JPH07179140A - 車両用自動操縦装置 - Google Patents

車両用自動操縦装置

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JPH07179140A
JPH07179140A JP5326890A JP32689093A JPH07179140A JP H07179140 A JPH07179140 A JP H07179140A JP 5326890 A JP5326890 A JP 5326890A JP 32689093 A JP32689093 A JP 32689093A JP H07179140 A JPH07179140 A JP H07179140A
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JP
Japan
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vehicle
equation
lateral
steering angle
target
Prior art date
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Pending
Application number
JP5326890A
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English (en)
Inventor
Jun Koreishi
純 是石
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP5326890A priority Critical patent/JPH07179140A/ja
Publication of JPH07179140A publication Critical patent/JPH07179140A/ja
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  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】乗員に違和感がなく快適な乗心地感を与えるこ
との出来る車両用自動操縦装置を提供する。 【構成】前後輪の操舵角をそれぞれ独立に制御できる車
両において、自動操縦を行なう際の目標軌道について、
その横方向移動量の目標値は横加速度および横ジャーク
の値が所定値以下となるように設定し、また、姿勢角
(車両の向きを示す角度)の目標値は車体の横滑り角を
零とするように設定する目標軌道生成手段7と、そのよ
うに設定した目標軌道を実現するように前後輪の制御量
を決定する前後輪操舵角指令値算出手段9とを備え、上
記前後輪の制御量に応じて前輪と後輪とを独立に制御す
ることにより、発生する横加速度および横ジャークの値
を定められた値以下となるようにして乗員の乗心地感を
良好に保つと共に、車両の横滑り角が零(車両の向きが
常に進行方向と一致する)となるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両が走行車線に沿
って自動的に走行するように操舵角を制御する車両用自
動操縦装置に関し、特に、乗員の乗り心地感を向上させ
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動操縦装置としては、例えば、
特開平3−291703号公報に記載されたものがあ
る。これは、画像処理を用いて、前方の走行車線を認識
し、走行車線に追従するように前輪の操舵角を制御して
自動操縦を行なうものである。しかし、このような自動
操縦装置においては、単に走行車線に沿って走行し、障
害物があると認識した場合には、その障害物を回避する
ように走行するだけであって、走行中の乗員の乗心地感
を向上させることには、あまり配慮されていなかった。
そのため、車両が急に曲がったり、横方向の加速度等が
大きくなって乗員の乗り心地を低下させるという問題が
あった。上記のような問題に対処するために、自動操縦
された車両の乗員の乗心地感についての研究が行なわ
れ、「“自動操舵による制御特性の考察”自動車技術会
学術講演会前刷集902の902179 1990.1
0」という論文が発表されている。この論文によれば、
乗員の乗心地感に影響の大きな物理量は、横加速度およ
び横ジャーク(横方向の加加速度すなわち加速度の変化
する割合)であり、これらの値を、横加速度が0.15
G(1.47m/s2)以内、横ジャークが0.25G/
s(2.45m/s3)以内に収まるように制御すること
