JPH07178917A - インクジェットプリントヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットプリントヘッド及びその製造方法

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JPH07178917A
JPH07178917A JP32400393A JP32400393A JPH07178917A JP H07178917 A JPH07178917 A JP H07178917A JP 32400393 A JP32400393 A JP 32400393A JP 32400393 A JP32400393 A JP 32400393A JP H07178917 A JPH07178917 A JP H07178917A
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JP
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flow path
nozzle
ink
pressure chamber
nozzle hole
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JP32400393A
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Inventor
Yasushi Ema
恭 江馬
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録媒体に対向するノズル孔形成面の面積を
小さくして印刷品質の高いインクジェットプリントヘッ
ドを提供する。 【構成】 流路基板の上面22側には、流路14と圧力
室16とが形成され、流路基板のノズル孔形成面24側
には、複数の前記ノズル孔20が形成されている。ま
た、ノズル孔24から吐出するインクのインク吐出軸6
0又はノズル流路18は、上面22に対して傾きを有
し、ノズル孔形成面24は、上面22に対向する下面2
6に対して傾きを有する。ノズル孔形成面の面積は共通
流路12や圧力室16等の配列に関わらず小さくでき、
ノズル孔形成面24と記録媒体52とが接触する可能性
を低減することができ、また、ノズル孔20の近くに記
録媒体52の押え部材を配置することが可能で印刷位置
のずれを防止でき、印刷品質が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタ、ファック
ス、プロッタ、バーコードプリンタ、デジタルコピー等
に用いられ、インクをノズルから噴射して記録媒体に付
着させてプリントを行うためのインクジェットプリント
ヘッドの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ヘッドを記録媒体に接触させ
ることなく、インクをノズル孔から吐出して記録媒体に
付着させてプリントを行うインクジェットプリントヘッ
ドが知られている。このインクジェットプリントヘッド
のうち、電圧印加によって振動する圧電素子の振動を利
用してインクを吐出するタイプのものは、主として流路
基板、振動板及び圧電素子とから構成されている。
【0003】具体的には、流路基板には、圧力室と圧力
室に連通されたノズル流路及びノズル流路に連通されイ
ンクを吐出するノズル孔等が一体的に形成され、この流
路基板の圧力室形成側の面上に振動板が接合され、更に
圧力室に対応する振動板上に圧電素子が配置されてい
る。
【0004】圧電素子は電圧印加に応じて振動し、この
振動が振動板を介して圧力室に伝達され、圧力室の体積
を変化させる。そしてこの体積変化によってノズル孔か
ら所望量のインクが吐出され、記録媒体にプリントが行
われる。
【0005】上記圧電素子を用いたインクジェットプリ
ントヘッドには、圧力室等が形成される流路基板の上面
に対向する下面にノズル孔が形成されているいわゆるサ
イドシュートタイプが知られている。
【0006】また、流路基板の側面にノズル孔が形成さ
れ、流路基板の上面とノズル孔から吐出するインクのイ
ンク吐出軸とが平行に形成されたいわゆるエッジシュー
トタイプも公知である。
【0007】以下に、例えば特開平3−75153号公
