JPH07168247A - カメラ - Google Patents

カメラ

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JPH07168247A
JPH07168247A JP34173893A JP34173893A JPH07168247A JP H07168247 A JPH07168247 A JP H07168247A JP 34173893 A JP34173893 A JP 34173893A JP 34173893 A JP34173893 A JP 34173893A JP H07168247 A JPH07168247 A JP H07168247A
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shutter
blade
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rotation
time
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Takashi Shimamura
隆 島村
Kazumasa Aoki
一雅 青木
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Focusing (AREA)
  • Shutters For Cameras (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Exposure Control For Cameras (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来3種類の位置検出手段を必要としていた
のを1個の位置検出手段で共用し、構成の簡素化、コス
ト低減化、多数設置による誤検出の低減化を図る。 【構成】 兼用シャッタ羽根3には、ホトリフレクタ6
1の長円開口部2cを開閉する検出光遮蔽部3bが設け
てある。変倍に伴いズームステップ設定環49が回動さ
れると、ズーム信号形成部49bが羽根開閉部材40を
揺動させるので、兼用シャッタ羽根3が開口1aを閉じ
た状態で一定角度往復動する。その結果、ホトリフレク
タ61は、上記検出光遮蔽部3bによって開口部2cの
前方を、変倍に応じた回数分開閉されてズーム情報信号
を発生する。合焦時およびシャッタ開閉時には、基本回
転駆動部材10が正方向および逆方向に回動すること
で、円弧アーム部11bの回動量確認信号部11c,1
1dが羽根開閉部材40を揺動させるためにホトリフレ
クタ61は、同様に距離信号とトリガー信号を発生す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動モータを用いて焦
点距離の変更設定動作、自動焦点調節動作および絞り兼
用シャッタ羽根を開閉動作を行わしめる形式のカメラの
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】焦点距離変更(以下、「ズーミング」と
略称する)の設定動作、自動焦点調節(以下、「自動合
焦」と略称する)の動作および絞り兼用シャッタ羽根
(以下、「兼用シャッタ羽根」と略称する)の開閉動作
の一つまたは複数を電動モータを用いて行わしめる構成
のカメラは、既に広く知られ且つ用いられている。
【0003】例えば特開昭 61−255330号公報
や特開平 3−202822 号公報には、自動合焦の
動作と兼用シャッタ羽根の開閉動作を電動モータで行わ
せる技術が開示され、さらに、特公平 4−61338
号公報にも、沈胴式鏡胴を具えたカメラでの自動合焦動
作と自動露出調節動作とを電動モータで行わせる技術が
示されている。また、例えば特開平 2−5035 号
公報や特開平 4−180042 号公報には、シャッ
タ羽根および兼用シャッタ羽根の開閉動作を電動モータ
で行わせる技術が開示されている。
【0004】そして、このようなカメラの場合、例えば
ズーミングのときには、ズーム光学系の変倍用レンズ群
を初期位置(基準焦点距離の実現位置)から所望の焦点
距離が得られる位置まで変位させることによって焦点距
離を変更するように構成されることになるが、このと
き、変倍用レンズ群を初期位置から目的とした位置まで
確実に変位させ、或いは、変倍用レンズ群が確実に変位
したか否かを確認するために、刻々と変化する変倍用レ
ンズ群のその時々の位置を検出し得る位置検出手段が使
用される。
【0005】また、自動合焦の場合にも、合焦用レンズ
群を例えば無限遠位置に設定された基準位置から、その
ときの被写体位置に対応した適正合焦位置まで繰り出す
際に、合焦用レンズ群を基準位置から目的とした位置ま
で確実に繰り出し、或いは、合焦用レンズ群が確実に変
位したか否かを確認するために、合焦用レンズ群のその
時々の変位位置を検出し得る位置検出手段が用いられ
る。また、兼用シャッタ羽根の開閉のときには、兼用シ
ャッタ羽根の開き始め時点および閉じ終り時点を検出す
る必要から、兼用シャッタ羽根の初期位置(例えばピン
ホール位置)を設定するための位置検出手段が利用され
る。
【0006】一方、このようなケースで使用される位置
検出手段は、例えばズーミングの場合を例にとると、図
26に示すように、ズーム鏡胴に取付けられた電気抵抗
板101とブラシ接片102とを組合せた構造のもの
や、図27に示すように、導電識別パターン103とパ
ターン読み取りユニット104とを組合せたパターンス
イッチが用いられている。さらに、例えば自動合焦の場
合を例にとると、図28に示すように、電気抵抗板また
は導電識別パターン105とブラシ接片またはパターン
読み取りユニット106とを組合せた構造のものが知ら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
この種のカメラでは、ズーミング用、自動合焦用、兼用
シャッタ羽根の開閉用に、それぞれ専用の位置検出手段
を用いていたので、機械的な構成部材や給電フレキシブ
ル基板等を含む電気的な構成部材がそれぞれに必要にな
り、その結果、必然的にこれらの部材を収容する広い設
置スペースが必要になって、カメラ全体のコンパクト化
を阻害するという問題を生じ、また、製作コストがその
分だけ増大するという問題も生じさせることになる。
【0008】しかも、位置検出手段ないし位置検出個所
が多くなると、それに伴って、誤差検出システムを確立
するための手段がそれだけ複雑化するという別の問題も
生じてくる。また、ズーミングや自動合焦の際には、機
械的な駆動部材の運動によりズーム光学系の変倍用レン
ズ群や合焦用レンズ群をそれぞれ所定の位置まで変位さ
せ、その後、シャッタ露光動作が終了するまで変倍用レ
ンズ群や合焦用レンズ群を変位後の位置に留め置くよう
に構成されるのが普通である。
【0009】この場合、変倍用レンズ群や合焦用レンズ
群は、ラチェット歯列とラチェット爪から成る一方向係
止手段により変位後の各々の位置に解除可能に係止され
ることになるが、ラチェット歯列には、製造上の理由か
ら1歯当りの大きさを一定以上の大きさにする必要があ
るという制約がある。そのため、必然的に1歯当りの回
動角度が大きくなって、このことが、ズーミング時の分
解能(ズームステップの設定位置)や焦点調節時の分解
能(変位位置間の間隔)を結果的に大きくするという問
題を生じさせる。
【0010】また、従来の一方向係止手段におけるラチ
ェット爪は、枢軸の周りに往復揺動を行うレバー状の爪
部材にばね付勢を与えるような構造のものが用いられて
いたため、ラチェット爪等を専用部材として製作する必
要があり、これがコストアップの一因となると共に、設
置スペース的にも不利になるという問題も生じる。
【0011】一方、例えば自動合焦のために用いる電動
モータとしては、例えばステッピングモータやエンコー
ダ付きの直流モータ等の電動モータが使用されるのが普
通であり、このように構成した場合には、パルスに対応
させて合焦用レンズ群を目的とした位置まで駆動制御す
ることが可能である。
【0012】しかし、パルス制御モータを用いる場合に
はモータ自体のコストが高くなるという一般的な問題が
生じ、しかも、パルス制御モータとしてステッピングモ
ータを使用する場合には、発生トルクが直流モータに比
して劣るため、自動合焦時のレンズ繰出し力量に制約が
生じるという問題も生じて来る。
【0013】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その第1の目的は、焦点距離変更の設定動
作、自動合焦の動作および絞り兼用シャッタ羽根の開閉
動作の3つを1つの電動モータで行い得ると共に、ズー
ミング時における撮影光学系の変倍用レンズ群が、初期
位置から目的とした位置まで確実に変位したか否かを確
認するための位置検出作用と、自動合焦時における撮影
光学系の合焦用レンズ群が基準位置から目的とした適正
合焦位置まで確実に繰り出されたか否かを確認するする
ための位置検出作用と、絞り兼用シャッタ羽根の開閉時
における絞り兼用シャッタ羽根の初期位置を設定するた
めの位置検出作用とを、1個の位置検出手段により行い
得るように構成したカメラを提供することにある。
【0014】また、第2の目的は、ラチェット歯列とラ
チェット爪から成る一方向係止手段によるズーミング時
の分解能(ズームステップの設定位置)や焦点調節時の
分解能(変位位置間の間隔)を高め得ると共に、ラチェ
ット爪の構造を簡単化させてコストアップや設置スペー
スの問題をも有利に解決し得るカメラを提供することに
ある。また、第3の目的は、コスト面または発生トルク
面で不利になり勝ちなパルス制御モータの代りに直流モ
ータを使用することの可能なカメラを提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明は、撮影光開口部を閉成する初期位置
と測光回路からの被写界輝度情報に基づいて決定される
絞り開口を形成する位置との間、並びに、前記撮影光開
口部を閉成する領域において前記初期位置と前記初期位
置よりもさらに閉じ方向の位置に設定された過大閉じ位
置との間を、それぞれ往復変位し得るように構成された
少なくとも1枚の絞り兼用シャッタ羽根と、所望の焦点
距離を実現する変倍ステップの数が設定されたときに、
その設定操作により、前記絞り兼用シャッタ羽根を、前
記初期位置と前記過大閉じ位置との間で所望の変倍ステ
ップ数に対応する回数だけ往復変位させ得るように設け
られた変倍ステップ設定手段と、前記絞り兼用シャッタ
羽根が前記初期位置から前記過大閉じ位置に向って変位
したときに過大閉じ位置信号を出力すると共に、前記絞
り兼用シャッタ羽根が前記過大閉じ位置から前記初期位
置に復帰したときに初期位置信号を出力して、このとき
の2種類の位置信号により、変倍ステップ設定時の組合
せ信号と、合焦時の組合せ信号と、シャッタ秒時起算時
の開きトリガー信号とを形成し、さらに、前記絞り兼用
シャッタ羽根が前記初期位置から目的とする絞り開口位
置に向って変位したときに羽根開き信号を出力すると共
に、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記絞り開口位置から
前記初期位置に再び復帰したときに初期位置信号を出力
して、このときの2種類の位置信号により、前記絞り兼
用シャッタ羽根の閉じ時点決定時のトリガー信号を形成
し得る光電的位置検出手段と、前記変倍ステップ設定時
の組合せ信号数により決定される焦点距離情報と測距回
路からの被写体距離情報とに基づいて、そのときの焦点
距離に対応する適正合焦位置までの合焦用レンズ群を変
位させる合焦ステップ数を演算する演算回路手段と、撮
影光学系の光軸の周りを初期位置から正逆方向に回動可
能に設けられ、前記演算回路手段からの合焦ステップ数
に基づいて第1回目の正方向回動を行い、このときの回
動動作で前記撮影光学系の合焦用レンズ群を目的とする
位置に変位させ、引き続く第1回目の逆方向回動で自身
を第1回目の正方向回動後の位置から初期位置に復帰さ
せ、その後、第2回目の逆方向回動を行ってこのときの
回動動作の初期段階の動作により、前記絞り兼用シャッ
タ羽根を前記初期位置と前記過大閉じ位置との間で往復
変位させ、引き続く回動動作により、前記絞り兼用シャ
ッタ羽根を前記初期位置から目的とする絞り開口が得ら
れる位置まで開かせ、その後、所定のシャッタ秒時の経
過後に、第2回目の正方向回動を行ってこのときの回動
動作により、前記絞り兼用シャッタ羽根を閉じさせると
共に自身を再び初期位置に復帰させ得るように構成され
た基本回転駆動部材とを有し、前記基本回転駆動部材の
第1回目の正方向回動時に前記光電的位置検出手段から
出力された前記合焦時の組合せ信号数が、前記演算回路
手段で演算された前記合焦ステップ数に一致した後に、
