JPH07173717A - 電気植毛用パイル原糸 - Google Patents

電気植毛用パイル原糸

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JPH07173717A
JPH07173717A JP32378593A JP32378593A JPH07173717A JP H07173717 A JPH07173717 A JP H07173717A JP 32378593 A JP32378593 A JP 32378593A JP 32378593 A JP32378593 A JP 32378593A JP H07173717 A JPH07173717 A JP H07173717A
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JP
Japan
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hot water
pile
fiber
yarn
soluble polymer
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JP32378593A
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Nobuo Kurata
信夫 倉田
Futoshi Sasamoto
笹本  太
Noboru Takahashi
登 高橋
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Artificial Filaments (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】従来技術の欠点のない、良好な極細繊維の電気
植毛品が得ることができる、電気植毛用パイル原糸を提
供する。 【構成】熱水溶解性重合体と原料着色された他の重合体
で構成される可細化性繊維の電気植毛用パイル原糸。該
パイル原糸で得られる電気植毛品は、熱水処理によって
細化、単糸繊度が0.5デニール以下の極細繊維とな
り、極細パイル布帛などが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内装インテリア資材な
どに好適な、パイルの立毛性、高密度で集束性の良好な
極細繊維の電気植毛品を得ることができる電気植毛用パ
イル原糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パイル原糸を短くカットした繊維を静電
気により基布に接着剤を介して植毛した製品は種々の用
途に利用されているが、製品の表面品位や触感性に優れ
た極細繊維の電気植毛品の開発が、従来より種々なされ
ている。
【0003】極細繊維を植毛する方法としては、異成分
の複合繊維を植毛して後、1成分の溶解除去、または膨
潤分割処理して極細化する手段が知られている。
【0004】しかしながら、これら1成分の溶解除去、
または膨潤分割処理には化学薬品を用いざるを得なかっ
た。例えば特開昭59−76975号公報や特開昭60
−155745号公報に開示されているように、海島型
複合繊維で海成分としてポリスチレンを用いる場合は、
植毛後の海成分の溶解除去にトリクレンが必要であっ
た。また、ポリエステルとナイロン6の分割型複合繊維
でナイロン6を膨潤させて分割する場合には、ベンジル
アルコールが必要であった。これらの化学薬品の取扱い
は危険性があり、溶解除去あるいは膨潤分割処理のため
の特殊な設備が必要である。このため、作業者の安全衛
生面および製造コスト面にネックがあった。さらに、植
毛後のこれら化学薬品の使用は、パイル植毛に使用する
接着剤を脆化させたり、膨潤させたりしてパイル抜けを
生じたりして、製品風合いを損なうという欠点があっ
た。
【0005】上記欠点を改善するため、水溶性の高分子
重合体からなる複合繊維をパイル原糸に用いて水系除去
を可能にした技術が、特開昭63−84668号公報に
開示されている。ただし、水溶性の高分子重合体では常
温水にも溶けるため、製糸工程での油剤エマルジョン付
与時や液浴延伸時、およびフロック加工工程での水溶液
処理時などで、極細繊維化したり、繊維同志の膠着など
があった。また、パイル植毛後の液浴染色のため、即
ち、均染性のため高温液流での揉みを要するため、極細
繊維パイルのもつれが生じ易い、パイルが抜け易い、基
布や接着剤植毛品が熱変形し易い、植毛品に通水性がな
いとムラ染となり易いなど、必ずしも満足のいくものは
得られなかった。
【0006】一方、原料着色の極細繊維が特開昭56−
317号公報に開示されている、しかしこのものは極細
化する段階で化学薬品を用いるため前述理由で電気植毛
用としては適さないものであった。
【0007】すなわち、安定的に極細繊維の電気植毛品
の提供には限界があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな従来技術の欠点のない、良好な極細繊維の電気植毛
品が得ることができる、電気植毛用パイル原糸の提供を
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の構成を有
する。少なくとも2成分以上からなる複合繊維であっ
て、熱水溶解性重合体成分と、原料着色された他の重合
