JP3198366B2 - カメラの絞り兼用シャッタ装置 - Google Patents

カメラの絞り兼用シャッタ装置

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JP3198366B2
JP3198366B2 JP19520193A JP19520193A JP3198366B2 JP 3198366 B2 JP3198366 B2 JP 3198366B2 JP 19520193 A JP19520193 A JP 19520193A JP 19520193 A JP19520193 A JP 19520193A JP 3198366 B2 JP3198366 B2 JP 3198366B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に電子スチルおよび
ムービ兼用ビデオカメラに用いて好適なカメラの絞り兼
用シャッタ装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子スチルおよびムービ兼用ビデオカメ
ラ(以下、単に「ビデオカメラ」という)では、結像光
学系の結像位置に撮像用の電荷結合素子(CCD)を配
設し、動画撮影の場合でも、静止画撮影の場合でも、こ
のCCDに蓄積された電荷をビデオ信号(VD)に同期
した読み出しパルスにより読み出して、所望の撮影を行
うように構成されている。
【0003】すなわち、動画撮影の場合には、図8に示
すように、各々のフレーム(ビデオ画面)のCCD上の
電荷蓄積量がその時々の被写体輝度に応じて変化するか
ら、各フレームに対して連続的に読み出しパルスを付与
して、1つのフレームでは、そのフレームに付与された
読み出しパルスで露光量の調節動作を開始し、次のフレ
ームに対する読み出しパルスの付与の時点で、そのフレ
ームに対する露光量の調節動作の終了を行うようにし
て、図9に示すように、それぞれのフレームに対する連
続的な露光量調節(絞り調節)を行うようにしている。
【0004】一方、静止画撮影の場合には、図10に示
すように、銀塩フイルム式カメラにおけるシャッタレリ
ーズ操作信号に相当するAEトリガーを、目的とするフ
レームに対する読み出しパルスに同期させて発すること
により、このAEトリガーの付与時点でそのフレームに
対する露光を開始させ、所定秒時の経過後にシャッタ機
能を働かせてそのフレームに対する露光を終了させるよ
うにして、目的とするフレームに対する単独露光量を得
るようにしている。
【0005】そのため、ビデオカメラでは、動画撮影用
の絞り機構と静止画撮影用のシャッタ機構とが必要にな
るが、この静止画撮影用のシャッタ機構として、従来の
銀塩フイルム式のメラに使用するレンズシャッタ機構を
そのまま用いようとすると、次のような問題が生じるこ
とになる。
【0006】すなわち、銀塩フイルム式カメラに使用す
るレンズシャッタ機構は、シャッタレリーズ操作と同時
にシャッタ羽根が開き、所定のシャッタ秒時が経過した
ときにシャッタ羽根が閉じるように構成されているた
め、シャッタ羽根の開口波形は、図11に示すような波
形として形成される。
【0007】そして、従来の標準的なレンズシャッタ機
構での開口波形は、図12の曲線a1 で示されるシャッ
タ羽根の立上り速度特性と、同図の曲線b1 で示される
立下がり速度特性を持つような開口波形となる。
【0008】ところで、このような開口波形のレンズシ
ャッタ機構を用いて、シャッタ羽根の開口変化量(F値
変化量)を細かく制御しようとすると、例えばパルスモ
ータのような駆動源の回転速度を大きく減速して、1パ
ルス当りのF値変化量を少なくするように制御すること
になる。
【0009】しかし、このような方法でシャッタ羽根を
開閉させると、シャッタ羽根の立上り速度特性とシャッ
タ羽根の立下がり速度特性が、いずれも図12の曲線a
2 および曲線b2 に示すような緩やかに傾斜する特性と
なり、その開口波形は山裾のなだらかな波形とならざる
を得なくなる。
【0010】その結果、このような特性を与えたレンズ
シャッタ機構では、全体の開口波形の中に占める三角形
の開口波形領域の比率が多くなり過ぎて、上述した標準
的な開口波形曲線a1 、b1 を有する標準型のレンズシ
ャッタ機構に比べて、シャッタ羽根の開口精度(AE精
度)が低下し勝ちとなり、しかも、高速のシャッタ秒時
を得るのにも不利になるという問題を生じさせることに
なる。
【0011】一方、従来のビデオカメラでは、カメラと
しての構造をより簡単化し且つスペース的にも小型化を
図るために、動画撮影用の絞り機構と静止画撮影用のシ
ャッタ機構とを絞り兼用シャッタ機構で実現するように
していた。
【0012】しかし、従来のビデオカメラでは、絞り兼
用シャッタ機構を別個の駆動源(例えばパルスモータ)
で駆動するという考え方が一般的であったため、カメラ
としての構造はそれほど簡単化されず、また、スペース
的にもそれほど小型化が図れなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、静止画
撮影用のシャッタ機能を詳しく検討してみると、ビデオ
用のシャッタ機能には、次のような特徴のあることが分
った。
【0014】例えば、レンズシャッタ機構を利用して三
番目のフレームに対する静止画撮影を行う場合を例にし
て説明すると、ビデオカメラでは、図13に示すよう
に、最初のフレームに係るCCD上への露光Aは、シャ
ッタ羽根の開き始めの時点で開始され、二番目のフレー
ムに対する読み出しパルスが付与されたときに終了する
ように制御され、二番目のフレームに係るCCD上への
露光Bは、このフレームに対する読み出しパルスの付与
時点で開始され、三番目のフレームに対する読み出しパ
ルスが付与されたときに終了するように制御される。
【0015】そして、三番目のフレームに係るCCD上
への露光Cは、二番目のフレームに対する露光B中にシ
ャッタ羽根が完全に開き終り且つバウンドが完全に収ま
るものと仮定した上で、三番目のフレームを目標として
AEトリガーを付与するように制御されるのが普通であ
る。
【0016】そのため、三番目のフレームに係るCCD
上への露光Cは、このフレームに対する読み出しパルス
の付与時点で開始され、且つ、シャッタ羽根が閉じ終っ
たときに終了することになり、このときの3個のフレー
ムに係るCCD上の電荷蓄積量は、例えば図14に示す
A′、B′、C′のようになる。
【0017】このことは、ビデオカメラの場合では、銀
塩フィルム式カメラの場合におけるシャッタ羽根の立上
り速度特性に相当する特性がCCDの電荷蓄積特性に依
存することになり、静止画撮影目的のフレームに対して
は、シャッタ羽根の機械運動的な立上り速度特性が直接
関与していないことを意味する。
【0018】従って、このような前提に立ってビデオカ
メラ用のレンズシャッタ機構を考えると、シャッタ羽根
の立上り速度特性は、シャッタ羽根のF値変化量を細か
く制御することを優先的に考えて、図12および図13
の曲線a2 に示すような緩やかな傾斜のものとして設定
し、さらに、シャッタ羽根の立下がり速度特性は、高い
開口精度が得られるように、図12および図13の曲線
3 に示すような強い傾斜の特性になるように設定する
ことが望ましいということが分る。また、このように構
成することも可能であることも分る。
【0019】さて、このような立上り速度特性および立
下がり速度特性を持つレンズシャッタ機構が、動画撮影
時の絞り機構としても適当であるかという問題について
考えると、各フレームに対する露光量ないしCCDの電
荷蓄積量が安定することになるので好ましいということ
が分った。
【0020】このような構成のシャッタ機構、すなわ
ち、シャッタ羽根の立上り速度特性を遅く且つ立下がり
速度特性を速く構成したシャッタ機構では、矩形波的な
開口波形を形成するときにも有効に働くであろうことが
期待できる上、シャッタ羽根の開口精度のバラツキにつ
いても著しく有利になるから、これを静止画撮影と動画
撮影とを目的としたビデオカメラ用の絞り優先シャッタ
機構として使用すれば、より理想的な絞り優先シャッタ
機構を得ることができることになる。
【0021】一方、絞り兼用シャッタ機構を1個の駆動
源で行うことができれば、カメラのコンパクト化および
コスト低減化を図る上でも極めて有利になるので、ビデ
オカメラ用のレンズシャッタ機構を改善する場合には、
この点についても考慮を払うことが必要である。
【0022】そのため、本出願人は、立上り速度特性が
緩やかな傾斜特性を持ち且つ立下がり速度特性が強い傾
斜特性の開口波形を有し、しかも、1個の駆動源の回転
方向を変えるだけの比較的容易な制御により、静止画撮
影時のシャッタ開閉と動画撮影時の絞り調節とを行い得
るカメラ用シャッタ機構を特願平4−160047号と
して出願した。
【0023】この出願に係る発明では、絞り兼用シャッ
タ羽根をシャッタ開閉のために作動する第1のカム手段
と、絞り兼用シャッタ羽根を絞り調節のために作動する
第2のカム手段とを設ける。
【0024】そして、シャッタ開閉を行うときには、先
ず例えばパルスモータを基準位相位置から正方向に回転
させることにより、第1のカム手段を働かせて絞り兼用
シャッタ羽根を開かせ、その後、パルスモータを逆方向
に回転させることにより、絞り兼用シャッタ羽根を閉じ
させるように制御する。
【0025】一方、絞り調節を行うときには、先ず、パ
ルスモータを特定の範囲内で基準位相位置から逆方向に
