JPH0717476A - 没水部分を有する構造物の没水表面に空気膜を形成する方法及び没水表面の膜体構造 - Google Patents

没水部分を有する構造物の没水表面に空気膜を形成する方法及び没水表面の膜体構造

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JPH0717476A
JPH0717476A JP24179293A JP24179293A JPH0717476A JP H0717476 A JPH0717476 A JP H0717476A JP 24179293 A JP24179293 A JP 24179293A JP 24179293 A JP24179293 A JP 24179293A JP H0717476 A JPH0717476 A JP H0717476A
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信淳 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 船舶や液体輸送路の流体抵抗を低減した
り、船舶や浮体などの没水部分を有する構造物の防汚・
防食方法を提供する。 【構 成】 没水部分を有する構造物(船舶1など)の
没水表面2,2aを、表面に微細な凹凸6,7を有し、
かつ少なくとも凹凸の凸部7の頂部7’を撥水性材料で
形成した膜体3で被覆し、前記膜体表面10に空気aを
供給してこの膜体表面10と水との間に空気膜12を形
成するようにした没水部分を有する構造物の没水表面に
空気膜を形成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として船舶等の流体
摩擦抵抗を低減することを目的とした没水部分を有する
構造物の没水表面に空気膜を形成する方法及び没水表面
の膜体の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に船舶や液体輸送路の如き没水表
面、即ち水と接する表面を有する構造物は船舶の移動や
液体の輸送に伴なってその表面に沿った水の流れが生
じ、その流速は没水表面でゼロとなる。この没水表面の
近傍での速度勾配は流体の粘性に依存し、その際の剪断
抵抗が流体摩擦抵抗となる。
【0003】この流体摩擦抵抗は、例えば船舶において
は極めて大きなものである。即ち、船舶が航行する際に
受ける抵抗は前記した流体抵抗摩擦のほか、造波抵抗、
形状抵抗や空気抵抗等があるが、流体摩擦抵抗は大型船
の場合の全抵抗の60〜70%も占めている。このよう
な抵抗の割合からこの船舶の推進動力を節減するととも
に高速化を図るためには、この流体摩擦抵抗を低減させ
る方法が最も適しており、その技術の開発がこの業界に
おいて強く望まれている。
【0004】ところで、この船舶の流体摩擦抵抗の低減
を図る方法とし船底に突起物を設けて枠状の空気室を形
成し、この空気室内に空気を供給して船底表面上に空気
層を形成する方法あるいは空気を船体表面に噴出し、船
体表面に多数の気泡を発生させる所謂マイクロバブル法
等が提案されている。しかし、前者においては船舶が航
行すると空気室内に保有されている空気が流出し、この
空気の補給に大きな動力が必要になるという問題があ
る。
【0005】また後者において船側や船底に設けたノズ
ルより大量の空気を供給しないと摩擦抵抗が減少しない
ことから大型のコンプレッサを設置しなければならず、
設備費の増加と共にこれを駆動するために大きな動力が
必要となる。即ち、供給された空気は気泡となって船側
や船底に沿って流れて流体摩擦抵抗を低減させるが、下
流側に行くにしたがって複数の気泡が合体を繰り返しな
がら次第に大きな気泡となるため船体を覆う気泡の面積
が減少し、流体摩擦抵抗低減効果が小さくなるという問
題がある。したがって船体全体で大きな流体摩擦抵抗低
減を得るためには大量の空気を供給する必要があり、効
果的な流体摩擦抵抗低減を図ることができないという問
題があり、そのため何れも実用に供することができない
ものであった。
【0006】一方、船舶の停船時や例えばバージ等の浮
体構造物又は水中鋼管杭などの定置される構造物の没水
表面には水中生物が付着したり、又は腐食が生ずる等の
問題があり、この問題を解決する手段としては防汚、防
食塗料を塗布することが知られているが、この方法によ
ると塗膜の維持管理が面倒なばかりでなく、塗膜中の有
害物質が溶出し、公害問題が発生する恐れがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、特には主
として少ない動力でもって大幅な流体摩擦抵抗の低減を
図る方法について鋭意研究の結果本発明をなすに至っ
た。即ち本発明は没水部分を有する構造物の没水表面
を、表面に微細な凹凸を有し、かつ少なくとも前記凹凸
の凸部の頂部を撥水性材料で形成した膜体で被覆し、前
記膜体表面に空気を供給してこの没水表面と水との間に
薄い空気膜を形成するようにした没水部分を有する構造
物の没水表面に空気膜を形成する方法と膜体構造を提供
するものである。
【0008】ここでいう膜体は、構造物の表面に貼付さ
れるフイルム、シート状物あるいは構造物の表面に形成
される塗料の層を意味し、その表面に前記のように微細
な凹凸が形成されているものを意味する。
【0009】
【作 用】前記没水部分を有する構造物の没水表面に形
成した膜体は、水中において薄く空気膜を保持し、この
空気膜は簡単に剥離することがなく、したがって極めて
少ない動力により少量の空気を供給するのみでその空気
膜を保持することができ、この空気膜が水と構造物との
直接の接触を妨げるので、流体摩擦抵抗を低減すると共