体成分からなり、前記熱水溶解性重合体成分の少なくと
も一部が繊維表面を形成するように合流・複合させた可
細化性繊維であることを特徴とする電気植毛用パイル原
糸である。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。まず、本発
明にかかる可細化性繊維について述べる。本発明におけ
る可細化性繊維は、少なくとも2成分の重合体からな
り、公知の海島型あるいは分割型の断面形態を有するも
のである。その一方の成分は、溶融紡糸に耐えかつ熱水
に溶解する熱水溶解性重合体よりなるものとする。かか
る熱水溶解性重合体は、公知のものが適用でき、特に限
定されるものではない。そして特に好ましいものとして
は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などを共重合し
た各種のポリエステル、例えば、下記AおよびBの重合
体が挙げられる。 A.主たる酸成分がテレフタル酸であって、他の酸成分
は8〜15mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、および5〜40mol%のイソフタル酸であり、主
たるジオール成分がエチレングリコールよりなる共重合
ポリエステルである共重合ポリエステル。 B.主たる酸成分がテレフタル酸であって、他の酸成分
は1〜15mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、および20mol%以下のイソフタル酸であり、主
たるジオール成分がエチレングリコールとビスフェノー
ルAのエチレンオキシド付加物よりなる共重合ポリエス
テル。 これらの重合体は、高温の溶融紡糸に耐え、常温水には
溶けずにしかも熱水に容易に溶け、しかも低価格である
ので好ましいものである。
【0011】次に本発明にかかる可細化性繊維である複
合繊維の他の成分について述べる。他の重合体成分は、
原料着色された重合体である。重合体成分は、溶融紡糸
が可能な、いわゆる繊維形成能を有するものであれば何
ら限定されない。例えば、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
共重合ポリエステル等のポリエステル、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン等が用いられる。特
にナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレ
ートが繊維形成性と物性の点から好適に用いられる。
【0012】更に、本発明における原料着色に使用され
る染料もしくは顔料としては、従来公知のアゾ系、フタ
ロシアニン系、アンスラキノン系等の有機染顔料、酸化
チタン、酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料で
あり、その他一般にポリエステルやポリアミドに使用し
得る公知の色素、あるいはそれらの混合物はいずれも使
用し得る。これらの染料もしくは顔料は、重合体の重合
反応時の添加、溶融紡糸時添加混練、マスターチップを
作ってチップブレンド紡糸などの方法で着色される。な
お、上述の他成分には、必要に応じて、例えば、艶消し
剤、安定剤、制電剤、防炎剤などの添加剤を含有せしめ
てもよい。
【0013】次に、かかる少なくとも2成分の重合体か
らなる可細化性繊維の製法について述べる。まず熱水溶
解性重合体と、他の重合体を各々独立に溶融し、次に熱
水溶解性重合体が少なくとも一部が繊維表面を形成する
ように、例えば、海部に熱水溶解性重合体が、島部に他
の重合体がなるように、または、他の重合体を熱水溶解
性重合体が分割するように、両者を合流せしめ、紡糸口
金の吐出孔から吐出し複合製糸する。
【0014】可細化性繊維の製法は前記条件が満たされ
るものであれば、その他については限定されるものでは
なく、任意の複合製糸方法が適用できる。そして、かか
る方法として特に好ましい方法は、いわゆる、芯鞘法、
高分子配列体法、分割法が挙げられる。また、かかる他
の重合体は、その発色性を損なわない範囲で、補強のた
めにより高重合度の重合体を芯とした、いわゆる3成分
の形態をとってもよい。繊維の断面形状などは特に限定
されるものではなく、任意のものが適用できる。
【0015】こうして紡糸口金の吐出孔より吐出された
複合繊維は高速で引取られ、そのまま実用の繊維とされ
てもよいし、また比較的低速で引取り、さらに延伸し
て、実用の繊維としてもよい。
【0016】次に、熱水溶解性重合体と他の重合体とか
ら形成される可細化性繊維において、熱水溶解性重合体
の成分比率を、40重量%以下とすることが好ましい。
より好ましいのは5〜30重量%である。5重量%未満
では、所望とする複合断面の形態を保持するのが困難と
なる。一方、40重量%を越えると複合繊維の強力が低
くなり工程通過性に支障をきたしたり、製品パイルの密
度が粗くなり品位が劣る場合がある。
【0017】この可細化性繊維は、細化前(熱水溶解成
分除去前)の単糸繊度が1デニール以上50デニール以
下が好ましい。1デニール未満では電気植毛性に劣り、
50デニールを越えると、溶融紡糸時の冷却の面で製糸
性が不安定となったり、電気植毛での飛翔性に問題が生
じる。
【0018】また、特に好ましい可細化性繊維は、該熱
水溶解性の成分を除去すれば、2本以上の繊維に分かれ
る繊維である。この分かれた後の繊維の単糸繊度が0.