回転させることにより、第2のカム手段を働かせて絞り
兼用シャッタ羽根を開き方向に駆動し、また、パルスモ
ータを特定の範囲内で正方向に回転させることにより、
第2のカム手段を働かせて絞り兼用シャッタ羽根を閉じ
方向に駆動して、その時々の被写体輝度に応じた絞り開
口に変化させるように制御するというものである。
【0026】この先願発明は、初期の目的通りの効果を
奏することに成功しているが、具体的な実施例では、2
種類のカム手段を必要とするなど構造的にやや簡単化を
欠くという嫌いがあってその改善策の出現が望まれてい
た。
【0027】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、先願発明の考え方
を受け継ぎ、動画撮影モード、静止画撮影モードのいず
れの場合でも1個の電動モータを使って絞り兼用シャッ
タ羽根を開閉させることが可能で、しかも、静止画モー
ド時におけるシャッタ羽根の開口波形を可能な限り矩形
の開口波形に近づけることができ、さらに、動画撮影モ
ードと静止画撮影モードとの切換え手段を含めて、さら
なる構成の簡単化および電動モータの制御簡略化を図る
ことができるカメラの絞り兼用シャッタ装置を提供する
ことにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、それぞれの閉成位置と
最大絞り開口位置との間を往復移動し得る絞り兼用シャ
ッタ羽根を用いて、動画モード時の絞り開口制御と静止
画モード時のシャッタ開閉制御とを行うカメラの絞り兼
用シャッタ装置において、前記動画モード時に前記絞り
兼用シャッタ羽根の絞り調節動作を司る動画モード時羽
根駆動系統と、静止画モード時に前記絞り兼用シャッタ
羽根のシャッタ開閉動作を司る静止画モード時羽根駆動
系統とを並列的に設置すると共に、太陽ギアと遊星ギア
とから構成され且つ電動モータにより正逆方向に作動さ
れる遊星歯車機構を設け、前記電動モータの基準位相位
置から一方向および他方向への所定量の回転力により、
前記遊星ギアを前記太陽ギアと一体的に遊星ギア基準位
置から一方向および他方向に公転させて、このときの前
記遊星ギアの公転方向の違いを利用して、前記遊星ギア
を動画モード時の遊星連結位置または静止画モード時の
遊星連結位置に選択的に位置させ得るように構成し、さ
らに、前記遊星ギアが前記動画モード時の遊星連結位置
に位置したときに、前記電動モータの回転方向の如何に
拘らず、前記遊星ギアをその位置に強制的に保持するこ
とが可能な遊星ギア強制係止手段を設けて、前記動画モ
ード時には、前記電動モータの一方向への所定量の回転
力により前記遊星ギアを前記動画モード時の遊星連結位
置に位置させると共に、遊星ギア強制係止手段により移
動後の前記遊星ギアを前記動画モード時の遊星連結位置
に強制的に係止させ、前記電動モータの一方向へのさら
なる回転力により、前記絞り兼用シャッタ羽根をその時
々の適正露出値に適合する絞り開口位置に開かせ、この
絞り開口位置に開いた前記絞り兼用シャッタ羽根の絞り
開口値を、前記電動モータのさらなる一方向への回転力
および他方向への回転力により調節し得るように構成
し、一方、前記静止画モード時には、前記電動モータの
他方向への所定量の回転力により前記遊星ギアを前記静
止画モード時の遊星連結位置に位置させ、前記電動モー
タのさらなる他方向の回転力により、前記絞り兼用シャ
ッタ羽根をその時々の適正露出値に適合するシャッタ開
口位置に開かせ、所定秒時の経過後に、前記遊星ギアを
前記静止画モード時の遊星連結位置から前記遊星ギア基
準位置に向って公転させることにより、前記遊星ギアと
静止画モード時羽根駆動系統との連結を断ち、予め前記
絞り兼用シャッタ羽根に付与された付勢手段の付勢力に
より、前記絞り兼用シャッタ羽根を前記閉成位置に急速
復帰させ得るように構成したことを特徴とするものであ
る。
【0029】また、請求項2に記載の発明は、光軸上に
位置し且つそれぞれの閉成位置と最大絞り開口位置との
間を往復移動し得る絞り兼用シャッタ羽根を用いて、動
画モード時の絞り開口制御と静止画モード時のシャッタ
開閉制御とを行うカメラの絞り兼用シャッタ装置におい
て、基準位相位置から一方向および他方向に回転し得る
ように設けられた電動モータと、太陽ギアと遊星ギアと
から構成され、且つ、前記電動モータが基準位相位置に
在るときの遊星ギア基準位置と動画モード時の遊星連結
位置と静止画モード時の遊星連結位置との間において、
前記遊星ギアが、前記太陽ギアの周りを一方向および他
方向に公転的に運動し得るように構成された遊星歯車機
構と、前記動画モード時に、前記電動モータの回転方向
の如何に拘らず前記遊星ギアを前記動画モード時の遊星
連結位置に強制的に保持し得る遊星ギア強制係止手段
と、前記遊星ギアと噛合し得る動画用歯列を有し、動画
モード時に、前記遊星ギアおよびこの動画用歯列を介し
て伝達される前記電動モータの一方向の回転力により、
初期位置から前記絞り兼用シャッタ羽根の任意の絞り開
口を形成し得る位置まで往方向に変位可能に設けられ、
前記電動モータの他方向の回転力により絞り開口を形成
した位置から初期位置まで復方向に変位可能に設けられ
た動画モード時絞り開口調節手段と、前記遊星ギアと噛
合し得る静止画用歯列を有し、静止画モード時に、前記
遊星ギアおよびこの静止画用歯列を介して伝達される前
記電動モータの他方向の回転力により、初期位置から前
記絞り兼用シャッタ羽根の任意のシャッタ開口値に対応
する位置まで往方向に変位し、自身に付与された付勢力
により前記開口値対応位置から初期位置に復方向に変位
し得るように設けられた静止画シャッタ開閉手段と、前
記動画モード時絞り開口調節手段および前記静止画シャ
ッタ開閉手段の選択的な変位動作により初期位置と作用
位置との間を運動することにより、前記絞り兼用シャッ
タ羽根をその閉成位置と最大絞り開口位置との間で開閉
させる羽根開閉手段と、この羽根開閉手段を前記絞り兼
用シャッタ羽根の閉成位置に向って所定の付勢力で付勢
し得る付勢手段と、動画モード時に、前記電動モータを
一方向に所定量回転することにより、前記遊星歯車機構
の遊星ギアを前記動画モード時の遊星連結位置に公転さ
せて前記遊星ギアを前記動画モード時絞り開口調節手段
の動画用歯列と噛合させ、引き続き前記電動モータを一
方向および他方向に回転させて、前記遊星ギアおよび前
記動画用歯列を介して伝達される前記電動モータの一方
向への回転力および他方向への回転力により、前記動画
モード時絞り開口調節手段を往復方向に変位させ、この
ときの変位動作により前記羽根開閉手段を介して前記絞
り兼用シャッタ羽根の絞り開口を最新の適正露出値に適
合する値に調節させ、このとき、前記動画モード時絞り
開口調節手段が前記絞り開口の調節を行っている間、前
記遊星ギア強制係止手段を働かせて前記遊星ギアと前記
動画用歯列との噛合状態を維持させ、さらに、静止画モ
ード時に、前記電動モータを他方向に所定量回転するこ
とにより、前記遊星歯車機構の遊星ギアを前記静止画モ
ード時の遊星連結位置に公転させて前記遊星ギアを前記
静止画シャッタ開閉手段の静止画用歯列と噛合させ、引
き続き前記電動モータを他方向に回転させて、前記遊星
ギアおよび前記静止画用歯列を介して伝達される前記電
動モータの他方向への回転力により、前記静止画シャッ
タ開閉手段を往方向に変位させ、このときの変位動作に
より前記羽根開閉手段を介して前記絞り兼用シャッタ羽
根のシャッタ開口を形成し、所定秒時の経過後に、前記
電動モータを一方向に回転させることにより、前記遊星
歯車機構の遊星ギアと前記静止画用歯列との噛合を解除
して、前記付勢手段の付勢力により前記絞り兼用シャッ
タ羽根を閉成位置に復帰させ得るように制御する駆動制
御手段と、を有するように構成したことを特徴とするも
のである。
【0030】また、請求項3に記載の発明は、前記遊星
歯車機構を、前記電動モータにより正逆方向に回転され
る太陽ギアと、この太陽ギアの太陽軸を中心として回動
し得る遊星アーム部材と、この遊星アーム部材上に設け
られた遊星軸により回転可能に軸支され且つ前記太陽ギ
アと常時噛合する遊星ギアと、この遊星ギアと前記遊星
軸との間またはこの遊星ギアと前記遊星アーム部材との
間に介在的に設けられたフリクション手段と、前記遊星
ギアの動画モード時方向の公転運動および静止画モード
時の公転運動をそれぞれ前記動画モード時の遊星連結位
置および前記静止画モード時の遊星連結位置までに制限
する2つの公転制限手段と、から構成して成ることを特
徴とするものである。
【0031】さらにまた、請求項4に記載の発明は、前
記動画モード時絞り開口調節手段を、前記絞り兼用シャ
ッタ羽根の絞り開口調節時に往復方向に変位し且つ運動
方向に沿うような構造の係止カム面を具えた絞り運動部
材を含む手段として構成すると共に、前記遊星ギア強制
係止手段を、中間部で回転可能に軸支され且つその一端
部により前記遊星歯車機構の遊星ギアを前記動画モード
時の遊星連結位置に係止し得る構造のレバー部材と、こ
のレバー部材を退避位置に向って付勢する付勢手段とか
ら成るシーソーレバー機構として構成し、前記遊星歯車
機構の遊星ギアが前記遊星ギア基準位置および前記静止
画モード時の遊星連結位置に在るときには、前記付勢手
段の付勢力により前記レバー部材を退避位置に位置さ
せ、前記遊星ギアが前記動画モード時の遊星連結位置に
位置し且つ前記動画モード時絞り開口調節手段の絞り運
動部材が絞り開き方向に動作する初期段階において、前
記絞り運動部材の係止カム面を前記遊星ギア強制係止手
段のレバー部材の他端部に係接させることにより前記遊
