JPH0717945A - 置換環状化合物の製法 - Google Patents

置換環状化合物の製法

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JPH0717945A
JPH0717945A JP16661393A JP16661393A JPH0717945A JP H0717945 A JPH0717945 A JP H0717945A JP 16661393 A JP16661393 A JP 16661393A JP 16661393 A JP16661393 A JP 16661393A JP H0717945 A JPH0717945 A JP H0717945A
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formula
group
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Application number
JP16661393A
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English (en)
Inventor
Yohei Ishida
洋平 石田
Takuya Yabune
琢也 矢船
Hitoshi Oki
仁 大木
Takeshi Hayano
健 早野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抗菌性化合物の合成中間体の製造法を提供する 【構成】 一般式(I) 【化1】 で表される化合物の製法、また一般式(I)で表される
化合物から一般式(II) 【化2】 で表される化合物を得る製法、さらに一般式(II)で表
される化合物から2−フルオロシクロプロパンカルボン
酸を得る製法、および一般式(II)で表される化合物の
立体配置を反転させ異性化する方法。(式中、Xは塩素
原子または臭素原子を意味し、R1 は置換基を有してい
てもよいアルキル基または置換基を有していてもよいア
リール基を意味し、R2 はアルキル基、ベンジル基また
はp−ニトロベンジル基を意味する。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌剤として有用な化合
物の合成中間体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【化23】
【0004】化23の構造を有する化合物(特開平2−
231475号)は幅広い抗菌スペクトルと高い抗菌活
性、さらに高い安全性を有する優れた抗菌剤として期待
されている。その構造的特徴は1位にシス−フルオロシ
クロプロピル基を有していることである。
【0005】化23に示す化合物の1位のシスフルオロ
シクロプロピル基の構築には1,2−シス−2−フルオ
ロシクロプロピルアミンを用いている。
【0006】2−フルオロシクロプロピルアミンは例え
ば、2−フルオロシクロプロパンカルボン酸から変換す
る方法があるが、この2−フルオロシクロプロパンカル
ボン酸の合成法としては化24に示す方法(和歌山大学
教育学部紀要 33, 33 (1984))が知られている。ここで
は、まず、ブタジエンとジブロモフルオロメタンから1
−ブロモ−1−フルオロ−2−ビニルシクロプロパンを
得、これを過マンガン酸カリウムで酸化して2−ブロモ
−2−フルオロシクロプロパンカルボン酸とした後に、
エステルに変換し、さらに脱ブロム反応および加水分解
を行なって2−フルオロシクロプロパンカルボン酸を得
ていた。
【0007】
【化24】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法では
以下に示す問題点があった。
【0009】ブタジエンとジブロモフルオロメタンから
1−ブロモ−1−フルオロ−2−ビニルシクロプロパン
を得る反応では、第三級ブトキシナトリウムが固体状態
のままで反応を行うため反応混合物の撹拌が困難となり
反応の制御が困難であった。また、反応の暴走が起きな
いように零下 20 ℃程度で反応を行なうため長時間の反
応を必要としていた。そして、酸化反応では、大量の過
マンガン酸カリウムおよび溶媒を必要とし、反応時間も
長く、さらに反応後のマンガン化合物の処理が煩瑣であ
った。さらに、脱ブロモ反応では有毒なスズ誘導体を大
量に使用することから、安全性の点でも問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、ジハロゲノフルオロメタンおよびチオフェノール
を反応させて得られるフェニル−ハロゲノフルオロメチ
ルスルフィドとアクリル酸エステルを相間移動触媒の存
在下に反応させることで、フルオロシクロプロパン化合
物である、2−フルオロ−2−(フェニルチオ)シクロ
プロパンカルボン酸エステルが得られ、しかもこの反応
が緩和な条件で進行し、さらに煩瑣な作業を要する過マ
