JPH07171908A - フランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法 - Google Patents

フランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法

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JPH07171908A
JPH07171908A JP6265367A JP26536794A JPH07171908A JP H07171908 A JPH07171908 A JP H07171908A JP 6265367 A JP6265367 A JP 6265367A JP 26536794 A JP26536794 A JP 26536794A JP H07171908 A JPH07171908 A JP H07171908A
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steel pipe
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flange
lining layer
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JP6265367A
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Kunimasa Ookubo
邦将 大久保
Tetsuhiro Okuyama
哲弘 奥山
Satoru Ichinosawa
哲 市野沢
Yutaka Yoshino
豊 吉野
Hiroyuki Nakada
宏幸 中田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本体ライニング層とフランジライニング層との
密着性に優れ、熱伸縮などによって本体ライニング層と
フランジライニング層との間で剥離などを起こすことの
ないフランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法を提供す
ることを目的とする。 【構成】鋼管本体11の外側から加熱してあらかじめ本
体樹脂ライニング層3bの端部を軟化点近傍まで昇温さ
せたのち、樹脂を射出成形し、射出樹脂の温度と圧力で
軟化した本体樹脂ライニング層の端部と、溶融樹脂とが
よく馴染み、フランジ樹脂ライニング層7と本体樹脂ラ
イニング層3bとが界面においてしっかりと接合一体化
されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管端に接合用のフラン
ジを有するフランジ付鋼管の内面から管端にかけて樹脂
をライニングしてフランジ付樹脂ライニング鋼管を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管本体の端部にフランジが一体に設け
られた配管材として用いられるフランジ付鋼管には、そ
の耐食性等を高めることを目的として、鋼管本体の内面
から管端フランジ面にかけて樹脂をライニングしたもの
がある。このようなフランジ付樹脂ライニング鋼管を製
造する際、管端部の内面からフランジ面にかけて樹脂が
存在しない部分ができると、使用時にその部分から腐食
が進行するおそれがある。そのため、製造に当たって
は、鋼管の内面については言うに及ばず、その管端部内
面からフランジ面にかけても樹脂が途切れることなく存
在するようにライニング層を形成する必要がある。
【0003】そこで、従来においては、鋼管本体よりも
長い樹脂管を鋼管内に挿入するとともに、この樹脂管を
膨張させて鋼管内面を樹脂管によってライニングした
後、その樹脂管の端部を鋼管の管端フランジ面に沿って
鍔返しする方法(例えば特開昭49−99370号公報
参照)、あるいは樹脂管を膨張させると同時にフランジ
部も一体に膨張成形する方法(たとえば、特開昭54−
29382号公報参照)等によってフランジ付樹脂ライ
ニング鋼管を製造している。
【0004】しかし、上記のような鍔返し加工を用いる
従来の製造方法は、フランジ付鋼管内に挿入された内面
ライニング用の樹脂管の端部を加熱・軟化させた後、そ
の部分を上述のように鍔返し加工して管端フランジ面に
密着させるものである。そのため、熱可塑性樹脂のうち
でも例えば硬質塩化ビニル樹脂のように比較的伸びがよ
くて加工性に優れる樹脂に対しては適用できるが、エン
ジニアリングプラスチックと呼ばれる高融点で伸びにく
い樹脂、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポ
リフェニレンサルファイド(PPS)やポリエーテルエ
ーテルケトン(PEEK)等の樹脂に対しては適用がで
きないか又は極めて困難である。
【0005】このため、従来においてはフランジ付樹脂
ライニング鋼管の鋼管本体内面から管端フランジ面まで
の部分を樹脂でライニングする場合には、上述のような