に防汚や防食を図ることができる。
【0010】即ち、構造物の没水部分に形成された膜体
の表面には微細な凹凸が形成され、この凹凸の少なくと
も凸部によって形成された表面が撥水性を有している。
そのために膜体の表面に空気を供給するとその空気は容
易に凹部内に流入し、この空気は水圧と水の表面張力、
そして膜体の撥水性の作用でこの凹部内に保持された状
態となる。
【0011】このように本発明の膜体は、水中において
その表面に形成された凹凸の凹部内に僅かな空気を保有
する性質を持っているために、この膜体表面に空気を供
給するとこの空気は水と空気との表面エネルギーを減少
させようとするために既に存在していた空気と合体して
膜体表面、即ち没水表面に剥離しがたい薄い空気膜を効
果的に形成する。
【0012】そしてこの空気膜は、逆に外乱を受けて膜
体表面に形成されている空気膜から気泡として分離しよ
うとしても気泡を引き留める吸引力が作用する。その結
果、没水表面に接する位置において空気膜が殆ど剥離す
ることなく付着した状態となる。この没水表面に形成さ
れた膜体の表面より離れた位置にある流水側の空気層は
この流水に引かれて流れるが、この流水に同伴して流れ
る少量の空気量を供給することによって良好な空気膜を
保持することができるのである。
【0013】
【実施例1】以下図1乃至図24に基づき本発明による
没水部分を有する構造物の没水表面に空気膜を形成する
方法及びその没水表面膜体構造の実施例を説明する。図
1は本発明を実施するための船舶の側面図であって、1
は船体で、この船体1の底部2及び船側部2aの少なく
とも没水表面は膜体3,3aで被覆され、その前方から
後方に向かってノズル4が配設され、コンプレッサ5か
ら供給された空気がこのノズル4から膜体3(3a)に
沿って噴出するように供給されるようになっている。
【0014】膜体3(3a)は図2にも示されるよう
に、表面に微細な凹部6と凸部7とが形成されるととも
に少なくとも凸部7の頂部7′は水との接触角90°以
上の撥水性材料8で形成されている。そしてこの微細な
凸部7の間隔sが 0.3〜30μmで、凸部7の高さhと
凸部7の間隔sの比h/sが0.3 〜3程度に形成されて
いる。
【0015】そしてこの撥水性材料はポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリエチレン、ポリスチレン、又はポリプ
ロピレンあるいは撥水性コーテイング剤やポリ塩化ビニ
ルの如き親水性樹脂であっても例えば、CF4 ガスを用
いたプラズマ処理により撥水性を持たせても良い。ま
た、パーフルオロアルキルシラン等の表面処理剤で処理
したシリカ等の撥水性微細粒子を、表面の一部が突出す
るように樹脂により固定したものであっても良い。
【0016】そして撥水性微細粒子を用いる場合、樹脂
はこの粒子を固定するために用いられるものであり、必
ずしも撥水性である必要はなく、例えばポリエステル樹
脂、フェニル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル
系樹脂、ウレタン樹脂等の塗料に適しているものであれ
ば良い。この撥水性材料8は水13と接する部分である
頂部7′に設けられるが、勿論凹部6の表面を全面的に
この撥水性材料8で形成しても良い。
【0017】本発明の没水部分を有する構造物の没水表
面に空気膜を形成する方法によれば没水表面が微細な凹
凸形状であり、少なくとも凸部7の頂部7’が水との接
触角90°以上の撥水性材料で形成されているため次の
ような作用をなす。即ち、図3に示すように膜体表面1
0は少なくとも凸部7の頂部7’が撥水性材料で形成さ
れているために撥水性作用があり、したがってこの膜体
表面10に空気aを供給すると、この空気aは容易に凹
部6内に入ることになる。
【0018】実際にはこのような膜体表面10は陸上で
形成されているので、図3に示す如くこの膜体表面10
が水中に没水すると自らこの凹部6内に没水位置におけ
る水圧Pと水の表面張力により安定して空気aが保持さ
れることになる。そして微細な凹凸面が形成された膜体
表面10における水との接触角は90°以上、好ましく
は110°以上であり、この接触角は大きければ大きい
程、本発明の効果が期待できる。
【0019】図4は前記現象のモデル図であって、撥水
性材料からなり、その表面に凹部6,凸部7からなる凹
凸を有する膜体表面10を水13中に浸漬し、空気a′
を膜体表面10に供給するとこの空気a′は容易にこの
膜体表面10に形成されている凹部6内に流入し、空気
aとなって保持される。実際的には空中においてこの膜
体表面10に付着していた空気aが水13の圧力と、そ
の表面張力で凹部6内に閉じ込められた状態となる。な
お、少なくとも図2の如く凸部7あるいはこの凸部7の
頂部7’が撥水性材料で形成されていないと図3の如く
凹部6内に空気aが閉じ込められることはない。
【0020】このように凹部6内に空気aが保持された
状態において、図4の如く更に次の空気a′が供給され
るとこの空気a′は表面エネルギー減少作用により容易
に合体して膜体表面10上に薄い空気膜12を形成して
膜体表面10と空気膜12と水13の三層構造を形成す
ることになる。そしてこのような三層構造において水1
3がX方向に流れると膜体表面10に接する空気膜12
の部分は保持され、水13側の空気膜12aは水13と
ともに流れさることになる。したがってこの水13とと
もに流される少量の空気量を供給するのみで空気膜12
は良好な状態で形成保持されることになる。
【0021】そして前記したような表面に微細な凹凸を
有する膜体は、例えば合成樹脂よりなるシート又は塗料
