JPH07173796A - キャストコート紙用塗料組成物 - Google Patents

キャストコート紙用塗料組成物

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JPH07173796A
JPH07173796A JP32375393A JP32375393A JPH07173796A JP H07173796 A JPH07173796 A JP H07173796A JP 32375393 A JP32375393 A JP 32375393A JP 32375393 A JP32375393 A JP 32375393A JP H07173796 A JPH07173796 A JP H07173796A
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JP32375393A
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Takashi Kojima
小島  隆
Kazunori Kamata
一則 鎌田
Katsunari Kitamura
勝得 北村
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】顔料及び接着剤を主成分とするキャストコート
紙用塗料における接着剤が(a)脂肪族共役ジオレフィ
ン系単量体25〜55重量部、(b)エチレン系不飽和
酸単量体0.5〜7重量部、(c)(a)および(b)
と共重合可能な他のモノオレフィン系単量体38〜7
4.5重量部からなる単量体混合物100重量部当り、
連鎖移動剤として(d)α−メチルスチレンダイマー
0.5〜3重量部と、(e)炭素数4ないし12のアル
キルメルカプタン0.2〜3重量部を組み合わせたもの
であり、乳化重合させることにより得られた共重合体の
平均粒子径が0.06〜0.18μmの範囲にあるラテ
ックスを使用する。 【効果】キャストコート紙用塗料組成物は、表面強度が
強く、高光沢でピンホール等の発生の少ない均一な塗工
面を有するキャスト紙を、効率よく製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャストコート紙用塗
料組成物に関し、特にキャストコート紙に優れた接着強
度と光沢と均一なキャスト面を効率よく得る事が可能な
キャストコート紙用塗料組成物、およびそれを塗工して
得られたキャストコート紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キャストコート紙の製造方法としては従
来より、コート紙用塗料組成物を原紙に塗工し、湿潤状
態のままで加熱鏡面ドラムに圧着乾燥して光沢仕上げを
する直接法、原紙に塗工した湿潤状態のコート紙用塗料
組成物を凝固させてから加熱鏡面ドラムに圧着乾燥して
光沢仕上げをする凝固法、およびコート紙用塗料組成物
を原紙に塗工して一旦乾燥または半乾燥した後、再度湿
潤させてから加熱鏡面ドラムに圧着乾燥して光沢仕上げ
をする再湿法等がある。
【0003】これらのキャストコート紙の製造方法は、
いずれも塗工された顔料および接着剤を主成分とするコ
ート紙用塗料組成物を、湿潤状態で加熱鏡面ドラムに圧
着乾燥し、鏡面より剥離させて高光沢で均一なキャスト
面を得る点で共通している。また、これらの乾燥工程に
おいては、水を含んだ塗被層が加熱ドラム面に接して乾
燥されるため、塗被層中の水分は原紙層中を通過して裏
面へ抜けて蒸発乾燥することになり、一般のコート紙や
アート紙等が塗工された表面からも水分が蒸発乾燥され
るのに比べ乾燥効率は低く、しかも乾燥するまでは加熱
鏡面ドラムから剥離することが出来ず、著しく生産性が
制限される。特に両面キャストコート紙製造の場合、既
にキャスト仕上げされている片面は、次にキャスト仕上
される面に対し裏面にあたり、この面の水分の蒸気透過
性が低いと発生した水蒸気により、膨潤軟化されやすく
光沢、平滑性等の低下をもたらし、ときとしてブリスタ
ー(火膨れ)が発生することがある。得られる片面およ
び両面キャストコート紙の品質および生産性向上の目的
で、種々の改善、改良が提案されている。例えば、乾燥
速度を促進させる方法としては、原紙として一般のコー
ト紙および軽量コート紙の如き加工紙を用い、その表面
にキャストコート紙用塗料組成物を少量塗工し、裏面へ
抜ける水分量を減らすという方法がある。
【0004】しかし、このような原紙を用いると原紙の
コート層が水蒸気の裏面への透過を妨げ、乾燥効率を低
下させてしまうという欠点がある。また、加熱鏡面ドラ
ム温度を高くする方法では、急激な水分の蒸気化が塗被
層と加熱ドラム面との間に起こるため、キャスト紙面に
ピンホール等の欠陥を生じたり、面密着不良により白紙
光沢の低下を招く欠点がある。一方、塗被層中の水分の
蒸気透過性を改良する方法では、塗被用顔料として軽
質、重質炭酸カルシウム等をカオリンと併用したり(特
開昭59−216996号公報)、塗料に亜鉛、ジルコ
ニウム等の塩類を添加したり(特開平02−47388
号公報)、接着剤として粒子径の大きいラテックスを使
用して塗被層をポーラスにするといった方法がある。し
かし、これらは何れも白紙光沢の低下を回避することは
出来ない。接着剤として粒子径の小さいラテックスを使
用ようすれば白紙光沢は改善されるものの、塗被層中の
水分の蒸気透過性は低下してしまう。白紙光沢を向上す
