JP3195675B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法

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哲司 流杉
政春 及川
秀浩 佐々木
暁 塩谷
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン系樹脂発
泡粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
重合体粒子を揮発性発泡剤の存在下に密閉容器内で水等
の分散媒に分散させ、容器内圧力を発泡剤の蒸気圧以上
に保持しつつ重合体粒子の軟化温度以上の温度に加熱
し、次いで容器の一端を開放して重合体粒子と分散媒と
を容器内よりも低圧の雰囲気下に放出することにより重
合体粒子を発泡させる方法は知られている。
【0003】この方法において用いられる揮発性発泡剤
としては、例えばトリクロロフロロメタン、ジクロロジ
フロロメタン等のハロゲン化炭化水素類が広く用いられ
ていた。しかしながら、従来から揮発性発泡剤として使
用されている上記化合物は、フロン類のようにオゾン層
破壊という問題を有していたり、或いは環境破壊という
点ではそれほど問題を有さなくとも、高価で実用的では
ない等の問題を有するものが多いのが現状である。
【0004】このような問題を解決するために多くの研
究がなされ、本出願人もかかる課題を解決するために鋭
意研究した結果、従来発泡剤としては全く顧みられてい
なかった無機ガス系発泡剤を用いて重合体発泡粒子を得
る方法を先に提案した(例えば特公昭62−61227
号公報、特開昭61−2741号公報、特開昭61−4
738号公報等)。
【0005】しかしながら、無機ガス系発泡剤を用いた
場合、揮発性発泡剤と比べて重合体の可塑化効果や、ガ
スの浸透速度の違い等により、安定して高発泡倍率の発
泡粒子を得難いという問題があった。
【0006】本発明者等は上記課題を解決するために鋭
意研究した結果、ホウ砂、水酸化アルミニウム、ゼオラ
イト等の無機物を重合体粒子中に含有させておくことに
より、無機ガス系発泡剤を用いて工業的規模で重合体発
泡粒子を製造した場合にも、高発泡倍率の重合体発泡粒
子を得ることができ、更に従来の揮発性発泡剤を用いた
場合でも発泡剤の使用量を少なくできるとともに、少な
い使用量で特開昭61−4738号公報に記載されてい
る方法よりも更に安定して高発泡倍率の発泡粒子を得る
ことができることを見出し先に出願を行った(特開平3
−166238号公報、特開平3−223347号公報
等)。
【0007】しかしながら、上記無機物を含有する重合
体粒子に無機ガス系発泡剤、特に二酸化炭素を主成分と
する発泡剤を含浸させて発泡を行った場合、得られる発
泡粒子の気泡が無機物の種類によって多少の差はある
が、一般に微細化し易く、このような発泡粒子を用いて
得た成型体は、寸法精度が低下したものであったり、成
型時の二次発泡性不良等の問題を有していた。しかし、
無機物のなかでもホウ砂は架橋低密度ポリエチレンやプ
ロピレン系共重合体に対して倍率、気泡径ともに良好な
発泡粒子を与えることは知られているが、直鎖状低密度
ポリエチレンに対しては、倍率、気泡径ともに十分な効
果が期待できなかった。
【0008】本発明者等は上記問題を解決すべく鋭意研
究した結果、無機物を含有するポリオレフィン系樹脂粒
子を無機塩素化合物が溶解する分散媒に分散させること
により、無機物の添加量が少ない場合でも、二酸化炭素
等の発泡剤を用いて比較的高発泡倍率の発泡粒子を得る
ことができるとともに、得られる発泡粒子中の気泡の微
細化問題を解決し、無機物の種類を問わず倍率、気泡径
ともに良好な発泡粒子が得られることを見出し本発明を
完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の重合体発泡
粒子の製造方法は、無機物を含有するポリオレフィン系
樹脂粒子を発泡剤の存在下に密閉容器内で分散媒に分散
せしめて該樹脂粒子の軟化温度以上の温度で発泡剤が含
浸されたポリオレフィン系樹脂粒子と分散媒とを容器内
よりも低圧の雰囲気下に放出して発泡粒子を得る方法に
おいて、分散媒中に無機塩素化合物0.2重量%〜1.
