JPH07179477A - 2,5−反応性置換基含有シロール及びその製造方法 - Google Patents

2,5−反応性置換基含有シロール及びその製造方法

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JPH07179477A
JPH07179477A JP34521493A JP34521493A JPH07179477A JP H07179477 A JPH07179477 A JP H07179477A JP 34521493 A JP34521493 A JP 34521493A JP 34521493 A JP34521493 A JP 34521493A JP H07179477 A JPH07179477 A JP H07179477A
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Kohei Tamao
皓平 玉尾
Shigehiro Yamaguchi
茂弘 山口
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R乃至Rは同種又は異種の炭素数1〜12
の一価炭化水素基又は水素原子を示し、R及びR
は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ
素、ゲルマニウム、錫もしくはリンから選択される基、
又はハロゲン原子であり、RとRは、互いに同一で
あっても、異なっていてもよい。)で示される2,5−
反応性置換基含有シロール。 【効果】 本発明の式(1)のシロールは、光機能材料
及びこれを合成するための原料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線領域から可視光
領域に光吸収帯を有する新しいπ電子共役系有機化合物
である2,5−反応性置換基含有シロール及びその中間
体並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
π電子共役系有機ポリマーの例としてはポリアセチレン
やポリチオフェン、ポリピロールなど安定性のかなり高
いポリマーが報告されており、有機導電性物質などへの
展開が検討されている。近年ではホモポリマー以外にも
チオフェンとピロールとの組み合わせによるなど、共重
合体も各種合成され、電子の分子内供与・受容構造の寄
与などによりその特異な光吸収スペクトルから新たな機
能性材料に成り得るとして注目されている。
【0003】一方、シロール骨格は電子供与体としても
電子受容体としても働きうる構造からポリマー化への展
開が研究されており、本発明者らも先にシロール骨格と
チエニレン骨格の共重合体について出願しているように
(特願平4−196609号)、極めて特異な光吸収特
性を示し光学機能材料への応用が期待できるポリマーが
合成できる。この場合、2,5−位で結合したポリシロ
ールは理論的な計算によれば非線形光学特性に優れたポ
リマーとなる可能性をBartonらは示し、またFr
apperらはバンドギャップが極めて小さく導電性材
料として可能性の高いことを報告している。しかしなが
ら、シロール化合物の2,5−位に反応性に富む基を導
入することは従来知られていた方法では困難であり、こ
れまで2,5−反応性置換基含有シロールの合成方法に
関しては十分な研究は行われていなかった。わずかに、
Wrackmeyerらにより(Chem,Com
m.,86,397)ビス(2−スタニルエチニル)シ
ランとボランの反応により3位にホウ素置換基をもつシ
ロールの合成が報告されているにすぎない。
【0004】従って、本発明の目的は、かかる2,5−
反応性置換基含有シロール及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般
式(3)で示されるシラン化合物にアルカリ金属又はア
ルカリ金属錯体(M)を反応させることにより得られる
下記一般式(2)の中間体に対し、R5X,R6Xを反応
させることによって、下記一般式(1)で示され、2,
5−位が一価炭化水素基で置換された硫黄、セレン、ゲ
ルマニウム、錫及びリンから選ばれる基又はハロゲン原
子である2,5−反応性置換基含有シロールが得られる
ことを見い出すと共に、この2,5−反応性置換基含有
シロールが、導電性有機材料、非線形光学材料、光応答
性材料等の光機能材料或いはかかる光機能性材料を得る
ための他のπ共役系ポリマーもしくはそのモノマーとの
共重合体用原料として有用であることを知見し、本発明
をなすに至ったものである。
【0006】
【化5】 (式中、R1乃至R4は同種又は異種の炭素数1〜12の
一価炭化水素基又は水素原子を示し、R5及びR6は、一
価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ素、ゲルマ