鍔返し加工が可能な樹脂した使用できず、それだけライ
ニング用樹脂の種類ひいては製品の性能面で制限を受け
るという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の出願
人は、つぎのようなフランジ付樹脂ライニング鋼管の製
造方法を先に提案している(特願平5−75759
号)。すなわち、この製造方法は、図9に示すように、
まず、鋼管本体101の端部にフランジ102が一体に
設けられ、鋼管本体101の内面に本体樹脂ライニング
層104が形成されたフランジ付鋼管100を用意す
る。なお、本体樹脂ライニング層104は、鋼管本体1
01内面に接着剤103を塗布したのち、鋼管本体10
1より少し短い合成樹脂管を鋼管本体101内へ挿入
し、接着剤103を介して鋼管本体101と合成樹脂管
とを接着一体化することで形成されるようになってい
る。
【0007】つぎに、本体樹脂ライニング層104の内
径と略同径の中子型105を、本体樹脂ライニング層1
04の先端部に嵌合するように鋼管本体101の端部か
ら挿入し、さらにフランジ付鋼管100の端部に射出成
形用金型106をセットする。そして、図10に示すよ
うに所定温度に加熱溶融させた樹脂をキャビティ107
内に注入して冷却固化させることにより、鋼管本体10
1の端部内面からフランジ102面にかけて射出成形に
よって本体樹脂ライニング層104と連結一体化したフ
ランジ樹脂ライニング層108を形成するようになって
いる。
【0008】この方法によれば、内面ライニング用樹脂
管の端部を鍔返し加工する必要がない。従って、例えば
上述のPPS等のエンジニアリングプラスチックのよう
に、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性等の点で優れた物性
を有しながら鍔返し加工や接着剤の使用が困難であった
ためにライニング素材として利用できなかった樹脂をも
使用できることとなり、ひいては当該樹脂のもつ物性を
活かした性能に優れた各種のフランジ付樹脂ライニング
鋼管の製造が可能となると言う優れた効果を奏する。
【0009】しかしながら、先に本出願人が提案した上
記製造方法では、つぎのような問題が残っていた。すな
わち、フランジ樹脂ライニング層108が溶融樹脂を射
出することで形成されるようになっているため、本体樹
脂ライニング層104が溶融樹脂と接する部分で溶融し
てフランジ樹脂ライニング層108とその界面において
融着するが、樹脂の流れによって部分的に融着が不十分
になる場合があり、その不十分な部分で樹脂の熱伸縮に
よって両者の界面で剥離が生じ、十分な防食効果が発揮
できなくなる虞がある。
【0010】本発明は、このような問題に鑑みて、本体
樹脂ライニング層とフランジ樹脂ライニング層との接合
性に優れ、伸縮などによって本体樹脂ライニング層とフ
ランジ樹脂ライニング層との界面で剥離などが発生しな
いフランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
願の請求項1記載の発明(以下、発明1という)にかか
るフランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法は、鋼管本
体と、この鋼管本体の端部に設けられたフランジと、鋼
管本体の内壁面を管端近傍まで被覆する本体樹脂ライニ
ング層とを有するフランジ付鋼管に、フランジ面から前
記本体樹脂ライニング層に到るフランジ樹脂ライニング
層を射出成形によって成形するフランジ付樹脂ライニン
グ鋼管の製造方法であって、鋼管本体の外側から加熱し
てあらかじめ本体樹脂ライニング層の端部を軟化点近傍
まで昇温させたのち、樹脂を射出成形することを構成と
し、本願の請求項2記載の発明(以下、発明2という)
にかかるフランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法は、
鋼管本体と、この鋼管本体の端部に設けられたフランジ
と、鋼管本体の内壁面を管端近傍まで被覆する本体樹脂
ライニング層とを有するフランジ付鋼管に、フランジ面
から前記本体樹脂ライニング層に到るフランジ樹脂ライ
ニング層を射出成形によって形成するフランジ付樹脂ラ
イニング鋼管の製造方法であって、本体樹脂ライニング
層の端面に溶剤または接着剤を塗布したのち、樹脂を射
出成形することを構成とした。
【0012】上記構成において、鋼管本体に樹脂ライニ
ング層を設ける方法としては、特に限定されないが、た
とえば、鋼管本体の内周面に接着剤を塗布したのち、鋼
管本体より短い合成樹脂管を鋼管本体内に挿入して鋼管
本体と一体化する方法が挙げられる。
【0013】ライニング層を形成する樹脂としては、塩
化ビニル樹脂,ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポ
リエチレン、架橋ポリエチレン、ポリブテン、ポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)やポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK),フッ素樹脂(例えば、PVDF)
等が挙げられる。また、フランジ付鋼管とは、フランジ
が鋼管本体の両端に設けられているものだけではなく、
鋼管本体のいずれか一端のみに設けられているものも含
まれる。
【0014】さらに、上記構成に加えて、本管樹脂ライ
ニング層の端部内周縁を段状またはテーパ状に切り欠い
ておくことが好ましい。段状に切り欠く場合、段部の平
行部の長さは5mm以上とすることが好ましい。また、段
の厚みは本体樹脂ライニング層の厚みによって異なる
が、本体樹脂ライニング層の厚みが2mm以下の場合はそ
の肉厚の半分以上が好ましく、本体樹脂ライニング層の
厚みが2mmを越える場合は、その肉厚の半分を越えない
範囲で1〜3mm程度が好ましい。
【0015】また、テーパ状に切り欠く場合は、鋼管本
体側から本体樹脂ライニング層の内壁面に向かってテー
パを60°以下、特に45°以下にすることが好まし
い。
【0016】本発明1における、鋼管本体の外側からの
本体樹脂ライニング層の加熱温度は、両樹脂ライニング
層が塩化ビニル樹脂─塩化ビニル樹脂の組み合わせとな
る場合、60〜100℃(熱変形温度約80℃)程度が
好ましい。
【0017】本発明2における、溶剤としては、本体樹
脂ライニング層を形成する樹脂を膨潤させるような溶剤
が使用され、例えば、本体樹脂ライニング層を形成する
樹脂が塩化ビニル樹脂である場合には、テトラヒドロフ
ラン、ジクロロメタン、アセトン、シクロヘキサン、酢
酸エチル、キシレン等が挙げられる。又、接着剤として
は、上記の如き熱可塑性樹脂を膨潤させる溶剤を含有す
る接着剤が使用され、例えば、本体樹脂ライニング層を
形成する樹脂が塩化ビニル樹脂である場合には、積水化
学工業社製のエスロン接着剤等が挙げられる。
【0018】
【作用】本発明1の構成のように、鋼管本体の外側から
加熱してあらかじめ本体樹脂ライニング層の端部を軟化
点近傍まで昇温させたのち、樹脂を射出成形するする
と、あらかじめ昇温されるとともに射出樹脂の温度と圧
力により軟化した本体樹脂ライニング層の端部と、射出
された溶融樹脂とがよく馴染み、フランジ樹脂ライニン
グ層と本体樹脂ライニング層とが界面においてしっかり
と接合一体化される。
【0019】本発明2の構成のように、本体樹脂ライニ
ング層の端面に溶剤または接着剤を塗布したのち、樹脂
を射出成形すると、溶剤または接着剤が塗布されるとと
もに射出樹脂の温度と圧力により軟化した本体樹脂ライ
ニング層の端部は、射出された溶融樹脂とがよく馴染
み、フランジ樹脂ライニング層と本体樹脂ライニング層
とが界面においてしっかりと接合一体化される。
【0020】
【実施例】以下に、本発明を、その実施例をあらわす図
面を参照しつつ詳しく説明する。図1〜図4は本発明1
にかかるフランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法の第
1実施例を工程順にあらわしている。すなわち、このフ
ランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法は、以下の工程
順に実施されるようになっている。
【0021】 図1に示すように、まず、鋼管本体1
1の両端にフランジ12,12をそれぞれ一体に設けた
フランジ付鋼管1を用意し、このフランジ付鋼管1の鋼
管本体11内面に接着剤13を塗布する。
【0022】 合成樹脂管3aを矢印方向に挿入して
接着剤13を介して鋼管本体11と一体化する。なお、
合成樹脂管3aは、鋼管本体11より少し短くなってい
る。したがって、この合成樹脂管3aを鋼管本体11と
接着一体化することで、図2に示すように、フランジ1
2近傍の鋼管本体端部14を除いて本体樹脂ライニング
層3bが形成される。
【0023】 図3に示すように、本体樹脂ライニン
グ層3bの端部にあたる鋼管本体11の外周部にヒータ
8を全周に渡って配置し、本体樹脂ライニング層3bの
端部を樹脂軟化温度まで加熱するとともに、鋼管本体1
1の管軸と同一軸心を有する射出成形型(フランジ型)
6をフランジ付鋼管1の端部に装着し、中子型5を本体
樹脂ライニング層3bの端部に嵌合させる。
【0024】 樹脂注入口61から溶融樹脂をキャビ
ティ62内に射出し、図4に示すような本体樹脂ライニ
ング層3bに連続してフランジ樹脂ライニング層がを形
成されたフランジ付樹脂ライニング鋼管Aを得ることが
できる。このフランジ付樹脂ライニング鋼管Aの製造方
法は、以上のように鋼管本体11の外部から加熱して、
本体樹脂ライニング層3bの端部の樹脂を軟化状態にし
ておき、フランジ樹脂ライニング層7となる溶融樹脂を
射出するため、あらかじめ昇温されるとともに射出樹脂
の温度と圧力により軟化された本体樹脂ライニング層3
bの端部と、射出された溶融樹脂とがよく馴染み、フラ
ンジ樹脂ライニング層7と本体樹脂ライニング層3bと
が界面においてしっかりと接合して一体化される。