前記基本回転駆動部材に第1回目の逆方向回動わ行わせ
るように構成したことを特徴とするものである。
【0016】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明は、撮影光学系の合焦用レンズ群を保持して、そ
れを初期位置からそのときの被写体距離に対応した適正
合焦位置まで変位させ得るレンズ保持枠と、前記基本回
転駆動部材に対して同軸的に且つ往復回動可能に設けら
れ、前記基本回転駆動部材がその初期位置から第1回目
の正方向回動を行ったときに、前記基本回転駆動部材と
一体的に同方向に回動し、この回動動作により、前記レ
ンズ保持枠を前記基本回転駆動部材の正方向回動量に対
応した位置まで変位させ得るように、また、前記基本回
転駆動部材が第1回目の正方向回動後の位置から第1回
目の逆方向回動を行ったときに、自身に付与された付勢
力により、前記基本回転駆動部材に対して相対回動を行
って別個に初期位置に復帰し得るように設けられ、しか
も、自身の逆方向への回動のみを停止させ得る形状を持
つラチェット歯列を所定の角度領域に亘って有するよう
に構成された焦点調節部材と、前記焦点調節部材のラチ
ェット歯列に圧接して前記焦点調節部材の逆方向への回
動を順次に係止し得る少なくとも2個の爪部を具え、各
爪部の設置間隔が前記ラチェット歯列の各歯間のピッチ
の1/2ピッチに相当する間隔に設定され、しかも、前
記基本回転駆動部材が第2回目の逆方向回動を行ったと
きには、前記各爪部が前記ラチェット歯列を係止する状
態を維持し、前記基本回転駆動部材が第2回目の正方向
回動を行ったときには、この回動動作により、各爪部が
連動して前記ラチェット歯列から外れて前記焦点調節部
材への係止状態をそれぞれ解除し得るように設けられた
複合ラチェット爪部材とを、具備することを特徴とする
ものである。
【0017】また、上記第3の目的を達成するために、
本発明は、前記電動モータを直流モータとして構成した
ことを特徴とするものである。
【0018】
【作用】上記のように構成されたカメラにおいては、所
望の焦点距離を実現する際に、変倍ステップの数(例え
ばラチェット歯列の歯数)で設定し、また、合焦用レン
ズ群が所望の焦点距離に対応する適正合焦位置まで変位
する際にも合焦ステップの数で設定するようになってい
る。
【0019】そして、変倍ステップ設定手段の、例えば
回動操作により所望の焦点距離が実現可能な変倍ステッ
プ数が設定されたときには、そのときの設定操作によ
り、前記絞り兼用シャッタ羽根を、前記初期位置と前記
過大閉じ位置との間で所望の変倍ステップ数に対応する
回数だけ往復変位させて、光電的位置検出手段から変倍
ステップ設定時の組合せ信号を出力させる。
【0020】このとき、変倍ステップ設定時の組合せ信
号数により焦点距離情報を形成させると共に、この焦点
距離情報と被写体距離情報とに基づいて、合焦用レンズ
群をそのときの焦点距離に対応する適正合焦位置まで変
位させるときの合焦ステップ数を決定する。
【0021】そして、合焦時には、電動モータの正逆回
転動作によって基本回転駆動部材を初期位置から正方向
に第1回目の回動を行わせ、この回動動作により、兼用
シャッタ羽根をその初期位置と過大閉じ位置との間で第
1回目の正方向回動量に対応した回数だけ往復変位させ
て、光電的位置検出手段から兼用シャッタ羽根の往復変
位数だけの合焦時の組合せ信号数を出力させる。
【0022】このとき、合焦時の組合せ信号数が合焦ス
テップ数と一致した時点の後に、電動モータを反転させ
て、基本回転駆動部材を正方向回動後の位置から初期位
置に復帰させる(第1回目の逆方向回動)。その後、第
1回目の逆方向回動に引き続く基本回転駆動部材の第2
回目の逆方向回動時の初期段位の動作により、兼用シャ
ッタ羽根をその初期位置と過大閉じ位置との間で1回だ
け往復変位させて、光電的位置検出手段からシャッタ秒
時起算時のトリガー信号を出力させる。
【0023】さらに、引き続く基本回転駆動部材の第2
回目の逆方向回動動作により、兼用シャッタ羽根を初期
位置からそのときの絞り開口形成位置まで変位させると
共に、所定のシャッタ秒時の経過後に電動モータを反転
させて、基本回転駆動部材を絞り開口形成位置から再び
初期位置に復帰させる。
【0024】そして、このときの兼用シャッタ羽根のシ
ャッタ秒時を挟んだ往復変位動作により、光電的位置検
出手段からシャッタ閉じ時点決定時のトリガー信号を出
力させ、シャッタ秒時起算時のトリガー信号とシャッタ
閉じ時点決定時のトリガー信号により、兼用シャッタ羽
根の開閉動作が所定通りに行われたことを確認する。
【0025】
【実施例】以下、図示実施例に基づいて本発明に係るカ
メラの構成および作用を詳細に説明するが、図示実施例
では、モータによる回動制御の精度を上げるため電動モ
ータとしてパルス制御モータを使用している。また、図
示実施例のカメラに使用される撮影光学系は、図では合
焦用レンズ群である前群レンズLF のみが簡略的に示
されているが、実際には、例えば「所謂2群ズーム光学
系」から成る撮影光学系として構成され、次のような動
作により、焦点距離の設定と焦点調節とを行い得るよう
に構成されている。
【0026】(i) ズーミング(焦点距離変更)時に
は、複数のズームステップ(変倍ステップ)を用いて複
数種類の焦点距離を実現する。この場合、ズーミングの
操作は、後述するズームステップ設定環49の、例えば
マニュアル式あるいは電動式の回動操作で行われ、この
とき、撮影光学系中の変倍用レンズ群(図示なし)がそ
れ自体公知の適宜のズーミング機構ないしズームレンズ
移動手段により目的とする位置まで変位して、所望の焦
点距離を実現するようになっている。
【0027】(ii) 焦点調節については、撮影光学系
が所望の焦点距離を実現する状態になった後に、前群レ
ンズのみを、そのときの被写体距離情報に基づいて、所
定のフォーカシング曲線に則って所望の焦点距離に対応
した適正合焦量だけさらに変位させるように構成されて
いる。なお、本発明では、撮影光学系を段階的に変更す
る可変焦点距離式光学系により構成することもできる。
【0028】図1は、図示実施例に係るカメラの主要構
成をシャッタ装置を中心として示した分解斜視図であ
り、図2は、図1のカメラにおける主要部の平面構成を
示す平面図で、撮影前の初期状態にあるときを示す。図
1および図2において、1および2は所定の間隔を隔て
て互いに対向的に配設された被写界側の第1地板とフィ
ルム側の第2地板であり、それぞれの撮影光軸(以下、
単に「光軸」と称する)O上に、撮影光を通過させるた
めの撮影光開口部1aおよび2a有するように構成され
ている。
【0029】この場合、第1地板1には、光軸Oを挟ん
だ外周近傍領域の位置に第1円弧状開口部1bが形成さ
れ、また、撮影光開口部1aを囲繞する第1地板1の表
面(被写界側の面)領域に光軸Oを中心とする円筒嵌合
部1cを有するように構成されている。そして、この円
筒嵌合部1cの端部の等分3個所には、後述する焦点調
節部材20の抜け止め作用を果すためのバヨネット爪1
gが形成されるように構成されている。
【0030】さらに、光軸Oを挟んで対称的な第1地板
1の外周近傍領域の表面側2個所にポール座1d、1e
を有し、また、裏面(フィルム側の面)上における外周
近傍領域に四角凹部1fを有するように構成されてい
る。なお、この四角凹部1fは、後述するホトリフレク
タ61からの出射検出光を反射し得る位置に形成される
ことになる。
【0031】一方、第2地板2には、第1地板1の第1
円弧状開口部1bと対向する位置に同形状の第2円弧状
開口部2bを有し、また、第1地板1の四角凹部1fと
対向する位置に後述するホトリフレクタ61からの出射
検出光を透過させる長円開口部2cを有するように構成
されている。3および4は第1および第2地板1、2の
間に設けられた一対の絞り兼用シャッタ羽根(以下、単
に「兼用シャッタ羽根」と称する)であり、それぞれ第
2地板2上に設けられた枢軸5、6に回転可能に軸支さ
れている。
【0032】この場合、両方の兼用シャッタ羽根3、4
の基部近傍には、図17にも示すように(但し兼用シャ
ッタ羽根3が1枚だけ描いてある)、それぞれの羽根
3、4を開閉させるためのカム溝3a、4aが変位する
1点において常に交差するような状態で形成されてい
る。
【0033】この兼用シャッタ羽根3、4は、シャッタ
露光時には、撮影光開口部1a、2aを閉成し得る領域
に設定された初期位置(図17に示す位置)からそのと
きの被写界輝度で決定される所望の開き位置まで互いに
離れる方向に開き得るように、また、所定の露光秒時が
経過したときには、その時々の開き位置から初期位置に
閉じ得るように構成されている。
【0034】また、ズーミング操作時には、後述するズ
ームステップ設定環49の、例えば反時計方向への回動
動作に伴って、また、焦点調節時には、後述する基本駆
動部材10の時計方向への回動動作に伴って、いずれ
も、撮影光開口部1a、2aを閉成している領域内にお
いて、初期位置から過大閉じ位置までの角度(以下、
「信号発生角度」という)内で往復揺動し得るようにも
構成されている。なお、このときの信号発生角度につい
ては後述の動作ないし作用の項で説明する。
【0035】さらに、一方の兼用シャッタ羽根3の外縁
領域には、図14を用いて後述するホトリフレクタ61
の発光部61a(検出光路63でもある)を遮蔽し得る
検出光遮蔽部3bを有するように構成されている。この
検出光遮蔽部3bは、次のような作用を行うように構成
されている。
【0036】(a) ズーミング操作時並びに焦点調節
時には、検出光遮蔽部3bの右端縁部3b−1(図18
参照)が、ホトリフレクタ61の発光部61aの前方空
間から過大閉じ位置に向って退いたときに、過大閉じ位
置信号をホトリフレクタ61からシャッタ制御回路75
に出力し、その後、右端縁部3b−1が再びその初期位
置に復帰して、ホトリフレクタ61の発光部61aの前
方空間を覆ったときに、初期位置信号をホトリフレクタ
61からシャッタ制御回路75に出力する。そして、こ
のときの2種類の位置信号により次のような信号を形成
する。すなわち、
【0037】(b) ズームステップ設定環49が基準
位置から反時計方向に回動操作されたときには、そのと
きの兼用シャッタ羽根3、4の往復変位によって変倍ス
テップ設定時の組合せ信号を形成する。そして、この組
合せ信号の数によりズーム情報検出回路Sg2を形成す
る。
【0038】(c) 基本駆動部材10が初期位置から
第1回目の正方向(往方向)回動を行ったときには、そ
のときの兼用シャッタ羽根3、4の往復変位により合焦
時の組合せ信号を形成する。そして、このときの組合せ
信号数をもって各撮影情報Sg1を形成する(図14を
参照)。
【0039】(d) シャッタ露光時には、先ず、基本
駆動部材10が初期位置から第2回目の逆方向回動を行
ったときに、兼用シャッタ羽根3、4の絞り開口形成時
の動作に先立って、一方の兼用シャッタ羽根3に形成さ
れた検出光遮蔽部3bの右端縁部3b−1が、ホトリフ
レクタ61の発光部61aの前方空間から過大閉じ位置
に向って退く動作により、過大閉じ位置信号をホトリフ
レクタ61から後述する撮影シーケンス制御回路70の
シャッタ制御回路75に出力し、その後、検出光遮蔽部
3bの右端縁部3b−1が再びその初期位置に復帰し
て、ホトリフレクタ61の発光部61aの前方空間を覆
ったときに、初期位置信号をホトリフレクタ61からシ
ャッタ制御回路75に出力する。
【0040】そして、このときの2種類の位置信号によ
り、シャッタ秒時起算時の開きトリガー信号St1を形
成し、これに基づいてそのときのシャッタ秒時のカウン
ト開始時点を検出する。
【0041】(e) 基本駆動部材10が引き続き第2
回目の逆方向回動を行う過程において、兼用シャッタ羽
根3、4が所定の絞り開口位置に向って開き動作を行っ
たときには、検出光遮蔽部3bの左端縁部3b−2がホ
トリフレクタ61の発光部61aの前方空間を横切った
ときに、羽根開き信号をホトリフレクタ61からシャッ
タ制御回路75に出力し、所定のシャッタ秒時の経過後
に、兼用シャッタ羽根3、4の絞り開口形成時の閉じ動
作の終期段階において、検出光遮蔽部3bの左端縁部3
b−2がホトリフレクタ61の発光部61aの前方空間
を遮蔽したときに、初期位置信号をシャッタ制御回路7
5に出力する。
【0042】そして、このときの2種類の位置信号によ
り兼用シャッタ羽根3、4の閉じ時点決定時のトリガー
信号St2を形成する。7および8は後述する前群レン
ズ保持枠30を摺動可能に直線案内するための2本のガ
イドポールであり、それぞれ、光軸Oに対して互いに平
行になるような状態で第1地板1のポール座1d、1e
上に植設されている。
【0043】10は第1地板1の円筒嵌合部1cのフィ
ルム側寄りの位置に回転可能に精密嵌合するように設け