によって、良好な乗員の乗心地感を確保することができ
ることが判る。従って、このような横加速度および横ジ
ャークの値となるように、制御される操舵角の値を決定
すれば、乗員の乗心地感に配慮した自動操縦が可能とな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
自動操縦を行なったとしても、横加速度と横ジャークの
値を制限しているだけであって、その時の車両の向き
は、必ずしも乗員にとって好ましい値に定められるわけ
ではない。特に障害物を回避する場面のように、移動量
の大きな状況では、横加速度と横ジャークの値が良好な
値に保たれたとしても、車両の進行方向と車両の向きが
必ずしも一致しないため、乗員が外部の風景を眺めてい
るような状況では、乗員は車両が車両前方方向ではな
く、横方向に流れて進行しているような違和感や不安を
感じてしまうおそれがある。
【0004】本発明は、上記のごとき従来技術の問題を
解決するためになされたものであり、乗員に違和感がな
く快適な乗心地感を与えることの出来る車両用自動操縦
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。図1は、本発明の概要を示すクレーム
対応図である。この装置は、前輪と後輪の操舵角を独立
に制御する装置を備えた車両自動操縦装置に適用され
る。図1において、1は自車両の走行車速を検出する自
車速検出手段、3は自車両前方の道路形状を認識する道
路形状認識手段、5は自車両前方の道路状況を認識して
走行車線上の障害物を検出する障害物検出手段である。
また、7は上記道路形状認識手段3で認識された道路形
状と、上記自車速検出手段1で検出された自車速と、上
記障害物検出手段5からの障害物検出情報とに基づい
て、障害物を回避するための目標軌道を生成し、かつ該
目標軌道の横方向移動量の目標値については横加速度お
よび横ジャークが所定値以下となるようにし、該目標軌
道の姿勢角の目標値については、車両の横滑り角を零と
するように、すなわち車両の向きが常に走行軌跡の接線
方向を向くように、上記目標軌道を定める目標軌道生成
手段である。なお、上記横方向移動量とは走行路線を示
す基準位置からの横方向の偏差であり、上記姿勢角とは
車両の向きを示す角度(ヨー角)である。また、横加速
度および横ジャークにおける所定値とは、乗員の乗心地
感を損なわない範囲の値を意味する。また、15は車両
13の各種状態量を観測する状態量観測手段、9は上記
目標軌道生成手段7によって生成された目標軌道と上記
車両状態量観測手段15によって観測された車両状態量
から、自車両の走行軌道が上記目標軌道となるために必
要な前後輪の操舵角を算出する前後輪操舵角指令値算出
手段、11は上記前後輪操舵角指令値算出手段9で算出
された値となるように前後輪の操舵角を制御する前後輪
操舵角制御手段である。なお、上記の各手段は、例えば
後記図2の実施例における下記の装置に相当する。すな
わち、自車速検出手段1は車速センサ25に、道路形状
認識手段3は撮像装置21と画像処理装置23に、障害
物検出手段5は画像処理装置23に、状態量観測手段1
5は加速度センサ37とヨーレートセンサ39に、目標
軌道生成手段7と前後輪操舵角指令値算出手段9は情報
処理演算回路27に、前後輪操舵角制御手段11は操舵
角制御装置29と前輪操舵アクチュエータ31、後輪操
舵アクチュエータ33に、それぞれ相当する。
【0006】
【作用】本発明においては、自動操縦装置の制御対象と
して、前輪の操舵角だけでなく、後輪の操舵角も独立し
て制御を行ない、その制御内容を、発生する横加速度お
よび横ジャークの値を定められた値以下となるようにし
て乗員の乗心地感を良好に保つと共に、車両の横滑り角
が零(車両の向きが常に進行方向と一致する)となるよ
うに、すなわち車両の向きが常に走行軌跡の接線方向を
向くように制御するものである。
【0007】以下、上記のごとき制御によって前記従来
技術の問題点が解決できる技術的な理由について説明す
る。前記従来例のような一般的な自動操縦車両において
は、車両の横方向への移動制御手段として、前輪の操舵
角のみを制御する、いわゆる2輪操舵(2WS)という
操舵方式を用いている。これに対して、本発明を適用す
る4輪操舵(4WS)の操舵方式では、前輪の操舵角と
後輪の操舵角を独立に制御することが可能である。ま
た、自動操縦車両では、走行車線に沿って走行したり、
障害物の回避動作を行なったりするときに、水平面内で
の車両の通るべき位置(軌道)を策定し、それに沿って
走行するように、操舵角および車速が制御される。軌道