5デニール以下とすることである。0.5デニールを越
えると、極細繊維が持つ特有の光沢やしなやかさがなく
なる。
【0019】次に、電気植毛品の製造方法について述べ
る。まず、前記可細化性繊維のパイル用原糸は従来より
公知の方法で所望の長さに切断される。カットパイル長
は、電気植毛品の目的に応じて、また、繊維の太さ、カ
ットパイルの植毛条件によって決まるが、好ましくは
0.5mm以上、30mm以下、より好ましくは10m
m以下である。0.5mm未満では短かすぎて極細繊維
パイル品の効果が発揮されにくく、30mmを越えると
パイルが倒れてしまいパイル品位が低下する。次いで該
パイルを非イオン活性剤の水溶液で精練した後、ケイ酸
ソーダ、コロイダルシリカ、イソプロピルホスフエート
カリよりなる処理液で処理し、脱水、乾燥をする。
【0020】一方、本発明のパイルを植毛する基体とし
ては、糸状物や、織編物、不織布、およびABS、ポリ
プロピレンなどの樹脂のシート状物など多くのものが用
いられる。この基体には、本発明のパイルを接着する接
着剤を塗布される。接着剤としてはポリビニールアルコ
ールやアクリル系のエマルジョン、エーテル型あるいは
エステル型ポリウレタンなどが用いられる。これらの基
体と接着剤は、特に限定されることなく公知のものが用
いるられるが、植毛パイル製品の色合いの点から、あら
かじめ着色したものが、特に好ましく用いられる。接着
剤を塗布した基体に植毛する方法としては、従来より公
知の方法が用いられる。特に、アップ方式による電気植
毛が好ましく用いられる。
【0021】本発明の可細化性繊維からなるパイルを電
気植毛したものは、以下の加工がなされる。まず熱水で
処理され、熱水溶解性成分を除去するための処理を実施
する。熱水温度は80〜98℃が好ましい。この溶解処
理は、通常の高次加工工程、すなわち糊抜き精練の処理
方式をはじめ、ウィンス、サーキュラーなどの染色方式
を利用して溶解処理する。溶解処理には、トリポリリン
酸などの軟水化剤を用いることでより安定的な溶解除去
が可能となる。なお、糊抜きのための助剤、すなわち界
面活性剤や再付着防止剤や弱アルカリ剤などの使用は特
に好ましい。更に、基体や接着剤が80℃より低い耐熱
性であるなどの特殊な場合は、アルカリ剤の濃度を上げ
て溶解処理を行うことも可能である。溶解処理によって
得られた極細繊維のパイル植毛品は、仕上げ剤を付与し
た後、乾燥と毛さばきブラッシングなどをして仕上げら
れる。
【0022】かくして得られる極細繊維のパイル植毛品
は、100℃未満の温度で、かつ、有機溶剤や強アルカ
リなどの薬剤を使うことなく加工できるため、極細パイ
ル品のパイル抜けや風合い硬化のような品位を損なうこ
となく緻密性、均一性に富んだ製品を安定的に作ること
ができることをはじめ、加圧密閉式や局所排気など特殊
な設備が要らないこと、安全環境衛生上の問題がないこ
となど、従来技術の問題点が解消できる。更に本発明に
よってはじめて、植毛後の染色加工を要しないので、通
水性のない樹脂シートへの極細繊維パイル植毛品提供が
可能となる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 熱水溶解性重合体として12mol%の5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、および25mol%のイソフタル
酸を含んだ共重合ポリエチレンテレフタレートチップを
100℃で10時間減圧乾燥したものを用いた。他の重
合体として、カーボンブラック0.8重量%含有したポ
リエステルチップ(極限粘度0.62)を150℃で6
時間減圧乾燥したものを使用した。各々スクリュー押出
機で溶融(290℃)し、熱水溶解性重合体が海成分
に、他の重合体が島成分として、ギアポンプで海島型紡
糸口金に送り複合紡糸し、海成分比20%、島成分比8
0%、島数16島、単糸繊度11.5デニールの未延伸
糸を得た。得られた未延伸糸を90℃の熱板を通過させ
て延伸し、3.8デニールの電気植毛用パイル原糸を得
た。紡糸、延伸時の糸切れは発生しなかった。
【0024】得られた延伸糸を1mmにカットし、この
カットパイルを非イオン系活性剤含有水溶液で精練した
後、ケイ酸ソーダ、コロイダルシリカ、シソプロピルホ
スフエートカリよりなる処理液に浸漬処理し、脱水、乾
燥のフロック加工をして電気植毛用パイルとした。この
パイルの表面電気抵抗は2×108 Ω・cmであった。
【0025】このパイルを、黒く先染めしたポリエステ
ル65%、レーヨン35%の混繊平織物(目付120g
/m2 )の片面に接着剤のポリエステル系ポリウレタン
を塗布し、基布上へアップ法で電気植毛した(電圧3万
V、電極間距離10cm)。パイルの飛翔性には何の問
題もなく、良好に植毛を完了した。パイルの植毛密度は
150g/m2 であった。
【0026】かくして得られたパイル植毛品を、精練助
剤としてNaOH1.0%、トリポリリン酸0.2g/
l、界面活性剤2g/lを含んだ80℃の熱水槽を通し
た。この熱水処理は2分であった。熱水処理後、湯水で
十分洗浄して、シリコン系柔軟剤を付与した。80℃で
乾燥しつつパイル面を軽くブラッシングして仕上げた。
これらの加工工程でのパイル抜けなどの問題も、何ら
なかった。加工仕上げた製品は、パイル品特有の深みの
ある黒物で、かつ、0.19デニールの極細繊維特有の
光沢と柔らかな手触り感をもつものであった。
【0027】比較例1 実施例1において、重合体としてカーボンブラック含有
ポリエステルの変わりに、未着色のポリエステルチップ
(極限粘度0.62)を用い、その他は実施例1と同様
にして紡糸、延伸を行った。製糸性は良好であった。得
られた延伸糸を電植用パイル原糸として実施例1と同様
にして植毛、熱水処理を行った。更に、サーキュラー染
色機で120℃、45分の高温高圧で分散染料を用いて
染色、仕上げ剤付与、ブラッシングをして仕上げた。
【0028】得られた加工品は、黒味を呈し極細パイル
の柔らかなタッチがあるものの、パイル立毛乱れが多く
パイル品特有の色の深みに欠けたものであった。また、
染色時のパイル抜けも多く認められた。
【0029】実施例2 熱水溶解性重合体として、酸成分が12mol%の5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、および8mol%のイ
ソフタル酸、80mol%のテレフタル酸、ジオール成
分がビスフェノールAの両サイドにエチレンオキシドが
1mol%付加したものを8mol%、他はエチレング
リコールからなる共重合ポリエチレンテレフタレートチ
ップを用い、他の重合体として、カーボンブラック0.
8重量%含有したナイロン6チップ(280℃での溶融
粘度:960ポイズ,軟化点:180℃)を110℃で
6時間減圧乾燥したものを使用した。その他は実施例1
と同様にして紡糸、延伸、フロック加工、電気植毛、熱
水仕上げ処理を施した。
【0030】諸工程の通過性および、パイル抜けなどの
問題は、何ら生じなかった。かくして得られたパイル植
毛品は、パイル品特有の色の深みと、極細繊維特有の光
沢と柔らかな手触り感を合せ持つ、高級感のあるもので
あった。
【0031】実施例3 実施例1で得た延伸糸をパイルとして、植毛する基材に
グレーに着色させたABS樹脂シート(2mm厚み)を
用い、その片面に接着剤としてアクリル系エマルジョン
(固形分30%)を200g/m2 となるようにナイフ
コータで塗布し、アップ法で電気植毛した(電圧3万
V、電極間距離10cm)。パイルの飛翔性には何の問
題もなく、良好に植毛を完了した。パイルの植毛密度は
140g/m2 であった。
【0032】植毛したものを、温浴槽で、精練助剤とし
てNaOH1.5%、トリポリリン酸0.2g/l、界
面活性剤2g/lをいれ60℃、10分の熱水処理を行
った。その後、湯水で十分洗浄して、シリコン系柔軟剤
を付与した。60℃で乾燥しつつパイル面を軽くブラッ
シングして仕上げた。
【0033】この加工仕上げ品は、樹脂シートと極細パ
イルが一体化したもので、パイル面は極細繊維特有の高
級感と柔らかな手触り感を備えたものであった。このも
のは、内装材、また、成型パネル材として最適のもので
ある。
【0034】比較例2 比較例1延伸糸をパイルとして、実施例3に準じたAB
S樹脂シートに植毛し、熱水処理した。パイル染色のた
め、95℃の温浴槽でキャリア染色を行った。 ◎ このものは、パイルがむら染めとなって、また、シ
ートが変形して商品価値のないものであった。
【0035】実施例4 ポリエーテル系ポリウレタンの接着剤を塗布したナイロ
ン6の210デニール−30フィラメント(黒の先染め
糸)を芯糸として、実施例2で得たパイルを電気植毛し
た(電圧3万V、電極間距離10cm)。パイルの飛翔
性には何の問題もなく良好に植毛を完了し、芯糸の周り
に接着剤を介してパイルが植毛された、いわゆるフロッ
キーヤーン(2500デニール)を得た。
【0036】次いで、このフロッキーヤーンをカセ取り
し、カセ染機に投入、精練助剤としてNaOH0.1
%、トリポリリン酸0.2g/l、界面活性剤2g/l
をいれ90℃、10分の熱水処理を行った。その後、十
分湯水洗し、柔軟剤を付与して仕上げた。これらの加工
工程でのパイル抜けは殆ど認められなかった。
【0037】この加工品は、極細繊維のフロッキーヤー
ンとして非常に特長のある光沢と柔らかなタッチをもつ
ものであった。このものは、熱水処理や仕上げなどの加
工をする前に織物や編物として、その後仕上げ加工を施
すことによって、高級感のあるインテリアのシートなど
に最適である。
【0038】
【発明の効果】本発明のパイル原糸を用いた電気植毛品
は、有機溶剤や薬剤を使用することなく、かつ低い温度
で加工でき以下の効果が得られる。
【0039】(1)特殊な加工装置も要らず、作業環境
上の安全衛生面の問題もなく、コスト的にも有利であ
る。 (2)基布、接着剤、パイルなどを何ら損傷することな
く仕上げられる。このため、素材の脆化による風合いの
硬化や、パイルのへたりなく加工品をえることができ
る。 (3)植毛後の染色が要らないので、通水性のない樹脂
シートへの植毛品が得られる。 (4)得られる加工品は、極細パイルの緻密性、均一性
があって、極細繊維特有の光沢と良好な手触り感のもの
となり、内装材、シート材、高級衣料用などに好適であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2成分以上からなる複合繊維で
    あって、熱水溶解性重合体成分と、原料着色された他の
    重合体成分からなり、前記熱水溶解性重合体成分の少な
    くとも一部が繊維表面を形成した可細化性繊維であるこ
    とを特徴とする電気植毛用パイル原糸。
  2. 【請求項2】可細化性繊維における熱水溶解性重合体の
    成分比率が40重量%以下であって、可細化性繊維を実
    質的に熱水で溶解処理し、熱水溶解性重合体を除去した
    後の繊維の単糸繊度が0.5d以下であることを特徴と
    する請求項1記載の電気植毛用パイル原糸。
  3. 【請求項3】熱水溶解性重合体成分が下記AまたはBの
    いずれかであることを特徴とする請求項1記載の電気植
    毛用パイル原糸。 A.主たる酸成分がテレフタル酸であって、他の酸成分
    は8〜15mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル
    酸、および5〜40mol%のイソフタル酸であり、主
    たるジオール成分がエチレングリコールよりなる共重合
    ポリエステルである共重合ポリエステル。 B.主たる酸成分がテレフタル酸であって、他の酸成分
    は1〜15mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル
    酸、および20mol%以下のイソフタル酸であり、主
    たるジオール成分がエチレングリコールとビスフェノー
    ルAのエチレンオキシド付加物よりなる共重合ポリエス
    テル。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいづれか1項の電気植毛用
    パイル原糸が植毛されてなる樹脂シート状物。
  5. 【請求項5】芯糸の周囲に請求項1〜3のいづれか1項
    の電気植毛用パイル原糸が植毛されてなるフロッキーヤ
    ーン。
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