層により形成される。詳述すれば図5に示すように合成
樹脂よりなるシート15の表面に微細な凹凸を有するロ
ールによって微細な凹凸を形成する転写法や、微細な凹
凸を有する金型を使用したプレス法、微細な糸で織られ
たメッシュの網目パターンを転写するスクリーンメッシ
ュ法、又はレーザーやプラズマ等高密度エネルギー法等
により微細な凹凸15aが形成される。
【0022】そしてこのように形成されたシート15が
撥水性樹脂のときはそのままで、又親水性樹脂のときは
表面処理が施されて撥水性が付与される。図6〜図8は
膜体3を塗料層により形成した場合の実施例を示すもの
である。図6において膜体3は、構造物16の表面に形
成した塗料17の表面に撥水性微細粒子18が付着され
て構成される。即ち、構造物16の表面には接着材とし
ての塗料17が塗布され、この塗料17の表面に微細粒
子18を吹付けや投射等の方法で付着したり、又は微細
粒子18を分散した塗料17を塗布し、この微細粒子1
8を塗料表面に露出させる等によって膜体3が形成され
る。そしてこの微細粒子18が親水性材料からなるとき
は、表面処理により撥水性が付与される。
【0023】図7は他の方法により形成された膜体3の
断面図であって、この膜体3は構造物16の表面に形成
した塗料17の上に撥水性材料又は親水性材料からなる
微細粒子18aの層を吹付けや投射等の方法で付着した
り、又は塗料中に微細粒子18aを混合し、これを塗布
して微細粒子18aが混入した層を形成し、更に表層の
微細粒子18aの表面を被膜20で被覆したものであっ
て、この場合も前記と同様に被膜20が親水性材料であ
るときは表面処理によって撥水性が付与されるのであ
る。
【0024】図8は更に他の方法により形成された膜体
3の断面図を示すものであって、この膜体3は比較的大
きな粒子21(例えばガラスビーズ)を含有する第1の
膜体21aを形成し、この第1の膜体21aをベースと
して形成された膜体の表面に撥水性を有する微細粒子2
2を突出させるか、又は微細粒子22を撥水性を有する
被膜によって被覆(図7のように)した微細な凹凸を有
する表面23を形成したものである。前記のように比較
的大きな粒子21を有する第1の膜体21aを形成した
上に微細粒子22を有する表面層となる多層構造を形成
することによって、比較的大きな凹凸23aと微細な凹
凸23bよりなる、所謂複合凹凸表面を形成している。
このような膜体3の構造によれば膜体表面23の所定の
箇所へ供給される空気は大きな凹凸23aを通路とし、
微細な凹凸23bを空気保持面として一挙にその膜体表
面23の全域に拡散されて目的とする空気膜を形成する
特徴がある。
【0025】これらの他に図示しないが、電解または無
電解分散メッキ法により微細な凹凸を有する膜体を形成
することができる。即ち、ポリテトラフルオロエチレン
粒子を分散したメッキ液で基板にメッキをすると金属マ
トリックスとともにポリテトラフルオロエチレン粒子が
共析して表面を覆い、微細な凹凸を形成する。本発明者
等は、この微細な凹凸を有する膜体が船舶の流体摩擦抵
抗の低減に及ぼす影響について確認するために模型試験
を試みた。
【0026】勿論、本発明は船舶の船底、船側等全ての
没水表面に適用可能であるが、試験の早期確認を行うた
め取敢えず船底部分のみ表面が撥水性材料よりなる微細
な凹凸を有する膜体で被覆して試験した。その試験内容
は次の通りであった。
【0027】
【試験例1】図9は本発明の効果の確認のための試験に
使用した模型船の概略図であり、図10は図9における
Y部の拡大図、図11は図10に矢印Bで示すノズル部
分を拡大して示す底面図である。図9において船体25
とは別置きされたコンプレッサ26で圧縮された空気a
をバルブ27とパイプ28を経由し、更に流量計29で
流量を監視しながらさらにパイプ30により船体25の
底部に導いた。空気aは船体25の底部25aにおいて
分岐管31で多数のパイプに分岐され、各パイプはそれ
ぞれバルブ32を介して図10及び図11に示されるよ
うに、多数のノズル33 (直径が0.6mmの細管で構成
されている) から後述する試験片TPの表面に沿って噴
出するようになっている。なお、ノズル33の吹出し方
向は船体25の進行方向の上流から下流に向くようにす
る。また、多数のノズル33は図11に示すように直線
状に一定の間隔で配置されている。
【0028】この実験に使用した試験片TPは、幅40
0mm、長さ500mm、厚さ1mmのアルミニウム平
板(構造物16に相当する)にコーティングをしたもの
を用意した。この撥水性材料のコーティング層(膜体)
は図8に示した多層構造で複合凹凸表面を有するものを
使用した。この撥水性材料からなるコーティングによる
没水表面(膜体3)は水との接触角は165°の撥水性
を示し、その表面の第1の膜体21aの大きな凹凸の平
均高さは6.3μmで平均間隔sは25.1μm、そして微細
な凹凸の平均高さは0.9μm、平均間隔sは3.0μmで
あった。
【0029】前記コーテイング層には、粒径が50μm
のガラスビーズからなる粒子21を有する第1の膜体2
1aと、この第1の膜体21aに形成された粒径が12
μmの疎水性シリカ37を有する中間膜体と、粒径が
1.4μmの疎水性シリカ(微細粒子22)を有する表面
膜体の三層構造が形成されている。このようにして製作
した平板状の試験片TPを14枚つなぎ合わせて幅80
0mm、長さ3500mmとし、図9に示すような全長
7.276m、型幅1.28m、型深0.6mの模型船
の船体25の船底部25aに船首から1.45mの位置
に前記試験片TPの前縁が一致するように取付けた。
【0030】そして図10及び図11に示すように、こ