に沿って走行するには、各時点で車両が通過すべき横方
向の位置を、軌道から計算される値に合わせる必要があ
る。また、この横方向の位置を決める横方向移動量は、
車両で発生する横加速度とヨーレート(ヨー角の微分
値)という2つの物理量と、車速から定まってくる。従
来のような2輪操舵車両の場合、これらの横加速度とヨ
ーレートという2つの物理量は、操舵角の制御量を決定
するとそれぞれ一意に決まるため、例えば、横加速度の
発生の仕方を或る値に制限するように操舵制御量を決定
すると、必然的にこの操舵制御量からヨーレートの発生
の仕方も決まってしまう。そして車両の軌道を決める
と、その軌道を実現するためには、横加速度とヨーレー
トの発生の仕方は、それぞれ一意に決まってしまう。ま
た、横加速度とヨーレートの発生の仕方が決まると、こ
れらの値から必然的に車両の向きが決まるため、例え
ば、車両の進行方向と車体の向きがずれていても、軌道
を変更すること無しに、このズレを無くすように制御す
ることはできない。一方、自動操縦車両ではないが、通
常の車両について最近開発されている4輪操舵車両の場
合には、前後輪の舵角をそれぞれ独立に決めることがで
きるので、2輪操舵車両に比べて制御の自由度が増して
おり、横加速度とヨーレートの発生の仕方を任意に変え
ることができる。例えば、横加速度は大きく発生する
が、ヨーレートは発生しないように前後輪の舵角を制御
することも可能であるし、その逆も可能である。したが
って、車両の軌道を決定しても、前後輪の舵角を適当に
制御することによって、その時に発生する車両の向きを
任意の値にすることが可能である。つまり、車両の軌道
と車両の向きを独立に制御することが可能となる。その
ため、車両位置が軌道に沿っており、かつ車両の向きが
必ず進行方向を向くように前後輪の制御量を定めること
ができる。このように、車両の向きが常に車両進行方向
を向く(車体の横滑り角を零とする)ように制御する方
式を“横滑り角ゼロ”制御と呼んでいる。本発明におい
ては、上記のように前後輪の操舵角をそれぞれ独立に制
御することのできる車両において、自動操縦を行なう際
の目標軌道について、その横方向移動量の目標値は横加
速度および横ジャークの値が所定値以下となるように設
定し、また、姿勢角すなわち車両の向きを示す角度の目
標値は車体の横滑り角を零とするように設定し、そのよ
うに設定した目標軌道を実現するように前後輪の制御量
を決定して4輪制御を行なうことにより、乗員に違和感
がなく快適な乗心地感を与えることの出来るようにした
ものである。
【0008】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。図2
は、この発明の一実施例のシステムブロック図である。
まず、構成を説明する。車両前方を向けて取り付けられ
た撮像装置21は前方の映像を取り込む。その取り込ま
れた前方映像は画像処理装置23へと入力される。画像
処理装置23で得られた道路形状および障害物の情報
は、情報処理演算回路27へと入力される。なお、撮像
装置21は例えばTVカメラであり、情報処理演算回路
27は例えばコンピュータである。情報処理演算回路2
7には、車速センサ25からの自車速Vの情報も入力さ
れ、これらの情報に基づいて目標軌道を生成する。さら
に情報処理演算回路27は生成した目標軌道と自車両の
状態量(自動操縦走行の基準となる路面上の白線等から
の横偏差、横速度、ヨー角、ヨーレート)とから、望ま
しい前後輪操舵角指令値を算出する。また、操舵角制御
装置29は、これらの操舵角指令値に基づいて前輪操舵
角指令値δfおよび後輪操舵角指令値δrを出力し、その
指令値に応じて前輪操舵アクチュエータ31および後輪
操舵アクチュエータ33が動作して、前輪および後輪の
操舵角を制御する。なお、加速度センサ37およびヨー
レートセンサ39は、車両の状態量を観測するために設
けられたセンサであり、加速度センサ37からは横加速
度が、ヨーレートセンサ39からはヨー角およびヨーレ
ートが観測され、情報処理演算回路27に入力される。
【0009】次に、作用を説明する。図7は、情報処理
演算回路27における演算処理を示すフローチャートで
ある。この情報処理演算回路27での処理は、自車速
V、自車位置、自車の向きおよび障害物情報に基づい
て、障害物が存在する場合には回避経路およびそれに追
従するために発生しなければならない前後輪制御量を決
定し、障害物が存在しない場合には走行車線に追従する
ために発生しなければならない前後輪制御量を決定す
る。図7において、まず、ステップ101で、車速セン
サ25から自車速Vを読み込む。次にステップ103で
