JP2017001520A - 運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバが運転不能な状態に陥った場合において、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感を抑制しつつ、車両の運転を支援することができる運転支援装置を提供する。【解決手段】運転支援装置(16)は、乗員の状態に応じて車両(1)の運転を支援する運転支援装置であって、乗員の状態を取得する乗員状態取得部(18)と、車両の走行中、乗員状態に異常が発生した場合、車両の最大横加速度が所定の横加速度閾値以下且つ最大横ジャークが所定の横ジャーク閾値以下となるように車両を操舵するステアリングトルクコントローラ(36)とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、運転支援装置に係わり、特に、乗員の状態に応じて車両の運転を支援する運転支援装置に関する。
従来、車両の運転を支援する運転支援装置として、車両の加減速を制御するものや、車両の操舵を制御するものが知られている。例えば、特許文献1には、車両の車速を設定速度に一定に保つクルーズコントロールを実行中に、車両のドライバが運転不能な状態であることを検知した場合、車両を走行車線に沿って走行させるレーンキープアシストを実行すると共に、車両を減速及び停止させる運転走行支援装置が開示されている。
特開2014−91380号公報
しかしながら、特許文献1の装置のように、車両のドライバが運転不能な状態であることを検知した場合において、レーンキープアシストを実行すると共に、車両を減速及び停止させる場合、レーンキープアシストや減速制御に伴う車両の挙動によっては、運転不能な状態にあるドライバの体の負担が増加して着座姿勢が崩れてしまったり、ドライバ以外の乗員の不安感や不快感を増大させたりしてしまう可能性がある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ドライバが運転不能な状態に陥った場合において、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感を抑制しつつ、車両の運転を支援することができる、運転支援装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の運転支援装置は、乗員の状態に応じて車両の運転を支援する運転支援装置であって、乗員の状態を取得する乗員状態取得手段と、車両の走行中、乗員状態に異常が発生した場合、車両の最大横加速度が所定の横加速度閾値以下且つ最大横ジャークが所定の横ジャーク閾値以下となるように車両を操舵する操舵制御手段とを有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、車両の走行中、乗員状態に異常が発生した場合、車両の最大横加速度が所定の横加速度閾値以下且つ最大横ジャークが所定の横ジャーク閾値以下となるように車両を操舵するので、乗員の不快感が抑制される最大横加速度と最大横ジャークとの組み合わせによって車両を旋回させることができ、これにより、ドライバが運転不能な状態に陥った場合において、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両の運転を支援することができる。
また、本発明において、好ましくは、操舵制御手段は、車両の最大横加速度が4m/s2以下且つ最大横ジャークが3m/s3以下となるように車両を操舵する。
このように構成された本発明においては、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大横加速度と最大横ジャークとの組み合わせによって車両を旋回させることができ、これにより、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感を確実に抑制しつつ、車両の運転を支援することができる。
また、本発明において、好ましくは、運転支援装置は、更に、車両を退避させる退避スペースの、車両の進行方向における長さを検出する退避スペース検出手段と、退避スペースの長さと、退避スペースの入口における進入車速とに基づき、車両を入口から減速させてその退避スペース内に停車させる車速プロファイルを決定する車速プロファイル決定手段と、車両を車速プロファイルに従って減速させながら退避スペース内に進入させるヨーレートプロファイルを決定するヨーレートプロファイル決定手段と、決定された車速プロファイル及びヨーレートプロファイルに従って車両を退避スペース内に進入させる場合に発生する車両の最大横加速度及び最大横ジャークを推定する挙動推定手段とを有し、操舵制御手段は、挙動推定手段が推定した最大横加速度が横加速度閾値以下且つ最大横ジャークが横ジャーク閾値以下である場合に、決定された車速プロファイル及びヨーレートプロファイルに従って車両を操舵する。
このように構成された本発明においては、退避スペースの長さと退避スペースの入口における進入車速とに基づき決定した車両を退避スペース内に停車させる車速プロファイルと、車両を車速プロファイルに従って減速させながら退避スペース内に進入させるヨーレートプロファイルとに従って、車両を退避スペース内に進入させる場合に発生する最大横加速度及び最大横ジャークを推定し、推定された最大横加速度が横加速度閾値以下且つ最大横ジャークが横ジャーク閾値以下である場合に、それらの車速プロファイル及びヨーレートプロファイルに従って車両を操舵するので、ドライバが運転不能な状態に陥った場合において、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両を退避スペース内に安全に進入させるように車両の運転を支援することができる。
また、本発明において、好ましくは、ヨーレートプロファイル決定手段は、挙動推定手段が推定した最大横加速度が横加速度閾値より大きい及び/又は最大横ジャークが横ジャーク閾値より大きい場合、車両を車速プロファイルに従って減速させながら退避スペース内に進入させるときの切り込み操舵の所要時間と切り戻し操舵の所要時間との比率を変化させたヨーレートプロファイルを再決定する。
