JPH07177007A - 位相比較回路 - Google Patents

位相比較回路

Info

Publication number
JPH07177007A
JPH07177007A JP31940893A JP31940893A JPH07177007A JP H07177007 A JPH07177007 A JP H07177007A JP 31940893 A JP31940893 A JP 31940893A JP 31940893 A JP31940893 A JP 31940893A JP H07177007 A JPH07177007 A JP H07177007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
digital
logical
phase comparison
operation means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31940893A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Yomo
誠 四方
Akira Nishino
章 西野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP31940893A priority Critical patent/JPH07177007A/ja
Publication of JPH07177007A publication Critical patent/JPH07177007A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Phase Differences (AREA)
  • Manipulation Of Pulses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 位相比較範囲が広い、回路素子数を少なくし
易い位相比較回路を提供する。 【構成】 同一パターンの第1及び第2のデジタル信号
A及びBの位相ずれによって生じる第1及び第2のデジ
タル信号の論理レベルが異なる期間と、それ以外の第1
及び第2のデジタル信号の論理レベルが一致する期間と
を、1個の信号ではなく、第1及び第2の論理演算手段
20及び(21〜23)からの2個の出力信号E及びF
の組合わせで区別するようにした。そして、これら2個
の出力信号E及びFによって、2個の抵抗24、25及
びコンデンサ26でなる積分機能部を駆動して、第1及
び第2のデジタル信号A及びBの位相差に応じた直流電
圧信号Gを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同一パターンの2個の
デジタル信号の位相を比較してその位相差に応じた直流
電圧信号を出力する位相比較回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】同一パターンの2個のデジタル信号の位
相を比較してその位相差に応じた直流電圧を出力する位
相比較回路は、各種回路に適用されており、一例として
は、自己訂正機能付きクロック再生回路を挙げることが
できる。このようなクロック再生回路は、例えば下記文
献に記載されている。
【0003】文献『CHARLES R. HOGGE, JR.,“A Self C
orrecting Clock Recavery Circuit”,IEEE TRANSACTIO
N ON ELECTRON DEVICES, VOL. ED-32, NO.12,DEC. 198
5, pp2704 〜2706』 図2は、従来の位相比較回路の一例を示す回路図であ
り、上記文献に記載のものも概略的にはこの図2に示す
構成に従っている。
【0004】図2において、この位相比較回路は、第1
及び第2の信号入力端子IN1及びIN2を有し、これ
ら第1及び第2の信号入力端子IN1及びIN2には、
位相差を有する同一パターンの2個のデジタル信号A及
びBが入力される。なお、位相比較回路に入力される2
個のデジタル信号A及びBの位相差は、一般には所定位
相差(0とは限らない)に意図されていることが多い。
これらデジタル信号A及びBは排他的論理和回路(Ex
−OR回路)1に入力されて、排他的論理和が求められ
る。排他的論理和回路1からの排他的論理和信号Cは、
積分回路としての低域濾過フィルタ(LPF)2に入力
され、この低域濾過フィルタ2によって積分(直流化)
されて直流電圧信号Dとして、信号出力端子OUTから
出力される。
【0005】図3(A1)〜(A3)は、デジタル信号
A及びBのビットレートの逆数(1ビット期間)をTと
したとき、時間で表された位相差がT/2のデジタル信
号A及びBと、そのときの排他的論理和回路1からの排
他的論理和信号Cとを示したものである。一方、図3
(B1)〜(B3)は、位相差がT/4のデジタル信号
A及びBと、そのときの排他的論理和回路1からの排他
的論理和信号Cとを示したものである。図3(A3)及
び(B3)から明らかなように、排他的論理和信号Cの
論理“1”レベルの総時間は、デジタル信号A及びBの
位相差に応じており、これを積分することにより、位相
差に応じた直流電圧信号Dが得られることが分かる。
【0006】以上、図2に示す位相比較回路が、位相比
較回路として動作することを簡単に説明したが、以下で
は、より定量的に説明する。
【0007】ここで、デジタル信号A及びB間の位相差
を時間で表してτとし、デジタル信号A及びBのビット
レートの逆数(1ビット期間)を上述のようにTとし、
デジタル信号A及びBの単位時間t(t>>T)当りの論
理レベル間の遷移数(すなわち、論理“0”から論理
“1”への遷移数と、論理“1”から論理“0”への遷
移数との和)をnとし、また、位相差τが|τ|≦Tの
範囲にあるとする。
【0008】図3に示すように、デジタル信号A(及び
B)が論理レベルを遷移させる毎に、排他的論理和信号
Cは、位相差τだけ論理“1”をとり、他の期間では論
理“0”をとる。従って、排他的論理和信号Cが論理
“1”レベル(ここではVH とする)をとる単位時間t
に占める割合はn・|τ|となり、排他的論理和信号C
が論理“0”レベル(ここではVL とする)をとる単位
時間tに占める割合は1−n・|τ|となる。
【0009】その結果、出力される直流電圧信号Dは、 n・|τ|・VH +{1−n・|τ|}・VL …(1) に比例し、単位時間t当りの論理レベル間の遷移数nが
一定のデジタル信号A及びBの場合には、直流電圧信号
Dは位相差τの1次関数となって位相差τに応じた値を
とる。
【0010】以上のような原理に従う図2に位相比較回
路に用いられている排他的論理和回路1は、集積回路で
実現される場合には実際上、図4に示すような構成で実
現されることが多い。
【0011】図4において、排他的論理和回路1は、2
個のデジタル信号A及びBの否定論理和を得る第1の否