の試験片TPの前縁に幅方向に等間隔 (約20mm) に
空気吹出し用の内径が0.6mmの注射針からなるノズ
ル33を設置した。船体25の吃水はバラストロード状
態の200mmとした。そしてこの状態では供試船体2
5の没水面積Sは9.81m2 、試験片TPの面積St
は2.82m2 で面積比St/Sは0.285であっ
た。
【0031】船体抵抗試験では長さ220m、幅14
m、深さ6.5mの曳航水槽を用い、船体25を曳引車
にセットして、各船速に対して所定流量の空気を40本
の注射針ノズル33から微細気泡として船首から船尾方
向へ供給しながら船体25の抵抗を抵抗動力計を用いて
測定した。種々の船速の場合の粘性抵抗基準の抵抗低減
量(DR量)と試験片TP部分の摩擦抵抗低減量(D
R’量)を表1に示す。ここでDR量及びDR’量は次
の式で示される。
【0032】 DR=− (Ct −Ct0 ) /Cv0 ×100% DR’=(1+K)・DR/(St/S) 式中、Ct:供試船体の全抵抗係数、Cv:供試船体の粘
性抵抗係数、添字 0:撥水性平板を使用しない通常の試
験の場合、K:形状影響係数でK=0.222 をそれぞれ意
味する。
【0033】表1から分かるとおり、船速U=2.11m/
s の場合にDR量最大値19.4%が得られている。ま
た、船速U=2.11m/s の場合のDR量と、平均空気膜
厚さを示す指標である空気量レベルとの関係を図12に
示す。 空気量レベルとは、膜体の表面凹部に保持される空気膜
と供給される空気とで形成される空気膜が船速と同一の
速度で一様に流れると仮定して計算した場合の平均空気
膜厚さを示す指標で、船速U=2.11m/s (フルード数
Fr =0.25)の場合、実際の空気供給量Qa は表2で
示されるとおりである。
【0034】 図12から明らかなとおり、少量の空気の供給によって
摩擦抵抗の低減効果が現れ、平均空気膜厚さ0.24mm
(空気量レベル5) までは空気量を増加させるとともに
DR量%が高まるが、それ以上ではDR量%はほぼ一定
となる傾向を示している。本実施例の場合、空気量レベ
ル20でDR最大値として19%程度が得られている。
なお、試験片TP部分だけを対象としたDR’量は83%
程度の大きな値となっている。
【0035】一方、ノズル33より噴出する空気流れを
観察すると供給された空気aは試験片TPの表面に沿っ
て付着した状態で広がりながら膜状になって船尾側に流
れることが確認された。比較のために本発明のように表
面処理しない平滑な面を有するポリテトラフルオロエチ
レン板を前記試験片TPに代えて使用した場合には、ノ
ズル33から供給された空気は気泡となってこのポリテ
トラフルオロエチレン板に張りつくことなく、個々に分
離した状態で下流側に流れさることが確認された。
【0036】このことから判断されることは、試験片T
P、即ち、膜体表面に微細な凹凸を形成し、かつ少なく
とも前記凹凸の凸部の頂部を撥水性材料で形成すること
によって所定の範囲の撥水性を持たせ、そしてこの膜体
表面と水との間に空気を供給することによってこの膜体
表面と水との間に空気膜を形成できるばかりでなく、そ
の空気膜を形成する空気は膜体表面に保持され、一部、
即ち流水側の一部の空気が水とともに流れ去ることが確
認された。
【0037】このように膜体表面に空気膜が形成される
と、流体力学から明らかなように膜体表面と水とが直接
に接触しなくなり、流体摩擦抵抗の低減に大きな効果を
発揮することが分かる。このことは推進動力の節減を可
能とするものである。図13は前記模型船による実験結
果に基づいて船体25の速度と推進に必要な動力との関
係を示したものである。図中、実線は平滑なポリテトラ
フルオロエチレン板を装着した場合であり、破線は本発
明による膜体表面により空気層を形成させた場合の所要
動力(空気供給動力を含む)を示したものであり、船速
が増加するに伴ない対照的に動力低減が大きくなってい
ることが明らかである。
【0038】実際の船舶においては、船体が航走中に各
種の揺れが発生しているが、船体が揺れた場合に前記の
ように加工した膜体表面に効果的に空気膜が保持される
ことが必要である。そこで前記実験で使用した船体25
に緩やかな周期で±3°の範囲で横揺れを行ない、前記
と同様にノズル33から空気を噴出させた。その結果、
ノズル33から噴出した空気は試験片TPに沿って広が
りながら流れてその表面に薄い空気膜が形成され、横揺
れにもかかわらず、若干の性能低下はあるものの、この
空気膜は確実に形成されていることが確認された。
【0039】前記のように船体25が横揺れをしている
場合も、横揺れをしていない場合も本発明によって形成
された膜体表面10を有する試験片TPを設けた船体2
5においては少量の空気の供給によって確実に空気膜が
形成され、そしてこれが保持されることが確認できた。
このことは、船舶が航行する際の流体摩擦の低減に大き
な効果があることが理解できる。
【0040】
【試験例2】図14は没水部分を有する構造物が液体輸
送路の一つである液体輸送管である場合の流体摩擦低減
を確認するための実験装置の系統図であって、35は銅
円管で、この銅円管35には水系Aと空気系Bの2系統
の配管が施されている。即ち、水系Aでは合成樹脂製容
器36内の水Wがポンプ37、バルブ38、流量計39
を経て銅円管35に至り、ここから容器36に戻る閉ル
ープ系となっている。
【0041】一方、空気系Bではミニコンプレッサ40
により空気がバルブ41、流量計42を経て銅円管35
の水Wの流入側端部に図示しない注射針のノズルから供
給されるようになっている。この注射針ノズルは円周方
向に8ケ所所定の間隔を置いて配置されている。この銅