このように構成された本発明においては、切り込み操舵の所要時間と切り戻し操舵の所要時間との比率を変化させたヨーレートプロファイルを再決定することにより、最大横加速度が横加速度閾値以下且つ最大横ジャークが横ジャーク閾値以下となるヨーレートプロファイルを決定することができ、これにより、確実にドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両を退避スペース内に安全に進入させるように車両の運転を支援することができる。
また、本発明において、好ましくは、車速プロファイル決定手段は、車両の最大減速度と最大前後ジャークとの線形和が所定値以下となるように車両を減速させる車速プロファイルを決定する。
このように構成された本発明においては、乗員の不快感が抑制される最大減速度と最大前後ジャークとの組み合わせによって車両を減速させる車速プロファイルを決定することができ、これにより、確実にドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両を退避スペース内に安全に進入及び停止させるように車両の運転を支援することができる。
本発明による運転支援装置によれば、ドライバが運転不能な状態に陥った場合において、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感を抑制しつつ、車両の運転を支援することができる。
本発明の実施形態による運転支援装置の電気的構成を示すブロック図である。 車両が減速を行うときに発生する最大減速度Gxをx座標、最大前後ジャークJxをy座標として、乗員が不快感を覚えた場合と覚えなかった場合のそれぞれの座標(Gx,Jx)を座標平面上にプロットした図である。 車両が旋回を行うときに発生する最大横加速度Gyをx座標、最大横ジャークJyをy座標として、乗員が不快感を覚えた場合と覚えなかった場合のそれぞれの座標(Gy,Jy)を座標平面上にプロットした図である。 本発明の実施形態による運転支援装置が実行する運転支援処理のフローチャートである。 図4に続く運転支援処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による運転支援装置を搭載した車両が進入する退避スペースの一例を示す平面図である。 本発明の実施形態による運転支援装置を搭載した車両を退避スペースの入口までに所定の進入車速まで減速させるときの挙動を示す線図であり、(a)は車速プロファイル、(b)は減速度プロファイルである。 退避スペースへの進入車速が40km/hの場合において、車両を退避スペース内に停車させる場合に発生する車両の最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせを、減速度をx座標、前後ジャークをy座標として、退避スペースの長さ毎にプロットした図である。 退避スペースへの進入車速が30km/hの場合において、車両を退避スペース内に停車させる場合に発生する車両の最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせを、減速度をx座標、前後ジャークをy座標として、退避スペースの長さ毎にプロットした図である。 本発明の実施形態による運転支援装置を搭載した車両を退避スペース内に停車させるときの挙動を示す線図であり、(a)は車速プロファイル、(b)はヨーレートプロファイル、(c)は横加速度の変化を示す線図である。 車両を図10(a)の車速プロファイルに従って減速させながら退避スペース内に進入させる場合に発生する最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyの組み合わせを、車両を退避スペースに進入させるときの切り込み操舵の所要時間と切り戻し操舵の所要時間との比率毎にプロットした図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による運転支援装置を説明する。
まず、図1により、本発明の実施形態による運転支援装置を搭載する車両について説明する。図1は、本発明の実施形態による運転支援装置を搭載する車両の電気的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、符号1は、本実施形態による運転支援装置を搭載する車両を示す。この車両1は、車両1の前方を撮影する車外カメラ2、車室内の乗員の状態を検出する乗員状態センサ4、非常時に車両1を走行車線から退避させることが可能な退避スペース(例えば非常駐車帯や待避所等)の位置や形状に関する情報を格納した地図データベース6、GPS8(Global Positioning System)、車速を検出する車速センサ10、車両1の進行方向の加速度を検出する加速度センサ12、及び、車両1のヨーレートを検出するヨーレートセンサ14を有する。車外カメラ2が撮影した画像データ、地図データベース6から取得された退避スペースに関する情報、GPS8により取得された位置情報、及び各センサにより検出された検出データは、ECU16(運転支援装置)に出力される。
ECU16は、車両1の乗員の状態を取得する乗員状態取得部18と、車両1を退避させる退避スペースを検出する退避スペース検出部20と、車両1を退避スペースの入口から減速させてその退避スペース内に停車させる車速プロファイルを決定する車速プロファイル決定部22と、車両1を車速プロファイルに従って減速させながら退避スペース内に進入させるヨーレートプロファイルを決定するヨーレートプロファイル決定部24と、車両1を退避スペース内に進入させる場合に発生する車両1の最大減速度、最大横加速度、最大前後ジャーク及び最大横ジャークを推定する挙動推定部26と、車速プロファイルに従って車両1のエンジン28及びブレーキ30を制御する加減速制御部32と、ヨーレートプロファイルに従って車両1の電動パワーステアリング34を制御するステアリングトルクコントローラ36とを備える。
これらの乗員状態取得部18、退避スペース検出部20、車速プロファイル決定部22、ヨーレートプロファイル決定部24、挙動推定部26、加減速制御部32、及びステアリングトルクコントローラ36は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
