JPH07179477A - 2,5−反応性置換基含有シロール及びその製造方法 - Google Patents
2,5−反応性置換基含有シロール及びその製造方法Info
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- JPH07179477A JPH07179477A JP34521493A JP34521493A JPH07179477A JP H07179477 A JPH07179477 A JP H07179477A JP 34521493 A JP34521493 A JP 34521493A JP 34521493 A JP34521493 A JP 34521493A JP H07179477 A JPH07179477 A JP H07179477A
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Abstract
の一価炭化水素基又は水素原子を示し、R5及びR
6は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ
素、ゲルマニウム、錫もしくはリンから選択される基、
又はハロゲン原子であり、R5とR6は、互いに同一で
あっても、異なっていてもよい。)で示される2,5−
反応性置換基含有シロール。 【効果】 本発明の式(1)のシロールは、光機能材料
及びこれを合成するための原料として有用である。
Description
領域に光吸収帯を有する新しいπ電子共役系有機化合物
である2,5−反応性置換基含有シロール及びその中間
体並びにそれらの製造方法に関する。
π電子共役系有機ポリマーの例としてはポリアセチレン
やポリチオフェン、ポリピロールなど安定性のかなり高
いポリマーが報告されており、有機導電性物質などへの
展開が検討されている。近年ではホモポリマー以外にも
チオフェンとピロールとの組み合わせによるなど、共重
合体も各種合成され、電子の分子内供与・受容構造の寄
与などによりその特異な光吸収スペクトルから新たな機
能性材料に成り得るとして注目されている。
電子受容体としても働きうる構造からポリマー化への展
開が研究されており、本発明者らも先にシロール骨格と
チエニレン骨格の共重合体について出願しているように
(特願平4−196609号)、極めて特異な光吸収特
性を示し光学機能材料への応用が期待できるポリマーが
合成できる。この場合、2,5−位で結合したポリシロ
ールは理論的な計算によれば非線形光学特性に優れたポ
リマーとなる可能性をBartonらは示し、またFr
apperらはバンドギャップが極めて小さく導電性材
料として可能性の高いことを報告している。しかしなが
ら、シロール化合物の2,5−位に反応性に富む基を導
入することは従来知られていた方法では困難であり、こ
れまで2,5−反応性置換基含有シロールの合成方法に
関しては十分な研究は行われていなかった。わずかに、
Wrackmeyerらにより(Chem,Com
m.,86,397)ビス(2−スタニルエチニル)シ
ランとボランの反応により3位にホウ素置換基をもつシ
ロールの合成が報告されているにすぎない。
反応性置換基含有シロール及びその製造方法を提供する
ことにある。
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般
式(3)で示されるシラン化合物にアルカリ金属又はア
ルカリ金属錯体(M)を反応させることにより得られる
下記一般式(2)の中間体に対し、R5X,R6Xを反応
させることによって、下記一般式(1)で示され、2,
5−位が一価炭化水素基で置換された硫黄、セレン、ゲ
ルマニウム、錫及びリンから選ばれる基又はハロゲン原
子である2,5−反応性置換基含有シロールが得られる
ことを見い出すと共に、この2,5−反応性置換基含有
シロールが、導電性有機材料、非線形光学材料、光応答
性材料等の光機能材料或いはかかる光機能性材料を得る
ための他のπ共役系ポリマーもしくはそのモノマーとの
共重合体用原料として有用であることを知見し、本発明
をなすに至ったものである。
一価炭化水素基又は水素原子を示し、R5及びR6は、一
価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ素、ゲルマ
