JPH0717546B2 - 1,2−ジアリ−ルエチレンの製造方法 - Google Patents

1,2−ジアリ−ルエチレンの製造方法

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JPH0717546B2
JPH0717546B2 JP62110173A JP11017387A JPH0717546B2 JP H0717546 B2 JPH0717546 B2 JP H0717546B2 JP 62110173 A JP62110173 A JP 62110173A JP 11017387 A JP11017387 A JP 11017387A JP H0717546 B2 JPH0717546 B2 JP H0717546B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、置換スチルベンとも表現される1,2−ジアリ
ールエチレンの新規な製造方法に関するものである。
置換スチルベンの中には、抗菌状腫活性があったり、エ
ストロゲンホルモンに使われたりしているものもあり、
また、蛍光増白剤として用いられている例もある。ま
た、置換スチルベンとエチレンとのメタセシスにより置
換スチレを得る方法の出発原料としても重要である。
更に、1,2−ジアリールエチレンの一つには1,2−ジ(4
−イソブチルフェニル)エチレンが有り、この化合物
は、解熱、鎮痛、消炎効果を有する医薬品として有用な
α−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸(商品
名:イブプロフェン)を安価に経済的に製造するための
中間体として用いられる。
[従来の技術及び発明が解決しようとする問題点] 例えば上述のα−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
ン酸などは、従来から種々の方法で合成することが提案
されている。その一つとして、4−イソブチルスチレン
からヒドロホルミン化反応、あるいはレッペ反応等によ
り製造する方法が提案されている。これらの具体的な例
としては、例えば、英国特許第1,565,235号及び特開昭5
2−51338号等が提案されている。
この4−イソブチルスチレンを使用する方法は、4−イ
ソブチルスチレンが単純で安定な物質であり、更にヒド
ロホルミン化反応やレッペ反応などの高価な試薬を使用
しない反応を利用するため経済的に優れた方法である。
しかしながら、従来の4−イソブチルスチレンの製法
は、何れも上記文献に記載されているように、グリニア
試薬のごとき高価で不安定な試薬を使用するか、あるい
は4−イソブチルアセトフェノンなどの高価は出発原料
を使用している。従って4−イソブチルスチレンの安価
な製造法が望まれていた。
また、一般にアルキルスチレンを製造する方法として、
1,1−ジアリールエタンを接触分解して製造する方法が
従来から提案されており、例えば、 Industrial and Engineering Chemistry, Vol.46,No.4,652(1954) Journal of Chemical and Engineering Date, Vol.9,No.1,104(1964) I & EC Product Research and Developmennt, Vol.3,No.1,16(1964) 等の文献では、アルキルスチレンとして、メチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピル
スチレン、t−ブチルスチレンを製造する目的で、1,1
−ジトリルエタン、1,1−ジキシリルエタン等の1,1−ジ
アリールエタンを分解する方法について記述されてい
る。即ち、接触分解によるアルキルスチレンの製造の工
業化への努力が続けられてきている。
しかしこの分解による方法では、目的とする4−イソブ
チルスチレンの生産と同時に、理論上等モルのイソブチ
ルベンゼンが副生してくることは避けられない。従っ
て、この副生するイソブチルベンゼンを再び回収して分
解原料に変換する必要があった。
この分解方法に対して、アメリカ特許公報第396520号、
アメリカ特許公報第4419526号、アメリカ特許公報第441
9527号、アメリカ特許公報第4439627号、アメリカ特許