る他の方法としては、接着剤としてガラス転移温度の高
いラテックス、あるいは非解離性オレフィン系不飽和単
量体を使用したラテックスを使用する方法も行なわれて
いるが(特開平3−199483号公報)、何れも表面
の接着強度が低下してしまう。前述の逆、即ちガラス転
移温度の低いラテックス、あるいはエチレン系不飽和酸
単量体を使用したラテックスを使用すると接着強度は向
上するもののキャストドラムとの剥離性が低下し、生産
性が低下してしまう。上記の如く種々の改善方法が試み
られているが、キャスト紙としての光沢と表面強度およ
び生産性との関係では必ずしも満足すべき結果が得られ
ていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、キャスト
コート紙の製造法、即ち直接法、凝固法、再湿法、の何
れにおいても、また、片面、両面キャストコート紙を問
わず、いかに光沢と表面強度の低下とを伴わずして、塗
被層の水分の蒸気透過性を高め生産性を上げるかが、キ
ャストコート紙製造における最大の課題である。本発明
はこれらキャストコート紙製造法において、ピンホール
等の欠陥を発生させずに、表面強度が強く、高光沢で均
一な塗工面を有するキャスト紙を効率よく製造すること
を可能にしたキャストコート紙用の塗料組成物を提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の如き課題を解決す
るために本発明者等は、キャストコート紙用塗料組成物
に於いて、接着剤に光沢と表面強度と蒸気透過性を付与
することに着眼し、研究を重ねた結果、接着剤の物性が
特定の範囲にあることが有効であることを見出し、本発
明を成すに至った。
【0007】即ち、顔料及び接着剤を主成分とするキャ
ストコート紙用塗料において、接着剤として、(a)脂
肪族共役ジオレフィン系単量体25〜55重量部、
(b)エチレン系不飽和酸単量体0.5〜7重量部、
(c)上記の(a)成分および(b)成分と共重合可能
な他のモノオレフィン系単量体38〜74.5重量部か
らなる単量体混合物100重量部当り、連鎖移動剤とし
て(d)α−メチルスチレンダイマー0.5〜3重量部
と、(e)炭素数4ないし12のアルキルメルカプタン
0.2〜3重量部を組み合わせて用い、乳化重合させる
ことにより得られた共重合体であり、かつその平均粒子
径が0.06〜0.18μmの範囲にあることを特徴と
するラテックスを含むキャストコート紙用塗料組成物、
ならびに、該塗料組成物を塗工してなるキャストコート
紙である。
【0008】本発明について更に詳しく説明すると、本
発明の特徴は、キャスト紙用塗料組成物に用いられる共
重合体ラテックスの製造において、連鎖移動剤としてα
−メチルスチレンダイマー(d)と、炭素数4ないし1
2のアルキルメルカプタン(e)を組み合わせて用いる
事を必須とする。ここで(e)の化合物として具体的に
は、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタ
ン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン等が挙げられ、これら
の群から選ばれた一種または二種以上を混合使用でき
る。使用量は単量体混合物100重量部当り、連鎖移動
剤としてα−メチルスチレンダイマーを0.5〜3重量
部、炭素数4ないし12のアルキルメルカプタン0.2
〜3重量部であり、何れとも下限量未満ではキャスト紙
の白紙光沢発現効果が十分でないとともにピンホールの
発生が多くなり、上限量を越えると表面強度が低下し本
発明の効果が認められない。更にα−メチルスチレンダ
イマーは重合速度を低下させる作用があり多量に使用す
ると重合安定性が低下し製造上の大きな弊害となる。
【0009】本発明で用いられる共重合体ラテックスを
構成する単量体のうち、(a)の脂肪族共役ジオレフィ
ン系単量体としては、例えば、1,3ブタジエン、2−
メチル−1,3ブタジエン、2−クロロ−1,3ブタジ
エン等が挙げられ、これらの群から選ばれた一種または
二種以上を混合使用できる。これらの単量体は共重合体
に適度の弾性を与えるものであり、その使用量は全単量
体混合物100重量部中25〜55重量部である。25
重量部未満では共重合体ラテックスのガラス転移温度が
高くなり、キャスト紙の表面強度が低下し、55重量部
を越えると耐水性とキャスト紙製造製造工程での加熱鏡
面ドラムとの剥離性が低下してしまう為、より好ましく
は、30〜50重量部である。(b)のエチレン系不飽
和酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸
などの不飽和カルボン酸類、イタコン酸モノエチルエス
テル、フマル酸アルキルモノエステル、マレイン酸アア
ルキルモノエステルなどの不飽和ジカルボン酸のモノア
ルキルエステル類、2−スルホエチルアクリレート、ス
チレンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸
などの不飽和スルホン酸類等が挙げられ、これらの群か
ら選ばれた一種または二種以上を混合使用できる。その
使用量は全単量体混合物100重量部中0.5〜7重量
部である。0.5部未満ではキャスト紙の表面強度が低
下し、7重量部を越えるとキャスト紙製造製造工程での
加熱鏡面ドラムとの剥離性が低下し、また共重合体ラテ
ックスの粘度が高くなりすぎる為、より好ましくは0.