円管35の没水表面である内面は、電解分散メッキ法に
より表面が微細な凹凸を有し、かつ凸部が撥水性材料よ
り形成された膜体により被覆されている。
【0042】このメッキ法による微細な凹凸表面を有す
る膜体の形成方法について説明すれば、図15に示すよ
うにメッキ浴槽45と銅円管35とはポンプ46、流量
調節弁47及び流量計48を有するラインCとラインD
とにより連結され、銅円管35内に配置された陽極とし
てのニッケル棒49に直流電源50が連結して構成して
いる。なお、51はヒータ、52は攪拌機である。
【0043】そしてメッキ浴槽45内の分散液Lの組成
を次の通りとした。 スルファミン酸ニッケル 350g/リットル 塩化ニッケル 45g/リットル ほう酸 40g/リットル ポリテトラフルオロエチレン粒子 200g/リットル そして次の条件で電解分散メッキをした。
【0044】分散液温度: 45℃ 電流密度 : 4.5A/dm2 通電時間 : 30分 分散液の管内平均流速:45〜50m/s そして銅円管35の内面のメッキ層 (膜体) の凹凸形状
をレーザー顕微鏡を用いて確認したところ、図16に示
すように銅円管35上に形成されたニッケル層35aの
表面にポリテトラフルオロエチレン粒子35bが突出し
ており、この各粒子35b間の間隔sは 0.3〜30μm
の範囲内であり、かつその高さhと間隔sとの比h/s
は0.3〜3の範囲内であった。
【0045】このように内面に、表面に微細な凹凸を有
し、かつ凸部が撥水性材料であるポリテトラフルオロエ
チレン粒子35bにより形成されたメッキ層 (膜体) で
被覆された銅円管35を図14のように配置して圧力損
失測定試験を行なった。即ち、ミニコンプレッサ40及
びポンプ37を作動させて銅円管35内に空気と水とを
供給し、そのときのテストセクション間の差圧を差圧計
53で計測し、ローパスフィルタ54を介してペンレコ
ーダ55で連続的に記録した。
【0046】試験範囲は管内平均流速Vが0.5〜3m/
s, 導入空気/水流量比RQ が0.5〜3Vol%とした。
このような圧力損失測定試験の結果の一例としてV=1.
6 m/sの場合を示せば図17の通りであり、空気の導
入により圧力損失が降下したことを示している。しかも
導入空気量が少ないほど圧力損失の低下が大きいことが
分かる。
【0047】また、図18は圧力損失測定試験結果から
管摩擦係数を計算し、管内平均流速Vと管摩擦抵抗低減
量 (DR量) との関係を示したものである。この試験で
はVが1.6m/s で空気/水流量比RQ がわずか0.5Vol
%(図中黒丸)のとき23%程度の抵抗低減が得られて
いることが分かる。このようなことから水との接触角が
90°以上の撥水性材料である内面が平滑なポリテトラ
フルオロエチレン円管と、接触角が90°未満の親水性
材料で内面に微細な凹凸を付与した銅円管をそれぞれ製
作し、前記と同様の試験を行なったが、何れも圧力損失
はむしろ増加し、その傾向は空気量が増加するほど顕著
になることが確認された。
【0048】ところで、この凸部間隔sが空気膜耐久時
間に及ぼす影響について調べたところ図19に示す通り
であった。この試験にはポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリテトラフルオロエチレンの3種類の樹脂板の表
面に転写方式によって微細な凹凸加工した試験片(2×
5cm)を準備し、これを水深10cmに浸漬して全試験
片の表面に空気膜が付着していることを確認した。そし
てこの試験片の全面積の10%の部分の空気膜が消失した
時間を耐久時間としてこれを比較した。
【0049】図19において曲線aはポリプロピレン、
曲線bはポリテトラフルオロエチレン、曲線cはポリ塩
化ビニルのデータをそれぞれ示すものである。この図か
らポリプロピレンとポリテトラフルオロエチレンの2つ
の樹脂は本発明に利用できるが、ポリ塩化ビニルは適さ
ないことが分かる。この耐久時間の実験の結果、凸部間
隔を小さくすると耐久時間が急速に向上しており、特に
撥水性の高いポリテトラフルオロエチレンの場合は凸部
の間隔が30μm以下では300日以上の長い耐久時間
が得られている。
【0050】更に凸部の高さhと間隔sとの比h/sか
ら空気膜保持耐久性に及ぼす影響について調べたとこ
ろ、図20に示す通りであった。この図から明らかなよ
うに凸部の高さhと間隔sとの比h/sが 0.3以上であ
れば長期にわたって空気膜を保持する耐久性があること
が分かった。別の試験結果によれば、凸部の高さhが大
きくなり、間隔sが小さくなりすぎると流体摩擦抵抗が
増加することが判明しており、実用上のh/sは 0.3〜
3の範囲内で選定するのが良い。
【0051】
【試験例3】本発明者等は、この膜体表面上に形成され
る空気膜の保持状態の確認と凹凸を有する没水表面の形
成方法について更に実験を進めた。即ち、図21に示す
ように基板であるアルミニウム板56の表面に図8に示
した本発明の多層構造の複合凹凸表面を有する膜体57
(比較的大きな粒径のガラスビーズを含有するプライマ
ーを塗布して第1の膜体を形成し、この第1の膜体上に
平均粒径12μmの撥水性シリカを含有する樹脂を塗布
して中間膜体を形成し、更にこれの上に平均粒径1.4μ
mの撥水性シリカ22を含有する樹脂を塗布して上層膜
形成した。その表面には比較的大きな凹凸23aとこの
凹凸23aをベースとする微細な凹凸23bを有する複
合凹凸表面を有している)を形成した試験片TPを製作
した。
【0052】そしてこの試験片TPを膜体57面が上に
位置するように水中に浸漬し、スポイド58を膜体57
面に接近して空気aを供給すると、その空気aは浮上す
ることなく一挙に膜体57の表面に全面的に広がって空