は、画像処理装置23から自車の道路における横偏差
(横方向の位置すなわち横方向移動量)とヨー角(自車
の向き)および障害物に関する情報を読み込む。次に、
ステップ105では、障害物が有るか否かを判別し、障
害物がある場合には、ステップ107へと進み、障害物
の位置情報と現在の自車の横偏差、ヨー角をもとに回避
経路の目標軌道を策定する。障害物が存在しない場合に
は、ステップ109において、走行車線に対する現在の
横偏差およびヨー角を補正し、走行車線に沿って走行で
きるような補正経路の目標軌道を策定する。上記の目標
軌道は、横偏差(横方向移動量)の目標値と姿勢角(ヨ
ー角)の目標値とから成る。次に、ステップ111で
は、上記の策定した目標軌道に応じた前輪操舵角指令値
δfと後輪操舵角指令値δrとを算出し、ステップ113
でその結果を前輪操舵アクチュエータ31および後輪操
舵アクチュエータ33へ出力する。
【0010】以下、上記のステップ111における前輪
操舵角指令値δfと後輪操舵角指令値δrの算出、および
ステップ107、109における目標軌道の生成ついて
詳細に説明する。まず、前輪操舵角指令値δfと後輪操
舵角指令値δrの算出について説明する。図4は、ステ
ップ111の演算を行なう場合における車両の運動を記
述するためのX−Y座標系を示す図である。図4におい
て、yは横方向移動量(横偏差)、xは縦方向(進行方
向)移動量、θはヨー角(走行路線の基準となるX軸と
車両とのなす角度)、Pは車両の重心点、Hはホイール
ベース、Hfは前車軸と重心点Pとの距離、Hrは後車軸
と重心点Pとの距離、YfとYrはそれぞれ前輪と後輪と
に働く横方向の力(コーナリングフォース)、Vは車
速、ΥfとΥrはそれぞれ前後輪の進行方向とX軸とのな
す角である。まず、重心点PのY方向の運動は、車両重
量をmとすれば、下記(数1)式で示される。
【0011】
【数1】
【0012】また、ヨー方向の運動は、慣性モーメント
をIとすれば、下記(数2)式で示される。
【0013】
【数2】
【0014】また、前後輪の進行方向とX軸とのなす角
Υf、Υrは下記(数3)式、(数4)式で示される。
【0015】
【数3】
【0016】
【数4】
【0017】なお、(数3)式、(数4)式に示したd
y/dtは横速度、dθ/dtはヨーレートを意味す
る。また、前後輪の進行方向の向いている角度とX軸と
のなす角θf、θrは、 θf=θ+δf θr=θ+δr であるから、前後輪の横滑り角βf、βrは、それぞれ下
記(数5)式、(数6)式に示すようになる。
【0018】
【数5】
【0019】
【数6】
【0020】したがって、前後輪に働くコーナリングフ
ォースYf、Yrは、下記(数7)式、(数8)式で示さ
れる。
【0021】
【数7】
【0022】
【数8】
【0023】上記(数7)式、(数8)式をそれぞれ前
記(数1)式、(数2)式に代入してδf、δrについて
解くと、下記(数9)式に示すようになる。
【0024】
【数9】
【0025】なお、(数9)式に示したd2y/dt2
横加速度を意味する。
【0026】したがって、横方向移動量yの目標値yd
と、ヨー角θの目標値θdとを設定することにより、そ
の目標軌道を実現するための目標前輪操舵角δfdと目標
後輪操舵角δrdとを(数9)式から求めることが出来
る。
【0027】次に、目標軌道の生成について詳細に説明
する。図3は、自車50の進路前方に障害物51(他の
車両等)があった場合における回避経路策定の状況を示
す図である。図3に示すように、横方向移動量をy、ヨ
ー角をθとした場合に、時間t後におけるy(t)、θ
(t)の目標値yd(t)、θd(t)は、次にようにして
求められる。まず、横方向移動量yd(t)について説明
する。
【0028】横方向の乗り心地感に大きな影響を及ぼす
のは、横方向(Y軸方向)の加速度および横ジャークで
あると言われているので、横加速度および横ジャークが
乗り心地を損なわないために、目標軌道の横方向移動量
の目標値yd(t)は、横加速度の許容絶対値Gmaxおよ
び横ジャークの許容絶対値Jmaxを越えない範囲で生成
することを考える。図3において、回避動作開始点0か
ら回避動作終了点Aに達するまでの時間をTとし、t≦
0およびt≧Tでは車両がX軸方向に直進しており、操
舵角も0であるとする。このときt=0およびt=Tに
おける境界条件は、連続性の条件から、下記(数10)
式、(数11)式、(数12)式のようになる。なお、
yおよびθの上に「‥」を付したものは2階微分を意味
し、「・」を付したものは1階微分を示す。
【0029】
【数10】
【0030】
【数11】
【0031】