られたリング状の基本回転駆動部材(以下、「基本駆動
部材」と略称する)であり、後述するパルス制御モータ
36の正方向回転により、図2に示す初期位置から所望
の角度位置に向って往方向(時計方向)に回動され、且
つ、パルス制御モータ36の逆方向回転により所望の角
度位置から初期位置に向って復方向(反時計方向)に回
動されるように構成されている。なお、この基本駆動部
材10の初期位置は、パルス制御モータ36が初期位相
に在るときの位置をもって決定されることになる。
【0044】この基本駆動部材10は、図3にも示すよ
うに、その外周から放射方向に突出的に形成された屈曲
腕部11と、いずれも基本駆動部材10の表面から被写
界側に突出的に形成された合焦連動ボス部12および解
除ボス部13と、裏面からフィルム側に突出的に形成さ
れた押動ボス部14と、外周面の所定領域に亘って形成
された部分ギア部15とを有するようにも構成されてい
る。
【0045】そして、屈曲腕部11は、その外側斜面が
後述する羽根開閉部材40の被係止部40aとの協働作
用により兼用シャッタ羽根3、4の絞り開口を決定し得
る絞りカム面11aとして形成され、しかも、引き続く
円弧面に形成された円弧アーム部11b上に、交互に並
んだそれぞれ複数個所のR状山部11cとR状谷部11
dとから成る第2羽根過大閉じ操作部を有するように構
成されている。
【0046】この第2羽根過大閉じ操作部は、基本駆動
部材10用の回動量確認信号部として設けられ、そのR
状山部11c(R状谷部11dも同様である)の間隔ピ
ッチは、後述するラチェット歯列23の歯間ピッチの1
/2ピッチと同ピッチになるように設定されている。す
なわち、各1個のR状山部11cとR状谷部11dと
で、ラチェット歯列23の歯間ピッチの1/2ピッチに
対応した基本駆動部材10の単位回動量を表し得るよう
に構成されている。
【0047】なお、図示実施例では、1つのズームステ
ップを得るとき基本駆動部材10の単位回動量と合焦時
の基本駆動部材10の単位調節量とが、いずれも、ラチ
ェット歯列23の歯間ピッチの1/2ピッチに対応する
値になるように予め決定されている。
【0048】20は第1地板1の円筒嵌合部1cの被写
界側寄りの位置に回転可能に精密嵌合するように設けら
れたリング状の焦点調節部材(以下、「合焦部材」と略
称する)であり、基本駆動部材10の往方向(時計方
向)に回動力により初期位置から所望の開き位置に向っ
て往方向に回動され、且つ、後述する合焦係止ばね部材
27の付勢力により、所望の開き位置から初期位置に向
って復方向(反時計方向)に回動されるように構成され
ている。
【0049】この合焦部材20は、基本駆動部材10に
対して相対回転可能に設けられ、さらに、図4にも示す
ように、放射方向に突出的に形成されたストッパ腕部2
1と、表面から被写界側に突出的に形成された平斜面カ
ム22と、外周面の所定領域に亘って形成されたラチェ
ット歯列23と、基本駆動部材10の合焦連動ボス部1
2と係接するためにラチェット歯列23の一方の端部に
形成された被押圧連動部24と、内周面の等分3個所に
形成されたバヨネット係合凹部25とを有するように構
成されている。
【0050】この場合、前群レンズLF は、後述する
CPU74で演算された合焦ステップ数に則って変位さ
れるように構成されているため、平斜面カム22は、撮
影光学系が所望の焦点距離を実現した状態にある前群レ
ンズLF を、そのときの位置から、そのときの被写体
距離に応じた適正合焦状態を実現し得る合焦ステップ数
だけ被写界方向に変位させ得る形状のカムとして形成さ
れている。
【0051】一方、ラチェット歯列23の各歯間のピッ
チ(歯間ピッチ)は、例えば歯間ピッチの1/2ピッチ
で得られる角度に対応する前群レンズLF の変位量
が、合焦時の所望の分解能(合焦精度)を実現し得るよ
うな値に設定されている。また、バヨネット係合凹部2
5は、基本駆動部材10と合焦部材20とを、第1地板
1の円筒嵌合部1cに対して光軸O方向への変位は許さ
ず、しかし、互いに相対回転し得るように取付けるため
の手段として設けられる。
【0052】すなわち、先ず、基本駆動部材10を円筒
嵌合部1cのフィルム側寄りの位置に嵌合させた後に、
円筒嵌合部1cのバヨネット爪1gをこのバヨネット係
合凹部25内に貫入させながら合焦部材20を円筒嵌合
部1cの被写界側寄りの位置に嵌合させる。
【0053】その後、この状態で合焦部材20を円筒嵌
合部1cに対して所定角度だけ相対回転させることによ
り、バヨネット係合凹部25の位置とバヨネット爪1g
の位置とを所定量だけ「ズレ」させて、基本駆動部材1
0と合焦部材20とが円筒嵌合部1cから抜け出せない
ようにする。従って、円筒嵌合部1cのバヨネット爪1
gとバヨネット係合凹部25との相対的な形成位置は、
この目的を達し得るような関係に設定されることにな
る。
【0054】図2に示す26はストッパ腕部21と係接
して合焦部材20の初期位置を決定するための合焦部材
ストッパであり、第1地板1の表面側に植設されてい
る。27は所定の付勢力により合焦部材20を復方向に
回動させるための合焦係止ばね部材であり、合焦部材2
0のストッパ腕部21と第1地板1の適宜個所との間に
架設されている。
【0055】図1に示す30は最も被写界側に近い位置
に設けられた前群レンズ保持枠であり、光軸O上の内部
個所で前群レンズLF を保持するように、さらに、光
軸Oを挟んで対称的な外周の2個所に形成されたガイド
腕31、32を有するように構成されている。この場
合、一方のガイド腕31は、前群レンズ保持枠30の倒
れを防止し得るように光軸Oに長くなるように形成さ
れ、他方のガイド腕32は光軸Oに短くなるように形成
されている。
【0056】そして、それぞれのガイド腕32には、2
本のガイドポール7、8が精密に嵌入し得るような案内
孔31a、32aが形成され、さらに、前群レンズ保持
枠30の裏面側には、合焦部材20の平斜面カム22に
係接する合焦ピン33が植設されている。
【0057】34は前群レンズ保持枠30を常にフィル
ム側へ付勢するための圧縮ばね部材であり、一方のガイ
ド腕31の表面と一方のガイドポール7の先端近傍領域
に嵌着された適宜形状のスナップリング(例えばEリン
グ、Cリング)35の間に位置するガイドポール7の外
周に巻回されるような状態で設けられている。36は初
期位相からの正逆回転により基本駆動部材10を往復方
向に回転駆動する、例えばパルス制御モータであり、後
述するモータ駆動回路76により駆動制御されるように
構成されている。
【0058】37はパルス制御モータ36の出力軸に固
定された出力ギアである。38は互いに同軸上に形成さ
れた大歯車38aと小歯車38bとを具えた二段式連結
ギアであり、大歯車38aがパルス制御モータ36の出
力ギア37と互いに噛合し、また、小歯車38bが基本
駆動部材10の部分ギア部15と互いに噛合するように
構成されている。
【0059】40は一対の兼用シャッタ羽根3、4を開
閉する羽根開閉部材であり、第1地板1上に植設された
枢軸41により回転可能に軸支され、さらに、自身の他
方の腕部と第1地板1の適宜個所との間に架設された羽
根開きばね部材42の付勢力により、枢軸41の周りを
時計方向に回動し得るように構成されている。
【0060】この羽根開閉部材40は、図5にも示すよ
うに、3方向に延びる腕部を有するレバー状の部材とし
て形成されていて、一方の腕部の先端部は、時計方向側
の個所に第1接触点40a−1を有し且つ最先端の個所
に第2接触点40a−2を有する被係止部40aとして
形成され、中間から側方に小さく延びる中間の腕部はズ
ーム連動突起部40bとして形成され、さらに、他方の
腕部は、その先端部に絞り制御ピン43を有するように
構成されている。
【0061】この場合、被係止部40aの第1接触点4
0a−1は、図6について後述する係止部材44の係止
アーム部44bに係接して羽根開閉部材40の初期位置
を決定し、しかも、高輝度〜低輝度におけるシャッタ露
光時に基本駆動部材10の屈曲腕部11の絞りカム面1
1aと係接して、羽根開閉部材40のそのときの時計方
向への回動量を決定し、これにより、そのときの被写体
輝度に応じた絞り開口の大きさを決定し得るように構成
されている。
【0062】また、第2接触点40a−2は、高輝度下
におけるシャッタ露光時に被押動アーム部44aの凸部
44cに係接して、基本駆動部材10の時計方向への回
動量を高輝度に応じた位置に停止させ得るように構成さ
れている。そして、羽根開閉部材40が初期位置に在る
ときには、兼用シャッタ羽根3、4をその初期位置に保
持し、また、ズーム連動突起部40bの先端部が、後述
するズームステップ設定環49の最初の逃げ部49c内
に突出し得るようにも構成されている。
【0063】また、絞り制御ピン43は、第1地板1を
貫通して兼用シャッタ羽根3、4の各カム溝3a、4a
内に精密に貫入し、且つ、各カム溝3a、4a内を往復
変位し得るように構成されていて、羽根開閉部材40が
羽根開きばね部材42の付勢力により初期位置から時計
方向に回動(回転)し、その後、回動後の位置から反時
計方向に回動したときには、この絞り制御ピン43が、
各カム溝3a、4a内を、このときの羽根開閉部材40
の回転量に対応した距離だけ開き方向および閉じ方向に
変位して、兼用シャッタ羽根3、4を露光開閉し得るよ
うに構成されている。
【0064】また、この羽根開閉部材40は、ズーミン
グ操作時において、後述するズームステップ設定環49
が図1に示す初期位置から反時計方向に回動操作された
ときには、ズームステップ設定環49に交互に形成され
た複数個所のズーム信号形成部49bと逃げ部49cの
数だけ枢軸41の周りを往復揺動し、絞り制御ピン43
および各カム溝3a、4aを介して、兼用シャッタ羽根
3、4をズーム信号形成部49bの数だけ信号発生角度
内で往復変位させるように構成されている。
【0065】また、焦点調節時において、基本駆動部材
10が時計方向に回動したときにも、交互に形成された
複数個所の屈曲腕部11のR状山部11cとR状谷部1
1dの数だけ、羽根開閉部材40が枢軸41の周りを往
復揺動し、兼用シャッタ羽根3、4をR状山部11cの
数だけ、信号発生角度内で往復変位させるようにも構成
されている。なお、ズーミング時、合焦時、シャッタ露
光時における羽根開閉部材40の往復揺動の詳細につい
ては、後述の動作ないし作用の項で説明する。
【0066】44は図6に示すような形状を有するレバ
ー状の係止部材であり、第1地板1上に植設された枢軸
45により回転可能に軸支され、さらに、自身の一方の
腕部と第1地板1の適宜個所との間に架設された係止ば
ね部材46の付勢力により、枢軸45の周りを反時計方
向に回動し得るように構成されている。
【0067】この場合、係止部材44の初期位置は、自
身の他方の腕部が第1地板1上に植設された第1制限ピ
ン47(図1に図示なし)に係接することにより決定さ
れ、さらに、係止部材44の最大回動角は、他方の腕部
が第1制限ピン47と所定の間隔を隔てて第1地板1上
に植設された第2制限ピン48に係接することにより決
定されるように構成されている。従って、係止部材44
は第1および第2制限ピン47、48の間で揺動するこ
とになる。
【0068】そして、この係止部材44の一方の腕部
は、基本駆動部材10の押動ボス部14と係接する被押
動アーム部44aとして形成され、また、他方の腕部
は、羽根開閉部材40の被係止部40aの第1接触点4
0a−1を係止して羽根開閉部材40をその初期位置に
係止する係止アーム部44bとして形成されている。な
お、この係止アーム部44bの一部は凸部(第3羽根過
大閉じ操作部)44cとして形成されているが、この凸
部44cは、被写界輝度が高輝度である場合のシャッタ
露光時に、羽根開閉部材40の被係止部40aの第2接
触点40a−2に係接することになる。
【0069】49は図示なきズーミング操作部材の例え
ばマニュアル式回転操作に連動して光軸Oの周りを回動
するズームステップ設定環であり、その内周面49a
に、羽根開閉部材40のズーム連動突起部40bに係接
する複数個所のズーム信号形成部49bとズーム連動突
起部40bから離れる複数個所の逃げ部49cとが交互
に並んだ構造から成る第1羽根過大閉じ操作部が形成さ
れている。
【0070】この場合、ズームステップ設定環49が図
2に示す初期位置(例えば基準となる焦点距離を実現す
る位置)に在るときには、最初に位置する逃げ部49c
が、初期位置に在る羽根開閉部材40のズーム連動突起
部40bの先端部と対向する位置に位置するように、予
めズームステップ設定環49と羽根開閉部材40との相
対関係位置を設定して置くものとする。
【0071】そして、複数個所のズーム信号形成部49
bおよび逃げ部49cは、ズーミング操作部材を初期位