5重量%添加することを特徴とする。
【0010】本発明方法においては、発泡剤が無機ガス
系発泡剤、または無機ガス系発泡剤と揮発性有機発泡剤
との混合物であるのが好ましい。
【0011】本発明において用いるポリオレフィン系樹
脂粒子としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−
エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、
プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等のプ
ロピレン系重合体、或いは低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレンや、エチレンと少量のα−オレフィン(炭
素数4、6、8等)との共重合体である直鎖状低密度ポ
リエチレン等のエチレン系共重合体等が挙げられる。
【0012】これらのうち、殊にプロピレン−エチレン
ランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合
体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等
のプロピレン系重合体、直鎖状低密度ポリエチレンが好
ましい。これらの重合体は架橋したものであっても良い
が、無架橋のものが特に好ましい。
【0013】上記樹脂粒子に含有される無機物として
は、例えば水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム等の無機水酸化物、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の無機炭酸塩、亜硫
酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム等の無機亜硫酸塩、
硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マンガン、硫
酸ニッケル等の無機硫酸塩、酸化カルシウム、酸化アル
ミニウム、酸化ケイ素等の無機酸化物、塩化ナトリウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の無機塩化
物、ホウ砂、タルク、クレー、カオリン、ゼオライト等
の粘土または天然鉱物等が挙げられる。
【0014】上記無機物は1種又は2種以上混合して用
いることができ、上記ポリオレフィン系樹脂粒子の造粒
時に添加しておけば良い。無機物は通常、粉粒体として
添加されるが一般的な範囲であれば粒径は特に限定され
ない。しかしながら、通常、粒径0.1〜100μm、特
に1〜15μmのものを用いることが好ましい。ポリオ
レフィン系樹脂粒子中の無機物の含有量は0.001〜
5重量%が好ましい。特に、無機物がタルクの場合は、
0.003〜0.5重量%、硼砂、水酸化アルミニウ
ム、ゼオライトの場合は、0.1〜2重量%が好まし
い。含有量が5重量%を超えると発泡粒子の成型性が悪
くなる。本発明において無機物を含有するポリオレフィ
ン系樹脂粒子としては、一般に粒径が0.3〜5mm、特に
0.5〜3mmのものが好ましい。
【0015】ポリオレフィン系樹脂粒子を分散させるた
めの分散媒としては、該樹脂粒子を溶解しないものであ
れば良く、このような分散媒としては例えば水、エチレ
ングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール等
が挙げられるが、通常は水が使用される。
【0016】本発明では、上記分散媒中に無機塩素化合
物を添加する。この無機塩素化合物としては、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシ
ウム、塩化リチウム等の塩化物が挙げられ、特に塩化ナ
トリウム、塩化リチウムが発泡粒子の気泡径を拡大させ
る効果の他に発泡倍率向上の効果を有し好ましい。尚、
分散媒中に添加させる無機塩化物は、前述した樹脂粒子
に含有される無機物と同一のものであっても、異なるも
のであっても良い。
【0017】分散媒中に加えられる無機塩素化合物の量
は、分散媒に対して0.2重量%〜1.5重量%であ
り、特に0.4重量%〜1.0重量%が好ましい。分散
媒中の無機塩素化合物の量が0.2重量%未満の場合
は、得られる発泡粒子の気泡が微細となり、このような
発泡粒子を用いて得た成型体は寸法精度が低く、成型時
の二次発性も良好でなく、発泡粒子の気泡の微細化に起
因する問題を解決することができない。一方、無機塩素
化合物の量が1.5重量%を超えても特に問題はない
が、効果の上で向上がみられない。尚、無機塩素化合物
は、水等の分散媒中でイオンとして存在するわけである
が、本発明の効果が得られるメカニズムは明らかになっ
ていない。
【0018】本発明においてポリオレフィン系樹脂粒子