5〜5重量部である。(c)の(a)および(b)と共
重合可能な他のモノオレフィン系単量体としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレンや
ジメチルスチレンなどのオレフィン系芳香族系単量体、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジルなど
の(メタ)アクリル酸エステル類、ジエチルフマレー
ト、ジメチルイタコネートなどのエチレン系不飽和カル
ボン酸アルキルエステル類、(メタ)アクリロニトリ
ル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル
系化合物などが挙げられ、これらの群から選ばれた一種
または二種以上を混合使用できる。また必要に応じて例
えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタ
アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ基を含有
する脂肪族不飽和カルボン酸のエステル類、(メタ)ア
クリルアミド、(メタ)N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシ
メチルメタアクリルアミドなどエチレン系不飽和カルボ
ン酸アミドモノマー類などの群から選ばれた一種または
二種以上を混合使用できる。これらのモノマーは例示で
あり、この外にも同様の作用機能を有する共重合可能な
単量体であれば全て使用することができる。その使用量
は全単量体混合物100重量部中38〜74.5重量部
である。38重量部未満では共重合体ラテックスのガラ
ス転移温度が低くなり、キャスト紙の耐水性とキャスト
紙製造製造工程での加熱鏡面ドラムとの剥離性が低下
し、74.5重量部を越えるとガラス転移温度が高くな
り、表面強度の低下をもたらす為、より好ましくは、4
5〜74.5重量部である。
【0010】前記記載の単量体からなる共重合ラテック
スは、通常の乳化重合によって得られ、通常水性媒体中
において、乳化剤、重合開始剤などを用いて実施され
る。乳化剤としては、例えばアルキルスルホネート、ア
ルキルアリルスルホネート、アルキルサルフェート、ア
ルキルナフタレンスルホネート、アルキルサクシネート
スルホネート等のアニオン性活性剤や、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルア
リルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪族エステル等の
ノニオン性活性剤を単独または併用にて使用することも
できる。これら乳化剤の使用量は、通常ラテックス全構
成重合体成分にたいして5重量%以下で使用される。重
合開始剤としては、酸化剤例えば過硫酸のカリウム、ナ
トリウムやアンモニウム塩、過酸化水素、ジイソブチル
ベンゾイルパーオキシド、キュメンハイドロパーオキシ
ド、ラウリルパーオキシド等の酸化剤が単独で使用され
たり、これらの酸化剤と亜硫酸ソーダ、重亜硫酸ソー
ダ、チオ硫酸ソーダ等の還元剤との併用、即ちレドック
スシステムで用いることもできる。また、重合中の粒子
の安定化を図る目的で保護コロイド剤として、例えば、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリビニルアルコール等を添加しても良い。
【0011】本発明に用いられるラテックスの重合は、
通常50〜100℃、ゲージ圧力0〜10Kg/cm2
の範囲で行なわれ、前述した単量体およびその他の添加
剤は一括添加、分割添加、または、連続添加の何れの方
法でも行なうことが出来る。本発明の紙塗被用組成物を
構成する共重合体ラテックスは、その分散相をなす重合
体粒子の平均粒子径が0.06〜0.18μmの範囲で
あることが必要であり、平均粒子径が0.06μm未満
ではキャスト紙面にピンホール等の欠陥個所が多くな
り、0.18μmを越えるとキャスト紙表面強度が不足
する。より好ましくは0.09〜0.17μmの範囲で
ある。
【0012】本発明において、キャストコート紙用塗料
組成物に使用し得る接着剤としては、前述した共重合体
ラテックスと、この外に塗料組成物に接着性と保水性を
付与する水溶性高分子、例えばカゼイン、酸化澱粉、リ