次に、図2及び図3により、乗員が不快感を覚える車両1の挙動について説明する。
図2は、車両1が減速を行うときに発生する最大減速度Gxをx座標、最大前後ジャークJxをy座標として、乗員が不快感を覚えた場合(図2では「×」)と覚えなかった場合(図2では「◆」)のそれぞれの座標(Gx,Jx)を座標平面上にプロットした図であり、図3は、車両1が旋回を行うときに発生する最大横加速度Gyをx座標、最大横ジャークJyをy座標として、乗員が不快感を覚えた場合(図3では「×」)と覚えなかった場合(図3では「◆」)のそれぞれの座標(Gy,Jy)を座標平面上にプロットした図である。
本発明の発明者らは、車両1の挙動が乗員の体の負担や不快感に及ぼす影響を実験的に調査した。
具体的には、まず、車両1が減速を行うときに発生する最大減速度Gxと、その最大減速度Gxに到達するまでに発生する最大前後ジャークJxとの様々な組み合わせに従って車両1を減速させ、それぞれの組み合わせによる車両1の挙動を不快に感じるか否かの主観評価を行うと共に、車両1の挙動による体の負担として、着座姿勢を保持するための筋活動量を計測した。
その結果、最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの線形和が所定値以下となる領域、具体的には、図2に示すように、10Gx+3Jx≦30を満たす領域(図2の左下のハッチング領域)に含まれる挙動に対しては、乗員は不快感を覚えないことが明らかとなった。
また、本発明の発明者らは、車両1が旋回を行うときに発生する最大横加速度Gyと、その最大横加速度Gyに到達するまでに発生する最大横ジャークJyとの様々な組み合わせに従って車両1を旋回させ、それぞれの組み合わせによる車両1の挙動を不快に感じるか否かの主観評価を行うと共に、車両1の挙動による体の負担として、着座姿勢を保持するための筋活動量を計測した。
その結果、図3に示すように、最大横加速度Gyが所定の横加速度閾値以下且つ最大横ジャークJyが所定の横ジャーク閾値以下の領域、具体的には、最大横加速度Gyが4m/s2以下且つ最大横ジャークJyが3m/s3以下の領域(図3の左下のハッチング領域)に含まれる挙動に対しては、乗員は不快感を覚えないことが明らかとなった。
また、本発明の発明者らは、筋活動量と乗員の不快感との間には相関があり、筋活動量が大きくなるほど(車両1の挙動による体の負担が大きくなるほど)、不快感が強くなることを見出した。即ち、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を減速させると共に、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大横加速度Gyと最大横ジャークJyとの組み合わせによって車両1を旋回させることにより、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両1の運転を支援することができる。
次に、図4乃至図10により、運転支援装置が行う車両1の運転支援処理について説明する。
図4及び図5は、本発明の実施形態による運転支援装置が実行する運転支援処理のフローチャートであり、図6は、本発明の実施形態による運転支援装置を搭載した車両1が進入する退避スペースの一例を示す平面図であり、図7は、退避スペースの入口までに車両1を所定の進入車速まで減速させるときの挙動をしめ線図であり、図8は、退避スペースへの進入車速が40km/hの場合において、車両1を退避スペース内に停車させる場合に発生する車両1の最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせを、減速度をx座標、前後ジャークをy座標として、退避スペースの長さ毎にプロットした図であり、図9は、退避スペースへの進入車速が30km/hの場合において、車両1を退避スペース内に停車させる場合に発生する車両1の最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせを、減速度をx座標、前後ジャークをy座標として、退避スペースの長さ毎にプロットした図であり、図10は、本発明の実施形態による運転支援装置により決定された車両1の挙動を示す線図であり、図11は、車両1を図10(a)の車速プロファイルに従って減速させながら退避スペース内に進入させる場合に発生する最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyの組み合わせを、車両1を退避スペースに進入させるときの切り込み操舵の所要時間と切り戻し操舵の所要時間との比率毎にプロットした図である。
まず、図4の運転支援処理は、ドライバの状態に応じて車両1の運転を支援する処理であり、例えば車両1のイグニッションスイッチがONにされた後に実行される。
図4に示すように、運転支援処理が開始されると、ステップS1において、ECU16は、車両1に搭載された各種センサの出力値を読み込む。
続いて、ステップS2において、乗員状態取得部18は、ステップS1で読み込んだ乗員状態センサ4の出力値に基づき、ドライバの状態に異常有るか否かを判定する。例えば、乗員状態センサ4としては、ドライバの瞬きを検出するための瞬き検出カメラや、ドライバの体表面温度や脈波を検出する赤外線センサ、ドライバの姿勢に応じた荷重バランスや体表脈波を検出するシートセンサ等を用いることができ、乗員状態取得部18は、これらの乗員状態センサ4から出力されたデータに基づき、ドライバの状態に異常が有るか否かを判定する。
本実施形態では、「ドライバの状態に異常が有る」とは、ドライバが車両1を運転することが困難な状態であることをいう。乗員状態取得部18は、例えば、ドライバの体表面温度が所定範囲外である場合や、ドライバの脈波数が所定範囲外である場合に、ドライバの状態に異常が有ると判定する。
その結果、ドライバの状態に異常がない場合、ステップS1に戻る。以降、ステップS2においてドライバの状態に異常が有ると判定されるまで、ステップS1及びS2を繰り返す。
一方、ドライバの状態に異常が有る場合、ステップS3に進み、ECU16は、車両1の運転操作を自動運転に切り替える。即ち、ECU16が、車両1の加減速及び操舵をドライバに代わって自動的に行うようにする。