ンガン酸カリウムによる酸化の工程およびスズ誘導体に
よる脱ハロゲン化の工程を省略できることを見いだし
た。
【0011】また、この2−フルオロ−2−(フェニル
チオ)シクロプロパンカルボン酸エステルはアルコール
中において金属アルコキシドで処理することよって、該
化合物のうちフッ素原子とカルボン酸エステル基が環平
面に対して異なる側にある化合物の立体配置を反転さ
せ、目的とするフッ素原子とカルボン酸エステル基が環
平面に対して同じ側にある化合物に異性化できることも
見いだした。
【0012】一方、2−フルオロ−2−(フェニルチ
オ)シクロプロパンカルボン酸からフェニルチオ基を容
易に脱離でき、フルオロシクロプロパンカルボン酸も簡
便に得られることを見いだした。
【0013】この様にして、本発明者らはフルオロシク
ロプロパンカルボン酸を効率的かつ簡便に得る方法を見
いだし本発明を完成させた。
【0014】
【発明の構成】本発明は一般式
【化25】CHX1X2F (式中、X1 およびX2 はそれぞれ独立して塩素原子ま
たは臭素原子を意味する。)で表される化合物と一般式
【0015】
【化26】R1−SH (式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基ま
たは置換基を有していてもよいアリール基を意味す
る。)で表される化合物をアルカリ水溶液と相間移動触
媒の存在下に反応させることを特徴とする一般式(I)
【0016】
【化27】
【0017】(式中、R1 は前記と同じ、XはX1 また
はX2 であって、塩素原子または臭素原子を意味す
る。)で表される化合物の製法に関する。
【0018】また、本発明は一般式(I)
【0019】
【化28】
【0020】(式中、R1 は置換基を有していてもよい
アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基
を意味し、Xは塩素原子または臭素原子を意味する。)
で表される化合物と一般式(II)
【0021】
【化29】
【0022】(式中、R2 はアルキル基、ベンジル基ま
たはp-ニトロベンジル基を意味する。)で表される化合
物をアルカリ水溶液と相間移動触媒の存在下に反応させ
ることを特徴とする一般式(III)
【0023】
【化30】
【0024】(式中、R1 およびR2 は前記と同じ。)
で表される化合物の製法に関する。
【0025】そして、本発明は一般式(III)
【0026】
【化31】
【0027】(式中、R1 は置換基を有していてもよい
アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基
を意味し、R2 はアルキル基、ベンジル基またはp-ニト
ロベンジル基を意味する。)で表される化合物を金属ア
ルコキシドを含むアルコール中で処理し、一般式(II
I)で表される化合物のうちのフッ素原子とカルボン酸
エステル基が環平面に対して異なる側にある化合物をフ
ッ素原子とカルボン酸エステル基が環平面に対して同じ
側にある化合物に変換する方法に関する。
【0028】さらに、本発明は一般式(IV)
【0029】
【化32】
【0030】(式中、R1 は置換基を有していてもよい
アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基
を意味する。)で表される化合物を水素供給源を含む液
体アンモニア中においてアルカリ金属またはアルカリ土
類金属で処理することを特徴とする 2-フルオロシクロ
プロパンカルボン酸の製法に関する。
【0031】次に本発明の各反応について詳しく説明す
る。 (1)一般式 CHX1X2F で表される化合物から一般式
(I)で表される化合物を合成する反応
【0032】一般式 CHX1 X2F で表されるジハロゲノフ
ルオロメタンと一般式R1−SHで表されるアルキルチ
オールまたはアリールチオールを、相間移動触媒および
アルカリ水溶液の存在下に処理し、一般式(I)で表さ
れるスルフィド化合物を合成する反応である。
【0033】本発明者らは、相間移動触媒を用いること
により、従来、オートクレイブ中で行なっていた反応が
常圧下の緩和な条件で進行することを見いだした。
【0034】反応に用いる一般式 CHX1 X2F で表される
化合物、例えば、ジクロロフルオロメタン、ジブロモフ
ルオロメタンまたはブロモクロロフルオロメタンは、公
知の方法によって得ることができる。
【0035】また、一般式R1−SHで表される化合物
も公知の方法によって得ることができる。R1−SHで
表されるアルキルチオールまたはアリールチオールに
は、例えば、エタンチオール、シクロヘキサンチオール
またはチオフェノール等があるがアルキルチオールとア
リールチオールではアリールチオールの方が好ましい。
【0036】これらのアルキルチオールまたはアリール
チオールのアルキル基およびアリール基は置換基を有し
ていてもよい。
【0037】この様な置換基としては炭素数1から3の
