリエチレンテレフタレートや特開昭63−103
15号公報に記載の各種材料が使用可能である。
【0045】磁性層は、Coを主成分とし、斜め蒸着法
により形成される1層または2層以上の強磁性金属薄膜
から構成されることが好ましい。そして、このような磁
性層において本発明の効果が大きくなる。斜め蒸着法
は、例えば、供給ロールから繰り出された長尺フィルム
状の非磁性基体を回転する冷却ドラムの表面に添わせて
送りながら、一個以上の定置金属源から斜め蒸着をし、
巻き取りロールに巻き取るものである。磁性層を構成す
る各強磁性金属薄膜は、Niを含有するCo−Ni合金
であることが好ましく、特にモル比でCoを約80%以
上、Niを20%以下含有する合金が好適である。必要
に応じて少量の酸素を各層の表面層に含有させたり、こ
のほか非磁性層を介在させたりして、耐食性等を向上さ
せることができる。
【0046】そして、このような媒体のバックコート膜
および/またはトップコート膜として、低分子量シロキ
サン多量体の気相重合膜を用いる。
【0047】なお、本発明の気相重合膜は、被着面をプ
ラズマ処理した後に成膜することが好ましい。
【0048】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0049】実施例1 ポリカーボネート製の光磁気記録ディスクの基板の記録
層形成側裏面および周面に、化3(m=4)の低分子量
シロキサン多量体:化合物(1)をプラズマCVDによ
りプラズマ重合させて、500nmの層厚に設層した。こ
のときの低温プラズマ重合条件は、流量10SCCM、動作
圧力0.05Torr、プラズマ出力50W、プラズマ周波
数100kHz とした。キャリアガスはO2 とした。
【0050】なお、プラズマ重合膜の膜厚はエリプソメ
ータにて測定した。また膜中のSi含有量は35at% 、
O含有量は65at% であった。
【0051】次いで、この基板上に、ガラス層、SiN
x中間層、Tb23Fe72Co5 の組成の記録層およびガ
ラス層を設層し、この上に紫外線硬化樹脂を用いて保護
コートを設層した。この光磁気記録ディスクをサンプル
No. 1とする。
【0052】またこれとは別に、低温プラズマ重合膜を
設けないほかは全く同一のサンプルNo. 2を作製した。
【0053】これらサンプルにつき、80℃、相対湿度
80%にて96時間保存して、エラーレートを測定した
ところ、エラーレートが10倍増加する時間はサンプル
No.1はサンプルNo. 2の3倍増加した。
【0054】また、保護コート上に上記プラズマ重合膜
を設層したところ、μは0.25で、良好な潤滑性を示
した。
【0055】上記サンプルNo. 1において、低温プラズ
マ重合膜のかわりに、熱CVDにより熱プラズマ重合膜
を設層するほかは、同様にしてサンプルNo. 3を作製し
た。このときの熱プラズマ重合条件は、上記の低温プラ
ズマ重合条件において、動作圧力を200mmHg、基板
(保護コート設層前のもの)温度を85℃とするほかは
同様のものとした。
【0056】このサンプルNo. 3においても、サンプル
No. 1と同等の良好な結果を示した。
【0057】実施例2 供給ロールから厚さ7μm のポリエチレンテレフタレー
トフィルムを繰り出して、回転する円筒状冷却ドラムの
周囲に添わせて移動させ、0.05Torrの動作圧力で化
4のシロキサン多量体:化合物(3)を用いてプラズマ
CVDにより低温プラズマ重合を行ない、バックコート
層を形成した。このときの低温プラズマ重合条件は、流
量100SCCM、プラズマ出力50W 、プラズマ周波数1
00kHzとした。
【0058】得られたバックコート層の膜厚は400A
であった。なお、プラズマ重合膜の膜厚はエリプソメー
ターにて測定した。また、膜中におけるSi含有量は4
0at% であり、O含有量は60at% であった。
【0059】次いで、バックコートを形成したポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルムを、10-4Paの
Ar雰囲気で、供給ロールから繰り出して、回転する円
筒状冷却ドラムの周囲に添わさせて移動させ20at% N
i−Co合金を斜め蒸着して強磁性金属薄膜を形成し、
巻き取りロールに巻き取った。次いで、この巻き取りロ
ールを供給ロールとし、PETフィルム表面の法線方向
を挟んで上記斜め蒸着時の入射方向と交差する入射方向
にて強磁性金属を斜め蒸着して、2層構成の磁性層を設
層した。
【0060】さらに、磁性層上に、上記と同一の低温プ
ラズマ重合を行ない、トップコート膜を形成した。ただ
し、トップコート膜の膜厚は100A とした。これを磁
気記録媒体サンプルNo. 11とする。
【0061】一方、比較のため、サンプルNo. 11にお
いて、バックコート層およびトップコート膜をテトラメ
トキシシランおよびテトラフッ化エチレンの各々とした
ほかは同様にして、サンプルNo. 12、13を得た。
【0062】これらの磁気記録媒体サンプルNo. 11〜
No. 13を、8mmビデオデッキ(ソニー社製S900)
に装填し、下記の評価を行なった。
【0063】(1)△φm 80℃、90%RHにて1週間保存後の最大磁束密度φ
mを測定し、初期のφmに対する増加分を求めた。
【0064】(2)走行摩擦経時変化 40℃、60%RHにて全長500回走行させたときの