報に示されているサイドシュートタイプのインクジェッ
トプリントヘッドについて図5を用いて説明する。
【0008】図5(a)はサイドシュートタイプのイン
クジェットプリントヘッドの流路基板の平面図、図5
(b)は図5(a)のB−B´線に沿った断面図であ
る。
【0009】図において、流路基板10の上面22側に
は、インク供給部(図示せず)からインクの供給を受け
る共通流路12と、複数の圧力室16、及び共通流路1
2と各圧力室16とを連通する流路14が溝状に形成さ
れている。
【0010】ノズル流路72は、各圧力室16の端部か
ら流路基板10の厚み方向に貫通して形成され、流路基
板10の上面22の対向面である下面26側に、ノズル
流路72に連通され記録媒体にインクを吐出するための
ノズル孔70が複数形成されている。
【0011】そして、流路基板10の上面22とノズル
孔70から吐出するインクの吐出方向(インク吐出軸)
60との傾きθ3 と、下面26とインク吐出軸60との
傾きθ2 とは、それぞれほぼ垂直となっている。
【0012】上記流路基板10の上面22上には、振動
板(図示せず)が接合されてインク流路が形成される。
更に、振動板上の各圧力室16に対応する位置には、そ
れぞれ圧電素子が配置されている。
【0013】このようにして構成されるインクジェット
プリントヘッドにおいて、圧電素子に電圧を印加して圧
電素子を振動させると、振動板がこの振動を圧力室16
に伝えて圧力室16の体積を変化させる。そして、圧力
室16の体積変化量に応じて、流路基板10の下面26
側に形成されたインク孔70から所望量のインクが吐出
され、流路基板10の下面26に対して平行方向から供
給される図示しない紙等の記録媒体にこのインクが付着
しプリントが行われる。
【0014】次に、エッジシュートタイプのインクジェ
ットプリントヘッドについて図6を用いて説明する。
【0015】図6(a)はエッジシュートタイプのイン
クジェットプリントヘッドの主要部の断面図、図6
(b)は図6(a)のインクジェットプリントヘッドを
ノズル孔72の形成面方向からみた図である。
【0016】エッジシュートタイプのインクジェットプ
リントヘッドの特徴は、流路14及び圧力室16等が流
路基板10の上面22に形成され、ノズル流路76によ
って圧力室16に連通されたノズル孔74が、この流路
基板10の側面28側に形成されている点である。
【0017】このインクジェットプリントヘッドにおい
て、流路基板10の上面22上の各圧力室16に対応す
る部分には振動板22を介して圧電素子30が配置さ
れ、この圧電素子30に電圧を印加して圧電素子30を
振動させ、各圧力室16の体積を変化させる。そして、
この圧力室16の体積変化によって、流路基板10の側
面28側に形成されたノズル孔74から、流路基板10
の上面22と平行な方向にインクが吐出される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
サイドシュートタイプのインクジェットプリントヘッド
では、記録媒体と、流路基板10の下面26即ち記録媒
体にインクを吐出するノズル孔が形成されたノズル孔形
成面との対向面積が大きかった。よって、プリントの際
に下面26と記録媒体とが接触する可能性が高く、接触
によって記録媒体上のインクのにじみや、記録媒体への
ノズル孔付近の汚れの付着等により印刷品質が低下し、
更にはプリントヘッドが破損するという問題が発生する
可能性があった。
【0019】また、プリント時に記録媒体を移動させる
ための記録媒体の押え部材は、ノズル孔70のできるだ
け近くに配置することが望ましい。しかし、ノズル孔形
成面である流路基板10の下面26と記録媒体とは非接
触ではあるものの、その間隔は一般的に短く、従って、
流路基板10の下面26の領域には押え部材を配置する
ことができず、押え部材は流路基板10の側面付近に配
置せざるを得なかった。よって、ノズル孔70と押え部
材との距離が大きくなり、ノズル孔70に対する記録媒
体の送り精度が低下して、プリントの位置ずれや記録媒
体のノズル孔形成面への接触等が発生して印刷品質を低
下させてしまうという問題があった。
【0020】一方、従来のエッジシュートタイプのイン
クジェットプリントヘッドにおいては、ノズル孔74が
面積の小さい流路基板10の側面28に形成されている