置から所望の各焦点距離を実現し得る位置(以下、「ズ
ームステップ」と称する)まで回転操作したときに、す
なわち、ズームステップ設定環49を初期位置から反時
計方向に回動したときに、所望のズームステップ数の焦
点距離を実現する回転操作角度と1対1で対応する所望
の角度位置に変位し得るように予め構成されている。
【0072】なお、前述したように、このズームステッ
プ設定環49が回動すると、それ自体公知のズーミング
手段により、撮影光学系が初期状態からそのとき設定さ
れた焦点距離を実現する状態に移行する。50は合焦部
材20のラチェット歯列23と係合して合焦部材20を
所望の位置に係止するための複合ラチェット爪部材であ
り、適宜の止めねじ55により第1地板1の表面外周領
域に固定されている。
【0073】この複合ラチェット爪部材50は、金属ま
たは非金属の弾性材料で作られ、スリット部51を挟ん
だ位置に、所定の間隔を隔てて対向的に形成された第1
爪部52と第2爪部53とを有する。
【0074】この場合、第1爪部52および第2爪部5
3は、合焦部材20が往方向に回動するときには、ラチ
ェット歯列23の斜面に押されて、各々の有する弾性力
(撓み抗力)に抗して光軸Oから離れる方向に撓み得る
ように、また、合焦部材20が復方向に回動するときに
は、各々の有する弾性力によりラチェット歯列23の各
歯を係止し得るように、それぞれ、複合ラチェット爪部
材50の一方の曲り保持部50aおよび他方の曲り保持
部50bにより片持ち式に支持された構造のものとして
構成されている。
【0075】そして、ラチェット歯列23に対する第1
爪部52と第2爪部53との位置関係は、両者が例えば
ラチェット歯列23の歯間ピッチに対して、1/2ピッ
チずれるような関係(図示例では1歯半の距離だけ離れ
ている)に設定されている。すなわち、第1爪部52お
よび第2爪部53のいずれか一方のみがラチェット歯列
23を係止し得る状態に設定されている。
【0076】さらに、第1爪部52は、第2爪部53の
スリット部51側の面(背面)と所定の微小間隙を介し
て係接し得るような形状の連係部52aを有し、また、
第2爪部53は、その光軸O側の面(腹面)に図7にも
示すような構造の一方向運動伝達部54を有するように
構成されている。
【0077】この場合、第1爪部52の連係部52aと
一方向運動伝達部54とは、次のような作用を行う部材
として構成されている。すなわち、 (A) 基本駆動部材10が正方向回動後の位置から復
方向に回動する過程で、基本駆動部材10の解除ボス部
13が一方向運動伝達部54と係接した場合には、図8
〜図10に順次に示すように、解除ボス部13が一方向
運動伝達部54の復方向折曲り部54aを折り曲げなが
ら一方向運動伝達部54を通り過ぎる。すなわち、第2
爪部53がラチェット歯列23と係接する状態を維持す
る。
【0078】(B) 基本駆動部材10が初期位置から
往方向に回動する過程で、解除ボス部13が一方向運動
伝達部54の一方向折曲り部53と係接した場合には、
図11〜図13に順次に示すように、解除ボス部13
が、第2爪部53の弾性力に抗して一方向運動伝達部5
4を光軸Oから離れる方向に強制的に押上げて、ラチェ
ット歯列23に対する第2爪部53の係止状態を解除さ
せる。
【0079】(C) 基本駆動部材10が初期位置から
往方向に回動する過程で、一方向運動伝達部54が
(B)項の動作を行った場合には、図11〜図13に順
次に示すように、第2爪部53の背面が、第1爪部52
の弾性力に抗して連係部52aを強制的に押上げて、第
2爪部53の係止解除と同時に、ラチェット歯列23に
対する第1爪部52の係止状態を解除させる。
【0080】60は変倍ステップ設定時の組合せ信号、
合焦時の組合せ信号、シャッタ秒時起算時の開きトリガ
ー信号(以下、「羽根開きトリガー信号」と略称する)
St1、兼用シャッタ羽根の閉じ時点決定時のトリガー
信号(以下、「羽根閉じトリガー信号」と略称する)S
t2の4つの信号を検出するための光電的位置検出手段
であり、第2地板2の長円開口部2cのフィルム側の個
所に設けられたホトリフレクタ61と、第1地板1の四
角凹部1f内に固定的に取付けられた反射板部材(反射
シールでもよい)62と、一方の兼用シャッタ羽根3の
検出光遮蔽部3bとから構成されている。
【0081】この場合、ホトリフレクタ61は、図1に
のみ示すように、例えば縦方向に所定の間隔で配設され
た発光部61aと受光部61bとを具え、発光部61a
から出射された出射検出光が長円開口部2cを通過して
反射板部材62に至り、さらに、反射板部材62で反射
されて再び長円開口部2cを通過してホトリフレクタ6
1の受光部61bに入射する光路を検出光路63とし
て、兼用シャッタ羽根3、4が閉成位置に位置している
か否かを検出し得るように構成されている。
【0082】すなわち、図17に示すように、兼用シャ
ッタ羽根3の検出光遮蔽部3bの右端縁部3b−1が発
光部61aを遮っているときには、発光部61aからの
出射検出光が検出光遮蔽部3bで遮られて出射検出光が
受光部61bに入射しないように構成されている。
【0083】また、図18に示すように、検出光遮蔽部
3bの右端縁部3b−1が発光部61aを遮っていない
とき、並びに、兼用シャッタ羽根3が開く過程で検出光
遮蔽部3bの左端縁部3b−2が発光部61aを通り過
ぎたときには、発光部61aからの出射検出光が長円開
口部2cを通過して反射板部材62に至り、さらに、反
射板部材62で反射されて再び長円開口部2cを通過し
てホトリフレクタ61の受光部61bに入射し得るよう
に構成されている。
【0084】そして、出射検出光が受光部61bに入射
しないときには、暗電流の出力信号を後述する撮影シー
ケンス制御回路70のCPU74に出力し、出射検出光
が反射板部材62を介して受光部61bに入射したとき
には、高電流の出力信号をCPU74に出力し得るよう
に構成されている。
【0085】この場合、一方の兼用シャッタ羽根3が初
期位置から過大閉じ位置に向って変位したときに過大閉
じ位置信号を出力すると共に、兼用シャッタ羽根3が過
大閉じ位置から初期位置に復帰したときに初期位置信号
を出力して、このときの2種類の位置信号により、変倍
ステップ設定時の組合せ信号と合焦時の組合せ信号と開
きトリガー信号の3つの信号を形成する。
【0086】さらに、シャッタ露光時に兼用シャッタ羽
根3が初期位置から目的とする絞り開口位置に向って変
位したときに羽根開きトリガー信号St1を出力すると
共に、兼用シャッタ羽根3が絞り開口位置から前記初期
位置に再び復帰したときに初期位置信号を出力して、こ
のときの2種類の位置信号により羽根閉じトリガー信号
St2を形成することになる。なお、前述した変倍ステ
ップ設定時の組合せ信号の数によりズーム情報(焦点距
離情報)Sg2が決定されるように構成されている。
【0087】図14に示すのは、図示実施例のカメラに
係る撮影シーケンス制御回路70を示すブロック図であ
る。図14において、71は適宜の測光手段(図示な
し)を用いて被写界輝度を測光して電気信号化する測光
回路、72は例えば赤外線を投射して被写体距離を自動
的に測定して電気信号化するアクティブ式の自動測距回
路、73はカメラ内に装填したフィルムの感度値を検出
して電気信号化するフィルム感度検出回路である。
【0088】これら3つの回路71〜73から出力され
る各電気信号は、被写体に係るその時々の各撮影情報S
g1として、撮影情報測定手段に入力され、さらに後述
するCPU74に入力されるように構成されている。
【0089】74は適宜の演算回路手段および適宜の記
憶回路手段(共に図示なし)を含むCPUで、例えばマ
イコンにより構成されている。このCPU74は、次の
ようにして合焦時駆動パルス数、シャッタ駆動パルス数
を演算し、且つ、図15に示すような撮影シーケンスを
実行し得るように構成されている。この場合、 (イ) 既に設定されたズーム情報Sg2を記憶する。
【0090】(ロ) シャッタレリーズ操作の第1段操
作が行われ初段レリーズスイッチSW1がオンとされた
ときに、撮影情報測定回路77から被写体輝度情報、被
写体距離情報およびフィルム感度情報から成る撮影情報
Sg1を記憶し、さらに、被写体輝度情報およびフィル
ム感度情報の撮影情報Sg1を後述するシャッタ制御回
路75に出力する。
【0091】(ハ) 記憶されたズーム情報Sg2と自
動測距回路72からの被写体距離情報に係る撮影情報S
g1に基づいて、前群レンズLF をそのときの焦点距
離に対応する適正合焦位置まで変位させるのに必要な合
焦ステップ数と、前群レンズLF をそのときの適正合
焦位置まで変位させる際にパルス制御モータ36に付与
すべき合焦時駆動パルス数とを演算する。そして、シャ
ッタレリーズ操作の第1段操作が行われたときに、この
合焦時駆動パルス数をモータ36に付与するようにモー
タ駆動回路76に指令する。
【0092】(ニ) シャッタレリーズ操作の第2段操
作が行われシャッタレリーズスイッチSW2がオンとさ
れたときに、シャッタ制御回路75において演算された
そのときの被写界輝度に適合した絞り開口値を実現し得
る位置まで兼用シャッタ羽根3、4を開かせるのに必要
なパルス制御モータ36へのシャッタ駆動パルス数と、
このときの絞り開口値と組合わされたシャッタ秒時値を
実現するのに必要なパルス制御モータ36の反転タイミ
ングとを決定し、これに基づいてパルス制御モータ36
を回転制御すべきことを後述するモータ駆動回路76に
指令する。
【0093】75は一対の兼用シャッタ羽根3、4を開
閉制御するためのシャッタ制御回路であり、シャッタレ
リーズ操作の第1段操作が行われたときに、CPU74
から出力された測光回路71で検出された被写体輝度情
報に係る撮影情報Sg1と、フィルム感度検出回路73
で検出されたフィルム感度情報に係る撮影情報Sg1に
基づいて、そのときの被写界輝度に適合した適正露光値
をアペックス演算し、この演算結果に従って、例えば適
宜のプログラム線図に則った適正露光値を実現する絞り
開口値とシャッタ秒時値との組合せを決定し得るように
構成されている。
【0094】76はCPU74からの指令に基づいてパ
ルス制御モータ36を回転制御するためのモータ駆動回
路であり、例えば図16に示すような合焦時の駆動パル
スを用いてパルス制御モータ36を回転制御する。SW
1は、例えばシャッタレリーズ部材(図示なし)の第1
段操作でオン−オフされる初段レリーズスイッチであ
り、SW2は第2段操作でオン−オフされるシャッタレ
リーズスイッチである。
【0095】次に、このように構成された図示例の動作
ないし作用について説明する。図示実施例のカメラが撮
影前の初期状態に在るときには、各々の部材がそれぞれ
図1、図2に示す位置ないし姿勢に置かれている。
【0096】[ズームステップ(焦点距離)の設定動
作]カメラが初期状態に在るときには、ズームステップ
設定環49は、その最初のズーム信号形成部49bが羽
根開閉部材40のズーム連動突起部40bに臨んだ位置
に位置し、また、一対の兼用シャッタ羽根3、4は第1
地板1および第2地板2の撮影光開口部1a、2aを遮
蔽する初期位置に位置している。
【0097】そして、このときには、一方の兼用シャッ
タ羽根3の検出光遮蔽部3bの右端縁部3b−1が、ホ
トリフレクタ61の発光部61aの前方空間を覆う位置
(図2、図17を参照)に位置し、その結果、撮影シー
ケンス制御回路70のCPU74およびシャッタ制御回
路75にはホトリフレクタ61からの過大閉じ位置信号
が入力され、CPU74が兼用シャッタ羽根3、4の状
態が閉じ状態であることを確認している。
【0098】さて、撮影に際しては、図示なきカメラの
メインスイッチをオンした後、図示なきズーミング操作
部材を、所望の焦点距離が得られるズームステップに対
応する位置(角度)まで回転操作する。このように操作
すると、ズームステップ設定環49が初期位置からその
ときのズーミング操作部材の操作量に対応した位置まで
反時計方向に回動する。
【0099】このとき、その回動過程において、ズーム
ステップ設定環49の複数個所のズーム信号形成部49
bが羽根開閉部材40のズーム連動突起部40bの位置
に臨むと、ズーム信号形成部49bがズーム連動突起部
40bに係接してこれを反時計方向に強制的に押圧する
から、羽根開閉部材40は、羽根開きばね部材42の付
勢力に抗して枢軸41の周りを押圧された量だけ反時計
方向に回動するそして、ズーム信号形成部49bに引き
続いて、複数個所の逃げ部49cがズーム連動突起部4
0bの位置に臨むと、ズーム連動突起部40bが羽根開
きばね部材42の付勢力により逃げ部49c内に突出す
るから、羽根開閉部材40は、回動後の位置から初期位
置(図17に示す位置でもある)まで復帰する。そのた
め、羽根開閉部材40は、そのとき係接したズーム信号