次に、ステップS4において、退避スペース検出部20は、ステップS1において車外カメラ2やGPS8から読み込んだデータや、地図データベース6から取得したデータに基づき、車両1の進行方向において現在位置に最も近い退避スペースを検出する。退避スペースは、図6に示すように、車両1を走行車線から退避させることが可能なスペースであり、例えば、非常駐車帯や待避所等を利用することができる。
次に、ステップS5において、挙動推定部26は、退避スペース検出部20が検出した退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を所定の進入車速V0まで減速させることができるか否かを判定する。この進入車速V0は、後続車両から追突されることなく安全に走行車線を走行可能な車速であり、本実施形態では40km/hである。
具体的には、挙動推定部26は、車速プロファイル決定部22により、車両1の現在位置から退避スペースの入口までの距離と現在車速Vcとに基づき、図7(a)に示すように、退避スペースの入口までに車速を進入車速V0まで減速させる車速プロファイルを設定する。更に、その車速プロファイルを時間微分することにより減速度プロファイルを導出する。
そして、この減速度プロファイルにおける最大減速度Gxと、その最大減速度Gxに到達するまでに発生する最大前後ジャークJxとの組み合わせが、10Gx+3Jx≦30を満たす場合、挙動推定部26は、退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を所定の進入車速V0まで減速させることができると判定する。
一方、上述した減速度プロファイルにおける最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせが10Gx+3Jx≦30を満たさない場合、挙動推定部26は、車速プロファイル決定部22により、退避スペースの入口までに車速を進入車速V0まで減速させることを条件として減速度及び前後ジャークを変化させた車速プロファイルを再設定し、その車速プロファイルに基づく減速度プロファイルにおける最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせが10Gx+3Jx≦30を満たすか否かを判定する処理を繰り返す。その結果、何れかの車速プロファイルにおいて、最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせが10Gx+3Jx≦30を満たす場合、挙動推定部26は、退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を所定の進入車速V0まで減速させることができると判定する。
一方、最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせが10Gx+3Jx≦30を満たす車速プロファイルが存在しない場合、挙動推定部26は、退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を所定の進入車速V0まで減速させることができないと判定する。
その結果、退避スペース検出部20が検出した退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を所定の進入車速V0まで減速させることができない場合、ステップS6に進み、退避スペース検出部20は、車両1の進行方向において、最後に検出した退避スペースの次に現在位置に近い退避スペースを検出し、ステップS5に戻る。以降、ステップS5において、退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を所定の進入車速V0まで減速させることができると判定されるまで、ステップS5及びS6の処理を繰り返す。
一方、退避スペース検出部20が検出した退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を所定の進入車速V0まで減速させることができる場合、ステップS7に進み、加減速制御部32は、ステップS5において車速プロファイル決定部22により設定された車速プロファイルに従って車速をV0まで減速させる。即ち、加減速制御部32は、ステップS5において設定された車速プロファイルに基づく減速度プロファイルの減速度を発生させるように、車両1のブレーキ30及びエンジン28を制御する。
次に、ステップS8において、退避スペース検出部20は、退避スペースの大きさを検出する。具体的には、退避スペース検出部20は、ステップS1において車外カメラ2やGPS8から読み込んだデータや、地図データベース6から取得したデータに基づき、車両1の進行方向における退避スペースの長さLを検出する。
次に、ステップS9において、挙動推定部26は、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって、進入車速V0の車両1を退避スペースの入口から更に減速させてその退避スペース内に停車させることができるか否かを判定する。
具体的には、図8に示すように、退避スペースへの進入車速V0が40km/hの場合において、車両1を退避スペース内に停車させる場合に発生する車両1の最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせを退避スペースの長さ毎にプロットしたマップを、予めECU16に記憶させておく。挙動推定部26は、このマップから、ステップS8で検出された退避スペースの長さLに対応する最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせを取得し、10Gx+3Jx≦30を満たす場合、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって、進入車速V0の車両1を退避スペースの入口から更に減速させてその退避スペース内に停車させることができると判定する。一方、取得した最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせが10Gx+3Jx≦30を満たさない場合、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって、進入車速V0の車両1を退避スペースの入口から更に減速させてその退避スペース内に停車させることができないと判定する。
