JP2599103B2 - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレン系樹脂発
泡粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、揮発性有機発泡剤を含有するポリ
プロピレン系樹脂粒子を水性媒体に分散させ、容器内の
圧力を発泡剤の蒸気圧又はそれ以上の圧力に保持しなが
ら樹脂の軟化温度以上に加熱した後、加圧容器内より低
圧の雰囲気に放出し発泡させる方法は知られている。こ
の場合、揮発性有機発泡剤としては、例えば、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、トリクロロフロロメタン、ジク
ロロジフロロメタン等が知られている。しかしながら、
この様な揮発性有機発泡剤は、発泡剤によつては毒性や
可燃性のため危険性を有し、また危険性という点ではさ
ほど問題にならないものであつても高価で実用上の問題
を含む上、さらには大気に放散された時にオゾン層を破
壊する等環境汚染の問題をも有するものであつた。その
上、これら揮発性有機発泡剤は重合体粒子を膨潤させる
ために、発泡時の発泡適性温度範囲が狭く、発泡温度の
発泡倍率に及ぼす影響が大であり、発泡倍率のコントロ
ールが困難であるという問題があつた。
【0003】また、ポリプロピレン系樹脂を揮発性有機
発泡剤を用いて発泡させる場合、得られる発泡粒子の成
形性に難点がある。即ち、この発泡粒子の成形体は、低
密度で吸水率が小さく、しかも収縮率の小さい寸法安定
性に優れた成形体が得られる場合もある反面、収縮率の
大きい成形体しか得られない場合もあり、必ずしも安定
して良好な成形体が得難いという問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の実情に鑑みなされたものであって、発泡倍率の変動
が小さく、しかも従来発泡剤として不適当と認識されて
いた無機ガスを発泡剤としても良好な発泡粒子が得られ
るポリプロピレン系樹脂発泡粒子の工業的に有利な製造
方法を提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術に
見られるこれらの問題を解決すべく鋭意研究した結果、
ポリプロピレン系樹脂に無機物質を0.05重量%〜2
重量%含有させると共に製造工程に若干の工夫を加える
ことにより、従来発泡剤としてはまつたく考慮されなか
つた無機ガスを発泡剤として使用しても、発泡倍率が向
上することを見い出した。更に、ポリプロピレン系樹脂
から得られる予備発泡粒子を用いた場合の成形性に与え
る影響が樹脂の二次結晶化と関係することを見出した。
即ち、本発明によれば、二次結晶化したポリプロピレン
系樹脂発泡粒子の製造方法であって、 (i)無機物質を0.05重量%〜2重量%含有するポ
リプロピレン系樹脂粒子を水性媒体中に分散させる工
程、 (ii)前記ポリプロピレン系樹脂粒子をその融点より
20℃低い温度以上融解終了温度未満の温度に加熱する
工程、 (iii)無機ガス発泡剤を導入し、前記ポリプロピレ
ン系樹脂粒子を加圧保持し、含浸させる工程、 (iv)無機ガス発泡剤を含有する二次結晶化したポリ
プロピレン系樹脂粒子と水性媒体との混合物を、該樹脂
の融点以上の温度かつ二次結晶が存在する温度にある加
圧帯域から水性媒体と共に低圧帯域に該加圧帯域に無機
ガスを導入しながら放出させて発泡させる工程、を順次
結合したことを特徴とする二次結晶化したポリプロピレ
ン系樹脂発泡粒子の製造方法が提供される。
【0006】本発明の二次結晶化したポリプロピレン系
樹脂発泡粒子の製造工程は下記の(i)〜(iv)の工
程を順次結合したことからなる。 (i)無機物質を0.05重量%〜2重量%含有するポ
リプロピレン系樹脂粒子を水性媒体中に分散させる工
程、 (ii)前記ポリプロピレン系樹脂粒子をその融点より
20℃低い温度以上融解終了温度未満の温度に加熱する
工程、 (iii)無機ガス発泡剤を導入し、前記ポリプロピレ
ン系樹脂粒子を加圧保持し、含浸させる工程、 (iv)無機ガス発泡剤を含有する二次結晶化したポリ
プロピレン系樹脂粒子と水性媒体との混合物を、該樹脂
