JP3283663B2 - プログラム制御と絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置 - Google Patents

プログラム制御と絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置

Info

Publication number
JP3283663B2
JP3283663B2 JP26827193A JP26827193A JP3283663B2 JP 3283663 B2 JP3283663 B2 JP 3283663B2 JP 26827193 A JP26827193 A JP 26827193A JP 26827193 A JP26827193 A JP 26827193A JP 3283663 B2 JP3283663 B2 JP 3283663B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aperture
blade
opening
control
shutter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26827193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06242492A (ja
Inventor
隆 島村
一雅 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP26827193A priority Critical patent/JP3283663B2/ja
Publication of JPH06242492A publication Critical patent/JPH06242492A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3283663B2 publication Critical patent/JP3283663B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diaphragms For Cameras (AREA)
  • Shutters For Cameras (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に絞り閉成位置と絞
り開放位置との間を往復回転し得るように設けられた絞
り羽根兼用シャッタ羽根を用いたコンパクトカメラに使
用して好適なプログラム制御と絞り優先制御とを行い得
るカメラ用シャッタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絞り閉成位置と絞り開放位置との間を往
復回転し得るように設けられた絞り羽根兼用シャッタ羽
根(以下、単に「兼用シャッタ羽根」という)を使用し
た従来のカメラ用シャッタ装置の一つの例として、例え
ば実開平3−125337号公報(以下「第1の公報」
という)に示されたような構成のものが知られている。
【0003】図30に示す図は、この第1の公報に開示
されたカメラ用シャッタ羽根開閉機構を、本発明に係る
カメラ用シャッタ装置のシャッタ羽根開閉機構と対比し
易いように、その駆動部材101の往方向運動の向きを
反時計方向に変えて図示した場合の模式図である。尚、
図30で使われている符号は、同公報中の符号に+10
0したものである。
【0004】さて、この第1の公報には、カム面101
aを有する駆動部材101とこのカム面101aに当接
する突起102aを有する羽根開閉レバー102とを備
え、駆動部材101の往復動に基づく上記カム面101
aと突起102aとの協働作用により羽根開閉レバー1
02が往復動せしめられて、兼用シャッタ羽根(符号な
し)を開閉させるようにしたプログラム制御方式のカメ
ラ用シャッタ装置が記載されている。
【0005】そして、駆動部材101上に上記カム面1
01aに臨み得る爪部109aを有する爪レバー109
を枢着して、上記駆動部材101の往動時(兼用シャッ
タ羽根の開き動作時)に、上記突起102aが上記爪レ
バー109の爪部109aに摺接せしめられた後に上記
羽根開閉レバー102が作動せしめられ、また、復動時
は上記爪部109aが上記カム面101aより退避せし
められるように構成されている。
【0006】そして、このカメラ用シャッタ装置では、
駆動部材101の往動時に、羽根開閉レバー102の突
起102aが最初に爪レバー109の爪部109aに摺
接した後は、これに続く外形部分109b(説明用の創
作符号)が羽根開閉レバー102の突起102aの運動
軌跡よりも若干退避した位置を占めるように形成されて
いるので、羽根開閉レバー102は、スプリング(公報
中の符号3)の付勢力により抵抗なしに急速に往動し得
るということが特徴になっている。
【0007】尚、図中の101cは、爪レバー109の
初期位置を決定するためのストッパであり、110は爪
レバー109を常に時計方向に付勢するための復帰ばね
である。
【0008】一方、兼用シャッタ羽根を使用した従来の
カメラ用シャッタ装置の他の例として、実開昭63−1
37325号公報(以下「第2の公報」という)および
実開昭63−144625号公報(以下「第3の公報」
という)に示されたような構成のものも知られている。
【0009】この第2の公報に開示されたカメラ用シャ
ッタ装置は、常にばねにより閉じ方向に付勢された兼用
シャッタ羽根を、モータ等の電磁アクチュエータを一方
方向に作動させることによりばね付勢力に抗して開くよ
うに構成したシャッタ制御装置において、兼用シャッタ
羽根の開き状態を多段階に保持する部材を設けると共
に、前述の電磁アクチュエータへの逆通電による他方方
向への作動により多段階保持部材の保持機能を解除する
ように構成されている。
【0010】また、上記第3の公報に開示されたカメラ
用シャッタ装置は、兼用シャッタ羽根の閉じ動作に対し
て多段階に閉じ動作規制を行うロック部材と、兼用シャ
ッタ羽根と一体的に連結された兼用シャッタ羽根開閉制
御用の電気−機械変換アクチュエータとを備えたカメラ
用シャッタ装置において、電気−機械変換アクチュエー
タの一方向の作動による兼用シャッタ羽根の開口位置
を、前述のロック部材により保持すると共に、電気−機
械変換アクチュエータの他方方向である閉じ方向の作動
によりロック部材による保持を強制的に解除して兼用シ
ャッタ羽根の閉じ動作を行わせるように構成されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の公報に開示されたカメラ用シャッタ装置では、駆動
部材101上に爪レバー109を枢着する構成になって
いる関係で、駆動部材101全体の重量が増加し且つ駆
動部材101全体の重心が偏ることになる。
【0012】そのため、 (a) 駆動部材101の回転時のイナーシャの増大を
招き、このイナーシャ増大のために起動時または反転時
における駆動部材101の応答遅れを生じさせることに
なり、シャッタとしての露出精度を低下させる虞れが出
て来る。
【0013】(b) 駆動部材101に対する駆動源
(アクチュエータ)としてステッピングモータを用いた
場合には、脱調の危険性が高まる。
【0014】(c) 高速度で往復動する駆動部材10
1上に「カシメ」等の結合手段により爪レバー109を
枢着するような構造では、長期間の使用に際して「カシ
メ」部分に緩み現象等が発生する危険性が出て来る。 という種々の問題を惹き起すことになる。
【0015】また、このようなカメラ用シャッタ装置に
おいて、兼用シャッタ羽根の開き動作過程における駆動
部材101のカム面101aの移動(反時計方向回転)
に伴って、爪レバー109の爪部109aがこれに追従
する方向に移動(時計方向回転)するような構造を採用
したとすると、爪レバー109による羽根開閉レバー1
02の係止解除時に、羽根開閉レバー102の突起10
2aを爪レバー109の爪部109aに続く外形部分1
09bに接触させないようにしなければならなくなる。
【0016】しかし、このように構成すると、爪レバー
109の爪部109aのオーバーハング量(張り出し
量)を大きく取る必要性が生じ、その結果、駆動部材1
01が絞り羽根兼用シャッタ羽根の開放位置から絞り閉
成位置に向う際に、閉じ動作の途中位置(中間絞り位
置)において羽根開閉レバー102の突起102aが爪
レバー109と接触し、これ以後の駆動部材101の回
転運動に対して爪レバー109の復帰用ばね110の付
勢力が摺接抵抗として加えられることになり、
【0017】 (d) 駆動部材101の閉成方向の
回転力をこの摺接抵抗の分だけ増加させる必要が生じ、
特に小絞り領域における露出精度のバラツキを生じさせ
る原因を作ることになる。という別の問題を発生させる
ことになる。
【0018】一方、第2の公報や第3の公報に開示され
たカメラ用シャッタ装置では、いずれも、兼用シャッタ
羽根の開放時に鋸歯部(ラチェット歯列部)にロックレ
バーの爪部(ラチェット爪部)を係合させる必要がある
構造となっているため、次のような問題を生じることに
なる。
【0019】(イ) ロックレバーに掛けられたばね付
勢力が爪部とセクターリング(鋸歯部)との間に摩擦を
生じさせ、しかも、セクターリングが高速回転したとき
に鋸歯部対する爪部の係合不完全(所謂、歯飛び)とい
う現象を惹き起す。
【0020】そのため、爪部と鋸歯部との間の係合を完
全にするためのセットタイムが必要となるばかりではな
く、耐久性にも問題が生じるなど高精度で高速なシャッ
タ装置として不適な構造となっている。
【0021】(ロ) 絞り優先制御方式のシャッタ装置
としては使用することが出来るとしても、通常のプログ
ラム制御方式のシャッタ装置としては不利となる。強い
てプログラム制御方式のシャッタ装置として使用すると
すれば、爪部と鋸歯部との間の係合を完全にするための
セットタイムの存在に起因するメカの作動遅れ時間が増
大する等の問題が生じ、これが露出精度の悪化につなが
るという問題を招くことになる。
【0022】即ち、絞り優先制御方式というものは、基
本的には、比較的高速のシャッタスピードが使用出来る
というところに特徴を有するものであり、これがプログ
ラム制御方式との差となっているため、シャッタ作動に
要する時間が長くなるということは、それだけ、絞り優
先制御方式としての性能を悪化させることを意味するか
らである。
【0023】(ハ) セクターリングの回転量を規制す
ることによって適正露出を設定するような構造である関
係で、セクターリングと兼用シャッタ羽根との間に存在
する「ガタ」のために、複数枚の兼用シャッタ羽根がと
もに開口誤差を生じ勝ちとなる。
【0024】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、絞り閉成位置と絞
り開放位置との間を往復回転し得るように設けられた絞
り羽根兼用シャッタ羽根を用いたプログラム制御と絞り
優先制御の両方式を行い得るカメラ用シャッタ装置を得
るに当って、前述の(a)項〜(d)項に掲げた従来の
プログラム制御方式のシャッタ装置における問題点ない
し欠点、並びに、(イ)項〜(ハ)項に掲げた従来の絞
り優先制御方式のシャッタ装置における問題点ないし欠
点を解消し得る構成のプログラム制御と絞り優先制御と
を行い得るカメラ用シャッタ装置を提供することにあ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、絞り閉成位置と絞り開
放位置との間を往復回転し得るように設けられた絞り羽
根兼用シャッタ羽根を用いてプログラム制御と絞り優先
制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置において、プロ
グラム制御時にはそのときの被写体輝度に対応した適正
シャッタ秒時を演算し、絞り優先制御時には少なくとも
そのときの被写体輝度と設定された絞り優先F値とに対
応した適正シャッタ秒時を演算する露出演算回路を含む
総合制御手段と、前記プログラム制御と前記絞り優先制
御とのいずれかを選択し、且つ、前記絞り優先制御を選
択するときに、目的とする前記絞り優先F値を任意に選
択設定し得るように設けられた絞り制御選択手段と、プ
ログラム制御時および絞り優先制御時に、前記総合制御
手段からの指令に基づいて往復方向に回転し得るように
制御される電動モータと、初期位置から往方向に回転す
る動作で前記絞り羽根兼用シャッタ羽根を開き、その後
の復方向の回転動作で前記絞り羽根兼用シャッタ羽根を
閉ざし得るように前記電動モータによって回転駆動され
るように設けられた羽根開閉駆動部材と、プログラム制
御時に、前記羽根開閉駆動部材の初期位置から始まる往
方向回転動作により、直接前記絞り羽根兼用シャッタ羽
根をプログラム制御時の適正露出が得られる位置まで開
かせ、この適正露出が得られた位置からの前記羽根開閉
駆動部材の復方向回転動作により、前記絞り羽根兼用シ
ャッタ羽根を閉成位置まで復帰させるように制御するプ
ログラム制御手段と、絞り優先制御時には、前記羽根開
閉駆動部材の初期位置から始まる復方向への回転動作に
より、前記プログラム制御に基づく前記絞り羽根兼用シ
ャッタ羽根の絞り開放位置までの開き動作を許容し得る
初期状態から、前記絞り羽根兼用シャッタ羽根を目的と
する絞り優先F値に対応する所定の絞り開口が得られる
羽根開き阻止位置に強制的に停止させ得る阻止作用状態
に移行させられるように設置された絞り優先開口設定手
段と、少なくとも前記絞り制御選択手段を絞り優先制御
からプログラム制御に切換えたときに、前記プログラム
制御の実行に先立って、前記羽根開閉駆動部材を初期位