ため、記録媒体の押え部材を、ノズル孔74の近傍に配
置することは可能であった。
【0021】しかし、一般的に、流路14、圧力室16
及びノズル孔74等は、流路基板10を等方性エッチン
グやブラスト加工等によって形成するので、流路基板1
0の上面22側に溝状に形成されることとなる。そし
て、流路14等の形成後にこの流路基板10の上面22
上に振動板32が接合され、更に振動板32上の各圧力
室16に対応する位置に圧電素子30が配置されてイン
クジェットプリントヘッドが構成される。
【0022】従って、このように等方性エッチングやブ
ラスト加工等によって流路14等が形成された流路基板
10を用いてインクジェットプリントヘッドを構成した
場合には、流路基板10の側面28側に形成されるノズ
ル孔74は、図6(b)に示されるように半円形状とな
る。このノズル孔74の半円形の角部分は、インク吐出
時にその吐出挙動(吐出方向)が不安定で、記録媒体上
に吐出されたメインのインク滴の周囲に、ノズル孔74
の半円形の角から不要なインク滴いわゆるサテライトが
吐出されて付着する可能性が高く、印刷品質が低下して
しまうという問題があった。
【0023】本発明は、これらの課題を解消するために
なされたもので、記録媒体に対向するノズル孔形成面の
面積を小さくして印刷品質の高いインクジェットプリン
トヘッドを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るインクジェットプリントヘッドは、以
下のような特徴を有する。
【0025】インクを供給するための流路と、前記流路
に連通された圧力室と、前記圧力室に連通されたノズル
流路と、前記ノズル流路に連通され前記圧力室の体積変
化によってインクを吐出するノズル孔とが形成された流
路基板を有するインクジェットプリントヘッドにおい
て、前記流路基板の上面側には前記流路と前記圧力室と
が形成され、前記流路基板のノズル孔形成面側には複数
の前記ノズル孔が形成され、前記ノズル孔から吐出する
インクのインク吐出軸又は前記ノズル流路は前記上面に
対して傾きを有し、前記ノズル孔形成面は前記上面に対
向する前記流路基板の下面に対して傾きを有することを
特徴とする。
【0026】また、前記ノズル孔形成面は、前記インク
吐出軸に対してほぼ垂直であることを特徴とする。
【0027】更に、前記上面と、前記インク吐出軸また
は前記ノズル流路とはほぼ垂直であることを特徴とす
る。
【0028】なお、前記ノズル孔形成面は、前記上面よ
りも小さいことを特徴とする。
【0029】前記流路基板は、樹脂から構成され、具体
的には熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂から構成されてい
ることを特徴とする。
【0030】インクを供給するための流路と、前記流路
に連通された圧力室と、前記圧力室に連通されたノズル
流路と、前記ノズル流路に連通され前記圧力室の体積変
化によってインクを吐出するノズル孔と、が形成された
流路基板を有するインクジェットプリントヘッドにおい
て、前記流路基板の上面には、前記流路と前記圧力室と
が形成され、前記上面と異なる前記流路基板のノズル孔
形成面には、複数の前記ノズル孔が形成され、前記ノズ
ル孔から吐出するインクのインク吐出軸又は前記ノズル
流路は、前記上面に対して傾きを有し、前記ノズル孔形
成面は、前記上面に対向する下面に対して傾きを有する
インクジェットプリントヘッドの製造方法であって、前
記流路基板の少なくとも前記圧力室と前記ノズル流路と
は、前記流路基板の一体成形によって形成されることを
特徴とする。
【0031】
【作用】本発明に基づくインクジェットプリントヘッド
の流路基板は、流路基板のノズル孔形成面側に複数のノ
ズル孔が形成され、このノズル孔形成面が、流路基板の
上面に対向する下面に対して傾きを有している。
【0032】一般的に、流路基板の上面側には共通流路
や圧力室等を配列するため、流路基板の他の面に比べて
面積が大きく、また、この上面と対向する下面もその面
積が大きくなる。
【0033】しかし、記録媒体と対向するノズル孔形成
面は、流路基板の上面及び下面以外の面としたので、そ
の面積は共通流路や圧力室等の配列に関わらず小さくす
ることが可能となる。
【0034】従って、ノズル孔形成面即ち記録媒体に対