アルキル基または炭素数1から3のアルコキシル基等が
挙げることができる。
【0038】これらの置換基は、1または複数個あって
もよい。置換基を複数個有する場合、置換基は同一でも
異なっていてもよい。
【0039】なお、R1の定義中のアリール基とは、芳
香族炭化水素の核から水素原子1個を除いた1価基の総
称で、例えば、フェニル、トリル、ビフェニリルまたは
ナフチルなどである。
【0040】この工程の反応で用いるアルカリ水溶液
は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物
(例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸
化リチウムなど)の水溶液を使用すればよい。
【0041】アルカリ水溶液の濃度は通常は、50 % (w
/v) 程度のものを使用するのがよい。アルカリ水溶液の
使用量は、一般式 CHX1 X2F で表される化合物 1 モルに
対し1から 10 モルの範囲で使用すればよいが、通常は
5 モル程度を使用すればよい。
【0042】この工程の反応で用いる相間移動触媒は第
4級アンモニウム塩類(例えば、テトラn−ブチルアン
モニウムブロマイド、硫酸水素テトラn−ブチルアンモ
ニウム、トリn−オクチルメチルアンモニウムクロリド
またはベンジルトリエチルアンモニウムクロリドもしく
はブロマイドなど)、第4級ホスホニウム塩類(例え
ば、テトラフェニルホスホニウムクロリドもしくはブロ
マイド、テトラn−ブチルホスホニウムクロリド、トリ
フェニルメチルホスホニウムブロマイドまたはトリn−
オクチルホスホニウムブロマイドなど)、第4級スルホ
ニウム塩類(例えば、ジメチルフェニルスルホニウムク
ロリドなど)またはクラウンエーテル型化合物類(ジシ
クロヘキシル-18-クラウン-6、 18-クラウン-6 またはジ
ベンゾ-18-クラウン-6など)などが使用できるが、これ
らの中では、第4級アンモニウム塩が好ましい。
【0043】相間移動触媒の使用量は一般式 CHX1 X2F
で表される化合物に対して 1 %から30%(重量割合)
の範囲で使用すればよいが、通常は 5 %程度を使用す
ればよい。
【0044】この工程の反応は、相間移動触媒を使用す
る反応であり、アルカリ水溶液と有機溶媒の二層系で行
う方が好ましいが、有機溶媒を用いなくとも反応は進行
する。
【0045】有機溶媒を使用する際に、有機溶媒は反応
に不活性であるものを使用すればよいが、例えば、芳香
族炭化水素類(ベンゼン、トルエンまたはキシレン
等)、低級脂肪族炭化水素類(ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタンまたはシクロヘキサン等)またはハロゲン化炭化
水素類(ジクロロメタンまたはジクロロエタン等)など
を挙げることができる。これらの中では、芳香族炭化水
素類またはハロゲン化炭化水素類が好ましい。
【0046】反応温度は零下 20 ℃から室温の範囲で行
なえばよいが、通常は零下 10 ℃から 10 ℃の範囲でよ
い。
【0047】反応時間は 30 分から 10 時間の範囲で
行なえばよいが、通常は 3 時間から5 時間で終了す
る。
【0048】(2)一般式(I)で表される化合物から
一般式(III)で表される化合物を合成する反応
【0049】(1)で得られた一般式(I)で表される
スルフィド化合物と、一般式(II)で表されるアクリル
酸エステルを相間移動触媒およびアルカリ水溶液の存在
下に処理し、一般式(III)で表されるアルキルチオフ
ルオロシクロプロパンカルボン酸エステルまたはアリー
ルチオフルオロシクロプロパンカルボン酸エステルを合
成する反応である(この反応では、ハロゲノフルオロメ
タンがカルベンとなって反応が進行すると考えられる
が、実際にこのように反応が進行するか否かは本発明の
方法の本質とは無関係である。)。
【0050】従来、一般式(II)で表される電子吸引性
の置換基を有するビニル誘導体にカルベンを付加させる
ことは困難で、得られる一般式(III)で表される化合
物の収率も低かった(Synthesis No 7, 549(1988))。
【0051】本発明者らは相間移動触媒を用いることに
より、この反応が容易にしかも高収率で進行することを
見いだした。
【0052】この工程の反応で用いる一般式(II)で表
される化合物、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸t-ブチル、ア
クリル酸ベンジルまたはアクリル酸p−ニトロベンジル
は公知の方法によって得られる。
【0053】この工程で用いる相間移動触媒の種類およ
び使用量は(1)の反応と同様のものでよいが、この反
応にはクラウンエーテル型化合物が好ましい。
【0054】また、この工程で用いるアルカリ水溶液の
種類、濃度および使用量も(1)の反応と同様でよい。
【0055】この工程の反応も(1)の反応と同様に、