星ギア強制係止手段を退避位置から係止可能位置に移行
させて、前記動画モード時絞り開口調節手段が前記絞り
兼用シャッタ羽根の絞り開口を調節している間、前記遊
星ギアを前記動画モード時の遊星連結位置に保持し得る
ように構成して成ることを特徴とするものである。
【0032】
【作用】上記のように構成されたカメラの絞り兼用シャ
ッタ装置は、先ず、電動モータの基準位相位置からの回
転方向を選択することにより、遊星歯車機構の遊星ギア
を太陽ギアの周りに遊星ギア基準位置から動画モード時
の遊星連結位置または静止画モード時の遊星連結位置に
公転的に運動させる。動画モード時には、遊星ギアを動
画モード時羽根駆動系統に連結させ、また、静止画モー
ド時には、遊星ギアを静止画モード時羽根駆動系統に連
結させる。
【0033】そして、動画モード時には、引き続き動画
モード時方向に回転する電動モータの回転力を回転遊星
ギアを介して動画モード時羽根駆動系統に伝達すること
により、動画モード時羽根駆動系統内の動画モード時変
位部材を往復方向に変位させて、絞り兼用シャッタ羽根
をその時々の適正露出値に適合する絞り開口位置に開か
せ、その後、電動モータの動画モード時方向または静止
画モード時方向の回転力により、絞り兼用シャッタ羽根
を最新の適正露出値に適合する絞り開口位置に移行させ
て、電動モータの回転速度に依存して絞り開口を調節す
るようにする。
【0034】このとき、絞り開口の調節中は、遊星ギア
強制係止手段の働きにより電動モータの回転方向の如何
に拘らず遊星ギアを動画モード時の遊星連結位置に保持
する。
【0035】一方、静止画モード時には、引き続き静止
画モード時方向に回転する電動モータの回転力を回転遊
星ギアを介して静止画モード時羽根駆動系統に伝達する
ことにより、静止画モード時羽根駆動系統内の静止画モ
ード時変位部材を往方向に変位させて、絞り兼用シャッ
タ羽根をその時々の適正露出値に適合するシャッタ開口
位置に開かせ、所定秒時の経過後に、遊星ギアを静止画
モード時の遊星連結位置から遊星ギア基準位置に向って
公転させて遊星ギアと静止画モード時羽根駆動系統との
連結を断つようにする。
【0036】そのため、絞り兼用シャッタ羽根は、電動
モータの回転速度に関係なく、自身に付与されたばね付
勢手段の付勢力により急速に閉成位置に復帰する。この
結果、動画モード時には、絞り兼用シャッタ羽根の立上
り速度特性および立下がり速度特性を緩やかに設定し
て、絞り開口をより細かく変更制御することが可能にな
り、静止画モード時には、ばね付勢手段の付勢力を用い
て絞り兼用シャッタ羽根の立下がり速度特性を急峻にし
て、絞り兼用シャッタ羽根の開口波形をより矩形波形に
近付けることが可能になる。
【0037】
【実施例】以下、図示実施例に基づいて、本発明に係る
カメラの絞り兼用シャッタ装置の構成および作用を詳細
に説明する。図1は、本発明に係るカメラの絞り兼用シ
ャッタ装置の主要構成部を示す斜視図であり、図2は、
図1に示すカメラの絞り兼用シャッタ装置の主要構成部
を正面から見たときの正面図である。
【0038】図1および図2において、Oは、例えば電
子スチールおよびムービ兼用ビデオカメラの撮影光学系
光軸、1および2は、光軸O上であって図示なき撮像電
荷結合素子(CCD)上に配設された一対の絞り兼用シ
ャッタ羽根(以下、単に「シャッタ羽根」という)で、
各々の根本の部分がそれぞれの枢軸3、4により回転可
能に軸支されている。
【0039】5は一対のシャッタ羽根1、2を開閉させ
るためのセクターレバーで、枢軸6により回転可能に軸
支されている。このセクターレバー5は、第1〜第4腕
部5a〜5dを具え、その第1腕部5aに一端を掛止さ
れた適宜の引張りばね7により、常に一対のシャッタ羽
根1、2を閉じさせる方向(反時計方向)に回転し得る
ように付勢されている。
【0040】8および9は、セクターレバー5の第2お
よび第3腕部5b、5cの先端領域にそれぞれ植立され
た第1および第2羽根連動ピンで、一対のシャッタ羽根
1、2の各々に形成された駆動カム孔1a、2a内にそ
れぞれ摺動可能に嵌入するように設けられている。
【0041】この場合、セクターレバー5上の第1およ
び第2羽根連動ピン8、9の植立位置をそれぞれの運動
方向が光軸Oに向うような位置に設定すると、シャッタ
羽根1、2の開閉運動がスムースに且つ効率的になる。
【0042】10はセクターレバー5の第4腕部5dの
先端領域に植立された駆動ピンで、後述する静止画用シ
ャッタ駆動部材11および動画用絞り駆動部材21の各
々の上面に接し得るように設けられている。
【0043】これらの部材1〜10は、セクターレバー
5が図1、図2に示す初期位置にあるときには、引張り
ばね7の付勢力により、駆動ピン10が2つの駆動部材
11、21の上面に圧接すると共に一対のシャッタ羽根
1、2を閉成状態に保ち、また、セクターレバー5が引
張りばね7の付勢力に抗して初期位置から時計方向に回
転したときには、第1および第2羽根連動ピン8、9が
それぞれに嵌入する駆動カム孔1a、2a内を移動し
て、そのときのセクターレバー5の回転量に応じた位置
まで、一対のシャッタ羽根1、2を開き方向に回転させ
るように構成されている。
【0044】11は静止画モード時に作用する静止画用
シャッタ駆動部材で、適宜の案内手段(図示なし)に案
内されて、図1、図2に示す初期位置から図の上方に向
って直線的に変位し得るように設けられている。
【0045】この静止画用シャッタ駆動部材11の下部
には、内側面に静止画用ラック歯列12aを具えた静止
画ラック板12が固定的に取付けられ、適宜の引張りば
ね13により常に下方に向って付勢されている。
【0046】21は動画モード時に作用する動画用絞り
駆動部材で、適宜の案内手段(図示なし)に案内され
て、図2に示す初期位置から図の上方に向って、静止画
用シャッタ駆動部材11と平行に且つ直線的に変位し得
るように設けられている。
【0047】この動画用絞り駆動部材21の下部には、
静止画ラック板12の静止画用ラック歯列12aと対向
する内側面に、動画用ラック歯列22aを具えた動画ラ
ック板22が固定的に取付けられ、適宜の引張りばね2
3により常に下方に向って付勢されている。
【0048】24は動画ラック板22の表面に適宜の手
段で固定された係止カム部材で、動画用ラック歯列22
aと同じ方向に向いた内側面は、直線カム面24aとし
て形成されている。なお、撮影前の状態において、静止
画用シャッタ駆動部材11と動画用絞り駆動部材21と
は、いずれもそれぞれの初期位置に位置するように構成
されている。
【0049】31は静止画ラック板12と動画ラック板
22との間の領域に設けられた太陽ギアで、図3に示す
ように、例えば太陽軸32の一端部に一体回転可能に固
定されている。この太陽軸32の他端部には、小ギア3
3が固定されている。
【0050】図3において、34は後述するモータ駆動
回路51により正逆方向に回転される、例えばパルスモ
ータで、その出力軸に固定された出力ギア35および減
速ギア36を介して、その回転力を小ギア33に伝達し
得るように構成されている。なお、このパルスモータ3
4は、撮影開始前には基準位相位置に位置するように予
め露出演算制御手段54により位相制御されるように構
成されている。
【0051】37は上述した太陽軸32により回転可能
に軸支された遊星アーム部材で、その先端領域には、被
係止軸を兼ねた遊星軸38によって遊星ギア39が回転
可能に軸支されている。この遊星ギア39は、互いに一
体となって回転する静止画用ギア部39aと動画用ギア
部39bとから成る2段ギアとして構成され、例えば動
画用ギア部39bのみが太陽ギア31と常時噛合するよ
うに構成されている。
【0052】そして、遊星ギア39と遊星軸38との間
または遊星ギア39と遊星アーム部材37との間には、
例えば適度の摩擦力を有する適宜のフリクションばね
(図示なし)が介在的に設けられ、遊星ギア39が太陽
ギア31以外の部材と噛合していない状態において、太
陽ギア31がいずれかの方向に回転したときに、遊星ギ
ア39、遊星軸38、遊星アーム部材37が一体となっ
て太陽ギア31と共に太陽ギア31の周りを回動(公
転)し得るように構成されている。
【0053】そして、太陽ギア31、遊星アーム部材3
7、遊星軸38、遊星ギア39、円弧溝40の左溝端面
40aおよび右溝端面40b、フリクションばねによ
り、遊星歯車機構を形成するように構成されている。な
お、この遊星歯車機構の機能ないし作用の詳細について
は、後述する。
【0054】静止画ラック板12と動画ラック板22と
の間に位置するカメラ固定部分に形成された円弧溝40
は、上述したように、遊星アーム部材37が太陽軸32
の周りを時計方向および反時計方向に公転したときに遊
星アーム部材37上の遊星軸38が円弧溝40内を左右
に遊動し得るように設けられている。
【0055】そして、遊星軸38が円弧溝40の左溝端
面40aに当接する位置が、遊星アーム部材37の左公
転端となるように、また、遊星軸38が円弧溝40の右
溝端面40bに当接する位置が、遊星アーム部材37の
右公転端となるように構成されている。図示例では、遊
星軸38が左公転端に位置したときを静止画モード時の
遊星連結位置として設定し、また、遊星軸38が右公転
端に位置したときを動画モード時の遊星連結位置として
設定してある。
【0056】ところで、遊星歯車機構は、次の通りの機
能ないし作用を有するように構成されている。
【0057】(イ) パルスモータ34が基準位相位置
