JPH0717712Y2 - 壁の開口隅角部のひび割れ誘発目地材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はコンクリート構造物における開口隅角部の誘
発目地材に関する。

［従来の技術］ 従来、コンクリート構造物における壁の開口隅角部のひ
び割れを制御、あるいは、抑制する技術や金具が開示さ
れている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来の方法ではコンクリート内にあって十分なコン
クリートのかぶり厚を確保することが難しく、コンクリ
ートの充填も不十分であり、従って、品質の上でも信頼
性に欠けるものであるなどの問題点を有する。

［課題を解決するための手段］ この考案は、上記従来の課題に鑑みなされたもので、そ
の目的はコンクリート構造物における壁の開口隅角部に
おけるひび割れを駆体内部に誘発させると共に、駆体外
面のモルタル仕上げ、あるいはタイル仕上げの品質向上
を図る誘発目地材を提供することにある。

その手段として凹状の断面欠損溝の両側片にコンクリー
トアンカーを兼ねる水返し用突部を有すると共に、二又
状に開脚した脚片の中央に隅角部を設け、この隅角部の
反対側の端面に接続部を突設し、さらに、上記反対側の
端面に切込溝と、上記断面欠損溝の底片に適宜大きさの
モルタル定着用通孔と、釘止用孔とを設けた目地材主体
と、この目地材主体の上記凹状の断面欠損溝内に沿って
嵌入する養生材と、この目地材主体と上記接続部に接合
する中空の断面欠損部を有し、その両側片にコンクリー
トアンカーを兼ねる水返し用突部を設けると共に、その
背面中央には誘発片によるスリット部を、前面にはその
長手方向に沿ってモルタル定着溝を形設した斜め目地材
とからなることを特徴とする。

［作用］ 上記構造により、養生材を嵌入した目地材主体の隅角部
を、壁の開口隅角部における型枠の外面出隅部に当接し
て外側型枠に釘止し、さらに、目地材主体の接合部に斜
め目地材を接合し、壁の開口隅角部に対して斜め方向に
斜め目地材を取付け、コンクリートを打設し、施工する
ことにより、コンクリート壁の乾燥収縮によって、開口
隅角部に斜めひび割れが生じるときの応力に対し、目地
材主体及び、斜め目地材は左右両側片のコンクリートア
ンカーで、コンクリート内に確実、強固に定着されるの
で、その応力に追従してその目地材主体は端面の切込溝
により、また、斜め目地材は背面中央の誘発片によるス
リット部により伸縮することができる。

また、目地主体には底片にモルタル定着用通孔を、斜め
目地材の前面に沿ってモルタル定着溝を設けたからモル
タルの定着性に秀れるなど、前記従来の課題を解消する
ものである。

［実施例］ 次にこの考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図、第２図、第３図は本考案の実施例を示す斜視図
である。

目地材主体（１）は、凹状の断面欠損溝（1a）の両側片
にコンクリートアンカーを兼ねる水返し用突部（1b）を
形設し、二又状に開脚した脚片（1h）の中央に隅角部
（1g）を設ける。

さらに、この隅角部（1g）の反対側の端面に接続部（1
c）を突設し、上記反対側の端面に切込溝（1d）を形設
し、上記断面欠損溝（1a）の底片に適宜大きさのモルタ
ル定着用通孔（1e）と釘止用孔（1f）とを設けてなる。

（３）は、この目地材主体（１）の上記凹状の断面欠損
溝（1a）内に沿って嵌入する養生材（３）である。

また、斜め目地材（２）は、この目地材主体（１）と上
記接続部（1c）に接合する中空の断面欠損部（2a）を形
設し、その両側片にコンクリートアンカーを兼ねる水返
し用突部（2b）を設けると共に、その背面中央には誘発
片（2e）によるスリット部（2c）を、前面にはその長手
方向に沿ってモルタルを定着溝（2d）を形設してなる。

次にこの考案の実施例による壁の開口隅角部のひび割れ
誘発目地材の使用例を説明する。

第４図は実施例による誘発目地材の接合状態を示す斜視
図であり、第５図は実施例による使用例を示す使用状態
図である。

目地材主体（１）の凹状の断面欠損溝（1a）内に沿って
養生材（３）を嵌入し、目地材主体（１）の隅角部（1
g）を、壁の開口隅角部における型枠の外面出隅部
（Ｄ）に当接して外側型枠（Ａ）に釘止し、さらに、目
地材主体（１）の接合部（1c）に斜め目地材（２）を接
合し、壁の開口隅角部に対して斜め方向に斜め目地材
（２）を取付け、釘止し、コンクリートを打設し、施工
する。

［考案の効果］ 以上詳細に説明したように、この考案の壁の開口隅角部
のひび割れ誘発目地材によれば、養生材を嵌入した目地
材主体の隅角部を、壁の開口隅角部における型枠の外面
出隅部に当接して外側型枠に釘止し、さらに、目地材主
体の接合部に斜め目地材を接合し、壁の開口隅角部に対
して斜め方向に斜め目地材を取付け、コンクリートを打
設し、施工することにより、次のような効果が得られ
る。

１）コンクリート壁の乾燥収縮によって、開口隅角部に
斜めひび割れが生じるときの応力に対し、目地材主体及
び斜め目地材は左右両側片のコンクリートアンカーで、
コンクリート内に確実・強固に定着されるので、その応
力に追従してその目地材主体は端面の切込溝により、ま
た、斜め目地材は背面中央の誘発片におけるスリット部
により伸縮することができるからコンクリート壁の外表
面にひび割れを出すことなく、コンクリート内部にひび
割れを確実にしかも、合理的に誘発させることができ、
コンクリート構造物の品質向上に極めて有益である。

２）、また、目地材主体には底片にモルタルを定着用通
孔を、斜め目地材の前面に沿ってモルタル定着溝をそれ
ぞれ設けたからモルタルの定着性に秀れ、剥離現状が極
めて少なくなり、仕上げ工事の品質向上が期待できるな
ど、実用上有益な壁の開口隅角部のひび割れ誘発目地材
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図は本考案の実施例を示す斜視
図、第４図は実施例による誘発目地材の接合状態を示す
斜視図、第５図は実施例の使用例を示す使用状態図であ
る。 １……目地材主体 1a……断面欠損溝 1b……突部 1c……接続部 1d……切込溝 1e……通孔 1f……孔 1g……隅角部 1h……脚片 ２……目地材 2a……欠損部 2b……突部 2c……スリット部 2d……モルタル定着溝 2e……誘発片 ３……養生材 Ａ……型枠 Ｂ……釘 Ｃ……開口部 Ｄ……隅角部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】凹状の断面欠損溝の両側片にコンクリート
   アンカーを兼ねる水返し用突部を有すると共に、二又状
   に開脚した脚片の中央に隅角部を設け、この隅角部の反
   対側の端面に接続部を突設し、さらに、上記反対側の端
   面に切込溝と、上記断面欠損溝の底片に適宜大きさのモ
   ルタル定着用通孔と、釘止用孔とを設けた目地材主体
   と、この目地材主体の上記凹状の断面欠損溝内に沿って
   嵌入する養生材と、この目地材主体と上記接続部に接合
   する中空の断面欠損部を有し、その両側片にコンクリー
   トアンカーを兼ねる水返し用突部を設けると共に、その
   背面中央には誘発片によるスリット部を、前面にはその
   長手方向に沿ってモルタル定着溝を形設した斜め目地材
   とからなることを特徴とする壁の開口隅角部のひび割れ
   誘発目地材。