JP2874772B2 - 重合体発泡粒子の製造法 - Google Patents

重合体発泡粒子の製造法

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JP2874772B2 JP1307868A JP30786889A JP2874772B2 JP 2874772 B2 JP2874772 B2 JP 2874772B2 JP 1307868 A JP1307868 A JP 1307868A JP 30786889 A JP30786889 A JP 30786889A JP 2874772 B2 JP2874772 B2 JP 2874772B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は重合体発泡粒子の製造法に関する。
〔従来の技術〕
従来、揮発性発泡剤を含有せしめた重合体粒子を密閉
容器内で水等の分散媒に分散させ、容器内圧力を発泡剤
の蒸気圧以上に保持しつつ重合体粒子の軟化温度以上の
温度に加熱し、次いで容器の一端を開放して重合体粒子
と分散媒とを容器内よりも低圧の雰囲気下に放出するこ
とにより重合体粒子を発泡させる方法は知られている。
この方法において用いられる揮発性発泡剤としては、例
えばプロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素類や、ト
リクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン等のハ
ロゲン化炭化水素類が用いられている。しかしながら、
これら揮発性発泡剤として使用されている化合物は、毒
性や可燃性等の危険性を有していたり、フロン類のよう
にオゾン層破壊という問題を有していたり、或いは危険
性や環境破壊という点ではそれほど問題を有さなくと
も、高価で実用的でない等の問題のいずれかを有するも
のが殆どであった。また揮発性発泡剤は重合体粒子を膨
潤させるために発泡時の発泡適正温度範囲が狭くなり、
このため発泡温度の発泡倍率に及ぼす影響が大となり、
発泡倍率のコントロールが困難となるという問題もあっ
た。
このような問題を解決するために多くの研究がなさ
れ、本出願人が先に提案した方法にも開示されているよ
うに二酸化炭素等の無機ガスを発泡剤として用いた重合
体粒子の発泡を行うことができるもことも知られて来た
(例えば特公昭62−61227号公報、特開昭61−2741号公
報、特開昭61−4738号公報等)。
〔発明が解決しようとする課題〕
本出願人による上記各公報に示されているように、二
酸化炭素等の無機ガスを発泡剤として用いて重合体発泡
粒子を得ることは可能である。しかしながら、揮発性発
泡剤を二酸化炭素に単に置き換えただけでは実験室規模
程度の少量の発泡であれば問題はないが、工業的規模で
大量に発泡しようとすると、発泡を始めてからの時間が
経過するにつれて発泡倍率が低下し、例えば発泡初期に
20〜30倍程の発泡倍率であったものが、発泡終了近くで
は10倍程度にまで発泡倍率が低下し、発泡倍率のバラツ
キが非常に大きなものとなる等、工業的規模で生産する
場合には解決しなければならない幾つかの問題があっ
た。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、
二酸化炭素を発泡剤として用いて工業的規模で重合体発
泡粒子を製造した場合にも、高発泡倍率で、しかも発泡
倍率のバラツキの少ない重合体発泡粒子を得ることので
きる重合体発泡粒子の製造法を提供することを目的とす
るものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研究した結
果、重合体粒子として無機物を含有するものを用いると
ともに、二酸化炭素と無機ガスとの混合ガスで背圧をか
けながら重合体粒子と分散媒とを容器内よりも低圧の雰
囲気下に放出して発泡させることにより、高発泡倍率で
発泡倍率のバラツキの少ない発泡粒子を容易に得ること
ができることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、 (1) 無機物を含有する重合体粒子を二酸化炭素の存