定論理和回路(NOR回路)11と、2個のデジタル信
号A及びBのそれぞれの否定を得る否定回路(NOT回
路)12及び13と、これら否定回路12及び13から
の出力信号の否定論理和を得る第2の否定論理和回路1
4と、第1及び第2の否定論理和回路11及び14から
の出力信号の否定論理和をとって排他的論理和信号Cと
して出力する第3の否定論理和回路15とで構成されて
いる。
【0012】このような構成の排他的論理和回路1を適
用しているのは、集積回路では、否定論理和回路や否定
回路を形成し易いこと、2個のデジタル信号A及びBを
同様に処理していて位相差にできるだけ影響を与えずに
排他的論理和信号が得られること等を考慮したためであ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示した構成を有する排他的論理和回路1を適用した従来
の位相比較回路では、位相比較し得る範囲が狭いという
問題を有していた。
【0014】排他的論理和回路1を図4のように構成し
た場合において、否定回路12及び13の処理遅延時間
をτnot とする。最終的な排他的論理和信号Cが2個の
デジタル信号A及びBの不一致を表す論理“1”になる
場合は、第1及び第2の否定論理和回路11及び14の
出力が同時に論理“0”になる場合であり、この時間
は、タイミングチャート及び真理値表の図示は省略する
が、τ−τnot 又はτ+τnot となる。ここで、上述し
た短い方の時間τ−τnot が第3の否定論理和回路15
が正常に動作する時間よりも短い場合には排他的論理和
信号Cを論理“1”へ遷移できず、位相差τに応じた直
流電圧信号Dを得ることができない。位相差τ自体が第
3の否定論理和回路15が正常に動作する時間よりも短
い場合は致し方ない。しかし、以上のように、位相差τ
自体が第3の否定論理和回路15が正常に動作する時間
よりも長いにも拘らず、第3の否定論理和回路15が正
常に動作し得ない状態が生じさせることは、位相比較し
得る範囲をより狭めており、問題が大きい。
【0015】また、従来回路の場合、図3に示すよう
に、位相差τに伴う第1及び第2のデジタル信号A及び
Bの論理レベルが異なるときに積分しているが、位相差
τが0に近付くとその期間が狭くて良好に積分が行なわ
れず、この点からも位相比較範囲が狭くなっていた。
【0016】さらに、第1の排他的論理和回路11及び
第3の排他的論理和回路15の接続部や、第2の排他的
論理和回路14及び第3の排他的論理和回路15の接続
部における出力インピーダンス及び入力インピーダンス
との関係によっては、寄生容量が大きくなり、第1及び
第2の排他的論理和回路11及び14の出力論理レベル
の遷移が遅くなり易く、この点からも位相比較範囲を狭
めていた。
【0017】また、位相比較回路は、クロック再生回路
に適用されるように、ある回路の一部要素として適用さ
れることが多く、集積回路等で実現される適用回路の小
形化等を考慮した場合、位相比較回路の小形化も当然に
求められる。図4に示した構成を有する排他的論理和回
路1を適用した従来の位相比較回路では、排他的論理和
回路1に5個の論理ゲートが必要であり、また、その外
に低域濾過フィルタ2の構成が必要であって、素子数が
比較的多いという問題もあった。
【0018】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、位相比較範囲が広い、回路素子数が少なくし
得る位相比較回路を提供しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明においては、同一パターンの第1及び
第2のデジタル信号が与えられ、これら第1及び第2の
デジタル信号の位相差に応じた直流電圧信号を出力する
位相比較回路を、以下の各要素によって構成した。
【0020】すなわち、第1及び第2のデジタル信号が
入力され、これら第1及び第2のデジタル信号の論理レ
ベルが一致しているときに定まっている同一の論理レベ
ルの出力信号を出力すると共に、第1及び第2のデジタ
ル信号の論理レベルが異なるときに論理レベルが異なる
出力信号を出力する第1及び第2の論理演算手段と、第
1の論理演算手段の出力端に一端が接続されている第1
の抵抗と、第2の論理演算手段の出力端に一端が接続さ
れている、第1の抵抗と同一抵抗値の第2の抵抗と、第
1及び第2の抵抗の他端と、当該位相比較回路全体の出
力端子とに一端が接続され、他端が所定電位に接続され
ているコンデンサとで構成した。
【0021】ここで、第1の論理演算手段が、第1及び
第2のデジタル信号の否定論理和信号を出力するもので
あり、第2の論理演算手段が、第1のデジタル信号の否
定信号と第2のデジタル信号の否定信号との否定論理和
信号を出力するものであることは、好ましい一態様であ
る。
【0022】また、第1の論理演算手段が、第1及び第
2のデジタル信号の否定論理積信号を出力するものであ
り、第2の論理演算手段が、第1のデジタル信号の否定
信号と第2のデジタル信号の否定信号との否定論理積信
号を出力するものであることも、好ましい一態様であ
る。
【0023】さらに、第1の論理演算手段が、第1及び
第2のデジタル信号の論理積信号を出力するものであ
り、第2の論理演算手段が、第1のデジタル信号の否定
信号と第2のデジタル信号の否定信号との論理積信号を
出力するものであることも、好ましい一態様である。
【0024】さらにまた、第1の論理演算手段が、第1
及び第2のデジタル信号の論理和信号を出力するもので
あり、第2の論理演算手段が、第1のデジタル信号の否
定信号と第2のデジタル信号の否定信号との論理和信号
を出力するものであることも、好ましい一態様である。
【0025】第2の本発明においては、同一パターンの
第1及び第2のデジタル信号が与えられ、これら第1及
び第2のデジタル信号の位相差に応じた直流電圧信号を
出力する位相比較回路を、以下の各要素によって構成し
た。
【0026】すなわち、第1及び第2のデジタル信号が
入力され、これら第1及び第2のデジタル信号の論理レ
ベルが一致しているときに論理レベルが異なる出力信号
を出力すると共に、第1及び第2のデジタル信号の論理
レベルが異なるときに定まっている同一の論理レベルの
出力信号を出力する第1及び第2の論理演算手段と、第
1の論理演算手段の出力端に一端が接続されている第1
の抵抗と、第2の論理演算手段の出力端に一端が接続さ
れている、第1の抵抗と同一抵抗値の第2の抵抗と、第
1及び第2の抵抗の他端と、当該位相比較回路全体の出
力端子とに一端が接続され、他端が所定電位に接続され
ているコンデンサとで構成した。
【0027】ここで、第1の論理演算手段が、第1のデ
ジタル信号と、第2のデジタル信号の否定信号との否定
論理和信号を出力するものであり、第2の論理演算手段
が、第2のデジタル信号と、第1のデジタル信号の否定
信号との否定論理和信号を出力するものであることは、
好ましい一態様である。
【0028】また、第1の論理演算手段が、第1のデジ