向する面を小さくすることができるため、ノズル孔形成
面と記録媒体とが接触する可能性を低減することがで
き、接触による記録媒体上のインクのにじみや、記録媒
体へのノズル孔付近の汚れの付着等を防止して印刷品質
を向上させることができる。更に、プリントヘッドの破
損等についても確実に防止できる。
【0035】また、ノズル孔形成面が小さいことによっ
て、ノズル孔の近くに記録媒体の押え部材を配置するこ
とが可能となるため、記録媒体の送り精度の向上が図れ
印刷位置のずれを防止できる。加えて、確実に記録媒体
を押えるので、記録媒体のノズル孔形成面への接触が防
止され、印刷品質を向上させることができる。
【0036】
【実施例】以下、この発明の実施例を図を用いて説明す
る。
【0037】(実施例1)図1は、本発明の実施例に係
るインクジェットプリントヘッドの組立て図、図2は、
図1のA−A´線に対応するインクジェットプリントヘ
ッドの断面を示す概略構成図である。なお、既に説明し
た図面と同一部分には同一符号を付けて説明を省略す
る。
【0038】図において、流路基板10の上面22側に
は、インク供給部44からインクの供給を受ける共通流
路12と、複数の圧力室16、及び共通流路12と各圧
力室16とを連通する流路14が溝状に形成されてい
る。ノズル流路18は、各圧力室16の端部から流路基
板10の上面22に対して傾きθ3 (θ3 >0°、本実
施例ではθ3 =85°)をもって形成されている。
【0039】流路基板10の上面22の対向面である流
路基板10の下面26の一方の端部側には、この下面2
6に対して所定の傾きθ1 を有するノズル孔形成面24
が設けられている。傾きθ1 は、本実施例では15°と
したが、値はこれには限らず0°より大きければよい。
より好ましくは、0°より大きく90°程度である。そ
して、このノズル孔形成面24側には、ノズル流路18
によって各圧力室16の端部に連通されているノズル孔
20が複数形成され、ノズル孔20から記録媒体52に
向かってインクの吐出が行われる。なお、ノズル孔形成
面24は、インク吐出軸60との傾きθ2 がほぼ垂直と
なるように形成されている。
【0040】また、本実施例においては、ノズル孔20
から吐出するインクの吐出方向(インク吐出軸)60及
びノズル流路18の、上面22に対する傾きは、θ3 で
あって同一とした。
【0041】なお、図中40は、インク供給部44と共
通流路12の間のインク流路の開口部を封止するための
封止板、42はインク中のゴミ等がインク供給部44か
ら共通流路12に入り込むのを防止するためのストレー
ナである。
【0042】本実施例において、流路基板10は、例え
ばポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、又はポリ
カーボネート、ポリアリレート等の熱可塑性樹脂やエポ
キシ樹脂等の熱硬化性樹脂を、射出成形して成形したも
のであって、共通流路12、圧力室16ノズル流路18
は、一体成形によって流路基板10の成形と同時に形成
されたものである。なお、ノズル孔形成面24は、はっ
水性であることが必要であり、表面粗さを例えば0.1
s程度の滑らかさとすることが好ましい。一方、ノズル
孔20までのインク供給部44、共通流路12、流路1
4、圧力室16、ノズル流路18は内面に気泡の残留が
発生することを防止するために親水性であることが望ま
しく、シボ加工等を行って表面粗さを例えば12.5s
程度に粗くすることが好ましい。
【0043】流路基板10の上面22上には、以下に説
明する圧電素子30の振動を効率よく各圧力室16に伝
えるための振動板32が、プラスチックフィルム34を
流路基板10側にして接着剤や熱融着等によって接合さ
れている。そして、流路基板10の上面22上に振動板
32が接合されることより、共通流路12や圧力室16
等の上部が閉鎖されインクジェットプリントヘッドとし
てのインク流路が形成される。なお、振動板32は、厚
さ100〜300μm、例えば200μm程度のプラス
チックフィルム34と、厚さ10〜30μm、例えば1
0μm程度で、樹脂より剛性が高く導電性のあるAl等
からなる金属フィルム36とを、予めローラ等で加圧し
ながら接着剤で張り合わせて形成したものである。
【0044】なお、金属フィルム36は樹脂より剛性が