例えば、図8のマップによれば、退避スペースの長さLが30m以下の場合、10Gx+3Jx≦30を満たす領域(図8の右上のハッチング領域)に含まれる最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせは存在しない。一方、退避スペースの長さLが25m以下の場合、10Gx+3Jx≦30を満たす領域に含まれる最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせが存在する。
その結果、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって、進入車速V0の車両1を退避スペースの入口から更に減速させてその退避スペース内に停車させることができない場合、ステップS10に進み、挙動推定部26は、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を退避スペース内に停車させることが可能となる退避スペースへの進入車速(以下、「制限車速V1」という)を特定する。
具体的には、図8や図9に例示するように、車両1を退避スペース内に停車させる場合に発生する車両1の最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせを退避スペースの長さ毎にプロットしたマップを、退避スペースの入口における進入車速毎に、予めECU16に記憶させておく。挙動推定部26は、これらのマップから、ステップS8で検出された退避スペースの長さLに対応する最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせを取得し、10Gx+3Jx≦30を満たす領域に含まれる最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせが存在するマップにおける進入車速を、制限車速V1として特定する。
例えば、退避スペースの長さLが30mの場合、図8のマップによれば、10Gx+3Jx≦30を満たす領域に含まれる最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせは存在しないが、退避スペースへの進入車速V0が30km/hの場合を示す図9のマップによれば、10Gx+3Jx≦30を満たす領域(図9の右上のハッチング領域)に含まれる最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせが存在する。この場合、挙動推定部26は、制限車速V1=30km/hと特定する。
次に、ステップS11において、挙動推定部26は、ステップS8で大きさを検出した退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を制限車速V1まで減速させることができるか否かを判定する。この判定の具体的な処理内容は、ステップS5と同様である。
その結果、ステップS8で大きさを検出した退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を制限車速V1まで減速させることができない場合、ステップS12に進み、退避スペース検出部20は、車両1の進行方向において、最後に検出した退避スペースの次に現在位置に近い退避スペースを検出し、ステップS8に戻る。以降、ステップS11において、退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を所定の制限車速V1まで減速させることができると判定されるまで、ステップS8からS12の処理を繰り返す。
一方、ステップS8で大きさを検出した退避スペースの入口までに、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を制限車速V1まで減速させることができる場合、ステップS13に進み、加減速制御部32は、ステップS11において車速プロファイル決定部22により設定された車速プロファイルに従って車速をV1まで減速させる。
ステップS9において、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって、進入車速V0の車両1を退避スペースの入口から更に減速させてその退避スペース内に停車させることができると判定した場合、又は、ステップS13の後、ステップS14に進み、車速プロファイル決定部22は、退避スペースの長さLと、退避スペースの入口における進入車速V0又は制限車速V1とに基づき、車両1を退避スペースの入口から減速させてその退避スペース内に停車させる車速プロファイルを決定する。
具体的には、車速プロファイル決定部22は、図8や図9に例示したマップから取得した、退避スペースの長さLに対応し且つ10Gx+3Jx≦30を満たす領域に含まれる最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせを使用して、車両1を退避スペースの入口における進入車速V0又は制限車速V1から減速させてその退避スペース内に停車させる車速プロファイルを決定する。このとき、ドライバや他の乗員の体の負担が最も小さくなる最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxの組み合わせを使用して車速プロファイルを決定することが好ましい。
次に、ステップS15において、ヨーレートプロファイル決定部24は、ステップS14で決定した車速プロファイルに従って車両1を減速させながら退避スペース内に進入させるときの切り込み操舵の所要時間t1と切り戻し操舵の所要時間t2との比率(以下、「操舵レシオ」という)R=t1/(t1+t2)を設定する。運転支援処理において初めてステップS15を実行する場合、ヨーレートプロファイル決定部24は、初期値として、例えばR=0.5を設定する。