置から前記絞り優先開口設定手段による設定可能な絞り
優先F値の範囲を超えた阻止解除位置まで復方向に回転
させることにより、前記絞り優先開口設定手段の状態を
前記阻止作用状態から前記初期状態に復帰させ得るよう
に設置された絞り優先F値解除手段と、絞り優先制御時
に、先ず、前記羽根開閉駆動部材の初期位置から目的と
する絞り優先F値に対応する所定の絞り開口が得られる
位置まで復方向に回転させて、この回転動作により前記
絞り優先開口設定手段を前記初期状態から前記阻止作用
状態に移行させ、次に、前記羽根開閉駆動部材をこのと
きの回転動作終了位置から初期位置に往方向に回転さ
せ、引き続いて、前記羽根開閉駆動部材の初期位置から
前記絞り羽根兼用シャッタ羽根の絞り開放位置までの往
方向回転動作により、前記絞り羽根兼用シャッタ羽根を
目的とする絞り優先F値が得られる絞り開口位置まで開
かせ、最後に、前記羽根開閉駆動部材の往方向回転動作
終了位置から復方向に回転させて前記絞り羽根兼用シャ
ッタ羽根を閉成位置に復帰させ得るように制御する絞り
優先制御手段と、を有するように構成したことを特徴と
するものである。
【0026】上記の目的を達成するために、請求項5に
記載の発明は、絞り閉成位置と絞り開放位置との間を往
復回転し得るように設けられた絞り羽根兼用シャッタ羽
根を用いてプログラム制御と絞り優先制御とを行い得る
カメラ用シャッタ装置において、プログラム制御時には
そのときの被写体輝度に対応した適正シャッタ秒時を演
算し、絞り優先制御時には少なくともそのときの被写体
輝度と設定された絞り優先F値とに対応した適正シャッ
タ秒時を演算する露出演算回路を含む総合制御手段と、
プログラム制御時および絞り優先制御時に、前記総合制
御手段からの指令に基づいて往復方向に回転し得るよう
に制御される電動モータと、プログラム制御時の適正露
出を設定する絞りカム面を有し、且つ、初期位置から往
方向に回転する動作で前記絞り羽根兼用シャッタ羽根を
開き、その後の復方向の回転動作で前記絞り羽根兼用シ
ャッタ羽根を閉ざし得るように前記電動モータにより回
転駆動される羽根開閉駆動部材と、この羽根開閉駆動部
材がその初期位置から往方向に回転したときに、その往
方向の回転動作量に対応する前記絞りカム面のカム量に
よりプログラム制御時の適正露出を設定するように設け
られたプログラム制御用適正露出設定手段と、少なくと
も係止ラチェット歯列部とこの係止ラチェット歯列部に
引き続いた解除操作部と前記絞り羽根兼用シャッタ羽根
と直接的に接触して前記絞り羽根兼用シャッタ羽根の開
き動作を強制的に阻止する羽根運動強制阻止部とを備
え、且つ、前記羽根開閉駆動部材の外側領域において作
用方向と解除方向とに往復的に回転し得るように設けら
れたF値設定部材を有する絞り優先制御用絞り開口設定
手段と、前記羽根開閉駆動部材がその初期位置から復方
向に第一所定量だけ回転したときに、前記F値設定部材
を作用方向にこの第1所定量に対応する回転量だけ回転
させ、前記羽根開閉駆動部材がその初期位置から復方向
に第2所定量だけ回転したときに、前記F値設定部材を
作用方向にこの第2所定量に対応する回転量だけ回転さ
せ得るように前記羽根開閉駆動部材上に設けられた絞り
優先実行部と、前記絞り優先制御用絞り開口設定手段の
F値設定部材が初期位置から前記羽根開閉駆動部材の前
記第1所定量に対応する回転量だけ作用方向に回転した
ときに、前記係止ラチェット歯列部に係合してF値設定
部材をそのときの回転位置に係止するラチェット爪手段
と、前記プログラム制御と前記絞り優先制御とのいずれ
かを選択し、且つ、前記絞り優先制御を選択するとき
に、目的とする前記絞り優先F値を任意に選択設定し得
るように設けられた絞り制御選択手段と、を有するよう
に構成したことを特徴とするものである。
【0027】
【作用】本発明に係るプログラム制御と絞り優先制御と
を行い得るカメラ用シャッタ装置の作用は、次の通りで
ある。
【0028】絞り閉成位置と絞り開放位置との間を往復
回転し得るように設けられた絞り羽根兼用シャッタ羽根
を用いてプログラム制御と絞り優先制御とを行い得るカ
メラ用シャッタ装置において、プログラム制御時には、
露出演算回路を含む総合制御手段が、そのときの被写体
輝度に対応した適正シャッタ秒時を演算し、絞り優先制
御時には少なくともそのときの被写体輝度と設定された
絞り優先F値とに対応した適正シャッタ秒時を演算す
る。
【0029】プログラム制御時および絞り優先制御時
に、前記総合制御手段からの指令に基づいて電動モータ
は、往復方向に回転し得るように制御される。
【0030】絞り制御選択手段により絞り優先制御が前
回選択されていたときにプログラム制御を選択したとき
には、先ず、電動モータにより羽根開閉駆動部材を初期
位置から絞り優先開口設定手段による設定可能な絞り優
先F値の範囲を超えた阻止解除位置まで復方向に回転さ
せて、絞り優先開口設定手段の状態を阻止作用状態から
初期状態に復帰させ、引き続き羽根開閉駆動部材を初期
位置から往方向に回転させて、絞り羽根兼用シャッタ羽
根をプログラム制御時の適正露出が得られる位置まで開
かせ、その後、羽根開閉駆動部材を復方向に回転させて
往方向回転動作終了位置から初期位置に復帰させるよう
に制御する。
【0031】一方、この状態から絞り制御選択手段によ
り絞り優先制御を選択し且つ所望の絞り値を設定したと
きには、先ず電動モータにより羽根開閉駆動部材を初期
位置から復方向に回転させて絞り優先開口設定手段を初
期状態から設定された絞り値に対応する阻止作用状態に
移行させ、絞り優先開口設定手段を目的とする絞り優先
F値に対応する所望の絞り開口が得られる状態に設定す
る。
【0032】次いで、羽根開閉駆動部材をこのときの回
転動作終了位置から初期位置まで往方向に回転させ、引
き続き、羽根開閉駆動部材を初期位置から兼用シャッタ
羽根の絞り開放位置までのを往方向回転動作をさせる。
【0033】そして、このときに生じる兼用シャッタ羽
根の開き動作を、絞り優先開口設定手段により設定され
た絞り優先F値に対応する所定の絞り開口が得られる羽
根開き阻止位置に強制的に停止させ、その後、羽根開閉
駆動部材を初期位置に向って復方向に回転させることに
より兼用シャッタ羽根を閉成位置に復帰制御させる。
【0034】
【実施例】以下、図示の一実施例に基づいて本発明のカ
メラ用シャッタ装置の構成を詳細に説明する。図1は、
本発明に係るカメラ用シャッタ装置の主要部を示す平面
図、図2は、図1のカメラ用シャッタ装置の分解斜視
図、図3は、基本駆動部材の形状、構造を説明するため
の斜視図、図4および図5は、いずれも兼用シャッタ羽
根の開閉動作を説明するための説明図である。
【0035】図1乃至図5において、Oは例えばコンパ
クトカメラに固定された鏡胴内に設けられた撮影レンズ
(いずれも図示なし)の光軸である。図2における1A
および1Bは、いずれもこの鏡胴内に固定されたリング
状のフィルム側地板(以下「第1地板」という)および
被写界側地板(以下「第2地板」という)で、互いに所
要の間隔を隔てて平行に設けられている。
【0036】2は特許請求の範囲に記載された絞り羽根
兼用シャッタ羽根を開閉する羽根開閉駆動部材を構成す
るリング状の基本駆動部材で、第1地板1Aのフィルム
側の面上に形成された円筒部1aに嵌合するように構成
されている。
【0037】この基本駆動部材2は、後述するように、 (a) プログラム制御モードのときには、先ずその初
期位置(図1に示す位置)から光軸Oを中心として往方
向(反時計方向)にその時々の適正露出に対応する絞り
開口が得られる位置まで回転し、その後、初期位置に向
って復方向(時計方向)に回転するように構成されてい
る。
【0038】(b) 絞り優先制御モードのときには、
先ず初期位置から光軸Oを中心として復方向にそのとき
の設定F値の位置まで回転し、その後、この絞り優先F
値の設定位置から初期位置まで往方向に回転し、引き続
いて、初期位置から絞り開放位置(またはF値に対応す
る絞り開口位置)まで往方向に回転し、更に、絞り開放
位置から初期位置に向って復方向に回転するように構成
されている。
【0039】(c) 絞り優先解除モードのときには、
初期位置から光軸Oを中心として復方向に絞り優先F値
の設定範囲を超えて設定された阻止解除位置まで回転
し、その後、この阻止解除位置から初期位置に向って往
方向に回転するように構成されている。
【0040】そして、この基本駆動部材2は、その外周
部の一部分にカム突起3を有するように、また、このカ
ム突起3に対して光軸Oを挟んでほぼ反対の側に位置す
る外周部の領域に後述する減速2段ギア33の小径ギア
33bと噛合する部分ギア部4を有するように、更に、
基本駆動部材2の裏面の一部に押動突起5を有するよう
に構成されている。
【0041】この場合、カム突起3は、その頂上部分が
光軸Oを中心とする円弧状のカム頂部3aとして、ま
た、その裾野部分がカム底部3bとして、更に、カム頂
部3aからカム底部3bに至る間の斜面部分がプログラ
ム制御用の絞りカム面3cとしてそれぞれ形成されるこ
とになり、また、押動突起5は、例えば進行方向(円周
方向)に所定の長さを有する扁平状の長突起物として構
成されることになる。
【0042】なお、絞りカム面3cについては後述する
羽根開閉レバー6の項において、また、押動突起5につ
いては後述する係止レバー16の項において、それぞれ
詳細に説明することにする。
【0043】6は枢軸7により第1地板1A上に往復回
転可能に軸支された羽根開閉レバーで、V字形に配置さ
れた2本のアームを有するように構成され、しかも、一
方のアームの先端部が被係止部6aとして形成され、ま
た、他方のアームの先端部にU字溝6bを有するように
構成されている。
【0044】8は羽根開閉レバー6を常に枢軸7の回り
を時計方向に回転させるように付勢する第1捩りばね
で、その一端部は第1地板1上に固設されたピン9に掛
け止めされ、他端部は羽根開閉レバー6の一方のアーム
上に設けられたピン8aに掛け止めされている。
【0045】さて、前述した羽根開閉レバー6は、その
被係止部6aが第1捩りばね8の付勢力によりカム突起
3のカム頂部3aに圧接しているときの位置をもって自
身の初期位置となし、基本駆動部材2が自らの初期位置
から往方向に回転する過程において羽根開閉レバー6の
被係止部6aがカム突起3の絞りカム面3cに当接し
て、兼用シャツタ羽根13A,13Bの絞り開口を設定
し得る時計方向の絞り回転量を生じるように構成されて
いる。
【0046】そのため、カム突起3の絞りカム面3c
は、一方では、兼用シャッタ羽根13A,13Bが絞り
開放位置まで回転するのに必要な羽根開閉レバー6の最
大回転量(回転角)を確保し得る長さであって、中途の
各カム点においては、その時々の被写体輝度で定まる適
正シャッタ秒時に対応した絞り開口を形成し得る羽根開
閉レバー6の絞り回転量が得られるような形状のカム面
として構成されている。
【0047】他方においては、基本駆動部材2が、兼用
シャツタ羽根13A,13Bの絞り開放位置に対応する
位置から初期位置に向って復方向に回転する過程におい
て、羽根開閉レバー6の被係止部6aをその初期位置に
復帰させ得る形状の復帰用斜面として構成されることに
なる。
【0048】10は第1地板1Aの表面と基本駆動部材
2との間の円筒部1aに嵌合して、その初期位置(図1
に示す位置)から光軸Oを中心として往方向(反時計方
向)および復方向(時計方向)に回転可能に設けられた
羽根開閉リングで、その外周部の1個所に形成された大
突起部には、羽根開閉レバー6のU字溝6bと係合する
連動ピン11が植設されている。
【0049】また、羽根開閉リング10の外周部の、例
えば3等分された個所に形成された小突起部には、図4
および図5にも示すように、第1地板1Aに形成された
円弧状開口1bを貫通して後述する兼用シャッタ羽根1
3A,13Bの制御カム溝13a内に嵌入する3本の絞
りピン12が植設されている。なお、1b′は第1地板
1Aに形成された円弧状開口1bに対峙する第2地板1
Bの円弧状開口である。
【0050】図示実施例では、羽根開閉リング10が、
第1捩りばね8の付勢力により羽根開閉レバー6を介し
て常に反時計方向に回転させられるように構成されてい
るが、専用のばね手段(図示なし)を設けてこのばね手
段の付勢力により回転させられるように構成することも
可能である。
【0051】13Aおよび13Bは、第1地板1Aと第
2地板1Bとの間に設けられた、例えば3枚羽根の兼用
シャッタ羽根で、兼用シャッタ羽根全体の初期位置設定
作用を担当する1枚の兼用シャッタ羽根13Aと他の2
枚の兼用シャッタ羽根13Bとに分れて構成されてい
る。
【0052】この場合、1枚の兼用シャッタ羽根13A
の先端部分の側方面が羽根開閉リング10にある3本の
絞りピン中の1つに当接して、兼用シャッタ羽根全体の
初期位置(閉成位置)を決定するように構成されてい
る。
【0053】これら3枚の兼用シャッタ羽根13A,1
3Bは、第2地板1B上に設けられた各自の枢軸14に
よりそれぞれの一端部においてそれぞれ回転可能に軸支
され、羽根開閉リング10が往方向に回転したときに、
それぞれの兼用シャッタ羽根13A,13Bが各々の枢
軸14を中心として、それぞれの初期位置である絞り閉
成位置(図1に示す位置)から互いに外側方向に回転し
て絞り開放位置まで連続的に開き得るように構成されて
いる。
【0054】更に、3枚の兼用シャッタ羽根13A,1
3Bの各々の枢軸14の近傍位置には、羽根開閉リング
10の絞りピン12が精密に嵌入する制御カム溝13a
がそれぞれ形成されている。
【0055】この場合、制御カム溝13aは、3本の絞
りピン12が羽根開閉リング10の回転量に応じてそれ
ぞれの制御カム溝13a内を移動したときに、3枚の兼