タル信号と、第2のデジタル信号の否定信号との否定論
理積信号を出力するものであり、第2の論理演算手段
が、第2のデジタル信号と、第1のデジタル信号の否定
信号との否定論理積信号を出力するものであることも、
好ましい一態様である。
【0029】さらに、第1の論理演算手段が、第1のデ
ジタル信号と、第2のデジタル信号の否定信号との論理
積信号を出力するものであり、第2の論理演算手段が、
第2のデジタル信号と、第1のデジタル信号の否定信号
との論理積信号を出力するものであることも、好ましい
一態様である。
【0030】さらにまた、第1の論理演算手段が、第1
のデジタル信号と、第2のデジタル信号の否定信号との
論理和信号を出力するものであり、第2の論理演算手段
が、第2のデジタル信号と、第1のデジタル信号の否定
信号との論理和信号を出力するものであることも、好ま
しい一態様である。
【0031】
【作用】第1及び第2の本発明は共に、第1及び第2の
デジタル信号の位相ずれによって生じる第1及び第2の
デジタル信号の論理レベルが異なる期間と、それ以外の
第1及び第2のデジタル信号の論理レベルが一致する期
間とを、1個の信号ではなく、第1及び第2の論理演算
手段からの2個の信号の組合わせで区別するようにし、
これら2個の信号によって位相差に応じた直流電圧信号
を得られるように、第1及び第2の抵抗及びコンデンサ
を設けたものである。
【0032】第1の本発明は、第1及び第2のデジタル
信号の位相ずれによって生じる第1及び第2のデジタル
信号の論理レベルが異なる期間を、第1及び第2の論理
演算手段からの出力信号の論理レベルの一致で表すよう
にしており、一方、第2の本発明は、第1及び第2のデ
ジタル信号の位相ずれによって生じる第1及び第2のデ
ジタル信号の論理レベルが異なる期間を、第1及び第2
の論理演算手段からの出力信号の論理レベルの不一致で
表すようにしている。
【0033】以上のように、第1及び第2のデジタル信
号の位相ずれによって生じる第1及び第2のデジタル信
号の論理レベルが異なる期間と、それ以外の第1及び第
2のデジタル信号の論理レベルが一致する期間とを区別
するための1個の信号を形成する必要がないので、少な
い素子数で位相比較回路を実現し易い。また、1個の信
号を形成して積分機能部を駆動することがなく、1個の
信号にまとめる前の2個の信号で抵抗やコンデンサの積
分機能部を駆動しているので、論理演算手段内での論理
ゲートでの処理遅延時間の影響を受け難くなる等して、
位相差が小さいときも正確な直流電圧信号が得られるよ
うにしている。
【0034】
【実施例】
(A)第1実施例 以下、本発明による位相比較回路の第1実施例を図面を
参照しながら詳述する。ここで、図1は、この第1実施
例の位相比較回路の構成を示すものである。なお、この
第1実施例の位相比較回路も、同一パターンの2個のデ
ジタル信号の位相を比較してその位相差に応じた直流電
圧信号を出力するものである。
【0035】図1において、第1実施例の位相比較回路
は、2個の2入力否定論理和回路20及び21と、2個
の否定回路22及び23と、2個の抵抗24及び25
と、コンデンサ26とから構成されている。
【0036】第1及び第2の信号入力端子IN1及びI
N2から入力された、比較対象である位相差(0を含
む)を有する同一パターンの2個のデジタル信号A及び
Bは、第1の否定論理和回路20に入力され、これら2
個のデジタル信号A及びBの否定論理和信号Eが第1の
否定論理和回路20の出力端子に得られる。
【0037】また、デジタル信号Aは否定回路22によ
って論理反転されて第2の否定論理和回路21に入力さ
れ、デジタル信号Bは否定回路23によって論理反転さ
れて第2の否定論理和回路21に入力され、かくして、
デジタル信号Aの反転信号A/(ここで「/」は反転を
意味する)とデジタル信号Bの反転信号B/との否定論
理和信号Fが第2の否定論理和回路21の出力端子に得
られる。
【0038】第1の否定論理和回路20の出力端子には
抵抗24の一端が接続されており、第2の否定論理和回
路21の出力端子には抵抗25の一端が接続されてお
り、これら抵抗24及び25の他端同士は接続されてい
る。この他端同士の接続点は、コンデンサ26の一端に
接続されていると共に、当該位相比較回路の出力端子O
UTに接続されており、コンデンサ26の他端は接地さ
れている。
【0039】ここで、第1及び第2の否定論理和回路2
0及び21の出力インピーダンスは等しい値であり、ま
た、抵抗24及び25の抵抗値は等しく選定されてお
り、この抵抗値は上記出力インピーダンスより十分に大
きく選定されている。このようにしているのは、第1及
び第2の否定論理和回路20及び21の負荷となる容量
成分を無視できるようにすることにより、第1及び第2
の否定論理和回路20及び21が非常に狭いパルスをも
正しく出力できるためである。
【0040】また、コンデンサ26は、抵抗24又は2
5と共に、積分機能部を構成しているものであり、抵抗
24及びコンデンサ26による時定数、並びに、抵抗2
5及びコンデンサ26による時定数はそれぞれ、デジタ
ル信号A及びBのビットレートの逆数(1ビット期間)
Tより十分に大きく選定されている。このようにしてい
るのは、十分な積分機能を発揮させるためである。
【0041】図5は、この第1実施例の位相比較回路に
おける各部での真理値を示す図表である。
【0042】この図5から明らかなように、デジタル信
号A及びBが共に論理“1”のときには、第1の否定論
理和回路20からの出力信号Eが論理“0”、第2の否
定論理和回路21からの出力信号Fが論理“1”とな
る。また、デジタル信号A及びBが共に論理“0”のと
きには、第1の否定論理和回路20からの出力信号Eが
論理“1”、第2の否定論理和回路21からの出力信号
Fが論理“0”となる。出力信号Eが論理“0”、出力
信号Fが論理“1”の場合と、出力信号Eが論理
“1”、出力信号Fが論理“0”の場合とは、図1の構
成の対称性から明らかなように、コンデンサ26に対し
ては同一の積分機能を発揮する。
【0043】一方、デジタル信号Aが論理“1”、デジ
タル信号Bが論理“0”のときには、第1及び第2の否
定論理和回路20及び21からの出力信号E及びFが共
に論理“0”となる。また、デジタル信号Aが論理
“0”、デジタル信号Bが論理“1”のときにも、第1
及び第2の否定論理和回路20及び21からの出力信号
E及びFが共に論理“0”となる。出力信号E及びFが
共に論理“0”となるこれらの場合は、本来同一パター
ンのデジタル信号A及びBが異なる論理レベルをとって
いる場合であるので、位相差のために、立上りエッジ近
傍及び立下りエッジ近傍で生じた論理レベルが異なって
いる場合である。
【0044】第1及び第2のデジタル信号A及びBが異
なる論理レベルをとっている出力信号E及びFが共に論
理“0”となる期間は、位相差が大きくなるに従って長
くなり、逆に、第1及び第2のデジタル信号A及びBが
異なる論理レベルをとっている出力信号E及びFが異な