在下において密閉容器内で分散媒に分散せしめ、前記粒
子が軟化する温度以上の温度に加熱して前記粒子に二酸
化炭素を含浸させ、次いで容器内の二酸化炭素の蒸気圧
以上の圧力を持つ二酸化炭素と無機ガスとからなる混合
ガスにより背圧をかけながら重合体粒子と分散媒とを容
器内よりも低圧の雰囲気下に放出して重合体粒子を発泡
させることを特徴とする重合体発泡粒子の製造法。
(2) 無機物を含有する重合体粒子を二酸化炭素の存
在下において密閉容器内で分散媒に分散せしめ、前記粒
子が軟化する温度以上の温度に加熱して前記粒子に二酸
化炭素を含浸させ、次いで容器内の二酸化炭素の蒸気圧
以上の圧力を持つ無機ガスまたは二酸化炭素と無機ガス
とからなる混合ガスを容器内に供給して発泡温度に保持
した後、容器内の二酸化炭素の蒸気圧以上の圧力を持つ
二酸化炭素と無機ガスとからなる混合ガスにより背圧を
かけながら重合体粒子と分散媒とを容器内よりも低圧の
雰囲気下に放出して重合体粒子を発泡させることを特徴
とする重合体発泡粒子の製造法。
(3) 二酸化炭素:無機ガスの混合比率が、重量比で
3:7〜9.5:0.5である混合ガスにより背圧をかけながら重
合体粒子と分散媒とを容器内よりも低圧の雰囲気下に放
出して発泡することを特徴とする請求項1または請求項
2記載の重合体発泡粒子の製造法。
を要旨とするものである。
本発明において用いる重合体粒子としては、プロピレ
ン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合
体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレ
ン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−
ブテンランダム共重合体等のプロピレン系重合体、高密
度ポリエチレン、エチレンと少量のα−オレフィン(炭
素数4、6、8等)との共重合体である直鎖状低密度ポ
リエチレン等のエチレン系共重合体等が挙げられる。こ
れらのうち、殊にプロピレン−エチレンランダム共重合
体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン
−エチレン−ブテンランダム共重合体等のプロピレン系
重合体、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。これら
の重合体は架橋したものであっても良いが、無架橋のも
のが特に好ましい。
本発明においては、二酸化炭素を含浸させる重合体粒
子として、無機物を含有する重合体粒子を用いる。この
無機物としては例えば、水酸化アルミニウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム等の無機水酸化物、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムの無機炭
酸塩、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム等の無機
亜硫酸塩、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マ
ンガン、硫酸ニッケル等の無機硫酸塩、酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の無機酸化物、塩
化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の
無機塩化物、硼砂、タルク、クレー、カオリン、ゼオラ
イト等の粘土又は天然鉱物等が挙げられる。これらのう
ちでも二次成型性が特に良好な発泡粒子が得られる、硫
酸マンガン、硫酸ニッケル、塩化ナトリウム、塩化マグ
ネシウム、塩化カルシウム、硼砂等の水溶性無機塩の使
用が好ましい。これら無機物は重合体粒子の造粒時に添
加しておけば良い。無機物は通常、粉粒体として添加さ
れるが粒径は特に限定されない。しかしながら、一般
に、粒径0.1〜150μm、特に1〜100μmのものを用い
ることが好ましい。これら無機物は、重合体粒子中の含
有量が0.01〜2重量%、特に0.1〜1重量%となるよう
に添加することが好ましい。無機物を大過剰に含有せし
