JP3171272B2 - 重合体発泡粒子の製造方法 - Google Patents

重合体発泡粒子の製造方法

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重合体発泡粒子の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、揮発性発泡剤を含浸させた発泡性
の重合体粒子を密閉容器内で水等の分散媒に分散させ、
容器内圧力を発泡剤の蒸気圧以上に保持しつつ重合体粒
子の軟化温度以上の温度に加熱し、次いで容器の一端を
開放して重合体粒子と分散媒とを容器内よりも低圧の雰
囲気下に放出することにより重合体粒子を発泡させる方
法は知られている。
【0003】この方法において用いられる揮発性発泡剤
としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン等の炭化
水素類や、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロ
メタン等のハロゲン化炭化水素類がこれまで用いられて
いた。しかしながら、従来から揮発性発泡剤として使用
されている上記化合物は、毒性や可燃性等の危険性を有
していたり、フロン類のようにオゾン層破壊という問題
を有していたり、或いは危険性や環境破壊という点では
それほど問題を有さなくとも、高価で実用的ではない等
の問題を有するものが多いのが現状である。
【0004】このような問題を解決するために多くの研
究がなされ、本出願人もかかる課題を解決するために鋭
意研究した結果、従来発泡剤としては全く顧みられてい
なかった無機ガス系発泡剤を用いて重合体発泡粒子を得
る方法を先に提案した(例えば特公昭62−61227
号公報、特開昭61−2741号公報、特開昭61−4
738号公報等)。
【0005】しかしながら、無機ガス系発泡剤を用いた
場合、揮発性発泡剤と比べて重合体の可塑化効果や、ガ
スの浸透速度の違い等により、安定して高発泡倍率の発
泡粒子を得難いという問題があった。
【0006】本発明者等は上記課題を解決するために鋭
意研究した結果、硼砂、硫酸ニッケル、塩化ナトリウム
等の無機物を重合体粒子中に含有させておくことによ
り、無機ガス系発泡剤を用いて工業的規模で重合体発泡
粒子を製造した場合にも、高発泡倍率の重合体発泡粒子
を得ることができ、更に従来の揮発性発泡剤を用いた場
合でも発泡剤の使用量を少なくできるとともに、少ない
使用量で特開昭61−4738号公報に記載されている
方法よりも更に安定して高発泡倍率の発泡粒子を得るこ
とができることを見出し先に出願を行った(特開平3−
166238号公報、特開平3−223347号公報
等)。
【0007】しかしながら、上記無機物を含有する重合
体粒子に無機ガス系発泡剤、特に二酸化炭素を含浸させ
て発泡を行った場合、得られる発泡粒子の気泡が微細化
し易く、このような発泡粒子を用いて得た成型体は、寸
法精度が低下したものであったり、成型時の二次発泡性
不良等の問題を有していた。
【0008】本発明者等は上記問題を解決すべく鋭意研
究した結果、無機物とともにポリプロピレングリコール
・ポリエチレングリコール重合体を重合体粒子に含有さ
せることにより、両者が相乗的に作用して無機物の添加
量が少ない場合でも、二酸化炭素等の無機ガスを用いて
高発泡倍率の発泡粒子を得ることができるとともに、得
られる発泡粒子中の気泡の微細化問題を解決し得ること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の重合体発泡
粒子の製造方法は、無機物とポリプロピレングリコール
・ポリエチレングリコール重合物とを含有する重合体粒
子を、発泡剤の存在下に密閉容器内で分散媒に分散せし
めて該重合体粒子の軟化温度以上の温度に加熱し、次い
で発泡剤が含浸された重合体粒子と分散媒とを容器内よ
りも低圧の雰囲気下に放出して重合体粒子を発泡させる
ことを特徴とする。
【0010】本発明方法においては、重合体粒子中に、
無機物0.02〜5.0重量%、ポリプロピレングリコール
・ポリエチレングリコール重合物0.02〜5.0重量%を
含有することが好ましい。また本発明方法では発泡剤と
して無機ガス系発泡剤が好ましい。
【0011】本発明において用いる重合体粒子として
は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合
体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン
−エチレン−ブテンランダム共重合体等のプロピレン系
重合体、或いは低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ンや、エチレンと少量のα−オレフィン(炭素数4、
6、8等)との共重合体である直鎖状低密度ポリエチレ
ン等のエチレン系共重合体等が挙げられる。
【0012】これらのうち、殊にプロピレン−エチレン
ランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合
体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等
のプロピレン系重合体、直鎖状低密度ポリエチレンが好
ましい。これらの重合体は架橋したものであっても良い
が、無架橋のものが特に好ましい。
【0013】上記重合体粒子に含有される無機物として
は、例えば水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム等の無機水酸化物、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の無機炭酸塩、亜硫
酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム等の無機亜硫酸塩、
硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マンガン、硫
酸ニッケル等の無機硫酸塩、酸化カルシウム、酸化アル
ミニウム、酸化ケイ素等の無機酸化物、塩化ナトリウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の無機塩化
物、硼砂、タルク、クレー、カオリン、ゼオライト等の
粘土または天然鉱物等が挙げられる。
【0014】上記無機物は1種又は2種以上混合して用
いることができ、上記重合体粒子の造粒時に添加してお
けば良い。無機物は通常、粉粒体として添加されるが粒
径は特に限定されない。しかしながら、一般的に、粒径
0.1〜150μm、特に1〜100μmのものを用いる
ことが好ましい。
【0015】本発明では重合体粒子中に上記無機物とと
もに、ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコ
ール重合物(以下、PPG・PEG重合物と略称す
る。)を含有する。このPPG・PEG重合物とは、親
水性のPEGと親油性のPPGとが重合したノニオン系
界面活性剤で、ブロックコポリマーが一般的である。ま
たPPG・PEG重合物のうち、PPG重量平均分子量
が2000以上のものがブリードが少なく、予備発泡粒
子の成型性が特に良好なものとなる。一方、混練分散性
の面からPPG・PEG重合物としては、重量平均分子
量が8000以上、特に10000以上のものが好まし
い。
【0016】上記無機物の重合体粒子中における含有量
は、0.02〜5.0重量%、特に0.05〜1重量%が好ま
しく、またPPG・PEG重合物の重合体粒子中におけ
る含有量は、0.02〜5.0重量%、特に0.1〜1重量%
が好ましい。無機物の含有量が5.0重量%を超えると、
得られる発泡粒子が収縮し易くなり発泡成型性の上で好
ましくない。一方、無機物の含有量が0.02重量%未満
であると本発明の効果が得られなくなる。またPPG・
PEG重合物の添加量が5.0重量%を超えると成型時の
融着不良や機械的強度の低下等が問題となり、0.02重
量%未満であると得られる発泡粒子の気泡が微細とな
り、このような発泡粒子を用いて得た成型体は寸法精度
が低く、成型時の二次発性も良くない。本発明において
無機物とPPG・PEG重合体とを含有する重合体粒子
としては、一般に粒径が0.3〜5mm、特に0.5〜3mmの
ものが好ましい。
【0017】本発明において重合体粒子に発泡剤を含浸
させる工程は、重合体粒子を密閉容器内で分散媒に分散
させる工程の前・後のいずれでも良いが、通常は重合体
粒子を分散させる工程において同時に行う。この場合に
は、発泡剤は分散媒に一旦溶解又は分散した後に重合体
粒子に含浸され、発泡剤は密閉容器中に重合体粒子と発
泡剤及び分散媒を入れて攪拌しながら加熱、加圧する等
の方法により重合体粒子中に含浸させることができる。
【0018】本発明において用いる発泡剤は、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シク
ロヘキサン、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロ
ロメタン等の揮発性発泡剤や、窒素、二酸化炭素、アル
ゴン、空気等の無機ガス系発泡剤のいずれでも良いが、
無機ガス系発泡剤が好ましく、なかでも二酸化炭素、窒
素、空気が好ましい。これら無機ガス系発泡剤を用いる
場合、容器内圧力が50kg/cm2 ・G以下となるように
供給することが好ましい。
【0019】重合体粒子を分散させるための分散媒とし
ては、重合体粒子を溶解しないものであれば良く、この
ような分散媒としては例えば水、エチレングリコール、
グリセリン、メタノール、エタノール等が挙げられる
が、通常は水が使用される。
【0020】発泡剤を含浸させた発泡性の重合体粒子を
分散媒に分散せしめて発泡温度に加熱するに際し、重合
体粒子の融着を防止するために融着防止剤を用いること
ができる。融着防止剤としては水等の分散媒に溶解せ
ず、加熱によって溶融しないものであれば無機系、有機
系を問わず使用可能であるが、一般には無機系のものが
好ましい。無機系の融着防止剤としては、酸化アルミニ
ウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、リン酸
三カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等が挙げられ
る。
【0021】上記融着防止剤としては粒径0.001〜1
00μm、特に0.001〜30μmのものが好ましい。
融着防止剤の添加量は重合体粒子100重量部に対し、
通常は0.01〜10重量部が好ましい。
【0022】上記無機系の融着防止剤は、発泡剤として
二酸化炭素を使用した場合乳化剤と併用することが好ま
しい。乳化剤としてはドデシルベンゼンスルフォン酸ナ
トリウム、オレイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活
性剤が好適である。乳化剤は重合体粒子100重量部当
たり、通常、0.001〜5重量部添加することが好まし
い。
【0023】本発明方法において、発泡性の重合体粒子
中には二次結晶が存在することが好ましい。この二次結
晶が存在する発泡性の重合体粒子より得られた発泡粒子
は成型性が優れたものとなる。特に重合体粒子が無架橋
のポリプロピレン系樹脂や無架橋の直鎖状低密度ポリエ
チレン系樹脂の場合、発泡性重合体粒子中に二次結晶が
存在していることが有利である。
【0024】二次結晶の存在は、得られる発泡粒子の示
差走査熱量測定によって得られるDSC曲線に、重合体
の所謂融解時の吸熱に起因する固有ピークよりも高温側
の高温ピークが現れるか否かによって判定することがで
きる。固有ピークと高温ピークとは、同一のサンプルの
示差走査熱量測定を2回行うことによって判定できる。
この方法では、まずサンプル(発泡粒子)1〜3mgを示
差走査熱量計によって10℃/分で220℃まで昇温測
定して第1回目のDSC曲線を得、次いで220℃から
40℃付近まで10℃/分の速度で降温し、再度10℃
/分で220℃まで昇温測定して第2回目のDSC曲線
を得る。
【0025】このようにして得た2つのDSC曲線を比
較して固有ピークと高温ピークとを判別することができ
る。固有ピークとは、重合体の所謂融解に伴う吸熱ピー
クであるから、第1回目のDSC曲線にも第2回目のD
SC曲線にも現れるピークであり、ピークの頂点の温度
は第1回目と第2回目とで多少異なる場合もあるが、そ
の差は5℃未満、通常は2℃未満である。一方、高温ピ
ークとは、第1回目のDSC曲線において上記固有ピー
クよりも高温側に現れる吸熱ピークである。二次結晶の
存在はこの高温ピークが現れることによって確認され、
実質的な高温ピークが現れない場合には二次結晶が存在
しないものと判定される。
【0026】上記2つのDSC曲線において第2回目の
DSC曲線に現れる固有ピークの頂点の温度と、第1回
目のDSC曲線に現れる高温ピークの頂点の温度との差
は大きいことが望ましく、両者の温度差は5℃以上、特
に10℃以上が好ましい。
【0027】図1、図2は発泡粒子の示差走査熱量測定
によって得られたDSC曲線を示し、図1は二次結晶を
含む発泡粒子のもの、図2は二次結晶を含まない発泡粒
子のものである。図1、図2において、曲線1及び2は
第1回目の測定によって得られたDSC曲線であり、曲
線1′、2′は第2回目の測定によって得られたDSC
曲線を示す。
【0028】図1に示すように、二次結晶を有する発泡
粒子では、第1回目の測定によって得られた曲線1にお
いては固有ピークBの他に、第2回目の測定によって得
られた曲線1′にはない高温ピークAが現れており(第
2回目の測定で得られた曲線1′には固有ピークB′の
みが現れる。)、この高温ピークAの存在によって二次
結晶の存在が確認される。一方、二次結晶を含有しない
発泡粒子では、図2に示すように曲線2、曲線2′のい
ずれにも固有ピークb、b′が現れるのみで高温ピーク
は現れず、このことから二次結晶が存在しないことが確
認される。
【0029】図2に示す発泡粒子のように、二次結晶の
存在が認められない粒子が得られるのは、二次結晶化促
進温度(融点〜融解終了温度)において充分な時間、熱
処理を受けず、融解終了温度以上の温度で発泡されたよ
うな場合である。無機ガス系発泡剤を用いた場合には、
曲線1で示されるような二次結晶を有する発泡粒子は、
例えば次のような方法で製造することができる。
【0030】無架橋のポリプロピレン系樹脂の場合で
は、一般に耐圧容器内において重合体粒子をその融解終
了温度以上に加熱することなく、融点−20℃程度以
上、融解終了温度未満の温度において充分な時間、通常
5〜90分間、好ましくは15〜60分間保持すること
によりにより得ることができる。またこのような温度に
保持して二次結晶を形成せしめた粒子の場合、重合体粒
子を容器内よりも低圧雰囲気下に放出して発泡させる際
の発泡温度(放出時の温度)は融解終了温度以上であっ
ても、前記高温ピーク以下の温度であれば成型性の良好
な発泡粒子を得ることができる。
【0031】無架橋の直鎖状低密度ポリエチレンの場
合、一般には耐圧容器内で重合体粒子をその融解終了温
度以上に加熱することなく、融点−15℃程度以上、融
解終了温度未満の温度にて充分な時間、通常5〜90分
間、好ましくは5〜30分間保持すれば良い。
【0032】尚、上記温度保持においては、結晶の形成
の為の温度管理のし易すさから、複数回に分割して行う
ことが望ましい。この場合、先の保持温度より後の保持
温度を高くする方法が採用される。そして最終保持温度
を発泡温度とすることが望ましい。
【0033】本発明方法において発泡剤として無機ガス
系発泡剤を使用する場合、発泡性の重合体粒子と分散媒
とを容器内より低圧の雰囲気下に放出して発泡せしめる
発泡温度は、重合体粒子の軟化温度以上の温度である
が、特に融点付近の温度が好ましい。好適な発泡温度範
囲は樹脂の種類によっても異なり、例えば無架橋ポリプ
ロピレン系樹脂の場合、融点−5℃以上、融点+15℃
以下、特に融点−3℃以上、融点+10℃以下が好まし
く、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の場合、融点−10
℃以上、融点+5℃以下が好ましい。又、架橋低密度ポ
リエチレンの場合、融点−10℃以上、融点+50℃以
下が好ましい。
【0034】更に発泡温度にまで加熱する際の昇温速度
は1〜10℃/分、特に2〜5℃/分が好ましい。発泡
性の重合体粒子と分散媒とを容器内より放出する際の雰
囲気圧力は、容器内より低圧であれば良いが、通常は大
気圧下である。
【0035】尚、本発明において上記重合体の融点とは
示差走査熱量計によってサンプル約6mgを10℃/分の
昇温速度で220℃まで加熱し、その後10℃/分の降
温速度で約50℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で
220℃まで昇温した時に得られるDSC曲線における
吸熱ピーク(固有ピーク)の頂点の温度である。融解終
了温度とは上記の如き測定によって得られる2回目のD
SC曲線の吸熱ピーク(固有ピーク)における融解終了
温度を意味する。また重合体粒子の軟化温度とは、ASTM
-D-648法において、荷重4.6kg/cm2 の条件で求めた軟
化温度を意味するものである。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0037】実施例1〜6、比較例1〜4 押出機内で下記表1に示す樹脂、無機物及びPPG・P
EG重合物を溶融混練した後、押出機先端のダイスから
ストランド状に押出し水中で急冷した後、切断してペレ
ット状に造粒した(長さ2.4 mm、断面の直径1.1mm)。
尚、PPG・PEG重合体の中のポリエチレングリコー
ル成分含有量(PEG重量%)及びPPG・PEG重合
体の重量平均分子量を表1にあわせて示した。
【0038】
【表1】
【0039】尚、上記実施例、比較例で用いた重合体の
基材樹脂の性状及び無機物の粒径は以下の通りである。
【0040】基材樹脂 ・LLDPE:密度0.925g/cm3 、MI=1.0g/
10分の直鎖状低密度ポリエチレン ・Et−Prランダム共重合体:エチレン成分含有量2.
4重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体、M
I=10.0g/10分 ・架橋LDPE:ゲル分率53%の架橋低密度ポリエチ
レン 無機物 ・水酸化アルミニウム:粒径3μm ・タルク:粒径2μm ・有機処理ベントナイト:粒径0.05μm、トリメチル
アンモニウムクロライドにて表面処理したもの。 ・13X型ゼオライト:粒径2μm ・シリカ:粒径1μm
【0041】このペレットkgとリン酸三カルシウム7
5g、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム0.2
、水リットルとを配合して密閉容器(容積リット
ル)内で攪拌しながら融解温度以上の温度に昇温するこ
となく、表2に示す一段保持温度に昇温保持した(実施
例5、比較例3のみ、その他は直ちに二段保持温度に保
持した。)。次いで表2に示す二段保持温度に昇温し、
同温度に保持した。尚、発泡剤としてドライアイスを使
用し、上記ペレット等の原料投入時に表2に示す量を投
入した
【0042】その後、二段保持温度に保持したまま二酸
化炭素で背圧をかけて容器内を表2に示す圧力に保持し
ながら容器の一端を開放して重合体粒子と水とを大気圧
下に放出して発泡せしめた。得られた発泡粒子の平均嵩
発泡倍率、気泡径及びこれらの発泡粒子の成型性を表2
にあわせて示した。
【0043】表2における成型体の寸法精度、融着性、
二次発泡性の評価は以下に示す評価基準に基いて行っ
た。尚、比較例4の発泡粒子を用いた成型体は寸法精
度、粒子の融着性ともに良好であったが、発泡倍率が低
過ぎるために総合評価を×とした。
【0044】寸法精度 80℃のオーブン中で、24時間養生後の面方向の収縮
率を測定し、以下の基準で評価した。 ○・・・面方向の収縮率が3%未満 △・・・面方向の収縮率が3%以上、4%未満 ×・・・面方向の収縮率が4%以上
【0045】融着性 幅方向垂直断面が、厚さ1cm×幅5cmとなるように発泡
成型体を切断したスライス板を破断するまで長手方向に
引張り、破断面を観察して以下の基準で評価した。 ○・・・破断面の材質破壊が60%以上 △・・・破断面の材質破壊が40%以上、60%未満 ×・・・破断面の材質破壊が40%未満
【0046】二次発泡性 発泡成型体の表面状態を観察し、以下の基準で評価し
た。 ○・・・表面にほとんど凹凸なし。 △・・・部分的に凹凸あり。 ×・・・全面に凹凸あり。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法は、特定
割合の無機物とPPG・PEG重合体とを含有する重合
体粒子に発泡剤を含浸させて発泡させるようにしたた
め、無機ガス系発泡剤を用いても容易に高発泡倍率の発
泡粒子を得ることができる。また揮発性発泡剤を用いる
場合でも、従来の揮発性発泡剤を用いた方法に比べて揮
発性発泡剤の使用量を少なくすることができ、少ない揮
発性発泡剤の使用でも高発泡倍率の発泡粒子を得ること
ができる等の効果を有する。
【0049】更に無機物とPPG・PEG重合体とを併
用したことにより、得られる発泡粒子の気泡が微細化す
る虞がなく、気泡の微細化による成型体の寸法精度低
下、成型時の二次発泡性不良等を生じることのない優れ
た性状の発泡粒子を提供できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒子中に二次結晶を有する発泡粒子のDSC曲
線を示すグラフである。
【図2】粒子中に二次結晶を有さない発泡粒子のDSC
曲線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−24332(JP,A) 特開 昭63−69843(JP,A) 特開 平3−223347(JP,A) 特開 平3−166238(JP,A) 特開 昭61−2741(JP,A) 特開 昭59−111823(JP,A) 特公 昭43−6522(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物とポリプロピレングリコール・ポ
    リエチレングリコール重合物とを含有する重合体粒子
    を、発泡剤の存在下に密閉容器内で分散媒に分散せしめ
    て該重合体粒子の軟化温度以上の温度に加熱し、次いで
    発泡剤が含浸された重合体粒子と分散媒とを容器内より
    も低圧の雰囲気下に放出して重合体粒子を発泡させるこ
    とを特徴とする重合体発泡粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合体粒子中に無機物0.02〜5.0重量
    %、ポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコー
    ル重合物0.02〜5.0重量%を含有する請求項1記載の
    重合体発泡粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡剤が無機ガス系発泡剤である請求項
    1または2記載の重合体発泡粒子の製造方法。
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