る論理レベルをとる期間は、位相差が大きくなるに従っ
て短くなる。従って、コンデンサ26に得られる直流電
圧信号Gは、位相差に応じた値をとる。
【0045】なお、デジタル信号A及びBが異なる論理
レベルをとるために出力信号Fが論理“0”となる場合
において、出力信号Fが論理“0”となり始めるのは、
デジタル信号A及びBが異なる論理レベルをとるように
なった時点から、否定回路22及び23の処理遅延時間
τnot だけ遅れた時点であるが、出力信号Fが論理
“0”をとる時間自体は、デジタル信号A及びBが異な
る論理レベルをとっている期間と同一であり、積分機能
部に対しては、否定回路22及び23の処理遅延時間τ
not は影響を与えていない。また、否定回路22及び2
3の処理遅延時間τnot を考慮したとしても、図5から
明らかなように、第1及び第2の否定論理和回路20及
び21からの出力信号E及びFが共に論理“1”になる
ことはない。
【0046】以上、図1に示すこの第1実施例の位相比
較回路が、位相比較回路として動作することを簡単に説
明したが、以下では、より定量的に説明する。
【0047】ここでも、デジタル信号A及びB間の位相
差を時間で表してτとし、デジタル信号A及びBのビッ
トレートの逆数(1ビット期間)を上述のようにTと
し、デジタル信号A及びBの単位時間t(t>>T)当り
の論理レベル間の遷移数(すなわち、論理“0”から論
理“1”への遷移数と、論理“1”から論理“0”への
遷移数との和)をnとし、また、位相差τが|τ|≦T
の範囲にあるとする。また、デジタル信号A及びBのマ
ーク率(単位時間t当りの論理“1”をとる期間の割
合)をmとする。さらに、第1及び第2の否定論理和回
路20及び21の論理“1”レベルをVH 、論理“0”
レベルをVL とする。
【0048】まず、第1の否定論理和回路20からの出
力信号Eが論理“1”、第2の否定論理和回路21から
の出力信号Fが論理“0”となる期間の単位時間t当り
の割合を考える。この場合は、デジタル信号A及びBが
共に論理“0”の場合である。デジタル信号A(又は
B)を単独で考えたときの論理“0”である期間の割合
は、1−mである。しかし、デジタル信号A及びBが共
に論理“0”である期間の割合は、図6に示すように、
単位時間t当りn/2回ずつ生じる立下りエッジ(又は
位相ずれ方向によっては立上りエッジ)毎に、位相差τ
分だけ本来の論理“0”期間を短くしているため、 1−m−n・|τ|/2 …(2) となる。
【0049】次に、第1の否定論理和回路20からの出
力信号Eが論理“0”、第2の否定論理和回路21から
の出力信号Fが論理“1”となる期間の単位時間t当り
の割合を考える。この場合は、デジタル信号A及びBが
共に論理“1”の場合である。デジタル信号A(又は
B)を単独で考えたときの論理“1”である期間の割合
は、mである。しかし、デジタル信号A及びBが共に論
理“1”である期間の割合は、図6に示すように、単位
時間t当りn/2回ずつ生じる立上りエッジ(又は位相
ずれ方向によっては立下りエッジ)毎に、位相差τ分だ
け本来の論理“1”期間を短くしているため、 m−n・|τ|/2 …(3) となる。
【0050】さらに、第1及び第2の否定論理和回路2
0及び21からの出力信号E及びFが共に論理“0”と
なる期間の単位時間t当りの割合を考える。この場合
は、デジタル信号Aが論理“1”、デジタル信号Bが論
理“0”のときと、デジタル信号Aが論理“0”、デジ
タル信号Bが論理“1”のときとである。この場合は、
図6に示すように、単位時間t当りn回ずつ生じる立上
りエッジ及び立下りエッジ毎の位相差τ時間が該当し、
そのため、出力信号E及びFが共に論理“0”となる期
間の単位時間t当りの割合は、 n・|τ| …(4) となる。
【0051】その結果、出力される直流電圧信号Gは、
次の(5) 式に比例するということができる。
【0052】 (1−m−n・|τ|/2)・(VH +VL )/2 +(m−n・|τ|/2)・(VH +VL )/2 +n・|τ|・VL =(VH +VL )/2−n・|τ|・(VH −VL )/2 …(5) 従って、単位時間t当りの論理レベル間の遷移数nが一
定のデジタル信号A及びBの場合には、直流電圧信号G
は位相差τの1次関数となって位相差τに応じた値をと
る。以上のように、第1実施例の位相比較回路は、位相
比較回路として動作することが分かる。
【0053】以上のように、上記第1実施例によれば、
第2の否定論理和回路21からの出力信号Fが所定論理
をレベルをとる期間は、デジタル信号A及びBの論理レ
ベルの組合わせにより定まり、否定回路22及び23の
処理遅延時間τnot に無関係であるため、直流電圧信号
Gは、否定回路22及び23の処理遅延時間τnot に影
響されずに位相差τに応じた値をとり、その結果、位相
差が小さいときも正確に検出することができる。
【0054】また、第1実施例によれば、(5) 式の変形
前の式構造から明らかなように、積分構成に主として働
く期間は、デジタル信号A及びBの論理レベルが一致し
ている期間であり、位相差τが0(意図している位相差
が0のことは多い)に近付くとこれら期間は、入力デジ
タル信号の論理“1”又は論理“0”のパルス幅に近付
き、十分な積分が行なわれる。すなわち、位相差τが小
さい領域でも正常な動作が実現できる。因に、従来の位
相比較回路の場合には、入力デジタル信号A及びBの論
理レベルが一致していない期間が主として積分構成(低
域濾過フィルタ)に対して働き、そのため、位相差τが
小さきときにはごく短時間しか積分されず、出力される
直流電圧信号が不正確になり易い。
【0055】さらに、第1実施例によれば、抵抗24及
び25の抵抗値を、第1及び第2の否定論理和回路20
及び21の出力インピーダンスより十分に大きく選定し
ているので、第1及び第2の否定論理和回路20及び2
1の負荷となる容量成分を無視でき、第1及び第2の否
定論理和回路20及び21が非常に狭いパルスをも出力
できる。その結果、位相差τが小さくても有効に動作さ
せることができる。
【0056】以上説明した効果を整理すると、従来の位
相比較回路に比べて、位相差τが小さいときでも正確な
直流電圧信号Gを得ることができ、位相比較範囲を増大
させているということができる。
【0057】また、上記第1実施例によれば、図2及び
図4に示した従来の位相比較回路との比較から明らかな
ように、少ない素子数で回路を構成できている。
【0058】(B)第2実施例 次に、本発明による位相比較回路の第2実施例を図面を
参照しながら説明する。ここで、図7は、この第2実施
例の位相比較回路の構成を示すものであり、上述した図
1との同一、対応部分には同一符号を付して示してい
る。また、図8は、この第2実施例の位相比較回路にお
ける各部での真理値を示す図表である。
【0059】図7に示すように、この第2実施例の位相
比較回路は、第1実施例の位相比較回路における第1及
び第2の否定論理和回路20及び21(図1参照)をそ
れぞれ、第1及び第2の否定論理積回路(NAND回