【0025】したがって、フランジ樹脂ライニング層7
と本体ライニング層3bとが、熱伸縮によって界面で剥
離などを起こすことがなくなり、常に十分な強度や耐蝕
性を備えたフランジ付樹脂ライニング鋼管Aを提供する
ことができる。
【0026】勿論、本体樹脂ライニング層3bを形成し
たのち、鋼管本体11の未ライニング部分内面からフラ
ンジ12面に到る部分に対して別途射出成形によりフラ
ンジ付ライニング層7を形成するので、鋼管本体11の
内面から管端のフランジ12面にかけて樹脂ライニング
層が途切れることなく形成される。従って、従来のよう
に鋼管の内面ライニング用樹脂管の端部を鍔返し加工し
たり、あるいは樹脂管に接着剤を介して樹脂製短管を接
着した上でその端部を鍔返し加工したりしなくても、鋼
管本体11内面から管端のフランジ12面まで確実に樹
脂がライニングされることになり、鍔返し加工が困難な
高融点で伸びにくい樹脂を用いた場合でもフランジ付樹
脂ライニング鋼管の製造が可能となる。
【0027】言い換えると、フランジ付樹脂ライニング
鋼管のライニング素材として、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の優
れた物性を有する樹脂を利用することかでき、それだけ
性能面(例えば寸法安定性)でも優れた製品が得られる
ことになる。
【0028】図5は本発明1にかかるフランジ付樹脂ラ
イニング鋼管の製造方法の第2実施例をあらわしてい
る。この実施例では、図5に示すように、本体樹脂ライ
ニング層3bが端部において、その内周面が段状に切り
欠かれることで段部32が形成されている。したがっ
て、上記第1実施例と同様に射出成形によって、第1実
施例と同様にしてフランジ樹脂ライニング層7を形成す
れば、フランジ樹脂ライニング層7と本体樹脂ライニン
グ層3bとの接合部の面積が大きくなり、両ライニング
層3b,7とを広い区域でよりしっかりと融着すること
ができる。
【0029】図6は本発明1にかかるフランジ付樹脂ラ
イニング鋼管の製造方法の第3実施例をあらわしてい
る。この実施例では、図6に示すように、本体樹脂ライ
ニング層3bが端部において、その内周面がテーパー状
に切り欠かれることでテーパー部33が形成される。
【0030】したがって、上記第1実施例と同様に射出
成形によって、第1実施例と同様にしてフランジ樹脂ラ
イニング層7を形成すれば、フランジ樹脂ライニング層
7間を広い区域でしっかり融着することができる。
【0031】図7および図8は、本発明2にかかるフラ
ンジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法の実施例を工程順
にあらわしている。すなわち、このフランジ付樹脂ライ
ニング鋼管の製造方法は、以下の工程順に実施されるよ
うになっている。
【0032】なお、,の工程は、本発明1の第1実
施例と同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0033】 図7に示すように、本体樹脂ライニン
グ層3b′の端面に溶剤または接着剤を塗布してをらか
じめ本体樹脂ライニング層3b′の端部を膨潤させると
ともに、鋼管本体11′の管軸と同一軸心を有する射出
成形型(フランジ型)6′をフランジ付鋼管1′の端部
に装着し、中子型5′を本体樹脂ライニング層3b′の
端部に嵌合させる。
【0034】 樹脂注入口61′から溶融樹脂をキャ
ビティ62′内に射出し、図8に示すような本体樹脂ラ
イニング層3b′に連続してフランジ樹脂ライニング層
がを形成されたフランジ付樹脂ライニング鋼管A′を得
ることができる。このフランジ付樹脂ライニング鋼管
A′の製造方法は、以上のように本体樹脂ライニング層
3b′の端面に溶剤または接着剤を塗布しておき、フラ
ンジ樹脂ライニング層7′となる溶融樹脂を射出するた
め、溶剤または接着剤が塗布されるとともに射出樹脂の
温度と圧力により軟化した本体樹脂ライニング層3b′
の端部と、射出された溶融樹脂とがよく馴染み、フラン
ジ樹脂ライニング層7′と本体樹脂ライニング層3b′
とが界面においてしっかりと接合して一体化される。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明1,2にかかるフ
ランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法よれば、前述の
本出願人が先に提案したフランジ付樹脂ライニング鋼管
の製造方法と同様にフランジ付鋼管の内面から管端フラ
ンジ面にわたる部分をライニングする場合に、フランジ
付鋼管の内面を樹脂でライニングした後、その鋼管の管
端部に対して射出成形により樹脂ライニング層を形成す
るので、内面ライニング用樹脂管の端部を鍔返し加工し
たり、その樹脂管に接着剤を介して樹脂製の短管を接合
した上でその短管の端部を鍔返し加工したりする必要が
ない。
【0036】従って、この種のフランジ付樹脂ライニン
グ鋼管を製造する場合において、例えば上述のPPS等