気膜Fを形成して保持される様子が観察できた。そして
この空気が試験片TPの表面に保持できる量以上に供給
されると、その一部が気泡となって膜体57の表面から
剥離して浮上することが観察できた。
【0053】また一方、これらの試験片TPを図22に
示すように水を入れた水槽60中に傾斜させて没水さ
せ、試験片TPの下端部から細いチューブ61を用いて
その表面に空気aを供給すると、この空気aは試験片T
Pの表面から離れて垂直方向に浮上することなく表面に
沿って上方へ三角形に広がった空気膜Fが形成された。
更に空気aを供給するとこの空気膜Fは試験片TPの表
面に保持される量以上となり、この試験片TPの上端部
に空気溜りfが形成され、この空気溜りfが局部的に膨
張して気泡vが分離して浮上することが確認された。
【0054】
【実施例2】実施例1で説明したように本発明によって
処理された膜体表面に空気を供給することによってその
表面に空気膜がかなり強固に形成されることが明らかで
あるから、この現象を利用することによって優れた防
汚,防食効果を発揮させることが可能である。
【0055】この防汚,防食作用は船舶の停船状態にな
るとき、あるいは水中に定置されて設置される浮消波堤
やバージ、堤防、水中打設杭等にも適用して有効な効果
が期待できるものである。図23は桟橋に本発明の膜体
表面を形成してこの膜体表面に水中生物が付着するのを
防止するようにした例である。
【0056】桟橋 (水中構造物) 80の海底81に植立
された脚部82の下部にリング状に空気噴出装置83を
設け、この空気噴出装置83から空気Gを多数の小孔か
ら噴出するように構成した。脚部82の少なくとも膜体
表面には表面に凹凸を持ち、かつ少なくともその凸部の
頂部は撥水性材料で形成された実施例1と同様な膜体を
被覆した膜体表面が形成されている。
【0057】前記のように構成された桟橋80におい
て、コンプレッサ84、制御バルブ85、流量計86と
パイプ87を経由して前記空気噴出装置83と接続し、
制御装置88で制御しながら圧力空気を空気噴出装置8
3のノズルから脚部82の周囲に噴出してその表面に薄
い空気膜を形成した。この空気膜によって海中生物や海
草が脚部82の表面に接触することができず、長期にわ
たって防汚効果を奏することができた。
【0058】
【実施例3】図24は発電プラントの取水管に本発明を
適用した例を示すものであって、取水管90の内面に本
発明の膜体表面を形成し、その底面にノズル91を設
け、このノズル91より二次空気Gを取水管90の内面
に噴射して空気膜を形成する状態を示している。
【0059】このノズル91はなるべく取水管90の全
長に設けておくのが好ましく、底部に1ケ所でなく、中
間部にも設けてなるべく管の内面に全体的に空気が噴射
される構造を採用するのが良い。勿論本発明は前記実施
例に限定されるものではなく、種々の変更又は追加する
ことができることは明らかである。本発明の特徴を列記
すると次の通りである。
【0060】1) 本発明は没水部分を有する構造物の没
水部分に薄い空気膜を形成するものである。そのために
没水部分を有する構造物の没水部分に膜体表面を形成
し、この膜体表面は微細な凹凸を有し、この凹凸の少な
くとも凸部の頂部を撥水性材料で形成するとともに、こ
の膜体表面に空気を供給して膜体表面と水との間に薄い
空気膜を形成する点に特徴がある。
【0061】即ち、没水表面に形成した膜体表面に空気
を供給することによって、この膜体表面側に空気が張り
付くように付着して薄い空気膜が形成されるのである。 2) 本発明の構成要素の第1は没水表面に形成される膜
体表面の状態である。この膜体表面は本質的には撥水性
材料で形成され、最終的に加工された表面における水と
の接触角が90°以上、好ましくは110°以上である
ことが必要である。
【0062】この膜体表面は全面的に所定の接触角を持
つ撥水性材料で構成されている場合もあるが、その表面
に接触しようとする水を排除する部分、少なくとも凹凸
の凸部の頂部が撥水性材料で構成されていても充分な効
果を発揮することが可能である。撥水性材料は明細書中
に記載したものを選択的に使用するが、この撥水性材料
に更にメッキ法 (電解分散メッキ法、無電解分散メッキ
法) 、機械加工法 (型押法、射出成形法、微細な凹凸を
持つロールによる転写法、プレス法、スクリーンメッシ
ュ法) 、塗装法 (粉体を混合した樹脂を塗布する方法、
表面に粉体を噴射ないしは投射する法、静電塗装法) 、
高密度エネルギー法 (レーザやプラズマを使用して表面
を荒らす方法) 、張り付け法 (撥水性フィルムやシート
を局部的あるいは全面的に貼り付ける方法) 等の各種の
方法により微細な凹凸を形成することが重要である。
【0063】また、親水性材料であっても表面処理によ
り前記の特性を持つように撥水性を付与させることによ
って有効に利用することができる。 3) 本発明の構成要素の第2は凹凸の大きさである。膜
体表面は微細な凹凸が形成されることが必須であるが、
この凹凸の大きさは凸部の間隔sが0.3 〜30μmであ
って、凸部の高さhとの比h/sが0.3〜3の範囲であ
る。
【0064】凸部の間隔sが30μmより大きい場合に
は、その表面に長期にわたって空気を安定保持すること
が困難である。また、0.3 μmより小さい場合には凹部
内に保持する空気量が少なく、比較的剥離しやすい傾向
がある。凸部の高さhは間隔sとの関係があり、一義的
に決定することができない。そこで両者の比h/sから
その高さhの範囲を限定している。
【0065】この微細な凹凸の状態は基板の片面に形成
されている場合は小規模な没水表面に形成する膜体表面