有機溶媒を使用してもよいが、使用しなくてもよい。
【0056】溶媒を使用する場合に用いる有機溶媒とし
ては、反応に不活性であるものを使用すればよいが、例
えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエンまたはキ
シレン等)またはハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタ
ンまたはジクロロエタン等)などを挙げることができ
る。
【0057】反応温度は 0 ℃から 100 ℃の範囲で行な
えばよいが、好ましくは 20 ℃から60 ℃の範囲でよ
い。
【0058】反応時間は 30 分から 24 時間の範囲で行
なえばよいが、通常は 1 時間から5 時間で終了する。
【0059】この反応によって一般式(III)で表され
る化合物は、フッ素原子とカルボン酸エステル基が環平
面に対して同じ側にある化合物(以下、シス体とする)
およびフッ素原子とカルボン酸エステル基が環平面に対
して異なる側にある化合物(以下、トランス体とする)
の混合物として得られ、その混合比は、例えば、シス
体:トランス体=1:2であった。
【0060】(3)一般式(III)で表される化合物の
うちの、フッ素原子とカルボン酸エステル基が環平面に
対して同じ側にある化合物を得る反応
【0061】一般式(III)で表される化合物を金属アル
コキシドを含むアルコール中で処理し、一般式(III)で
表される化合物のうちのトランス体の立体配置を反転さ
せシス体に異性化する反応である。
【0062】ここで用いる金属アルコキシドは、ナトリ
ウムエトキシド、カリウムエトキシドまたはナトリウム
ブトキシドなどを使用すればよいが、カリウムt-ブトキ
シドが好ましい。
【0063】この反応で用いるアルコールは、用いる金
属アルコキシドに対応するアルコールを使用すればよ
い。例えば、エトキシドではエタノール、ブトキシドで
はブタノールである。
【0064】金属アルコキシドの使用量は触媒量でよ
く、例えば一般式(III)で表される化合物1モルに対
して1ミリモルから 10 ミリモル程度を使用すればよ
い。
【0065】反応は室温で行なえばよく通常は 10 分で
平衡状態となる。
【0066】この反応によって先のシス体とトランス体
の混合物において混合比は、例えば、1:2から1:1
になった。
【0067】シス体とトランス体の混合物から必要とす
るシス体を単離した後、残渣をさらに本条件で処理する
ことにより効率的にシス体を得ることができる。
【0068】(4)一般式(III)で表される化合物か
ら2−フルオロシクロプロパンを得る製法
【0069】一般式(III)で表されるアルキルチオフル
オロシクロプロパンカルボン酸エステルまたはアリール
チオフルオロシクロプロパンカルボン酸エステルのカル
ボン酸エステル基をカルボキシル基とした後、該化合物
を水素供給源を含んだ液体アンモニア中でアルカリ金属
またはアルカリ土類金属で処理し、2−フルオロシクロ
プロパンカルボン酸とする反応である。
【0070】このアルキルチオ基またはアリールチオ基
の脱離は従来知られている、ラネーニッケル、水素化ト
リブチルスズまたはパラジウム−活性炭を用いる脱硫反
応等では進行しなかったが、検討の結果、本発明者ら
は、水素供給源を含む液体アンモニア中でアルカリ金属
またはアルカリ土類金属で処理することによって目的が
達せられることを見いだした。
【0071】本反応の原料となるカルボン酸化合物は対
応するエステル化合物を酸またはアルカリの加水分解ま
たは接触還元によって得ることができる。酸としては、
例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸またはトリフルオロ酢
酸などが用いられる。アルカリとしては、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基が用いら
れる。
【0072】本反応で用いるアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属としては、具体的には金属リチウム、金属ナ
トリウム、金属カリウム、金属マグネシウムまたは金属
カルシウムを挙げることができる。
【0073】本反応で用いる溶媒としては、液体アンモ
ニア、アルコール類(例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イ
ソブタノール、第二級ブタノールまたは第三級ブタノー
ル等)またはエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサンまたは 1,2-ジメトキ
シエタン等)などが挙げられる。
【0074】本反応でいう水素供給源とは、水素原子を
供給できる化合物のことである。例えば、水、塩化アン
モニウムあるいはアルコールなどが挙げられる。なお、
溶媒としてアルコール類を使用する場合はアルコール類