公報第4439628号及びアメリカ特許公報第4440967号公報
などでスチルベンとエチレンとの不均化によってスチレ
ンを製造する方法が提案されている。この方法では、イ
ソブチルベンゼンの副生もなく4−イソブチルスチレン
の製造方法として好ましい方法である。従って、例え
ば、本発明の方法により得られた1,2−ジアリールエチ
レンを上記不均化方法によりエチレンと反応させればア
ルキルベンゼンの副生もなく好ましい。それ故、1,2−
ジ(4−イソブチルフェニル)エチレンの有利な製造方
法が望まれていた。
しかしながら、従来は1,2−ジアリールエチレン、特に
p−位置換体の選択性の良い製造方法は少なかった。例
えば、 1)他のジアリール化合物の酸化、還元あるいは脱離に
よる置換スチルベンの合成方法としては、例えば、1,2
−ジアリールエタンの脱水素(アメリカ特許公報第3739
038号、イギリス特許第1378151号)による方法、あるい
は1,2−ジアリールアセチレンの接触水素化(JOURNAL O
F AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,61,2897(1939))によ
る方法等があり、これらの方法により置換スチルベンを
得ることが出来る。しかしながら、これらの方法の原料
は何れも入手困難なものが多い。
2)更にモノアリール化合物の二量化による方法として
は、例えば、置換トルエンの脱水素二量化(アメリカ特
許第3965206号)による方法、あるいは強塩基によるア
リールメチルハライドの脱ハロゲン化水素を伴う二量化
(JOURNAL OF AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,78,1653(19
56))による方法等があり、これらにより置換スチルベ
ンを得ることが出来る。しかしながら、前者では400℃
〜700℃という過酷な反応条件が必要であり、また後者
では水分により容易に分解し高価な試薬でもあるN−ブ
チルリチウムを当モル消費するという欠点があり何れも
工業的に十分な方法とは言えない。
本発明者らは、上述の事情に鑑み研究した結果、ジアリ
ールヨードニウム塩とエチレンとから一段の工程で容易
に1,2−ジアリールエチレンが得られるという新規な方
法を見いだし本発明完成した。
[問題点を解決するための手段] 即ち本発明は、塩基を含む溶媒中で式(I)で示される
ジアリールヨードニウム塩に遷移金属触媒の存在下、エ
チレンを反応させることを特徴とする下記式(II)で示
される1,2−ジアリールエチレンの製造方法を提供し、
例えば医薬品として有用なα−(4−イソブチルフェニ
ル)プロピオン酸を製造するための中間体を効率的に製
造することを可能にしたものである。
両式中X-は反応に不活性な対イオンを表し、RはC1〜C
12のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基あるいはC1
C3のアルコキシ基を表す。
本発明のジアリールヨードニウム塩は、前記式(I)に
示したように対イオンX-と共に塩を形成している。この
ジアリールヨードニウム塩のハロゲン塩は、特開昭第53
−101331号、特公昭57−53767号、英国特許第1114950号
に記載された方法、及びJ.Amer.Chem.Soc.,Vol.81,342
(1959)に記載されたBeringerらの方法により製造する
ことが出来る。例えば、無水酢酸中でイソブチルベンゼ
ン等のベンゼン又はアルキルベンゼンと過ヨウ素酸カリ
ウムとを攪はん混合し、次に無水酢酸と濃硫酸の混合物
を滴下し、その後飽和の塩化アンモニウム水溶液を加え
て沈殿を析出させ、ろ過、再結晶をすれば、ジアリール
ヨードニウム塩の塩酸塩を得ることができる。
出発原料としてのアルキルベンゼンは、トルエン、キシ
レン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、イソ
ブチルベンゼンなどのメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基等のC1〜C12の側鎖であるア
ルキル基置換ベンゼンが例示される。
その他出発原料としては、置換ベンゼン、例えば、クロ
ロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼンなどのハ
ロゲノベンゼン、ニトロベンゼン、メトキシベンゼン、
エトキシベンゼンなどのC1〜C3のアルコキシ基を有する
アルコキシベンゼンなどである。
従って、得られるジアリールヨードニウム塩は、これら
アルキルベンゼンに対応したヨードニウム塩、例えば出
発原料がイソブチルベンゼンなどのアルキルベンゼンで
はジ(4−イソブチルフェニル))ヨードニウム塩とな
る。その他の置換ベンゼンでは、ジ(ブロモフェニル)
ヨードニウム塩、ジ(ニトロフェニル)ヨードニウム
塩、ジ(メトキシフェニル)ヨードニウム塩などとな
る。
ジアリールヨードニウム塩を形成する陰イオンである対
イオンX-は本発明には本質的ではない。
従って、反応に不活性な任意の陰イオンであってよい。
通常はジアリールヨードニウム塩を製造する方法によっ
て選択され、重硫酸イオン、塩素イオン、臭素イオン、
ヨウ素イオンなどの鉱酸の陰イオン及び四フッ化ホウ素
イオン、六フッ化燐イオン、六フッ化ヒ素イオン、六フ
ッ化アンチモンイオンなどのハロゲン化金属イオンなど
である。これら対イオンは相互にイオン交換することが
できるが、より好適な対イオンは臭素イオンなどのハロ
ゲンイオンである。
本発明の方法でジアリールヨードニウム塩と反応させる
物質は、エチレンである。
即ち、本発明の反応を式で説明すると下のようになる。
2[R-I+−R]X-+CH2=CH2→R−CH=CH−R+2RI+2
HX (ここでRはアリール基を示す) また、前記反応式で示したようにエチレンに対して2倍
モルのジアリールヨードニウム塩が反応して、目的物の
ほかに2モルの4−イソブチルヨードベンゼン等のアル
キルヨードベンゼンが副生してくる。
反応の進行に従ってジアリールヨードニウム塩の対イオ
ンも副生するが、この対イオンは反応系に共存させる塩
基によって中和され不活性化される。
本発明の方法により得られる1,2−ジアリールエチレン
は、形式的には、エチレンの両端にジアリールヨードニ
ウム塩のアリール基が置換した化合物であり、具体的に
は1,2−ジフェニルエチレン、1,2−ジトリルエチレン、
1,2−ジキシリルエチレン、1,2−ジ(プロピルフェニ
ル)エチレン、1,2−ジ(ブチルフェニル)エチレン、
1,2−ジ(イソブチルフェニル)エチレン等が例示され
る。その他、1,2−ジ(ブロモフェニル)エチレン、1,2
−ジ(ヨードフェニル)エチレン、1,2−ジ(ニトロフ
ェニル)エチレン、1,2−ジ(メトキシフェニル)エチ
レン、1,2−ジ(エトキシフェニル)エチレンなども例
示される。通常、これら1,2−ジアリールエチレンはp
−位置換体である。
本発明の方法では、前記反応式で示したように4−イソ
ブチルヨードベンゼン等のアルキルヨードベンゼンが副
生する。ヨウ素は工業的にも高価なものであるために、
本発明の方法を更に効率的に行うために、副生4−イソ
ブチルヨードベンゼン等のアルキルヨードベンゼンを再
利用することが好ましい。この副生4−イソブチルヨー
ドベンゼン等のアルキルヨードベンゼンの再利用の一つ
には、例えば前述した特開昭第53−101331号、特公昭第
57−53767号、英国特許第1114950号に記載された方法及
びJ.Amer.Chem.Soc.,Vol.81,342(1959)に記載されたB
eringerらの方法によりジアリールヨードニウム塩を得
る方法がある。即ち、副生した4−イソブチルヨードベ
ンゼン等のアルキルヨードベンゼンからジアリールヨー
ドニウム塩を得るようにすれば更に好ましい。
副生4−イソブチルヨードベンゼン等のアルキルヨード
ベンゼンを循環して利用するためには、本発明の方法で
は、使用するジアリールヨードニウム塩と当量の量を大
幅に越える過剰の塩基を使用することは好ましくない。
過剰の塩基が存在すると副生した4−イソブチルヨード
ベンゼン等のアルキルヨードベンゼンは、反応系にエチ
レンが存在しているとこれと更に反応し、その結果4−
イソブチルヨードベンゼン等のアルキルヨードベンゼン
中のヨウ素はもはやジアリールヨードニウム塩へと変換
できないヨウ化物になるからである。
従って、副生する4−イソブチルヨードベンゼン等のア
ルキルヨードベンゼンを循環して再使用し、本発明を更
に効率的にするためには、塩基は使用するジアリールヨ
ードニウム塩に対した当量を大幅に越えない量で使用す
るか、またはエチレンをジアリールヨードニウム塩の1/