の融点以上の温度かつ二次結晶が存在する温度にある加
圧帯域から水性媒体と共に低圧帯域に該加圧帯域に無機
ガスを導入しながら放出させて発泡させる工程、が提供
される。
【0007】(i)の工程に用いるポリプレピレン系樹
脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチ
レンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロツク
共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロ
ピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等が挙げら
れるが、本発明の場合、殊にプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体、特にエチレン分が1重量%以上10重量
%未満のものが発泡性の点で好適に用いられる。
【0008】本発明で発泡原料として用いるポリプロピ
レン系樹脂粒子は、従来公知の方法に従って、ポリプロ
ピレン系樹脂を粒子状に成形することにより得られる
が、本発明の場合、その際、助剤として無機物質を添加
する。この場合の無機物質の添加方法としては、樹脂粒
子中に無機物質を含有させ得る方法であれば任意の方法
が採用し得るが、一般には、樹脂と無機物質とを溶融混
練し、粒子状に成形する方法、あらかじめ多量の無機物
質を含有させた樹脂ペレツトと無機物質を含まない樹脂
ペレツトとを、溶融混練し、粒子状にベレツト化する方
法等が挙げられる。
【0009】本発明で用いる無機物質としては、一般的
には樹脂に対する充填剤として知られている種々の無機
物質を用いることができ、このようなものとしては、例
えば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム等の無機水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、炭酸バリウム等の無機炭酸塩、亜硫酸カ
ルシウム、亜硫酸マグネシウム等の無機亜硫酸塩、硫酸
カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の
無機硫酸塩、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化
ケイ素等の無機酸化物、タルク、クレー、カオリン、ゼ
オライト等の粘土又は天然鉱物等が挙げられる。本発明
の場合、二次成形性の特に良好な発泡粒子を得るには、
水酸化アルミニウムのような無機水酸化物、炭酸カルシ
ウムのような無機炭酸塩の使用が有利である。本発明で
用いる無機物質の粒径は、特に制約されないが、一般に
は、0.1〜150μm、好ましくは1〜100μmで
ある。また、樹脂粒子中における無機物質の含量は、
0.05重量%〜2重量%、好ましくは0.1重量%〜
1重量%である。無機物質を余りにも多量用いると、得
られる発泡粒子の気泡が微細になりすぎ、発泡成形性
(寸法精度)や発泡成形時の発泡粒子相互の融着性が悪
くなり、一方、少なすぎると本発明の効果が得られなく
なる。
【0010】本発明で発泡原料として用いる前記無機物
質含有樹脂粒子の粒径は、一般的には、0.3〜5m
m、好ましくは0.5〜3mm程度である。
【0011】本発明においては、前記ポリプロピレン系
樹脂粒子の加熱時における融着を防止するために、樹脂
粒子融着防止剤を用いることができる。この樹脂粒子融
着防止剤は、実質的に非水溶性でかつ加熱時において非
溶融性のものであれば、有機及び無機系を問わず使用可
能であるが、一般には無機系のものの使用が好ましい。
代表的な融着防止剤の例を示すと、例えば、酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸
マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウム等が挙
げられる。このような融着防止剤は、通常、粒径0.0
01〜100μm、好ましくは0.001〜30μmの
微粒子状で用いられる。この融着防止剤の添加量は、樹