動摩擦係数μを測定し、初期のμに対する増加率を求め
た。なお、500回走行に至らず、走行停止したものは
停止までの回数を記した。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1から本発明の効果は明らかである。
【0067】上記サンプルNo. 11において、低温プラ
ズマ重合膜のかわりに、熱CVDにより熱プラズマ重合
膜を設層するほかは、同様にしてサンプルNo. 14を作
製した。このときの熱プラズマ重合条件は、上記のプラ
ズマ重合条件において、動作圧力を180mmHg、フィル
ム基材(バックッコート設層前の基材、トップコート膜
設層前のもの)温度を80℃とするほかは同様のものと
した。
【0068】このサンプルNo. 14においても、サンプ
ルNo. 11と同等の良好な結果を示した。
【0069】なお、サンプルNo. 11において、トップ
コート膜を形成する前のサンプルを何個か用意し、これ
らのサンプルについて水蒸気透過度[g/m2/d:d=膜厚
(μm )]および酸素(dry)透過度[ml/m2/d]を
測定した。
【0070】水蒸気透過度は、40℃、80%RHの条
件下で、JISZ020812に従って測定した。ま
た、酸素透過度は、30℃の条件下で、全自動ガス透過
度ラスターL100−400Z(DR Lyssy製)
を使用して測定した。
【0071】上記のサンプルの水蒸気透過度は0.25
〜0.5g/m2・dの範囲内にあり、一方、酸素透過度は5
〜7ml/m2・d の範囲内にあった。これに対し、バックコ
ート層を全く設層しないサンプルでは水蒸気透過度が5
0g/m2・dであり、酸素透過度が1700ml/m2・d であ
り、バックコート層を設けることによって耐湿性等が改
善されることが確認された。
【0072】実施例3 スパイラル状の連続グルーブが形成された直径120m
m、厚さ1.2mmのポリカーボネート樹脂基板を射出成
形により作った。このときのグルーブは、深さ1600
A 、幅0.45μm 、ピッチ1.6μm で形成した。
【0073】この基板に、Arガスを用い、0.05To
rr、RF100W 、周波数100kHz の条件下で、プラ
ズマ処理を行なって活性化し、その後化4のシロキサン
多量体:化合物(3)を導入してプラズマCVDにより
低温プラズマ重合膜を基板表面に形成した。このときの
膜厚は400A とした。
【0074】このときの低温プラズマ重合条件は流量5
0SCCM、動作圧力1Pa、プラズマ出力100W 、プラズ
マ周波数100kHz とし、キャリアガスは用いないもの
とした。
【0075】このように、表面を被覆した基板上に、シ
アニン色素の10wt% シクロヘキサノン溶液を用いてス
ピンコート法により1500A の膜厚(乾燥膜厚)の色
素膜を設層した。これをサンプルNo. 31とする。
【0076】また、サンプルNo. 31において、被覆し
ない樹脂基板を用いるほかは、同様にしてサンプルNo.
32を作製した。
【0077】サンプルNo. 31では、スピンコートの際
の基板の耐溶剤性が十分であったのに対し、サンプルN
o. 32ではポリカーボネート基板にスピンコート法に
より色素膜を形成する過程でシクロヘキサノンに基板が
溶解し色素膜の塗布が不可能となった。
【0078】
【発明の効果】本発明の低分子量シロキサン多量体の気
相重合膜は、きわめて高い耐湿性と潤滑性とを示す。さ
らには、特にポリカーボネート製樹脂基板に対する耐溶
剤性も十分である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子量シロキサン多量体を気相重合さ
    せたことを特徴とする気相重合膜。
  2. 【請求項2】 前記気相重合を熱CVDにより行なう請
    求項1に記載の気相重合膜。
  3. 【請求項3】 前記気相重合をプラズマCVDにより行
    なう請求項1に記載の気相重合膜。
  4. 【請求項4】 前記低分子量シロキサン多量体は、アル
    キル基を有し、シロキサン結合を1〜5個有する環状な
    いし鎖状のシロキサン多量体である請求項1ないし3の
    いずれかに記載の気相重合膜。
  5. 【請求項5】 前記低分子量シロキサン多量体は、下記
    化1で表される請求項4に記載の気相重合膜。 【化1】
  6. 【請求項6】 前記低分子量シロキサン多量体は、下記
    化2で表される請求項4に記載の気相重合膜。 【化2】
  7. 【請求項7】 活性エネルギー線を照射し、活性化した
    基板表面に形成した請求項1ないし6のいずれかに記載
    の気相重合膜。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載され
    た気相重合膜を表面に有する情報媒体。
  9. 【請求項9】 強磁性金属薄膜を有する請求項8に記載
    の情報媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし7のいずれかに記載さ
    れた気相重合膜を樹脂製基板表面に形成し、その上に色
    素塗膜を記録層として形成した情報媒体。
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