形成部49bの数だけ枢軸41の周りに往復揺動を繰り
返す。
【0100】このとき、羽根開閉部材40上の絞り制御
ピン43が、羽根開閉部材40の往方向揺動に連動して
カム溝3a、4a内を反時計方向に変位して、兼用シャ
ッタ羽根3、4を、その初期位置と過大閉じ位置との間
(この間は兼用シャッタ羽根3,4は、開口しない。信
号発生角度領域)において、そのとき係接したズーム信
号形成部49bの数だけ往復的に変位させる。
【0101】このようにして、兼用シャッタ羽根3、4
が往復変位を繰り返すと、その往方向への変位過程にお
いて、一方の兼用シャッタ羽根3の検出光遮蔽部3bの
右端縁部3b−1がホトリフレクタ61の発光部61a
の前方空間を覆っていた位置から左方(図上)に退避し
て、図18に示すように、発光部61aの検出光路63
を開放する。
【0102】そのため、発光部61aからの出射検出光
が第2地板2の長円開口部2cおよび検出光路63を通
って反射板部材62に至り、さらに、この反射板部材6
2で反射された検出光が受光部61bに入射することに
なって、ホトリフレクタ61からCPU74に対して過
大閉じ位置信号が出力される。
【0103】そして、引き続く復方向への変位過程で、
この右端縁部3b−1が右方に変位(復帰)して、図1
7に示すように発光部61aの前方空間を再び遮蔽す
る。そのため、ホトリフレクタ61からCPU74に対
しては初期位置信号が出力されることになる。このと
き、各1個の過大閉じ位置信号と初期位置信号との組合
せにより、1つのズームステップに係る変倍ステップ設
定時の組合せ信号が形成されることは前述した通りであ
る。
【0104】さて、所望数のズームステップが得られる
操作量だけズームステップ設定環49が反時計方向に回
動すると、兼用シャッタ羽根3、4がそのときのズーミ
ング操作部材の操作量に対応したズームステップ数だけ
往復動作を行って、そのとき設定されたズームステップ
数に応じたズーム情報Sg2をズーム情報検出回路78
からCPU74に対して出力し、且つ、記憶させること
になる。なお、図示実施例では、このときの兼用シャッ
タ羽根3、4の往復変位動作が、撮影光開口部1a、2
aを閉成状態に維持する信号発生角度領域内で行われる
ように構成されているため、フィルム面に対する露光の
心配は一切生じない。
【0105】また、羽根開閉部材40が所望数の往復揺
動を行うときには、羽根開閉部材40の被係止部40a
が、単に係止部材44の係止アーム部44bから離れる
方向に回転するだけとなるので、羽根開閉部材40が初
期位置に復帰すると、被係止部40aと係止部材44と
の関係位置は、常に図17の状態に維持されることにな
る。
【0106】また、1つのズームステップの設定角度と
ズームステップ設定環49のズーム信号形成部49b
(逃げ部49cでもある)の形成位置角度とが、角度的
に1対1で対応するように構成されているため、所望数
のズームステップが設定されたときには、必ず、羽根開
閉部材40のズーム連動突起部40bがズームステップ
設定環49のいずれかの逃げ部49c内に位置すること
になる。
【0107】この結果、所望数のズームステップが設定
された後は、羽根開閉部材40が常に初期位置に復帰し
その状態(姿勢)を維持することになり、また、この後
に、羽根開閉部材40を所定範囲内で枢軸41の周りに
往復揺動させても、羽根開閉部材40のズーム連動突起
部40bとズームステップ設定環49の内周面49aと
の間の機械的な干渉は、一切生じないことになる。
【0108】[自動焦点調節動作]このようにしてズー
ムステップの設定動作が終了した場合には、ユーザー
は、カメラを被写体の方向に向けた後に、図示なきシャ
ッタレリーズ部材を第1段だけ操作して、第1段スイッ
チSW1 をオン状態に移行させる。第1段スイッチS
W1 がオン状態に移行すると、撮影シーケンス制御回
路70の測光回路71、自動測距回路72、フィルム感
度検出回路73からの各撮影情報Sg1が撮影情報測定
手段77を介してCPU74に入力される。
【0109】そのため、CPU74は、先ず、自動測距
回路72からの被写体距離情報に基づいて、既に記憶さ
れたズーム情報Sg2とそのときの被写体距離情報か
ら、前群レンズLF を所望のズームステップ数に対応
した適正合焦位置に変位させるのに要する合焦ステップ
数と、この合焦ステップ数を実現する合焦時駆動パルス
数とを演算すると共に、この合焦時駆動パルス数を図1
5および図16に示すように、モータ36に付与するよ
うにモータ駆動回路76に指令する。
【0110】従って、モータ駆動回路76は、この合焦
時駆動パルス数をもってパルス制御モータ36を初期位
相から正方向に回転するように制御するが、パルス制御
モータ36がパルス制御モータ36が合焦時駆動パルス
の数だけ正方向に回転すると、その回転力が、出力ギア
37および二段式連結ギア38を介して基本駆動部材1
0の部分ギア部15に伝達される。その結果、基本駆動
部材10は、初期位置から正方向(時計方向)に第1回
目の回動を行って、所望のズームステップ数に対応した
適正合焦位置を実現し得る合焦ステップ数の位置に到
る。
【0111】このとき、基本駆動部材10の屈曲腕部1
1に形成された複数個所のR状山部(合焦信号形成部)
11cは、羽根開閉部材40の被係止部40aに臨んだ
ときに被係止部40aと係接してこれを強制的に押上
げ、また、複数個所のR状谷部11dは、被係止部40
aの位置に臨んだときに被係止部40aを羽根開きばね
部材42の付勢力によりR状谷部11d内に落ち込ませ
るように動作する。
【0112】その結果、羽根開閉部材40は、枢軸41
の周りをそのとき係接したR状山部11cの数だけ往復
的に揺動することになるが、このように羽根開閉部材4
0が揺動を繰り返すと、前述したズームステップの設定
動作時における羽根開閉部材40の揺動作用のときと同
様に、兼用シャッタ羽根3、4が、その信号発生角度領
域内において、そのとき係接したR状山部11cの数だ
け図17と図18との間で往復変位を行う。
【0113】このとき、そのとき係接したR状山部11
cの数だけの合焦時の組合せ信号が、一方の兼用シャッ
タ羽根3の検出光遮蔽部3bを介してホトリフレクタ6
1からズーム情報検出手段78を介してCPU74に対
して出力される。
【0114】この場合、図示実施例では、各1個の過大
閉じ位置信号と初期位置信号とから成る合焦時の組合せ
信号が、ラチェット歯列23の歯間ピッチの1/2ピッ
チに対応する基本駆動部材10の単位回動量を表すよう
に構成されているから、このとき係接したR状山部11
cの数に応じた基本駆動部材10の第1回目の正方向回
動量に係る情報がホトリフレクタ61からCPU74に
対して出力されることになる。
【0115】一方、基本駆動部材10が正方向に回動す
ると、その回動過程において、基本駆動部材10の合焦
連動ボス部12が合焦部材20の被押圧連動部24を押
圧して、合焦部材20を合焦係止ばね部材27の付勢力
に抗して基本駆動部材10と一体的に、且つ、そのとき
の焦点距離に対応した適正合焦位置にまで時計方向に回
動させる。この場合、合焦部材20は、合焦部材20上
の各ラチェット歯列23が、各歯の斜面で複合ラチェッ
ト爪部材50の第1爪部52と第2爪部53とをそれぞ
れ交互に押上げながら目的とする位置まで回動する。
【0116】このようにして合焦部材20が回動する
と、合焦部材20の平斜面カム22が、前群レンズ保持
枠30の合焦ピン33を圧縮ばね部材34の付勢力に抗
して押圧して、前群レンズ保持枠30を、そのときの焦
点距離に対応した適正合焦位置までガイドポール7、8
に沿って被写界方向に変位させる。従って、前群レンズ
保持枠30は、例えば被写界方向に変位して、そのとき
の焦点距離に対応した適正合焦位置まで変位して停止す
る。
【0117】このようにして基本駆動部材10が、付与
された正方向の合焦時駆動パルス数だけ回動すると、ホ
トリフレクタ61から出力されたそのときの合焦時の組
合せ信号数とこの合焦時駆動パルス数とが一致した時点
から所定時間の経過後に、CPU74が、パルス制御モ
ータ36に対して正方向駆動パルス数と同数の逆方向駆
動パルスを付与するようにモータ駆動回路76に指令す
る。
【0118】そのため、パルス制御モータ36は、その
時点で回転方向を反転して、基本駆動部材10を正方向
回動後の位置から反時計方向に向って正方向回動量と同
量だけ回動させ、基本駆動部材10を初期位置に復帰さ
せる。
【0119】このとき、合焦部材20も、合焦係止ばね
部材27の付勢力により、基本駆動部材10に追従する
形で反時計方向に回動しようとするが、このときには、
複合ラチェット爪部材50の第1爪部52および第2爪
部53のいずれか一方が、その弾性力でラチェット歯列
23のいずれかの歯を係止することになるので、合焦部
材20は、所望の焦点距離に対応した適正合焦位置に留
ることになる。
【0120】この場合、図示実施例では、複合ラチェッ
ト爪部材50の第1爪部52と第2爪部53とがラチェ
ット歯列23の歯間ピッチに対して1/2ピッチだけず
れるような関係に設定されているので、合焦部材20
は、ラチェット歯列23の1/2ピッチ分の分解能を保
持する状態で適正合焦位置に係止される。
【0121】この結果、基本駆動部材10は、合焦部材
20を適正合焦位置に留めたまま初期位置に復帰するこ
とになるが、図示実施例では、このときの回動過程で
は、基本駆動部材10の解除ボス部13が複合ラチェッ
ト爪部材50の第2爪部53の一方向運動伝達部54に
係接しないように解除ボス部13と第2爪部53の一方
向運動伝達部54との関係位置が定められている。
【0122】[兼用シャッタ羽根の開閉動作(シャッタ
露光動作)]前述したように、シャッタレリーズ部材の
初段操作が行われたときには、CPU74が測光回路7
1から被写界輝度に係る撮影情報Sg1をシャッタ制御
回路75に伝達するから、シャッタ制御回路75は、こ
の撮影情報Sg1に基づいて、そのときの被写界輝度に
適合した適正露光値をアペックス演算し、この演算結果
に従って、そのときの適正露光値を実現し得る絞り開口
値とシャッタ秒時値との組合せを決定しその決定情報を
CPU74に出力する。
【0123】そのため、シャッタレリーズ操作の第2段
操作が行われてシャッタレリーズスイッチSW2がオン
すると、CPU74は、シャッタ制御回路75で決定さ
れた絞り開口値を実現し得るパルス制御モータ36への
シャッタ駆動パルス数と、そのときのシャッタ秒時値を
実現し得るパルス制御モータ36の反転タイミングとを
決定し、これに基づいてパルス制御モータ36を回転制
御すべきことをモータ駆動回路76に指令する。
【0124】従って、パルス制御モータ36は、先ず逆
方向に回転して、焦点調節動作が終了して既に初期位置
に復帰している基本駆動部材10を、そのときの被写界
輝度の程度に応じた量だけ反時計方向に回動させる。こ
のとき、基本駆動部材10の押動ボス部14が係止部材
44の被押動アーム部44aに係接するが、図示実施例
では、基本駆動部材10が初期位置に位置しているとき
には、押動ボス部14と被押動アーム部44aとの間に
所定の間隔が存在するように予め構成されているので、
押動ボス部14はこの間隔分に相当する角度を回動した
後に被押動アーム部44aに係接する。
【0125】そして、この被押動アーム部44aを押動
して、係止部材44を、係止ばね部材46の付勢力に抗
して枢軸45の周りに図2、図17に示す初期位置から
時計方向に回動させる。
【0126】係止部材44が時計方向に回動すると、そ
の初期過程において、図18に示すように、先ず、係止
部材44の凸部44cが羽根開閉部材40の被係止部4
0aを凸部44cの高さ分だけ反時計方向に押上げて、
羽根開閉部材40を反時計方向に回動するから、羽根開
閉部材40は、図17の初期位置から図18に示す姿勢
まで回動し、その反時計方向への回動過程において、絞
り制御ピン43を介して、一方の兼用シャッタ羽根3を
その初期位置から過大閉じ位置に向って反時計方向に変
位させる。
【0127】従って、ズームステップの設定動作並びに
焦点調節動作の場合のときと同様に、一方の兼用シャッ
タ羽根3の検出光遮蔽部3bの右端縁部3b−1が、光
電的位置検出手段60を構成するホトリフレクタ61の
発光部61aの前方空間から退いて発光部61aへの遮
蔽を解除する。
【0128】そのため、ホトリフレクタ61の発光部6
1aからの出射検出光が、第2地板2の長円開口部2c
を通過して反射板部材62に至り、そこで反射されてホ
トリフレクタ61の受光部61bに入射するから、ホト
リフレクタ61は、その時点でCPU74に対して過大
閉じ位置信号を出力する。
【0129】基本駆動部材10は、その後も回動を続け
て押動ボス部14を介して被押動アーム部44aを押動
するから、係止部材44の凸部44cが羽根開閉部材4