に発泡剤を含浸させる工程は、該樹脂粒子を密閉容器内
で分散媒に分散させる工程の前・後のいずれでも良い
が、通常は樹脂粒子を分散させる工程において同時に行
う。この場合には、発泡剤は分散媒に一旦溶解又は分散
した後に樹脂粒子に含浸され、発泡剤は密閉容器中に樹
脂粒子と発泡剤及び分散媒を入れて攪拌しながら加熱、
加圧する等の方法により樹脂粒子中に含浸させることが
できる。
【0019】本発明において用いる発泡剤は、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シク
ロヘキサン、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロ
ロメタン等の揮発性発泡剤や、窒素、二酸化炭素、アル
ゴン、空気等の無機ガス系発泡剤のいずれでも良いが、
なかでも二酸化炭素、又は二酸化炭素と揮発性発泡剤と
の混合物が好ましい。上記無機ガス系発泡剤又は混合物
を発泡剤として用いる場合、容器内圧力が50kg/cm2
・G以下となるように供給することが好ましい。
【0020】発泡性のポリオレフィン系樹脂粒子を無機
塩素化合物が溶解する分散媒に分散せしめて発泡剤の存
在下で発泡温度に加熱するに際し、樹脂粒子の融着を防
止するために融着防止剤を用いることができる。融着防
止剤としては水等の分散媒に溶解せず、加熱によって溶
融しないものであれば無機系、有機系を問わず使用可能
であるが、一般には無機系のものが好ましい。無機系の
融着防止剤としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、
水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性
炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ピロ
リン酸マグネシウム、タルク等が挙げられる。
【0021】上記融着防止剤としては粒径0.001〜1
00μm、特に0.001〜30μmのものが好ましい。
融着防止剤の添加量はポリオレフィン系樹脂粒子100
重量部に対し、通常は0.01〜10重量部が好ましい。
【0022】上記無機系の融着防止剤は、乳化剤を併用
することもできる。乳化剤としてはドデシルベンゼンス
ルフォン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等のアニ
オン系界面活性剤が好適である。乳化剤はポリオレフィ
ン系樹脂粒子100重量部当たり、通常、0.001〜5
重量部添加することが好ましい。
【0023】本発明方法において、発泡性のポリオレフ
ィン系樹脂粒子中には二次結晶が存在することが好まし
い。この二次結晶が存在する発泡性の樹脂粒子より得ら
れた発泡粒子は成型性が優れたものとなる。特に樹脂粒
子が無架橋のポリプロピレン系樹脂や無架橋の直鎖状低
密度ポリエチレン系樹脂の場合、発泡性樹脂粒子中に二
次結晶が存在していることが有利である。
【0024】二次結晶の存在は、得られる発泡粒子の示
差走査熱量測定によって得られる図1及び図2に示すよ
うなDSC曲線に、重合体の所謂融解時の吸熱に起因す
る固有ピークよりも高温側の高温ピークが現れるか否か
によって判定することができる。固有ピークと高温ピー
クとは、同一のサンプルの示差走査熱量測定を2回行う
ことによって判定できる。この方法では、まずサンプル
(発泡粒子)2〜4mgを示差走査熱量計によって10℃
/分で220℃まで昇温測定して図1に示すような第1
回目のDSC曲線を得、次いで220℃から40℃付近
まで10℃/分の速度で降温し、再度10℃/分で22
0℃まで昇温測定して図2に示すような第2回目のDS
C曲線を得る。
【0025】このようにして得た2つのDSC曲線を比
較して固有ピーク(a)と高温ピーク(b)とを判別す
ることができる。固有ピーク(a)とは、樹脂の所謂融
解に伴う吸熱ピークであるから、第1回目のDSC曲線
にも第2回目のDSC曲線にも現れるピークであり、ピ
ークの頂点の温度は第1回目と第2回目とで多少異なる
が、ポリプロピレンの場合その差は5℃未満、通常は2
℃未満である。一方、高温ピーク(b)とは、第1回目
のDSC曲線において上記固有ピークよりも高温側に現
れる吸熱ピークである。二次結晶の存在はこの高温ピー
クが現れることによって確認され、実質的な高温ピーク
が現れない場合には二次結晶が存在しないものと判定さ
れる。
【0026】ポリプロピレン系樹脂の場合、上記2つの
DSC曲線において第2回目のDSC曲線に現れる固有
ピークの頂点の温度と、第1回目のDSC曲線に現れる
高温ピークの頂点の温度との差は大きいことが望まし
く、両者の温度差は5℃以上、特に10℃以上が好まし
い。
【0027】図1、図2はそれぞれ発泡粒子の示差走査
熱量測定によって得られた第1回目、第2回目のDSC
曲線を示す。
【0028】図1に示すように、二次結晶を有する発泡