自体が水素供給源となるため、特に水素供給源を用いな
くてもよい。また、液体アンモニアを溶媒として使用
し、金属としてリチウムを使用する場合も、水素供給源
を用いなくてもよい。
【0075】反応温度は零下 50 ℃から室温の範囲で行
なえばよい。
【0076】得られた生成物を、2−フルオロシクロプ
ロピルアミンの合成に使用する際、通常、単離せずにこ
のまま次の反応に付すことができる。
【0077】次に実施例を示して本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は実施例に限定されるものではな
い。
【0078】
【実施例】
実施例1:クロロフルオロメチル−フェニル−スルフィ
【0079】
【化33】
【0080】氷冷下、ベンゼン溶液 350 ml にチオフェ
ノール 44 g(0.40mol)、ジクロロフルオロメタン 200 g
(1.94mol)およびトリエチルベンジルアンモニウムクロ
リド4 g(17.6mmol)を加え、さらに50 % 水酸化ナトリ
ウム水溶液 200 mlを10 分かけて滴下後、室温にて 4
時間激しく攪拌した。反応液に水を加え、エーテルで抽
出し、抽出液を 2 % 水酸化ナトリウム水溶液および飽
和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去して得られた残留物を蒸留にて精製し、標記
化合物 43.45g(61%) を無色油状物として得た。
【0081】沸点 47-51℃/0.7 mmHg(lit.37-38 ℃/0.2
mmHg)1 H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :7.06(1H, d, J = 55.7 Hz),
7.37 - 7.44(3H, m), 7.57 - 7.60(2H, m).
【0082】実施例2:t-ブチル 2- フルオロ-2-(フェ
ニルチオ) シクロプロパンカルボキシレート
【0083】
【化34】
【0084】55 % 水酸化カリウム水溶液 150mlに、ク
ロロフルオロメチル−フェニル−スルフィド 15.0 g(8
4.9 mmol)、t-ブチル アクリレート 24.9 ml(169.8 mmo
l) 、および 18-クラウン-6-エーテル 224 mg(0.85 mmo
l)を加え、50 ℃にて激しく 2.5時間攪拌した。反応終
了後、反応液に水を加えジクロロメタンで抽出した。抽
出液を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物を蒸
留にて精製し、標記化合物を 14.33 g(62.9%)淡黄色油
状物として得た。シス:トランス=1:2
【0085】沸点 113-123℃/0.1-0.2 mmHg シス体;1 H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :1.46(9H, s), 1.52(1H, dt,
J = 9.2 and 6.8 Hz),2.13(1H, dt, J = 15.6 and 6.8
Hz),2.26(1H, ddd, J = 9.2, 6.8 and 1.5 Hz),7.22 -
7.38(3H, m), 7.46 - 7.50(2H, m). トランス体;1 H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :1.27(9H, s), 1.67 - 1.82(2
H, m),2.58(1H, ddd, J = 15.6, 9.7 and 7.8 Hz),7.22
- 7.34(3H, m), 7.46 - 7.50(2H, m).
【0086】実施例3−1:2-フルオロ-2-(フェニルチ
オ) シクロプロパンカルボン酸
【0087】
【化35】
【0088】t-ブチル2-フルオロ-2-(フェニルチオ) シ
クロプロパンカルボキシレート 5.37 g(20.01 mmol) を
酢酸 144 ml と 12 N 塩酸水溶液 4 ml の混合溶液に溶
解し、45℃にて 1 時間攪拌した。その後、溶媒を減圧
留去後、残留物にヘキサンを加え、固化させた。これを
濾別、乾燥し、標記化合物を白色の固体として 4.08g(9
6%)得た。立体は保持したままであった。
【0089】シス体;1 H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm) :1.68(1/3H, m), 2.2
3(1/3H, dt, J = 7.3 Hz),2.36(1/3H, ddd, J = 9.3,
7.3 and 0.98 Hz),7.49(5H, m). トランス体;1 H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm) :1.85(4/3H, m), 2.5
6(2/3H, ddd, J = 15.1, 9.8 and 7.8 Hz),7.49(5H,
m).