ニウムもしくはリンから選択される基、又はハロゲン原
子であり、R5とR6は、互いに同一であっても、異なっ
ていてもよい。また、Mはアルカリ金属又はアルカリ金
属錯体を示し、Xはハロゲン原子を示す。なお、R5
とR6Xとは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。)
【0007】従って、本発明は、上記式(1)の2,5
−反応性置換基含有シロール、その中間体である式
(2)の2,5−反応性置換基含有シロール、式(2)
のシロールにR5XとR6Xを反応させる式(1)のシロ
ールの製造方法、及び式(3)のシラン化合物にアルカ
リ金属又はアルカリ金属錯体を反応させる式(2)のシ
ロールの製造方法を提供する。更に、式(3)のシラン
化合物にアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反応さ
せ、得られた反応混合物にR5X,R6Xを反応させる式
(1)のシロールの製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の2,5−反応性置換基含有シロールは、下
記一般式(1)で示されるものである。
【0009】
【化6】 (式中、R1乃至R4は同種又は異種の炭素数1〜12の
一価炭化水素基又は水素原子を示し、R5及びR6は、一
価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ素、ゲルマ
ニウムもしくはリンから選択される基、又はハロゲン原
子であり、R5とR6は、互いに同一であっても、異なっ
ていてもよい。)
【0010】ここで、R1〜R4は上述した通りである
が、特に炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数が6〜
10のアリール基、炭素数が7〜12のアラルキル基で
あることが好ましく、具体的にはメチル、エチル、プロ
ピル等のアルキル基、フェニル、トリル、キシリル等の
アリール基、ベンジル、フェネチルなどのアラルキル基
を挙げることができる。この場合、R3,R4は特に炭素
数6〜10のアリール基であることが好ましい。
【0011】また、R5,R6も上記の通りであるが、具
体的には、トリメチルシリル基、トリブチルシリル基、
フェニルジメチルシリル基などのR789Siで示さ
れる置換シリル基、トリエチルゲルミル基などのR78
9Geで示される置換ゲルミル基、トリメチルスタニ
ル基、トリブチルスタニル基、フェニルジメチルスタニ
ル基などのR789Snで示される置換スタニル基、
エチルセレネニル基、ブチルセレネニル基、フェニルセ
レネニル基などのR7Seで示される置換セレネニル
基、ジフェニルホスフィノ基などのR78Pで示される
置換ホスフィノ基、或いは塩素、臭素、ヨウ素などのハ
ロゲン原子が挙げられる。なお、R7,R8,R9は同種
又は異種の炭素数1〜12の一価炭化水素基、好ましく
は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。
【0012】上記式(1)の2,5−反応性置換基含有
シロールを得る場合は、まず下記一般式(3)のビスエ
チニルシランとアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反
応させ、得られた反応混合物にR5X,R6Xのハロゲン
化物を反応させる方法が採用される。
【0013】
【化7】 (式中、R1〜R4は上記と同様の意味を示す。)
【0014】この場合、アルカリ金属又はアルカリ金属
錯体としては、Li,Na,K、或いはこれら金属にナ
フタレンなどのような縮合芳香族化合物や4,4′−ビ
ス(tert−ブチル)ビフェニルのような置換縮合芳
香族化合物、1−ジメチルアミノナフタレン、液体アン
モニアなどのようなアミン類を添加して得られる錯体が
挙げられるが、中でもリチウムナフタリドが好ましく用
いられる。
【0015】上記式(3)のシランとアルカリ金属又は
アルカリ金属錯体の反応は、前者1モルに対し、後者2
〜10モル、より好ましくは2.5〜4モル程度とする
ことが好ましく、アルカリ金属又はアルカリ金属錯体を
過剰に用いることで副反応が抑制される。また、反応温
度は−76℃〜室温、より好ましくは−40〜0℃であ
り、反応時間は通常0.5〜8時間である。
【0016】なお、上記反応には溶媒を用いることが好
ましいが、この溶媒としては式(3)のシランを溶解し
得るものであればいずれのものでもよく、例えばTH
F,DMEなどの非プロトン性の極性溶媒が好適に用い
られる。溶媒の使用量は、通常使用したシランの容量の
2倍〜100倍程度使用する。
【0017】本発明の式(1)の化合物は、上記のよう