2モルを越えない量で加え反応させることの何れか、ま
たはその両方の条件を満足させることが好ましい。
本発明で使用する塩基は、遷移金属触媒を賦活させるも
のであって、反応を抑制しない塩基、即ち触媒としての
遷移金属に配位などをして当該触媒を不活性にしない塩
基であり、使用する溶媒に溶解するもので有れば任意の
塩基を使用することが出来る。具体的には、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメ
チルアニリン、ジエチルアニリンなどの第三級アルキル
アミン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸ナトリウ
ムなどの低級脂肪酸のアルカリ金属塩、ナトリウム、カ
リウムなどのアルカリ金属の炭酸塩又は重炭酸塩などが
ある。
塩基の使用量は、反応するジアリールヨードニウム塩の
対イオンを中和させる量であれば良い。従って、その使
用量が化学量論量以下のときは、目的とする1,2−ジア
リールエチレンの収率が低下するに過ぎない。よってそ
の量は適宜に選択できる。
本発明の遷移金属触媒は、周期律表中第VIII族元素であ
って、たとえば、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、
白金、イリジウム、オスミウムなどであって、特にパラ
ジウム系触媒が好ましい。これらの遷移金属触媒は種々
の形態でもって触媒として用いることが出来る。即ち、
その酸化数や錯体の形態のいかんにかかわらず使用する
ことが出来る。パラジウムを例にとると、アルミナや活
性炭に担持されたパラジウム、塩化パラジウムなどのハ
ロゲン化パラジウム、酸化パラジウム、酢酸パラジウム
などの低級脂肪酸のパラジウム塩などの2価のパラジウ
ム、その他ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム
などの錯体も使用できる。ロジウムではカルボニル錯体
なども使用できる。
使用する溶媒は、ジアリールヨードニウム塩を少しでも
溶解させ、かつ反応に関与しない溶媒ならば何れの物も
使用できる。例えば、メタノール、エタノールなどの低
級アルコール、アセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン、ジメトキシエタン、ジオキサンなどのエーテルの
ほかにジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリル、テトラヒドロフランなどの種々の極性
溶媒が適宜選択できる。使用する塩基が溶媒ともなり得
るときには特に溶媒を用いる必要はない。
本発明の反応は穏和な条件で速やかに進行するもので、
反応圧力、反応温度は使用する溶媒の溶解性などに応え
て適宜選択できる。反応圧力は、通常は常圧で充分であ
るが、反応を速やかに進行させるため加圧した状態が好
ましいこともある。通常、反応温度は常温から100℃の
範囲にあればよく、使用する溶媒の沸点以下であること
が好ましい。反応時間は、通常0.5時間から10時間程度
で充分である。
反応終了後、充分水洗し、エーテル抽出などで分離し、
蒸留又は再結晶すれば本発明の目的物である1,2−ジア
リールエチレンが得られる。
[発明の効果] 本発明の方法に依れば、ジアリールヨードニウム塩とエ
チレンから一段の工程で容易に1,2−ジアリールエチレ
ン、例えば、1,2−ジ(4−イソブチルフェニル)エチ
レンが得られる。特に本発明の方法は、1,2−ジアリー
ルエチレンのp−位置換体の選択性がよい。また、1,2
−ジ(4−イソブチルフェニル)エタンンのなかでも前
記1,2−ジ(4−イソブチルフェニル)エチレンは、エ
チレンとの不均化反応により、容易に4−イソブチルス
チレンがイソブチルベンゼンの副生もなく得られ、この
4−イソブチルスチレンからはα−(4−イソブチルフ
ェニル)プロピオン酸である医薬品として有用なイブプ
ロフェン(IBUPROFEN)が得られる。
以下に実施例により本発明を詳述する。
[実施例] 「参考例1」 ジフェニルヨードニウム塩の合成(1) ヨードベンゼン40.8g、ベンゼン35g、80重量%硫酸水溶
液312gの混合物を−10℃の温度で攪はんしておく。この
混合物に、過硫酸アンモニウム82gを加えて、−10℃で2
0時間攪拌した。つぎに、400gの蒸留水を混合物に加