用シャッタ羽根13A,13Bをその時々の羽根開閉レ
バー6の絞り回転量に応じた適正露出対応の絞り開口位
置に回転させ得るようなカム溝形状を有するように構成
されている。
【0056】また、1枚の兼用シャッタ羽根13Aの先
端部分には、トリガー用の光線遮断部13bと光線透過
部13cとが形成されるように構成されているが、これ
ら光線遮断部13bおよび光線透過部13cの役割およ
び作用については後述するフォトリフレクタの項で詳し
く説明する。
【0057】15は1枚の兼用シャッタ羽根13Aを常
に閉じ方向(反時計方向)に付勢するための羽根閉じ捩
りばねで、この兼用シャッタ羽根13Aの枢軸14を巻
回するような状態で設けられると共に、その一端が第2
地板1Bに植設された掛止ピン36に掛止され、その他
端が兼用シャッタ羽根13Aの適宜個所に掛止されるよ
うに設けられている。
【0058】16は枢軸17により第1地板1A上にお
ける羽根開閉レバー6の近傍位置に往復回転可能に枢着
された係止レバーで、3つのアームが形成され、第2捩
りばね18の付勢力によって常に反時計方向に付勢され
るように構成されている。
【0059】そして、図の上方に位置する上方アームの
先端部16aは、第1地板1A上に固設されたストッパ
19に当接してこの係止レバー16の初期位置を設定す
るように構成され、また、図の下方に位置する下方アー
ムの先端部16bは、係止レバー16が初期位置に位置
しているときに、羽根開閉レバー6の被係止部6aの時
計方向への回転運動軌跡内に突出するように構成されて
いる。
【0060】この場合、羽根開閉レバー6と係止レバー
16との相対関係位置は、両者6,16がそれぞれの初
期位置に位置しているときには、羽根開閉レバー6の被
係止部6aと下方アーム先端部16bとの間に間隙△d
が存在するように、しかも、羽根開閉レバー6が基本駆
動部材2の往方向の回転に伴って枢軸7の回りを時計方
向に回転したときには、羽根開閉レバー6の被係止部6
aが下方アーム先端部16bの先端面によって係止され
得るような位置に設定されている。
【0061】ところで、図の中央に位置する中央アーム
の先端部16cは、基本駆動部材2の押動突起5の回転
運動軌跡内に突出するように形成されている。この場
合、押動突起5の回転運動軌跡内への中央アーム先端部
16cの突出量と基本駆動部材2の最大回転量(押動突
起5の最大移動量でもある)の相対関係は、次のように
設定されている。
【0062】(i) 基本駆動部材2が初期位置から兼
用シャッタ羽根13A,13Bの絞り開放位置に対応す
る位置(基本駆動部材2の最大回転量の位置)に向って
反時計方向に回転する過程では、先ず、押動突起5の押
動端部が係止レバー16の中央アーム先端部16cの時
計方向側に向いた側面を押し回して、第2捩りばね18
の付勢力に抗して係止レバー16を枢軸17の回りに時
計方向に回転させ、基本駆動部材2がこの位置から更に
自身の最大回転量の位置まで回転する間は、押動突起5
の進行方向への長突起形状を利用して、係止レバー16
の中央アーム先端部16cを押動突起5の半径方向の外
側面で保持して、係止レバー16を回転された姿勢にそ
のまま保持し得るような関係に設定するものとする。
【0063】(ii)基本駆動部材2が最大回転量の位置
から初期位置に向って時計方向に回転する過程では、係
止レバー16の中央アーム先端部16cが押動突起5の
外側を向いた側面から外れ、その後は、中央アーム先端
部16cが第2捩りばね18の付勢力により押動突起5
の時計方向への回転に追従して反時計方向に回転し、係
止レバー16を初期位置に復帰させ得るような関係に設
定するものとする。
【0064】20は3枚の兼用シャッタ羽根13A,1
3Bで形成されるトリガー及びピンホール位置(露光開
始の基準位置)を検出するためのフォトリフレクタで、
第1地板1Aに形成された四角開口部1cを覆うような
位置に設けられている。
【0065】このフォトリフレクタ20は、兼用シャッ
タ羽根13Aの方向に向って検出光を投射する適宜構造
の発光部と第2地板1Bに形成された四角凹部1c′の
底部に貼られた反射シート35からの反射光を受光する
適宜構造の反射式受光部とから成るそれ自体公知の構成
から成るフォトリフレクタとして構成され、その出力が
後述するCPU41に導入されるように構成されてい
る。
【0066】この場合、フォトリフレクタ20の検出光
投射光路と、1枚の兼用シャッタ羽根13Aの光線遮断
部13bおよび光線透過部13cと、フォトリフレクタ
20からCPU41に導入される信号との関係は、次の
ように設定されることになる。
【0067】(イ) 3枚の兼用シャッタ羽根13A,
13Bが各自の初期位置(絞り閉成位置)に在るときに
は、1枚の兼用シャッタ羽根13Aが、フォトリフレク
タ20の検出光投射光路から外れた個所に位置して、フ
ォトリフレクタ20の発光部からの検出光が、第1地板
1Aの四角開口部1c、兼用シャッタ羽根13Aの外方
空間部分を通過し、第2地板1Bに形成された四角凹部
1c′の底部に貼られた反射シート35で反射する。
【0068】この状態では、検出光の反射光が反射式受
光部に入射することになるから、フォトリフレクタ20
からCPU41に導入される信号は、3枚の兼用シャッ
タ羽根13A,13Bが初期位置に位置しているという
初期位置信号になる。
【0069】(ロ) 3枚の兼用シャッタ羽根13A,
13Bが初期位置から互いに開き方向に回転を始めて、
未だピンホール位置に達しない直前位置まで回転したと
きには、1枚の兼用シャッタ羽根13Aの光線遮断部1
3bがフォトリフレクタ20の検出光投射光路上に位置
して、発光部からの検出光を遮断し、この光線遮断部1
3bが低反射体であるので、検出光は全んど反射せず、
従って反射式受光部へは入射しない。
【0070】この状態では、フォトリフレクタ20から
CPU41に導入される信号は、3枚の兼用シャッタ羽
根13A,13Bがピンホール位置の直前まで開いたと
いうトリガー信号になる。
【0071】(ハ) 3枚の兼用シャッタ羽根13A,
13Bがピンホール位置まで開いたときには、1枚の兼
用シャッタ羽根13Aの光線透過部13cがフォトリフ
レクタ20の検出光投射光路上に位置して、フォトリフ
レクタ20の発光部からの検出光が、第1地板1Aの四
角開口部1c、兼用シャッタ羽根13Aの外方空間部分
を通過し、第2地板1Bの四角凹部1c′の底部に貼ら
れた反射シート35で反射する。
【0072】この状態では、検出光の反射光が反射式受
光部に入射することになるから、フォトリフレクタ20
からCPU41に導入される信号は、3枚の兼用シャッ
タ羽根13A,13Bがピンホール位置まで開いたとい
うトリガー信号になる。
【0073】(ニ) 3枚の兼用シャッタ羽根13A,
13Bがピンホール位置を越えて絞り開放位置まで開く
間は、1枚の兼用シャッタ羽根13Aの光線遮断部13
bが通過した後、兼用シャッタ羽根13B中の1枚の背
周部がフォトリフレクタ20の検出光投射光路を遮えぎ
るので、前記同様発光部からの検出光は反射式受光部へ
入射しない。
【0074】この状態では、フォトリフレクタ20から
CPU41に導入される信号は、3枚の兼用シャッタ羽
根13A,13Bが現在露光中であるという露光中信号
になる。
【0075】21は絞り優先制御用絞り開口設定手段を
構成するF値設定部材で、基本駆動部材2の裏面よりも
僅かに被写界側に寄った位置において第1地板1A上の
枢軸22により回転可能に軸支されるように構成され、
さらに、第3捩りばね23の付勢力により枢軸22の回
りを時計方向に回転させられるように構成されている。
【0076】このF値設定部材21は、図6および図7
にも示すように、その外周の一部領域に形成された小径
周面部21aと、これに引き続いた所定領域に形成され
たラチェット歯列21bと、このラチェット歯列21b
に引き続く絞り優先F値の設定範囲の領域にラチェット
歯列21bよりも高く形成された解除カム部21cと、
第1地板1Aに形成された連絡開口部1dを貫通して下
方に延びる絞り優先制御用絞りピン21dとを有するよ
うに構成されている。
【0077】この絞り優先制御用絞りピン21dは、一
方ではF値設定部材21の初期位置を設定する役割を担
当し、他方においては、兼用シャッタ羽根13Aの背周
面に当接して兼用シャッタ羽根13Aの回転量を規制す
る役割を担当するように構成されている。すなわち、
【0078】 (a) プログラム制御時には、絞り
優先制御用絞りピン21dが第3捩りばね23の付勢力
により連絡開口部1dの一方の端部1eに当接して、F
値設定部材21をその初期位置に設定する。
【0079】なお、この初期位置は、図4に示すよう
に、兼用シャッタ羽根13Aが絞り開放位置にまで回転
したときでも、兼用シャッタ羽根13Aの背周面が絞り
優先制御用絞りピン21dに接触しないような位置とし
て設定されることになる。
【0080】(b) 絞り優先制御時には、絞り優先制
御用絞りピン21dが、連絡開口部1dの一方の端部1
eに当接した位置から、先ず最も小さい絞り優先F値
(F4)に対応する絞り開口が得られる位置まで反時計
方向に回転移動し、それ以後、順次に大きい絞り優先F
値(最終はF16)に対応する絞り開口が得られる位置ま
で回転移動して、開き動作中の兼用シャッタ羽根13A
の背周面に当接してその開き動作をそれぞれの絞り優先
F値が得られる位置に強制的に停止させる。
【0081】(c) そのため、第1地板1Aの連絡開
口部1dは、絞り優先制御用絞りピン21dのこのよう
な2つの役割を果し得るような円弧状の開口部として形
成されることになる。
【0082】24は絞り優先作動部の一部分を構成する
作動カム部材で、F値設定部材21の上面に固定的に取
り付けられ、また、その一方の側面が後述する菱形状突
起30の先端内側面30aと係接し得る押し回しカム面
24aとして形成されている。なお、押し回しカム面2
4aと菱形状突起30の先端内側面30aとの関係につ
いては、「動作乃至作用の項」で詳述する。
【0083】25は第1地板1A上の枢軸26によって
回転可能に軸支されたラチェット爪レバーで、自身に植
立された掛止ピン27と第1地板1A上に植立された固
設ピン28との間に架張されたコイルばね29によっ
て、常に反時計方向(ラチェット爪25aがラチェット
歯列21bに係接する方向)に回転するように付勢され
ている。
【0084】このラチェット爪レバー25は、一方のア
ームの先端部がラチェット爪25aとして形成され、他
方のアームの先端部に絞り解除ピン25bを有するよう
に構成されている。
【0085】この絞り解除ピン25bは、ラチェット爪
25aがF値設定部材21の小径周面部21aおよびラ
チェット歯列21bに係接しているときには、菱形状突
起30の回動軌跡外の個所に位置し、ラチェット爪25
aがF値設定部材21の解除カム部21cに乗り上げて
いるときには、菱形状突起30の先端外側面30bの回
動軌跡内に位置して、菱形状突起30が阻止解除位置か
ら初期位置に向って反時計方向に回転移動したときに菱
形状突起30の先端外側面30bと係接するように構成
されている。
【0086】なお、絞り解除ピン25bと菱形状突起3
0の先端外側面30bとの関係については「動作乃至作
用の項」で詳述する。絞り優先作動部の一部分を構成す
る菱形状突起30は、基本駆動部材2の裏面に形成され
ている。そして、その先端部分(時計方向側の端部分)
には、上記したように互いに所定の鋭角で対峙する先端
内側面30aと先端外側面30bとが形成されている。
【0087】この菱形状突起30は、絞り優先制御に際
して基本駆動部材2がその初期位置から絞り優先F値の
設定範囲の回転量だけ復方向に回転したときには、その
先端内側面30aが初期位置に在るF値設定部材21上
の作動カム部材24の押し回しカム面24aに係接し
て、F値設定部材21(およびこれと一体の絞り優先制
御用絞りピン21d)を反時計方向に回転させるように
構成されている。
【0088】即ち、この回転動作により、そのときの絞
り優先F値を決定する絞り優先制御用絞りピン21dの
回転移動量を設定し得るように構成されている。しか
も、基本駆動部材2が、絞り優先制御の解除のためにそ
の初期位置から阻止解除位置まで時計方向に回転したと
きには、ラチェット爪レバー25のラチェット爪25a
がF値設定部材21の解除カム部21cに乗り上げ得る
回転位置までF値設定部材21を反時計方向に回転させ
得るように構成されている。
【0089】一方、基本駆動部材2が、初期位置から阻
止解除位置まで時計方向に回転した後に初期位置に復帰
する過程では、菱形状突起30の先端外側面30bがF
値設定部材21の解除カム部21cに乗り上げている状
態にあるラチェット爪レバー25の絞り解除ピン25b
に係接して、ラチェット爪レバー25をコイルばね29
の付勢力に抗して時計方向に回転させ、このときのラチ
ェット爪レバー25の回転動作によって、ラチェット爪
25aを解除カム部21cから離脱させて、第3捩りば
ね23の付勢力によりF値設定部材21をその初期位置
に回転復帰させ得るように構成されている。
【0090】31は基本駆動部材2を駆動するためのス
テッピングモータで、適宜の支持部材31aを介して鏡
胴固定部または第1地板1A上の適宜個所に取り付けら
れている。このステッピングモータ31は、後述するモ
ータドライバ44からのA相およびB相のパルスによっ
て正逆(往復)方向に駆動される。
【0091】32はこのステッピングモータ31の出力
軸に固定された出力ギア、33は第1地板1A上の枢軸
34により回転可能に軸支された減速2段ギアで、出力
ギア32に噛合する大径ギア33aと基本駆動部材2の
部分ギア部4に噛合する小径ギア33bとから構成され