高く導電性のある材料であれば適用可能であり、振動板
32と流路基板10とを熱融着により接合する場合に
は、樹脂と線膨脹率の近いAlが好ましい。
【0045】振動板32上の各圧力室16に対応する位
置には、電圧印加によって振動する圧電素子30がそれ
ぞれ配置されている。また、フレキシブルケーブル50
は、圧電素子30に接続されて各圧電素子30に電圧信
号を印加するための配線である。
【0046】このようにして構成されたインクジェット
プリントヘッドでは、フレキシブルケーブル50及び共
通電極となる金属フィルム36によって各圧電素子30
に電圧が印加されて圧電素子30が振動し、振動板32
がこの振動を対応する各圧力室16に伝え、圧力室16
の体積を変化させる。この体積変化によって各圧力室1
6に連通されたノズル孔20から所定のインクが吐出さ
れる。
【0047】一方、紙やフィルム等の記録媒体52が、
記録媒体52の押え部材等の送り機構によって、ノズル
孔形成面24に対してその平行方向から供給され、ノズ
ル孔20から吐出されたインクがこの記録媒体52に付
着しプリントが行われる。
【0048】流路基板の上面及びこれに対向する下面
は、以上に説明したように共通流路や圧力室等が形成さ
れるため、その面積はこれらの配列に規定されてしま
う。しかし、本実施例のインクジェットプリントヘッド
においては、図2に示すように流路基板のノズル孔形成
面が、流路基板の下面に対して傾きを有しているので、
流路基板の上面及び下面の面積に影響を受けず、その面
積を小さくすることが可能となる。既に説明したよう
に、ノズル孔形成面は記録媒体に対向する面であるか
ら、このノズル孔形成面を小さくすることにより、ノズ
ル孔形成面と記録媒体とが接触する可能性を低減でき、
接触による記録媒体上のインクにじみやノズル孔付近の
汚れの記録媒体への付着等を防止できるため、印刷品質
を格段に向上させることができる。更にプリントヘッド
の破損を防止できる。
【0049】また、ノズル孔形成面を小さくすることが
できるので、ノズル孔と記録媒体の押え部材との距離を
短くすることができ、記録媒体の送り精度の向上が可能
で、印刷位置のずれや記録媒体のノズル孔形成面への接
触等を防止でき印刷品質を向上させることができる。
【0050】更に、ノズル流路とノズル孔形成面との傾
きをほぼ垂直とすることによって、インク吐出軸がノズ
ル孔形成面に対して垂直となり、ノズル孔形成面に対し
て平行に配置される記録媒体に対しても垂直となる。一
般的に、ノズル流路の断面は円状であるので、本実施例
のようにノズル流路とノズル孔形成面との傾きを垂直と
すれば、ノズル孔の形状は円状となる。円状のノズル孔
から吐出したインクは、最も表面積が小さい球状となり
易く、記録媒体上での印刷品質を最も高くすることが可
能となる。
【0051】ノズル孔20の形状を更に精密に形成して
印字品質を一層向上させるためには、ノズル孔20形成
後にノズル孔形成面24を研磨すればよく、この場合に
は流路基板10は、研磨加工に適する例えばエポキシ樹
脂から構成する。また、流路基板10の上面22側又は
ノズル孔形成面24側からレーザ加工を行うことによっ
ても実現可能であり、レーザ(エキシマレーザ)加工に
適した例えばポリサルフォンを用いて流路基板10を構
成する。但し、流路基板10を構成する樹脂はこれらに
限らない。
【0052】なお、流路基板に形成される圧力室やノズ
ル流路等は、図2に示すように成形時に型からの取り外
しが容易な構造をしている。よって、樹脂の射出成形の
際に、圧力室やノズル流路等を流路基板の成形と同時に
一体成形することができる。このように、流路基板を樹
脂によって形成し、圧力室やノズル流路及びノズル孔等
を一体成形すれば、極めて安価なインクジェットプリン
トヘッドが提供可能である。
【0053】(実施例2)次に、実施例1とは別のイン
クジェットプリントヘッドの構成について図3を用いて
説明する。図3(a)は、本実施例に係るインクジェッ
トプリントヘッドの流路基板10を示す図、図3(b)
は図3(a)のノズル流路19部分を拡大した図であ
る。図1及び図2と同一部分には同一符号を付して説明
を省略する。
【0054】本実施例の特徴は、ノズル流路19の流路
基板10の上面22に対する傾きθ3 が、ほぼ垂直に形