にして得られる、式(1)のシランとアルカリ金属又は
アルカリ金属錯体との反応混合物にR5X,R6
(R5,R6は上記と同様の意味を示し、Xはハロゲン原
子である。)で示されるハロゲン化物を反応させること
により合成することができるが、ここで使用されるR5
X,R6Xのハロゲン化物としては、XがCl又はBr
である塩化物又は臭化物が反応性、取扱いの容易さから
好ましい。この場合、式(1)において、R5,R6がハ
ロゲン原子である化合物を得るに際しては、R5X,R6
Xとしてハロゲン単体を用いても、ピリジニウムハイド
ロブロマイドパーブロマイド、ピリジニウムハイドロク
ロライドパークロライドなどのアミンハロゲン化水素塩
とハロゲンの錯体を用いてもよい。なお、R5X,R6
は互に同一でも異なっていてもよい。即ち、式(1)に
おいて、R5とR6が同一である化合物を得る場合はR5
X,R6Xとして互に同一の化合物、即ち1種のハロゲ
ン化物を使用する。
【0018】上記R5X,R6Xの合計使用量は、式
(3)のシラン1モルに対して2〜10モル、より好ま
しくは2〜4モルであることが望ましい。また、その反
応温度は−78℃〜室温であるがことが好ましく、反応
時間は通常1時間〜8時間である。
【0019】ここで、上記式(3)のシランとアルカリ
金属又はアルカリ金属誘導体との反応混合物は、そのま
まR5X,R6Xとの反応に供されるが、この反応混合物
中には下記式(2)で示される中間体の2,5−反応性
置換基含有シロールが含有され、これがR5X,R6Xと
反応して下記のように式(1)の目的物質が合成される
ものである。なお、この式(2)の中間体とR5X,R6
Xとの反応はほぼ化学量論的に進行する。
【0020】
【化8】
【0021】本発明の式(1)のシロールは、2,5位
が一価炭化水素基置換S,Se,Si,Ge,Sn,P
原子又はハロゲン原子で置換され、反応性に富むもので
あり、例えばR5,R6が臭素であるシロールと(フェニ
ルエチニル)トリメチル錫をパラジウム触媒下にカップ
リング反応させることにより、2,5位がフェニルエチ
ニル基で置換されたシロールを得ることができ、また
(2−チエニル)トリブチル錫をパラジウム触媒下にカ
ップリング反応させることにより、2,5位がチエニル
基で置換されたシロールを製造することができる。この
ように、特に機能性材料として知られる他のπ共役系ポ
リマー或いはその原料と共重合体を形成することがで
き、本発明のシロールは特異なπ電子系を示すため、光
電子機能材料を合成する原料として有用である。特に、
加工性に優れた導電性有機材料、非線形光学材料、光応
答性材料等の光機能材料を合成する原料として好適であ
る。
【0022】
【発明の効果】本発明の式(1)のシロールは、光機能
材料及びこれを合成するための原料として有用であり、
また式(2)のシロールがこの式(1)のシロールの合
成中間体として有用であり、本発明の製造方法は、かか
る式(1),(2)のシロールを確実に好収率で製造し
得る。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。
【0024】〔実施例1〕まず、乾燥したTHF5ml
中にて室温、アルゴン気流下、ナフタレン256mg
(2mmol)とリチウム14mg(2mmol)とを
3時間撹拌することにより、リチウムナフタニド270
mgを調製した。得られたリチウムナフタニドのTHF
溶液にジメチルジ(フェニルエチニル)シラン130m
g(0.5mmol)を室温下に滴下し、15分間混合
して、2,5−ジリチオ−1,1−ジメチル−3,4−
ジフェニルシロールとリチウムナフタレニドとの混合物
のTHF溶液(I)4.8gを得た。
【0025】次に、この混合物(I)4.8g(2,5
−ジリチオ−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシ
ロールとして0.5mmolに相当する)にトリメチル
シリルクロライド217mg(2mmol)を添加し、
室温下で1時間撹拌し、その後減圧下に濃縮した。反応
混合物を液体クロマトグラフで精製し、下記性状及び分
析値を有する2,5−ビス(トリメチルシリル)−1,
1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール175mg
を得た(収率86%)。 性状:白色結晶、融点100℃ 元素分析値:C2434Si3 理論値 C 70.86%、H 8.42% 実測値 C 70.93%、H 8.61%1 HNMR: δ −0.16(s,18H) 0.40(s,6H) 6.8〜6.87(m,4H) 6.98〜7.07(m,6H)13 CNMR: δ −2.86 0.66 125.90 128.69 142.84 144.73 168.63
【0026】〔実施例2〕実施例1において、ジメチル