ている。
【0092】図8に示すのは、図示実施例のカメラ用シ
ャッタ装置を作動させるための露出制御回路の構成を説
明するための回路図である。図8において、41は図示
実施例のカメラ用シャッタ装置を総合制御するためのC
PUで、入力ポート41a、出力ポート41b、記憶回
路、露出演算回路等を有し、Vcc1 なる定電圧を有する
基礎電源42により作動される。
【0093】この場合、記憶回路には、プログラム制御
モードを実行するための制御シーケンス、絞り優先制御
モードを実行するための制御シーケンス、絞り優先制御
モードを解除するための絞り優先解除モードを実行する
ための解除シーケンスが記憶されている。
【0094】そして、露出演算回路は、後述する測光手
段43からの測光情報並びにフィルム感度値情報に基づ
いて、プログラム制御モードの場合には、例えば図9に
示すようなプロクラム線図に則った適正シャッタ秒時が
得られるような露出演算を実行するように構成され、ま
た、絞り優先制御モードの場合には、必要数の絞り優先
F値例えばF4 ,F5.6 ……F16とこれらの絞り優先F
値に対応する適正シャッタ秒時とが得られるような露出
演算を実行するに構成されている。
【0095】この場合、プログラム制御モードでは、ス
テッピングモータ31に対して初期位置から正方向に付
与される適正露出実現パルス数(正方向の回転数乃至回
転角)として演算されるように構成されることになる。
【0096】また、絞り優先制御モードでは、ステッピ
ングモータ31に対して初期位置から逆方向に付与され
る絞り優先F値実現パルス数として演算されるように構
成されることになる。
【0097】また、絞り優先解除モードのときには、ス
テッピングモータ31に対して初期位置から逆方向に付
与される所定数のパルス数として設定されるように構成
されることになる。
【0098】この所定数のパルス数は、基本駆動部材2
が光軸Oを中心としてその初期位置から絞り優先F値の
設定範囲を超えて設定された阻止解除位置まで復方向に
回転し得る逆方向のパルス数、即ち、基本駆動部材2の
菱形状突起30がラチェット爪レバー25の絞り解除ピ
ン25bと係接して、ラチェット爪レバー25のラチェ
ット爪25aがF値設定部材21の解除カム部21cか
ら外れるまで、ラチェット爪レバー25を時計方向に回
転させ得る逆方向パルス数として設定されるように構成
されている。
【0099】一方、プログラム制御モードの制御シーケ
ンスは、ステッピングモータ31を、先ず初期位置から
正方向に羽根開閉レバー6の係止レバー16による係止
が解除されるパルス数だけ回転させ、所定の露光動作が
終了した後に、正方向回転後の状態から初期位置に向っ
て適正露出実現パルス数と同数のパルス数だけ逆方向に
回転させるように構成されている。
【0100】また、絞り優先制御モードの制御シーケン
スは、ステッピングモータ31を先ず初期位置から逆方
向に絞り優先F値実現パルス数だけ回転させ、引き続い
て、逆方向回転後の状態から初期位置に向って絞り優先
F値実現パルス数と同数のパルス数だけ正方向に回転さ
せてステッピングモータ31を初期位置に復帰させる。
【0101】更に、初期位置から正方向に絞り開放位置
(最大絞り開口位置)を実現するのに必要なパルス数だ
け回転させ、所定の露光動作が終了した後に、正方向回
転後の状態から初期位置に向って絞り開放位置を実現し
たパルス数と同数のパルス数だけ逆方向に回転させるよ
うに構成されている。
【0102】この場合、絞り優先F値を実現する絞り開
口の設定に際しては、小さい絞り優先F値(F4 )に対
応する絞り開口の設定から大きい絞り優先F値(F16
に対応する絞り開口の設定に向うという順序になるよう
に構成されている。
【0103】即ち、基本駆動部材2が初期位置から復方
向に回転動作する過程において、小さい回転角度で小さ
い絞り優先F値に対応する絞り開口が設定され、順次に
大きい回転角度で大きい絞り優先F値に対応する絞り開
口が設定されるように構成されている。
【0104】また、絞り優先解除モードの制御シーケン
スは、絞り優先制御からプログラム制御に切換えられた
とき、並びに、絞り優先制御において大きい絞り優先F
値による前回撮影後に小さい絞り優先F値が設定された
ときに、ステッピングモータ31を先ず初期位置から逆
方向に絞り解除に必要な所定数のパルス数だけ回転さ
せ、その後直ちに逆方向回転後の状態から初期位置に向
って上記所定数のパルス数だけ正方向に回転させるよう
に構成されている。
【0105】即ち、プログラム制御または絞り優先制御
の実行に先立って基本駆動部材2を初期位置から阻止解
除位置まで復方向に回転し、その後、基本駆動部材2を
初期位置に復帰し得るように構成されている。
【0106】なお、図示実施例では、ステッピングモー
タ31に付与されるパルスをA相パルスおよびB相パル
スの組み合わせパルスとして形成し、また、それぞれの
段階で付与されるパルス数およびパルス幅については、
設計の段階において適宜に決定されるべき性格のものと
して扱っている。
【0107】一方、シャッタ秒時については、両制御モ
ードとも1枚の兼用シャッタ羽根13Aがトリガー位置
に位置したときから起算される時間として演算されるよ
うに構成されている。
【0108】43は、例えばCd Sやフォトトランジス
タのような受光素子を用いて被写体輝度または被写界輝
度を測光してその光電情報をCPU41に入力する測光
手段で、基礎電源42により作動される。
【0109】44はステッピングモータ31を正逆(往
復)方向に駆動するためのモータドライバで、CPU4
1の出力ポート41bに接続され、Vcc2 なる定電圧を
有する専用の駆動電源45により作動される。
【0110】この場合、CPU41からプログラム制御
モードの制御シーケンスを実行せよとの指令が出された
ときには、図11に示すようなA相パルスおよびB相パ
ルスの組合せ出力によってステッピングモータ31を駆
動するように構成され、また、CPU41から絞り優先
制御モードの制御シーケンスを実行せよとの指令が出さ
れたときには、図12に示すようなA相パルスおよびB
相パルスによってステッピングモータ31を駆動するよ
うに構成されている。
【0111】更に、CPU41から解除シーケンスを実
行せよとの指令が出されたときには、図13に示すよう
なA相パルスおよびB相パルスによってステッピングモ
ータ31を駆動するように構成されている。
【0112】46および47はプログラム制御用端子お
よび絞り優先制御用端子群で、それぞれの端子群46、
47の一端部は、いずれもCPU41の入力ポート41
aに接続されている。
【0113】そして、プログラム制御用端子46には、
プログラム制御を実現するための入力信号を形成する抵
抗R1 が接続され、また、絞り優先制御用端子群47の
それぞれの端子には、所要の絞り開口値例えばF4 ,F
5.6 ……F16を実現するための各入力信号を形成する抵
抗R2 ,R3 ……Rn が接続されるように構成されてい
る。
【0114】この場合、絞り優先制御用端子群47は、
例えば後述する制御モード選択ブラシ48との関係にお
いて、小さい絞り優先F値(F4 )に対応する絞り開口
から大きい絞り優先F値(F16)に対応する絞り開口が
得られるような順序に設定されるように構成されてい
る。なお、これらの抵抗R1 〜Rn は、それぞれの端子
46、47と基礎電源42のVcc1 端子との間に接続さ
れている。
【0115】プログラム制御用端子46および絞り優先
制御用端子群47を選択するための制御モード選択ブラ
シ48は、その固定端が基礎電源42のグランドレベル
側に接続され、移動端がそれぞれの端子群46、47の
他端部(選択端部)に接触し得るように構成されてい
る。
【0116】この制御モード選択ブラシ48は、カメラ
に設けられた適宜のマニュアル操作部材(図示なし)に
より選択操作されるように構成されている。そして、こ
れら端子群46,47および選択ブラシ48から成る制
御モード選択回路をもって絞り制御選択手段を構成す
る。
【0117】図10に示すのは、図8の制御モード選択
回路の変形として構成された変形制御モード選択回路を
示す部分回路図で、図中、48′は固定端がCPU41
のA/D変換手段付き入力ポート41a′に接続された
変形制御モード選択ブラシで、その移動端が、前述した
プログラム制御用端子46および絞り優先制御用端子群
47の変形物として構成された円弧型の可変抵抗器49
に常時摺接するように構成されている。
【0118】この可変抵抗器49は、例えば、変形モー
ド選択ブラシ48′の移動端が最もグランドレベル側に
寄った個所に位置しているときに、例えばプログラム制
御を実現するための入力信号がA/D変換手段付き入力
ポート41a′に入力されるように、また、変形モード
選択ブラシ48′の移動端が最も基礎電源42の定電圧
Vcc1 側に寄った個所に位置しているときに、F16の絞
り値に相当する絞り優先制御を実現するための入力信号
が入力ポート41aに入力されるように構成されてい
る。
【0119】なお、この可変抵抗器49の抵抗値の順序
もまた、前述したプログラム制御用端子46の絞り優先
制御用端子群の場合の順序と同様に設定されるように構
成されている。
【0120】以下、このように構成された図示実施例の
カメラ用シャッタ装置の動作ないし作用について制御モ
ード毎に説明する。カメラ用シャッタ装置が初期状態に
あるときには、ステッピングモータ31が初期位置の状
態に置かれ、基本駆動部材2、羽根開閉レバー6、羽根
開閉リング10、兼用シャッタ羽根13A,13B、係
止レバー16、F値設定部材21、ラチェット爪レバー
25の各部材が、それぞれ図1に示す初期位置に位置す
るように設定されている。
【0121】この場合、CPU41には、フォトリフレ
クタ20から初期位置信号が入力されるから、CPU4
1は、カメラ用シャッタ装置が作動状態に在ることを確
認して所定の作動を開始することになる。
【0122】[プログラム制御モードの場合]カメラ用
シャッタ装置をプログラム制御モードで作動させるとき
には、マニュアル操作部材を操作して制御モード選択ブ
ラシ48の移動端をプログラム制御用端子46に接続
し、この状態でシャッタレリーズを行うことにより実行
する。
【0123】シャッタレリーズが行われると、CPU4
1は、図14に示すフローチャートのように、先ずカメ
ラ用シャッタ装置の制御モードが絞り優先制御モードに
在るか否かを判別し、制御モード選択ブラシ48の移動
端がプログラム制御用端子46に接続されていることを
確認してから、モータドライバ44に対してプログラム
制御モードに則ったモータ駆動を実行せよとの指令を発
する。
【0124】このとき、CPU41は、先ず基本駆動部
材2を初期位置から阻止解除位置まで復方向に回転さ
せ、その後直ちに阻止解除位置から初期位置に復帰させ
るように制御することになるが、この件については、
「絞り優先解除モードの場合」の項において詳しく説明
する。
【0125】このような絞り優先解除モードの解除シー
ケンスの実行を経た後、CPU41は、モータドライバ
44に対して、ステッピングモータ31を羽根開閉レバ
ー6の係止レバー16による係止が解除されるパルス数
だけ正方向に回転せよとの指令を発し、続いて被写体輝
度に適合した時間後に逆方向に回転せよとの指令を出
す。(図11参照) そのため、ステッピングモータ31は、初期位置から正
方向に回転して、その回転力を出力ギア32→減速2段
ギア33の大径ギア33a→小径ギア33bを介して基
本駆動部材2の部分ギア部4に伝達し、基本駆動部材2
を初期位置から往方向(反時計方向)に回転させる。
【0126】さて、基本駆動部材2が往方向に回転を始
めると、基本駆動部材2上のカム突起3も一体になって
同方向に移動するから、今迄カム突起3のカム頂部3a
によってその初期位置に保持されていた羽根開閉レバー
6の被係止部6aがカム頂部3aから外れ、第1捩りば
ね8の付勢力により時計方向に△dに相当する角度だけ
回転して、図15に示すように係止レバー16の下方ア
ーム先端部16bの先端面に係接する。
【0127】そして、その後の基本駆動部材2の回転過
程で、基本駆動部材2の押動突起5が係止レバー16の
中央アーム先端部16cの時計方向側に向いた側面に係
接して、係止レバー16を第2捩りばね18の付勢力に
抗して枢軸17の回りに時計方向に押し回す。
【0128】すると、係止レバー16の下方アーム先端
部16bが羽根開閉レバー6の被係止部6aの回転運動
軌跡から外れることになるから、羽根開閉レバー6は、
その時点で第1捩りばね8の付勢力により時計方向に急
速に回転し得る状態となる。
【0129】この場合、基本駆動部材2がこの位置から
兼用シャッタ羽根13A,13Bが絞り開放位置まで往
方向に回転する間中、扁平状に形成された押動突起5の
半径方向の外側面が係止レバー16の中央アーム先端部
16cの先端部を押し回し状態で保持して、係止レバー
16を押し回した姿勢に保持することになる。
【0130】ところで、初期位置から往方向に回転を始
めた基本駆動部材2は、羽根開閉レバー6の係止レバー
16による係止が解除される位置にくるとその時々の被
写体輝度に適合した時間後に今度は復方向に回転し、カ
ム突起3が羽根開閉レバー6の被係止部6aに当接する
(図16参照)。
【0131】従って、羽根開閉レバー6の時計方向への
回転角は、羽根開閉レバー6の被係止部6aが係止レバ
ー16の下方アーム先端部16bの先端面に阻止された
位置から絞りカム面3cの特定点で停止するまでの角度
となる。
【0132】そして、この羽根開閉レバー6の回転量
(回転角)が、このときの被写体輝度に適合する適正露
出に対応した絞り開口を形成するときの絞り回転量とな