に適しているが、船舶や浮消波堤や水中杭やケーソンの
ような大型の装置に適用する場合は比較的大きな凹凸
と、更にこれの上に形成された微細な凹凸とが混合して
形成されている複合凹凸表面を有するものを採用するの
が好ましい。
【0066】特に微細な凹凸の場合には空気膜を保持す
る能力は充分にあるものの、供給される空気を膜体表面
にまんべんなく配分する機能に欠けている。そこで基板
表面に対して先ず比較的大きな凹凸を形成し、この大き
な凹凸をベースとしてその上に微細な凹凸を形成する手
法によって複合凹凸表面を形成しても良い。比較的大き
な凹凸は膜体表面に対して空気を分散させる通路の役目
をするものであり、更にこの比較的大きな凹凸を網目状
に形成することによって空気を均一に分散させる効果が
ある。
【0067】4) 本発明の構成要素の第3は、前記のよ
うに加工された没水表面に形成された膜体表面に対して
空気を外部から供給することである。供給される空気の
量はなるべく少なくなるような構造のノズルを使用する
ことが必要である。明細書中に記載したように、本発明
は大量の空気を供給して水の密度を変化させて流体摩擦
抵抗を低減する従来の技術とは異なり、膜体表面に限定
して薄い空気膜を形成することに意義があるものであ
り、そのためにはこの膜体表面に捕捉され易い状態に空
気を薄く供給する手段を採用するのが良い。
【0068】空気を噴出するノズルは小径のものを多数
配列したもの、スリット状のもの等がある。特に船舶の
ように水との間に相対的に大きな速度差がある場合には
膜体表面に均一に空気を供給することに困難を伴う場合
があるので、このノズルは船体形状と船速等の条件を考
慮して個々に設計する必要がある。また、船舶の場合に
は水流や渦流等の条件からノズルから噴出した空気が船
側より離反する傾向にあるので、なるべく膜体表面に接
近して空気を噴出するように多孔質体からなるノズル
や、水圧によって船体表面に押圧されるシート状物を船
体表面に設け、このシートの背面から空気を噴出する装
置を採用すると良好な空気膜を形成することができる。
【0069】船体のように長い膜体表面を持つ没水体に
おいては、船体の長さ方向で船体を横断するようにノズ
ルを配置したり、船側に発生する渦流の圧力変化に応じ
てノズルの形状や大きさや配置場所等の諸条件を考慮し
てノズルを設計し、配置するのが良い。 5) 本発明を効果的に利用できる最も有効な用途は、船
舶の流体摩擦抵抗を低減させてその船舶の推進に要する
動力を節減することにある。そのために船体の表面に膜
体表面を形成し、これに空気を供給して水がなるべく接
触しないように薄い空気膜を形成しているが、この空気
膜は停船中に水中生物が付着するのを防止する効果があ
る。また、桟橋やケーソンのように定置される構造物の
表面に水中生物の付着や汚れの付着を防止することがで
きる。
【0070】別の用途は液体の輸送管やトイの如き液体
輸送路への適用である。液体の輸送管には流体摩擦抵抗
があり、そのために液体の輸送に大きな動力を必要とし
ているが、発電設備の取水管等に本発明を適用すること
によって、その流体摩擦抵抗を大幅に低減することが可
能である。この効果によって配管の径を縮小することが
できるとともに、ポンプの動力を低減することも可能で
ある。また、トイの場合も同様にその断面積を小さくす
ることができる。そして前記のように防汚効果も有して
いることから、配管等の液体輸送路の寿命を延長するこ
とができる。
【0071】6)本発明を船舶の底部に有効に適用する
ことが可能であるが、船側部のような傾斜面や船底であ
っても大きく傾斜する場合には空気が逃げ易い傾向にあ
るので、この空気の逃げを防止する形状、例えば遮蔽板
や遮蔽用段部を形成して空気の通路を形成したり、空気
の逃げを考慮してノズルを多段に配置する等の配慮をす
るのが良い。
【0072】本発明は小量の空気によって流体摩擦の低
減等の効果を発揮させるものであるが、そのために必要
最小量の空気をノズルに供給するように各所にセンサー
を設けて空気膜の状態を測定して最適量の空気を供給す
るようにする。
【0073】
【発明の効果】本発明は、没水部分を有する構造物の没
水表面を、表面に微細な凹凸を有し、かつ少なくとも前
記凹凸の凸部の頂部を撥水性材料で形成した膜体で被覆
し、前記膜体表面に空気を供給してこの膜体表面と水と
の間に薄い空気膜を形成するように構成している。
【0074】従って、膜体表面に形成された薄い空気膜
は膜体表面から容易に剥離することなく、したがって極
めて少ない動力により少量の空気を供給するのみでその
空気膜を保持することができ、この空気膜の作用により
流体摩擦抵抗の低減や防汚、防食を図ることができる。
具体的には、本発明による膜体表面は微細な凹凸が形成
されるとともに少なくともその凸部の頂部は撥水性材料
で形成された膜体で被覆されている。したがって膜体表
面には撥水作用があり、そのためその表面に沿って空気
を供給するとその空気は容易に凹部内に流入し、この空
気は水圧と水の表面張力とによってこの凹部内に保持さ
れる。
【0075】このように微細な凹凸の凹部内に僅かな空
気が存在すると、更に別の空気が供給された場合、水と
空気の表面エネルギーを減少させより安定な状態になろ
うとするため、供給された別の空気は凹部内の空気に引
き寄せられ、両者は容易に合体して没水表面に薄い空気
膜を効果的に形成することができ、この空気膜によって
流体摩擦抵抗を低減されることができる。更に、所定の
位置におかれる構造物の没水部分の表面に水中生物や汚
れが付着することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例を示す船舶の一部切開し