次に、ステップS16において、ヨーレートプロファイル決定部24は、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS15で設定した操舵レシオRに従って車両1を減速させながら退避スペース内に進入させるヨーレートプロファイルを決定する。
具体的には、ヨーレートプロファイル決定部24は、ステップS14で決定された、図10(a)に示すような車速プロファイルに従って減速した車両1が停止したときに、車両1の前後方向が退避スペースの長手方向と一致し、且つ、車体全体が退避スペース内に収まるように、且つ、操舵レシオRがステップS15で設定した値となるように、ヨーレートプロファイルを決定する。
ここで、退避スペースの入口からステップS14で決定した車速プロファイルに従って減速する車両1の車速をV(t)、旋回角をθ(t)とした場合、車両1の横方向の移動距離ΔYは、下記式により表される。
ΔY=∫V(t)・sinθ(t)・dt ・・・式(1)
更に、旋回角θ(t)は、ヨーレートγ(t)を用いて下記式により表される。
θ(t)=∫γ(t)・dt ・・・式(2)
ヨーレートプロファイル決定部24は、これらの式(1)及び(2)と、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS15で設定した操舵レシオRとに基づき、車両1の横方向の移動距離ΔYが、走行車線上の車両1の車体全体を退避スペース内に収めるように退避スペース内に進入した場合における横方向の移動距離Wと等しくなるようにヨーレートプロファイルを決定する。
次に、ステップS17において、挙動推定部26は、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS16で決定したヨーレートプロファイルに従って車両1を退避スペース内に進入させる場合に発生する車両1の最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyが、乗員が不快に感じない領域に含まれるか否かを判定する。
具体的には、挙動推定部26は、図10(a)に示すようなステップS14で決定した車速プロファイルと、図10(b)に示すようなステップS16で決定したヨーレートプロファイルとに基づき、図10(c)に示すような横加速度プロファイルを導出する。
そして、この横加速度プロファイルにおける最大横加速度Gyが4m/s2以下且つ最大横ジャークJyが3m/s3以下である場合、挙動推定部26は、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS16で決定したヨーレートプロファイルに従って車両1を退避スペース内に進入させる場合に発生する車両1の最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyが、乗員が不快に感じない領域に含まれると判定する。
一方、横加速度プロファイルにおける最大横加速度Gyが4m/s2より大きい及び/又は最大横ジャークJyが3m/s3より大きい場合、挙動推定部26は、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS16で決定したヨーレートプロファイルに従って車両1を退避スペース内に進入させる場合に発生する車両1の最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyが、乗員が不快に感じない領域に含まれないと判定する。
その結果、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS16で決定したヨーレートプロファイルに従って車両1を退避スペース内に進入させる場合に発生する車両1の最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyが、乗員が不快に感じない領域に含まれない場合、ステップS15に戻り、ヨーレートプロファイル決定部24は、操舵レシオRを再設定する。例えば、ヨーレートプロファイル決定部24は、現在設定されている操舵レシオRを0.1増分する。そして、ステップS16において、ヨーレートプロファイル決定部24は、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS15で設定した操舵レシオRに従って車両1を減速させながら退避スペース内に進入させるヨーレートプロファイルを決定する。
以降、ステップS17において、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS16で決定したヨーレートプロファイルに従って車両1を退避スペース内に進入させる場合に発生する車両1の最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyが、乗員が不快に感じない領域に含まれると判定されるまで、ステップS15からS17の処理を繰り返す。
図11の例では、ステップS15で設定した操舵レシオRが0.2又は0.3の場合、横加速度プロファイルにおける最大横ジャークJyが3m/s3より大きくなっている。この場合、挙動推定部26は、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS16で決定したヨーレートプロファイルに従って車両1を退避スペース内に進入させる場合に発生する車両1の最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyが、乗員が不快に感じない領域に含まれないと判定し、ヨーレートプロファイル決定部24は、ステップS15において操舵レシオRを0.1増分して再設定する。
一方、操舵レシオが0.4以上の場合、横加速度プロファイルにおける最大横加速度Gyが4m/s2以下且つ最大横ジャークJyが3m/s3以下となっている。従って、ステップS17において、挙動推定部26は、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS16で決定したヨーレートプロファイルに従って車両1を退避スペース内に進入させる場合に発生する車両1の最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyが、乗員が不快に感じない領域に含まれると判定する。