ン酸エステル化澱粉、水性ウレタン樹脂、大豆蛋白、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
スや、ポリカルボン酸系またはポリアクリルアミド系等
の単独または二種以上を併用することが好ましく、通
常、顔料100重量部に対し合計で10〜30重量部使
用される。顔料としては、通常のコート紙に用いられる
クレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、酸
化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、硫酸
バリウム、酸化マグネシウム、タルクやコロイダルシリ
カ等の無機顔料およびプラスチックピグメントや白色尿
素樹脂顔料等の有機顔料の単独または二種以上の使用が
可能である。この外の添加剤としては、消泡剤、分散
剤、耐水化剤、防腐剤、着色剤、凝固剤、離型剤等の助
剤を必要に応じて添加することも有効である。このよう
にして得られたキャストコート紙用塗料組成物は、例え
ばエアーナイフコーター、ブレードコーター、ロールコ
ーター、バーコーター等の塗工装置によって、一般の塗
工紙製造と同様に塗工されるが、この時の塗工紙用塗料
組成物の固形分濃度は通常40〜65重量%の範囲に調
整される。
【0013】本発明のキャストコート紙用原紙として
は、一般の印刷塗工紙用の坪量40〜300g/m2
上質紙、中質紙、板紙等、およびこれらに予め片面また
は両面に塗料組成物を塗工乾燥したコート紙等が原紙と
して用いられる。これら原紙への塗工紙用塗料組成物の
塗工量は、乾燥重量で通常片面に10〜25g/m2
工される。このようにして塗工された後、直接キャスト
法、凝固キャスト法、再湿キャスト法あるいはこれらの
組み合わせによって鏡面が形成される。
【0014】本発明によれば従来技術では不可能であっ
たキャストコート紙製造において、ピンホール等の欠陥
を発生させずに、表面強度が強く、高光沢で均一な塗工
面を有するキャスト紙を効率よく製造することを可能に
する。その理由は必ずしも明らかではないと思われる
が、キャストコート用塗料組成物に用いる共重合体ラテ
ックスの製造において、連鎖移動剤としてα−メチルス
チレンダイマーと、炭素数4ないし12のアルキルメル
カプタンを組み合わせて用いることにより、各々の鎖移
動効果及び作用の仕方が異なり、これらを組み合わせる
ことにより異なる分子構造を形成し、このことがキャス
ト塗被層の水分の蒸気透過性とキャスト紙の表面強度バ
ランスを高め、合わせて従来技術ではキャスト紙の生産
性および均一な塗工面を作ると言う面からは不利であっ
た共重合体ラテックスの粒子径を小さくすることを可能
にしたことが、優れた光沢と表面強度と生産性のバラン
スをとるものと思われる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を挙げて
更に詳述するが、本発明はこれらにより何等限定される
ものではない。また、以下例中に於て用いる部および%
は特記のない限り重量基準を示す。先ず本実施例におい
て用いる、共重合体ラテックスの製造例を示し、次いで
塗料組成物の配合例およびキャストコート紙の製造例
と、その評価結果について示す。
【0016】(共重合体ラテックスの製造例) ラテックスAの実施製造例 窒素置換した撹拌機付オートクレーブ中に脱イオン水1
02部、ラウリル硫酸ソーダ0.5部、過硫酸カリウム
1.8部、イタコン酸0.5部を仕込み、予め、t−ド
デシルメルカプタン1.1部、α−メチルスチレンダイ
マー1.2部、および重合単量体として、ブタジエン4
0部、スチレン33.5部、メチルメタアクリレート2
0部、アクリロニトリル3部、アクリル酸1部、メタア
クリルアミド2部を、ラウリル硫酸ソーダー0.3と脱
イオン水55部で乳化させ、70℃に昇温させたオート
クレーブ中に8時間かけて連続添加し乳化重合を行な
い、原料の添加終了後、重合率が98%となった時点で
冷却し反応を終了した。次いで25%苛性ソーダ水溶液
にてPHを8に調整して、スチームストリッピングを行
なった後、脱イオン水を加えて固形分濃度を48%に調
整し、ラテックスAを得た。
【0017】ラテックスB〜Eの実施製造例およびラテ
ックスF〜Jの比較製造例前記ラテックスAの実施製造