ニウムもしくはリンから選択される基、又はハロゲン原
子であり、R5とR6は、互いに同一であっても、異なっ
ていてもよい。また、Mはアルカリ金属又はアルカリ金
属錯体を示し、Xはハロゲン原子を示す。なお、R5X
とR6Xとは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。)
−反応性置換基含有シロール、その中間体である式
(2)の2,5−反応性置換基含有シロール、式(2)
のシロールにR5XとR6Xを反応させる式(1)のシロ
ールの製造方法、及び式(3)のシラン化合物にアルカ
リ金属又はアルカリ金属錯体を反応させる式(2)のシ
ロールの製造方法を提供する。更に、式(3)のシラン
化合物にアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反応さ
せ、得られた反応混合物にR5X,R6Xを反応させる式
(1)のシロールの製造方法を提供する。
と、本発明の2,5−反応性置換基含有シロールは、下
記一般式(1)で示されるものである。
一価炭化水素基又は水素原子を示し、R5及びR6は、一
価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ素、ゲルマ
ニウムもしくはリンから選択される基、又はハロゲン原
子であり、R5とR6は、互いに同一であっても、異なっ
ていてもよい。)
が、特に炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数が6〜
10のアリール基、炭素数が7〜12のアラルキル基で
あることが好ましく、具体的にはメチル、エチル、プロ
ピル等のアルキル基、フェニル、トリル、キシリル等の
アリール基、ベンジル、フェネチルなどのアラルキル基
を挙げることができる。この場合、R3,R4は特に炭素
数6〜10のアリール基であることが好ましい。
体的には、トリメチルシリル基、トリブチルシリル基、
フェニルジメチルシリル基などのR7R8R9Siで示さ
れる置換シリル基、トリエチルゲルミル基などのR7R8
R9Geで示される置換ゲルミル基、トリメチルスタニ
ル基、トリブチルスタニル基、フェニルジメチルスタニ
ル基などのR7R8R9Snで示される置換スタニル基、
エチルセレネニル基、ブチルセレネニル基、フェニルセ
レネニル基などのR7Seで示される置換セレネニル
基、ジフェニルホスフィノ基などのR7R8Pで示される
置換ホスフィノ基、或いは塩素、臭素、ヨウ素などのハ
ロゲン原子が挙げられる。なお、R7,R8,R9は同種
又は異種の炭素数1〜12の一価炭化水素基、好ましく
は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。
シロールを得る場合は、まず下記一般式(3)のビスエ
チニルシランとアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反
応させ、得られた反応混合物にR5X,R6Xのハロゲン
化物を反応させる方法が採用される。
錯体としては、Li,Na,K、或いはこれら金属にナ
フタレンなどのような縮合芳香族化合物や4,4′−ビ
ス(tert−ブチル)ビフェニルのような置換縮合芳
香族化合物、1−ジメチルアミノナフタレン、液体アン
モニアなどのようなアミン類を添加して得られる錯体が
挙げられるが、中でもリチウムナフタリドが好ましく用
いられる。
アルカリ金属錯体の反応は、前者1モルに対し、後者2
〜10モル、より好ましくは2.5〜4モル程度とする
ことが好ましく、アルカリ金属又はアルカリ金属錯体を
過剰に用いることで副反応が抑制される。また、反応温
度は−76℃〜室温、より好ましくは−40〜0℃であ
り、反応時間は通常0.5〜8時間である。
ましいが、この溶媒としては式(3)のシランを溶解し
得るものであればいずれのものでもよく、例えばTH
F,DMEなどの非プロトン性の極性溶媒が好適に用い
られる。溶媒の使用量は、通常使用したシランの容量の
2倍〜100倍程度使用する。
にして得られる、式(1)のシランとアルカリ金属又は
アルカリ金属錯体との反応混合物にR5X,R6X
(R5,R6は上記と同様の意味を示し、Xはハロゲン原