【数12】
【0032】上記の(数10)式、(数11)式、(数
12)式を前記(数9)式に代入すると、下記(数1
3)式が得られる。
【0033】
【数13】
【0034】以上をまとめると、下記に示すように、目
標値ydの満たすべき条件は上記と同様の(数10)式
で示され、目標値θdの満たすべき条件は(数14)式
で示される。
【0035】
【数14】
【0036】なお、(数10)式を満足するyd(t)の
値は種々考えられるが、簡単のため、yd(t)の2階微
分値が1次式となるような軌道を考える。そして図5に
示すような軌道を考えると、横加速度および横ジャーク
が許容範囲内にあることになる。図5から、横方向の目
標値yd(t)を2階微分した横加速度の目標値は、下記
(数15)式で与えられる。
【0037】
【数15】
【0038】次に、上記(数15)式を積分することに
より、横方向移動量の目標値yd(t)を1階微分した横
速度の目標値は、下記(数16)式で与えられる。
【0039】
【数16】
【0040】さらに、上記(数16)式を積分すること
により、横方向移動量の目標値yd(t)は、下記(数1
7)式で与えられる。
【0041】
【数17】
【0042】また、回避時間T、回避距離Lおよび回避
オフセットDは、上記(数17)式から、下記(数1
8)式、(数19)式、(数20)式で与えられる。
【0043】
【数18】
【0044】
【数19】
【0045】
【数20】
【0046】また、上記(数18)式、(数19)式、
(数20)式のT1については、JmaxT1=Gmaxである
から、T1は定数となり、下記(数21)式で与えられ
る。
【0047】
【数21】
【0048】次に、(数20)式のようにして回避オフ
セットDを決めたときに、車速Vが一定のもとで、回避
距離Lを最小にする、すなわち回避時間Tを最小にする
ようなT2、T3について考える。(数20)式をT3
ついて解くと、下記(数22)式が得られる。
【0049】
【数22】
【0050】T2、T3≧0であるから、上記(数22)
式より、T2の範囲は下記(数23)式に示すようにな
る。
【0051】
【数23】
【0052】上記(数22)式を前記(数18)式に代
入してT3を消去すると、(数24)式が得られる。
【0053】
【数24】
【0054】上記(数24)式のTをT2について微分
し、上記(数23)式を考慮すると、下記(数25)式
が得られる。
【0055】
【数25】
【0056】したがってTはT2について単調減少であ
り、下記(数26)式のときに回避時間Tおよび回避距
離Lは最小となる。なお、このときT3=0である。
【0057】
【数26】
【0058】上記の(数21)式および(数26)式
を、前記(数18)式および(数19)式に代入するこ
とにより、回避時間T、回避距離Lは下記(数27)
式、(数28)式で与えられる。
【0059】
【数27】
【0060】
【数28】
【0061】次に、姿勢角(ヨー角)の目標値θd(t)
について説明する。
【0062】乗員の違和感をなくすために、横滑り角を
0にすることを考える。横滑り角を0にするためには、
ヨー角の目標値θd(t)を下記(数29)式で示すよう
に設定する。すなわちヨー角の目標値θd(t)を、横速
度dy/dtを車速Vで割った値と等しくすればよい。
なおΥは車両とX軸とのなす角度である。
【0063】
【数29】
【0064】(数29)式より、ヨー角θd(t)の2階
微分は、横方向移動量yd(t)の3階微分(ジャーク)
と同じ波形となり、図4のように横ジャークを決めると
不連続点を生じ、前記(数14)式の連続性の条件を満
たさない。したがって厳密には、不連続点付近でそれを
無くすような処理を行なう必要がある。その処理として
は、例えばステップ応答に1次遅れをかける方法があ
る。また、ヨー角の最大値θmaxは、前記(数16)式
より、T=2T1+T2のときyd(t)の最大値がGmax
(T1+T2)なので、下記(数30)式で与えられる。
【0065】
【数30】
【0066】上記(数30)式から判るように、θmax
は車速Vに反比例するので、車速が低いほどヨー角の最
大値は大きくなる。さらに最大値をとる時刻Tθmax
は、Tθmax=T/2であり、回避運動が半分経過した
時点である。
【0067】次に、前後輪操舵角指令値δd(t)に基づ
いたフィードバック制御系の構成について説明する。図
6は、前後輪操舵角指令値δd(t)に基づいたフィード
バック制御系の構成を示すブロック図である。前記(数
9)式をまとめると、(数31)式のようになり、それ
をベクトル表示すると下記(数32)式のようになる。