ジ(フェニルエチニル)シランの代りにジイソプロピル
ジ(フェニルエチニル)シラン159mgを用いる以外
は同様にして、2,5−ジリチオ−1,1−ジイソプロ
ピル−3,4−ジフェニルシロールとリチウムナフタレ
ニドとの混合物(II)4.86gを得た。
【0027】以下、この混合物(II)を使用し、実施例
1と同様に操作して、下記性状及び分析値を有する2,
5−ビス(トリメチルシリル)−1,1−ジイソプロピ
ル−3,4−ジフェニルシロールを73%の収率で得
た。 性状:白色結晶、融点107℃ 元素分析値:C2842Si3 理論値 C 72.65%、H 9.14% 実測値 C 72.68%、H 9.28%1 HNMR: δ −0.16(s,18H) 1.16(d,J=7.4Hz,12H) 1.46(sep,J=7.4Hz) 6.75〜6.84(m,4H) 6.96〜7.06(m,6H)13 CNMR: δ 1.11 11.80 18.34 126.03 126.85 129.10 140.75 143.37 171.86
【0028】〔実施例3〕実施例1において、ジメチル
ジ(フェニルエチニル)シランの代りにジヘキシルジ
(フェニルエチニル)シラン200mgを用いる以外は
同様にして、2,5−ジリチオ−1,1−ジヘキシル−
3,4−ジフェニルシロールとリチウムナフタレニドと
の混合物(III)4.90gを得た。
【0029】以下、この混合物(III)を使用し、実施例
1と同様に操作して、下記性状及び分析値を有する2,
5−ビス(トリメチルシリル)−1,1−ジヘキシル−
3,4−ジフェニルシロールを86%の収率で得た。 性状:白色結晶、融点81℃ 元素分析値:C3454Si3 理論値 C 74.65%、H 9.95% 実測値 C 74.60%、H 9.88%1 HNMR: δ −0.16(s,18H) 0.86〜1.02(m,10H) 1.24〜1.44(m,16H) 6.78〜6.85(m,4H) 6.97〜7.07(m,6H)13 CNMR: δ 0.66 13.64 14.18 22.70 23.91 31.68 33.18 125.93 126.85 128.80 142.77 143.08 170.55
【0030】〔実施例4〕実施例3において、トリメチ
ルシリルクロライドの代りにトリブチルスタニルクロリ
ド0.54ml(2mmol)を用い、これを混合物
(III)と反応させた以外は実施例3と同様にして、下記
性状及び分析値を有する2,5−ビス(トリブチルスタ
ニル)−1,1−ジヘキシル−3,4−ジフェニルシロ
ールを49%の収率で得た。 性状:無色粘稠オイル 元素分析値:C5290SiSn2 理論値 C 63.68%、H 9.25% 実測値 C 63.48%、H 9.40%1 HNMR: δ 0.51〜0.66(m,12H) 0.76〜0.94(m,28H) 1.10〜1.46(m,40H) 6.84〜6.91(m,4H) 6.98〜7.06(m,6H)13 CNMR: δ 10.49 13.23 13.60 14.16 22.68 24.25 27.48 29.25 31.78 33.41 125.95 127.06 128.43 145.14 147.91 169.80
【0031】〔実施例5〕実施例1において、トリメチ
ルシリルクロライドの代りにフェニルセレニルクロリド
401mg(2.1mmol)を用い、これを混合物
(I)と反応させた以外は実施例1と同様にして、下記
性状及び分析値を有する1,1−ジメチル−3,4−ジ
フェニル−2,5−ジ(フェニルセレニル)シロールを
74%の収率で得た。 性状:黄色結晶、融点121℃ 元素分析値:C3026SiSe2 理論値 C 62.94%、H 4.58% 実測値 C 63.15%、H 4.67%1 HNMR: δ −0.33(s,6H) 6.99〜7.06(m,4H) 7.12〜7.28(m,12H) 7.58〜7.66(m,4H)13 CNMR: δ −2.87 126.94 127.60 128.13 128.71 129.02 135.22 136.19 139.16 153.65 UV−Vis: 247nm(Logε=4.26) 296nm(Logε=3.96) 386nm(Logε=3.92)
【0032】〔実施例6〕実施例1において、トリメチ
ルシリルクロライドの代りにトリフェニルシリルクロラ
イド(295mg,1mmol)のTHF溶液を用い、
これを混合物(I)に添加20分後、ピリジニウムハイ
ドロブロマイドパーブロマイド(320mg,1mmo
l)のTHF溶液を添加する以外は実施例1と同様にし
て、下記性状及び分析値を有する2,5−ジブロム−
1,1−ジイソプロピル−3,4−ジフェニルシロール