路)201及び211に置換したものである。
【0060】従って、入力デジタル信号A及びBの論理
レベルの組合わせと、第1の否定論理積回路201から
の出力信号E1及び第2の否定論理積回路211からの
出力信号F1との関係は、図8に示すようになる。
【0061】詳述は避けるが、第1実施例と同様に、出
力信号E1及びF1の論理レベルの各組合わせをとる期
間の割合を検討することにより、この第2実施例におけ
る直流電圧信号G1が、 (1−m−n・|τ|/2)・(VH +VL )/2 +(m−n・|τ|/2)・(VH +VL )/2 +n・|τ|・VH =(VH +VL )/2−n・|τ|・(VL −VH )/2 …(6) に比例することが分かり、第2実施例の位相比較回路
も、位相比較回路として動作することが分かる。
【0062】従って、この第2実施例によっても、従来
の位相比較回路に比べて、位相差τが小さいときでも正
確な直流電圧信号G1を得ることができ、位相比較範囲
を増大させるということができ、少ない素子数で回路を
実現できる。
【0063】(C)第3実施例 次に、本発明による位相比較回路の第3実施例を図面を
参照しながら説明する。ここで、図9は、この第3実施
例の位相比較回路の構成を示すものであり、上述した図
1との同一、対応部分には同一符号を付して示してい
る。また、図10は、この第3実施例の位相比較回路に
おける各部での真理値を示す図表である。
【0064】図9に示すように、この第3実施例の位相
比較回路は、第1実施例の位相比較回路における第1及
び第2の否定論理和回路20及び21(図1参照)をそ
れぞれ、第1及び第2の論理積回路(AND回路)20
2及び212に置換したものである。
【0065】従って、入力デジタル信号A及びBの論理
レベルの組合わせと、第1の論理積回路202からの出
力信号E2及び第2の論理積回路212からの出力信号
F2との関係は、図10に示すようになる。
【0066】詳述は避けるが、第1実施例と同様に、出
力信号E2及びF2の論理レベルの各組合わせをとる期
間の割合を検討することにより、この第3実施例におけ
る直流電圧信号G2が、第1実施例と同様に、上述した
(5) 式に示す値にに比例することが分かり、第3実施例
の位相比較回路も、位相比較回路として動作することが
分かる。
【0067】従って、この第3実施例によっても、従来
の位相比較回路に比べて、位相差τが小さいときでも正
確な直流電圧信号G2を得ることができて位相比較範囲
を増大させることができ、少ない素子数で回路を実現し
易い。
【0068】(D)第4実施例 次に、本発明による位相比較回路の第4実施例を図面を
参照しながら説明する。ここで、図11は、この第4実
施例の位相比較回路の構成を示すものであり、上述した
図1との同一、対応部分には同一符号を付して示してい
る。また、図12は、この第4実施例の位相比較回路に
おける各部での真理値を示す図表である。
【0069】図11に示すように、この第4実施例の位
相比較回路は、第1実施例の位相比較回路における第1
及び第2の否定論理和回路20及び21(図1参照)を
それぞれ、第1及び第2の論理和回路(OR回路)20
3及び213に置換したものである。
【0070】従って、入力デジタル信号A及びBの論理
レベルの組合わせと、第1の論理和回路203からの出
力信号E3及び第2の論理和回路213からの出力信号
F3との関係は、図12に示すようになる。
【0071】詳述は避けるが、第1実施例と同様に、出
力信号E3及びF3の論理レベルの各組合わせをとる期
間の割合を検討することにより、この第4実施例におけ
る直流電圧信号G3が、第2実施例と同様に、上述した
(6) 式に示す値に比例することが分かり、第4実施例の
位相比較回路も、位相比較回路として動作することが分
かる。
【0072】従って、この第4実施例によっても、従来
の位相比較回路に比べて、位相差τが小さいときでも正
確な直流電圧信号G3を得ることができて位相比較範囲
を増大させることができ、少ない素子数で回路を実現し
易い。
【0073】(E)第5実施例 次に、本発明による位相比較回路の第5実施例を図面を
参照しながら詳述する。ここで、図13は、この第5実
施例の位相比較回路の構成を示すものである。
【0074】図13において、第5実施例の位相比較回
路は、2個の2入力否定論理和回路30及び31と、2
個の否定回路32及び33と、2個の抵抗34及び35
と、コンデンサ36とから構成されている。
【0075】第1及び第2の信号入力端子IN1及びI
N2から入力された、比較対象である位相差(0を含
む)を有する同一パターンの2個のデジタル信号A及び
Bの内デジタル信号Aは、第1の否定論理和回路30に
直接入力され、デジタル信号Bは否定回路32によって
反転されて第1の否定論理和回路30に入力される。従
って、デジタル信号A及びB/の否定論理和信号Hが第
1の否定論理和回路30の出力端子に得られる。
【0076】また、デジタル信号Aは否定回路33によ
って否定されて第2の否定論理和回路31に入力され、
デジタル信号Bは第2の否定論理和回路31に直接入力
され、かくして、デジタル信号Aの反転信号A/とデジ
タル信号Bとの否定論理和信号Iが第2の否定論理和回
路31の出力端子に得られる。
【0077】第1の否定論理和回路30の出力端子には
抵抗34の一端が接続されており、第2の否定論理和回
路31の出力端子には抵抗35の一端が接続されてお
り、これら抵抗34及び35の他端同士は接続されてい
る。この他端同士の接続点は、コンデンサ36の一端に
接続されていると共に、当該位相比較回路の出力端子O
UTに接続されており、コンデンサ36の他端は接地さ
れている。
【0078】ここで、第1及び第2の否定論理和回路3
0及び31の出力インピーダンスは等しい値であり、ま
た、抵抗34及び35の抵抗値は等しく選定されてお
り、この抵抗値は上記出力インピーダンスより十分に大
きく選定されている。このようにしているのは、第1〜
第4実施例と同様な理由による。
【0079】この第5実施例においても、コンデンサ3
6は、抵抗34又は35と共に、積分回路を構成してい
るものであり、抵抗34及びコンデンサ36による時定
数、並びに、抵抗35及びコンデンサ36による時定数
はそれぞれ、デジタル信号A及びBのビットレートの逆
数(1ビット期間)Tより十分に大きく選定されてい
る。
【0080】図14は、この第5実施例の位相比較回路
における各部での真理値を示す図表である。
【0081】図14から明らかなように、デジタル信号
A及びBが共に論理“1”のとき、及び、デジタル信号
A及びBが共に論理“0”のときには、第1及び第2の
否定論理和回路30及び31からの出力信号H及びIが
共に論理“0”となる。
【0082】一方、デジタル信号Aが論理“1”、デジ
タル信号Bが論理“0”のときには、第1の否定論理和
回路30からの出力信号Hが論理“0”、第2の否定論
理和回路31からの出力信号Iが論理“1”となる。ま