に位置しているときには、遊星アーム部材37および遊
星ギア39が、図4に示すように、円弧溝40の中間位
置に設定された遊星ギア基準位置に位置するように予め
設定されている。従って、このときには、静止画用シャ
ッタ駆動部材11および動画用絞り駆動部材21は、い
ずれも図2に示す初期位置に位置することになる。
【0058】(ロ) 太陽軸32に対する遊星アーム部
材37の相対位置を固定した状態において、太陽ギア3
1を時計方向または反時計方向に回転させたと仮定する
と、太陽ギア31の回転力がそのまま遊星ギア39の動
画用ギア部39bに伝達され、遊星ギア39の両方のギ
ア部39a、39bが遊星軸38の周りをそれぞれ反時
計方向または時計方向に自転する。
【0059】(ハ) 遊星アーム部材37が太陽軸32
を中心として自由に回転し得る状態において、太陽ギア
31を遊星ギア基準位置(動画モード時の遊星連結位置
でも同じ)から反時計方向に回転させたと仮定すると、
遊星軸38と遊星ギア39との間に介在するフリクショ
ンばねの摩擦力が働いて、太陽ギア31から遊星ギア3
9の動画用ギア部39bに伝達される回転力が遊星ギア
39を単に図の左方向に押しやる力として作用し、遊星
アーム部材37と遊星ギア39とを一体として遊星ギア
基準位置から静止画モード時の遊星連結位置まで左方向
に公転する。そして、このときに、遊星ギア39の静止
画用ギア部39aと静止画ラック板12の静止画用ラッ
ク歯列12aとが、互いに噛合する状態となる。
【0060】(ニ) 遊星アーム部材37が太陽軸32
を中心として自由に回転し得る状態において、太陽ギア
31を遊星ギア基準位置(静止画モード時の遊星連結位
置でも同じ)から時計方向に回転させたと仮定すると、
太陽ギア31から遊星ギア39の動画用ギア部39bに
伝達される回転力が、(ハ)項の場合とは逆に、遊星ギ
ア39を単に図の右方向に押しやる力として作用し、遊
星アーム部材37と遊星ギア39を一体として遊星ギア
基準位置から動画モード時の遊星連結位置まで右方向に
公転する。そして、このときに、遊星ギア39の動画用
ギア部39bと動画ラック板22の動画用ラック歯列2
2aとが、互いに噛合する状態となる。
【0061】41は遊星アーム部材37を動画モード時
の位置に係止するための動画モード時係止レバーで、枢
軸42により回転可能に軸支され、適宜の引張りばね4
3により常に時計方向に回転するように付勢されてい
る。
【0062】この動画モード時係止レバー41の一端部
は、公転阻止端部41aとして形成され、遊星ギア39
が動画モード時の遊星連結位置に位置しているときに
は、引張りばね43の付勢力により遊星アーム部材37
上の遊星軸38から外れた退避姿勢を保つように、且
つ、動画ラック板22の係止カム部材24が上方に変位
を開始したときには、その変位動作に連動して遊星アー
ム部材37上の遊星軸(被係止軸)38の左側に回り込
んで、遊星ギア39を動画モード時の遊星連結位置に係
止し得るように構成されている。
【0063】また、動画モード時係止レバー41の他端
部は、保持端部41bとして形成され、動画ラック板2
2の係止カム部材24が上方へ変位したときに、係止カ
ム部材24の直線カム面24aと係接して、動画モード
時係止レバー41を係止作用姿勢に保持し得るように構
成されている。44はシャッタ羽根1、2の閉成位置
を、例えば光電的に検出するための羽根位置信号検出部
である。
【0064】この羽根位置信号検出部44は、いずれも
図示されてはいないが、例えばいずれか一方のシャッタ
羽根(例えば2)の遊動端部に形成された光透過孔と、
この光透過孔に対向する個所に配設された投受光型光電
変換素子(例えば、フォトレフレクタ)と、シャッタ羽
根1を挟んだ反対側の個所に配設された反射鏡(リフレ
クタ)とから構成され、シャッタ羽根1を挟んで互いに
反対側に位置する投受光型光電変換素子と反射鏡と間
に、光透過孔を通過する投受光光路が形成されるように
構成されるものである。
【0065】そして、一対のシャッタ羽根1、2の開き
始めの未開口時の段階で、光透過孔が投受光光路上から
外れると、その時点で、投受光型光電変換素子から後述
する露出演算制御手段54に対して羽根開き開始トリガ
ー信号B1 が発せられ、また、シャッタ羽根1、2の閉
じ終り後の段階で、光透過孔が投受光光路上に位置する
と、その時点で、投受光型光電変換素子から露出演算制
御手段54に対してシャッタ羽根1、2が閉じ位置に至
ったことを示す羽根閉じ完了トリガー信号B2が発せら
れるように構成されている。
【0066】図3に示すのは、図示例の絞り兼用シャッ
タ装置を駆動制御するための駆動制御手段としての駆動
制御回路図である。図において、51はパルス信号A1
およびA2 によりパルスモータ34をその基準位相位置
から正逆方向に回転駆動するためのモータ駆動回路、5
2は静止画撮影モードと動画撮影モードとを選択するた
めの撮影モード選択手段、53はAEトリガースイッチ
である。
【0067】54はビデオ用の露出演算制御手段で、被
写体輝度情報や露出補正情報など露出制御に必要な諸情
報に基づいてアペックス演算を行い、且つ、その演算値
に基づいて、次のようにモータ駆動回路51を制御する
ように構成されている。
【0068】すなわち、 (a) 撮影開始前には、パルスモータ34を基準位相
位置に位置させ、さらに、カメラの不使用時には、パル
スモータ34をこの位相位置からいずれの方向にも回転
し得ない状態を保つように、且つ、カメラを始動させた
ときにはいずれの方向にも回転可能な状態に移行するよ
うにモータ駆動回路51を制御する。
【0069】(b) 動画撮影モードが選択された場合
には、先ず、遊星ギア39を遊星ギア基準位置から動画
モード時の遊星連結位置まで右方向に公転させるのに必
要な正方向回転数(以下、「遊星ギアの正方向公転回転
数」という)を、基準位相位置にあるパルスモータ34
に付与するようにモータ駆動回路51を制御する。
【0070】同時に、フレームの読み出しパルス信号に
同期して、その時々のAE値に対応したシャッタ羽根
1、2の開口値(絞り値)を形成するのに必要なパルス
モータ34の正・逆方向回転数を決定し、これに基づい
てモータ駆動回路51を制御する。
【0071】この場合、刻々と変化する被写体輝度に応
じてパルスモータ34の正・逆方向回転数を大回転数か
ら小回転数に変更する場合、並びに、パルスモータ34
の回転方向を変える場合には、それぞれの時点において
反転信号を出力し得るように制御する。
【0072】さらに、動画撮影が終了したときには、終
了信号に基づいてシャッタ羽根1、2を閉じるのに必要
なパルスモータ34の逆方向回転数(それまで、パルス
モータ34に付与された正方向回転数と同じ回転数とな
る)を決定して、それをモータ駆動回路51で制御す
る。
【0073】その後、例えば羽根位置信号検出部44か
ら羽根閉じ完了トリガー信号B2 が発せられたときに、
動画モード時の遊星連結位置に位置する遊星ギア39を
遊星ギア基準位置まで公転復帰させるのに必要な逆方向
回転数を、パルスモータ34に付与するようにモータ駆
動回路51を制御する。
【0074】(c) 静止画撮影モードが選択された場
合には、先ず、遊星ギア39を遊星ギア基準位置から静
止画モード時の遊星連結位置まで左方向に公転させるの
に必要な太陽ギア31の反時計方向回転量に対応する逆
方向回転数(以下、「遊星ギアの逆方向公転回転数」と
いう)を、基準位相位置にあるパルスモータ34に付与
するようにモータ駆動回路51を制御する。
【0075】同時に、そのときの被写体輝度により定ま
るAE値に対応する絞り開口値と露光時間との組み合せ
値(例えば、プログラム)を演算し、この演算結果によ
る絞り開口の位置までシャッタ羽根1、2を開くのに必
要なパルスモータ34の逆方向回転数を決定する。
【0076】さらに、例えば上述した図13のように撮
影目的である、例えば三番目のフレームを目標として、
AEトリガースイッチ53が操作されたときには、演算
結果による露光時間を得るのに必要な秒時だけシャッタ
羽根1、2をそのときの絞り開口に停止させた後に、パ
ルスモータ34を所定回転数だけ正方向に反転させるよ
うにモータ駆動回路51を制御する。
【0077】その後、例えば羽根位置信号検出部44か
ら羽根閉じ完了トリガー信号B2 が発せられたときに、
静止画モード時の遊星連結位置に位置している遊星ギア
39を、遊星ギア基準位置まで公転復帰させるのに必要
な正方向回転数を、パルスモータ34に付与するように
モータ駆動回路51を制御する。
【0078】次に、このように構成された図示実施例の
絞り兼用シャッタ装置の動作ないし作用について説明す
る。絞り兼用シャッタ装置が撮影開始前の状態(初期状
態)にあるときには、パルスモータ34が基準位相位置
に位置して、遊星アーム部材37と遊星ギア39とを図
4に示す遊星ギア基準位置に位置させる。そして、動画
モード時係止レバー41の公転阻止端部41aは、引張
りばね43の付勢力で退避姿勢を保持している。
【0079】従って、静止画用シャッタ駆動部材11と
動画用絞り駆動部材21とは、いずれも図2の初期位置
に位置し、セクターレバー5は、引張りばね7の付勢力
により、その駆動ピン10が2つの駆動部材11、21
の上面と圧接する姿勢(角度位置)を保っている。
【0080】そのため、セクターレバー5上の第1羽根
連動ピン8と第2羽根連動ピン9とは、一方のシャッタ
羽根1の駆動カム孔1aを介して、また、他方のシャッ