【0090】実施例3−2:2-フルオロシクロプロパン
カルボン酸
【0091】
【化36】
【0092】50 ml の二頚フラスコに2-フルオロ-2-(フ
ェニルチオ) シクロプロパンカルボン酸 212 mg(1 mmo
l) のテトラヒドロフラン溶液 2 ml と水 54 μl を入
れ、アンモニアガスを吹き込み、液体アンモニアを 10
ml溜める。これにカルシウム 80 mg(2 mmol)を加え、還
流させながら、深紅色が消えるまで攪拌した。その後、
反応液に塩化アンモニウム 214 mg(4 mmol) を加えた
後、アンモニアを気化させた。得られた残留物に水を 2
ml 加え、12-N 塩酸水溶液を水層が、pH = 2 になるよ
うに加えた。これに、塩化ナトリウムを加え、酢酸エチ
ル 10 mlで 3 回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで
乾燥し、溶媒を減圧留去後、減圧乾燥して粗生成物を 1
15 mg 得た。本化合物はシス−トランス比 1 : 2の混合
物として、NMR 上 88 mgを含有しており、収率は 84 %
であった。
【0093】1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm) :1.20 -
2.27(3H, m), 4.69 - 4.95(1H, m).
【0094】実施例4:t-ブチル 2 -フルオロ-2-(フ
ェニルチオ)シクロプロパンカルボキシレートの異性化
反応
【0095】
【化37】
【0096】t-ブチル 2 -フルオロ-2-(フェニルチ
オ)シクロプロパンカルボキシレート268 mg(1 mol ; c
is : trans = 1 : 2.5) をt-ブタノール 4 ml に溶解
し、室温にてt-ブトキシカリウム 112 mg(1 mmol) を加
え、同温で 30 分攪拌した後、塩化アンモニウム水溶液
を 53.5 mg/1ml を加えた。反応液を濃縮後硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧留去後、減圧乾燥して淡褐色
液体のt-ブチル 2- フルオロ-2-(フェニルチオ)シク
ロプロパンカルボキシレートを定量的に得た。シス:ト
ランス = 1 : 1.11 H-NMRは既報のものと一致した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早野 健 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】CHX1X2F (式中、X1 およびX2 はそれぞれ独立して塩素原子ま
    たは臭素原子を意味する。)で表される化合物と一般式 【化2】R1−SH (式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基ま
    たは置換基を有していてもよいアリール基を意味す
    る。)で表される化合物をアルカリ水溶液と相間移動触
    媒の存在下に反応させることを特徴とする一般式(I) 【化3】 (式中、R1 は前記と同じ、XはX1 またはX2 であっ
    て、塩素原子または臭素原子を意味する。)で表される
    化合物の製法
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化4】 (式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基ま
    たは置換基を有していてもよいアリール基を意味し、X
    は塩素原子または臭素原子を意味する。)で表される化
    合物と一般式(II) 【化5】 (式中、R2 はアルキル基、ベンジル基またはp-ニトロ
    ベンジル基を意味する。)で表される化合物をアルカリ
    水溶液と相間移動触媒の存在下に反応させることを特徴
    とする一般式(III) 【化6】 (式中、R1 およびR2 は前記と同じ。)で表される化
    合物の製法
  3. 【請求項3】 一般式(III) 【化7】 (式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基ま
    たは置換基を有していてもよいアリール基を意味し、R
    2 はアルキル基、ベンジル基またはp-ニトロベンジル基
    を意味する。)で表される化合物を金属アルコキシドを
    含むアルコール中で処理し、一般式(III)で表される
    化合物のうちのフッ素原子とカルボン酸エステル基がシ
    クロプロパン環平面に対して異なる側にある化合物を、
    フッ素原子とカルボン酸エステル基がシクロプロパン環
    平面に対して同じ側にある化合物に変換する方法
  4. 【請求項4】 フッ素原子と t-ブトキシカルボニル基
    がシクロプロパン環平面に対して異なる側にある t-ブ
    チル 2-フルオロ-2-(フェニルチオ)シクロプロパンカ
    ルボキシレートを t-ブトキシカリウムを含む t-ブタノ
    ール中で処理し、フッ素原子と t-ブトキシカルボニル
    基がシクロプロパン環平面に対して同じ側にある t-ブ
    チル 2-フルオロ-2-(フェニルチオ)シクロプロパンカ
    ルボキシレートに変換する方法
  5. 【請求項5】 一般式(IV) 【化8】 (式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基ま
    たは置換基を有していてもよいアリール基を意味す
    る。)で表される化合物を水素供給源を含む液体アンモ
    ニア中においてアルカリ金属またはアルカリ土類金属で
    処理することを特徴とする 2-フルオロシクロプロパン
    カルボン酸の製法
  6. 【請求項6】 一般式(IV) 【化9】 (式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基ま
    たは置換基を有していてもよいアリール基を意味す
    る。)で表される化合物のうちのフッ素原子とカルボン
    酸エステル基が環平面に対して同じ側にある化合物を用
    い、水素供給源を含む液体アンモニア中においてアルカ
    リ金属またはアルカリ土類金属で処理することを特徴と
    するシス-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸の製法
  7. 【請求項7】 一般式 【化10】CHX1X2F (式中、X1 およびX2 はそれぞれ独立して塩素原子ま
    たは臭素原子を意味する。)で表される化合物と一般式 【化11】R1−SH (式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基ま
    たは置換基を有していてもよいアリール基を意味す
    る。)で表される化合物をアルカリ水溶液と相間移動触
    媒の存在下に反応させ、得られる一般式(I) 【化12】 (式中、R1 は前記と同じ、XはX1 またはX2 であっ
    て、塩素原子または臭素原子を意味する。)で表される
    化合物と一般式(II) 【化13】 (式中、R2 はアルキル基、ベンジル基またはp-ニトロ
    ベンジル基を意味する。)で表される化合物をアルカリ
    水溶液と相間移動触媒の存在下に反応させることを特徴
    とする一般式(III) 【化14】 (式中、R1 およびR2 は前記と同じ。)で表される化
    合物の製法
  8. 【請求項8】 一般式(I) 【化15】 (式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基ま
    たは置換基を有していてもよいアリール基を意味し、X
    は塩素原子または臭素原子を意味する。)で表される化
    合物と一般式(II) 【化16】 (式中、R2 はアルキル基、ベンジル基またはp−ニト
    ロベンジル基を意味する。)で表される化合物をアルカ
    リ水溶液と相間移動触媒の存在下に反応させ、得られる
    一般式(III) 【化17】 (式中、R1 およびR2 は前記と同じ。)で表される化
    合物のカルボン酸エステル基をカルボキシル基とした
    後、該カルボン酸化合物を水素供給源を含む液体アンモ
    ニア中においてアルカリ金属またはアルカリ土類金属で
    処理することを特徴とする2−フルオロシクロプロパン
    カルボン酸の製法
  9. 【請求項9】 一般式 【化18】CHX1X2F (式中、X1 およびX2 はそれぞれ独立して塩素原子ま
    たは臭素原子を意味する。)で表される化合物と一般式 【化19】R1−SH (式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基ま
    たは置換基を有していてもよいアリール基を意味す
    る。)で表される化合物をアルカリ水溶液と相間移動触
    媒の存在下に反応させ、得られる一般式(I) 【化20】 (式中、R1 前記と同じ、XはX1 またはX2 であっ
    て、塩素原子または臭素原子を意味する。)で表される
    化合物と一般式(II) 【化21】 (式中、R2 はアルキル基、ベンジル基またはp−ニト
    ロベンジル基を意味する。)で表される化合物をアルカ
    リ水溶液と相間移動触媒の存在下に反応させ、得られる
    一般式(III) 【化22】 (式中、R1 およびR2 は前記と同じ。)で表される化
    合物のカルボン酸エステル基をカルボキシル基とした
    後、該カルボン酸化合物を水素供給源を含む液体アンモ
    ニア中においてアルカリ金属またはアルカリ土類金属で
    処理することを特徴とする2−フルオロシクロプロパン
    カルボン酸の製法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009221155A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Ube Ind Ltd 3,5−ジチア−1,7−ヘプタンジオールの製造方法

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