るから、絞りカム面3cのカム形状は、その時々の被写
体輝度に対応して変化するステッピングモータ31の回
転量と適正露出に対応した絞り開口を形成するときの機
械的寸法とを考慮して形成するものとする。
【0133】さて、羽根開閉レバー6が適正露出に対応
する絞り回転量だけ時計方向に回転すると、U字溝6b
と連動ピン11を介して羽根開閉レバー6に連動してい
る羽根開閉リング10が、第1捩りばね8の付勢力によ
り光軸Oの回りを羽根開閉レバー6の絞り回転量に対応
した回転角だけ反時計方向に回転し、制御カム溝13a
および絞りピン12から成る伝達機構を介してその回転
動作を3枚の兼用シャッタ羽根13A,13Bに伝達す
る。
【0134】その結果、図5に示す初期位置に在った3
枚の兼用シャッタ羽根13A,13Bは、各自の枢軸1
4を中心として羽根開閉レバー6の回転量に対応した角
度だけ互いに初期位置から時計方向に回転して、そのと
きの被写体輝度に対応した適正絞り開口を形成すること
になる。
【0135】この場合、被写体(被写界)が低輝度であ
る場合には、当然のことながら基本駆動部材2の往方向
の回転終了位置から復方向の回転開始までの時間が長く
なるから羽根開閉レバー6の被係止部6aが、図26に
示すように、第1捩りばね8の付勢力により基本駆動部
材2のカム突起3のカム底部3bの位置まで回転して、
3枚の兼用シャッタ羽根13A,13Bを図4に示す絞
り開放位置にまで開くことになる。
【0136】なお、このときには、F値設定部材21に
設けられた絞り優先制御用絞りピン21dが、第3捩り
ばね23の付勢力により、兼用シャッタ羽根13Aの絞
り開放位置よりも外側個所(連絡開口部1dの一方の端
部1eに当接した個所)に位置しているので、兼用シャ
ッタ羽根13A,13Bは絞り開放位置にまで開くこと
が可能になる。
【0137】一方、3枚の兼用シャッタ羽根13A,1
3Bが、各自の初期位置からそのときの適正露出に対応
する絞り開口の位置まで回転する過程で、1枚の兼用シ
ャッタ羽根13Aがピンホール位置の直前位置まで回転
する。
【0138】すると、兼用シャッタ羽根13Aの光線遮
断部13bがフォトリフレクタ20の検出光投射光路を
遮断して、トリガー信号をフォトリフレクタ20からC
PU41に出力し、次いで、1枚の兼用シャッタ羽根1
3Aがピンホール位置まで回転する。
【0139】すると、兼用シャッタ羽根13Aの光線透
過部13cがフォトリフレクタ20の検出光投射光路上
に位置して、トリガー信号をフォトリフレクタ20から
CPU41に出力し、更に、1枚の兼用シャッタ羽根1
3Aがピンホール位置を越えて適正露出に対応する絞り
開口の位置まで回転すると、露光中信号をフォトリフレ
クタ20からCPU41に出力することは前述した通り
である。
【0140】このとき、CPU41は、フォトリフレク
タ20からトリガー信号が出力されたこの時点で、この
ときの適正露出値と組み合わされる適正シャッタ秒時の
カウントを開始する。
【0141】この場合、被写体が高輝度の場合には、適
正シャッタ秒時が図17の開口波形(小さい三角波形)
PA-Hを形成するような秒時に設定され、被写体が中間
輝度の場合には、適正シャッタ秒時が開口波形(大きい
三角波形)PA-Mを形成するような秒時に設定され、被
写体が低輝度の場合には、適正シャッタ秒時が開口波形
(台形波形)PA-Lを形成するような秒時に設定される
ことになる。
【0142】そして、その時々の適正露出に対応した適
正シャッタ秒時が経過すると、CPU41は、モータド
ライバ44に対してステッピングモータ31を初期位置
まで反転させよ、との指令を発するから、モータドライ
バ44は、この時点でステッピングモータ31に対して
前述の正方向パルス数と同数の逆方向パルスを付与して
ステッピングモータ31を反転させることになる。
【0143】従って、基本駆動部材2は、適正露出に対
応する絞り開口を形成した位置から初期位置に向って復
方向に回転し、これに伴って羽根開閉レバー6も第1捩
りばね8の付勢力に抗して反時計方向に回転して羽根開
閉リング10を時計方向に回転させる。
【0144】これにより、3枚の兼用シャッタ羽根13
A,13Bは、羽根開閉レバー6のU字溝6bと連動ピ
ン11との連動機構を介して適正露出に対応する絞り開
口の位置から閉じ方向にそれぞれ回転することになる。
即ち、閉じ動作を開始することになる(図19参照)。
【0145】さて、基本駆動部材2が復方向に回転する
過程では、先ず係止レバー16を押し回し姿勢に保持し
ていた押動突起5が係止レバー16の中央アーム先端部
16cに対する係接状態を解除し、その後、中央アーム
先端部16cから離れて行くから、係止レバー16は、
中央アーム先端部16cに対する係接状態が解除された
時点で第2捩りばね18の付勢力によってその初期位置
へと復帰する。
【0146】一方、基本駆動部材2が復方向に回転する
ときには、カム突起3の絞りカム面3cが、第1捩りば
ね8の付勢力に抗して羽根開閉レバー6の被係止部6a
を反時計方向に押し上げて行くが、係止レバー16がそ
の初期位置に復帰した時点では、羽根開閉レバー6の被
係止部6aが未だ基本駆動部材2のカム突起3のカム頂
部3aに達していない(図20参照)。
【0147】そのため、羽根開閉レバー6の被係止部6
aは、その外側面で係止レバー16の下方アーム先端部
16bを時計方向に僅かに押し上げながらカム頂部3a
に達して初期位置に復帰することになる。即ち、カム突
起3の絞りカム面3cは、羽根開閉レバー6の被係止部
6aをその初期位置に復帰させ得る復帰用斜面として働
くことになる(図21参照)。
【0148】又、前記Δdは羽根開閉レバー6の被係止
部6aと係止レバー16の下方アーム先端部16bが入
れ替わる為のクリアランスである。そして、このような
経過の後、基本駆動部材2、羽根開閉レバー6、羽根開
閉リング10は、それぞれの初期位置に復帰し、3枚の
兼用シャッタ羽根13A,13Bも絞り閉成位置に復す
ることになる(図1参照)。
【0149】なお、プログラム制御モードをそのまま続
けるときには、図14に示すフローチャートの解除シー
ケンスを不用化してもよく、絞り優先解除モードの動
作、即ち、基本駆動部材2を初期位置から阻止解除位置
まで復方向に回転させその後直ちに阻止解除位置から初
期位置に復帰させるという前提動作を行わずに、直接、
基本駆動部材2を初期位置からそのときの被写体輝度に
対応した適正露出に対応する絞り開口を形成し得る位置
に往方向に回転し、露光終了後に、初期位置に向って復
方向に回転するように制御されることになる。勿論、プ
ログラム制御動作の前に先立って、必らず解除シーケン
スを実行するように構成することもできる。
【0150】[絞り優先制御モードにおいて、設定しよ
うとする絞り優先F値が前回撮影時に設定された絞り優
先F値よりも大きい場合]カメラ用シャッタ装置を絞り
優先制御モードで作動させるときには、マニュアル操作
部材を操作して、制御モード選択ブラシ48の移動端を
絞り優先制御用端子群47の内の所望の端子例えばF
5.6 の端子に接続し、この状態でシャッタレリーズを行
うことにより実行する。
【0151】シャッタレリーズが行われると、CPU4
1は、図14のフローチャートに示すようにカメラ用シ
ャッタ装置の制御モードが絞り優先制御モードに在るか
否かを判別し、制御モード選択ブラシ48の移動端が絞
り優先制御用端子群47のいずれかの端子にに接続され
ていることを確認してから、モータドライバ44に対し
て絞り優先制御モードに則ったモータ駆動を実行せよと
の指令を発する。
【0152】なお、図示実施例では、所望の絞り優先F
値を設定するときに、図14に示すように、先ずこのカ
メラ用シャッタ装置が備えている最小のF値(F2.8
から順次に検索して所望の絞り優先F値を得るように構
成されている。
【0153】さて、モータドライバ44は、図12に示
すような、例えばF5.6 の絞り開口値を実現するのに必
要な逆方向(時計方向)の絞り優先F値実現パルス数
(A相およびB相から成るパルス数)をステッピングモ
ータ31に付与して、ステッピングモータ31を初期位
置から逆方向に回転させ、その回転力を出力ギア32→
部分ギア部4を介して基本駆動部材2に伝達して、基本
駆動部材2をこのときの絞り優先F値実現パルス数に対
応した回転量だけ初期位置から復方向(時計方向)に回
転させる。
【0154】そして、基本駆動部材2が復方向に回転を
始めると、基本駆動部材2上の菱形状突起30も一体と
なって同方向に回転移動し、図22に示すように、その
先端内側面30aをもって、作動カム部材24の押し回
しカム面24aを第3捩りばね23の付勢力に抗して反
時計方向に押し回すことになる。
【0155】従って、作動カム部材24と一体に回転す
るように構成されたF値設定部材21が、枢軸22を中
心として反時計方向に回転し、これに伴って、今迄連絡
開口部1dの一方の端部1eに当接していた絞り優先制
御用絞りピン21dも連絡開口部1d内を反時計方向に
回転移動して、兼用シャッタ羽根13Aの開き運動軌跡
内に突出して行く。
【0156】このとき、絞り優先制御用絞りピン21d
の回転移動後の位置が設定すべきその時々の絞り優先F
値に対応する兼用シャッタ羽根13Aの開き位置になる
ように、予め、菱形状突起30の押し回し量とF値設定
部材21との回転量(角)との相対運動関係を作動カム
部材24の押し回しカム面24aのカム量によって決定
するようにして置けば、絞り優先制御用絞りピン21d
はそのときの絞り優先F値であるF5.6 を実現し得る位
置に回転移動することになる。
【0157】ところで、基本駆動部材2が復方向に回転
する過程では、今迄F値設定部材21の小径周面部21
aに圧接していたラチェット爪レバー25のラチェット
爪25aとF値設定部材21のラチェット歯列21bと
が互いに係脱しながら相対回転移動する状態下において
F値設定部材21が回転する。
【0158】そして、F値設定部材21が絞り優先F値
実現パルス数に対応した回転量だけ回転すると、その時
点で、CPU41がモータドライバ44に対して、ステ
ッピングモータ31をこのときの絞り優先F値実現パル
ス数と同数のパルス数だけ逆方向に回転せよとの指令を
発するから、ステッピングモータ31は、正方向に回転
して基本駆動部材2を回転後の位置から初期位置に向っ
て往方向に回転させる。
【0159】このとき、ラチェット爪レバー25のラチ
ェット爪25aが、コイルばね29の付勢力によりF値
設定部材21のラチェット歯列21bの特定の1歯(絞
り優先F値実現パルス数に対応したF値設定部材21の
回転位置に位置する歯)に食い込むことになるから、F
値設定部材21は、ラチェット爪25aによりこの位置
で強制的に係止され、絞り優先制御用絞りピン21dを
このときの回転位置に停止せしめる。
【0160】さて、基本駆動部材2がその初期位置にま
で回転復帰する過程では、ラチェット爪レバー25の絞
り解除ピン25bが、図1に示す初期位置に位置してい
るため、菱形状突起30は、その先端外側面30bが絞
り解除ピン25bと係接しない状態のまま初期位置に復
帰する。
【0161】基本駆動部材2が、初期位置に復帰する
と、その時点で、CPU41がモータドライバ44に対
して、ステッピングモータ31を初期位置から絞り開放
位置(最大絞り開口位置)を実現するのに必要なパルス
数だけ正方向に回転させよとの指令を発するから、ステ
ッピングモータ31は、このパルス数だけ正方向に回転
して基本駆動部材2を初期位置から往方向に向って絞り
開放位置まで回転させることになる。
【0162】ところで、基本駆動部材2が往方向に向っ
て回転すると、「プログラム制御モード」の項で説明し
た通り、羽根開閉レバー6、羽根開閉リング10、連動
ピン11、絞りピン12、兼用シャッタ羽根13A,1
3B、係止レバー16等の各部材が、兼用シャッタ羽根
13A,13Bを絞り開放位置に向って回転させるよう
に動作する。
【0163】しかし、前述したように、絞り優先制御用
絞りピン21dが、1枚の兼用シャッタ羽根13Aの開
き運動軌跡内に突出しているので、図25に示すよう
に、兼用シャッタ羽根13Aの背面はこの絞り優先制御
用絞りピン21dに当接し、第1捩りばね8の付勢力に
抗して兼用シャッタ羽根13Aの開き動作をこの時点で
中止することになる。
【0164】従って、兼用シャッタ羽根13Aは、この
ときの絞り開口位置で停止することになるが、この兼用
シャッタ羽根13Aの停止に伴って、兼用シャッタ羽根
13Aに形成された制御カム溝13aとこれに嵌入して
いる絞りピン12も停止することになるから、羽根開閉
リング10の絞り開放方向(反時計方向)への回転動作
も、停止した制御カム溝13aおよび絞りピン12を介
して強制的に停止させられることになる。
【0165】この結果、他の2枚の兼用シャッタ羽根1
3Bも、兼用シャッタ羽根13Aと同じ絞り開口位置に
停止し、ここに、3枚の兼用シャッタ羽根13A,13
Bは、所望の絞り優先F値を実現する絞り開口に設定さ
れることになる。
【0166】即ち、図示実施例のカメラ用シャッタ装置
では、基本駆動部材2が、絞り開放位置に対応する最大
位置まで回転し得るように、且つ、これに伴って羽根開
閉レバー6の被係止部6aが、図26に示すように、第
1捩りばね8の付勢力により基本駆動部材2のカム突起
3のカム底部3bの位置まで回転し得るように構成され
ているにも拘らず、絞り優先制御モードのときには、こ
のときの羽根開閉リング10の回転運動(羽根開閉レバ
ー6の回転運動でもある)を絞り動作の途中位置で強制
的に停止させるようしている。
【0167】そして、このときには、羽根開閉レバー6
の被係止部6aがカム突起3の絞りカム面3cから浮き
上がった状態に保持されることになるので、基本駆動部