ステップS17において、ステップS14で決定した車速プロファイル及びステップS16で決定したヨーレートプロファイルに従って車両1を退避スペース内に進入させる場合に発生する車両1の最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyが、乗員が不快に感じない領域に含まれると判定した場合、ステップS18に進み、加減速制御部32は、ステップS14で決定した車速プロファイルに基づく減速度プロファイルの減速度を発生させるように、車両1のブレーキ30及びエンジン28を制御し、ステアリングトルクコントローラ36は、ステップS16で決定したヨーレートプロファイルに基づいて電動パワーステアリング34を制御する。これにより、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を減速させると共に、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大横加速度Gyと最大横ジャークJyとの組み合わせによって車両1を旋回させることにより、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両1を退避スペース内に自動的に停車させる。
次に、本発明の実施形態のさらなる変形例を説明する。
上述した実施形態においては、運転支援装置は、乗員が不快に感じない最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を減速させると共に、乗員が不快に感じない最大横加速度Gyと最大横ジャークJyとの組み合わせによって車両1を旋回させると説明したが、乗員が不快に感じない最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を減速させると共に、他の条件に基づいて車両1を旋回させるようにしてもよい。また、他の条件に基づいて車両1を減速させると共に、乗員が不快に感じない最大横加速度Gyと最大横ジャークJyとの組み合わせによって車両1を旋回させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、運転支援装置を搭載する車両1は、動力源としてガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃エンジン28を搭載する場合を例として説明したが、これらのエンジン28に代えて、あるいはこれらのエンジン28と共に、動力源として車両1にバッテリ及びモータを搭載してもよい。この場合、加減速制御部32は、運転支援処理において設定された車速プロファイルに従って、車両1のモータ及びブレーキ30を制御する。
次に、上述した本発明の各実施形態及び本発明の実施形態の変形例による運転支援装置の効果を説明する。
まず、加減速制御部32は、車両1の走行中、乗員状態に異常が発生した場合、車両1の最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの線形和が所定値以下となるように車両1を減速させるので、乗員の不快感が抑制される最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を減速させることができ、これにより、ドライバが運転不能な状態に陥った場合において、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両1の運転を支援することができる。
特に、加減速制御部32は、車両1の最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxが10Gx+3Jx≦30を満たすように車両1を減速させるので、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの組み合わせによって車両1を減速させることができ、これにより、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感を確実に抑制しつつ、車両1の運転を支援することができる。
また、挙動推定部26が、退避スペースの長さと、退避スペースの入口における進入車速V0とに基づき、車両1を退避スペースの入口から減速させてその退避スペース内に停車させる場合に発生する車両1の最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxを推定し、車速プロファイル決定部22が、最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの線形和が所定値以下である場合に、その最大減速度Gx及び最大前後ジャークJxにより退避スペースの入口から車両1を減速させ、その退避スペース内に車両1を停車させる車速プロファイルを決定し、加減速制御部32は、車速プロファイルに従って車両1を上記入口から減速させてその退避スペース内に停車させるので、ドライバが運転不能な状態に陥った場合において、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両1を退避スペース内に安全に停止させるように車両1の運転を支援することができる。
また、挙動推定部26は、最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの線形和が所定値より大きい場合、最大減速度Gxと最大前後ジャークJxとの線形和を所定値以下とするための退避スペースの入口における制限車速V1を特定し、加減速制御部32は、車両1が退避スペースの入口に到達する前に、制限車速V1まで減速させるので、ドライバが運転不能な状態に陥った場合において、退避スペースの長さに関わらず、確実にドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両1を退避スペース内に安全に停止させるように車両1の運転を支援することができる。