え、続いて200gの蒸留水に溶解させた30gの臭化カリウ
ムを添加した。30分間攪拌して、生成物の沈殿を生ぜし
めた。生成物をろ過した後、エーテルで洗浄し、50℃で
減圧乾燥させることにより90%の収率で固体生成物とし
てジフェニルヨードニウムブロミドを得た。
「参考例2」 ジ(4−イソブチルフェニル)ヨードニウム塩の合成
(2) 過ヨウ素酸カリウム107g、イソブチルベンゼン134g、無
水酢酸400mlの混合物を、冷却管付の三口フラスコに入
れ、5〜10℃の温度で攪はんしておく。この混合物に、
無水酢酸204gと濃硫酸196gとの混合物を2時間かけて徐
々に滴下した。反応温度は5〜10℃を保持した。反応溶
液を室温に戻した後、更に16時間攪はんした。
この反応溶液を600mlの氷水に投入し、次に臭化カリウ
ム100gの飽和水溶液を加えることにより、ジイソブチル
フェニルヨードニウム塩の結晶を析出させた。この結晶
は減圧ろ過により水と分離し、更に水洗した後、再び減
圧ろ別した。これを、真空した50℃で乾燥し167gのジ
(4−イソブチルフェニル)ヨードニウムブロミド(融
点:180〜182℃)を得た。
「実施例1」 1,2−ジフェニルエチレンの合成 ジフェニルヨードニウムブロミド66.0g、酢酸ナトリウ
ム16.4g、塩化パラジウム2gとメタノール500mlの混合物
を、還流冷却器及び攪はん機付の1のオートクレーブ
に入れ、エチレンガスで10kg/cm2迄加圧した後、50℃で
6時間攪はんした。
反応中は、圧力が10kg/cm2になるようにエチレンを補給
した。反応終了後室温まで冷却し、未反応のガスを放出
した。反応液から触媒及び副生する臭化ナトリウムを50
℃で加熱ろ過した後、メタノールを減圧留去した。この
溶液を70℃に保ったまま黒色固体をろ別分離し、更にこ
の溶液を冷却すると結晶が析出した。メタノールを再結
晶溶媒として、再結晶することにより、1,2−ジフェニ
ルエチレンの結晶18gを得た。
この結晶は純度98.4%であり、標品と比較し、IR分析、
NMR分析によりジフェニルエチレン(スチルベン)であ
ることを確認した。
「実施例2」 1,2−ジ(4−イソブチルフェニル)エチレンに合成
(I) ジ(4−イソブチルフェニル)ヨードニウムブロミド9
4.6g、トリ−n−ブチルアミン37g、酢酸パラジウム2g
とメタノール500mlの混合物を、還流冷却器及び攪はん
機付の1のフラスコに入れ、エチレンガスを100ml/mi
nの流量で吹き込みながら、50℃で16時間攪はんした。
反応終了後、反応液からメタノールを減圧留去した。こ
の溶液に1の水を加えた後、トルエンで抽出した。ト
ルエン層は硫酸マグネシウムで乾燥し、更にろ別した
後、トルエンは減圧で留去した。メタノールを再結晶溶
媒として、この残液から再結晶することにより、融点10
6℃〜108℃の結晶25gを得た。
この結晶は純度98.0%であり、元素分析、IR分析、NMR
分析などにより1,2−ジ(4−イソブチルフェニル)エ
チレン「4,4′ジイソブチルスチルベン」であることを
確認した。
元素分析(C22H28として) C:90.45%(calcd:90.35%) H: 9.55%(calcd: 9.65%) IR(KBr法、cm-1) 810、 850、 970、1370、 1390、1470、1610、1910、 2970、3030 NMR(1H−NMR、δ) 0.9 2重線 (12H) 1.8〜2.0 多重線 ( 2H) 2.5 2重線 ( 4H) 7.0 1重線 ( 2H) 7.0〜7.5 多重線 ( 8H) 「実施例3」 4,4′−ジイソブチルスチルベンの合成(2) ジ(4−イソブチルフェニル)ヨードニウムブロミド9
4.6g、酢酸ナトリウム16.4g、塩化パラジウム2gとメタ
ノール500mlの混合物を還流冷却器及び攪はん機付の1
のオートクレーブに入れ、エチレンガスで10kg/cm2
加圧した後、50℃で6時間攪はんした。
反応中は、圧力が10kg/cm2になるようにエチレンを補給
した。反応終了後室温まで冷却し、未反応のガスを放出
した。反応液から触媒及び副生する臭化ナトリウムを50
℃で加熱ろ過した後、メタノールを減圧留去した。この
溶液を70℃に保ったまま黒色固体をろ別分離し、更にこ
の溶液を冷却すると結晶が析出した。メタノールを再結
晶溶媒として再結晶することにより、融点106℃〜108℃