子である。)で示されるハロゲン化物を反応させること
により合成することができるが、ここで使用されるR5
X,R6Xのハロゲン化物としては、XがCl又はBr
である塩化物又は臭化物が反応性、取扱いの容易さから
好ましい。この場合、式(1)において、R5,R6がハ
ロゲン原子である化合物を得るに際しては、R5X,R6
Xとしてハロゲン単体を用いても、ピリジニウムハイド
ロブロマイドパーブロマイド、ピリジニウムハイドロク
ロライドパークロライドなどのアミンハロゲン化水素塩
とハロゲンの錯体を用いてもよい。なお、R5X,R6X
は互に同一でも異なっていてもよい。即ち、式(1)に
おいて、R5とR6が同一である化合物を得る場合はR5
X,R6Xとして互に同一の化合物、即ち1種のハロゲ
ン化物を使用する。
(3)のシラン1モルに対して2〜10モル、より好ま
しくは2〜4モルであることが望ましい。また、その反
応温度は−78℃〜室温であるがことが好ましく、反応
時間は通常1時間〜8時間である。
金属又はアルカリ金属誘導体との反応混合物は、そのま
まR5X,R6Xとの反応に供されるが、この反応混合物
中には下記式(2)で示される中間体の2,5−反応性
置換基含有シロールが含有され、これがR5X,R6Xと
反応して下記のように式(1)の目的物質が合成される
ものである。なお、この式(2)の中間体とR5X,R6
Xとの反応はほぼ化学量論的に進行する。
が一価炭化水素基置換S,Se,Si,Ge,Sn,P
原子又はハロゲン原子で置換され、反応性に富むもので
あり、例えばR5,R6が臭素であるシロールと(フェニ
ルエチニル)トリメチル錫をパラジウム触媒下にカップ
リング反応させることにより、2,5位がフェニルエチ
ニル基で置換されたシロールを得ることができ、また
(2−チエニル)トリブチル錫をパラジウム触媒下にカ
ップリング反応させることにより、2,5位がチエニル
基で置換されたシロールを製造することができる。この
ように、特に機能性材料として知られる他のπ共役系ポ
リマー或いはその原料と共重合体を形成することがで
き、本発明のシロールは特異なπ電子系を示すため、光
電子機能材料を合成する原料として有用である。特に、
加工性に優れた導電性有機材料、非線形光学材料、光応
答性材料等の光機能材料を合成する原料として好適であ
る。
材料及びこれを合成するための原料として有用であり、
また式(2)のシロールがこの式(1)のシロールの合
成中間体として有用であり、本発明の製造方法は、かか
る式(1),(2)のシロールを確実に好収率で製造し
得る。
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。
中にて室温、アルゴン気流下、ナフタレン256mg
(2mmol)とリチウム14mg(2mmol)とを
3時間撹拌することにより、リチウムナフタニド270
mgを調製した。得られたリチウムナフタニドのTHF
溶液にジメチルジ(フェニルエチニル)シラン130m
g(0.5mmol)を室温下に滴下し、15分間混合
して、2,5−ジリチオ−1,1−ジメチル−3,4−
ジフェニルシロールとリチウムナフタレニドとの混合物
のTHF溶液(I)4.8gを得た。
−ジリチオ−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシ
ロールとして0.5mmolに相当する)にトリメチル
シリルクロライド217mg(2mmol)を添加し、
室温下で1時間撹拌し、その後減圧下に濃縮した。反応
混合物を液体クロマトグラフで精製し、下記性状及び分
析値を有する2,5−ビス(トリメチルシリル)−1,
1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール175mg
を得た(収率86%)。 性状:白色結晶、融点100℃ 元素分析値:C24H34Si3 理論値 C 70.86%、H 8.42% 実測値 C 70.93%、H 8.61%1 HNMR: δ −0.16(s,18H) 0.40(s,6H) 6.8〜6.87(m,4H) 6.98〜7.07(m,6H)13 CNMR: δ −2.86 0.66 125.90 128.69 142.84 144.73 168.63
ジ(フェニルエチニル)シランの代りにジイソプロピル