脂粒子100重量部に対し、通常、0.01〜10重量
部の範囲で水性媒体中に添加する。
【0012】前記(ii)の工程は(i)の工程で得ら
れたポリプロピレン系樹脂粒子をその融点より20℃低
い温度(融点−20℃)以上融解終了温度未満の温度に
加熱する工程からなる。
【0013】前記(iii)の工程は、(ii)の加熱
工程の後に無機ガス発泡剤を導入してポリプロピレン系
樹脂粒子を加圧保持し、含浸させることからなる。すな
わち、本発明において、二次結晶を含む発泡性樹脂粒子
を得るには、一般には、耐圧容器内において、樹脂粒子
をその融解終了温度以上に昇温することなく、融点より
約20℃低い温度(融点−20℃)以上、融解終了温度
未満の温度に充分な時間、通常5〜90分間、好ましく
は15〜60分間程度保持すればよい。
【0014】本発明における発泡剤としては、無機ガス
発泡剤が用いられる。無機ガス発泡剤としては、例え
ば、窒素、空気、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウム等の種
々の常温ガス状の無機物質が挙げられる。本発明で用い
る無機ガスの容器内圧力は高圧程好ましいが、一般に
は、100kg/cmG以下の圧力で加圧するのが発
泡時の粒子の変形などの面で好ましく、通常は70kg
/cmG以下の加圧が好ましい。また、この無機ガス
による加圧は、少なくとも15kg/cmG、好まし
くは20kg/cmG以上である。無機ガスにより加
圧する時間は、加圧する圧力によつても変るが、樹脂の
融点以上においては数秒〜1時間程度であり、通常は、
5〜30分程度で十分である。なお、本発明の目的を損
なわない範囲でかかる無機ガスに揮発性有機発泡剤を併
用しても構わない。揮発性有機発泡剤としては、例えば
プロパン、ブタン、ペンタン、ジクロロジフロロメタ
ン、トリクロロフロロメタン等が挙げられる。
【0015】前記(iv)の工程は、無機ガス発泡剤を
含有する二次結晶化したポリプロピレン系樹脂粒子と水
性媒体との混合物と、該樹脂の融点以上の温度かつ二次
結晶が存在する温度にある加圧帯域から水性媒体と共に
低圧帯域に該加圧帯域に無機ガスを導入しながら放出さ
せて発泡させることからなる。
【0016】本発明の方法を実施するには、耐圧容器内
に、前記した無機物質含有ポリプロピレン系樹脂粒子、
融着防止剤、及び水性媒体(通常は水)を配合し、つい
で無機ガス発泡剤を導入し、加圧保持した後、発泡温度
まで加熱した後、容器内容物をその加圧帯域から低圧帯
域(通常は大気圧)に該加圧帯域に無機ガスを導入しな
がら放出させ、発泡剤を含有する樹脂粒子を発泡させ
る。
【0017】この場合、加圧帯域への無機ガスの導入は
圧力15〜100kg/cmG、好ましくは20〜7
0kg/cmGである。この加圧帯域への無機ガスの
導入によって無機ガスを発泡剤として使用しないものよ
りも、はるかに良好に、樹脂粒子の放出の間、得られる
発泡粒子の発泡倍率が変動しないといった、好ましい結
果が得られる。発泡温度は、一般的には、樹脂の軟化点
以上の温度である。なお、本明細書でいう樹脂の軟化点
とは、ASTM−D648において、荷重4.6kg/
cmの条件で求められたものである。
【0018】本発明において、容器内容物を高圧帯域か
ら低圧帯域へ放出させる場合の内容物に含まれるポリプ
ロピレン発泡性樹脂粒子中には、二次結晶が存在する。
この二次結晶の存在する発泡性樹脂粒子は、成形性の良
好な発泡粒子を与える。
【0019】なお、樹脂粒子中における二次結晶の存在
は、樹脂発泡粒子の示差走査熱量測定によつて得られる
DSC曲線によつて判定することができる。この場合、
樹脂発泡粒子の示差走査熱量測定によつて得られるDS
C曲線とは、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子1〜3mg
を示差走査熱量計によつて10℃/分の昇温速度で22
0℃まで昇温したときに得られるDSC曲線であり、例
えば、試料を室温から220℃まで10℃/分の昇温速
度で昇温した時に得られるDSC曲線を第1回のDSC
曲線とし、次いで220℃から10℃/分の降温速度で
40℃付近まで降温し、再度10℃/分の昇温速度で2