成されている点である。この傾きθ3 がほぼ垂直である
ことによって、少なくとも流路基板10の上面22側の
成形を単一の型ですることができ、また型からの取り外
しが容易で作業効率が向上する。
【0055】なお、ノズル孔20からのインクのインク
吐出軸60とノズル孔形成面24との傾きθ2 は垂直で
はないが、ノズル孔形成面24と流路基板10の下面2
6との傾きθ1 が、例えば本実施例のように15°程度
で小さければ、実質上印刷品質に影響はない。一方、ノ
ズル孔形成面24におけるノズル孔20の形状が円状と
なるようにノズル流路19の断面形状を変形してもよ
い。
【0056】以上のように、本実施例によれば、流路基
板の成形後に型からの取り外しが容易であるために、流
路基板形成の作業効率が高くコストの面で有利となる。
【0057】また、実施例1と同様にノズル孔形成面の
面積を小さくすることが可能となり、ノズル孔形成面と
記録媒体とが接触する可能性を低減でき、接触による記
録媒体上のインクのにじみや、記録媒体へのノズル孔付
近の汚れの付着等を防止できるため、印刷品質を格段に
向上させ、更にはプリントヘッドの破損等についても確
実に防止することができる。
【0058】更に、ノズル孔と記録媒体の押え部材との
距離を短くすることができるので、記録媒体の送り精度
の向上が可能で、印刷位置のずれや記録媒体のノズル孔
形成面への接触等を防止でき印刷品質が向上する。
【0059】なお、実施例1及び実施例2において流路
基板は、樹脂の射出成形によって形成したがこれには限
らず、ガラス基板を用いこの基板にフォトエッチング等
で圧力室等を形成してもよい。
【0060】また、実施例1及び実施例2において共通
流路12は、流路基板10の上面22側に形成されてい
るが、図4に示すように流路基板10の下面26側に形
成してもよい。この場合、インク供給部44と共通流路
12とは、ストレーナ42を介して連結され、共通流路
12と、流路基板10の上面22側に形成された各圧力
室16とは、流路基板10の厚み方向に形成された流路
14によって連結されている。このように共通流路12
を流路基板10の下面26側に形成することにより、振
動板の接合(接着剤による接着、熱融着)等の影響を流
路14が受け難くなるので、流路14の断面形状の変形
によってノズル孔20から吐出するインク量がばらつく
等の問題発生が回避でき、印刷品質をより向上させるこ
とができる。
【0061】更に、ノズル孔形成面は球面であってもよ
い。ノズル孔形成面を球面とすれば、ノズル孔形成面と
記録媒体との対向面積がより小さくなるために、両者の
接触による印刷品質の低下をより確実に防止できる。
【0062】また、上記2つの実施例において、インク
ジェットプリントヘッドは複数のノズル孔が並列配置さ
れたいわゆるラインタイプについて説明したが、これに
は限らず、シリアルタイプ等にも適用可能である。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェットプリントヘッドによれば、流路基板のノズル
孔形成面が、流路基板の下面に対して傾きを有してい
る。
【0064】従って、流路基板の上面及び下面の面積に
関わらず、ノズル孔形成面の面積を小さくすることが可
能となり、ノズル孔形成面と記録媒体とが接触する可能
性を低減でき、接触による記録媒体上のインクのにじみ
や記録媒体へのノズル孔付近の汚れの付着等を防止でき
るため、印刷品質を格段に向上させることができ、更に
プリントヘッドの破損を防止できる。
【0065】また、ノズル孔と記録媒体の押え部材との
距離を短くすることができるので、記録媒体の送り精度
の向上が可能で、印刷位置のずれや記録媒体のノズル孔
形成面への接触等を防止でき印刷品質を向上させること
ができる。
【0066】流路基板を樹脂の射出成形によって形成す
る際に、流路基板の圧力室やノズル流路等を一体成形す
ることができる。このように、流路基板を樹脂によって
形成し、圧力室やノズル流路等を一体成形すれば極めて
安価なインクジェットプリントヘッドが提供可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るインクジェットプリン
トヘッドの分解図である。
【図2】図1のA−A’線に対応するインクジェットプ
