JP3196949B2 - データ信号位相比較回路 - Google Patents

データ信号位相比較回路

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JP3196949B2
JP3196949B2 JP05641093A JP5641093A JP3196949B2 JP 3196949 B2 JP3196949 B2 JP 3196949B2 JP 05641093 A JP05641093 A JP 05641093A JP 5641093 A JP5641093 A JP 5641093A JP 3196949 B2 JP3196949 B2 JP 3196949B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相比較信号として従
来の正弦波等の繰り返し信号だけでなく、繰り返しパタ
ンの信号とならないディジタル符号を入力信号として用
いてもデータの符号パタンに大きく依存せず安定な位相
差出力を得ることができるデータ信号位相比較回路を提
供するものである。
【0002】
【従来の技術】位相比較回路は、2つの信号の位相差を
検出し、その結果を出力する回路で、位相同期回路の、
位相同期をとるための制御回路として多く用いられてい
る。特にデータ伝送システムでは、データの識別・タイ
ミング信号(クロック信号)抽出を行う位相同期回路に
用いられており、高精度な動作が要求される。また、単
に繰り返し信号に対してのみ位相比較を行うだけでな
く、マーク率の異なるランダムなデータ信号に対して
も、高精度な位相比較出力が得られる構成が要望されて
いる。
【0003】図は、一般に多く用いられている従来の
位相比較回路であって、1、2は差動用信号の入力端
子、3、4も差動用信号の入力端子、5、6は差動出力
信号の出力端子、7は高電位電源端子、8は低電位電源
端子、11〜16はトランジスタ、21、22は抵抗、
23は定電流回路である。本回路は、入力端子1,2間
に加えられる信号と入力端子3,4間に加えられる信号
の位相差を検出しその結果を出力端子5,6より得るも
のである。なお、R1、R2は抵抗、Vcc、Veeは
電源電圧を示す。
【0004】図9は、図8の従来回路の動作を説明する
ための回路シミュレーション結果であって、(a)〜
(c)の3つの特性図は各々横軸に時間(ns)、縦軸
に電圧(v)をとり各部の動作波形を示すものである。
まず(a)図は、入力信号として同じ位相の2つの信号
を入力した時の動作波形を示すもので、31,32は図
8の入力端子1,2での電圧波形を示し、33a,34
は入力端子3,4での電圧波形を示し、35aは出力
端子5,6間の差電圧の波形を示し、36aは波形35
aの直流レベルを示すものである。(b)図は、入力信
号として90度の位相差を持つ2つの信号を入力したと
きの動作波形を示すもので、31,32は入力端子1,
2での電圧波形を示し、33b,34bは入力端子3,
4での電圧波形を示し、35bは出力端子5,6間の差
電圧波形を示し、36bは波形35bの直流レベルを示
すものである。(c)図は、入力信号として180度の
位相差を持つ2つの信号を入力したときの動作波形を示
すもので、31,32は入力端子1,2での電圧波形を
示し、33c,34cは入力端子3,4での電圧波形を
示し、35cは出力端子5,6間の差電圧波形を示し、
36cは波形35cの直流レベルを示すものである。
【0005】図9を用いて図8の従来回路の動作を説明
する。図9の(a)図に示すように入力信号として同位
相の信号が入力された場合(31と33a,32と34
aが同相)、まず図において入力端子1,3がハイの
場合、トランジスタ11と12がオン状態となり抵抗2
1に電流が流れ出力端子5はローレベル、力端子6は
ハイレベル状態となる。したがって、出力端子5から出
力端子6の電圧を引いた差電圧は波形35aに示すよう
にローレベルとなる。この状態から、同時に入力端子1
と3の電位がローレベルに遷移(同位相で変化)する
と、トランジスタ13と16がオン状態となり、出力端
子5はローレベル、出力端子6はハイレベル状態が維持
されることになる。
【0006】これに対して(b)図に示すように入力端
子1の電位がローレベルに遷移した後、入力端子3の電
位がローレベルに遷移する場合は次のようになる。ま
ず、入力端子1の電位がローレベルに遷移するとトラン
ジスタ12がオン状態となり、出力端子5と6の状態が
反転することになる。さらにその後、入力端子3の電位
がローレベルに遷移するするとトランジスタ13と16
がオン状態となり、再度出力が反転することになる。2