のエンジニアリングプラスチックのように、寸法安定
性、耐熱性、耐薬品性等の点で優れた物性を有しながら
鍔返し加工や接着剤の使用が困難であったためにライニ
ング素材として利用できなかった樹脂をも使用できるこ
ととなり、ひいては当該樹脂のもつ物性を活かした性能
の優れた各種のフランジ付樹脂ライニング鋼管の製造が
可能となる。
【0037】しかも、本体樹脂ライニング層の端部を、
鋼管本体の外部から加熱手段によって樹脂軟化温度近傍
まで加熱状態とするか、溶剤または接着剤を塗布して、
本体樹脂ライニング層とフランジ樹脂ライニング層と
を、より確実にかつ強固に融着によって一体化するた
め、熱伸縮によって本体樹脂ライニング層とフランジ樹
脂ライニング層との界面で剥離などを起こすことがなく
なり、常に十分な強度や耐蝕性を備えたフランジ付樹脂
ライニング鋼管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1にかかるフランジ付樹脂ライニング鋼
管の製造方法の第1実施例をあらわす図であって、その
本体ライニング層となる合成樹脂管を鋼管本体に挿入す
る前の状態をあらわす断面図である。
【図2】上記第1実施例の鋼管本体内に本体ライニング
層を成形した状態をあらわす断面図である。
【図3】上記第1実施例のフランジに射出金型をセット
し、キャビティ内に樹脂を射出した状態をあらわす断面
図である。
【図4】上記第1実施例のフランジ樹脂ライニング層と
本体樹脂ライニング層との接合部を熱盤を利用して融着
する状態をあらわす断面図である。
【図5】本発明1にかかるフランジ付樹脂ライニング鋼
管の製造方法の第2実施例をあらわす図であって、その
フランジに射出金型をセットした状態をあらわす断面図
である。
【図6】本発明2にかかるフランジ付樹脂ライニング鋼
管の製造方法の実施例をあらわす図であって、そのフラ
ンジに射出金型をセットした状態をあらわす断面図であ
る。
【図7】図6の実施例のフランジに射出金型をセット
し、キャビティ内に樹脂を射出した状態をあらわす断面
図である。
【図8】上記第1実施例のフランジ樹脂ライニング層と
本体樹脂ライニング層との接合部を熱盤を利用して融着
する状態をあらわす断面図である。
【図9】先に提案したフランジ付樹脂ライニング鋼管の
製造方法における射出成形前の状態をあらわす断面図で
ある。
【図10】図9の射出後の状態をあらわす断面図であ
る。
【符号の説明】
1,1′ フランジ付鋼管 7,7′ フランジ樹脂ライニング層 8 熱盤(加熱手段) 3b,3b′ 本体樹脂ライニング層 11,11′ 鋼管本体 12,12′ フランジ 14 フランジ近傍の鋼管本体端部 32 段部 33 テーパ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 23/026 23/024 23/028 // B29K 105:22 B29L 23:00 (72)発明者 吉野 豊 滋賀県栗太郡栗東町野尻75 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 中田 宏幸 滋賀県栗太郡栗東町野尻75 積水化学工業 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管本体と、この鋼管本体の端部に設け
    られたフランジと、鋼管本体の内壁面を管端近傍まで被
    覆する本体樹脂ライニング層とを有するフランジ付鋼管
    に、フランジ面から前記本体樹脂ライニング層に到るフ
    ランジ樹脂ライニング層を射出成形によって成形するフ
    ランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法であって、鋼管
    本体の外側から加熱してあらかじめ本体樹脂ライニング
    層の端部を軟化点近傍まで昇温させたのち、樹脂を射出
    成形することを特徴とするフランジ付樹脂ライニング鋼
    管の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼管本体と、この鋼管本体の端部に設け
    られたフランジと、鋼管本体の内壁面を管端近傍まで被
    覆する本体樹脂ライニング層とを有するフランジ付鋼管
    に、フランジ面から前記本体樹脂ライニング層に到るフ
    ランジ樹脂ライニング層を射出成形によって形成するフ
    ランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法であって、本体
    樹脂ライニング層の端面に溶剤または接着剤を塗布した
    のち、樹脂を射出成形することを特徴とするフランジ付
    樹脂ライニング鋼管の製造方法。
JP6265367A 1993-11-05 1994-10-28 フランジ付樹脂ライニング鋼管の製造方法 Pending JPH07171908A (ja)

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