の燐片状の結晶22gを得た。
この結晶は純度98.0%であり、前記実施例2で得られた
4,4′−ジイソブチルスチルベンを標品として比較し、I
R分析、NMR分析により4,4′−ジイソブチルスチルベン
であることを確認した。
「実施例4」 p−ジブロムスチルベンの合成 ジ(p−ブロモフェニル)ヨードニウムブロミド104g、
トリ−n−ブチルアミン37g、ビスベンジリデンアセト
ンパラジウム3gとメタノール500mlの混合物を、還流冷
却器及び攪はん機付の1のオートクレーブに入れ、エ
チレンガスで10kg/cm2迄加圧した後、50℃で6時間攪は
んした。
反応中は、圧力が10kg/cm2になるようにエチレンを補給
した。反応終了後室温まで冷却し、未反応のガスを放出
した。反応液から触媒及び副生する臭化ナトリウムを50
℃で加熱ろ過した後、メタノールを減圧留去した。この
溶液を70℃に保ったまま黒色固体をろ別分離し、更にこ
の溶液を冷却すると結晶が析出した。メタノールを再結
晶溶媒として、再結晶することにより、p−ジブロムス
チルベン29gを得た。
「実施例5」 p−ジメトキシスチルベンの合成 ジ(p−メトキシフェニル)ヨードニウムブロミド84
g、トリ−n−ブチルアミン37g、ビスベンジリデンアセ
トンパラジウム3gとメタノール500mlの混合物を、還流
冷却器及び攪はん機付の1のオートクレーブに入れ、
エチレンガスで10kg/cm2迄加圧した後、50℃で6時間攪
はんした。
反応中は、圧力が10kg/cm2になるようにエチレンを補給
した。反応終了後室温まで冷却し、未反応のガスを放出
した。反応液から触媒及び副生する臭化ナトリウムを50
℃で加熱ろ過した後、メタノールを減圧留去した。この
溶液を70℃に保ったまま黒色固体をろ別分離し、更にこ
の溶液を冷却すると結晶が析出した。メタノールを再結
晶溶媒として、再結晶することにより、p−ジメトキシ
スチルベン22gを得た。
「実施例6」 p−ジニトロスチルベンの合成 ジ(p−ニトロフェニル)ヨードニウムブロミド90g、
トリ−n−ブチルアミン37g、ビスベンジリデンアセト
ンパラジウム3gとメタノール500mlの混合物を、還流冷
却器及び攪はん機付の1のオートクレーブに入れ、エ
チレンガスで10kg/cm2迄加圧した後、50℃で6時間攪は
んした。
反応中は、圧力が10kg/cm2になるようにエチレンを補給
した。反応終了後室温まで冷却し、未反応のガスを放出
した。反応液から触媒及び副生する臭化ナトリウムを50
℃で加熱ろ過した後、メタノールを減圧留去した。この
溶液を70℃に保ったまま黒色固体をろ別分離し、更にこ
の溶液を冷却すると結晶が析出した。メタノールを再結
晶溶媒として、再結晶することにより、p−ジニトロス
チルベンン26gを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 43/225 205/11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基を含む不活性溶媒中、常温から100℃
    の反応温度で、下記式(I)で示される対称型ジアリー
    ルヨードニウム塩に、遷移金属触媒の存在下、エチレン
    を反応させることを特徴とする、下記式(II)で示され
    る1,2−ジアリールエチレンの製造方法。 両式中X-は反応に不活性な対イオンを表し、Rは水素原
    子、C1〜C12のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、
    またはC1〜C3のアルコキシ基を表す。
  2. 【請求項2】ジ(4−イソブチルフェニル)ヨードニウ
    ム塩を、エチレンと反応させ1,2−ジ(4−イソブチル
    フェニル)エチレンを製造する特許請求の範囲第1項記
    載の1,2−ジアリールエチレンの製造方法。
  3. 【請求項3】前記遷移金属触媒が、パラジウム系触媒で
    ある特許請求の範囲第1項または第2項記載の1,2−ジ
    アリールエチレンの製造方法。
  4. 【請求項4】前記式(I)の対イオンが、ハロゲンイオ
    ンである特許請求の範囲第1項記載の1,2−ジアリール
    エチレンの製造方法。
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