材2の回転運動と羽根開閉リング10の回転運動との間
の機械的な干渉は生じないことになる。
【0168】一方、絞り優先制御モードのときには、C
PU41の露出演算回路が、このときの絞り優先F値
(F5.6 )に対応する適正シャッタ秒時を演算して制御
シーケンスに付与するから、所望の絞り開口が設定され
ると、CPU41は、フォトリフレクタ20からトリガ
ー信号が入力された時点でこのときの絞り優先F値に対
応した適正シャッタ秒時のカウントを開始する。なお、
このときの開口波形は、通常台形波形となる。
【0169】そして、この適正シャッタ秒時による露光
動作が終了すると、モータドライバ44が前述した絞り
開放位置を実現するのに必要なパルス数と同数の逆方向
のパルス数をステッピングモータ31に付与するから、
ステッピングモータ31は、F5.6 の絞り開口に対応す
る回転位置から初期位置に向って基本駆動部材2を復方
向に回転させてその初期位置に復帰させることになる。
【0170】なお、既に小さい絞り優先F値が設定され
ている場合には、F値設定部材21がこの小さい絞り優
先F値に対応した回転角度位置に停止しているので、基
本駆動部材2上の菱形状突起30は、このときのF値設
定部材21の位置までは無負荷で回転し、その後に、F
値設定部材21上の作動カム部材24に当接して、F値
設定部材21を目的とする絞り優先F値(既に設定され
ている小さい絞り優先F値よりも大きい絞り優先F値)
に対応した回転角度位置に設定することになる。
【0171】[絞り優先解除モードの場合]前述したよ
うにプログラム制御モードの場合には、先ずカメラ用シ
ャッタ装置の制御モードが絞り優先制御モードに在るか
否かを判別し、制御モード選択ブラシ48の移動端がプ
ログラム制御用端子46に接続されていることを確認し
てから、モータドライバ44に対してプログラム制御モ
ードに則ったモータ駆動を実行せよとの指令を発する。
【0172】従って、モータドライバ44は、図13に
示すように、先ずステッピングモータ31に対して逆方
向に所定数のパルスを付与し、引き続いて正方向にこの
所定数と同数のパルスを付与する。
【0173】そのため、ステッピングモータ31は、付
与されたパルス数だけ逆方向に回転してその回転力を出
力ギア32→部分ギア部4を介して基本駆動部材2に伝
達し、基本駆動部材2を光軸Oを中心として初期位置か
ら解除作用位置まで復方向に回転させる。
【0174】このとき、[絞り優先制御モードの場合]
で説明したように、基本駆動部材2が解除作用位置に向
って復方向(時計方向)に回転すると、先ず図22に示
すように、基本駆動部材2上の菱形状突起30の先端内
側30aが作動カム部材24の押し回しカム面24aを
押し回して、F値設定部材21をラチェット歯列21b
の領域まで反時計方向に回転させる。
【0175】更に、図23に示すように、ラチェット爪
レバー25のラチェット爪25aが解除カム部21c上
に乗り上げるまでF値設定部材21を回転させるから、
ラチェット爪レバー25は、コイルばね29の付勢力に
抗して枢軸26の回りを時計方向に解除カム部21cの
カム量に相当する角度だけ回転してその姿勢を保持す
る。そして、この状態においてはラチェット爪レバー2
5の絞り解除ピン25bが菱形状突起30の先端外側面
30bの回転移動軌跡内に突出する姿勢となる。
【0176】さて、この状態において、モータドライバ
44がステッピングモータ31に対して逆方向に所定数
と同数のパルスを付与すると、菱形状突起30(基本駆
動部材2)は解除作用位置から初期位置に向って反時計
方向に回転移動する。
【0177】この回転移動の途中において、図24に示
すように、菱形状突起30の先端外側面30bが絞り解
除ピン25bに係接してこれを時計方向に押し回すこと
になる。
【0178】そのため、ラチェット爪レバー25も時計
方向に回転してこの回転動作によりラチェット爪25a
を解除カム部21cから離脱させるから、F値設定部材
21は、第3捩りばね23の付勢力によりその初期位置
に回転復帰する。
【0179】このとき、絞り解除ピン25bもこれに伴
って連絡開口部1dの一方の端部1eに当接するまで復
帰するから、これ以後は、兼用シャッタ羽根13A,1
3Bが最大絞り開口の位置まで開くことが可能になり、
カメラ用シャッタ装置はプログラム制御モードを実行し
得る状態となる。
【0180】[絞り優先制御モードにおいて、設定しよ
うとする絞り優先F値が前回撮影時に設定された絞り優
先F値よりも小さい場合]図示実施例のカメラ用シャッ
タ装置においては、目的とする絞り優先F値の選択に当
って、その順序を小さい絞り優先F値から大きい絞り優
先F値に向うように順次設定してあるため、前回撮影時
に大きい絞り優先F値を設定したときには、F値設定部
材21がその初期位置から大きく反時計方向に回転した
角度位置に位置することになる。
【0181】従って、この状態において、基本駆動部材
2を小さい絞り優先F値が得られる位置まで復方向に回
転させても、基本駆動部材2上の菱形状突起30がF値
設定部材21上の作動カム部材24に当接しないことに
なる。
【0182】即ち、目的とする絞り優先F値が前回撮影
時に設定された絞り優先F値よりも小さい場合には、F
値設定部材21(絞り優先制御用絞りピン21d)の回
転角度位置が変らないことになってカメラ用シャッタ装
置は、常に前回撮影時に設定された絞り優先F値の状態
のままとなる。
【0183】そのため、設定しようとする絞り優先F値
が前回撮影時に設定された絞り優先F値よりも小さいケ
ースでは、前回撮影時に設定された大きい絞り優先F値
を事前に解除する必要が生じる。
【0184】このときの解除動作は、前述の[絞り優先
解除モードの場合]の解除動作と同じであるので、絞り
優先制御モードにおいて、設定しようとする絞り優先F
値が前回撮影時に設定された絞り優先F値よりも小さい
場合には、CPU41内に前回撮影時の絞り優先F値を
記憶させ且つこの前回撮影時の絞り優先F値と今回撮影
時の絞り優先F値とを比較し得るように構成して、絞り
優先制御モードのときには、この比較結果に基づいて、
絞り優先制御モードの制御シーケンスの実行前に絞り優
先解除モードを行うようにしたり、または、絞り優先解
除モードを省くようにする。
【0185】即ち、図示実施例では、絞り優先制御モー
ドの際に前回撮影時の絞り優先F値と今回撮影時の絞り
優先F値とを比較して、「設定しようとする絞り優先F
値が前回撮影時に設定された絞り優先F値よりも大きい
場合」と「設定しようとする絞り優先F値が前回撮影時
に設定された絞り優先F値よりも小さい場合」とを使い
分けるように予め構成して置くものとする。
【0186】なお、絞り優先制御モードに際して、常
に、絞り優先制御モードの制御シーケンスの実行前に絞
り優先解除モードを行うようにカメラ用シャッタ装置を
構成したときには、制御モード選択ブラシ48による絞
り優先F値の選択順序は、任意の順序に決定することが
出来ることになる。
【0187】ところで、基本駆動部材2と羽根開閉リン
グ10を第1地板1Aの円筒部1aに相対回転可能に装
着する方法としては、種々の構造のものが考えられる
が、図示実施例では、図27および図28に示すよう
に、両部材2、10をバヨネット組立て方法で第1地板
1Aの円筒部1aに装着するように構成されている。
【0188】図27、図28において、51および52
は、第1地板1Aの円筒部1aの外周面に形成された合
計3組のバヨネット爪群である。
【0189】これらのバヨネット爪群は、いずれも、平
面的には、円筒部1aの円周を適宜に3個所の位置(例
えば3等分した位置)に、また、光軸方向には、円筒部
1aのフィルム面方向に向いた端面53から遠い個所に
位置する内側のバヨネット爪51と、この端面53と同
一面の形成された外側のバヨネット爪52との間に所定
の間隔を有するような状態に構成され、更に、1組を形
成する2つのバヨネット爪51、52の間に平面的に所
定の角度を有するようにも構成されている。
【0190】この場合、2つのバヨネット爪51、52
の光軸方向への間隔は、基本駆動部材2が自由に回転し
得るような値に設定され、また、内側のバヨネット爪5
1と第1地板1Aとの光軸方向への間隔は羽根開閉リン
グ10が自由に回転し得るような値に設定されている。
【0191】一方、羽根開閉リング10の側には、内側
のバヨネット爪51の形成位置に対応する3個所に3個
のバヨネット孔54が形成され、また、基本駆動部材2
の側にも外側のバヨネット爪52の形成位置に対応する
3個所に3個のバヨネット孔55が形成されている。
【0192】なお、羽根開閉リング10の3個のバヨネ
ット孔54は内側のバヨネット爪51および外側のバヨ
ネット爪52より大き目に形成され、また、基本駆動部
材2のバヨネット孔55は外側のバヨネット爪52より
大き目に形成されることになる。
【0193】さて、羽根開閉リング10および基本駆動
部材2を第1地板1Aの円筒部1aに装着するときに
は、先ず、羽根開閉リング10の3個のバヨネット孔5
4を3個所の外側のバヨネット爪52の位置に合わせて
から両者52、54を被写界方向に相対的に移動させ
て、外側のバヨネット爪52をバヨネット孔54内に挿
入すると共に同孔54を通過させる。
【0194】次に、羽根開閉リング10を多少回転させ
て3個のバヨネット孔54を3個所の内側のバヨネット
爪51の位置に合わせてから両者51、54を被写界方
向に相対的に移動させて、内側のバヨネット爪51をバ
ヨネット孔54内に挿入すると共に同孔54を通過させ
るようにする。
【0195】一方、この後に、基本駆動部材2の3個の
バヨネット孔55を3個所の外側のバヨネット爪52の
位置に合わせてから両者52、54を被写界方向に相対
的に移動させて、外側のバヨネット爪52をバヨネット
孔55内に挿入すると共に同孔55を通過させるように
する。
【0196】そして、羽根開閉リング10を内側のバヨ
ネット爪51と第1地板1Aの表面との間に位置させた
状態において羽根開閉リング10を回転させてその初期
位置に設定し、更に、基本駆動部材2を2つのバヨネッ
ト爪51、52との間に位置させた状態において基本駆
動部材2を回転させてその初期位置に設定するようにす
る。
【0197】この場合、組み立て後における基本駆動部
材2と羽根開閉リング10との光軸方向の間には、内側
のバヨネット爪51の厚さ分だけの間隔が生じることに
なる。
【0198】なお、基本駆動部材2が初期位置に位置し
ているときの3個のバヨネット孔55と外側のバヨネッ
ト爪52との組立て後の位置関係は、基本駆動部材2が
絞り開口の設定のために初期位置から往方向および復方
向に回転したときに、基本駆動部材2が外側のバヨネッ
ト爪52から抜け出さないように構成し、羽根開閉リン
グ10と内側のバヨネット爪51との組立て後の位置関
係も同様な考え方に基づいて構成しておくものとする。
【0199】また、図29に示すのは、バヨネット組立
て方法に係る他の実施例である。これは、光軸方向に3
段に形成した3段構成のバヨネット爪61,62,63
を用いて3つの目的部材を光軸方向の3個所にバヨネッ
ト組立てするための構造である。
【0200】バヨネット組立てに必要なバヨネット爪6
1,62,63、各バヨネット爪61,62,63にお
ける爪数およびバヨネット孔(図示なし)の構成、並び
に、バヨネット爪61,62,63と3つの目的部材の
組立て後の位置関係については、図27および図28の
実施例の場合と同じ考え方で構成するものとする。
【0201】以上、図示実施例に基づいて本発明のカメ
ラ用シャッタ装置を説明したが、本発明は、図示実施例
に限定されるものではなくその要旨を逸脱しない範囲内
で種々に変形実施することが可能である。
【0202】例えば、ステッピングモータ31の反転時
点の制御については、ステッピングモータ31の応答特
性、基本駆動部材2、羽根開閉リング10、兼用シャッ
タ羽根13A,13B等の作動特性、第1捩りばね8の
付勢力等を総合的に勘案して制御するように構成するも
のとする。
【0203】また、被写体輝度は、連続的に変化するか
ら、基本駆動部材2の絞りカム面3cの形状は、その時
々の被写体輝度で変化するトリガーから逆転までの時間
を考慮した形状に設定されることになる。
【0204】
【発明の効果】以上述べたように、特許請求の範囲請求
項1乃至7に記載された本発明では、プログラム制御モ
ードによる適正露出に対応する絞り開口の形成動作系統
と絞り優先制御モードによる絞り開口の形成動作系統と
を別個の系統として構成したので、絞り兼用のシャッタ
羽根を用いるから、それぞれの制御モードによる絞り開
口の形成に際して、他の制御モードによる絞り開口の形
成動作系統に何等の悪影響も与えることのないプログラ
ム制御と絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装
置を提供することが出来、しかも、前述した従来技術の
欠点乃至問題点を悉く排除することが可能になった。
【0205】また、特許請求の範囲請求項8に記載され
た本発明では、2つ以上のリング状部材を地板に形成し
た円筒部においてバヨネット組みさせるように構成した
ので、少ない部材数で各リング状部材を同軸上に組み付
けることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカメラ用シャッタ装置の主要部を
示す平面構成図である。
【図2】図1のカメラ用シャッタ装置の主要部の分解斜
視図である。
【図3】図1のカメラ用シャッタ装置に用いられている
基本駆動部材の形状、構造を説明するための斜視構成図
である。
【図4】図1のカメラ用シャッタ装置に用いられている
