JPH0717241B2 - 立体駐車場 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の利用分野］ この発明は、車両を駐車フロア内で搬送するようにした
立体駐車場に関する。

［従来技術］ 台車に車両を搭載し、フロア内を巡回させるようにした
立体駐車場が知られている。この立体駐車場では車両の
出し入れを台車の巡回で行うため、次の問題が生じる。

（１）複雑な台車の巡回機構が必要となる。これは台車
が巡回運動をするからで、単純な直線運動の場合に比べ
て、台車の巡回機構がはるかに複雑になる。

（２）１つの車両の出し入れにも、すべての台車を移動
させねばならない。これは台車に車両を駐車し、かつ台
車を巡回させるからで、出し入れに用いる台車がリフト
に接した位置にくるまで、台車の巡回を続けねばならな
い。

（３）駐車する車両毎に台車を設けねばならず、多数の
台車が必要となる。これは台車を最終の駐車場所として
用いるからで、駐車能力分の数の台車が必要となる。

これらのことは、車両の出し入れの速度を低下させると
ともに、立体駐車場を複雑で高価なものにする。

［発明の課題］ この発明の課題は、これらの問題を解消し、 （１）１台の台車で複数の車両を扱うことを可能にし、
台車当たりの駐車能力を増すとともに、立体駐車場の設
備費を低減し、 （２）台車の運動を直線運動にし、台車の運動速度を速
める点にある。

［発明の構成］ この発明の立体駐車場は、駐車フロアに台車の走行通路
を設けて、走行通路にレールを敷設するとともに、レー
ル上を走行する台車を設け、走行通路の両側に接するよ
うに固定パレットを設け、駐車フロアと車両の出入口階
とを結ぶリフトを設けて、駐車フロアでは走行通路に接
してリフトが停止するようにし、かつ台車と各固定パレ
ットとリフトとのそれぞれに、車両を滑り運動で移動さ
せるためのコンベアを設けて、台車とリフト並びに台車
と固定パレットとの間で、コンベアにより車両を積み替
えるようにしたものである。

このようにすれば、１台の台車で複数の車両を扱うこと
ができ、台車の巡回機構が不要になる。また台車の巡回
が不要になれば、単純な直線運動で車両を移動させれば
良く、搬送制御が容易になり、かつ搬送に要する時間も
短縮される。更に、高価な台車を１台で済ませることが
できる。以下に実施例を説明する。

［実施例］ 第１図、第２図に、装置の概要を示す。図において、２
は立体駐車場の駐車フロアで、必要に応じ１層あるいは
複数層設け、４は駐車場の出入り口階とフロア２とを接
続するリフトである。６は台車で、レール10上を往復運
動できるようにする。レール10を敷設した駐車フロア２
の中央の通路が、台車６の走行通路である。12は固定パ
レットで、レール10の両側に多数固定して設け、それ自
体としては移動せず、駐車フロア２の床面に固定したも
のである。14は電源線、16は立体駐車場全体の制御装置
で、適当な中央処理装置、例えばオフィスコンピュータ
やパーソナルコンピュータを備えたものとする。また立
体駐車場各部への信号線をバスライン18として示す。20
はローラーで、ベルトコンベアでも良く、台車６、固定
パレット12、リフト４のそれぞれに設ける。

第３図に、台車６の構造を示す。台車６には前記のよう
にローラー20があり、これは車両02の前輪と後輪とに対
応して、一対の個別ローラー34,34からなっている。36
はモーター36で、個別ローラー34,34を駆動し、電源線1
4から給電する。38は台車６の制御回路で、バスライン1
8を介して制御装置16と接続し、制御装置16の指令で台
車６を走行させたり、個別ローラー34,34を回転させた
りする。39は固定パレット12の固有信号を確認して、台
車６の停止位置を制御するための受信手段で、台車６は
受信手段39からの信号を用いて、固定パレット12に接し
た位置に正確に停止する。また台車６には、第５図に示
すように車輪を設け、レール10上を移動できるようにす
る。

第４図に、固定パレット12の構造を示す。固定パレット
12には、例えば台車６に用いたものと同じ個別ローラー
34,34を設け、車両02を台車６との間でやり取りできる
ようにする。なお40は個別ローラー34,34の駆動用モー
ター、42は固定パレット12の制御回路で、バスライン18
を介し制御装置16に接続し、中央制御装置16の指令で個
別ローラー34,34を制御する。また固定パレト12には、
固有信号を発する識別回路44を設け、台車６の受信手段
39でこの固有信号を確認し、台車６が正しい位置に来た
ことを確認する。なおリフト４にも同様のローラー20を
設け、またローラー20は正逆いずれの方向にも動作する
２方向回転のものとする。

第１図，第２図に戻り、装置の動作を説明する。立体駐
車場で最も重要なのは、駐車した車両を円滑に出庫させ
ることである。各車両02と固定パレット12との対応関係
は、予め明らかになっているものとする。このことは、
固定パレット12の番号を記載した駐車券を使用者に手渡
すこと等で容易に実現できる。

出庫に際しては、出庫すべき車両02を搭載した固定パレ
ット12を選び出し、制御装置16に入力する。するとリフ
ト４は、該当パレット12の存在するフロア２へ移動す
る。これと並行して、台車６は該当パレット12の位置へ
移動し、車両02をパレット12から台車６へ移動させる。
該当パレット12の確認は、識別回路44からの固有信号を
受信手段39で確認して行い、車両02の移動にはリフト４
のローラー20とパレット12のローラー20とを用い、固定
パレット12のローラー20から台車６のローラー20へと車
両02を横滑りさせて積み替える。

第５図に、固定パレット12と台車６との間の車両02の移
動を示す。リフト４と台車６との間の積み替えも同様で
ある。ローラー20,20を同時に駆動し、例えば車両02を
横滑りさせて積み替える。

車両02を台車６に積み替えると、台車６はリフト４に接
した位置へとレール10上を走行し、同様に台車６のロー
ラー20とリフト４のローラー20とを用いて、車両を積み
替える。この後、リフト４は出入口階へと移動し、車両
02を出庫する。

ここでは出庫に付いて手順を説明したが、入庫は逆の手
順で行えば良く、またローラー20は動作時以外はブレー
キをかけ、車両02を固定しておくものとする。

［発明の効果］ この発明では、 （１）１台の台車で、複数の車両を扱うことが可能にな
り、 （２）台車の運動を直線運動へと単純化でき、 （３）車両の出し入れに駐車フロアの多数の台車を巡回
させる必要がなくなり、 （４）従って台車の台数を減らして、台車に伴う設備費
が減少し、 （５）直線運動であるため、車両の搬送速度が増加し、 （６）誤制御の恐れが減少する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施例の立体駐車場の平面図、第２図はその
制御系を現すブロック図。第３図は、実施例の台車の平
面図、第４図は実施例の固定パレットの平面図、第５図
は実施例の動作状態を示す断面図である。 図において、２……駐車フロア ４……リフト、６……台車 10……レール、12……固定パレット 14……電源線、16……制御装置 18……バスライン、20……ローラー 34……個別ローラー 36……モーター、38……制御回路 39……受信手段、40……モーター 42……制御回路、44……識別回路 46……車輪

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】駐車フロア２に台車の走行通路を設けて、
   走行通路にレール10,10を敷設するとともに、レール10,
   10上を走行する台車６を設け、 走行通路の両側に接するように固定パレット12を設け、 駐車フロア２と車両の出入口階とを結ぶリフト４を設け
   て、駐車フロア２では走行通路に接してリフト４が停止
   するようにし、 かつ台車６と各固定パレット12とリフト４とのそれぞれ
   に、車両を滑り運動で移動させるためのコンベア20を設
   けて、台車６とリフト４並びに台車６と固定パレット12
   との間で、コンベア20により車両を積み替えるようにし
   た、立体駐車場。