タ羽根2の駆動カム2a孔を介して、それぞれのシャッ
タ羽根1、2を図1、図2に示す閉成位置に位置させる
ことになる。
【0081】すなわち、一対のシャッタ羽根1、2は、
閉成状態を維持し、羽根位置信号検出部44からは、ビ
デオの露出演算制御手段54に羽根閉じ完了トリガー信
号B2 が出力されている。
【0082】[動画モード(リアルタイム絞りモー
ド)]動画撮影を行う場合には、初期状態において撮影
モード選択手段52を操作して動画モードを選択し且つ
カメラを始動する。
【0083】カメラが始動されると、露出演算制御手段
54は、先ず、モータ駆動回路51に対して、基準位相
位置にあるパルスモータ34に遊星ギアの正方向公転回
転数に対応する正方向パルス信号A2 を付与するように
制御する。
【0084】従って、モータ駆動回路51は、これに基
づいてパルスモータ34を基準位相位置から正方向(時
計方向)に回転させるが、このパルスモータ34の回転
力は、出力ギア35→減速ギア36→小ギア33を介し
て太陽軸32に伝達され、太陽ギア31を時計方向に回
転させる。
【0085】このとき、図4に示すように、遊星アーム
部材37が太陽軸32を中心として自由に回転し得る状
態にあるため、太陽ギア31から遊星ギア39の動画用
ギア部39bに伝達される回転力が、遊星ギア39を図
の右方向に押しやる力として作用し、遊星ギア39を遊
星ギア基準位置から動画モード時の遊星連結位置まで右
方向に公転させる。その結果、遊星ギア39の動画用ギ
ア部39bと動画ラック板22の動画用ラック歯列22
aとが、図5に示すように噛合状態となる。
【0086】ところで、露出演算制御手段54は、例え
ばカメラの始動と同時に、そのときの被写体輝度に基づ
いて連続的に各フレーム毎のアペックス演算を行い、且
つ、各フレーム毎または各フレームの中で連続的に変化
する絞り値に対応するパルスモータ34の回転量と、こ
れを実現するのに必要なパルス信号A1 、A2 の付与数
とを連続的に演算している。
【0087】そのため、動画用ギア部39bと動画用ラ
ック歯列22aとが噛合状態になると、露出演算制御手
段54は、上述したパルス信号A1 またはA2 をモータ
駆動回路51に対して出力して、そのときの被写体輝度
に適合した数の正方向パルス信号A1 に見合った回転量
だけ、パルスモータ34を引き続いて正方向(時計方
向)に回転させるように制御する。
【0088】従って、パルスモータ34は、その正方向
回転力を太陽ギア31を介して遊星ギア39の動画用ギ
ア部39bに伝達し、さらに、動画用ギア部39bを介
して動画用ラック歯列22aに伝達して、動画ラック板
22を引張りばね23の付勢力に抗して図2の位置から
上方に向って直線的に変位させる(図2の状態)。
【0089】このときには、太陽ギア31の回転力が、
遊星アーム部材37上の遊星軸38を円弧溝40の右溝
端面40bに押し付ける方向に作用するから、動画用ギ
ア部39bと動画用ラック歯列22aとの噛合状態は維
持されることになる。
【0090】さて、動画ラック板22が上方への変位を
始めると、係止カム部材24の上端部が動画モード時係
止レバー41の保持端部41bと係接するから、動画モ
ード時係止レバー41は、係止カム部材24の直線カム
面24aにより反時計方向に押圧されて、枢軸42の周
りを引張りばね43の付勢力に抗して反時計方向に回転
する。
【0091】このとき、動画モード時係止レバー41の
公転阻止端部41aが遊星アーム部材37の遊星軸38
の左側(図上)に回り込んで、遊星軸38を図1、図5
の位置に強制的に保持するようになる。そして、この強
制保持の状態は、動画モード時係止レバー41の保持端
部41bが係止カム部材24の直線カム面24aと係接
している間継続することになる。
【0092】なお、図示例において、動画モード時係止
レバー41の公転阻止端部41aで遊星軸38を強制保
持するように構成したのは、被写体輝度の変化に応じて
シャッタ羽根1、2を大きな絞り開口から小さな絞り開
口に変更するために、パルスモータ34を逆方向に回転
したときに、太陽ギア31の逆方向回転力の作用により
動画用ギア部39bが動画用ラック歯列22aから離脱
するのを防ぐためである。
【0093】このようにして動画ラック板22が上方へ
変位すると、それに伴って、動画用絞り駆動部材21の
上面がセクターレバー5上の駆動ピン10を押上げるか
ら、セクターレバー5は、引張りばね7の付勢力に抗し
て枢軸6の周りを時計方向に回転する。
【0094】そのため、セクターレバー5上の第1羽根
連動ピン8が、一方のシャッタ羽根1の駆動カム孔1a
を介してシャッタ羽根1を閉成位置から開き方向に回転
させ、また、第2羽根連動ピン9が他方のシャッタ羽根
2の駆動カム孔2aを介してシャッタ羽根2を閉成位置
から開き方向に回転させるから、一対のシャッタ羽根
1、2は、所定の開口変化率で開き始めることになる。
【0095】そして、シャッタ羽根1、2が開き始める
と、その未開口時の段階で、一方のシャッタ羽根1に形
成された光透過孔が投受光光路上から外れて、羽根位置
信号検出部44から露出演算制御手段54に対して羽根
開き開始トリガー信号A1 が出力されて、シャッタ羽根
1、2が開き始めたことを露出演算制御手段54に伝達
する。
【0096】さて、シャッタ羽根1、2がそのときの被
写体輝度に応じた絞り開口まで開くと、露出演算制御手
段54は、パルスモータ34に電気ブレーキを付与し
て、パルスモータ34をそのときの絞り開口を形成した
位相で一時的に停止させるように制御する。
【0097】しかしながら、動画モードでは、図8に示
すように、その時々の被写体輝度に応じて各フレーム中
における露光量および各フレームに対する露光量の状態
が刻々と変化するから、露出演算制御手段54からモー
タ駆動回路51に対して出力されるパルス信号A1 また
はA2 も、それに応じて連続的に変化することになる。
【0098】そのため、パルスモータ34は、モータ駆
動回路51からの指示に従って、その都度、最初の絞り
開口を形成した位相(回転量)から或いは逆方向へ、或
いは正方向へとその回転方向および回転量を変えること
になるが、パルスモータ34が正方向への回転量を変え
たときには、上述した経過に従ってセクターレバー5が
時計方向に回転して、シャッタ羽根1、2をそのときの
回転量に対応した絞り開口を実現し得る位置まで開かせ
る。
【0099】しかし、パルスモータ34が最初の絞り開
口を形成したときの位相(回転量)から逆方向へ回転方
向を変えたときには、次のような経過によってシャッタ
羽根1、2を小さい絞り開口の位置まで絞り込むことに
なる。
【0100】すなわち、露出演算制御手段54からモー
タ駆動回路51に対して所定数の逆方向のパルス信号A
2 が付与されると、パルスモータ34は、最初の絞り開
口を形成した位相(回転量)から逆方向に回転し、太陽
ギア31を時計方向に回転させ、且つ、遊星ギア39の
動画用ギア部39bを反時計方向に回転させて、動画用
ラック歯列22aを最初の絞り開口を形成したときの位
置から下方に変位させる。すなわち、動画ラック板22
および動画用絞り駆動部材21を下方に変位させる。
【0101】従って、駆動ピン10も引張りばね7の付
勢力によりこれに追随して下降することになり、その過
程でセクターレバー5を最初の絞り開口を形成した姿勢
から反時計方向に回転させ、セクターレバー5上の第1
羽根連動ピン8および第2羽根連動ピン9を介してシャ
ッタ羽根1、2を互いに閉ざす方向に回転させて、その
ときの被写体輝度に応じた絞り開口の位置まで絞り込ま
せることになる。
【0102】なお、このときには、動画モード時係止レ
バー41の公転阻止端部41aが遊星アーム部材37上
の遊星軸38を係止しているので、たとえ太陽ギア31
が反時計方向に回転しても、動画用ギア部39bと動画
用ラック歯列22aとの噛合状態は確保される。
【0103】このように、動画撮影中においては、各フ
レーム中における露光量および各フレームの露光量がそ
の時々の被写体輝度に応じて変化すると、セクターレバ
ー5もそれに応じて、或いは開き方向へ或いは閉じ方向
へと回転して、シャッタ羽根1、2の絞り開口の大きさ
を、所定の開口変化率に則って連続的に調節(増減)す
ることになる。
【0104】従って、カメラ設計の段階で、パルスモー
タ34の回転速度、出力ギア35、減速ギア36、小ギ
ア33のそれぞれの歯数を目的に適合するように選定し
て、シャッタ羽根1、2の開き速度特性を図12および
図13に示す曲線a2 のような緩傾斜の減速率に設定す
れば、動画モード時におけるシャッタ羽根1、2の開口
変化率を、例えば図8に示す線分c1 および線分c2
ように、精確な且つスムースな開口変化率として設定す
ることができる。
【0105】そして、このように開口変化率を設定する
と、単位絞り量当りのパルス信号数を多くすることが可
能になり、各ギアおよび各ラック歯列の噛合誤差や運動
慣性による各部材間の「位置ずれ」に起因して生じる露
出誤差を小さな値に抑えることができる。
【0106】さて、動画撮影を終了させるときには、先
ずパルスモータ34を逆方向に回転させてシャッタ羽根
1、2を閉成位置に復帰させ、その後、例えば羽根位置
信号検出部44からの羽根閉じ完了トリガー信号B2 に
基づいて、パルスモータ34を引き続き逆方向に所定量
だけ回転させて、遊星ギア39を動画モード時の遊星連
結位置から遊星ギア基準位置に公転復帰させる。
【0107】すなわち、露出演算制御手段54は、動画
撮影の終了信号を受けると、モータ駆動回路51に対す