20℃まで昇温した時に得られるDSC曲線を第2回の
DSC曲線とし、これらのDSC曲線から固有ピーク、
高温ピークを求めることができる。また、この場合、固
有ピークとは、発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹
脂の、いわゆる融解時の吸熱によるものであると考えら
れる。この固有ピークは第1回目のDSC曲線にも第2
回目のDSC曲線にも現われ、ピーク頂点の温度は第1
回目と第2回目で多少異なる場合があるが、その差は5
℃未満、通常は2℃未満である。
【0020】一方、高温ピークとは、第1回目のDSC
曲線で上記固有ピークより高温側に現われる吸熱ピーク
である。樹脂粒子中における二次結晶の存在は、DSC
曲線にこの高温ピークが現われるか否かで判定され、実
質的な高温ピークが現われない場合には、樹脂中には二
次結晶が存在しないものと判定される。本発明の場合、
前記第2回目のDSC曲線に現われる固有ピークの温度
と第1回目のDSC曲線に現われる高温ピークの温度と
の差は大きいことが望ましく、第2回目のDSC曲線の
固有ピークの頂点の温度と高温ピークの頂点の温度との
差は5℃以上、好ましくは10℃以上である。
【0021】次に、発泡粒子に関し、示差走査熱量測定
によって得られるそのDSC曲線を図面に示す。図1は
二次結晶を含有する発泡粒子に関するもので、図2は二
次結晶を含有しない発泡粒子に関するものである。図1
及び図2において、曲線1及び曲線2は、試料としての
発泡粒子を測定(第1回目の測定)することによつて得
られたDSC曲線を示し、曲線1′及び2′は第1回目
の測定後の試料を再び測定(第2回目の測定)すること
によって得られるDSC曲線を示す。図1と図2を対比
してわかるように、二次結晶を含有する発泡粒子の場
合、第1回目の測定結果を示す曲線1においては、固有
ピークBの他に、高温ピークAが現われ、この高温ピー
クAの存在により、発泡粒子に二次結晶が存在すること
が確認される。一方、二次結晶を含有しない発泡粒子の
場合、第1回目の測定結果を示す曲線2においては、固
有ピークbが現われるのみで、高温ピークは現われず、
発泡粒子には二次結晶が含まれないことが確認される。
第2図の発泡粒子に二次結晶が存在しない理由は、原料
未発泡粒子が、二次結晶化促進温度(融点〜融解終了温
度未満)において十分な時間熱処理を受けず、融解終了
温度以上の温度で発泡されたことによる。なお、2回目
の測定においては、第1図及び第2図の発泡粒子にも高
温ピークは現われず、固有ピークB′、b′のみが現わ
れる。
【0022】本発明において、前記したように二次結晶
を含む発泡性樹脂粒子を得るには、一般には、耐圧容器
内において、樹脂粒子をその融解終了温度以上に昇温す
ることなく、融点より約20℃低い温度(融点−20
℃)以上、融解終了温度未満の温度に充分な時間、通常
5〜90分間、好ましくは15〜60分間程度保持すれ
ばよい。また、このようにして二次結晶化した発泡性樹
脂粒子を発泡させる場合、発泡温度は融解終了温度以上
であっても、前記高温ピーク以下の温度であれば成形性
の良好な発泡粒子を得ることができる。
【0023】本発明における発泡温度は、前記したよう
に、一般的には、樹脂の軟化点以上の温度であるが、発
泡剤として無機ガスを単独で用いる場合、樹脂の融点以
上、樹脂の融点より約20℃高い温度以下、好ましくは
樹脂の融点以上、樹脂の融点より約18℃高い温度以下
であり、揮発性有機発泡剤と無機ガスを併用する場合、
樹脂の融点より約5℃低い温度以上、樹脂の融点より約
18℃高い温度以下、好ましくは樹脂の融点より約3℃
低い温度以上、樹脂の融点より約16℃高い温度以下で
ある。
【0024】なお、本明細書でいう樹脂の融点とは、D
SC法にて約6mgのサンプルを10℃/分の速度で2
20℃まで昇温し、その後10℃/分で約50℃まで降
温し、再度220℃まで昇温した時に得られる吸熱曲線
のピークの温度であり、また、樹脂の融解終了温度と
は、その第2回目の吸熱曲線の終了温度を意味する。
【0025】
【効果】本発明の方法は、前記構成であり、無機ガス発
泡剤を含有する二次結晶化したポリプロピレン系樹脂粒
子に無機物質を少量含有させると共に、特定な工程を順