めると、得られる発泡粒子の気泡が微細になりすぎ、発
泡成型性(寸法精度)や発泡成型時の発泡粒子相互の融
着性が悪くなり易い。一方、無機物の添加量が少なすぎ
ると本発明の効果が得られなくなる。
上記無機物を含有する重合体粒子としては、一般に粒
径が0.3〜5mm、特に0.5〜3mmのものが好ましい。重合体
粒子に上記の如き無機物を含有することにより、二酸化
炭素が粒子中に含浸され易くなるとともに、後述する二
次結晶化を促進することができ、発泡倍率の高い発泡粒
子を容易に得ることができる。
本発明において重合体粒子に二酸化炭素を含浸させる
工程は、重合体粒子を密閉容器内で分散媒に分散させる
工程において同時に行う。この場合には、二酸化炭素は
分散媒に一旦溶解又は分散した後に重合体粒子に含浸さ
れる。二酸化炭素は、密閉容器中に重合体粒子と二酸化
炭素及び分散媒を入れて撹拌しながら加熱、加圧する等
の方法により重合体粒子中に含浸される。二酸化炭素は
気体状又は液体状で使用しても、ドライアイスの如く固
体状で使用しても良い。二酸化炭素の使用量は通常、重
合体粒子100重量部当たり、5〜50重量部が好ましい。
分散媒としては重合体粒子を溶解しないものであれば
良く、このような分散媒として例えば、水、エチレング
リコール、グリセリン、メタノール、エタノール等が挙
げられるが、通常は水が使用される。
二酸化炭素の存在下で重合体粒子を分散媒に分散せし
めて加熱するに際し、重合体粒子の融着を防止するため
に融着防止剤を用いることができる。融着防止剤として
は水等の分散媒に溶解せず、加熱によって溶融しないも
のであれば無機系、有機系を問わず使用可能であるが、
一般には無機系のものが好ましい。無機系の融着防止剤
としては、リン酸三カルシウム、ピロリン酸マグネシウ
ム等が挙げられ、これらと乳化剤とを併用して添加する
ことが好ましい。乳化剤としてはドデシルベンゼンスル
フォン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等のアニオ
ン系界面活性剤が好適である。上記融着防止剤としては
粒径0.001〜100μm、特に0.001〜30μmのものが好ま
しい。融着防止剤の添加量は重合体粒子100重量部に対
し、通常は0.01〜10重量部が好ましい。また乳化剤は重
合体粒子100重量部当たり、通常、0.001〜5重量部添加
することが好ましい。
本発明方法において、二酸化炭素が含浸された発泡性
の重合体粒子中には二次結晶が存在することが好まし
い。この二次結晶が存在する発泡性の重合体粒子より得
られた発泡粒子は成型性が優れたものとなる。特に重合
体粒子が無架橋のポリプロピレン系樹脂や無架橋の直鎖
状低密度ポリエチレン系樹脂の場合、発泡性重合体粒子
中に二次結晶が存在していることが有利である。二次結
晶の存在は、得られる発泡樹脂粒子の示差走査熱量測定
によって得られるDSC曲線に、重合体の所謂融解時の吸
熱に起因する固有ピークよりも高温側の高温ピークが現
れるか否かによって判定することができる。固有ピーク
と高温ピークとは、同一のサンプルの示差走査熱量測定
を2回行うことによって判定できる。この方法では、ま
ずサンプル(重合体発泡粒子)1〜3mgを示差走査熱量
計によって10℃/分で220℃まで昇温測定して第1回目
のDSC曲線を得、次いで220℃から40℃付近まで10℃/分
の速度で降温し、再度10℃/分で220℃まで昇温測定し
て第2回目のDSC曲線を得る。このようにして得た2つ
のDSC曲線を比較して固有ピークと高温ピークとを判別
することができる。固有ピークとは、重合体発泡粒子の
所謂融解に伴う吸熱ピークであるから、第1回目のDSC
曲線にも第2回目のDSC曲線にも現れるピークであり、
ピークの頂点の温度は第1回目と第2回目とで多少異な
る場合もあるが、その差は5℃未満、通常は2℃未満で
ある。一方、高温ピークとは、第1回目のDSC曲線にお
いて上記固有ピークよりも高温側に現れる吸熱ピークで
ある。二次結晶の存在はこの高温ピークが現れることに
よって確認され、実質的な高温ピークが現れない場合に
は二次結晶が存在しないものと判定される。上記2つの
DSC曲線において第2回目のDSC曲線に現れる固有ピーク