つの入力信号として各々の位相差が90度の場合は、
(b)図のように出力として入力信号の2倍の繰り返し
信号が得られることになる。また、任意の位相差に対し
ては位相差に応じて出力波形のハイ,ローレベルを占め
る時間の割合が変化することになる。
【0007】(c)図は、入力信号として逆位相の信号
が入力された場合(31と33c,32と34cが逆
相)、まず図8において入力端子1がハイ、入力端子3
がローの場合、トランジスタ14と16がオン状態とな
り抵抗22に電流が流れ、出力端子5はハイレベル、出
力端子6はローレベル状態となる。この状態から、同時
に入力端子1と3の電位が逆転(逆位相で変化)すると
トランジスタ12と15がオン状態となり、出力端子5
はハイレベル、出力端子6はローレベル状態が維持され
ることになる。
【0008】以上説明したように従来の位相比較回路で
は、入力される2つの信号の位相差に応じて異なった出
力波形を生じ、出力波形により入力信号の位相差を知る
ことができる。なお、一般に本位相比較回路の出力に低
域ろ波回路を付加すると36a〜36cに示す位相差に
応じた直流成分を取り出すことができ、この直流信号を
位相差信号として用いることが多い。
【0009】しかし、図8の従来回路では、入力信号と
してディジタル符号データを用いた場合に出力波形の直
流レベルが位相差以外にデータパタンに応じて大きく変
動してしまう問題がある。
【0010】図10は図9の1,0の繰り返し信号に対
しゼロ連続データを加えた1,0,0,0,の繰り返し
信号を入力したときの動作波形の回路シミュレーション
結果を示すものである。”’”記号のついた各々の波形
特性は、図9の場合と対応させて記述している。
(a)、(b)、(c)の出力波形(35a′〜35
c′)から分かるように同符号連続期間中(ゼロの3連
続期間中)は、出力レベルが固定されてしまうため36
a′〜36c′の示す直流レベルは、図9の36a〜3
6cに対して大きくくずれてしまっている。
【0011】図11は2つの入力信号の位相差と位相比
較出力の平均直流レベルの関係を示したものである。こ
の図から分かるように同符号連続数の増大に伴って直流
レベルが大きく変動してしまっていることが分かる。同
一位相差の入力信号であってもデータパタンによって出
力の直流レベルが変化してしまう。
【0012】図12は、データ同士の位相比較により位
相同期回路を構成しているデータ伝送システム用の従来
の識別・タイミング信号抽出構成例を示したものであ
る。51は入力データ信号端子、52は出力信号端子、
53はタイミング信号(クロック信号)出力端子、54
はデータの論理状態(1,0)を判断する識別回路、5
5は位相比較回路、56は低域ろ波回路(LPF:ロー
パスフィルタ)、57は電圧制御発振回路(VCO)で
ある。本回路は入力データから、クロック周波数信号を
抽出し、そのクロック信号を用いてデータの論理状態を
判別し、その結果を出力するものである。その動作は、
まず、識別回路54の入出力データ間の位相差を位相比
較回路55で測定し、LPF56によりVCO57の発
振周波数の制御電圧に変換し、識別回路54の入出力デ
ータ間の位相差が一定になるようVCO57の発振周波
数を負帰還により自動制御するものである。これによ
り、入出力信号データから最適なクロック信号の抽出と
入力データに対する識別・再生動作を同時に得ることが
できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図8の従来の
位相差比較回路を用いると、入力データパタンにより、
位相差が同じであっても位相比較回路55の出力が変動
してしまうことになる。特に大きな同符号連続を発生す
る可能性のある方式、システムでは変動量が大きくな
り、場合によっては、位相同期状態がはずれてビットエ
ラーを発生してしまう。
【0014】このため、図8の従来回路をディジタル符
号データ同士の位相比較回路として用いると大きな同符
号連続の生じる可能性のあるシステムでは安定な位相比
較出力を得られない問題を抱えている。
【0015】そこで、本発明の目的とすることは、ディ
ジタル符号信号同士の位相比較動作を行っても符号パタ
ンにより出力波形の直流レベルが大きく変動してしまう
ことのないデータ信号位相比較回路を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるデータ信
号位相比較回路は、2つの入力端子を有し、これらの2
つの入力端子の一方に印加された入力信号を遅延させる
遅延回路と、この遅延回路により遅延された遅延信号
と、前記2つの入力端子の他方に印加された入力信号と