て示す側面図である。
【図2】膜体の説明用断面図である。
【図3】膜体表面が空気を保持している状態の説明用断
面図である。
【図4】膜体表面に形成される空気層を示す断面図であ
る。
【図5】膜体の断面図である。
【図6】膜体の断面図である。
【図7】膜体の断面図である。
【図8】多層構造の膜体の断面図である。
【図9】本発明の試験に使用した模型船の説明図であ
る。
【図10】図9のY部の拡大断面図である。
【図11】図9のB矢視拡大底面図である。
【図12】空気量レベルとDR量との関係を示すグラフ
である。
【図13】船速と所要動力との関係を示すグラフであ
る。
【図14】管内流体摩擦抵抗試験装置の説明図である。
【図15】管内にメッキをする装置の説明図である。
【図16】図15のメッキ装置で得られた膜体の断面図
である。
【図17】管内の試験区間差圧測定結果である。
【図18】管内平均流速とDR量との関係を示す図であ
る。
【図19】凸部間隔と空気層の耐久時間との関係を示す
グラフである。
【図20】寸法比h/sと空気層の耐久時間との関係を
示すグラフである。
【図21】膜体表面に形成された空気膜の確認実験の説
明図である。
【図22】膜体表面に形成された空気膜の確認実験の説
明図である。
【図23】本発明を桟橋の防汚・防食方法として適用し
た場合の説明図である。
【図24】本発明を取水管の防汚・防食方法として適用
した場合の説明図である。
【符号の説明】
1 船体 2 底部 2a 船側部 3,3a
膜体 4 ノズル 6 凹部 7 凸部 7’ 頂部 8 撥水性
材料 10 膜体表面 12 空気膜 13 水 15
シート 16 構造物 17 塗料 18 微細粒子 2
0 被膜 21 粒子 21a 膜体 22 微細粒子 2
3a 大きな凹凸 23b 微細な凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 信淳 京都市左京区田中大堰町49 財団法人応用 科学研究所内 (72)発明者 鄭 容宝 京都市左京区田中大堰町49 財団法人応用 科学研究所内 (72)発明者 松原 直樹 岡山県玉野市玉3丁目1番1号 三井造船 株式会社玉野事業場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 没水部分を有する構造物の没水表面を、
    表面に微細な凹凸を有し、かつ少なくとも前記凹凸の凸
    部の頂部を撥水性材料で形成した膜体で被覆し、前記膜
    体表面に空気を供給してこの膜体表面と水との間に空気
    膜を形成するようにした没水部分を有する構造物の没水
    表面に空気膜を形成する方法。
  2. 【請求項2】 没水部分を有する構造物が船舶である請
    求項1記載の没水表面に空気膜を形成する方法。
  3. 【請求項3】 没水部分を有する構造物が液体輸送路で
    あって、その没水表面がこの液体輸送路の内面である請
    求項1記載の没水表面に空気膜を形成する方法。
  4. 【請求項4】 没水部分を有する構造物が浮体である
    か、又は水底に打設され、定置された構造物である請求
    項1記載の没水表面に空気膜を形成する方法。
  5. 【請求項5】 撥水性材料がポリテトラフルオロエチレ
    ン、疎水性シリカの粉末、ポリエチレン、ポリプロピレ
    ン、又は親水性樹脂の表面処理により撥水性を付与した
    材料の一種又は二種以上よりなる請求項1記載の没水表
    面に空気膜を形成する方法。
  6. 【請求項6】 没水表面に形成した微細な凹凸の凹部内
    に水圧によって膨出する水の表面張力とにより空気を保
    持するように形成した請求項1記載の膜体の凹凸表面。
  7. 【請求項7】 凸部の間隔sが 0.3〜30μmで、かつ
    高さhと間隔sとの比h/sが0.3〜3となるように形
    成された請求項1記載の膜体の凹凸表面。
  8. 【請求項8】 比較的大なる凹凸表面に、この凹凸表面
    より微細な凹凸が形成された二重凹凸構造を有する請求
    項1記載の膜体表面。
  9. 【請求項9】 没水部分を有する構造物の没水表面に複
    数のノズルを所定の間隔に配置し、このノズルから微細
    な凹凸を有する膜体表面に沿わせて空気を供給するよう
    にした請求項1記載の没水表面に空気膜を形成する方
    法。
  10. 【請求項10】 微細な凹凸を有する膜体表面の凹部に
    一次空気を保持させ、更にこの膜体表面に外部から二次
    空気を供給するようにした請求項1記載の没水表面に空
    気膜を形成する方法。
  11. 【請求項11】 撥水性合成樹脂シートの表面を転写に
    より微細な凹凸加工して製作した請求項1記載の膜体。
  12. 【請求項12】 構造物表面に塗料層を形成し、この塗
    料層の表面に微粒子を突出するように固定し、少なくと
    も前記塗料層より突出している微粒子の頂部が撥水性を
    有している請求項1記載の膜体。
  13. 【請求項13】 構造物表面に塗料層を形成し、この塗
    料層の表面に微細粒子による凹凸を形成し、この微細粒
    子を撥水性を有する材料で被覆してなる請求項1記載の
    膜体。
  14. 【請求項14】 構造物表面に形成した下地層に比較的
    大きな粒径の粒子を含み、この下地層の上に前記粒子よ
    り小径の微粒子を含む上塗り層を形成して表面に大なる
    凹凸に小なる凹凸を形成した二重構造の微細な凹凸を形
    成した請求項1記載の膜体。
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