ジ(フェニルエチニル)シラン159mgを用いる以外
は同様にして、2,5−ジリチオ−1,1−ジイソプロ
ピル−3,4−ジフェニルシロールとリチウムナフタレ
ニドとの混合物(II)4.86gを得た。
1と同様に操作して、下記性状及び分析値を有する2,
5−ビス(トリメチルシリル)−1,1−ジイソプロピ
ル−3,4−ジフェニルシロールを73%の収率で得
た。 性状:白色結晶、融点107℃ 元素分析値:C28H42Si3 理論値 C 72.65%、H 9.14% 実測値 C 72.68%、H 9.28%1 HNMR: δ −0.16(s,18H) 1.16(d,J=7.4Hz,12H) 1.46(sep,J=7.4Hz) 6.75〜6.84(m,4H) 6.96〜7.06(m,6H)13 CNMR: δ 1.11 11.80 18.34 126.03 126.85 129.10 140.75 143.37 171.86
ジ(フェニルエチニル)シランの代りにジヘキシルジ
(フェニルエチニル)シラン200mgを用いる以外は
同様にして、2,5−ジリチオ−1,1−ジヘキシル−
3,4−ジフェニルシロールとリチウムナフタレニドと
の混合物(III)4.90gを得た。
1と同様に操作して、下記性状及び分析値を有する2,
5−ビス(トリメチルシリル)−1,1−ジヘキシル−
3,4−ジフェニルシロールを86%の収率で得た。 性状:白色結晶、融点81℃ 元素分析値:C34H54Si3 理論値 C 74.65%、H 9.95% 実測値 C 74.60%、H 9.88%1 HNMR: δ −0.16(s,18H) 0.86〜1.02(m,10H) 1.24〜1.44(m,16H) 6.78〜6.85(m,4H) 6.97〜7.07(m,6H)13 CNMR: δ 0.66 13.64 14.18 22.70 23.91 31.68 33.18 125.93 126.85 128.80 142.77 143.08 170.55
ルシリルクロライドの代りにトリブチルスタニルクロリ
ド0.54ml(2mmol)を用い、これを混合物
(III)と反応させた以外は実施例3と同様にして、下記
性状及び分析値を有する2,5−ビス(トリブチルスタ
ニル)−1,1−ジヘキシル−3,4−ジフェニルシロ
ールを49%の収率で得た。 性状:無色粘稠オイル 元素分析値:C52H90SiSn2 理論値 C 63.68%、H 9.25% 実測値 C 63.48%、H 9.40%1 HNMR: δ 0.51〜0.66(m,12H) 0.76〜0.94(m,28H) 1.10〜1.46(m,40H) 6.84〜6.91(m,4H) 6.98〜7.06(m,6H)13 CNMR: δ 10.49 13.23 13.60 14.16 22.68 24.25 27.48 29.25 31.78 33.41 125.95 127.06 128.43 145.14 147.91 169.80
ルシリルクロライドの代りにフェニルセレニルクロリド
401mg(2.1mmol)を用い、これを混合物
(I)と反応させた以外は実施例1と同様にして、下記
性状及び分析値を有する1,1−ジメチル−3,4−ジ
フェニル−2,5−ジ(フェニルセレニル)シロールを
74%の収率で得た。 性状:黄色結晶、融点121℃ 元素分析値:C30H26SiSe2 理論値 C 62.94%、H 4.58% 実測値 C 63.15%、H 4.67%1 HNMR: δ −0.33(s,6H) 6.99〜7.06(m,4H) 7.12〜7.28(m,12H) 7.58〜7.66(m,4H)13 CNMR: δ −2.87 126.94 127.60 128.13 128.71 129.02 135.22 136.19 139.16 153.65 UV−Vis: 247nm(Logε=4.26) 296nm(Logε=3.96) 386nm(Logε=3.92)
ルシリルクロライドの代りにトリフェニルシリルクロラ
イド(295mg,1mmol)のTHF溶液を用い、
これを混合物(I)に添加20分後、ピリジニウムハイ
ドロブロマイドパーブロマイド(320mg,1mmo
l)のTHF溶液を添加する以外は実施例1と同様にし
て、下記性状及び分析値を有する2,5−ジブロム−
1,1−ジイソプロピル−3,4−ジフェニルシロール