粒子では、第1回目の測定によって得られた曲線におい
ては固有ピーク(a)の他に、図2の第2回目の測定に
よって得られた曲線にはない高温ピーク(b)が現れて
おり(第2回目の測定で得られた曲線には固有ピーク
(a)のみが現れる。)、この高温ピーク(b)の存在
によって二次結晶の存在が確認される。一方、二次結晶
を含有しない発泡粒子では、図1、図2の曲線のいずれ
にも固有ピーク(a)が現れるのみで高温ピークは現れ
ず、このことから二次結晶が存在しないことが確認され
る。
【0029】二次結晶の存在が認められない粒子が得ら
れるのは、二次結晶化促進温度(融点〜融解終了温度)
において充分な時間、熱処理を受けず、融解終了温度以
上の温度で発泡されたような場合である。二次結晶を有
する発泡粒子は、例えば次のような方法で製造すること
ができる。
【0030】無架橋のポリプロピレン系樹脂の場合で
は、一般に耐圧容器内において樹脂粒子をその融解終了
温度以上に加熱することなく、融点−20℃程度以上、
融解終了温度未満の温度において充分な時間、通常5〜
90分間、好ましくは10〜60分間保持することによ
りにより得ることができる。またこのような温度に保持
して二次結晶を形成せしめた粒子の場合、樹脂粒子を容
器内よりも低圧雰囲気下に放出して発泡させる際の発泡
温度(放出時の温度)は融解終了温度以上であっても、
前記高温ピーク以下の温度であれば成型性の良好な発泡
粒子を得ることができるが、発泡粒子の物性、エネルギ
ーコストの面から優位な製造方法とはいえない。
【0031】無架橋の直鎖状低密度ポリエチレンの場
合、一般には耐圧容器内で樹脂粒子をその融解終了温度
以上に加熱することなく、融点−15℃程度以上、融解
終了温度未満の温度にて充分な時間、通常5〜90分
間、好ましくは10〜60分間保持すれば良い。
【0032】本発明方法において発泡剤として無機ガス
系発泡剤を使用する場合、発泡性のポリオレフィン系樹
脂粒子と分散媒とを容器内より低圧の雰囲気下に放出し
て発泡せしめる発泡温度は、樹脂粒子の軟化温度以上の
温度であるが、特に融点付近の温度が好ましい。好適な
発泡温度範囲は樹脂の種類によっても異なり、例えば無
架橋ポリプロピレン系樹脂の場合、融点−5℃以上、融
点+15℃以下、特に融点−3℃以上、融点+10℃以
下が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂の場
合、融点−10℃以上、融点+5℃以下が好ましい。ま
た、架橋低密度ポリエチレン系樹脂の場合、融点−10
℃以上、融点+50℃以下が好ましい。
【0033】本発明において発泡剤として無機ガス系発
泡剤とプロパン、ブタン、ペンタン等の揮発性発泡剤と
の混合ガスを使用する場合、発泡性のポリオレフィン系
樹脂粒子と分散媒とを容器内より低圧の雰囲気下に放出
して発泡せしめる発泡温度は、樹脂粒子の軟化温度以上
の温度であるが、特に融点付近の温度が好ましい。好適
な発泡温度範囲は樹脂の種類によっても異なり、例えば
無架橋直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の場合、融点−1
5℃以上、融点+10℃以下、特に融点−10℃以上、
融点+5℃以下が好ましい。
【0034】更に発泡温度にまで加熱する際の昇温速度
は1〜10℃/分、特に2〜5℃/分が好ましい。発泡
性のポリオレフィン系樹脂粒子と分散媒とを容器内より
放出する際の雰囲気圧力は、容器内より低圧であれば良
いが、通常は大気圧下である。
【0035】尚、本発明において上記樹脂粒子の融点と
は示差走査熱量計によってサンプル(樹脂粒子)約6mg
を10℃/分の昇温速度で220℃まで加熱し、その後
10℃/分の降温速度で約50℃まで冷却し、再度10
℃/分の速度で220℃まで昇温した時に得られるDS
C曲線における吸熱ピーク(固有ピーク)の頂点の温度
である。融解終了温度とは上記の如き測定によって得ら
れる2回目のDSC曲線の吸熱ピーク(固有ピーク)に
おける融解終了温度を意味する。また樹脂粒子の軟化温
度とは、ASTM-D-648法において、荷重4.6kg/cm2 の条
件で求めた軟化温度を意味するものである。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0037】実施例1〜6、比較例1〜5 押出機内で下記表1に示す樹脂、無機物を溶融混練した
後、押出機先端のダイスからストランド状に押出し水中
で急冷した後、切断してペレット状に造粒した(長さ2.
0mm、断面の直径1.5mm)。
【0038】
【表1】
【0039】尚、上記実施例、比較例で用いた重合体の
基材樹脂の性状及び無機物の粒径は以下の通りである。
【0040】基材樹脂 ・LLDPE:密度0.925g/cm3 、MI=1.0g/
10分の直鎖状低密度ポリエチレン ・Et−Prランダム共重合体:エチレン成分含有量2.
4重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体、M
I=10.0g/10分 ・架橋LDPE:ゲル分率53%の架橋低密度ポリエチ
レン 無機物 ・ホウ砂:粒径5μm ・水酸化アルミニウム:粒径3μm ・タルク:粒径2μm ・ゼオライト:粒径1.5μm
【0041】このペレット1kgと、表1に示す無機塩素
化合物、表2に示す発泡剤、分散媒としてリン酸三カル
シウム10g、乳化剤としてドデシルベンゼンスルフォ
ン酸ナトリウム0.5、水3リットルとを配合して密閉
容器(容積5リットル)内で攪拌しながら融解温度以上
の温度に昇温することなく、表2に示す一段保持温度に
昇温保持した(実施例5、比較例4のみ、その他は直ち
に二段保持温度に保持した。)。次いで表2に示す二段
保持温度に昇温し、同温度に保持した。
【0042】その後、二段保持温度に保持したまま二酸
化炭素で背圧をかけて容器の一端を開放してポリオレフ
ィン系樹脂粒子と分散媒とを大気圧下に放出して発泡せ
しめた。得られた発泡粒子の平均嵩発泡倍率、気泡径及
びこれらの発泡粒子の成型性を表2にあわせて示した。
【0043】表2における成型体の寸法精度、融着性、
二次発泡性の評価は以下に示す評価基準に基いて行っ
た。
【0044】寸法精度 LLDPEについては80℃のオーブン中で、その他は
60℃のオーブンー中で24時間養生後の面方向の収縮
率を測定し、以下の基準で評価した。 ○・・・面方向の収縮率が3%未満 △・・・面方向の収縮率が3%以上、4%未満 ×・・・面方向の収縮率が4%以上
【0045】融着性 幅方向垂直断面が、厚さ1cm×幅5cmとなるように発泡
成型体を切断したスライス板を破断するまで長手方向に
引張り、破断面を観察して以下の基準で評価した。 ○・・・破断面の材質破壊が60%以上 △・・・破断面の材質破壊が40%以上、60%未満 ×・・・破断面の材質破壊が40%未満
【0046】二次発泡性 発泡成型体の表面状態を観察し、以下の基準で評価し
た。 ○・・・表面にほとんど凹凸なし。 △・・・部分的に凹凸あり。 ×・・・全面に凹凸あり。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法は、密閉
容器内で無機塩素化合物を添加した分散媒中に、無機物
を含有するポリオレフィン系樹脂粒子を発泡剤の存在下
に分散させて該ポリオレフィン系樹脂粒子に発泡剤を含
浸させ、次いで低圧域に放出して発泡粒子を得る方法を
採用したことにより、無機ガス系発泡剤を用いても容易
に高発泡倍率の発泡粒子を得ることができる。また揮発
性発泡剤を用いる場合でも、従来の揮発性発泡剤を用い
た方法に比べて揮発性発泡剤の使用量を少なくすること
ができ、少ない揮発性発泡剤の使用でも高発泡倍率の発
泡粒子を得ることができる等の効果を有する。
【0049】更に、樹脂粒子中に含有される無機物の種
類を問わず、得られる発泡粒子の気泡が微細化する虞が
なく、気泡の微細化による成型体の寸法精度低下、成型
時の二次発泡性不良等を生じることのない優れた性状の
発泡粒子を提供できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】無架橋LLDPE発泡粒子の1回目のDSC曲
線を示すグラフである。
【図2】無架橋LLDPE発泡粒子の2回目のDSC曲
線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 及川 政春 栃木県宇都宮市駒生町1078−4 カー サ・アイ102号室 (72)発明者 佐々木 秀浩 栃木県宇都宮市西川田町1067−5 コー ポラスII202号室 (72)発明者 塩谷 暁 栃木県宇都宮市簗瀬町1785−31 原昇会 館301号室 (56)参考文献 特開 昭57−25336(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機物を含有するポリオレフィン系樹脂粒
    子を発泡剤の存在下に密閉容器内で分散媒に分散せしめ
    て該樹脂粒子の軟化温度以上の温度で発泡剤が含浸され
    たポリオレフィン系樹脂粒子と分散媒とを容器内よりも
    低圧の雰囲気下に放出して発泡粒子を得る方法におい
    て、分散媒中に無機塩素化合物0.2重量%〜1.5重
    量%添加することを特徴とするポリオレフィン系樹脂発
    泡粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】発泡剤が無機ガス系発泡剤、または無機ガ
    ス系発泡剤と揮発性有機発泡剤との混合物である請求項
    1記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
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JP4577859B2 (ja) * 2000-07-14 2010-11-10 株式会社ジェイエスピー 発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物

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