JPH059329A - 架橋ポリオレフイン系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

架橋ポリオレフイン系樹脂発泡粒子の製造方法

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JPH059329A
JPH059329A JP3183359A JP18335991A JPH059329A JP H059329 A JPH059329 A JP H059329A JP 3183359 A JP3183359 A JP 3183359A JP 18335991 A JP18335991 A JP 18335991A JP H059329 A JPH059329 A JP H059329A
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water
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Hideki Kuwabara
英樹 桑原
Kazuo Tsurugai
和男 鶴飼
Masaharu Oikawa
政春 及川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡剤として無機ガスを用いた場合、水溶性
無機物を樹脂中に添加することにより高発泡倍率とする
方法は無架橋の合成樹脂粒子では有効であるが、架橋ポ
リオレフィン系樹脂の場合には、無架橋の樹脂の場合ほ
ど高発泡倍率の発泡粒子を得ることができなかった。こ
のような問題を解決し、高発泡倍率の架橋ポリオレフィ
ン系樹脂発泡粒子を製造する方法を提供する。 【構成】 水溶性無機物と非水溶性無機物とを含有する
合成樹脂粒子に無機ガス系発泡剤を含浸させた発泡性の
合成樹脂粒子を容器内で分散媒に分散させ、該樹脂粒子
が軟化する温度以上の温度において容器内から低圧の雰
囲気下に放出して発泡させて発泡粒子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架橋ポリオレフィン系樹
脂発泡粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】揮発性
発泡剤を含有せしめた合成樹脂粒子を密閉容器内で水等
の分散媒に分散させ、容器内圧力を発泡剤の蒸気圧以上
に保持しつつ合成樹脂粒子の軟化温度以上の温度におい
て容器の一端を開放し、合成樹脂粒子と分散媒とを容器
内よりも低圧の雰囲気下に放出することにより合成樹脂
粒子を発泡させる方法は知られている。この方法におい
ては従来、揮発性発泡剤として例えば、プロパン、ブタ
ン、ペンタン等の炭化水素類や、トリクロロフロロメタ
ン、ジクロロジフロロメタン等のハロゲン化炭化水素類
等が用いられている。
【0003】しかしながら、従来揮発性発泡剤として使
用されているこれらの化合物は、毒性や可燃性等の危険
性を有していたり、フロン類のようにオゾン層破壊とい
う問題を有していたり、或いは危険性や環境破壊という
点ではそれほど問題を有さなくとも、高価で実用的でな
い等の問題を有するもの多いのが現状である。また揮発
性発泡剤は合成樹脂粒子を膨潤させるために発泡時の発
泡適正温度範囲が狭くなり、このため発泡温度の発泡倍
率に及ぼす影響が大となり、発泡倍率のコントロールが
困難となるという問題もあった。
【0004】このような問題を解決するために多くの研
究がなされ、本出願人もかかる課題を解決するために鋭
意研究した結果、従来発泡剤としては全く顧みられてい
なかった二酸化炭素等の無機ガスを発泡剤として用いて
合成樹脂発泡粒子を得る方法を先に提案した(例えば特
公昭62−61227号公報)。しかしながら、無機ガ
スを発泡剤として用いた場合、発泡剤の合成樹脂粒子内
への含浸性が悪いため発泡倍率の高いものが得難いとい
う問題があった。
【0005】本出願人は、水溶性無機物を含有する合成
樹脂粒子に無機ガス系発泡剤を含浸させて発泡させるこ
とにより、無機ガス系発泡剤を用いた場合にも、高発泡
倍率の合成樹脂発泡粒子を製造することができることを
見出し、先に提案を行った(特願平2−202238
号)。
【0006】この方法は、原料樹脂粒子として無架橋ポ
リオレフィン系樹脂を使用した場合には、無機ガス系発
泡剤を用いた従来法に比して高発泡倍率の発泡粒子を容
易に得ることができる利点があるが、架橋ポリオレフィ
ン系樹脂を原料として使用した場合には、得られる発泡
粒子の発泡倍率はせいぜい25倍程度にしかならず、更