た、デジタル信号Aが論理“0”、デジタル信号Bが論
理“1”のときには、第1の否定論理和回路30からの
出力信号Hが論理“1”、第2の否定論理和回路31か
らの出力信号Iが論理“0”となる。出力信号Hが論理
“0”、出力信号Iが論理“1”の場合と、出力信号H
が論理“1”、出力信号Iが論理“0”の場合とは、図
13の構成の対称性から明らかなように、コンデンサ3
6に対しては同一の積分機能を発揮する。出力信号H及
びIの論理レベルが異なるこれらの場合は、本来同一パ
ターンのデジタル信号A及びBが異なる論理レベルをと
っている場合であるので、位相差のために、立上りエッ
ジ近傍及び立下りエッジ近傍で生じる。
【0083】出力信号H及びIの論理レベルが異なるこ
れらの場合の期間は位相差が大きくなるに従って長くな
り、逆に、出力信号H及びIが同一論理レベルをとる上
述した場合の期間は短くなる。従って、コンデンサ36
に得られる直流電圧信号Jは、位相差に応じた値をと
る。
【0084】以上、図13に示すこの第5実施例の位相
比較回路が、位相比較回路として動作することを簡単に
説明したが、以下では、より定量的に説明する。なお、
この第5実施例の場合、否定回路32、33による処理
遅延時間τnot の影響があるが、以下の説明ではこのこ
とを無視する。
【0085】ここでも、デジタル信号A及びB間の位相
差を時間で表してτとし、デジタル信号A及びBのビッ
トレートの逆数(1ビット期間)を上述のようにTと
し、デジタル信号A及びBの単位時間t(t>>T)当り
の論理レベル間の遷移数(すなわち、論理“0”から論
理“1”への遷移数と、論理“1”から論理“0”への
遷移数との和)をnとし、また、位相差τが|τ|≦T
の範囲にあるとする。また、第1及び第2の否定論理和
回路30及び31の論理“1”レベルをVH 、論理
“0”レベルをVL とする。
【0086】第1実施例と同様に、第1及び第2の否定
論理和回路30及び31からの出力信号H及びIの論理
レベルの組合わせについて場合分けを行なって、単位時
間t当りの状態を検討すると、その詳細は省略するが、
出力信号H及びIが共に論理“0”である時間の単位時
間t当りの割合は1−n・|τ|であり、一方、出力信
号H及びIの論理レベルが異なる時間の単位時間t当り
の割合はn・|τ|である。
【0087】その結果、出力される直流電圧信号Jは、
次の(7) 式に比例するということができる。
【0088】 (1−n・|τ|)・VL +n・|τ|・(VH +VL )/2 =VL +n・|τ|・(VH −VL )/2 …(7) 従って、単位時間t当りの論理レベル間の遷移数nが一
定のデジタル信号A及びBの場合には、直流電圧信号J
は位相差τの1次関数となって位相差τに応じた値をと
る。以上のように、第5実施例の位相比較回路は、位相
比較回路として動作することが分かる。
【0089】なお、以上では、否定回路32、33によ
る処理遅延時間τnot の影響を無視して説明したが、遷
移数nが一定の場合には、処理遅延時間τnot の影響
は、(7) 式の値に対する固定オフセットとして入り込む
ので、影響を考慮したとしても、直流電圧信号Jと位相
差τとの1次関数が成立し、直流電圧信号Jは位相差τ
に応じた値をとる。
【0090】従って、この第5実施例によっても、従来
の位相比較回路に比べて、位相差τが小さいときでも正
確な直流電圧信号Jを得ることができて位相比較範囲を
増大させることができ、少ない素子数で回路を実現でき
る。
【0091】(F)第6実施例 次に、本発明による位相比較回路の第6実施例を図面を
参照しながら説明する。ここで、図15は、第6実施例
の位相比較回路の構成を示すものであり、上述した図1
3との同一部分には同一符号を付して示している。ま
た、図16は、この第6実施例の位相比較回路における
各部での真理値を示す図表である。
【0092】図15に示すように、第6実施例の位相比
較回路は、第5実施例の位相比較回路における第1及び
第2の否定論理和回路30及び31(図13参照)をそ
れぞれ、第1及び第2の否定論理積回路301及び31
1に置換したものである。
【0093】従って、入力デジタル信号A及びBの論理
レベルの組合わせと、第1の否定論理積回路301から
の出力信号H1及び第2の否定論理積回路311からの
出力信号I1との関係は、図16に示すようになる。
【0094】詳述は避けるが、第5実施例と同様に、出
力信号H1及びI1の論理レベルの各組合わせをとる期
間の割合を検討することにより、この第6実施例におけ
る直流電圧信号J1が、 (1−n・|τ|)・VH +n・|τ|・(VH +VL )/2 =VH +n・|τ|・(VL −VH )/2 …(8) に比例することが分かり、第6実施例の位相比較回路
も、位相比較回路として動作することが分かる。
【0095】従って、この第6実施例によっても、従来
の位相比較回路に比べて、位相差τが小さいときでも正
確な直流電圧信号G1を得ることができ、位相比較範囲
を増大させるということができ、少ない素子数で回路を
実現できる。
【0096】(G)第7実施例 次に、本発明による位相比較回路の第7実施例を図面を
参照しながら説明する。ここで、図17は、第7実施例
の位相比較回路の構成を示すものであり、上述した図1
3との同一部分には同一符号を付して示している。ま
た、図18は、第7実施例の位相比較回路における各部
での真理値を示す図表である。
【0097】図17に示すように、この第7実施例の位
相比較回路は、第5実施例の位相比較回路における第1
及び第2の否定論理和回路30及び31(図13参照)
をそれぞれ、第1及び第2の論理積回路302及び31
2に置換したものである。
【0098】従って、入力デジタル信号A及びBの論理
レベルの組合わせと、第1の論理積回路302からの出
力信号H2及び第2の論理積回路312からの出力信号
I2との関係は、図18に示すようになる。
【0099】詳述は避けるが、第5実施例と同様に、出
力信号H2及びI2の論理レベルの各組合わせをとる期
間の割合を検討することにより、この第7実施例におけ
る直流電圧信号J2が、第5実施例と同様に、上述した
(8) 式に示す値に比例することが分かり、第7実施例の
位相比較回路も、位相比較回路として動作することが分
かる。
【0100】従って、この第7実施例によっても、従来
の位相比較回路に比べて、位相差τが小さいときでも正
確な直流電圧信号J2を得ることができて位相比較範囲
を増大させることができ、少ない素子数で回路を実現し
易い。
【0101】(H)第8実施例 次に、本発明による位相比較回路の第8実施例を図面を
参照しながら説明する。ここで、図19は、第8実施例
の位相比較回路の構成を示すものであり、上述した図1
3との同一部分には同一符号を付して示している。ま
た、図20は、第8実施例の位相比較回路における各部
での真理値を示す図表である。
【0102】図19に示すように、この第8実施例の位
相比較回路は、第5実施例の位相比較回路における第1
及び第2の否定論理和回路30及び31(図13参照)
をそれぞれ、第1及び第2の論理和回路303及び31
3に置換したものである。
【0103】従って、入力デジタル信号A及びBの論理
レベルの組合わせと、第1の論理和回路303からの出
力信号H3及び第2の論理和回路313からの出力信号
I3との関係は、図20に示すようになる。
【0104】詳述は避けるが、第5実施例と同様に、出
力信号H3及びI3の論理レベルの各組合わせをとる期
間の割合を検討することにより、この第8実施例におけ
る直流電圧信号J3が、第6実施例と同様に、上述した
(8) 式に示す値に比例することが分かり、第8実施例の
位相比較回路も、位相比較回路として動作することが分
かる。
【0105】従って、この第8実施例によっても、従来
の位相比較回路に比べて、位相差τが小さいときでも正
確な直流電圧信号J3を得ることができて位相比較範囲
を増大させることができ、少ない素子数で回路を実現し
易い。
【0106】(I)他の実施例 上記各実施例において論理演算を行なっている部分は、
上記各実施例において示した構成のものに限定されるも
のではなく、上記各実施例について示した真理値関係が
得られるものであるならば、他の構成によって置き換え
ても良い。第1実施例について例を挙げると、2個の否
定回路22及び23と、第2の否定論理和回路21の部
分を、第1及び第2のデジタル信号A及びBの否定論理
積を得る否定論理積回路と、その出力を論理反転する否
定回路との構成によって置き換えることができる。請求
項2〜5、7〜10は、各実施例をそのまま表現したよ
うにも読めるが、意図した真理値関係を規定したもので
あり、上記のような置き換えも含んでおり、実施例だけ
に限定したものではない。
【0107】
【発明の効果】以上のように、本発明の位相比較回路に
よれば、第1及び第2のデジタル信号の位相ずれによっ
て生じる第1及び第2のデジタル信号の論理レベルが異
なる期間と、それ以外の第1及び第2のデジタル信号の
論理レベルが一致する期間とを、1個の信号ではなく、
第1及び第2の論理演算手段からの2個の信号の組合わ
せで区別するようにし、これら2個の信号によって、第
1及び第2の抵抗及びコンデンサでなる積分機能部を駆
動して、位相差に応じた直流電圧信号を得るようにした
ので、位相差が小さいときでも正確な直流電圧信号を得
ることができて位相比較範囲を増大させることができ、
また、少ない素子数で回路を実現し易い位相比較回路を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】従来回路を示すブロック図である。
【図3】従来回路で位相差対応の直流電圧信号が得られ
ることの説明図である。
【図4】従来回路で適用されている排他的論理和回路の
詳細構成ブロック図である。
【図5】第1実施例の各部真理値を示す図表である。
【図6】位相差と2個の入力デジタル信号の論理レベル
との関係説明図である。
【図7】第2実施例の構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施例の各部真理値を示す図表である。
【図9】第3実施例の構成を示すブロック図である。
【図10】第3実施例の各部真理値を示す図表である。
【図11】第4実施例の構成を示すブロック図である。
【図12】第4実施例の各部真理値を示す図表である。
【図13】第5実施例の構成を示すブロック図である。
【図14】第5実施例の各部真理値を示す図表である。
【図15】第6実施例の構成を示すブロック図である。
【図16】第6実施例の各部真理値を示す図表である。
【図17】第7実施例の構成を示すブロック図である。
【図18】第7実施例の各部真理値を示す図表である。
【図19】第8実施例の構成を示すブロック図である。
【図20】第9実施例の各部真理値を示す図表である。
【符号の説明】
20、21、30、31…否定論理和回路(NOR回
路)、 22、23、32、33…否定回路(NOT回路)、 24、25、34、35…抵抗、 26、36…コンデンサ、 201、211、301、311…否定論理積回路(N
AND回路)、 202、212、302、312…論理積回路(AND
回路)、 203、213、303、313…論理和回路(OR回
路)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一パターンの第1及び第2のデジタル
    信号が与えられ、これら第1及び第2のデジタル信号の
    位相差に応じた直流電圧信号を出力する位相比較回路に
    おいて、 上記第1及び第2のデジタル信号が入力され、これら第
    1及び第2のデジタル信号の論理レベルが一致している
    ときに定まっている同一の論理レベルの出力信号を出力
    すると共に、上記第1及び第2のデジタル信号の論理レ
    ベルが異なるときに論理レベルが異なる出力信号を出力
    する第1及び第2の論理演算手段と、 上記第1の論理演算手段の出力端に一端が接続されてい
    る第1の抵抗と、 上記第2の論理演算手段の出力端に一端が接続されてい
    る、上記第1の抵抗と同一抵抗値の第2の抵抗と、 上記第1及び第2の抵抗の他端と、当該位相比較回路全
    体の出力端子とに一端が接続され、他端が所定電位に接
    続されているコンデンサとでなることを特徴とした位相
    比較回路。
  2. 【請求項2】 上記第1の論理演算手段が、上記第1及
    び第2のデジタル信号の否定論理和信号を出力するもの
    であり、 上記第2の論理演算手段が、上記第1のデジタル信号の
    否定信号と上記第2のデジタル信号の否定信号との否定
    論理和信号を出力するものであることを特徴とした請求
    項1に記載の位相比較回路。
  3. 【請求項3】 上記第1の論理演算手段が、上記第1及
    び第2のデジタル信号の否定論理積信号を出力するもの
    であり、 上記第2の論理演算手段が、上記第1のデジタル信号の
    否定信号と上記第2のデジタル信号の否定信号との否定
    論理積信号を出力するものであることを特徴とした請求
    項1に記載の位相比較回路。
  4. 【請求項4】 上記第1の論理演算手段が、上記第1及
    び第2のデジタル信号の論理積信号を出力するものであ
    り、 上記第2の論理演算手段が、上記第1のデジタル信号の
    否定信号と上記第2のデジタル信号の否定信号との論理
    積信号を出力するものであることを特徴とした請求項1
    に記載の位相比較回路。
  5. 【請求項5】 上記第1の論理演算手段が、上記第1及
    び第2のデジタル信号の論理和信号を出力するものであ
    り、 上記第2の論理演算手段が、上記第1のデジタル信号の
    否定信号と上記第2のデジタル信号の否定信号との論理
    和信号を出力するものであることを特徴とした請求項1
    に記載の位相比較回路。
  6. 【請求項6】 同一パターンの第1及び第2のデジタル
    信号が与えられ、これら第1及び第2のデジタル信号の
    位相差に応じた直流電圧信号を出力する位相比較回路に
    おいて、 上記第1及び第2のデジタル信号が入力され、これら第
    1及び第2のデジタル信号の論理レベルが一致している
    ときに論理レベルが異なる出力信号を出力すると共に、
    上記第1及び第2のデジタル信号の論理レベルが異なる
    ときに定まっている同一の論理レベルの出力信号を出力
    する第1及び第2の論理演算手段と、 上記第1の論理演算手段の出力端に一端が接続されてい
    る第1の抵抗と、 上記第2の論理演算手段の出力端に一端が接続されてい
    る、上記第1の抵抗と同一抵抗値の第2の抵抗と、 上記第1及び第2の抵抗の他端と、当該位相比較回路全
    体の出力端子とに一端が接続され、他端が所定電位に接
    続されているコンデンサとでなることを特徴とした位相
    比較回路。
  7. 【請求項7】 上記第1の論理演算手段が、上記第1の
    デジタル信号と、上記第2のデジタル信号の否定信号と
    の否定論理和信号を出力するものであり、 上記第2の論理演算手段が、上記第2のデジタル信号
    と、上記第1のデジタル信号の否定信号との否定論理和
    信号を出力するものであることを特徴とした請求項6に
    記載の位相比較回路。
  8. 【請求項8】 上記第1の論理演算手段が、上記第1の
    デジタル信号と、上記第2のデジタル信号の否定信号と
    の否定論理積信号を出力するものであり、 上記第2の論理演算手段が、上記第2のデジタル信号
    と、上記第1のデジタル信号の否定信号との否定論理積
    信号を出力するものであることを特徴とした請求項6に
    記載の位相比較回路。
  9. 【請求項9】 上記第1の論理演算手段が、上記第1の
    デジタル信号と、上記第2のデジタル信号の否定信号と
    の論理積信号を出力するものであり、 上記第2の論理演算手段が、上記第2のデジタル信号
    と、上記第1のデジタル信号の否定信号との論理積信号
    を出力するものであることを特徴とした請求項6に記載
    の位相比較回路。
  10. 【請求項10】 上記第1の論理演算手段が、上記第1
    のデジタル信号と、上記第2のデジタル信号の否定信号
    との論理和信号を出力するものであり、 上記第2の論理演算手段が、上記第2のデジタル信号
    と、上記第1のデジタル信号の否定信号との論理和信号
    を出力するものであることを特徴とした請求項6に記載
    の位相比較回路。
JP31940893A 1993-12-20 1993-12-20 位相比較回路 Pending JPH07177007A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31940893A JPH07177007A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 位相比較回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31940893A JPH07177007A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 位相比較回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07177007A true JPH07177007A (ja) 1995-07-14

Family

ID=18109861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31940893A Pending JPH07177007A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 位相比較回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07177007A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104034963A (zh) * 2013-03-07 2014-09-10 鸿富锦精密工业(武汉)有限公司 交流电相位检测系统

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104034963A (zh) * 2013-03-07 2014-09-10 鸿富锦精密工业(武汉)有限公司 交流电相位检测系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0645883A (ja) アナログ・タイミング発生器
JP2001196925A (ja) 周波数比較器とそれを備えた位相同期回路
JPH07212224A (ja) 対称的出力を有する電圧制御発振器(vco)と同発振器に用いる論理ゲート
US20080101521A1 (en) Clock and data recovery circuit
DE102007023889A1 (de) Zeitmess-Schaltung mit Impulsverzögerungsschaltung
JP4371893B2 (ja) チャージポンプ回路及びこのチャージポンプ回路を用いたpll回路
JPS61500144A (ja) スイツチト・キヤパシタ回路
US5065047A (en) Digital circuit including fail-safe circuit
JPH07177007A (ja) 位相比較回路
KR101317227B1 (ko) 패시브 시그마 델타 모듈레이터를 이용한 터치 센서 인터페이스
US4669098A (en) Increased resolution counting circuit
JP2811969B2 (ja) 位相同期回路
US5793260A (en) Current controlled oscillator with voltage independent capacitance
JPH0119301B2 (ja)
JPH11298323A (ja) 高速ロックアップpll回路
JP2540765B2 (ja) 誤動作防止テスト回路
JP2533518B2 (ja) 位相同期回路
JP2870453B2 (ja) パルス幅補正回路
US6424218B1 (en) Programmable differential active voltage divider circuit
JPS62196919A (ja) 比較器
JP3196949B2 (ja) データ信号位相比較回路
JPH10126228A (ja) デジタル波形整形回路
JP2692394B2 (ja) 位相周波数比較器
JP4663226B2 (ja) 周波数逓倍回路
JP2548340B2 (ja) チャタリング除去回路