の位相差を出力する第1の位相比較部と、この第1の位
相比較部の出力と前記入力端子の一方に印加された入力
信号との位相差を出力する第2の位相比較部とを具備し
たものである。
【0017】さらに回路構成として、第1、第2のトラ
ンジスタのベース端子を第1の入力信号端子対とし、各
々のエミッタ端子は共通に接続され、それぞれのコレク
タ端子は第1、第2のインピーダンスを介して高電位電
源端子に接続され、第3のトランジスタのベース端子は
前記第2のトランジスタのベース端子に接続され、コレ
クタ端子は前記第1のインピーダンスを介して高電位電
源端子に接続され、エミッタ端子は第4のトランジスタ
のエミッタ端子に接続され、この第4のトランジスタの
ベース端子は前記第1のトランジスタのベース端子に接
続され、コレクタ端子は前記第2のインピーダンスを介
して高電位電源端子に接続され、第5、第6のトランジ
スタのベース端子を第2の入力信号端子対とし、各々の
エミッタ端子は第1の定電流源回路を介して低電位電源
端子に接続され、第5のトランジスタのコレクタ端子は
前記第1のトランジスタのエミッタ端子に接続され、第
6のトランジスタのコレクタ端子は前記第3のエミッタ
端子に接続され、第7のトランジスタのベース端子は遅
延回路を介して前記第2のトランジスタのベース端子に
接続され、コレクタ端子は前記第1のトランジスタのエ
ミッタ端子に接続され、エミッタ端子は第2の定電流源
回路を介して低電位電源端子に接続され、第8のトラン
ジスタのベース端子は遅延回路を介して前記第1のトラ
ンジスタのベース端子に接続され、エミッタ端子は第2
の定電流源回路を介して低電位電源端子に接続され、コ
レクタ端子は前記第3のトランジスタのエミッタ端子に
接続され、第3、第4のトランジスタの各々のコレクタ
端子を出力信号端子対としたのものである。
【0018】さらに、第7のトランジスタのエミッタ端
子が第2の定電流源回路を介して低電位電源端子に接続
され、第8のトランジスタのエミッタ端子が第3の定電
流源回路を介して低電位電源端子に接続され、第3のイ
ンピーダンス素子が第7、第8のトランジスタ間に接続
されているものである。
【0019】
【作用】本発明においては、第1の位相比較部で発生し
た入力信号のパタンに依存して出力される位相差成分
は、第2の位相比較部での位相比較動作によりキャンセ
ルされ、最終出力として入力信号のデータパタンに依存
しない出力が得られる。
【0020】また、本発明の回路構成では、第1の入力
信号端子対間に加えられる入力信号と、第2の入力信号
端子対間に加えられる入力信号の位相差が検出され、そ
の結果が出力端子に得られる。
【0021】
【実施例】図1は本発明の実施例であって、1と3はそ
れぞれ入力端子を、5は出力端子を、41、42は図8
で示したような従来の位相比較回路を用いた第1、第2
の位相比較部である。この動作は、入力端子1に入力さ
れた入力信号の固定遅延信号と入力端子3に入力された
入力信号との位相比較を第1の位相比較部41で行い、
次にその第1の位相比較部41の出力と入力に入力され
た入力信号との位相比較を第2の位相比較部42で行う
ことにより、入力信号のデータパタンに依存しない入力
端子1、3間の位相差を出力として得るものである。
【0022】その原理は、入力端子1と3の信号を各々
Via、Vibとし、遅延回路25の出力をVicとす
ると、まず、第1の位相比較部41の位相出力φ(Vo
l)は、
【0023】
【数1】 となる。ここで、φ関数は、信号の位相成分を示し、φ
(Vs)は、図8の従来回路で説明した入力信号データ
パタンに依存して出力される位相差成分を示している。
次に、第2の位相比較部42の出力をφ(Vo2)とす
ると
【0024】
【数2】 となる。ここで、入力信号のデータパタンに依存して出
力される位相差成分φ(Vs)は、2回の位相比較動作
によりキャンセルされ、位相比較の最終出力として、入
力信号のデータパタンに依存しない出力が得られる。な
お、固定位相遅延量φ(Vic)が、プラスとなるがデ
ータパタンに依存しないため比較出力として問題はな
い。
【0025】図2は、より具体的な本発明の実施例であ
って、1、2は差動用信号の入力端子で第1の入力信号
端子対を構成する。3、4も差動用信号の入力端子で第
2の入力信号端子対を構成する。5、6は差動出力信号
の出力端子、7は高電位電源端子、8は低電位電源端
子、11〜18は第1〜第8のトランジスタ、21、2
2は第1、第2の抵抗、23、24は第1、第2の定電
流回路、25は遅延回路、28はレベルシフト回路であ
る。なお、以下では第1、第2、…等は使用しないで説
明する。
【0026】図2に示す回路は、入力端子1、2間に加