る正方向パルス信号A1 の付与を停止する。換言すれ
ば、今迄、シャッタ羽根1、2を開くために付与した正
方向パルス信号A1 と同数の逆方向パルス信号A2 をモ
ータ駆動回路51に付与する。
【0108】そのため、パルスモータ34は、逆方向に
回転して太陽ギア31を反時計方向に回転させ、遊星ギ
ア39の動画用ギア部39bを時計方向に回転させて、
動画用ラック歯列22a(すなわち、動画ラック板2
2)を絞り開口形成時の位置から初期位置に向って下降
させる。
【0109】このとき、動画モード時係止レバー41の
保持端部41bが係止カム部材24の直線カム面24a
と係接している間は、動画モード時係止レバー41の公
転阻止端部41aが遊星アーム部材37上の遊星軸38
を係止しているので、たとえ太陽ギア31が反時計方向
に回転しても、動画用ギア部39bと動画用ラック歯列
22aとの噛合状態が確保されることになり、動画用ギ
ア部39bの時計方向の回転力が動画用ラック歯列22
aに伝達されることになる。そのため、保持端部41b
が直線カム面24aと係接している間は、動画ラック板
22は、動画用ギア部39bの時計方向への回転力によ
り下降させられる。
【0110】しかし、下降運動の最終領域において、動
画モード時係止レバー41の保持端部41bが係止カム
部材24の上端部から外れると、動画モード時係止レバ
ー41が引張りばね43の付勢力により枢軸42の周り
を時計方向に回転して初期の姿勢に復帰して、遊星軸3
8に対する公転阻止端部41aの係止を解除するから、
今迄、動画用ギア部39bを時計方向に回転させていた
太陽ギア31の反時計方向への回転力が、遊星ギア39
を図の左方向に押しやる力に変って、遊星ギア39の動
画用ギア部39bを、今迄噛合していた動画用ラック歯
列22aから離脱させる。
【0111】従って、この時点以降は、動画ラック板2
2および動画用絞り駆動部材21は、引張りばね23の
付勢力(縮小弾力)により初期位置まで下降することに
なり、同時に、動画用絞り駆動部材21に圧接している
駆動ピン10も引張りばね7の付勢力により下降し、セ
クターレバー5を介してシャッタ羽根1、2を閉成位置
に復帰させる。
【0112】このとき、シャッタ羽根1、2が閉成位置
に復帰する過程で、羽根位置信号検出部44から羽根閉
じ完了トリガー信号B2 が出力されるから、これを受け
た露出演算制御手段54は、動画モード設定時に遊星ギ
アの正方向公転回転数を実現するためにモータ駆動回路
51に付与した正方向パルス信号A1 と同数の逆方向パ
ルス信号A2 を、モータ駆動回路51に付与して、パル
スモータ34を引き続き逆方向に回転させるから、太陽
ギア31は、反時計方向への回転を続けて、動画用ラッ
ク歯列22aから離脱した遊星ギア39を遊星アーム部
材37と共に遊星ギア基準位置まで左方向に公転させ
る。
【0113】そして、露出演算制御手段54からの逆方
向パルス信号A2 の付与が終了した時点で、パルスモー
タ34は、基準位相位置に戻り、遊星ギア39と遊星ア
ーム部材37とは遊星ギア基準位置に復帰することにな
る。
【0114】[静止画モード]静止画撮影を行う場合に
は、初期状態または動画撮影状態において撮影モード選
択手段52を操作して静止画モードを選択し、且つ、目
的とするフレームにおいてAEトリガースイッチ53を
オンするように操作する。
【0115】さて、静止画モードが選択されると、露出
演算制御手段54は、先ず、モータ駆動回路51に対し
て、基準位相位置にあるパルスモータ34に遊星ギアの
逆方向公転回転数に対応する逆方向パルス信号A2 を付
与するように制御する。
【0116】従って、モータ駆動回路51は、パルスモ
ータ34を基準位相位置から逆方向に回転させて太陽ギ
ア31を反時計方向に回転させるが、このとき、図6に
示すように、遊星アーム部材37が太陽軸32を中心と
して自由に回転し得る状態にあるため、動画モードの場
合と同様に、太陽ギア31から遊星ギア39の静止画用
ギア部39aに伝達される回転力が遊星ギア39を図の
左方向に押しやる力として作用し、遊星ギア39を遊星
ギア基準位置から静止画モード時の遊星連結位置まで右
方向に公転させる。その結果、遊星ギア39の静止画用
ギア部39aと静止画ラック板12の静止画用ラック歯
列12aとが、図7に示すように噛合状態となる。
【0117】ところで、露出演算制御手段54は、動画
モードの場合と同様に、そのときの被写体輝度に基づい
てアペックス演算を行い、AE値に対応する絞り開口値
と露光時間との組み合せ値(例えば、プログラム)とこ
れを実現するためのパルスモータ34の逆方向回転量に
相当するパルス信号A2 、A1 の付与数とを決定してい
る。
【0118】そのため、静止画用ギア部39aと静止画
ラック板12の静止画用ラック歯列12aとが噛合した
状態下でAEトリガースイッチ53が操作されると、露
出演算制御手段54は、上述したパルス信号A2 をモー
タ駆動回路51に対して出力して、そのときの絞り開口
値と露光時間との組み合せ値を実現する数の逆方向パル
ス信号に見合った回転量だけ、パルスモータ34を引き
続いて逆方向(反時計方向)に回転させるように制御す
る。
【0119】従って、パルスモータ34は、その逆方向
回転力を太陽ギア31を介して遊星ギア39に伝達し、
さらに、静止画用ギア部39aを介して静止画用ラック
歯列12aに伝達して、静止画用ギア部39aの時計方
向の回転力により静止画ラック板12を引張りばね13
の付勢力に抗して図2の位置から上方に向って直線的に
変位させる。
【0120】このときには、太陽ギア31の回転力が、
遊星アーム部材37上の遊星軸38を円弧溝40の左溝
端面40aに押し付ける方向に作用するから、静止画用
ギア部39aと静止画用ラック歯列12aとの噛合状態
は維持されることになる。
【0121】このようにして静止画ラック板12が上方
への変位を始めると、それに伴って、静止画用シャッタ
駆動部材11の上面がセクターレバー5上の駆動ピン1
0を押上げるから、図7に示すように、セクターレバー
5は、引張りばね7の付勢力に抗して枢軸6の周りを時
計方向に回転する。
【0122】そのため、一対のシャッタ羽根1、2は、
動画モードの場合と同様の動作により所定の開口変化率
で開き始め、このとき、羽根開き開始トリガー信号B1
が羽根位置信号検出部44から露出演算制御手段54に
出力される。
【0123】従って、露出演算制御手段54は、羽根位
置信号検出部44からの羽根開き開始トリガー信号B1
に基づいて露光時間の計時を開始し、シャッタ羽根1、
2がそのときの絞り開口値と露光時間との組み合せ値に
応じた絞り開口まで開くと、パルスモータ34に電気ブ
レーキを付与してパルスモータ34をその絞り開口の位
相で一時的に停止させる。
【0124】さて、シャッタ羽根1、2がそのときの絞
り開口まで開くと、露出演算制御手段54は、絞り開口
値と露光時間との組み合せ値に応じた露光時間に合せて
直ちに、または、所定の秒時の経過後に、モータ駆動回
路51に対してパルスモータ34を正方向に所定回転数
だけ反転させるように指示する。
【0125】さて、パルスモータ34が正方向に回転す
ると、それに伴って太陽ギア31も時計方向に回転する
から、今迄、静止画用ギア部39aを時計方向に回転さ
せていた太陽ギア31の反時計方向への回転力が遊星ギ
ア39を図の右方向に押しやる力に変って、静止画用ギ
ア部39aを、今迄噛合していた静止画用ラック歯列1
2aから離脱させる。
【0126】そのため、静止画ラック板12と静止画用
シャッタ駆動部材11は、この時点で、引張りばね13
の付勢力により初期位置に向って急速に下降することに
なり、同時に、静止画用シャッタ駆動部材11の上面に
圧接している駆動ピン10も、引張りばね7の付勢力に
よりこれに追随して急速に下降し、セクターレバー5を
介してシャッタ羽根1、2を閉成位置に復帰させる。す
なわち、一対のシャッタ羽根1、2は、パルスモータ3
4の正方向の回転速度(太陽ギア31の時計方向回転速
度)に依存することなく閉成位置に復帰することにな
る。
【0127】従って、カメラ設計の段階で、引張りばね
13の付勢力および引張りばね7の付勢力を目的に適合
するように選定して、シャッタ羽根1、2の立下がり速
度特性を図12および図13に示す曲線b3 のような急
傾斜になるように設定すれば、静止画撮影において、シ
ャッタ羽根1、2を、図12および図13に示す曲線a
2 の立上り速度特性をもって開き、しかも、曲線b3
立下がり速度特性をもって急速に閉じ位置に復帰させる
ことが可能になり、特定フレームへの開口波形を図13
のC領域に示すような矩形波形に極めて近い開口波形に
設定することができる。
【0128】さて、シャッタ羽根1、2が閉成位置に復
帰すると、その過程で羽根位置信号検出部44から羽根
閉じ完了トリガー信号B2 が出力されるから、これを受
けた露出演算制御手段54は、静止画モード設定時に遊
星ギアの逆方向公転回転数を実現するためにモータ駆動
回路51に付与した逆方向パルス信号A2 と同数の正方
向パルス信号A1 を、モータ駆動回路51に付与して、
パルスモータ34を引き続き正方向に回転させるから、
太陽ギア31は、時計方向への回転を続けて、静止画用
ラック歯列12aから離脱した遊星ギア39を遊星アー
ム部材37と共に遊星ギア基準位置まで右方向に公転さ
せる。
【0129】そして、露出演算制御手段54からの逆方
向パルス信号A2 の付与が終了した時点で、パルスモー