0の被係止部40aから外れる。そのため、羽根開閉部
材40は、羽根開きばね部材42の付勢力により、図1
8の姿勢から時計方向に回動し、その時計方向への回動
過程において、絞り制御ピン43を介して、一方の兼用
シャッタ羽根3を過大閉じ位置から初期位置に向って時
計方向に変位させる。
【0130】そして、羽根開閉部材40が初期位置に復
帰すると、一方の兼用シャッタ羽根3の検出光遮蔽部3
bの右端縁部3b−1が、発光部61aの前方空間を再
び遮蔽して発光部61aからの出射検出光を遮断するか
ら、ホトリフレクタ61は、その時点でCPU74に対
して初期位置信号を出力する。この結果、CPU74に
は、図15に示すようなシャッタ秒時起算時のトリガー
信号(開きトリガー信号)St1が入力されることにな
る。
【0131】なお、図示実施例では、係止部材44の凸
部44cの高さ量と、前述したR状山部11cの高さ量
と、羽根開閉部材40のズーム連動突起部40bのズー
ムステップ設定環49の逃げ部49cへの突出量とは、
いずれも実質的に同量に設定されている。
【0132】ところで、図示実施例では、シャッタ露光
時における基本駆動部材10の反時計方向への回動量、
すなわち、押動ボス部14による係止部材44の被押動
アーム部44aに対する押動量が、前述したように、そ
のときの被写体輝度の如何に応じた量として設定され、
さらに、このときの係止部材44の回動量を利用して兼
用シャッタ羽根3、4の絞り開口を決定するように構成
されている。
【0133】[被写界輝度が高輝度である場合]被写界
輝度が高輝度であるときには、基本駆動部材10の初期
位置からの設定回動量が、係止部材44の凸部44cが
羽根開閉部材40の被係止部40aの第2接触点40a
−2を係止する位置まで、係止部材44を枢軸45の周
りに回動させ得るだけの量として決定され、さらに、屈
曲腕部11の絞りカム面11aのカム形状も、基本駆動
部材10のこのときの回動量で決定される羽根開閉部材
40の回動停止位置が、高輝度被写界に対応した絞り開
口を実現し得る位置になるように予め設定されている。
【0134】さて、シャッタレリーズスイッチSW2が
オンされと、CPU74は、測光回路71からの測光に
係る撮影情報Sg1に基づいて、基本駆動部材10をこ
のときの設定回動量の位置まで反時計方向に回動させる
ように制御する。そのため、押動ボス部14は、係止部
材44の被押動アーム部44aを係止ばね部材46の付
勢力に抗して押動し、係止部材44を、図2に示す初期
姿勢から図18の状態を経て図19に示す姿勢まで回動
させ、且つ、その状態で停止させる。
【0135】このとき、基本駆動部材10の屈曲腕部1
1も初期位置から高輝度被写界に対応する位置まで回動
して停止するから、羽根開閉部材40は、羽根開きばね
部材42の付勢力により図18に示す位置から時計方向
に回動して、自身の被係止部40aの第1接触点40a
−1が屈曲腕部11の絞りカム面11aの先端領域と係
接した位置において停止する(図19の状態)。
【0136】この場合、兼用シャッタ羽根3、4が初期
位置から絞り開口を形成する方向に変位し始める過程
で、一方の兼用シャッタ羽根3に形成された検出光遮蔽
部3bの左端縁部3b−2がホトリフレクタ61の発光
部61aの前方を開放するから、この時点でホトリフレ
クタ61から羽根開きトリガー信号がCPU74に対し
て出力される。その後、兼用シャッタ羽根3、4は、こ
のときの羽根開閉部材40の回動動作により決定された
絞り開口(高輝度被写界に対応した絞り開口)の位置ま
で開くことになる。
【0137】ところで、図示実施例では、被写界輝度が
高輝度であるときには、シャッタ秒時も所定の高速秒時
t1 になるようにプログラムされているので、CPU
74は、兼用シャッタ羽根3、4が目的とする絞り開口
まで開いた時点から所定の高速秒時t1 の経過後に、
モータ駆動回路76に対して、そのときのシャッタ駆動
パルス数と同数の正方向への駆動パルス数をもってパル
ス制御モータ36を反転制御すべきことを指令する。
【0138】そのため、基本駆動部材10は、このとき
の回動後の位置から時計方向に回動して図2に示す初期
位置に復帰する。そして、その回動過程において、 (i) 先ず、絞りカム面11aにより羽根開閉部材4
0の被係止部40aを押上げて、羽根開閉部材40を羽
根開きばね部材42の付勢力に抗して反時計方向に回動
させる。
【0139】(ii) このとき、基本駆動部材10は、
羽根開閉部材40の被係止部40aが係止部材44の凸
部44cの位置よりも外側の個所に位置する角度位置ま
で回動する。従って、係止部材44は、係止ばね部材4
6の付勢力により、枢軸45の周りを第1制限ピン47
に当接するまで反時計方向に回動して、その初期位置に
復帰する。
【0140】(iii) その後に基本駆動部材10が初
期位置に復帰するが、このとき、羽根開閉部材40の被
係止部40aが円弧アーム部11bの最終個所のR状谷
部11dに臨む状態となる。従って、羽根開閉部材40
の被係止部40aは、係止部材44の凸部44cを乗り
越えた後に、羽根開きばね部材42の付勢力により係止
アーム部44b上に係接する。すなわち、羽根開閉部材
40は係止部材44によって初期位置に係止されること
になる。
【0141】このようにして、基本駆動部材10と羽根
開閉部材40と係止部材44とがそれぞれの初期位置に
向う関係運動を行うと、その過程で、兼用シャッタ羽根
3、4も、高輝度の被写界輝度に対応した絞り開口を形
成した位置から初期位置に復帰して撮影光開口部1a、
2aを閉成する。
【0142】このとき、兼用シャッタ羽根3、4の閉じ
動作の終期において、一方の兼用シャッタ羽根3に形成
された検出光遮蔽部3bの左端縁部3b−2がホトリフ
レクタ61の発光部61aの前方を遮蔽するから、この
時点で初期位置信号がホトリフレクタ61からCPU7
4に対して出力される。
【0143】この結果、羽根開きトリガー信号とこの初
期位置信号とから成る羽根閉じトリガー信号St2が、
図15に示すように、CPU74に入力されることにな
り、このとき、CPU74はこの羽根閉じトリガー信号
St2が形成された時点でシャッタ露光動作の終了を確
認する。このようにして、兼用シャッタ羽根3、4は、
図22に示すように、高輝度被写界に対応した絞り開口
と所定の高速秒時t1 による開口波形をもって露光動
作を完了することになる。
【0144】[被写界輝度が中間輝度である場合]被写
界輝度が中間輝度であるときには、基本駆動部材10の
初期位置からの設定回動量は、係止部材44の凸部44
cが羽根開閉部材40の被係止部40aから外れる位置
まで、係止部材44を枢軸45の周りに回動させ得るだ
けの量として決定され、さらに、屈曲腕部11の絞りカ
ム面11aのカム形状も、基本駆動部材10のこのとき
の回動量で決定される羽根開閉部材40の回動停止位置
が、中間輝度被写界に対応した絞り開口を実現し得る位
置、すなわち、高輝度と中間輝度との被写界輝度の差に
相当する回動量だけ加算された位置になるように予め設
定されている。
【0145】さて、シャッタレリーズスイッチSW2が
オンされと、CPU74は、測光回路71からの測光に
係る撮影情報Sg1に基づいて、基本駆動部材10をこ
のときの設定回動量の位置まで反時計方向に回動させる
ように制御する。そのため、押動ボス部14は、高輝度
被写界の場合と同じように、係止部材44を、図2に示
す初期姿勢から図18および図19の状態を経て図20
に示す姿勢まで回動させ、且つ、その状態で停止させ
る。
【0146】このとき、基本駆動部材10の屈曲腕部1
1も中間輝度被写界に対応する位置で停止するから、羽
根開閉部材40は、羽根開きばね部材42の付勢力によ
り、図18に示す位置から自身の被係止部40aの第1
接触点40a−1が屈曲腕部11の絞りカム面11aの
中間領域と係接する位置まで回動して、その位置に停止
する(図20の状態)。従って、兼用シャッタ羽根3、
4は、このときの羽根開閉部材40の回動動作により、
中間輝度被写界に対応した絞り開口の位置まで開くこと
になる。
【0147】この場合、図示実施例では、被写界輝度が
中間輝度であるときには、シャッタ秒時も所定の中間速
度秒時t2 になるようにプログラムされているので、
CPU74は、兼用シャッタ羽根3、4が目的とする絞
り開口まで開いた時点から所定の中間速度秒時t2 の
経過後に、モータ駆動回路76に対して、そのときのシ
ャッタ駆動パルス数と同数の正方向への駆動パルス数を
もって、パルス制御モータ36を反転制御すべきことを
指令する。
【0148】そのため、兼用シャッタ羽根3、4は、被
写界輝度が高輝度である場合の閉じ動作と同じ経過を辿
って初期位置に復帰することになり、図23に示すよう
に、中間輝度被写界に対応した絞り開口と所定の中間速
度秒時t2 による開口波形をもって露光動作を完了す
ることになる。
【0149】[被写界輝度が低輝度である場合]図示実
施例では、被写界輝度が低輝度であるときに兼用シャッ
タ羽根3、4が最大絞り開口になるように構成されてい
るため、基本駆動部材10の初期位置からの設定回動量
は、単に、係止部材44の凸部44cが羽根開閉部材4
0の被係止部40aから外れる位置まで係止部材44を
枢軸45の周りに回動させ、さらに、屈曲腕部11の絞
りカム面11aが羽根開閉部材40の被係止部40aと
係接しない位置までの量として決定されることになる。
なお、図示実施例では、この羽根開閉部材40の被係止
部40aと係接しない位置を、係止部材44が第2制限
ピン48に当接する位置として予め設定している。
【0150】さて、シャッタレリーズスイッチSW2が
オンされと、中間輝度被写界の場合と同じように、CP
U74が、測光回路71からの測光に係る撮影情報Sg
1に基づいて、基本駆動部材10を、係止部材44が図
2に示す初期姿勢から図18〜図20の状態を経て第2
制限ピン48に当接する位置まで回動させる(図21の
位置)。
【0151】このとき、基本駆動部材10の屈曲腕部1
1も羽根開閉部材40の被係止部40aと係接しない位
置で停止するから、羽根開閉部材40は、羽根開きばね
部材42の付勢力により、図18に示す位置から絞り制
御ピン43が兼用シャッタ羽根3、4の各カム溝3a、
4aの内端面(最大変位位置)に係接する位置まで回動
して、その位置に停止する(図21の状態)。
【0152】そのため、兼用シャッタ羽根3、4は、こ
のときの羽根開閉部材40の回動動作により、低輝度被
写界に対応した絞り開口の位置まで開くことになる。な
お、羽根開閉部材40は、その被係止部40aの第1接
触点40a−1が絞りカム面11aの立上り領域に臨む
位置まで時計方向に回動することになるが、このとき、
被係止部40aが絞りカム面11aの立上り領域には接
触しないように、予め絞りカム面11aの形状が設定さ
れている。
【0153】ところで、図示実施例では、被写界輝度が
低輝度であるときには、シャッタ秒時も所定の低速秒時
t3 になるようにプログラムされているので、CPU
74は、兼用シャッタ羽根3、4が目的とする絞り開口
まで開いた時点から所定の低速秒時t3 の経過後に、
モータ駆動回路76に対して、そのときのシャッタ駆動
パルス数と同数の正方向への駆動パルス数をもって、パ
ルス制御モータ36を反転制御すべきことを指令する。
【0154】そのため、兼用シャッタ羽根3、4は、被
写界輝度が高輝度である場合の閉じ動作と同じ経過を辿
って初期位置に復帰することになり、図24に示すよう
に、低輝度被写界に対応した絞り開口と所定の中間速度
秒時t2 による開口波形をもって露光動作を完了する
ことになる。
【0155】次に、シャッタ露光動作時における基本駆
動部材10の初期位置から反時計方向および時計方向へ
の往復回動動作と、基本駆動部材10上の解除ボス部1
3による複合ラチェット爪部材50の解除動作との関係
について説明する。
【0156】前述したように、基本駆動部材10は、シ
ャッタ露光動作に先立って先ず初期位置から往方向に回
動して、合焦部材20をそのとき設定されたズームステ
ップ数とそのときの被写体距離に対応した適正合焦状態
を実現する位置まで回動させ、その後、復方向に回動復
帰する過程で、複合ラチェット爪部材50の第1爪部5
2または第2爪部53をもって、合焦部材20をその回
動後の位置に係止させるように往復運動を行う。
【0157】このとき、基本駆動部材10が回動後の位
置から初期位置に回動復帰する過程では、基本駆動部材
10上の解除ボス部13が、複合ラチェット爪部材50
の第1爪部52および第2爪部53とは直接係接しない
領域を、基本駆動部材10と一体になって回動するの
で、解除ボス部13と複合ラチェット爪部材50との係
接関係は生じない。
【0158】一方、シャッタ露光動作時においては、基
本駆動部材10が初期位置から反時計方向に回動する過
程、並びに、基本駆動部材10が回動後の位置から初期
位置に向って時計方向に回動する過程で、いずれも、解
除ボス部13が複合ラチェット爪部材50の一方向運動
伝達部54に係接することになる。
【0159】このとき、基本駆動部材10が初期位置か
ら反時計方向に回動する過程では、解除ボス部13が、
図8〜図10に順次に示すように、一方向運動伝達部5
4の復方向折曲り部54aを折り曲げながら一方向運動
伝達部54を通り過ぎて、図11に示す通過後の位置に
至るために、複合ラチェット爪部材50の第1爪部52
および第2爪部53は、それぞれラチェット歯列23に
対する係止状態(係止姿勢)を維持する。
【0160】その結果、合焦部材20は、その後のシャ
ッタ露光動作中においても、所望の焦点距離(ズームス
テップ数)に対応した適正合焦量を実現する位置に保持
されることになる。しかし、基本駆動部材10が回動後
の位置から初期位置に向って時計方向に回動する終期の
過程では、解除ボス部13が、図11に示す通過後の位
置から、一方向運動伝達部54の復方向折曲り部54a
を押上げながら自身の初期位置に向って移動することに
なる。
【0161】そのため、この解除ボス部13による押上
げ動作により、先ず第2爪部53が自身の弾性力に抗し
て係止位置から持ち上げられ、同時に、連係部52aを
介して、第1爪部52も自身の弾性力に抗して係止位置
から持ち上げられることになる(図12の状態)。すな
わち、複合ラチェット爪部材50の第1爪部52および
第2爪部53による合焦部材20に対する係止が解除さ
れることになる。
【0162】従って、合焦部材20は、合焦係止ばね部
材27の付勢力により、所望の焦点距離に対応した適正
合焦位置から合焦部材20のストッパ腕部21が合焦部
材ストッパ26に当接する位置に向って急速に反時計方
向に回動して、初期位置に復帰する。
【0163】この結果、合焦ピン33を介して合焦部材
20の平斜面カム22に圧接していた前群レンズ保持枠
30も、圧縮ばね部材34の付勢力により光軸Oに沿っ
て初期位置に復帰することになる。
【0164】そして、ズームステップ設定環49を除く
全ての機械的部材がこのようにして初期位置ないし初期
姿勢に復帰すると、CPU74は、1回の撮影に係る撮
影シーケンスを終了させるために全ての電気的情報をリ
セットし、且つ、例えば図示なき電動式フィルム給送手
段を作動させて、次回撮影のためのフィルムを巻上げる
ように制御する。従って、再びシャッタレリーズ操作部
材を操作すれば、図25の概略撮影シーケンス図に示す
ように、次回撮影を行うことができる。なお、全ての撮
影行為を終了した場合には、カメラのメインスイッチを
オフした後、例えば撮影光学系を短縮する等の操作を行
ってカメラを収納状態に移行させるものとするが、ズー
ムステップ設定環49については、例えばカメラの収納
時にズーミング操作部材を操作して初期位置に戻すよう
にする(図25を参照)。
【0165】なお、図示実施例では、パルス制御モータ
36を用いて基本駆動部材10を初期位置から正逆方向
に回動するように構成されているが、普通の直流モータ
を用いて基本駆動部材10に第1回目の正方向回動を行
わせ、光電的位置検出手段60からの合焦時の組合せ信
号数がCPU74で演算された合焦ステップ数と一致し
た時点で、直流モータの回転を急停止させるように構成
することもできる。
【0166】そして、このように構成したときには、安
価な直流モータを使用することができ、また発生トルク
の不足に起因する諸問題を有利に解決することが可能に
なる。以上、図示実施例について説明したが、本発明
は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲内で種々に変形実施することが可能である。
【0167】
【発明の効果】以上述べたように、本発明を用いるとき
は、焦点距離変更の設定動作時と自動焦点調節の動作時
と絞り兼用シャッタ羽根の開閉動作時におけるそれぞれ
の位置検出作用を1個の位置検出手段により行うことが
できるカメラを実現することが可能となった。
【0168】また、ラチェット歯列とラチェット爪から
成る一方向係止手段によるズーミング時の分解能や焦点
調節時の分解能を高め、且つ、ラチェット爪の構造を簡
単化させてコストアップや設置スペースの問題をも有利
に解決したカメラを実現することが可能となった。さら
に、発生トルクが大きく且つ低コストの直流モータを使
用しての制御が可能なカメラを実現することができると
いう効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るカメラの主要構成をシ
ャッタ装置を中心として示した分解斜視図である。
【図2】図1のカメラにおける主要部の平面構成を示す
平面図で、撮影前の初期状態にあるときを示す。
【図3】図1のカメラに用いられる基本回転駆動部材の
単体構造の詳細を示す部品図である。
【図4】図1のカメラに用いられる焦点調節部材の単体
構造の詳細を示す部品図である。
【図5】図1のカメラに用いられる羽根開閉部材の単体
構造を示す部分機構図である。
【図6】図1のカメラに用いられる係止部材の単体構造
を示す部分機構図である。
【図7】複合ラチェット爪部材の一方向運動伝達部の詳
細な構造を示す部分的な斜視図である。
【図8】焦点調節時における基本回転駆動部材の解除ボ
ス部と焦点調節部材のラチェット歯列と複合ラチェット
爪部材の第1爪部および第2爪部との関係動作を説明す
るための運動関係図であり、基本回転駆動部材がそのと
きの撮影距離に対応する位置まで回動した後に、その回
動後の位置から初期位置に向って復方向に回動し始めた
ときの状態を示す状態図である。
【図9】図8に引き続くラチェット歯列と第1爪部およ
び第2爪部との関係動作を説明するための運動関係図で
あり、基本回転駆動部材がそのときの撮影距離に対応す
る位置まで回動した後に、その回動後の位置から初期位
置に向って復方向に回動する過程で、解除ボス部が一方
向運動伝達部をそのまま通過するときの状態を示す状態
図である。
【図10】図9に引き続くラチェット歯列と第1爪部お
よび第2爪部との関係動作を説明するための運動関係図
であり、基本回転駆動部材がそのときの撮影距離に対応
する位置まで回動した後に、その回動後の位置から初期
位置に向って復方向に回動する過程で、解除ボス部が一
方向運動伝達部を通過し終ったときの状態を示す状態図
である。
【図11】撮影動作終了後における基本回転駆動部材の
解除ボス部と焦点調節部材のラチェット歯列と複合ラチ
ェット爪部材の第1爪部および第2爪部との関係動作を
説明するための運動関係図であり、基本回転駆動部材が
初期位置から往方向に回動する過程における解除ボス部
の位置を示す状態図である。
【図12】図11に引き続くラチェット歯列と第1爪部
および第2爪部との関係動作を説明するための運動関係
図であり、基本回転駆動部材が初期位置から往方向に回
動する過程で解除ボス部が一方向運動伝達部を押上げ
て、第1爪部および第2爪部によるラチェット歯列への
係止状態を同時に解除したときの状態を示す状態図であ
る。
【図13】図12に引き続くラチェット歯列と第1爪部
および第2爪部との関係動作を説明するための運動関係
図であり、基本回転駆動部材の往方向回動の過程で、解
除ボス部が一方向運動伝達部を通過し終ったときの状態
を示す状態図である。
【図14】図1のカメラに係る撮影シーケンス制御回路
を示すブロック図である。
【図15】図1のカメラの1回の撮影シーケンスに係る
タンミングチャート図である。
【図16】図1のカメラで用いられるモータ駆動回路か
ら発せられるズーム時および合焦時駆動パルスの関係を
示す駆動パルス説明図である。
【図17】一方の絞り兼用シャッタ羽根とホトリフレク
タの検出光路との関係を説明するための作動関係図で、
絞り兼用シャッタ羽根が初期位置に在るときの関係各部
材の位置ないし姿勢を示す。
【図18】一方の絞り兼用シャッタ羽根とホトリフレク
タの検出光路との関係を説明するための作動関係図で、
焦点距離の設定動作時に、絞り兼用シャッタ羽根が初期
位置から過大閉じ位置に回転したときの関係各部材の位
置ないし姿勢を示す。
【図19】絞り兼用シャッタ羽根の開き動作を説明する
ための基本駆動部材の絞りカム面と羽根開閉部材の被係
止部と係止部材の回動位置との関係を示す作動状態図
で、被写体輝度が高輝度である場合の状態を示す。
【図20】絞り兼用シャッタ羽根の開き動作を説明する
ための基本駆動部材の絞りカム面と羽根開閉部材の被係
止部と係止部材の回動位置との関係を示す作動状態図
で、被写体輝度が中輝度である場合の状態を示す。
【図21】絞り兼用シャッタ羽根の開き動作を説明する
ための基本駆動部材の絞りカム面と羽根開閉部材の被係
止部と係止部材の回動位置との関係を示す作動状態図
で、被写体輝度が低輝度である場合の状態を示す。
【図22】絞り兼用シャッタ羽根が開いたときの開口波
形を示す開口波形図で、被写体輝度が高輝度である場合
の開口波形を示す。
【図23】絞り兼用シャッタ羽根が開いたときの開口波
形を示す開口波形図で、被写体輝度が中輝度である場合
の開口波形を示す。
【図24】絞り兼用シャッタ羽根が開いたときの開口波
形を示す開口波形図で、被写体輝度が低輝度である場合
の開口波形を示す。
【図25】図1のカメラで実行される撮影シーケンスを
概略的に説明するための概略撮影シーケンス図である。
【図26】電動モータを使用した従来のカメラにおいて
用いられている電気抵抗板とブラシ接片とを組合せた構
造の位置検出手段を示す概略構成説明図である。
【図27】電動モータを使用した従来のカメラにおいて
用いられているパターンスイッチ式の位置検出手段を示
す概略構成説明図である。
【図28】電動モータを使用した従来のカメラの自動合
焦の分野における位置検出手段を示す概略構成説明図で
ある。
【符号の説明】
LF 前群レンズ 1 第1地板 1a、2a 撮影光開口部 1d、1e ポール座 1f 四角凹部 1g バヨネット爪 2 第2地板 3、4 絞り兼用シャッタ羽根 3b 検出光遮蔽部 3b−1 右端縁部 3b−2 左端縁部 7、8 ガイドポール 10 基本回転駆動部材(基本駆動部材) 11 屈曲腕部 11a 絞りカム面(外側斜面) 11b 円弧アーム部 11c R状山部(合焦信号形成部) 11d R状谷部 12 合焦連動ボス部 13 解除ボス部 14 押動ボス部 15 部分ギア部 20 焦点調節部材(合焦部材) 21 ストッパ腕部 22 平斜面カム 23 ラチェット歯列 24 被押圧連動部 26 合焦部材ストッパ 27 合焦係止ばね部材 30 前群レンズ保持枠 31,32 ガイド腕 31a,32a 案内孔 33 合焦ピン 34 圧縮ばね部材 36 パルス制御モータ 37 出力ギア 38 二段式連結ギア 40 羽根開閉部材 40a 被係止部 40a−1 第1接触点 40a−2 第2接触点 40b ズーム連動突起部 42 羽根開きばね部材 43 絞り制御ピン 44 係止部材 44a 被押動アーム部 44b 係止アーム部 44c 凸部 46 係止ばね部材 47 第1制限ピン 48 第2制限ピン 49 ズームステップ設定環 49b ズーム信号形成部 49c 逃げ部 50 複合ラチェット爪部材 50a,50b 曲り保持部 51 スリット部 52 第1爪部 52a 連係部 53 第2爪部 54 一方向運動伝達部 54a 復方向折曲り部 60 光電的位置検出手段 61 ホトリフレクタ 61a 発光部 61b 受光部 62 反射板部材 63 検出光路 70 撮影シーケンス制御回路 71 測光回路 72 自動測距回路 73 フィルム感度検出回路 74 CPU 75 シャッタ制御回路 76 モータ駆動回路 77 撮影情報測定手段 78 ズーム情報検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 7/095 9/08 H

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影光開口部を閉成する初期位置と測光
    回路からの被写界輝度情報に基づいて決定される絞り開
    口を形成する位置との間、並びに、前記撮影光開口部を
    閉成する領域において前記初期位置と前記初期位置より
    もさらに閉じ方向の位置に設定された過大閉じ位置との
    間を、それぞれ往復変位し得るように構成された少なく
    とも1枚の絞り兼用シャッタ羽根と、 所望の焦点距離を実現する変倍ステップの数が設定され
    たときに、その設定操作により、前記絞り兼用シャッタ
    羽根を、前記初期位置と前記過大閉じ位置との間で所望
    の変倍ステップ数に対応する回数だけ往復変位させ得る
    ように設けられた変倍ステップ設定手段と、 前記絞り兼用シャッタ羽根が前記初期位置から前記過大
    閉じ位置に向って変位したときに過大閉じ位置信号を出