また、ステアリングトルクコントローラ36は、車両1の走行中、乗員状態に異常が発生した場合、車両1の最大横加速度Gyが所定の横加速度閾値以下且つ最大横ジャークJyが所定の横ジャーク閾値以下となるように車両1を操舵するので、乗員の不快感が抑制される最大横加速度Gyと最大横ジャークJyとの組み合わせによって車両1を旋回させることができ、これにより、ドライバが運転不能な状態に陥った場合において、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両1の運転を支援することができる。
特に、ステアリングトルクコントローラ36は、車両1の最大横加速度Gyが4m/s2以下且つ最大横ジャークJyが3m/s3以下となるように車両1を操舵するので、乗員が不快に感じない領域に含まれる最大横加速度Gyと最大横ジャークJyとの組み合わせによって車両1を旋回させることができ、これにより、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感を確実に抑制しつつ、車両1の運転を支援することができる。
また、車速プロファイル決定部22が、退避スペースの長さと、退避スペースの入口における進入車速V0とに基づき、車両1を退避スペースの入口から減速させてその退避スペース内に停車させる車速プロファイルを決定し、ヨーレートプロファイル決定部24が、車両1を車速プロファイルに従って減速させながら退避スペース内に進入させるヨーレートプロファイルを決定し、挙動推定部26が、それらの決定された車速プロファイル及びヨーレートプロファイルに従って車両1を退避スペース内に進入させる場合に発生する最大横加速度Gy及び最大横ジャークJyを推定し、ステアリングトルクコントローラ36は、推定された最大横加速度Gyが横加速度閾値以下且つ最大横ジャークJyが横ジャーク閾値以下である場合に、決定された車速プロファイル及びヨーレートプロファイルに従って車両1を操舵するので、ドライバが運転不能な状態に陥った場合において、ドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両1を退避スペース内に安全に進入させるように車両1の運転を支援することができる。
また、ヨーレートプロファイル決定部24は、推定された最大横加速度Gyが横加速度閾値より大きい及び/又は最大横ジャークJyが横ジャーク閾値より大きい場合、車両1を車速プロファイルに従って減速させながら退避スペース内に進入させるときの切り込み操舵の所要時間t1と切り戻し操舵の所要時間t2との比率を変化させたヨーレートプロファイルを再決定するので、最大横加速度Gyが横加速度閾値以下且つ最大横ジャークJyが横ジャーク閾値以下となるヨーレートプロファイルを決定することができ、これにより、確実にドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両1を退避スペース内に安全に進入させるように車両1の運転を支援することができる。
また、車速プロファイル決定部22は、車両1の最大減速度と最大前後ジャークとの線形和が所定値以下となるように車両1を減速させる車速プロファイルを決定するので、確実にドライバや他の乗員の体の負担を軽減するとともに不安感・不快感の増大を抑制しつつ、車両1を退避スペース内に安全に進入及び停止させるように車両1の運転を支援することができる。
1 車両
2 車外カメラ
4 乗員状態センサ
6 地図データベース
8 GPS
10 車速センサ
12 加速度センサ
14 ヨーレートセンサ
16 ECU(運転支援装置)
18 乗員状態取得部
20 退避スペース検出部
22 車速プロファイル決定部
24 ヨーレートプロファイル決定部
26 挙動推定部
28 エンジン
30 ブレーキ
32 加減速制御部
34 電動パワーステアリング
36 ステアリングトルクコントローラ

Claims (5)

  1. 乗員の状態に応じて車両の運転を支援する運転支援装置であって、
    乗員の状態を取得する乗員状態取得手段と、
    車両の走行中、乗員状態に異常が発生した場合、車両の最大横加速度が所定の横加速度閾値以下且つ最大横ジャークが所定の横ジャーク閾値以下となるように車両を操舵する操舵制御手段とを有することを特徴とする運転支援装置。
  2. 上記操舵制御手段は、車両の最大横加速度が4m/s2以下且つ最大横ジャークが3m/s3以下となるように車両を操舵する請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 更に、車両を退避させる退避スペースの、車両の進行方向における長さを検出する退避スペース検出手段と、
    上記退避スペースの長さと、上記退避スペースの入口における進入車速とに基づき、車両を上記入口から減速させてその退避スペース内に停車させる車速プロファイルを決定する車速プロファイル決定手段と、
    車両を上記車速プロファイルに従って減速させながら上記退避スペース内に進入させるヨーレートプロファイルを決定するヨーレートプロファイル決定手段と、
    上記決定された車速プロファイル及びヨーレートプロファイルに従って車両を上記退避スペース内に進入させる場合に発生する車両の最大横加速度及び最大横ジャークを推定する挙動推定手段とを有し、
    上記操舵制御手段は、上記挙動推定手段が推定した最大横加速度が上記横加速度閾値以下且つ最大横ジャークが上記横ジャーク閾値以下である場合に、上記決定された車速プロファイル及びヨーレートプロファイルに従って車両を操舵する請求項1又は2に記載の運転支援装置。
  4. 上記ヨーレートプロファイル決定手段は、上記挙動推定手段が推定した最大横加速度が上記横加速度閾値より大きい及び/又は最大横ジャークが上記横ジャーク閾値より大きい場合、車両を上記車速プロファイルに従って減速させながら上記退避スペース内に進入させるときの切り込み操舵の所要時間と切り戻し操舵の所要時間との比率を変化させたヨーレートプロファイルを再決定する、請求項3に記載の運転支援装置。
  5. 上記車速プロファイル決定手段は、車両の最大減速度と最大前後ジャークとの線形和が所定値以下となるように車両を減速させる車速プロファイルを決定する請求項3又は4に記載の運転支援装置。
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