次組み合わせたことにより、発泡倍率の変動も小さくな
り、その上、従来発泡剤として不適当と考えられていた
無機ガスを発泡剤として使用しても良好な発泡粒子が得
られる。また二次結晶化したポリプロピレン系樹脂を高
圧帯域から低圧帯域へ放出させて発泡させることによっ
て、成形性の良好な発泡粒子が得られる。従って本発明
により得られる発泡粒子は、それ自体で緩衝材等として
利用されるが、通常、発泡成形用の予備発泡粒子として
用いるのが好ましく、金型に充填し、加熱発泡させるこ
とにより、発泡成形体を与える。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0027】実施例1 水酸化アルミニウム(粒径:約8.0μm)を0.3重
量%含有するプロピレン系樹脂100重量部と微粒子状
の酸化アルミニウム0.3重量部と水300重量部を密
閉容器内に配合し、内容物を撹拌しながら融解終了温度
以上にならないようにして昇温し、145℃に30分間
保持した後、156℃に昇温し、次いで、表1に示す圧
力の窒素ガスで加圧し、この温度に30分間保持した。
その後、容器内を窒素ガスで加圧して圧力を一定に保持
しながら、容器の一端から内容物を大気圧中に放出して
樹脂粒子を発泡させた。得られた発泡粒子の嵩倍率を表
1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 表2に示す種々の無機物質含有二次結晶化無架橋ポリプ
ロピレン系樹脂ペレツト100部と微粒状酸化アルミニ
ウム0.3重量部と水300重量部を密閉容器内に配合
し、撹拌しながら昇温し、融解終了温度以上に昇温する
ことなく、表2に示す予備熱処理に付した後、発泡温度
に昇温し、表2に示す無機ガスにて加圧保持して発泡熱
処理を行い、次いで容器の一端を開放して発泡を行つ
た。次に、このようにして得られた発泡粒子を、1.2
kg/cmGの粒子内圧を空気にてもたせ、成形金型
に充填し、3.2kg/cmGの蒸気圧で成形を行つ
た。このようにして得られた成形体を検査し、発泡粒子
の成形性を評価した。
【0030】表2(1)及び(2)に、発泡粒子の製造
条件と、得られた発泡粒子の性状をそれぞれ示す。な
お、表2(1)及び(2)において示す各符号は次のこ
とを意味する。 (1) 樹脂: E/P(3.2)・・・エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン 成分3.2重量%、融点141℃、融解終了温度1 54℃) B/P(20)・・・・1−ブテン/プロピレンランダム共重合体(1−ブ テン成分20重量%、融点142℃、融解終了温度 152℃) (2) 発泡粒子: (3) 成形性:
【0031】
【表2−(1)】
【0032】
【表2−(2)】
【図面の簡単な説明】
【図1】二次結晶の存在する発泡粒子についてのDSC
曲線
【図2】二次結晶の存在しない発泡粒子についてのDS
C曲線

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次結晶化したポリプロピレン系樹脂発
    泡粒子の製造方法であって、 (i)無機物質を0.05重量%〜2重量%含有するポ
    リプロピレン系樹脂粒子を水性媒体中に分散させる工
    程、 (ii)前記ポリプロピレン系樹脂粒子をその融点より
    20℃低い温度以上融解終了温度未満の温度に加熱する
    工程、 (iii)無機ガス発泡剤を導入し、前記ポリプロピレ
    ン系樹脂粒子を加圧保持し、含浸させる工程、 (iv)無機ガス発泡剤を含有する二次結晶化したポリ
    プロピレン系樹脂粒子と水性媒体との混合物を、該樹脂
    の融点以上の温度かつ二次結晶が存在する温度にある加
    圧帯域から水性媒体と共に低圧帯域に該加圧帯域に無機
    ガスを導入しながら放出させて発泡させる工程、 を順次結合したことを特徴とする二次結晶化したポリプ
    ロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
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