    力すると共に、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記過大閉
    じ位置から前記初期位置に復帰したときに初期位置信号
    を出力して、このときの2種類の位置信号により、変倍
    ステップ設定時の組合せ信号と、合焦時の組合せ信号
    と、シャッタ秒時起算時の開きトリガー信号とを形成
    し、さらに、前記絞り兼用シャッタ羽根が前記初期位置
    から目的とする絞り開口位置に向って変位したときに羽
    根開き信号を出力すると共に、前記絞り兼用シャッタ羽
    根が前記絞り開口位置から前記初期位置に再び復帰した
    ときに初期位置信号を出力して、このときの2種類の位
    置信号により、前記絞り兼用シャッタ羽根の閉じ時点決
    定時のトリガー信号を形成し得る光電的位置検出手段
    と、 前記変倍ステップ設定時の組合せ信号数により決定され
    る焦点距離情報と測距回路からの被写体距離情報とに基
    づいて、そのときの焦点距離に対応する適正合焦位置ま
    での合焦用レンズ群を変位させる合焦ステップ数を演算
    する演算回路手段と、 撮影光学系の光軸の周りを初期位置から正逆方向に回動
    可能に設けられ、前記演算回路手段からの合焦ステップ
    数に基づいて第1回目の正方向回動を行い、このときの
    回動動作で前記撮影光学系の合焦用レンズ群を目的とす
    る位置に変位させ、引き続く第1回目の逆方向回動で自
    身を第1回目の正方向回動後の位置から初期位置に復帰
    させ、その後、第2回目の逆方向回動を行ってこのとき
    の回動動作の初期段階の動作により、前記絞り兼用シャ
    ッタ羽根を前記初期位置と前記過大閉じ位置との間で往
    復変位させ、引き続く回動動作により、前記絞り兼用シ
    ャッタ羽根を前記初期位置から目的とする絞り開口が得
    られる位置まで開かせ、その後、所定のシャッタ秒時の
    経過後に、第2回目の正方向回動を行ってこのときの回
    動動作により、前記絞り兼用シャッタ羽根を閉じさせる
    と共に自身を再び初期位置に復帰させ得るように構成さ
    れた基本回転駆動部材とを有し、 前記基本回転駆動部材の第1回目の正方向回動時に前記
    光電的位置検出手段から出力された前記合焦時の組合せ
    信号数が、前記演算回路手段で演算された前記合焦ステ
    ップ数に一致した後に、前記基本回転駆動部材に第1回
    目の逆方向回動わ行わせるように構成したことを特徴と
    するカメラ。
  2. 【請求項2】 撮影光学系の合焦用レンズ群を保持し
    て、それを初期位置からそのときの被写体距離に対応し
    た適正合焦位置まで変位させ得るレンズ保持枠と、 前記基本回転駆動部材に対して同軸的に且つ往復回動可
    能に設けられ、前記基本回転駆動部材がその初期位置か
    ら第1回目の正方向回動を行ったときに、前記基本回転
    駆動部材と一体的に同方向に回動し、この回動動作によ
    り、前記レンズ保持枠を前記基本回転駆動部材の正方向
    回動量に対応した位置まで変位させ得るように、また、
    前記基本回転駆動部材が第1回目の正方向回動後の位置
    から第1回目の逆方向回動を行ったときに、自身に付与
    された付勢力により、前記基本回転駆動部材に対して相
    対回動を行って別個に初期位置に復帰し得るように設け
    られ、しかも、自身の逆方向への回動のみを停止させ得
    る形状を持つラチェット歯列を所定の角度領域に亘って
    有するように構成された焦点調節部材と、 前記焦点調節部材のラチェット歯列に圧接して前記焦点
    調節部材の逆方向への回動を順次に係止し得る少なくと
    も2個の爪部を具え、各爪部の設置間隔が前記ラチェッ
    ト歯列の各歯間のピッチの1/2ピッチに相当する間隔
    に設定され、しかも、前記基本回転駆動部材が第2回目
    の逆方向回動を行ったときには、前記各爪部が前記ラチ
    ェット歯列を係止する状態を維持し、前記基本回転駆動
    部材が第2回目の正方向回動を行ったときには、この回
    動動作により、各爪部が連動して前記ラチェット歯列か
    ら外れて前記焦点調節部材への係止状態をそれぞれ解除
    し得るように設けられた複合ラチェット爪部材とを、 具備することを特徴とする請求項1に記載されたカメ
    ラ。
  3. 【請求項3】 複合ラチェット爪部材の前記焦点調節部
    材に対する係止を解除する時点を、前記基本回転駆動部
    材の第2回目の正方向回動時において前記絞り兼用シャ
    ッタ羽根が前記撮影光開口部を遮蔽した時点と同時か、
    或いはその後の時点として設定したことを特徴とする請
    求項2に記載されたカメラ。
  4. 【請求項4】 基本回転駆動部材上に、前記複合ラチェ
    ット爪部材の少なくとも2個の爪部を前記ラチェット歯
    列から離す方向に押圧し得る解除ボス部を形成し、 前記複合ラチェット爪部材の少なくとも2個の爪部の内
    の1つに、前記基本回転駆動部材上の解除ボス部と係接
    し得る可撓性の一方向運動伝達部を設け、前記基本回転
    駆動部材が第2回目の逆方向回動を行ったときには、前
    記解除ボス部が前記一方向運動伝達部を可撓させながら
    通過して、前記2個の爪部の内の1つによる前記ラチェ
    ット歯列に対する係止状態を維持させ、前記基本回転駆
    動部材が第2回目の正方向回動を行ったときには、前記
    解除ボス部が前記2個の爪部の内の1つを前記ラチェッ
    ト歯列から離す方向に押上げて、前記2個の爪部の内の
    1つによる前記ラチェット歯列に対する係止状態を解除
    させ得るように構成したことを特徴とする請求項2また
    は3に記載されたカメラ。
  5. 【請求項5】 シャッタ露光動作に先立って、前記絞り
    兼用シャッタ羽根をその初期位置から前記過大閉じ位置
    に向って強制的に変位させ、その後、自身に付与された
    付勢力により、前記絞り兼用シャッタ羽根を前記過大閉
    じ位置から初期位置に復帰させ得るように第1回目の往
    復回動を行い、さらに、シャッタ露光時には、前記付勢
    力によって前記絞り兼用シャッタ羽根を初期位置から目
    的とする絞り開口形成位置に向って変位させ、その後、
    前記絞り兼用シャッタ羽根を絞り開口形成時の位置から
    再び初期位置に強制的に復帰させ得るように第2回目の
    往復回動を行い得るように設けられた羽根開閉部材と、 前記変倍ステップ設定手段を構成する部材の1つとして
    前記基本回転駆動部材と同軸的に且つ往復回転可能に設
    けられ、前記所望の焦点距離を実現する変倍ステップ数
    が設定されたときに、その設定操作により、前記羽根開
    閉部材にそのとき設定された変倍ステップの数だけの前
    記第1回目の往復回動を行わせ得る第1羽根過大閉じ操
    作部を有するように構成されたズームステップ設定環と
    を、さらに有し、 このズームステップ設定環が所望の操作量だけ回動され
    たときに、前記絞り兼用シャッタ羽根を初期位置と前記
    過大閉じ位置との間でそのとき設定操作された変倍ステ
    ップの数だけ往復変位させて、光電的位置検出手段から
    前記変倍ステップ設定時の組合せ信号を出力させ得るよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載されたカメラ。
  6. 【請求項6】 第1羽根過大閉じ操作部が、前記羽根開
    閉部材と係脱可能に係接し得、且つ、設定可能なズーム
    ステップ数と同数のズーム信号形成部として形成されて
    いることを特徴とする請求項5に記載されたカメラ。
  7. 【請求項7】 シャッタ露光動作に先立って、前記絞り
    兼用シャッタ羽根をその初期位置から前記過大閉じ位置
    に向って強制的に変位させ、その後、自身に付与された
    付勢力により、前記絞り兼用シャッタ羽根を前記過大閉
    じ位置から初期位置に復帰させ得るように第1回目の往
    復回動を行い、さらに、シャッタ露光時には、前記付勢
    力によって前記絞り兼用シャッタ羽根を初期位置から所
    望の絞り開口形成位置に向って変位させ、その後、前記
    絞り兼用シャッタ羽根を絞り開口形成時の位置から再び
    初期位置に強制的に復帰させ得るように第2回目の往復
    回動を行い得るように構成された羽根開閉部材をさらに
    設けると共に、 前記基本回転駆動部材が第1回目の正方向回動を行った
    ときに、その回動動作により、前記羽根開閉部材を前記
    焦点調節部材のラチェット歯列の歯数の倍数回だけ前記
    第1回目の往復回動を行わせ得る第2羽根過大閉じ操作
    部を、前記基本回転駆動部材に形成し、 前記基本回転駆動部材が第1回目の正方向回動を行った
    ときに、前記第2羽根過大閉じ操作部を介して前記羽根
    開閉部材に第1回目の往復回動を行わせ、このときの前
    記羽根開閉部材の往復回動数だけ、前記絞り兼用シャッ
    タ羽根を初期位置と前記過大閉じ位置との間で往復変位
    させて、前記光電的位置検出手段から前記合焦時の組合
    せ信号を出力させ得るように構成したことを特徴とする
    請求項2ないし6のいずれかに記載されたカメラ。
  8. 【請求項8】 第2羽根過大閉じ操作部が、前記羽根開
    閉部材と係脱可能に係接し得、且つ、前記基本回転駆動
    部材の回動量確認信号形成部として形成されていること
    を特徴とする請求項7に記載されたカメラ。
  9. 【請求項9】 シャッタ露光動作に先立って、前記絞り
    兼用シャッタ羽根を初期位置から前記過大閉じ位置に向
    って強制的に変位させ、その後、自身に付与された付勢
    力により、前記絞り兼用シャッタ羽根を前記過大閉じ位
    置から初期位置に復帰させ得るように第1回目の往復回
    動を行い、さらに、シャッタ露光時には、前記付勢力に
    よって前記絞り兼用シャッタ羽根を初期位置から所望の
    絞り開口形成位置に向って変位させ、その後、前記絞り
    兼用シャッタ羽根を絞り開口形成時の位置から再び初期
    位置に強制的に復帰させ得るように第2回目の往復回動
    を行い得るように設けられた羽根開閉部材と、 前記基本回転駆動部材が第2回目の逆方向回動を行った
    ときに、その回動動作により、初期位置から所定の角度
    範囲内で枢軸の周りを往方向に揺動させられ、且つ、前
    記基本回転駆動部材が第2回目の正方向回動を行ったと
    きに、自身に付与された付勢力により揺動後の位置から
    初期位置に向って復方向に復帰し得るように設けられ、
    さらに、自身が初期位置にあるときに前記羽根開閉部材
    をその初期位置に係脱可能に係止し得るように構成さ
    れ、しかも、前記基本回転駆動部材の第2回目の逆方向
    回動時の動作により所定の角度だけ揺動させられたとき
    に、前記絞り兼用シャッタ羽根を初期位置から前記過大
    閉じ位置に向って変位させるように前記羽根開閉部材を
    その初期位置から羽根閉じ方向に回動させ得る第3羽根
    過大閉じ操作部を有するように設けられた係止部材と
    を、さらに有し、 シャッタ露光に際して前記基本回転駆動部材が第2回目
    の逆方向回動を行ったときに、前記絞り兼用シャッタ羽
    根の羽根開き動作に先立って、前記第3羽根過大閉じ操
    作部を介して前記羽根開閉部材に第1回目の往復回動を
    行わせ、このときの前記羽根開閉部材の回動動作によ
    り、前記絞り兼用シャッタ羽根をその初期位置と前記過
    大閉じ位置との間で1回だけ往復変位させて、前記光電
    的位置検出手段から前記シャッタ秒時起算時の開きトリ
    ガー信号を出力させ得るように構成したことを特徴とす
    る請求項2ないし8のいずれかに記載されたカメラ。
  10. 【請求項10】 前記第3羽根過大閉じ操作部が、前記
    羽根開閉部材と係脱可能に係接する前記係止部材の端部
    に位置する1個の凸部として形成されていることを特徴
    とする請求項9に記載されたカメラ。
  11. 【請求項11】 前記電動モータを直流モータとして構
    成したことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに
    記載されたカメラ。
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