の頂点の温度と、第1回目のDSC曲線に現れる高温ピー
クの頂点の温度との差は大きいことが望ましく、両者の
温度差は5℃以上、特に10℃以上が好ましい。
第1図、第2図は発泡粒子の示差走査熱量測定によっ
て得られたDSC曲線を示し、第1図は二次結晶を含む発
泡粒子のもの、第2図は二次結晶を含まない発泡粒子の
ものである。第1図、第2図において、曲線1及び2は
第1回目の測定によって得られたDSC曲線であり、曲線
1′、2′は第2回目の測定によって得られたDSC曲線
を示す。第1図に示すように、二次結晶を含有する発泡
粒子では、第1回目の測定によって得られた曲線1にお
いては固有ピークBの他に、第2回目の測定によって得
られた曲線1′にはない高温ピークAが現れており(第
2回目の測定で得られた曲線1′には固有ピークB′の
みが現れる。)、この高温ピークAの存在によって二次
結晶の存在が確認される。一方、二次結晶を含有しない
発泡粒子では、第2図に示すように曲線2、曲線2′の
いずれにも固有ピークb、b′が現れるのみで高温ピー
クは現れず、このことから二次結晶が存在しないことが
確認される。第2図に示す発泡粒子のように、二次結晶
の存在が認められない粒子が得られるのは、二次結晶化
促進温度(融点〜融解終了温度)において充分な時間、
熱処理を受けず、融解終了温度以上の温度で発泡された
ような場合である。一方、曲線1で示されるような二次
結晶を有する発泡粒子は、無架橋のポリプロピレン系樹
脂の場合では、一般に耐圧容器内において重合体粒子を
その融解終了温度以上に昇温することなく、融点−20℃
程度以上、融解終了温度未満の温度において充分な時
間、通常5〜90分間、好ましくは10〜60分間保持するこ
とによりにより得ることができる。またこのような温度
に保持して二次結晶を形成せしめた粒子の場合、重合体
粒子を容器内よりも低圧雰囲気下に放出して発泡させる
際の発泡温度(放出時の温度)は融解終了温度以上であ
っても、前記高温ピーク以下の温度であれば成型性の良
好な発泡粒子を得ることができる。また無架橋の直鎖状
低密度ポリエチレンの場合、一般には耐圧容器内で樹脂
粒子をその融解終了温度以上に加熱することなく、融点
−15℃程度以上、融解終了温度未満の温度にて充分な時
間、通常5〜90分間、好ましくは5〜30分間保持すれば
良い。
尚、上記温度保持においては、温度管理のし易すさか
らいって、複数回に分割して行うことが望ましい。この
場合、先の保持温度より後の保持温度を高くする方法が
採用される。この場合、最終の保持温度を発泡温度とす
ることが望ましい。
本発明方法において、二酸化炭素を含浸せしめた重合
体粒子を容器内より低圧の雰囲気下に放出して発泡せし
める発泡温度は、重合体粒子の軟化温度以上の温度であ
るが、特に融点付近の温度が好ましい。好適な発泡温度
範囲は樹脂の種類によっても異なり、例えば無架橋ポリ
プロピレン系樹脂の場合、融点−5℃以上、融点+15℃
以下、特に融点−3℃以上、融点+10℃以下が好まし
い。またポリエチレン系樹脂の場合、融点−10℃以上、
融点+5℃以下が好ましい。また発泡温度にまで加熱す
る際の昇温速度は1〜10℃/分、特に2〜5℃/分が好
ましい。
尚、本発明において上記樹脂の融点とは示差走査熱量
計によってサンプル約6mgを10℃/分の昇温速度で220℃
まで加熱し、その後10℃/分の降温速度で約50℃まで冷
却し、再度10℃/分の速度で220℃まで昇温した時に得
られるDSC曲線における吸熱ピーク(固有ピーク)の頂
点の温度である。また融解終了温度とは上記の如き測定
によって得られる2回目のDSC曲線の吸熱ピーク(固有
ピーク)における融解終了温度を意味する。また重合体
粒子の軟化温度とは、ASTM−D−648法において、荷重
4.6kg/cm2の条件で求めた軟化温度を意味するものであ
る。
発泡性の重合体粒子は密閉容器内において、容器内で
発泡しないような圧力、一般には5kg/cm2・G以上の圧
力に加圧保持されている必要がある。
従来の二酸化炭素発泡剤を用いた重合体粒子の発泡法
においては、重合体粒子を発泡温度でしばらく保持した
後、容器内の圧力を二酸化炭素発泡剤の蒸気圧以上の圧
力に保持しながら窒素ガスにより背圧をかけて重合体粒
子を容器内から放出発泡させることにより発泡倍率の安