えられる入力信号と入力端子3、4間に加えられる入力
信号の位相差を検出し、その結果を出力端子5、6より
得るものである。図2の構成は、前述の図1の構成をよ
り具体的に、より簡略にしたものである。従来の位相比
較の機能は、図8の従来回路の他に従来の単純な差動増
幅回路でも代用できる。そこで、図1において第1の位
相比較部41の機能を差動回路の機能で代用することと
して、図2の回路は図1をベースに構成している。
【0027】この差動動作による位相比較機能は、図2
において、トランジスタ15、16よりなる差動回路出
力とトランジスタ17、18よりなる差動回路の出力が
減算するようにトランジスタ11、12の共通エミッタ
端子、およびトランジスタ13、14の共通エミッタ端
子に接続することにより実現している。
【0028】また、図8の従来回路とは、トランジスタ
17、18と流回路24およびレベルシフト回路2
8、遅延回路25が付加されている点が具体的に異な
り、本構成はトランジスタ11、12、13、14、1
5、16で構成される従来と同じの位相比較部Aと、ト
ランジスタ11、12、13、14、17、18で構成
される位相比較部の2つの位相比較部AとBを合成し
た構成としても捉えることができる。その動作は、図1
の動作と同様に説明することができるが、2つの位相比
較部A、Bの合成動作として図8の従来構成と対比して
次のように説明することもできる。
【0029】まず、位相比較部Aのみの動作を考えると
この部分は図8の従来構成と同じであるので従来回路と
同じ動作を行う。即ち、2組の入力端子に位相差の異な
るディジタル符号データが入力されたとすると、その出
力としては、従来回路の動作の部分で既に説明したよう
に2組の入力信号の位相差成分と符号連続数に対応した
レベル変動成分の和が出力端子5、6間に出力されるこ
とになる。位相差成分をφ(Vp)、符号連続成分をφ
(Vs)とすると、出力φ(Voa)は、
【0030】
【数3】 となる。
【0031】一方、位相比較部Bの動作は、入力端子
1、2間の入力信号が一方の入力端子であるトランジス
タ11、14と12、13のベース端子間に接続され、
他方の入力端子対であるトランジスタ17と18には、
入力端子1、2間の信号がレベルシフト回路28と遅延
回路25を介して入力している。このため、出力として
は、遅延回路25による位相遅延分と符号連続数に対応
したレベル変動成分の和が出力端子5、6間に検出され
ることになる。遅延回路25により発生した位相差成分
をφ(Vd)とすると符号連続数に対応したレベル変動
成分は、位相比較部Aの場合と同じになるので、その出
力φ(Vob)は、
【0032】
【数4】 となる。
【0033】ここで、位相比較部Bは、逆相で重ね合わ
せ差し引くように構成しているので、全体の回路の出力
φ(Vo)は、(3)、(4)式より、
【0034】
【数5】 となる。この(5)式から分かるように図2の実施例の
出力としては遅延回路25による位相差成分φ(Vd)
を基準とした2つの入力信号の位相差φ(Vp)−φ
(Vd)のみが出力として得られ、符号連続数に対応し
たレベル変動成分(Vs)はキャンセルされる。
【0035】図3は、図2の実施例の回路シミュレーシ
ョン結果であって、(a)〜(c)の3つの特性図は各
々横軸に時間、縦軸に電圧をとり各部の動作波形を示す
ものである。図9の従来回路の場合と同様に、まず、
(a)の図は、入力信号として同じ位相の2つの信号を
入力した時の動作波形を示すもので、31、32は入力
端子1、2での電圧波形を示し、33a、34aは、入
力端子3、4での電圧波形を示し、37aは出力端子
5、6間の差電圧の波形を示し、38aは37a波形の
直流レベルを示すものである。(b)の図は、入力信号
として90度の位相差を持つ2つの信号を入力した時の
動作波形を示すもので、31、32は入力端子1、2で
の電圧波形を示し、33b、34bは、入力端子3、4
での電圧波形を示し、37bは出力端子5、6間の差電
圧の波形を示し、38bは37b波形の直流レベルを示
すものである。(c)の図は、入力信号として180度
の位相差を持つ2つの信号を入力した時の動作波形を示
すもので、31、32は入力端子1、2での電圧波形を
示し、33c、34cは、入力端子3、4での電圧波形
を示し、37cは出力端子5、6間の差電圧の波形を示
し、38cは37c波形の直流レベルを示すものであ
る。このシミュレーションに際しては、遅延回路25の
入出力端子間の位相差として90度を想定している。従
って図3の(a)の特性の37aの出力は、前述したよ
うに2組の位相比較部A、Bの合成と考えられることか
ら、従来回路の図9のシミュレーション特性の図9の