リントヘッドの断面を示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施例2に係るインクジェットプリン
トヘッドの流路基板を示す概略構成図である。
【図4】図2及び図3とは別の構造を有するインクジェ
ッドプリントヘッドの断面を示す概略構成図である。
【図5】従来のサイドシュートタイプのインクジェット
プリントヘッドの流路基板を示す概略構成図である。
【図6】従来のエッジシュートタイプのインクジェット
プリントヘッドを示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 流路基板 12 共通流路 14 流路 16 圧力室 18,19 ノズル流路 20 ノズル孔 22 流路基板の上面 24 ノズル孔形成面 26 流路基板の下面 30 圧電素子 32 振動板 52 記録媒体 60 インク吐出軸

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを供給するための流路と、前記流
    路に連通された圧力室と、前記圧力室に連通されたノズ
    ル流路と、前記ノズル流路に連通され前記圧力室の体積
    変化によってインクを吐出するノズル孔と、が形成され
    た流路基板を有するインクジェットプリントヘッドにお
    いて、 前記流路基板の上面側には、前記流路と前記圧力室とが
    形成され、 前記流路基板のノズル孔形成面側には、複数の前記ノズ
    ル孔が形成され、 前記ノズル孔から吐出するインクのインク吐出軸又は前
    記ノズル流路は、前記上面に対して傾きを有し、 前記ノズル孔形成面は、前記上面に対向する前記流路基
    板の下面に対して傾きを有することを特徴とするインク
    ジェットプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 前記ノズル孔形成面は、前記インク吐出
    軸に対してほぼ垂直であることを特徴とする請求項1記
    載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 前記上面と、前記インク吐出軸または前
    記ノズル流路とはほぼ垂直であることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェットプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ノズル孔形成面は、前記上面よりも
    小さいことを特徴とする請求項1記載のインクジェット
    プリントヘッド。
  5. 【請求項5】 前記流路基板は、樹脂によって構成され
    ていることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれ
    か一方に記載のインクジェットプリントヘッド。
  6. 【請求項6】 前記流路基板は、熱可塑性樹脂又は熱硬
    化性樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1
    及び請求項2のいずれか一つに記載のインクジェットプ
    リントヘッド。
  7. 【請求項7】 インクを供給するための流路と、前記流
    路に連通された圧力室と、前記圧力室に連通されたノズ
    ル流路と、前記ノズル流路に連通され前記圧力室の体積
    変化によってインクを吐出するノズル孔と、が形成され
    た流路基板を有するインクジェットプリントヘッドにお
    いて、前記流路基板の上面側には、前記流路と前記圧力
    室とが形成され、前記流路基板のノズル孔形成面側に
    は、複数の前記ノズル孔が形成され、前記ノズル孔から
    吐出するインクのインク吐出軸又は前記ノズル流路は、
    前記上面に対して傾きを有し、前記ノズル孔形成面は、
    前記上面に対向する下面に対して傾きを有するインクジ
    ェットプリントヘッドの製造方法であって、 前記流路基板の少なくとも前記圧力室と前記ノズル流路
    とは、前記流路基板の一体成形によって形成されること
    を特徴とするインクジェットプリントヘッドの製造方
    法。
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