定化を図ろうとしている。
しかしながら、二酸化炭素を発泡剤として用いた場合
には、従来の発泡法のように窒素ガスのみによって背圧
をかけながら発泡性の重合体粒子を容器内よりも低圧の
雰囲気下に放出発泡すると、得られる発泡粒子の発泡倍
率が放出開始からの時間が経過するほど大きく低下す
る。本発明方法では二酸化炭素と無機ガスとの混合ガス
によって背圧をかけながら発泡を行うことにより、この
ような問題を解決し得たものである。本発明方法では放
出発泡時に背圧をかけるために容器内に供給する混合ガ
スにおける無機ガスとは二酸化炭素以外の無機ガスを意
味し、例えば、窒素、空気、アルゴン等が用いられる。
二酸化炭素とこれらの無機ガスとの混合比率は、重量比
で二酸化炭素:無機ガス=3:7〜9.5:0.5が好ましい。こ
の混合ガスは、重合体粒子を放出する工程中を通して発
泡前の容器内の二酸化炭素の蒸気圧以上の圧力となるよ
うに供給するものである。この混合ガスの圧力が容器内
の二酸化炭素の蒸気圧未満の場合には、得られる発泡粒
子の発泡倍率は、その圧力の大小に応じて徐々に低下す
ることとなる。背圧をかけるために供給する混合ガスの
圧力は、二酸化炭素と無機ガスとの混合比が上記の範囲
である場合、10〜50kg/cm2・Gが好ましい。
本発明においては、容器内で重合体粒子に二酸化炭素
を含浸させ、次いで容器内の二酸化炭素の蒸気圧以上の
圧力を持つ無機ガスまたは二酸化炭素と無機ガスとから
なる混合ガスを容器内に供給して発泡温度に保持した後
に、上記のごとく重合体粒子を発泡させることが好まし
い。ここでいう無機ガスとは前記背圧の所で説明したと
同じ様に二酸化炭素とは区別されるものである。この無
機ガスとしては前記背圧の所で例示したものと同様のも
のが例示される。この方法では、無機ガスまたは二酸化
炭素と無機ガスとの混合ガスは、容器内を発泡温度とし
た直後に供給することが望ましい。この法において最も
望ましい態様は、容器内を発泡温度とした直後から前記
背圧をかけ始め、そのままの状態でしばらく保持して発
泡粒子中に背圧で使用される混合ガスを更に含浸させ、
その後、容器内の圧力を前記背圧に等しい圧力に保持し
ながら発泡性粒子を容器外に放出する方法である。この
様にして重合体粒子を発泡させると、得られる発泡粒子
の発泡倍率を向上させることができると共に無機ガスと
して酸素を含むような場合であっても重合体粒子ひいて
は得られる発泡粒子の酸化劣化を極力防止できる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜4 押出機内にてプロピレン−エチレンランダム共重合体
(エチレン成分2.3重量%、融解終了温度165℃)に、硼
砂(Na2B4O7・10H2O)(平均粒径50μm)を0.2重量%
となるように添加して溶融混練した後、押出機先端のダ
イスからストランド状に押出し、水中で急冷した後、切
断して長さ2.4mm、断面の直径1.1mmのペレット状とし
た。このペレット100kgとリン酸三カルシウム1kg、ドデ
シルベンゼンスルフォン酸ナトリウム250g、水220及
び発泡剤としてドライアイスを第1表に示す量配合して
密閉容器(容積400)内で撹拌しながら溶解温度以上
の温度に昇温することなく同表に示す一段保持温度に昇
温保持した。次いで第1表に示す無機ガスを重量比で二
酸化炭素100に対して同表に示す割合で混合した混合ガ
スで容器内を同表に示す圧力に加圧するとともに、同表
に示す二段保持温度に昇温して加熱保持した後、混合ガ
スで背圧をかけて容器内を同温度・同圧力に保持しなが
ら容器の一端を開放して樹脂ペレットと水とを大気圧下
に放出して発泡せしめた。得られた発泡粒子の平均嵩発
泡倍率及び嵩倍率の最大値、最小値を第1表にあわせて
示す。
比較例1〜2 硼砂を添加せずに造粒した他は実施例1及び2と同様
のプロプレン−エチレンランダム共重合体を用い、同実
施例と同様にして発泡を行った。得られた発泡粒子の平
均嵩発泡倍率の最大値を第1表に示す。
比較例3 実施例1における発泡中の容器内圧を10kg/cm2・Gと
した以外は実施例1と同様にして発泡を行った。同様に
結果を第1表に示す。
比較例4、5 実施例3及び4の操作において、二酸化炭素と空気ガ