兼用シャッタ羽根の開閉動作を説明するための説明図
で、兼用シャッタ羽根が開放された状態に在るときの図
である。
【図5】図1のカメラ用シャッタ装置に用いられている
兼用シャッタ羽根の開閉動作を説明するための説明図
で、兼用シャッタ羽根が絞り閉成状態にあるときの図で
ある。
【図6】図1のカメラ用シャッタ装置に用いられている
F値設定部材の形状、構造を説明するための斜視図であ
る。
【図7】図1のカメラ用シャッタ装置に用いられている
第1地板に形成された連絡開口部の形状、構造と絞り優
先制御用絞りピンとの相対関係位置を説明するための平
面図である。
【図8】図1のカメラ用シャッタ装置を作動させるため
の総合制御手段を中心とした構成を説明するための回路
図である。
【図9】本発明に係るプログラム制御モードにおけるシ
ャッタ秒時と絞り開口値との組み合わせを示すプログラ
ム線図である。
【図10】図8の露出制御回路内に設けられた制御モー
ド選択回路の変形として構成された変形制御モード選択
回路を示す部分回路図である。
【図11】ステッピングモータをプログラム制御モード
の制御シーケンスで駆動する場合におけるモータドライ
バのタイミングチャート図である。
【図12】ステッピングモータを絞り優先制御モードの
制御シーケンスで駆動する場合におけるモータドライバ
のタイミングチャート図である。
【図13】ステッピングモータを解除シーケンスで駆動
する場合におけるモータドライバのタイミングチャート
図である。
【図14】図1のカメラ用シャッタ装置の作動シーケン
スを説明するフローチャート図である。
【図15】図1のカメラ用シャッタ装置における基本駆
動部材、羽根開閉レバー、係止レバーの相対的な作動状
態を時系列的に示す作動状態図の内、基本駆動部材がそ
の初期位置から往方向(反時計方向)に僅かに回転した
ときの3部材の状態を示す作動状態図である。
【図16】図1のカメラ用シャッタ装置における基本駆
動部材、羽根開閉レバー、係止レバーの相対的な作動状
態を時系列的に示す作動状態図の内、係止レバーによる
羽根開閉レバーへの係止が解かれた直後の3部材の状態
を示す作動状態図である。
【図17】プログラム制御時における兼用シャッタ羽根
の開口波形を示すための開口波形図である。
【図18】絞り優先制御時における兼用シャッタ羽根の
2つの開口波形を示すための開口波形図である。
【図19】図1のカメラ用シャッタ装置における基本駆
動部材、羽根開閉レバー、係止レバーの相対的な作動状
態を時系列的に示す作動状態図の内、露出動作の終了後
に基本駆動部材が所定の絞り開口を実現した位置から復
方向(時計方向)に所定角度だけ回転したときの3部材
の状態を示す作動状態図である。
【図20】図1のカメラ用シャッタ装置における基本駆
動部材、羽根開閉レバー、係止レバーの相対的な作動状
態を時系列的に示す作動状態図の内、露出動作の終了後
に基本駆動部材が所定の絞り開口を実現した位置から復
方向に回転する過程で、羽根開閉レバーの被係止部が係
止レバーを押し上げているときの3部材の状態を示す作
動状態図である。
【図21】図1のカメラ用シャッタ装置における基本駆
動部材、羽根開閉レバー、係止レバーの相対的な作動状
態を時系列的に示す作動状態図の内、露出動作の終了後
に基本駆動部材が所定の絞り開口を実現した位置から復
方向に回転する過程で、羽根開閉レバーの被係止部と係
止レバーとの係接状態が最終状態にあるときの3部材の
状態を示す作動状態図である。
【図22】菱形状突起の先端内側面とF値設定部材と一
体の作動カム部材の押し回しカム面との相対位置関係を
説明するための状態説明図で、基本駆動部材が所望の絞
り優先F値を設定する位置に向って回転する過程におい
て、菱形状突起の先端内側面が押し回しカム面を押し回
し始めたときの状態を示す。
【図23】菱形状突起の先端内側面とF値設定部材と一
体の作動カム部材の押し回しカム面との相対位置関係を
説明するための状態説明図で、基本駆動部材が解除作用
位置に向って回転する過程において、ラチェット爪レバ
ーのラチェット爪がF値設定部材の解除カム部上に乗る
位置まで、菱形状突起の先端内側面が作動カム部材の押
し回しカム面を押し回したときの状態を示す。
【図24】菱形状突起の先端内側面とF値設定部材と一
体の作動カム部材の押し回しカム面との相対位置関係を
説明するための状態説明図で、基本駆動部材が解除作用
位置から初期位置に復帰回転する過程において、菱形状
突起の先端外側面がラチェット爪レバーの絞り解除ピン
を解除方向に押し回したときの状態を示す。
【図25】絞り優先制御モード時において、兼用シャッ
タ羽根が絞り優先制御用絞りピンでその回転運動を制限
されて、所望の絞り優先F値を実現する絞り開口に設定
されたときの状態を示す作動状態図である。
【図26】基本駆動部材が絞り開放位置に対応する最大
位置まで回転し、且つ、羽根開閉レバーの被係止部が基
本駆動部材のカム突起のカム底部の位置まで回転したと
きの状態を示す作動状態図である。
【図27】基本駆動部材と羽根開閉リングとを第1地板
の円筒部に相対回転可能に装着するときのバヨネット構
造を示す平面図で、図1と同方向から見た図である。
【図28】基本駆動部材と羽根開閉リングとを第1地板
の円筒部に相対回転可能に装着するときのバヨネット構
造における第1地板の円筒部のバヨネット爪を示す部分
斜視図である。
【図29】図28に示すバヨネット構造を3段構成にし
て3つのリング状部材を1個の円筒部に相対回転可能に
装着するように構成したときの部分斜視図である。
【図30】従来のカメラ用シャッタ装置を説明するため
の模式図で、本発明に係るカメラ用シャッタ装置と対比
し易いようにその基本駆動部材の往方向運動の向きを反
時計方向に変えて図示した場合の模式図である。
【符号の説明】
O 光軸 1A フィルム側地板(第1地板) 1B 被写界側地板(第2地板) 1a 円筒部 1b,1b′ 円弧状開口 1c, 四角開口部 1c′ 四角凹部 1d 連絡開口部 1e 一方の端部 2 基本駆動部材 3 カム突起 3a カム頂部 3b カム底部 3c 絞りカム面 4 部分ギア部 5 押動突起 6 羽根開閉レバー 6a 被係止部 6b U字溝 8 第1捩りばね 8a,9 ピン 10 羽根開閉リング 11 連動ピン 12 絞りピン 13A,13B 兼用シャッタ羽根 13a 制御カム溝 13b 光線遮断部 13c 光線透過部 15 羽根閉じ捩りばね 16 係止レバー 16a 上方アーム先端部 16b 下方アーム先端部 16c 中央アーム先端部 18 第2捩りばね 19 ストッパ 20 フォトリフレクタ 21 F値設定部材 21a 小径周面部 21b ラチェット歯列 21c 解除カム部 21d 絞り優先制御用絞りピン 23 第3捩りばね 24 作動カム部材 24a 押し回しカム面 25 ラチェット爪レバー 25a ラチェット爪 25b 絞り解除ピン 29 コイルばね 30 菱形状突起 30a 先端内側面 30b 先端外側面 31 ステッピングモータ 31a 支持部材 32 出力ギア 35 反射シート 36 掛止ピン 41 CPU 41a 入力ポート 41a′ 入力ポート(A/Dコンバータ) 41b 出力ポート 42 基礎電源 Vcc1 定電圧 43 測光手段 44 モータドライバ 45 駆動電源 Vcc2 定電圧 46 プログラム制御用端子 47 絞り優先制御用端子群 48 制御モード選択ブラシ 48′ 変形制御モード選択ブラシ 49 円弧型の可変抵抗器 R1 プログラム制御実現用抵抗 R2 ,R3 …Rn 絞り優先制御用抵抗 51 内側のバヨネット爪 52 外側のバヨネット爪 53 円筒部1aの端面 54,55 バヨネット孔 61,62,63 3段構成のバヨネット爪 101 駆動部材 101a カム面 101c ストッパー 102 羽根開閉レバー 102a 突起 109 爪レバー 109a 爪部 109x 外形部分 110 復帰ばね
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 9/00 - 9/70

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞り閉成位置と絞り開放位置との間を往
    復回転し得るように設けられた絞り羽根兼用シャッタ羽
    根を用いてプログラム制御と絞り優先制御とを行い得る
    カメラ用シャッタ装置において、 プログラム制御時にはそのときの被写体輝度に対応した
    適正シャッタ秒時を演算し、絞り優先制御時には少なく
    ともそのときの被写体輝度と設定された絞り優先F値と
    に対応した適正シャッタ秒時を演算する露出演算回路を
    含む総合制御手段と、 前記プログラム制御と前記絞り優先制御とのいずれかを
    選択し、且つ、前記絞り優先制御を選択するときに、目
    的とする前記絞り優先F値を任意に選択設定し得るよう
    に設けられた絞り制御選択手段と、 プログラム制御時および絞り優先制御時に、前記総合制
    御手段からの指令に基づいて往復方向に回転し得るよう
    に制御される電動モータと、 初期位置から往方向に回転する動作で前記絞り羽根兼用
    シャッタ羽根を開き、その後の復方向の回転動作で前記
    絞り羽根兼用シャッタ羽根を閉ざし得るように前記電動
    モータによって回転駆動されるように設けられた羽根開
    閉駆動部材と、 プログラム制御時に、前記羽根開閉駆動部材の初期位置
    から始まる往方向回転動作により、直接前記絞り羽根兼
    用シャッタ羽根をプログラム制御時の適正露出が得られ
    る位置まで開かせ、この適正露出が得られた位置からの
    前記羽根開閉駆動部材の復方向回転動作により、前記絞
    り羽根兼用シャッタ羽根を閉成位置まで復帰させるよう
    に制御するプログラム制御手段と、 絞り優先制御時には、前記羽根開閉駆動部材の初期位置
    から始まる復方向への回転動作により、前記プログラム
    制御に基づく前記絞り羽根兼用シャッタ羽根の絞り開放
    位置までの開き動作を許容し得る初期状態から、前記絞
    り羽根兼用シャッタ羽根を目的とする絞り優先F値に対
    応する所定の絞り開口が得られる羽根開き阻止位置に強
    制的に停止させ得る阻止作用状態に移行させられるよう
    に設置された絞り優先開口設定手段と、 少なくとも前記絞り制御選択手段を絞り優先制御からプ
    ログラム制御に切換えたときに、前記プログラム制御の
    実行に先立って、前記羽根開閉駆動部材を初期位置から
    前記絞り優先開口設定手段による設定可能な絞り優先F
    値の範囲を超えた阻止解除位置まで復方向に回転させる
    ことにより、前記絞り優先開口設定手段の状態を前記阻
    止作用状態から前記初期状態に復帰させ得るように設置
    された絞り優先F値解除手段と、 絞り優先制御時に、先ず、前記羽根開閉駆動部材の初期
    位置から目的とする絞り優先F値に対応する所定の絞り
    開口が得られる位置まで復方向に回転させて、この回転
    動作により前記絞り優先開口設定手段を前記初期状態か
    ら前記阻止作用状態に移行させ、次に、前記羽根開閉駆
    動部材をこのときの回転動作終了位置から初期位置に往
    方向に回転させ、引き続いて、前記羽根開閉駆動部材の
    初期位置から前記絞り羽根兼用シャッタ羽根の絞り開放
    位置までの往方向回転動作により、前記絞り羽根兼用シ
    ャッタ羽根を目的とする絞り優先F値が得られる絞り開
    口位置まで開かせ、最後に、前記羽根開閉駆動部材の往
    方向回転動作終了位置から復方向に回転させて前記絞り
    羽根兼用シャッタ羽根を閉成位置に復帰させ得るように
    制御する絞り優先制御手段と、を有するように構成した
    ことを特徴とするプログラム制御と絞り優先制御とを行
    い得るカメラ用シャッタ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたプログラム制御と
    絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置におい
    て、 前記絞り制御選択手段の前記絞り優先制御を選択する際
    の選択順序を、前記絞り優先制御を選択する際に小さい
    絞り優先F値から大きい絞り優先F値に向う順次に設定
    し得るように構成すると共に、前記絞り優先開口設定手
    段の前記羽根開き阻止位置を、前記羽根開閉駆動部材が
    初期位置から復方向に回転する過程で、小さい絞り優先
    F値に対応する絞り開口から大きい絞り優先F値に対応
    する絞り開口が得られるような順序に設定するように構
    成したことを特徴とするプログラム制御と絞り優先制御
    とを行い得るカメラ用シャッタ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載されたプログラ
    ム制御と絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装
    置において、 前記絞り優先制御時に、前記羽根開閉駆動部材の初期位
    置から前記阻止解除位置までの復方向回転動作により、
    前記絞り優先開口設定手段を前記阻止作用状態から初期
    状態に復帰させ得るような構成の絞り優先開口設定解除
    手段を付設的に設置し、 前記絞り優先制御手段を、絞り優先制御において大きい
    絞り優先F値の設定後に小さい絞り優先F値を設定した
    ときに、前記絞り優先制御の実行に先立って、前記羽根
    開閉駆動部材を初期位置から前記阻止解除位置まで復方
    向に回転することにより、前記絞り優先開口設定手段に