例と同様な方法で初期仕込みのラウリル硫酸ソーダーの
量を種々変化させ、他の条件は表−1に示す重合用原料
とその量を用いてラテックスB〜Jを得た。得られたす
べてのラテックスの粒子径を表−1に示した。尚、ラテ
ックスの粒子径はコールター社製コールターN4型サブ
ミクロン粒子分析装置を用いて測定を行なった。
【0018】
【表1】
【0019】(塗料組成物の調整)前記製造例より得ら
れたA〜Jのラテックスを用いて、下記の処方に従って
キャストコート紙用塗料組成物(実施例用塗料1〜5、
比較例用塗料1〜5)を各々調整した。 塗料組成原料 商品名 固形比 クレー (UW-90 :米国エンゲルハルト社製)90 軽質炭酸カルシウム (TP-222HS: 奥多摩工業社製) 10 分散剤 (アロン T-40:東亜合成社製) 0.3 泡消剤 (ノフ゜コ122NS:サンノプコ社製) 0.15 潤滑剤 (ノフ゜コート C-104 :サンノプコ社製) 0.5 カゼイン 9(安水溶解) 共重合体ラテックス 15 固形分濃度 44%
【0020】(キャストコート紙の製造例)前記より得
られたキャストコート紙用塗料組成物(実施例用塗料1
〜5、比較例用塗料1〜5)を、坪量64g/m2 の原
紙に、ドクターブレードにて、塗料組成物の塗工量が乾
燥重量で23g/m2 になるように塗工し乾燥を行なっ
た後、塗被層を水で再湿潤させ、テスト用キャストコー
ター(由利ロール機械社製)にて、ドラム温度95〜9
7℃、スピード2m/分、プレス圧力100kg/c
m、の条件下に通し乾燥させ、自然剥離によりキャスト
コートを作成した。上記方法にて作成したキャストコー
ト紙の物性を測定しこれらの結果を表−2に示した。
尚、キャストコート紙の物性は次のように測定した。
【0021】
【表2】
【0022】(1)白紙光沢 村上色彩(株)製、光沢計(GM−3D)を使用し、7
5 で鏡面光沢を測定した。 (2)ピンホール 明製作所(株)製RI印刷試験機(RI−III型)を
使用し、東洋インキ製マークVインキ墨0.2ccをベ
タ印刷し、白抜け未印刷部をピンホールとし、以下基準
で目視により判定した。
【0023】◎ :発生せず 〇 :極僅かに発生 △ :僅かに発生 × :多く発生 (実用上使用不可) (3)表面強度 明製作所(株)製RI 印刷試験機(RI −III 型)を使
用し、東洋インキ製SMXインキタックNo.15墨
0.4ccを使用し、ピッキング試験を行ない、印刷面
のピッキング状態を以下の基準で目視により判定した。 〇 :殆ど発生せず △ :僅かに発生 × :多く発生 (実用上使用不可) (4)透気性 明製作所(株)製王研式透気度試験機を使用して測定し
た。
【0024】
【発明の効果】表−2の数値が示す如く、本発明の実施
例によるキャストコート紙用塗料組成物は、優れた白紙
光沢と強い表面強度と、高い透気性と、ピンホール等の
欠陥の無い均一な面を有するキャスト紙を効率よく生産
することを可能にしたものであり、キャストコート紙用
の塗料組成物として、従来にない非常に有用な塗料組成
物であることは明らかである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料及び接着剤を主成分とするキャストコ
    ート紙用塗料において、接着剤として、(a)脂肪族共
    役ジオレフィン系単量体25〜55重量部、(b)エチ
    レン系不飽和酸単量体0.5〜7重量部、(c)上記の
    (a)成分および(b)成分と共重合可能な他のモノオ
    レフィン系単量体38〜74.5重量部からなる単量体
    混合物100重量部当り、連鎖移動剤として(d)α−
    メチルスチレンダイマー0.5〜3重量部と、(e)炭
    素数4ないし12のアルキルメルカプタン0.2〜3重
    量部を組み合わせて用い、乳化重合させることにより得
    られた共重合体であり、かつその平均粒子径が0.06
    〜0.18μmの範囲にあることを特徴とするラテック
    スを含むキャストコート紙用塗料組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の塗料組成物を塗工してなる
    キャストコート紙。
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