を44%の収率で得た。 性状:白色結晶、融点126℃ 元素分析値:C22H24SiBr2 理論値 C 55.48%、H 5.08% 実測値 C 55.52%、H 5.02%1 HNMR: δ 1.25(d,J=7.0Hz,12H) 1.47(sep,J=7.0Hz,2H) 6.88〜6.98(m,4H) 7.10〜7.20(m,6H)13 CNMR: δ 9.82 17.17 119.79 127.32 127.53 128.95 137.30 157.89
(I)の代りに実施例3の混合物(III)を用い、かつピ
リジウムハイドロブロマイドパーブロマイドのTHF溶
液の代りに臭素を用いる以外は同様にして、下記性状及
び分析値を有する2,5−ジブロム−1,1−ジヘキシ
ル−3,4−ジフェニルシロールを30%の収率で得
た。 性状:白色結晶、融点64℃ 元素分析値:C28H36SiBr2 理論値 C 60.00%、H 6.47% 実測値 C 60.08%、H 6.53%1 HNMR: δ 0.85〜1.10(m,10H) 1.2〜1.7(m,16H) 6.9〜7.0(m,4H) 7.1〜7.2(m,6H)13 CNMR: δ 9.73 14.14 22.58 22.88 31.43 32.69 121.86 127.35 127.52 128.96 137.21 156.84
ル)シランの代りにジフェニルジ(フェニルエチニル)
シラン192mgを用いる以外は実施例1の混合物
(I)の調製法と同様にして、2,5−ジリチオ−1,
1−ジフェニル−3,4−ジフェニルシロールとリチウ
ムナフタレニドとの混合物(IV)4.89gを得た。
の一価炭化水素基又は水素原子を示し、R5及びR
6は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ
素、ゲルマニウム、錫もしくはリンから選択される基、
又はハロゲン原子であり、R5とR6は、互いに同一で
あっても、異なっていてもよい。)で示される2,5−
反応性置換基含有シロール。
の一価炭化水素基又は水素原子を示し、Mはアルカリ金
属又はアルカリ金属錯体である。)で示される2,5−
反応性置換基含有シロール。
の一価炭化水素基又は水素原子を示す。)で示されるシ
ラン化合物にアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反応
させて得られた反応混合物にR5X,R6X(但し、R
5及びR6は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレ
ン、ケイ素、ゲルマニウム、錫もしくはリンから選択さ
れる基、又はハロゲン原子であり、R5とR6は、互い
に同一であっても、異なっていてもよい。)で示される
ハロゲン化物を反応させることを特徴とする請求項1記
載の2,5−反応性置換基含有シロールの製造方法。
の一価炭化水素基又は水素原子を示す。)で示されるシ
ラン化合物にアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反応
させることを特徴とする請求項2記載の2,5−反応性
置換基含有シロールの製造方法。
電子受容体としても働きうる構造からポリマー化への展
開が研究されており、本発明者らも先にシロール骨格と
チエニレン骨格の共重合体について出願しているように
(特願平5−82620号)、極めて特異な光吸収特性
を示し光学機能材料への応用が期待できるポリマーが合
成できる。この場合、2,5−位で結合したポリシロー
ルは理論的な計算によれば非線形光学特性に優れたポリ
マーとなる可能性をBartonらは示し、またFra
pperらはバンドギャップが極めて小さく導電性材料
として可能性の高いことを報告している。しかしなが
ら、シロール化合物の2,5−位に反応性に富む基を導
入することは従来知られていた方法では困難であり、こ
れまで2,5−反応性置換基含有シロールの合成方法に
関しては十分な研究は行われていなかった。わずかに、
Wrackmeyerらにより(Chem,Com
m.,86,397)ビス(2−スタニルエチニル)シ
ランとボランの反応により3位にホウ素置換基をもつシ
ロールの合成が報告されているにすぎない。