なお、下線を付した記号はベクトルを示すものとする。
【0068】
【数31】
【0069】
【数32】
【0070】(数32)式において、の2階微分値お
よび1階微分値は測定可能であり、は既知と
すると、(数32)式に新たな入力uqを含む下記(数
33)式に示す線形フィードバックを行なうと、下記
(数34)式に示すような簡単な線形システムが得られ
る。
【0071】
【数33】
【0072】
【数34】
【0073】を目標軌道dに追従させるためには、
uqを下記(数35)式とおき、かつ、e=d−
おくと、(数34)式および(数35)式から、下記
(数36)式のようになる。
【0074】
【数35】
【0075】
【数36】
【0076】v=diag(2ζωc)、p=diag(ωc
×ωc)とおけば(ただし、0<ζ≦1、0<ωc)、
(数36)式はに収束し、安定な制御系を構成す
ることが出来る。なお、前記(数31)式に示したよう
に、は(y,θ)である。そしてと該の1階微分
値とは測定する必要があるので、制御系の構成は図6に
示すようになる。図6の制御系において、車両(Vehic
leと表示)からは横方向移動量yとその1階微分値(横
速度)、ヨー角θとその1階微分値(ヨーレート)とを
測定しているが、それらの値を測定する手段(前記図1
の車両状態量観測手段15に相当)として考えられるも
のを下記表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、障害物を回避する際に、横加速度および横ジャー
クの発生量を所定範囲内に収め、さらに横滑り角を0と
するように前後輪の操舵角を制御して自動走行するよう
に構成したことにより、自動操縦中に障害物に対して回
避動作を行なった場合などでも、人間にとって違和感が
なく快適な乗心地感を提供できる、という効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図。
【図2】本発明の一実施例を示す自動操縦装置のブロッ
ク図。
【図3】回避運動における車両の座標系を示す図。
【図4】車両の座標系を示す図。
【図5】目標横加速度および目標横ジャークのパタンを
示す図。
【図6】本発明の装置におけるフィードバック系を示す
ブロック図。
【図7】本発明の実施例における演算処理を示すフロー
チャート。
【符号の説明】
1…自車速検出手段 25…車速センサ 3…道路形状認識手段 27…情報処理演
算回路 5…障害物検出手段 29…操舵角制御
装置 7…目標軌道生成手段 31…前輪操舵ア
クチュエータ 9…前後輪操舵角指令値算出手段 33…後輪操舵ア
クチュエータ 11…前後輪操舵角制御手段 35…車両 13…車両 37…加速度セ
ンサ 15…車両状態量観測手段 39…ヨーレー
トセンサ 21…撮像装置 50…自車 23…画像処理装置 51…障害物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B62D 101:00 113:00 137:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪と後輪の操舵角を独立に制御する装置
    を備えた車両用自動操縦装置において、 自車両前方の道路形状を認識する道路形状認識手段と、 自車両の走行車速を検出する自車速検出手段と、 自車両前方の道路状況を認識して走行車線上の障害物を
    検出する障害物検出手段と、 車両の状態量を観測する状態量観測手段と、 上記道路形状認識手段で認識された道路形状と、上記自
    車速検出手段で検出された自車速と、上記障害物検出手
    段からの障害物検出情報とに基づいて、障害物を回避す
    るための目標軌道を生成し、かつ該目標軌道の横方向移
    動量の目標値については横加速度および横ジャークが所
    定値以下となるようにし、該目標軌道の姿勢角の目標値
    については、車両の横滑り角を零とするように、上記目
    標軌道を定める目標軌道生成手段と、 上記目標軌道生成手段によって生成された目標軌道と上
    記車両状態量観測手段によって観測された車両状態量か
    ら、自車両の走行軌道が上記目標軌道となるために必要
    な前後輪の操舵角を算出する前後輪操舵角指令値算出手
    段と、 上記前後輪操舵角指令値算出手段で算出された値となる
    ように前後輪の操舵角を制御する前後輪操舵角制御手段
    と、 を備えたことを特徴とする車両用自動操縦装置。
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