を44%の収率で得た。 性状:白色結晶、融点126℃ 元素分析値:C2224SiBr2 理論値 C 55.48%、H 5.08% 実測値 C 55.52%、H 5.02%1 HNMR: δ 1.25(d,J=7.0Hz,12H) 1.47(sep,J=7.0Hz,2H) 6.88〜6.98(m,4H) 7.10〜7.20(m,6H)13 CNMR: δ 9.82 17.17 119.79 127.32 127.53 128.95 137.30 157.89
【0033】〔実施例7〕実施例6において、混合物
(I)の代りに実施例3の混合物(III)を用い、かつピ
リジウムハイドロブロマイドパーブロマイドのTHF溶
液の代りに臭素を用いる以外は同様にして、下記性状及
び分析値を有する2,5−ジブロム−1,1−ジヘキシ
ル−3,4−ジフェニルシロールを30%の収率で得
た。 性状:白色結晶、融点64℃ 元素分析値:C2836SiBr2 理論値 C 60.00%、H 6.47% 実測値 C 60.08%、H 6.53%1 HNMR: δ 0.85〜1.10(m,10H) 1.2〜1.7(m,16H) 6.9〜7.0(m,4H) 7.1〜7.2(m,6H)13 CNMR: δ 9.73 14.14 22.58 22.88 31.43 32.69 121.86 127.35 127.52 128.96 137.21 156.84
【0034】〔実施例8〕ジメチル(フェニルエチニ
ル)シランの代りにジフェニルジ(フェニルエチニル)
シラン192mgを用いる以外は実施例1の混合物
(I)の調製法と同様にして、2,5−ジリチオ−1,
1−ジフェニル−3,4−ジフェニルシロールとリチウ
ムナフタレニドとの混合物(IV)4.89gを得た。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、R乃至Rは同種又は異種の炭素数1〜12
の一価炭化水素基又は水素原子を示し、R及びR
は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ
素、ゲルマニウム、錫もしくはリンから選択される基、
又はハロゲン原子であり、RとRは、互いに同一で
あっても、異なっていてもよい。)で示される2,5−
反応性置換基含有シロール。
【化2】 (式中、R乃至Rは同種又は異種の炭素数1〜12
の一価炭化水素基又は水素原子を示し、Mはアルカリ金
属又はアルカリ金属錯体である。)で示される2,5−
反応性置換基含有シロール。
【化3】 (式中、R乃至Rは同種又は異種の炭素数1〜12
の一価炭化水素基又は水素原子を示す。)で示されるシ
ラン化合物にアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反応
させて得られた反応混合物にRX,RX(但し、R
及びRは、一価炭化水素で置換された硫黄、セレ
ン、ケイ素、ゲルマニウム、錫もしくはリンから選択さ
れる基、又はハロゲン原子であり、RとRは、互い
に同一であっても、異なっていてもよい。)で示される
ハロゲン化物を反応させることを特徴とする請求項1記
載の2,5−反応性置換基含有シロールの製造方法。
【化4】 (式中、R乃至Rは同種又は異種の炭素数1〜12
の一価炭化水素基又は水素原子を示す。)で示されるシ
ラン化合物にアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反応
させることを特徴とする請求項2記載の2,5−反応性
置換基含有シロールの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】一方、シロール骨格は電子供与体としても
電子受容体としても働きうる構造からポリマー化への展
開が研究されており、本発明者らも先にシロール骨格と
チエニレン骨格の共重合体について出願しているように
特願平5−82620号)、極めて特異な光吸収特性
を示し光学機能材料への応用が期待できるポリマーが合
成できる。この場合、2,5−位で結合したポリシロー
ルは理論的な計算によれば非線形光学特性に優れたポリ
マーとなる可能性をBartonらは示し、またFra
pperらはバンドギャップが極めて小さく導電性材料
として可能性の高いことを報告している。しかしなが
ら、シロール化合物の2,5−位に反応性に富む基を導
入することは従来知られていた方法では困難であり、こ
れまで2,5−反応性置換基含有シロールの合成方法に
関しては十分な研究は行われていなかった。わずかに、
Wrackmeyerらにより(Chem,Com
m.,86,397)ビス(2−スタニルエチニル)シ
ランとボランの反応により3位にホウ素置換基をもつシ
ロールの合成が報告されているにすぎない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般
式(3)で示されるシラン化合物にアルカリ金属又はア
ルカリ金属錯体(M)を反応させることにより得られる