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般
式(3)で示されるシラン化合物にアルカリ金属又はア
ルカリ金属錯体(M)を反応させることにより得られる
下記一般式(2)の中間体に対し、R5X,R6Xを反
応させることによって、下記一般式(1)で示され、
2,5−位が一価炭化水素基で置換された硫黄、セレ
ン、ケイ素、ゲルマニウム、錫及びリンから選ばれる基
又はハロゲン原子である2,5−反応性置換基含有シロ
ールが得られることを見い出すと共に、この2,5−反
応性置換基含有シロールが、導電性有機材料、非線形光
学材料、光応答性材料等の光機能材料或いはかかる光機
能性材料を得るための他のπ共役系ポリマーもしくはそ
のモノマーとの共重合体用原料として有用であることを
知見し、本発明をなすに至ったものである。
の一価炭化水素基又は水素原子を示し、R5及びR
6は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ
素、ゲルマニウム、錫もしくはリンから選択される基、
又はハロゲン原子であり、R5とR6は、互いに同一で
あっても、異なっていてもよい。また、Mはアルカリ金
属又はアルカリ金属錯体を示し、Xはハロゲン原子を示
す。なお、R5XとR6Xとは互いに同一であっても異
なっていてもよい。)
の一価炭化水素基又は水素原子を示し、R5及びR
6は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ
素、ゲルマニウム、錫もしくはリンから選択される基、
又はハロゲン原子であり、R5とR6は、互いに同一で
あっても、異なっていてもよい。)
Claims (5)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1乃至R4は同種又は異種の炭素数1〜12の
一価炭化水素基又は水素原子を示し、R5及びR6は、一
価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケイ素、ゲルマ
ニウムもしくはリンから選択される基、又はハロゲン原
子であり、R5とR6は、互いに同一であっても、異なっ
ていてもよい。)で示される2,5−反応性置換基含有
シロール。 - 【請求項2】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1乃至R4は同種又は異種の炭素数1〜12の
一価炭化水素基又は水素原子を示し、Mはアルカリ金属
又はアルカリ金属錯体である。)で示される2,5−反
応性置換基含有シロール。 - 【請求項3】 請求項2記載の2,5−反応性置換シロ
ールにR5X,R6X(但し、R5及びR6は、一価炭化水
素で置換された硫黄、セレン、ケイ素、ゲルマニウムも
しくはリンから選択される基、又はハロゲン原子であ
り、R5とR6は、互いに同一であっても、異なっていて
もよい。)で示されるハロゲン化物を反応させることを
特徴とする請求項1記載の2,5−反応性置換基含有シ
ロールの製造方法。 - 【請求項4】 下記一般式(3) 【化3】 (式中、R1乃至R4は同種又は異種の炭素数1〜12の
一価炭化水素基又は水素原子を示す。)で示されるシラ
ン化合物にアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反応さ
せて得られた反応混合物にR5X,R6X(但し、R5及
びR6は、一価炭化水素で置換された硫黄、セレン、ケ
イ素、ゲルマニウムもしくはリンから選択される基、又
はハロゲン原子であり、R5とR6 は、互いに同一であっ
ても、異なっていてもよい。)で示されるハロゲン化物
を反応させることを特徴とする請求項1記載の2,5−
反応性置換基含有シロールの製造方法。 - 【請求項5】 下記一般式(3) 【化4】 (式中、R1乃至R4は同種又は異種の炭素数1〜12の
一価炭化水素基又は水素原子を示す。)で示されるシラ
ン化合物にアルカリ金属又はアルカリ金属錯体を反応さ
せることを特徴とする請求項2記載の2,5−反応性置
換基含有シロールの製造方法。
Priority Applications (2)
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