(a)の35a出力と図9の(b)の35bの出力の差
が得られている。第8図(b)の37bの出力特性は、
90度の位相差同士の差となるので、一定の直流レベル
が出力されていることが分かる。図3の(c)の37c
の出力特性は従来回路の図9のシミュレーション特性の
図9の(c)の35c出力と図9の(b)の35bの出
力の差が得られていることが分かる。このように図2の
実施例は、遅延回路25の位相遅延を基準とした位相比
較動作をする。
【0036】さらに図4は図3の1,0の繰り返し信号
に対しゼロ連続データを加えた1、0、0、0の繰り返
し信号を入力した時の動作波形の回路シミュレーション
結果を示すものである。”’”記号のついた各々の波形
特性は、図3の場合と対応させて記述している。図4の
(a)、(b)、(c)の出力波形(38a’〜c’)
から分かるように同符号連続期間中(ゼロの3連続期間
中)でも、36a’〜c’)の示す出力の直流レベル
は、図3とほぼ同等(同位相時は、符号とは全く関係な
く同じ直流レベルを示す)で、既に説明した従来回路の
ように符号により大きく直流レベルが変動していない。
【0037】図5は、2つの入力信号の位相差と位相比
較出力の平均直流レベルの関係を示したものである。こ
の図から明らかなように基準位相時(図3の場合は90
度)には符号とは関係なく一定の直流レベルが出力され
ることと、基準位相に対して位相がづれた領域でも、図
11との比較から分かるように符号による出力レベルの
変動は小さい。
【0038】以上、図2の実施例では、位相比較部4
1、42の入力信号としてディジタル符号信号を用いて
も、符号に依存しない安定な位相比較出力を得ることが
できる。なお、図2の実施例においてレベルシフト回路
28は、回路の構成の仕方、例えば、MOSトランジス
タを用いて構成した場合等は省略できることもある。ま
た、遅延回路25との接続関係が前後しても動作原理は
変わらない。なお本実施例は、図8に示した従来の位相
比較回路の組み合わせで図1の構成を実現する場合に比
べ、素子数が少なくてすみ、回路の小型化,高信頼化,
低消費電力化に適している利点を有する。
【0039】図6は、本発明のさらに他の実施例であっ
て、1、2は差動用信号の入力端子、3、4も差動用信
号の入力端子、5、6は差動出力信号の出力端子、7は
高電位電源端子、8は低電位電源端子、11〜18は第
1〜第8のトランジスタ、21、22は第1、第2の抵
抗、23、24、26は第1〜第3の定電流回路、27
は容量、28はレベルシフト回路である。図2の実施例
回路とは、遅延回路として90度の遅延をトランジスタ
17と18のエミッタ間に容量27を付加し実現してい
る点が異なる。本回路の動作は、図2の実施例と同様に
考えられるが、基準遅延信号はトランジスタ17と18
のベース端子での入力信号に対し、各々のトランジスタ
のコレクタの電流対応を容量27により90度遅延させ
ることにより実現している。動作特性としては、図2の
実施例と同様の原理により同等の特性を得られる。図6
の実施例は、図2の実施例に対し極めて簡単な遅延回路
を設けた構成であり、一般的な遅延回路を独立に用いる
場合に比べ、回路の小型化,高信頼化,低消費電力化に
適している利点を有する。
【0040】図7は、図12の従来の識別・タイミング
抽出回路に対して、図1の本発明の位相比較回路を適用
した例を示したものである。本発明の位相比較回路を用
いることにより、位相比較出力のレベルがデータパタン
に依存せず安定化されるため、データパタンが大きく変
動しても位相同期状態を安定に維持し続けることができ
る。なお、図1の構成の代わりに、図2、6の構成も適
用できることは勿論である。
【0041】なお、本発明の実施例として、バイポーラ
トランジスタ回路を例に説明を行ったが、他のMOSト
ランジスタ等の増幅素子、インピーダンス素子を適用し
ても同様の機能を実現できる。また、図1における位相
比較回路は、図8で示した構成のほか、通常多く用いら
れている排他論理和回路や差動回路等による位相比較回
路を適用することも可能である。作動回路、遅延回路に
ついても様々な構成の回路を応用し適用できる。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上述べたように遅延回路を設
け、第1、第2の位相比較部で比較することにより、デ
ータのパタン依存性をキャンセンするようにしたので、
ディジタル符号を2つの位相比較入力信号として用いて
も、符号の状態とは関係なく安定な位相比較出力を得る
ことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ信号位相比較回路の一実施例を
示すブロック図である。
【図2】本発明のデータ信号位相比較回路の他の実施例
を示す回路図である
【図3】図2の実施例の波形シミュレーション結果例を
示す図である。
【図4】図2の実施例の波形シミュレーション結果例を
示す図である。
【図5】図2の実施例入力信号の位相差と出力信号の直
流レベルの関係を示した図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例を示す回路図であ
る。
【図7】本発明の適用例としての識別・タイミング抽出
回路を示す図である。
【図8】従来の位相比較回路の一例を示す図である。
【図9】図8の従来回路の波形シミュレーション結果例
を示す図である。
【図10】図8の従来回路の波形シミュレーション結果
例を示す図である。
【図11】図8の従来回路の入力信号の位相差と出力信
号の直流レベルの関係を示した図である。
【図12】従来の位相比較回路の適用例としての識別・
タイミング信号抽出回路である。
【符号の説明】
1 入力端子 2 入力端子 3 入力端子 4 入力端子 5 出力端子 6 出力端子 7 高電位電源端子 8 低電位電源端子 11 トランジスタ 12 トランジスタ 13 トランジスタ 14 トランジスタ 15 トランジスタ 16 トランジスタ 17 トランジスタ 18 トランジスタ 21 抵抗 22 抵抗 23 定電流回路 24 定電流回路 25 遅延回路 26 定電流回路 27 容量 28 レベルシフト回路 41 第1の位相比較部 42 第2の位相比較部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの入力端子を有し、これらの2つの
    入力端子の一方に印加された入力信号を遅延させる遅延
    回路と、この遅延回路により遅延された遅延信号と、前
    に2つの入力端子の他方に印加された入力信号との位相
    差を出力する第1の位相比較部と、この第1の位相比較
    部の出力と前記入力端子の一方に印加された入力信号と
    の位相差を出力する第2の位相比較部とを具備したこと
    を特徴とするデータ信号位相比較回路。
  2. 【請求項2】 第1、第2のトランジスタのベース端子
    を第1の入力信号端子対とし、各々のエミッタ端子は共
    通に接続され、それぞれのコレクタ端子は第1、第2の
    インピーダンスを介して高電位電源端子に接続され、第
    3のトランジスタのベース端子は前記第2のトランジス
    タのベース端子に接続され、コレクタ端子は前記第1の
    インピーダンスを介して高電位電源端子に接続され、エ
    ミッタ端子は第4のトランジスタのエミッタ端子に接続
    され、この第4のトランジスタのベース端子は前記は第
    1のトランジスタのベース端子に接続され、コレクタ端
    子は前記第2のインピーダンスを介して高電位電源端子
    に接続され、第5、第6のトランジスタのベース端子を
    第2の入力信号端子対とし、各々のエミッタ端子は第1
    の定電流源回路を介して低電位電源端子に接続され、第
    5のトランジスタのコレクタ端子は前記第1のトランジ
    スタのエミッタ端子に接続され、第6のトランジスタの
    コレクタ端子は前記第3のエミッタ端子に接続され、第
    7のトランジスタのベース端子は遅延回路を介して前記
    第2のトランジスタのベース端子に接続され、コレクタ
    端子は前記第1のトランジスタのエミッタ端子に接続さ
    れ、エミッタ端子は第2の定電流源回路を介して低電位
    電源端子に接続され、第8のトランジスタのベース端子
    は遅延回路を介して前記第1のトランジスタのベース端
    子に接続され、エミッタ端子は第2の定電流源回路を介
    して低電位電源端子に接続され、コレクタ端子は前記第
    3のトランジスタのエミッタ端子に接続され、第3、第
    4のトランジスタの各々のコレクタ端子を出力信号端子
    対としたことを特徴とするデータ信号位相比較回路。
  3. 【請求項3】 第7のトランジスタのエミッタ端子が第
    2の定電流源回路を介して低電位電源端子に接続され、
    第8のトランジスタのエミッタ端子が第3の定電流源回
    路を介して低電位電源端子に接続され、第3のインピー
    ダンス素子が第7、第8のトランジスタ間に接続されて
    いることを特徴とする請求項2に記載のデータ信号位相
    比較回路。
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