スの代わりに窒素のみを使用して同様にして背圧操作を
行った。(窒素供給後の容器内圧力は実施例3及び4と
同じとなるようにした。)。得られた発泡粒子の平均嵩
発泡倍率等を同様に第1表にあわせて示す。
実施例5〜6 実施例1〜4において、プロプレン−エチレンランダ
ム共重合体の代わりに、プロプレン−ブテンランダム共
重合体(ブテン成分6.0重量%融解終了温度163℃)を使
用した以外は、同様の方法で発泡粒子を得た。得られた
発泡粒子の平均嵩発泡倍率等を同様に第1表にあわせて
示す。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明方法は、無機物を含有する
重合体粒子に二酸化炭素を含浸させるようにしたこと
と、重合体粒子を容器内より低圧の雰囲気に放出して発
泡せしめるに際し、容器内に発泡剤と同じ化合物である
二酸化炭素と、これ以外の無機ガスとの混合ガスを供給
して背圧をかけながら発泡するようにしたこととによ
り、二酸化炭素を発泡剤として用いた場合でも発泡倍率
のバラツキが非常に少なく、工業的規模で大量生産する
場合でも、発泡工程の開始直後に得られた発泡粒子と、
発泡工程の終了近くで得られた発泡粒子の発泡倍率が大
きく変化する虞れがない等、優れた発泡粒子を製造する
ことができる効果を有する。
また、上記方法において、更に無機ガスあるいは無機
ガスと二酸化炭素との混合ガスを容器内に供給した後、
発泡温度にしばらく保持した場合には得られる発泡粒子
の発泡倍率を向上させることができる。しかも、無機ガ
スとして酸素を含むものを使用しても重合体粒子ひいて
は発泡粒子の酸化劣化を極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は粒子中に二次結晶を有する発泡粒子のDSC曲線
を示すグラフ、第2図は粒子中に二次結晶を有さない発
泡粒子のDSC曲線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−65141(JP,A) 特開 昭61−4738(JP,A) 特開 昭60−32835(JP,A) 特開 昭59−127734(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 9/16 - 9/228

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機物を含有する重合体粒子を二酸化炭素
    の存在下において密閉容器内で分散媒に分散せしめ、前
    記粒子が軟化する温度以上の温度に加熱して前記粒子に
    二酸化炭素を含浸させ、次いで容器内の二酸化炭素の蒸
    気圧以上の圧力を持つ二酸化炭素と無機ガスとからなる
    混合ガスにより背圧をかけながら重合体粒子と分散媒と
    を容器内よりも低圧の雰囲気下に放出して重合体粒子を
    発泡させることを特徴とする重合体発泡粒子の製造法。
  2. 【請求項2】無機物を含有する重合体粒子を二酸化炭素
    の存在下において密閉容器内で分散媒に分散せしめ、前
    記粒子が軟化する温度以上の温度に加熱して前記粒子に
    二酸化炭素を含浸させ、次いで容器内の二酸化炭素の蒸
    気圧以上の圧力を持つ無機ガスまたは二酸化炭素と無機
    ガスとからなる混合ガスを容器内に供給して発泡温度に
    保持した後、容器内の二酸化炭素の蒸気圧以上の圧力を
    持つ二酸化炭素と無機ガスとからなる混合ガスにより背
    圧をかけながら重合体粒子と分散媒とを容器内よりも低
    圧の雰囲気下に放出して重合体粒子を発泡させることを
    特徴とする重合体発泡粒子の製造法。
  3. 【請求項3】二酸化炭素:無機ガスの混合比率が、重量
    比で3:7〜9.5:0.5である混合ガスにより背圧をかけなが
    ら重合体粒子と分散媒とを容器内よりも低圧の雰囲気下
    に放出して発泡することを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の重合体発泡粒子の製造法。
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