なる発泡倍率の向上に関し、改良の余地を残すものであ
った。
【0007】本発明者等はこれらの問題を解決すべく鋭
意研究した結果、架橋ポリオレフィン系樹脂粒子とし
て、水溶性無機物とともに非水溶性無機物を配合したも
のを使用することにより、上記の問題を解決し得ること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の架橋ポリオ
レフィン系樹脂発泡粒子の製造方法は、無機ガス系発泡
剤が含浸された発泡性の架橋ポリオレフィン系樹脂粒子
を密閉容器内で分散媒に分散させ、該発泡性の樹脂粒子
が軟化する温度以上の温度において樹脂粒子と分散媒と
を容器内より低圧の雰囲気下に放出して樹脂粒子を発泡
させる架橋ポリレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法にお
いて、上記発泡性の架橋ポリオレフィン系樹脂粒子が、
水溶性無機物と非水溶性無機物とを含有することを特徴
とする。
【0009】本発明において用いる架橋ポリオレフィン
系樹脂粒子の基材樹脂としては、プロピレン単独重合
体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンラ
ンダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダ
ム共重合体等のプロピレン系樹脂、或いは低密度ポリエ
チレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDP
E)、高密度ポリエチレン(HDPE)や、エチレンと
少量のα−オレフィン(炭素数4、6、8等)との共重
合体である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等
のエチレン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも特に
LDPEが発泡倍率の向上効果に優れる点で好ましい。
【0010】上記基材樹脂より架橋ポリオレフィン系樹
脂粒子を製造する方法としては、従来公知の方法が採用
される。公知の方法としては、例えば基材樹脂を押出機
で溶融混練した後、ストランド状に押出し、次いで冷却
後、適宜長さに切断するか、或いは適宜長さに切断後、
冷却する等の方法でまずペレットを製造する。次にこの
ペレットに電子線を照射するか、或いはこのペレットを
有機過酸化物、分散剤及び各種添加剤とともに耐圧容器
中で水に分散混合しながら、上記有機過酸化物の分解温
度以上に加熱し、次いで冷却する(詳しくは、特開昭5
0−91643号公報、特開昭60−186533号公
報参照)等により架橋ポリオレフィン系樹脂粒子を得る
ことができる。得られる架橋ポリオレフィン系樹脂粒子
の架橋度(架橋後のポリオレフィン系樹脂粒子を沸騰キ
シレン中で8時間煮沸した時の樹脂の不溶分を80℃、
2mmHgで8時間減圧乾燥した後の不溶分重量の煮沸前重
量に対する割合を%で示したもの)は、通常1〜90
%、好ましくは20〜70%である。尚、上記ペレット
に関して付言する、上記ペレットの1粒子当たりの重量
を3mg以上とすることが、得られる発泡粒子の発泡倍率
の向上に大きく寄与することから望ましい。
【0011】本発明において架橋ポリオレフィン系樹脂
粒子に含有させる水溶性無機物と非水溶性無機物は、通
常、上記ペレットを製造する段階で基材樹脂とともに押
出機中に配合されてペレット中に分散混合される。
【0012】ポリオレフィン系樹脂粒子中に含有される
水溶性無機物とは、40℃の水100gに対する溶解度
が1g以上のものであるが、特に5g以上のものが好ま
しく、更に20g以上のものが好ましい。上記水溶性無
機物としては、例えば硼砂、硫酸ニッケル、硫酸マンガ
ン、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム等が挙げられるが、なかでも硼砂が好ましい。これら
の無機物は1種又は2種以上混合して用いることができ
る。水溶性無機物はポリオレフィン系樹脂粒子100重
量部当たり、0.01〜5.0重量部、特に0.05〜2.0重
量部含有させることが好ましい。水溶性無機物を大過剰
に含有せしめると、得られる発泡粒子の収縮が大きくな
り発泡成型性の上で好ましくない。一方、水溶性無機物
の添加量が少なすぎると本発明の効果が得られなくな
る。
【0013】本発明において水溶性無機物としてメジア
ン径が30μ以下のものを用いることが好ましく、メジ
アン径20μ以下のものがより好ましい。水溶性無機物
のメジアン径の下限は特に限定されないが、極めて微細
なものを加工しようとすると製品のコストアップにつな
がるため、通常その下限は0.1μ程度のものが用いられ
る。一般に市販されている水溶性無機物は、粒径分布に
2つの山が現れたり、粒径分布の幅が極度に広いため、
メジアン径が30μ以下であっても、極度に粒径の大き
い粒子が多く混入して好ましくない結果となる場合があ
る。従って、本発明において用いる水溶性無機物は、メ
ジアン径が30μ以下であるとともに、更に粒径40μ
以下の粒子が全体の70%重量以上含まれていることが
好ましく、80重量%以上含まれているとより好まし
い。本発明においては、市販されている水溶性無機物を
このような好ましい粒度分布とするためには、通常、ボ
ールミル、ジェットミル、振動ミル等を使用して粉砕し
て調整する方法が採用される。このように粒度分布の調
整されたものを使用した場合、得られる発泡粒子中に巨
大なボイド状の気泡が存在しなくなる。
【0014】ポリオレフィン系樹脂粒子中に水溶性無機
物と共に含有される非水溶性無機物とは、40℃の水1
00gに対する溶解度が1g未満のものであるが、特に
0.5g以下のものが好ましく、更に0.1g以下のものが
好ましい。上記非水溶性無機物としては、例えば、シリ
カ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸バリ
ウム、酸化珪素、タルク、クレー、ゼオライト等が挙げ
られるが、なかでもシリカが好ましい。これらの無機物
は1種又は2種以上混合して用いることができる。上記
した非水溶性無機物の市販品は、通常平均粒径が20μ
以下で、しかも粒度分布もさほど広くないことから、多
くの場合、市販品を粉砕することなくそのまま使用する
ことができる。非水溶性無機物はポリオレフィン系樹脂
100重量部当たり、0.01〜3.0重量部、特に0.02
〜0.5重量部添加することが好ましい。非水溶性無機物
を大過剰に含有せしめると、得られる発泡粒子の気泡径
が細かくなり過ぎ、型内成型時良好な二次発泡性を示さ
なくなる虞がある。一方、非水溶性無機物の添加量が少
な過ぎると、本発明の効果が得られなくなる。
【0015】本発明において予め別工程で発泡剤を含浸
させた架橋ポリオレフィン系樹脂粒子を密閉容器内で分
散媒に分散させ、該発泡性の樹脂粒子が軟化する温度以
上の温度にて樹脂粒子と分散媒とを容器内より放出して
発泡させても、また密閉容器内で発泡剤とともに架橋ポ
リオレフィン系樹脂粒子を分散媒に分散て加熱して発泡
剤を含浸させ、しかる後に発泡剤を含浸させた発泡性の
樹脂粒子と分散媒とを容器内から放出して発泡せしめる
等のいずれも採用することができるが、通常は後者の方
法が採用される。架橋ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡
剤とともに分散媒に分散させて発泡剤を含浸させる場
合、発泡剤は一旦分散媒に溶解又は分散した後に樹脂粒
子に含浸される。具体的には密閉容器中に樹脂粒子と発
泡剤及び分散媒を入れて攪拌しながら加熱、加圧する等
により樹脂粒子に含浸させる方法が採用されるが、樹脂
粒子を発泡剤とともに分散媒に分散させて発泡温度に昇
温しながら発泡剤を含浸させても、樹脂粒子を分散媒に
分散させて発泡温度あるいは発泡温度付近まで昇温した
後に発泡剤を供給して同温度において発泡剤を含浸させ
ても良い。また樹脂粒子と発泡剤とを分散媒に分散させ
て加熱して発泡温度あるいは発泡温度付近まで昇温した
後、無機ガス系発泡剤を更に追加して同温度に保持して
更に発泡剤を含浸させる方法等の如く、発泡剤を段階的
に含浸させる方法も採用できる。特に密閉容器内で発泡
剤とともに樹脂粒子を分散媒に分散せしめて樹脂粒子が
軟化する温度以上に加熱して発泡剤を含浸せしめ、次い
で更に容器内の無機ガス系発泡剤の分圧以上の圧力を持
つ無機ガス系発泡剤を容器内に供給して発泡温度あるい
は発泡温度付近に保持して更に発泡剤を含浸させる方法
を採用することが好ましい。この場合、追加の無機ガス
系発泡剤としては、発泡剤として最初に用いた発泡剤と
同一の無機ガス、又はこの無機ガスと他の無機ガスとの
混合ガス(例えば、最初に発泡剤として二酸化炭素を用
いた場合、二酸化炭素又は二酸化炭素と窒素との混合ガ
ス等)、またはこの無機ガスとは異なる無機ガス(例え
ば、最初に発泡剤として二酸化炭素を用いた場合、窒素
や空気等)を用いる。
【0016】本発明において用いる無機ガス系発泡剤と
しては、例えば窒素、二酸化炭素、アルゴン、空気等が
挙げられるが、なかでも二酸化炭素、窒素、空気が好ま
しい。無機ガス系発泡剤はガス状で供給しても、液状
(例えば液体窒素等)で供給しても、固形状(例えばド
ライアイス等)で供給しても良いが、容器内の圧力が5
0kg/cm2 ・G以下となるように供給することが好まし
い。
【0017】分散媒としては、樹脂粒子を溶解しないも
のであれば良く、このような分散媒としては例えば水、
エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノ
ール等が挙げられるが、通常は水が使用される。発泡性
の架橋ポリオレフィン系樹脂粒子を分散媒に分散せしめ
て発泡温度に加熱保持する際に、樹脂粒子相互の融着を
防止するために分散媒に融着防止剤を添加することがで
きる。融着防止剤としては水等の分散媒に溶解せず、加
熱によって溶融しないものであれば無機系、有機系を問
わず使用可能であるが、一般には無機系のものが好まし
い。無機系の融着防止剤としては、酸化アルミニウム、
酸化チタン、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシ
ウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、リン酸三カル
シウム、ピロリン酸マグネシウム等が挙げられ、これら
と乳化剤とを併用して添加することが好ましい。乳化剤
としてはドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、オ
レイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤が好適で
ある。上記融着防止剤としては粒径0.001〜100μ
m、特に0.001〜30μmのものが好ましい。融着防
止剤の添加量は樹脂粒子100重量部に対し、通常は0.
01〜10重量部が好ましい。また乳化剤は樹脂粒子1
00重量部当たり、通常、0.001〜5重量部添加する
ことが好ましい。
【0018】本発明方法において、発泡性の架橋ポリオ
レフィン系樹脂粒子と分散媒とを容器内より低圧の雰囲
気下に放出して発泡せしめる発泡温度は、発泡性の架橋
ポリオレフィン系樹脂粒子が軟化する温度以上の温度で
あるが、好適な発泡温度範囲は基材樹脂の種類によって
も異なり、例えば架橋LDPEの場合、基材LDPEの
融点−30℃以上、同融点+80℃以下が好ましい。更
に発泡温度にまで加熱する際の昇温速度は1〜10℃/
分、特に2〜5℃/分が好ましい。発泡性の樹脂粒子と
分散媒とを容器内より放出する際の雰囲気圧力は、容器
内より低圧であれば良いが、通常は大気圧下である。
尚、本発明において上記基材樹脂の融点とは示差走査熱
量計によってサンプル約6mgを10℃/分の昇温速度で
220℃まで加熱し、その後10℃/分の降温速度で約
50℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で220℃ま
で昇温した時に得られるDSC曲線における吸熱ピーク
(固有ピーク)の頂点の温度である。また発泡性の架橋
ポリオレフィン系樹脂粒子が軟化する温度とは、ASTM-D
-648法において、荷重4.6kg/cm2 の条件で求めた軟化
温度を意味するものである。
【0019】発泡性の架橋ポリオレフィン系樹脂粒子は
密閉容器内において、容器内で発泡しないような圧力、
一般には5kg/cm2 ・G以上の圧力に加圧保持されてい
る必要がある。発泡性樹脂粒子を容器内より低圧の雰囲
気下に放出して発泡させる方法においては、従来発泡性
樹脂粒子を発泡温度において暫く保持した後、容器内の
圧力を発泡剤の蒸気圧程度あるいはそれ以上の圧力に保
持しながら窒素ガスにより背圧をかけて発泡性の合成樹
脂粒子を容器内から放出して発泡させることにより発泡
倍率の安定化を図ろうとしていた。しかしながら、使用
する発泡剤と背圧ガスの成分が全く異なる場合には、得
られる発泡粒子の発泡倍率が放出開始からの時間が経過
するほど大きく低下する。
【0020】そこで発泡剤として用いた無機ガスと同一
の無機ガスを含むガスによって背圧をかけながら発泡を
行うことが好ましい。特に発泡剤が2種以上の混合物で
ある場合には、少なくとも一方の成分を含むガスによっ
て背圧をかけながら発泡を行えば良い。
【0021】この背圧ガスは、発泡性の樹脂粒子を放出
する工程中を通して発泡前の容器内の無機ガス系発泡剤
の蒸気圧程度あるいはそれ以上の圧力となるように供給
するものである。発泡中の容器内圧力が発泡前の容器内
の発泡剤の蒸気圧を大きく下回ると、得られる発泡粒子
の発泡倍率の安定化が困難となる。背圧をかけるために
供給するガスの圧力(混合ガスの場合は全圧力)は、通
常10〜60kg/cm2 ・Gである。
【0022】本発明方法においては前記したように、架
橋ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡剤とともに分散媒に
分散させて加熱して発泡剤を含浸させた後、無機ガス系
発泡剤を追加して発泡温度において保持して更に発泡剤
を含浸させることが好ましいが、本発明ではこの追加の
発泡剤と背圧をかけるために用いる無機ガスとを同一組
成とし、容器内を発泡温度とした直後に容器内に所定の
圧力の無機ガスを供給してそのままの状態でしばらく保
持して発泡粒子中に無機ガスを更に含浸させ、その後、
所定の圧力の無機ガスを供給して容器内の圧力を前記放
出前の容器内圧力と等しい圧力に保持しながら発泡性粒
子を容器外に放出する方法が最も望ましい方法である。
この様にして発泡を行うと、得られる発泡粒子の発泡倍
率を更に向上できる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0024】実施例1〜4、比較例1〜5 押出機内で無架橋の低密度ポリエチレン(密度0.923
g/cm3、融点109℃)100重量部当たり、表1に
示す硼砂(無水塩、40℃の水100gに対する溶解度
20g以上)とシリカとを添加して溶融混練した後、押
出機先端のダイスからストランド状に押出し、水中で急
冷した後、切断してペレット状に造粒した(ペレット1
粒子当たりの重量を表1に示す値に設定した。)。次い
でこのペレットをジクミルパーオキサイドを用いて架橋
処理し、架橋度を53%とした。次にこの架橋ペレット
100kgと微粒状のリン酸酸カルシウム300g、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム20g、水220リ
ットル及び表1に示す量のドライアイスを密閉容器(内
容積400リットル)内で攪拌しながら表1に示す発泡
温度に昇温して同表に示す時間保持した。温度保持開始
直後に空気(追加発泡剤)を供給して容器内圧力を表1
に示す放出開始前の容器内圧力とした。その後、容器内
が放出前の容器内圧力と等しい圧力に保持されるように
空気を供給しつつ容器の一端を開放して発泡性の樹脂粒
子と水とを大気圧下に放出して発泡せしめた。得られた
発泡粒子の製造直後の平均嵩発泡倍率及び常温常圧下で
一日熟成後における粒子中の気泡状態を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】尚、気泡状態は発泡粒子を略中心でスライ
スし、スライス面の任意の直線上に位置する気泡数を顕
微鏡で数え、スライス面上の直線距離を上記気泡数で除
した値を見掛けの平均気泡径として以下の基準で評価し
た。 ○・・・スライス面に見掛けの平均気泡径の10倍以上
の径を持つ気泡が存在する。 ×・・・スライス面に見掛けの平均気泡径の5倍以下の
径を持つ気泡のみが存在する。 また本発明の実施例及び比較例で使用した水溶性無機物
は、全て市販品をジェットミルにより微粉砕して粒度を
整えたものである。また水溶性無機物のメジアン径及び
粒径40μ以下のものの割合は、島津遠心沈降式粒度分
布測定装置「SA−CP4L」(株式会社島津製作所
製)を使用して測定した。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法は、架橋
ポリオレフィン系樹脂粒子に無機ガス系発泡剤を含浸さ
せて発泡させるに際し、発泡剤を含浸させる樹脂粒子中
に水溶性無機物と非水溶性無機物とを含有させたことに
より、発泡剤が無機ガス系発泡剤であっても容易に高発
泡倍率の発泡粒子を得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 無機ガス系発泡剤が含浸された発泡性の
    架橋ポリオレフィン系樹脂粒子を密閉容器内で分散媒に
    分散させ、該発泡性の樹脂粒子が軟化する温度以上の温
    度において樹脂粒子と分散媒とを容器内より低圧の雰囲
    気下に放出して樹脂粒子を発泡させる架橋ポリレフィン
    系樹脂発泡粒子の製造方法において、 上記発泡性の架橋ポリオレフィン系樹脂粒子が、水溶性
    無機物と非水溶性無機物とを含有することを特徴とする
    架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
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