下記一般式(2)の中間体に対し、RX,RXを反
応させることによって、下記一般式(1)で示され、
2,5−位が一価炭化水素基で置換された硫黄、セレ
ン、ケイ素、ゲルマニウム、錫及びリンから選ばれる基
又はハロゲン原子である2,5−反応性置換基含有シロ
ールが得られることを見い出すと共に、この2,5−反
応性置換基含有シロールが、導電性有機材料、非線形光
学材料、光応答性材料等の光機能材料或いはかかる光機
能性材料を得るための他のπ共役系ポリマーもしくはそ
のモノマーとの共重合体用原料として有用であることを
知見し、本発明をなすに至ったものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【化5】 (式中、R乃至Rは同種又は異種の炭素数1〜12
の一価炭化水素基又は水素原子を示し、R及びR
は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ
素、ゲルマニウム、錫もしくはリンから選択される基、
又はハロゲン原子であり、RとRは、互いに同一で
あっても、異なっていてもよい。また、Mはアルカリ金
属又はアルカリ金属錯体を示し、Xはハロゲン原子を示
す。なお、RXとRXとは互いに同一であっても異
なっていてもよい。)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【化6】 (式中、R乃至Rは同種又は異種の炭素数1〜12
の一価炭化水素基又は水素原子を示し、R及びR
は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ
素、ゲルマニウム、錫もしくはリンから選択される基、
又はハロゲン原子であり、RとRは、互いに同一で
あっても、異なっていてもよい。)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1乃至R4は同種又は異種の炭素数1〜12の
    一価炭化水素基又は水素原子を示し、R5及びR6は、一
    価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ素、ゲルマ
    ニウムもしくはリンから選択される基、又はハロゲン原
    子であり、R5とR6は、互いに同一であっても、異なっ
    ていてもよい。)で示される2,5−反応性置換基含有
    シロール。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1乃至R4は同種又は異種の炭素数1〜12の
    一価炭化水素基又は水素原子を示し、Mはアルカリ金属
    又はアルカリ金属錯体である。)で示される2,5−反
    応性置換基含有シロール。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の2,5−反応性置換シロ
    ールにR5X,R6X(但し、R5及びR6は、一価炭化水
    素で置換された硫黄、セレン、ケイ素、ゲルマニウムも
    しくはリンから選択される基、又はハロゲン原子であ
    り、R5とR6は、互いに同一であっても、異なっていて
    もよい。)で示されるハロゲン化物を反応させることを
    特徴とする請求項1記載の2,5−反応性置換基含有シ
    ロールの製造方法。
  4. 【請求項4】 下記一般式(3) 【化3】 (式中、R1乃至R4は同種又は異種の炭素数1〜12の
    一価炭化水素基又は水素原子を示す。)で示されるシラ
    ン化合物にアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反応さ
    せて得られた反応混合物にR5X,R6X(但し、R5
    びR6は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケ
    イ素、ゲルマニウムもしくはリンから選択される基、又
    はハロゲン原子であり、R5とR6 は、互いに同一であっ
    ても、異なっていてもよい。)で示されるハロゲン化物
    を反応させることを特徴とする請求項1記載の2,5−
    反応性置換基含有シロールの製造方法。
  5. 【請求項5】 下記一般式(3) 【化4】 (式中、R1乃至R4は同種又は異種の炭素数1〜12の
    一価炭化水素基又は水素原子を示す。)で示されるシラ
    ン化合物にアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反応さ
    せることを特徴とする請求項2記載の2,5−反応性置
    換基含有シロールの製造方法。
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