    よる大きい絞り優先F値の設定状態を解除するように構
    成したことを特徴とするプログラム制御と絞り優先制御
    とを行い得るカメラ用シャッタ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載されたプログラ
    ム制御と絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装
    置において、 前記絞り優先制御手段を、小さい絞り優先F値の設定後
    に大きい絞り優先F値を設定したときには、前回撮影時
    の絞り優先F値の設定状態を解除することなく、前記羽
    根開閉駆動部材を初期位置から往方向に絞り開放位置ま
    で回転動作させ、その後、前記羽根開閉駆動部材を絞り
    開放位置から初期位置に復方向に回転動作させるように
    構成したことを特徴とするプログラム制御と絞り優先制
    御とを行い得るカメラ用シャッタ装置。
  5. 【請求項5】 絞り閉成位置と絞り開放位置との間を往
    復回転し得るように設けられた絞り羽根兼用シャッタ羽
    根を用いてプログラム制御と絞り優先制御とを行い得る
    カメラ用シャッタ装置において、 プログラム制御時にはそのときの被写体輝度に対応した
    適正シャッタ秒時を演算し、絞り優先制御時には少なく
    ともそのときの被写体輝度と設定された絞り優先F値と
    に対応した適正シャッタ秒時を演算する露出演算回路を
    含む総合制御手段と、 プログラム制御時および絞り優先制御時に、前記総合制
    御手段からの指令に基づいて往復方向に回転し得るよう
    に制御される電動モータと、 プログラム制御時の適正露出を設定する絞りカム面を有
    し、且つ、初期位置から往方向に回転する動作で前記絞
    り羽根兼用シャッタ羽根を開き、その後の復方向の回転
    動作で前記絞り羽根兼用シャッタ羽根を閉ざし得るよう
    に前記電動モータにより回転駆動される羽根開閉駆動部
    材と、 この羽根開閉駆動部材がその初期位置から往方向に回転
    したときに、その往方向の回転動作量に対応する前記絞
    りカム面のカム量によりプログラム制御時の適正露出を
    設定するように設けられたプログラム制御用露出設定手
    段と、 少なくとも係止ラチェット歯列部とこの係止ラチェット
    歯列部に引き続いた解除操作部と前記絞り羽根兼用シャ
    ッタ羽根と直接的に接触して前記絞り羽根兼用シャッタ
    羽根の開き動作を強制的に阻止する羽根運動強制阻止部
    とを備え、且つ、前記羽根開閉駆動部材の外側領域にお
    いて作用方向と解除方向とに往復的に回転し得るように
    設けられたF値設定部材を有する絞り優先制御用絞り開
    口設定手段と、 前記羽根開閉駆動部材がその初期位置から復方向に第一
    所定量だけ回転したときに、前記F値設定部材を作用方
    向にこの第1所定量に対応する回転量だけ回転させ、前
    記羽根開閉駆動部材がその初期位置から復方向に第2所
    定量だけ回転したときに、前記F値設定部材を作用方向
    にこの第2所定量に対応する回転量だけ回転させ得るよ
    うに前記羽根開閉駆動部材上に設けられた絞り優先実行
    部と、 前記絞り優先制御用絞り開口設定手段のF値設定部材が
    初期位置から前記羽根開閉駆動部材の前記第1所定量に
    対応する回転量だけ作用方向に回転したときに、前記係
    止ラチェット歯列部に係合してF値設定部材をそのとき
    の回転位置に係止するラチェット爪手段と、 前記プログラム制御と前記絞り優先制御とのいずれかを
    選択し、且つ、前記絞り優先制御を選択するときに、目
    的とする前記絞り優先F値を任意に選択設定し得るよう
    に設けられた絞り制御選択手段と、を有するように構成
    したことを特徴とするプログラム制御と絞り優先制御と
    を行い得るカメラ用シャッタ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載されたプログラム制御と
    絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置におい
    て、 前記絞り羽根兼用シャッタ羽根を複数枚の羽根部材によ
    り構成すると共に各々の羽根部材にプログラム制御時の
    適正露出を形成し得る制御カム溝を設け、 前記プログラム制御用適正露出設定手段を、少なくとも
    前記羽根開閉駆動部材の絞りカム面と係接する被係止部
    を有し、且つ、羽根開閉駆動部材が初期位置から往方向
    に回転したときにこの被係止部が前記羽根開閉駆動部材
    の絞りカム面と係接し得る往方向に回転し、さらに、前
    記羽根開閉駆動部材が往方向に回転した位置から初期位
    置に向って復方向に回転したときに、前記羽根開閉駆動
    部材の絞りカム面により初期位置に復帰する復方向に回
    転させられるように設けられた羽根開閉レバーと、前記
    被係止部が前記羽根開閉駆動部材の絞りカム面と係接し
    得る方向に回転するようにこの羽根開閉レバーを付勢す
    る羽根開閉レバー付勢手段と、前記絞り羽根兼用シャッ
    タ羽根の前記制御カム溝内に嵌入して前記絞り羽根兼用
    シャッタ羽根を開閉する絞りピンを有し、且つ、前記羽
    根開閉レバーが往方向に回転したときに、前記羽根開閉
    レバー付勢手段の付勢力により撮影光軸を中心として前
    記羽根開閉レバーの回転量に対応した量だけ往方向に回
    転させられて前記絞り羽根兼用シャッタ羽根を開き方向
    に回転させ、さらに、前記羽根開閉レバーが前記羽根開
    閉駆動部材の絞りカム面により復方向に回転させられた
    ときに、同様に復方向に回転させられ前記絞り羽根兼用
    シャッタ羽根を閉じ方向に回転させる羽根開閉リングと
    から構成したことを特徴とするプログラム制御と絞り優
    先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載されたプログラム制御と
    絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置におい
    て、 前記絞り羽根兼用シャッタ羽根の1枚の羽根部材に閉じ
    方向の付勢力を付与するように構成して、この1枚の羽
    根部材の閉じ方向の付勢力と前記羽根開閉レバー付勢手
    段の付勢力との付勢方向の違いを利用して、少なくとも
    前記絞り羽根兼用シャッタ羽根の制御カム溝と前記羽根
    開閉リングの絞りピンとの間のガタ取りを行うように構
    成したことを特徴とするプログラム制御と絞り優先制御
    とを行い得るカメラ用シャッタ装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載されたプログラム制御と
    絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置におい
    て、 撮影光束を通過させ得る光束通過開口と前記羽根開閉駆
    動部材および前記羽根開閉リングを撮影光軸を中心とし
    て回転可能に保持する円筒部とを具えた少なくとも1つ
    の地板を設け、 この地板の前記円筒部に、前記羽根開閉駆動部材と前記
    羽根開閉リングとを光軸方向に所定間隔に隔てると共
    に、前記羽根開閉リングのフィルム面側方向または被写
    体側方向への撮影光軸に沿った移動を阻止し且つ前記羽
    根開閉駆動部材の被写体側方向またはフィルム面側方向
    への撮影光軸に沿った移動を阻止し得る構造の第1の抜
    け止め爪群と、前記羽根開閉駆動部材のフィルム面側方
    向または被写体側方向への撮影光軸に沿った移動を阻止
    し得る構造の第2の抜け止め爪群とをそれぞれ形成し、 前記羽根開閉リングに自身を前記地板の円筒部に組み付
    ける際に前記第1および第2の抜け止め爪群を通過させ
    得る組み付け時開口部群を形成し、 前記羽根開閉駆動部材に自身を前記地板の円筒部に組み
    付ける際に前記第2の抜け止め爪群を通過させ得る組み
    付け時開口部群を形成する、ように構成したことを特徴
    とするプログラム制御と絞り優先制御とを行い得るカメ
    ラ用シャッタ装置。
JP26827193A 1992-12-22 1993-09-30 プログラム制御と絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置 Expired - Fee Related JP3283663B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26827193A JP3283663B2 (ja) 1992-12-22 1993-09-30 プログラム制御と絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-356454 1992-12-22
JP35645492 1992-12-22
JP26827193A JP3283663B2 (ja) 1992-12-22 1993-09-30 プログラム制御と絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06242492A JPH06242492A (ja) 1994-09-02
JP3283663B2 true JP3283663B2 (ja) 2002-05-20

Family

ID=26548245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26827193A Expired - Fee Related JP3283663B2 (ja) 1992-12-22 1993-09-30 プログラム制御と絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3283663B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006189467A (ja) * 2004-12-28 2006-07-20 Nisca Corp 光量調整装置及びこれを用いたプロジェクタ装置
JP4798178B2 (ja) * 2008-07-11 2011-10-19 ソニー株式会社 レンズ鏡筒及び撮像装置
CN117124296B (zh) * 2023-10-12 2024-03-12 国网山西省电力公司电力科学研究院 特高压充油设备采样用对接装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06242492A (ja) 1994-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4360258A (en) Lens shutter mechanism for camera
US4728979A (en) Apparatus for exposure control/focus adjustment for camera
JPS6255644B2 (ja)
USRE36945E (en) Shutter device in automatic focusing and exposure camera
JP3283663B2 (ja) プログラム制御と絞り優先制御とを行い得るカメラ用シャッタ装置
US4540264A (en) Photographing lens focusing device
US5083148A (en) Driving power transmitting device for camera
JP3052026B2 (ja) モータ駆動シャッタ
US5327185A (en) Motor driven system for controlling the diaphragm and shutter of a camera
JP3030671B2 (ja) モータ駆動シャッタ
JPS62220939A (ja) カメラのレンズ駆動及びシヤツタ開閉機構
JP3094254B2 (ja) パルス制御カメラとその制御基準位置設定方法およびその製作時における機械的誤差調整方法
JPH0731208Y2 (ja) カメラ
JP3099594B2 (ja) カメラのプレビュー機構
JP2578180B2 (ja) モータ駆動装置
JPH03607B2 (ja)
JP3067061B2 (ja) レンズ駆動機構を兼用したシャッタ駆動機構
JP2873108B2 (ja) ステッピングモ−タ駆動合焦撮影装置
JP2575335B2 (ja) シャッタ装置
JPS5827109A (ja) カメラの距離調節装置
JPH0743802A (ja) カメラの駆動方式切り替え機構
JP3392211B2 (ja) カメラ用シャッタ装置およびカム作用を伴う一方方向回動係止機構
JP2855588B2 (ja) 動力伝達装置及びカメラ
JPH0525085B2 (ja)
JP2855583B2 (ja) 動力伝達装置及びカメラ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090301

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100301

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees