JPH07173321A - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法

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JPH07173321A
JPH07173321A JP28245694A JP28245694A JPH07173321A JP H07173321 A JPH07173321 A JP H07173321A JP 28245694 A JP28245694 A JP 28245694A JP 28245694 A JP28245694 A JP 28245694A JP H07173321 A JPH07173321 A JP H07173321A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡倍率の変動が小さく、しかも従来発泡剤
として不適当と認識されていた無機ガスを発泡剤として
も良好な発泡粒子が得られるポリプロピレン系樹脂発泡
粒子の工業的に有利な製造方法を提供すること。 【構成】(i)無機物質を0.05重量%〜2重量%含
有するポリプロピレン系樹脂粒子を水性媒体中に分散さ
せる工程、(ii)前記ポリプロピレン系樹脂粒子をその
融点より20℃低い温度以上融解終了温度未満の温度に
加熱する工程、(iii)無機ガス発泡剤を導入し、前記
ポリプロピレン系樹脂粒子を加圧保持し、含浸させる工
程、(iv)無機ガス発泡剤を含有する二次結晶化した無
架橋ポリプロピレン系樹脂粒子と水性媒体との混合物
を、該樹脂の融点以上の温度かつ二次結晶が存在する温
度にある加圧帯域から水性媒体と共に低圧帯域に該加圧
帯域に無機ガスを導入しながら放出させて発泡させる工
程、を順次結合したことを特徴とするポリプロピレン系
樹脂発泡粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレン系樹脂発
泡粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、揮発性有機発泡剤を含有するポリ
プロピレン系樹脂粒子を水性媒体に分散させ、容器内の
圧力を発泡剤の蒸気圧又はそれ以上の圧力に保持しなが
ら樹脂の軟化温度以上に加熱した後、加圧容器内より低
圧の雰囲気に放出し発泡させる方法は知られている。こ
の場合、揮発性有機発泡剤としては、例えば、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、トリクロロフロロメタン、ジク
ロロジフロロメタン等が知られている。しかしながら、
この様な揮発性有機発泡剤は、発泡剤によつては毒性や
可燃性のため危険性を有し、また危険性という点ではさ
ほど問題にならないものであつても高価で実用上の問題
を含む上、さらには大気に放散された時にオゾン層を破
壊する等環境汚染の問題をも有するものであつた。その
上、これら揮発性有機発泡剤は重合体粒子を膨潤させる
ために、発泡時の発泡適性温度範囲が狭く、発泡温度の
発泡倍率に及ぼす影響が大であり、発泡倍率のコントロ
−ルが困難であるという問題があつた。
【0003】また、無架橋ポリプロピレン系樹脂を揮発
性有機発泡剤を用いて発泡させる場合、得られる発泡粒
子の成形性に難点がある。即ち、この発泡粒子の成形体
は、低密度で吸水率が小さく、しかも収縮率の小さい寸
法安定性に優れた成形体が得られる場合もある反面、収
縮率の大きい成形体しか得られない場合もあり、必ずし
も安定して良好な成形体が得難いという問題点を有して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の実情に鑑みなされたものであって、発泡倍率の変動
が小さく、しかも従来発泡剤として不適当と認識されて
いた無機ガスを発泡剤としても良好な発泡粒子が得られ
るポリプロピレン系樹脂発泡粒子の工業的に有利な製造
方法を提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術に
見られるこれらの問題を解決すべく鋭意研究した結果、
無架橋ポリプロピレン系樹脂に無機物質を0.05重量
%〜2重量%含有させると共に製造工程に若干の工夫を
加えることにより、従来発泡剤としてはまつたく考慮さ
れなかつた無機ガスを発泡剤として使用しても、発泡倍
率が向上することを見い出した。更に、無架橋ポリプロ
ピレン系樹脂から得られる予備発泡粒子を用いた場合の
成形性に与える影響が樹脂の二次結晶化と関係すること
を見出した。即ち、本発明によれば、ポリプロピレン系
樹脂発泡粒子の製造方法であって、(i)無機物質を
0.05重量%〜2重量%含有するポリプロピレン系樹
脂粒子を水性媒体中に分散させる工程、(ii)前記ポリ
プロピレン系樹脂粒子をその融点より20℃低い温度以
上融解終了温度未満の温度に加熱する工程、(iii)無
機ガス発泡剤を導入し、前記ポリプロピレン系樹脂粒子
を加圧保持し、含浸させる工程、(iv)無機ガス発泡剤
を含有する二次結晶化した無架橋ポリプロピレン系樹脂
粒子と水性媒体との混合物を、該樹脂の融点以上の温度
かつ二次結晶が存在する温度にある加圧帯域から水性媒
体と共に低圧帯域に該加圧帯域に無機ガスを導入しなが
ら放出させて発泡させる工程、を順次結合したことを特
徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法が提
供される。
【0006】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の
製造工程は下記の(i)〜(iv)の工程を順次結合した
ことからなる。(i)無機物質を0.05重量%〜2重
量%含有するポリプロピレン系樹脂粒子を水性媒体中に
分散させる工程、(ii)前記ポリプロピレン系樹脂粒子
をその融点より20℃低い温度以上融解終了温度未満の
温度に加熱する工程、(iii)無機ガス発泡剤を導入
し、前記ポリプロピレン系樹脂粒子を加圧保持し、含浸
させる工程、(iv)無機ガス発泡剤を含有する二次結晶
化した無架橋ポリプロピレン系樹脂粒子と水性媒体との
混合物を、該樹脂の融点以上の温度かつ二次結晶が存在
する温度にある加圧帯域から水性媒体と共に低圧帯域に
該加圧帯域に無機ガスを導入しながら放出させて発泡さ
せる工程、が提供される。
【0007】(i)の工程に用いる無架橋ポリプレピレ
ン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン
−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブ
ロツク共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合
体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等
が挙げられるが、本発明の場合、殊にプロピレン−エチ
レンランダム共重合体、特にエチレン分が1重量%以上
10重量%未満のものが発泡性の点で好適に用いられ
る。
【0008】本発明で発泡原料として用いるポリプロピ
レン系樹脂粒子は、従来公知の方法に従つて、ポリプロ
ピレン系樹脂を粒子状に成形することにより得られる
が、本発明の場合、その際、助剤として無機物質を添加
する。この場合の無機物質の添加方法としては、樹脂粒
子中に無機物質を含有させ得る方法であれば任意の方法
が採用し得るが、一般には、樹脂と無機物質とを溶融混
練し、粒子状に成形する方法、あらかじめ多量の無機物
質を含有させた樹脂ペレツトと無機物質を含まない樹脂
ペレツトとを、溶融混練し、粒子状にペレツト化する方
法等が挙げられる。
【0009】本発明で用いる無機物質としては、一般的
には樹脂に対する充填剤として知られている種々の無機
物質を用いることができ、このようなものとしては、例
えば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム等の無機水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、炭酸バリウム等の無機炭酸塩、亜硫酸カ
ルシウム、亜硫酸マグネシウム等の無機亜硫酸塩、硫酸
カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の
無機硫酸塩、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化
ケイ素等の無機酸化物、タルク、クレ−、カオリン、ゼ
オライト等の粘土又は天然鉱物等が挙げられる。本発明
の場合、二次成形性の特に良好な発泡粒子を得るには、
水酸化アルミニウムのような無機水酸化物、炭酸カルシ
ウムのような無機炭酸塩の使用が有利である。本発明で
用いる無機物質の粒径は、特に制約されないが、一般に
は、0.1〜150μm、好ましくは1〜100μmで
ある。また、樹脂粒子中における無機物質の含量は、
0.05重量%〜2重量%、好ましくは0.1重量%〜
1重量%である。無機物質を余りにも多量用いると、得
られる発泡粒子の気泡が微細になりすぎ、発泡成形性
(寸法精度)や発泡成形時の発泡粒子相互の融着性が悪く
なり、一方、少なすぎると本発明の効果が得られなくな
る。
【0010】本発明で発泡原料として用いる前記無機物
質含有樹脂粒子の粒径は、一般的には、0.3〜5m
m、好ましくは0.5〜3mm程度である。
【0011】本発明においては、前記ポリプロピレン系
樹脂粒子の加熱時における融着を防止するために、樹脂
粒子融着防止剤を用いることができる。この樹脂粒子融
着防止剤は、実質的に非水溶性でかつ加熱時において非
溶融性のものであれば、有機及び無機系を問わず使用可
能であるが、一般には無機系のものの使用が好ましい。
代表的な融着防止剤の例を示すと、例えば、酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸
マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウム等が挙
げられる。このような融着防止剤は、通常、粒径0.0
01〜100μm、好ましくは0.001〜30μmの
微粒子状で用いられる。この融着防止剤の添加量は、樹
脂粒子100重量部に対し、通常、0.01〜10重量
部の範囲で水性媒体中に添加する。
【0012】前記(ii)の工程は(i)の工程で得られ
たポリプロピレン系樹脂粒子をその融点より20℃低い
温度(融点−20℃)以上融解終了温度未満の温度に加
熱する工程からなる。
【0013】前記(iii)の工程は、(ii)の加熱工程
の後に無機ガス発泡剤を導入して、ポリプロピレン系樹
脂粒子を加圧保持し、含浸させることからなる。すなわ
ち、本発明において、二次結晶を含む発泡性樹脂粒子を
得るには、一般には、耐圧容器内において、樹脂粒子を
その融解終了温度以上に昇温することなく、融点より約
20℃低い温度(融点−20℃)以上、融解終了温度未
満の温度に充分な時間、通常5〜90分間、好ましくは
15〜60分間程度保持すればよい。
【0014】本発明における発泡剤としては、無機ガス
発泡剤が用いられる。無機ガス発泡剤としては、例え
ば、窒素、空気、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウム等の種
々の常温ガス状の無機物質が挙げられる。本発明で用い
る無機ガスの容器内圧力は高圧程好ましいが、一般に
は、100kg/cm2G以下の圧力で加圧するのが発
泡時の粒子の変形などの面で好ましく、通常は70kg
/cm2G以下の加圧が好ましい。また、この無機ガス
による加圧は、少なくとも15kg/cm2G、好まし
くは20kg/cm2G以上である。無機ガスにより加
圧する時間は、加圧する圧力によつても変るが、樹脂の
融点以上においては数秒〜1時間程度であり、通常は、
5〜30分程度で十分である。なお、本発明の目的を損
なわない範囲でかかる無機ガスに揮発性有機発泡剤を併
用しても構わない。揮発性有機発泡剤としては、例えば
プロパン、ブタン、ペンタン、ジクロロジフロロメタ
ン、トリクロロフロロメタン等が挙げられる。
【0015】前記(iv)の工程は、無機ガス発泡剤を含
有する二次結晶化した無架橋ポリプロピレン系樹脂粒子
と水性媒体との混合物と、該樹脂の融点以上の温度かつ
二次結晶が存在する温度にある加圧帯域から水性媒体と
共に低圧帯域に該加圧帯域に無機ガスを導入しながら放
出させて発泡させることからなる。
【0016】本発明の方法を実施するには、耐圧容器内
に、前記した無機物質含有ポリプロピレン系樹脂粒子、
融着防止剤、及び水性媒体(通常は水)を配合し、ついで
無機ガス発泡剤を導入し、加圧保持した後、発泡温度ま
で加熱した後、容器内容物をその加圧帯域から低圧帯域
(通常は大気圧)に該加圧帯域に無機ガスを導入しながら
放出させ、発泡剤を含有する樹脂粒子を発泡させる。
【0017】この場合、加圧帯域への無機ガスの導入は
圧力15〜100kg/cm2G、好ましくは20〜7
0kg/cm2Gである。この加圧帯域への無機ガスの
導入によって無機ガスを発泡剤として使用しないものよ
りも、はるかに良好に、樹脂粒子の放出の間、得られる
発泡粒子の発泡倍率が変動しないといった、好ましい結
果が得られる。発泡温度は、一般的には、樹脂の軟化点
以上の温度である。なお、本明細書でいう樹脂の軟化点
とは、ASTM‐D648において、荷重4.6kg/
cm2の条件で求められたものである。
【0018】本発明において、容器内容物を高圧帯域か
ら低圧帯域へ放出させる場合の内容物に含まれる無架橋
ポリプロピレン発泡性樹脂粒子中には、二次結晶が存在
する。この二次結晶の存在する発泡性樹脂粒子は、成形
性の良好な発泡粒子を与える。
【0019】なお、樹脂粒子中における二次結晶の存在
は、樹脂発泡粒子の示差走査熱量測定によつて得られる
DSC曲線によつて判定することができる。この場合、
樹脂発泡粒子の示差走査熱量測定によつて得られるDS
C曲線とは、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子1〜3mg
を示差走査熱量計によつて10℃/分の昇温速度で22
0℃まで昇温したときに得られるDSC曲線であり、例
えば、試料を室温から220℃まで10℃/分の昇温速
度で昇温した時に得られるDSC曲線を第1回のDSC
曲線とし、次いで220℃から10℃/分の降温速度で
40℃付近まで降温し、再度10℃/分の昇温速度で2
20℃まで昇温した時に得られるDSC曲線を第2回の
DSC曲線とし、これらのDSC曲線から固有ピ−ク、
高温ピ−クを求めることができる。また、この場合、固
有ピ−クとは、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹
脂の、いわゆる融解時の吸熱によるものであると考えら
れる。この固有ピ−クは第1回目のDSC曲線にも第2
回目のDSC曲線にも現われ、ピ−ク頂点の温度は第1
回目と第2回目で多少異なる場合があるが、その差は5
℃未満、通常は2℃未満である。
【0020】一方、高温ピ−クとは、第1回目のDSC
曲線で上記固有ピ−クより高温側に現われる吸熱ピ−ク
である。樹脂粒子中における二次結晶の存在は、DSC
曲線にこの高温ピ−クが現われるか否かで判定され、実
質的な高温ピ−クが現われない場合には、樹脂中には二
次結晶が存在しないものと判定される。本発明の場合、
前記第2回目のDSC曲線に現われる固有ピ−クの温度
と第1回目のDSC曲線に現われる高温ピ−クの温度と
の差は大きいことが望ましく、第2回目のDSC曲線の
固有ピ−クの頂点の温度と高温ピ−クの頂点の温度との
差は5℃以上、好ましくは10℃以上である。
【0021】次に、発泡粒子に関し、示差走査熱量測定
によって得られるそのDSC曲線を図面に示す。図1は
二次結晶を含有する発泡粒子に関するもので、図2は二
次結晶を含有しない発泡粒子に関するものである。図1
及び図2において、曲線1及び曲線2は、試料としての
発泡粒子を測定(第1回目の測定)することによつて得
られたDSC曲線を示し、曲線1′及び2′は第1回目
の測定後の試料を再び測定(第2回目の測定)すること
によつて得られるDSC曲線を示す。図1と図2を対比
してわかるように、二次結晶を含有する発泡粒子の場
合、第1回目の測定結果を示す曲線1においては、固有
ピ−クBの他に、高温ピ−クAが現われ、この高温ピ−
クAの存在により、発泡粒子に二次結晶が存在すること
が確認される。一方、二次結晶を含有しない発泡粒子の
場合、第1回目の測定結果を示す曲線2においては、固
有ピ−クbが現われるのみで、高温ピ−クは現われず、
発泡粒子には二次結晶が含まれないことが確認される。
第2図の発泡粒子に二次結晶が存在しない理由は、原料
未発泡粒子が、二次結晶化促進温度(融点〜融解終了温
度未満)において十分な時間熱処理を受けず、融解終了
温度以上の温度で発泡されたことによる。なお、2回目
の測定においては、第1図及び第2図の発泡粒子にも高
温ピ−クは現われず、固有ピ−クB′、b′のみが現わ
れる。
【0022】本発明において、前記したように二次結晶
を含む発泡性樹脂粒子を得るには、一般には、耐圧容器
内において、樹脂粒子をその融解終了温度以上に昇温す
ることなく、融点より約20℃低い温度(融点−20
℃)以上、融解終了温度未満の温度に充分な時間、通常
5〜90分間、好ましくは15〜60分間程度保持すれ
ばよい。また、このようにして二次結晶化した発泡性樹
脂粒子を発泡させる場合、発泡温度は融解終了温度以上
であつても、前記高温ピ−ク以下の温度であれば成形性
の良好な発泡粒子を得ることができる。
【0023】本発明における発泡温度は、前記したよう
に、一般的には、樹脂の軟化点以上の温度であるが、発
泡剤として無機ガスを単独で用いる場合、樹脂の融点以
上、樹脂の融点より約20℃高い温度以下、好ましくは
樹脂の融点以上、樹脂の融点より約18℃高い温度以下
であり、揮発性有機発泡剤と無機ガスを併用する場合、
樹脂の融点より約5℃低い温度以上、樹脂の融点より約
18℃高い温度以下、好ましくは樹脂の融点より約3℃
低い温度以上、樹脂の融点より約16℃高い温度以下で
ある。
【0024】なお、本明細書でいう樹脂の融点とは、D
SC法にて約6mgのサンプルを10℃/分の速度で2
20℃まで昇温し、その後10℃/分で約50℃まで降
温し、再度220℃まで昇温した時に得られる吸熱曲線
のピ−クの温度であり、また、樹脂の融解終了温度と
は、その第2回目の吸熱曲線の終了温度を意味する。
【0025】
【効果】本発明の方法は、前記構成であり、無機ガス発
泡剤を含有する二次結晶化した無架橋ポリプロピレン系
樹脂粒子に無機物質を少量含有させると共に、特定な工
程を順次組み合わせたことにより、発泡倍率の変動も小
さくなり、その上、従来発泡剤として不適当と考えられ
ていた無機ガスを発泡剤として使用しても良好な発泡粒
子が得られる。また二次結晶化した無架橋ポリプロピレ
ン系樹脂を高圧帯域から低圧帯域へ放出させて発泡させ
ることによって、成形性の良好な発泡粒子が得られる。
従って本発明により得られる発泡粒子は、それ自体で緩
衝材等として利用されるが、通常、発泡成形用の予備発
泡粒子として用いるのが好ましく、金型に充填し、加熱
発泡させることにより、発泡成形体を与える。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0027】実施例1 水酸化アルミニウム(粒径:約8.0μm)を0.3重
量%含有するプロピレン系樹脂100重量部と微粒子状
の酸化アルミニウム0.3重量部と水300重量部を密
閉容器内に配合し、内容物を撹拌しながら融解終了温度
以上にならないようにして昇温し、145℃に30分間
保持した後、156℃に昇温し、次いで、表1に示す圧
力の窒素ガスで加圧し、この温度に30分間保持した。
その後、容器内を窒素ガスで加圧して圧力を一定に保持
しながら、容器の一端から内容物を大気圧中に放出して
樹脂粒子を発泡させた。得られた発泡粒子の嵩倍率を表
1に示す。
【0028】
【表1】 * 比較例を示す(無機物質無添加)。
【0029】実施例2 表2に示す種々の無機物質含有二次結晶化無架橋ポリプ
ロピレン系樹脂ペレツト100部と微粒状酸化アルミニ
ウム0.3重量部と水300重量部を密閉容器内に配合
し、撹拌しながら昇温し、融解終了温度以上に昇温する
ことなく、表2に示す予備熱処理に付した後、発泡温度
に昇温し、表2に示す無機ガスにて加圧保持して発泡熱
処理を行い、次いで容器の一端を開放して発泡を行つ
た。次に、このようにして得られた発泡粒子を、1.2
kg/cm2Gの粒子内圧を空気にてもたせ、成形金型
に充填し、3.2kg/cm2Gの蒸気圧で成形を行つ
た。このようにして得られた成形体を検査し、発泡粒子
の成形性を評価した。
【0030】表2(1)及び(2)に、発泡粒子の製造
条件と、得られた発泡粒子の性状をそれぞれ示す。な
お、表2(1)及び(2)において示す各符号は次のこ
とを意味する。 (1) 樹脂: E/P(3.2)・・・エチレン/プロピレンランダム
共重合体(エチレン成分3.2重量%、融点141℃、
融解終了温度154℃) B/P(20)・・・・1−ブテン/プロピレンランダ
ム共重合体(1−ブテン成分20重量%、融点142
℃、融解終了温度152℃) (2) 発泡粒子: 気泡径 ○・・・0.05mm以上 △・・・0.005〜0.05mm未満 ×・・・0.005mm未満 (3) 成形性: (イ) 寸法精度 ○・・・面方向の収縮率3%以下 △・・・面方向の収縮率3〜4%未満 ×・・・面方向の収縮率4%以上 (ロ) 融着性 ○・・・材質破壊が60%以上 △・・・材質破壊が40〜60%未満 ×・・・材質破壊が40%未満
【0031】
【表2−(1)】
【0032】
【表2−(2)】
【図面の簡単な説明】
【図1】二次結晶の存在する発泡粒子についてのDSC
曲線
【図2】二次結晶の存在しない発泡粒子についてのDS
C曲線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方
    法であって、 (i)無機物質を0.05重量%〜2重量%含有するポ
    リプロピレン系樹脂粒子を水性媒体中に分散させる工
    程、 (ii)前記ポリプロピレン系樹脂粒子をその融点より2
    0℃低い温度以上融解終了温度未満の温度に加熱する工
    程、 (iii)無機ガス発泡剤を導入し、前記ポリプロピレン
    系樹脂粒子を加圧保持し、含浸させる工程、 (iv)無機ガス発泡剤を含有する二次結晶化した無架橋
    ポリプロピレン系樹脂粒子と水性媒体との混合物を、該
    樹脂の融点以上の温度かつ二次結晶が存在する温度にあ
    る加圧帯域から水性媒体と共に低圧帯域に該加圧帯域に
    無機ガスを導入しながら放出させて発泡させる工程、を
    順次結合したことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発
    泡粒子の製造方法。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60221440A (ja) * 1984-04-19 1985-11-06 Badische Yuka Co Ltd プロピレン系樹脂発泡体粒子の製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60221440A (ja) * 1984-04-19 1985-11-06 Badische Yuka Co Ltd プロピレン系樹脂発泡体粒子の製造方法

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