タ34は、基準位相位置に戻り、遊星ギア39と遊星ア
ーム部材37とは遊星ギア基準位置に復帰することにな
る。
【0130】以上、図示実施例について説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々に変形実施することが可能であ
る。例えば、図示実施例では、静止画撮影時の撮影対象
フレーム(特定フレーム)を絞り兼用シャッタ羽根が開
き始めてから3番目のフレームに設定しているが、絞り
兼用シャッタ羽根が開き位置に至り且つ羽根停止時のバ
ウンドが収束した時点からパルスモータ34が羽根開き
位置に対応する位置から逆方向への回転を開始する時点
までの間に、撮影対象フレームを設定すればよいので、
撮影対象フレームの設定はシャッタチャンスを考慮して
任意に設定することが出来る。この場合、設定された撮
影対象フレームに対してAEトリガーを付与すればよ
い。
【0131】また、本発明の静止画撮影に関する部分
を、例えば銀塩フィルムを使用するカメラや電子スチー
ルカメラのレンズシャッタ機構として活用することも可
能である。この場合には、少なくともシャッタ羽根の立
下がり速度特性が速くなった分だけシャッタ羽根の開口
精度が向上することになる。
【0132】また、図示実施例では、遊星ギア39を静
止画用ギア部39aと動画用ギア部39bとから成る2
段ギアとして構成しているが、1枚の共通ギアとして構
成することも可能である。
【0133】また、図示実施例では、動画モード時に遊
星ギア39を動画モード時の遊星連結位置に係止するの
に、動画モード時係止レバー41の保持端部41bと動
画ラック板22の係止カム部材24との係接作用により
係止状態に移行する公転阻止端部41aを用いている
が、例えば遊星ギア39が動画モード時の遊星連結位置
に公転してきたときに励磁され且つ動画ラック板22が
初期位置に復帰したときに消磁されるように制御される
電磁マグネット手段を設け、この励磁・消磁を用いて動
画モード時係止レバー41と遊星軸38との係脱動作を
行わせることにより遊星ギア39を動画モード時の遊星
連結位置に係止するように構成してもよい。
【0134】また、例えば羽根位置信号検出部に使用す
る投受光型光電変換素子は、光反射型(いわゆるフォト
レフレクタ)でも光透過型(いわゆるフォトインタラプ
タ)でもよく、また、図示実施例の投受光型光電発光素
子に代って投光型発光素子と受光型光電素子とを組み合
わせた複合型のものを利用することも可能である。
【0135】また、図示実施例では、静止画用シャッタ
駆動部材11および静止画ラック板12と動画用絞り駆
動部材21および動画ラック板22とを、いずれも直線
変位する部材として構成してあるが、それぞれを回転部
材として構成することも可能である。
【0136】また、図示実施例では、撮影開始前の非作
動状態においては、遊星歯車機構を遊星ギア基準位置に
位置させるように設定してあるが、遊星ギア39をいず
れか一方の遊星連結位置(例えば、動画モード時の遊星
連結位置)に位置させた状態を、遊星歯車機構の基準位
置として設定するように構成することも可能である。こ
の場合には、シャッタ羽根1、2の開閉操作前の遊星ギ
ア39の公転は、一方の遊星連結位置と他方の遊星連結
位置との間で行われることになる。
【0137】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るカメラ
の絞り兼用シャッタ装置によれば、動画モード時には、
絞り兼用シャッタ羽根の立上り速度特性および立下がり
速度特性をパルスモータ34の回転速度に依存させ、且
つ、これらの速度特性を緩傾斜の曲線に設定し得るよう
に構成したので、絞り兼用シャッタ羽根の開口変化量の
制御(露光制御)を細かく行うことが可能になった。
【0138】しかも、静止画モード時には、絞り兼用シ
ャッタ羽根の閉じ動作をパルスモータ34の回転速度に
依存しないばね付勢力により急速に行い得るように構成
したので、動画モード時の緩傾斜の速度特性を犠牲にす
ることなく、静止画モード時の立下がり速度特性を急傾
斜の曲線として設定することが可能になり、開口波形を
可能な限り矩形波形に近づけることができるようになっ
た。
【0139】さらに、動画モードと静止画モードとを1
個のパルスモータ34の回転方向を変更制御することで
実行し得るように構成し、且つ、モードの切換え動作
を、同じパルスモータ34の回転方向の変更制御で連結
噛合位置を変え得る遊星歯車機構を用いて行うように構
成したので、カメラの絞り兼用シャッタ装置としての構
成を簡単化することが出来且つコンパクト化を図ること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカメラの絞り兼用シャッタ装置の
主要構成部を示す斜視図で、カメラが動画撮影時にある
ときの状態を表す。
【図2】図1の絞り兼用シャッタ装置の主要構成部を正
面から見たときの正面図で、カメラが動画撮影時にある
ときの状態を表す。
【図3】図1の絞り兼用シャッタ装置を駆動制御するた
めの駆動制御回路図である。
【図4】遊星歯車機構が遊星ギア基準位置に位置してい
るときの関係配置図である。
【図5】動画モードにおける遊星歯車機構の各構成部材
の相対位置を示す部分配置図である。
【図6】動画モード時から静止画モード時に切換えられ
る途中であって、遊星歯車機構が遊星ギア基準位置に達
したときの関係配置図である。
【図7】静止画モードにおける遊星歯車機構の各構成部
材の相対位置を示す部分配置図である。
【図8】一般的なビデオカメラにおいて、動画撮影を行
うときの各フレームに対する露光状態を説明するための
説明図である。
【図9】図8における各フレームに対するそのときのC
CDの電荷蓄積状態を説明するための説明図である。
【図10】銀塩フィルムを使用するカメラのレンズシャ
ッタ機構を利用してビデオカメラの静止画撮影を行うと
きの、絞り兼用シャッタ羽根の開口波形とAEトリガー
の付与時点との関係を説明するための説明図である。
【図11】銀塩フィルムを使用するカメラのレンズシャ
ッタ機構における絞り兼用シャッタ羽根の開口波形とA
Eトリガーの付与時点との関係を説明するための説明図
である。
【図12】静止画撮影の場合における絞り兼用シャッタ
羽根の開口波形を、パルス信号およびトリガー信号と対
応させて説明するための開口波形特性図で、曲線a1
は、銀塩フィルムを使用するカメラのレンズシャッタ機
構における標準形なシャッタ羽根の立上り速度特性を示
し、曲線b1 は、このときの絞り兼用シャッタ羽根の立
下がり速度特性を示す。また、曲線a2 は、絞り兼用シ
ャッタ羽根の開閉速度を減速させたときの絞り兼用シャ
ッタ羽根の立上り速度特性を示し、曲線b2 は、このと
きの絞り兼用シャッタ羽根の立下がり速度特性を示す。
さらに、曲線b3 は、絞り兼用シャッタ羽根の立下がり
速度特性を急傾斜に構成した場合の立下がり速度特性を
示す。
【図13】図12に示すような立下がり速度特性を有す
るレンズシャッタ機構を利用してビデオカメラの静止画
撮影を行うときの、各フレームに対する露光状態を説明
するための説明図である。
【図14】図13における各フレームに対するそのとき
のCCDの電荷蓄積状態を説明するための説明図であ
る。
【符号の説明】
O 光軸 1、2 一対のシャッタ羽根(絞り兼用シャッタ羽根) 1a、2a 駆動カム孔 3、4 枢軸 5 セクターレバー 6 枢軸 7 引張りばね 8、9 第1および第2羽根連動ピン 10 駆動ピン 11 静止画用シャッタ駆動部材 12 静止画ラック板 12a 静止画用ラック歯列 13 引張りばね 21 動画用絞り駆動部材 22 動画ラック板 22a 動画用ラック歯列 23 引張りばね 24 係止カム部材 24a 直線カム面 31 太陽ギア 32 太陽軸 33 小ギア 34 パルスモータ 35 出力ギア 36 減速ギア 37 遊星アーム部材 38 被係止軸を兼ねた遊星軸 39 遊星ギア 39a 静止画用ギア部 39b 動画用ギア部 40 円弧溝 40a 左溝端面 40b 右溝端面 41 動画モード時係止レバー 41a 公転阻止端部 41b 保持端部 42 枢軸 43 引張りばね 44 羽根位置信号検出部 51 モータ駆動回路 52 撮影モード選択手段 53 AEトリガースイッチ 54 露出演算制御手段

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれの閉成位置と最大絞り開口位置
    との間を往復移動し得る絞り兼用シャッタ羽根を用い
    て、動画モード時の絞り開口制御と静止画モード時のシ
    ャッタ開閉制御とを行うカメラの絞り兼用シャッタ装置
    において、 前記動画モード時に前記絞り兼用シャッタ羽根の絞り調
    節動作を司る動画モード時羽根駆動系統と、静止画モー
    ド時に前記絞り兼用シャッタ羽根のシャッタ開閉動作を
    司る静止画モード時羽根駆動系統とを並列的に設置する
    と共に、太陽ギアと遊星ギアとから構成され且つ電動モ
    ータにより正逆方向に作動される遊星歯車機構を設け、 前記電動モータの基準位相位置から一方向および他方向
    への所定量の回転力により、前記遊星ギアを前記太陽ギ
    アと一体的に遊星ギア基準位置から一方向および他方向
    に公転させて、このときの前記遊星ギアの公転方向の違
    いを利用して、前記遊星ギアを動画モード時の遊星連結
    位置または静止画モード時の遊星連結位置に選択的に位
    置させ得るように構成し、 さらに、前記遊星ギアが前記動画モード時の遊星連結位
    置に位置したときに、前記電動モータの回転方向の如何
    に拘らず、前記遊星ギアをその位置に強制的に保持する
    ことが可能な遊星ギア強制係止手段を設けて、 前記動画モード時には、前記電動モータの一方向への所
    定量の回転力により前記遊星ギアを前記動画モード時の
    遊星連結位置に位置させると共に、遊星ギア強制係止手
    段により移動後の前記遊星ギアを前記動画モード時の遊
    星連結位置に強制的に係止させ、前記電動モータの一方
    向へのさらなる回転力により、前記絞り兼用シャッタ羽
    根をその時々の適正露出値に適合する絞り開口位置に開
    かせ、この絞り開口位置に開いた前記絞り兼用シャッタ
    羽根の絞り開口値を、前記電動モータのさらなる一方向
    への回転力および他方向への回転力により調節し得るよ
    うに構成し、 一方、前記静止画モード時には、前記電動モータの他方
    向への所定量の回転力により前記遊星ギアを前記静止画
    モード時の遊星連結位置に位置させ、前記電動モータの
    さらなる他方向の回転力により、前記絞り兼用シャッタ
    羽根をその時々の適正露出値に適合するシャッタ開口位
    置に開かせ、所定秒時の経過後に、前記遊星ギアを前記
    静止画モード時の遊星連結位置から前記遊星ギア基準位
    置に向って公転させることにより、前記遊星ギアと静止
    画モード時羽根駆動系統との連結を断ち、予め前記絞り
    兼用シャッタ羽根に付与された付勢手段の付勢力によ
    り、前記絞り兼用シャッタ羽根を前記閉成位置に急速復
    帰させ得るように構成したことを特徴とするカメラの絞
    り兼用シャッタ装置。
  2. 【請求項2】 光軸上に位置し且つそれぞれの閉成位置
    と最大絞り開口位置との間を往復移動し得る絞り兼用シ
    ャッタ羽根を用いて、動画モード時の絞り開口制御と静
    止画モード時のシャッタ開閉制御とを行うカメラの絞り
    兼用シャッタ装置において、 基準位相位置から一方向および他方向に回転し得るよう
    に設けられた電動モータと、 太陽ギアと遊星ギアとから構成され、且つ、前記電動モ
    ータが基準位相位置に在るときの遊星ギア基準位置と動
    画モード時の遊星連結位置と静止画モード時の遊星連結
    位置との間において、前記遊星ギアが、前記太陽ギアの
    周りを一方向および他方向に公転的に運動し得るように
    構成された遊星歯車機構と、 前記動画モード時に、前記電動モータの回転方向の如何
    に拘らず前記遊星ギアを前記動画モード時の遊星連結位
    置に強制的に保持し得る遊星ギア強制係止手段と、 前記遊星ギアと噛合し得る動画用歯列を有し、動画モー
    ド時に、前記遊星ギアおよびこの動画用歯列を介して伝
    達される前記電動モータの一方向の回転力により、初期
    位置から前記絞り兼用シャッタ羽根の任意の絞り開口を
    形成し得る位置まで往方向に変位可能に設けられ、前記
    電動モータの他方向の回転力により絞り開口を形成した
    位置から初期位置まで復方向に変位可能に設けられた動
    画モード時絞り開口調節手段と、 前記遊星ギアと噛合し得る静止画用歯列を有し、静止画
    モード時に、前記遊星ギアおよびこの静止画用歯列を介
    して伝達される前記電動モータの他方向の回転力によ
    り、初期位置から前記絞り兼用シャッタ羽根の任意のシ
    ャッタ開口値に対応する位置まで往方向に変位し、自身
    に付与された付勢力により前記開口値対応位置から初期
    位置に復方向に変位し得るように設けられた静止画シャ
    ッタ開閉手段と、 前記動画モード時絞り開口調節手段および前記静止画シ
    ャッタ開閉手段の選択的な変位動作により初期位置と作
    用位置との間を運動することにより、前記絞り兼用シャ
    ッタ羽根をその閉成位置と最大絞り開口位置との間で開
    閉させる羽根開閉手段と、 この羽根開閉手段を前記絞り兼用シャッタ羽根の閉成位
    置に向って所定の付勢力で付勢し得る付勢手段と、 動画モード時に、前記電動モータを一方向に所定量回転
    することにより、前記遊星歯車機構の遊星ギアを前記動
    画モード時の遊星連結位置に公転させて前記遊星ギアを
    前記動画モード時絞り開口調節手段の動画用歯列と噛合
    させ、引き続き前記電動モータを一方向および他方向に
    回転させて、前記遊星ギアおよび前記動画用歯列を介し
    て伝達される前記電動モータの一方向への回転力および
    他方向への回転力により、前記動画モード時絞り開口調
    節手段を往復方向に変位させ、このときの変位動作によ
    り前記羽根開閉手段を介して前記絞り兼用シャッタ羽根
    の絞り開口を最新の適正露出値に適合する値に調節さ
    せ、このとき、前記動画モード時絞り開口調節手段が前
    記絞り開口の調節を行っている間、前記遊星ギア強制係
    止手段を働かせて前記遊星ギアと前記動画用歯列との噛
    合状態を維持させ、さらに、静止画モード時に、前記電
    動モータを他方向に所定量回転することにより、前記遊
    星歯車機構の遊星ギアを前記静止画モード時の遊星連結
    位置に公転させて前記遊星ギアを前記静止画シャッタ開
    閉手段の静止画用歯列と噛合させ、引き続き前記電動モ
    ータを他方向に回転させて、前記遊星ギアおよび前記静
    止画用歯列を介して伝達される前記電動モータの他方向
    への回転力により、前記静止画シャッタ開閉手段を往方
    向に変位させ、このときの変位動作により前記羽根開閉
    手段を介して前記絞り兼用シャッタ羽根のシャッタ開口
    を形成し、所定秒時の経過後に、前記電動モータを一方
    向に回転させることにより、前記遊星歯車機構の遊星ギ
    アと前記静止画用歯列との噛合を解除して、前記付勢手
    段の付勢力により前記絞り兼用シャッタ羽根を閉成位置
    に復帰させ得るように制御する駆動制御手段と、を有す
    るように構成したことを特徴とするカメラの絞り兼用シ
    ャッタ装置。
  3. 【請求項3】 前記遊星歯車機構を、前記電動モータに
    より正逆方向に回転される太陽ギアと、この太陽ギアの
    太陽軸を中心として回動し得る遊星アーム部材と、この
    遊星アーム部材上に設けられた遊星軸により回転可能に
    軸支され且つ前記太陽ギアと常時噛合する遊星ギアと、
    この遊星ギアと前記遊星軸との間またはこの遊星ギアと
    前記遊星アーム部材との間に介在的に設けられたフリク
    ション手段と、前記遊星ギアの動画モード時方向の公転
    運動および静止画モード時の公転運動をそれぞれ前記動
    画モード時の遊星連結位置および前記静止画モード時の
    遊星連結位置までに制限する2つの公転制限手段と、か
    ら構成して成ることを特徴とする請求項2に記載された
    カメラの絞り兼用シャッタ装置。
  4. 【請求項4】 前記動画モード時絞り開口調節手段を、
    前記絞り兼用シャッタ羽根の絞り開口調節時に往復方向
    に変位し且つ運動方向に沿うような構造の係止カム面を
    具えた絞り運動部材を含む手段として構成すると共に、
    前記遊星ギア強制係止手段を、中間部で回転可能に軸支
    され且つその一端部により前記遊星歯車機構の遊星ギア
    を前記動画モード時の遊星連結位置に係止し得る構造の
    レバー部材と、このレバー部材を退避位置に向って付勢
    する付勢手段とから成るシーソーレバー機構として構成
    し、 前記遊星歯車機構の遊星ギアが前記遊星ギア基準位置お
    よび前記静止画モード時の遊星連結位置に在るときに
    は、前記付勢手段の付勢力により前記レバー部材を退避
    位置に位置させ、前記遊星ギアが前記動画モード時の遊
    星連結位置に位置し且つ前記動画モード時絞り開口調節
    手段の絞り運動部材が絞り開き方向に動作する初期段階
    において、前記絞り運動部材の係止カム面を前記遊星ギ
    ア強制係止手段のレバー部材の他端部に係接させること
    により前記遊星ギア強制係止手段を退避位置から係止可
    能位置に移行させて、前記動画モード時絞り開口調節手
    段が前記絞り兼用シャッタ羽根の絞り開口を調節してい
    る間、前記遊星ギアを前記動画モード時の遊星連結位置
    に保持し得るように構成して成ることを特徴とする請求
    項2または3に記載されたカメラの絞り兼用シャッタ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記羽根開閉手段を、往復方向に回転可
    能な運動部材と、この運動部材上に設けられ且つ前記絞
    り兼用シャッタ羽根のそれぞれに形成された駆動カムに
    嵌入するように構成された複数の羽根連動ピンとから成
    る手段として構成すると共に、この複数の羽根連動ピン
    の運動方向を前記光軸に向う方向に設定するように構成
    して成ることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか
    に記載されたカメラの絞り兼用シャッタ装置。
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