JP3561339B2 - 開口規制機構を備えたカメラ用シャッタ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、往復運動して開閉作動を行うシャッタ羽根を備えており、その開口口径を撮影レンズの変倍や距離の設定に連動して自動的に規制するようにした開口規制機構を備えたカメラ用シャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レンズシャッタを内蔵したコンパクトカメラにも撮影レンズの変倍装置を備えたものが増えてきた。変倍装置には撮影レンズ系の一部のレンズを光軸方向へ連続的に移動させるものと、レンズ系をテレとワイドで切り換えるものとがあるが、いずれの場合も望遠状態にするとF値が変化し且つ描写性能が劣化するため、望遠撮影を行う場合にはレンズ口径を絞り込み、良い画像が得られるようにすることが知られている。また、収差の補正機能を持たせるために距離情報に応じてレンズ口径を絞りこんで撮影するようにすることが知られている。他方、シャッヤの制御技術や感光材料の進歩に伴い、従来のように独立した絞り機構を設けず、シャッタ羽根に口径規制を行わせるようにしたレンズシャッタも数多く実現している。
【0003】
このような状況から、撮影レンズのズーミング操作位置に対応させてシャッタ羽根の開口口径を規制させるようにしたものが特開平2−254428号公報,特開平2−254431号公報で提案されている。そして、それらの提案においては、シャッタ装置が略円形の外形形状をした基板上に配置されており、またズーム環が該基板の円周に沿って配置されており、シャッタ羽根の開閉部材は、ズーム環に形成された規制カムに衝突し、又はズーム環に形成されたカムによって位置制御される該基板上の規制カムに衝突し、その開き方向への作動量が制御され、シャッタ羽根の開口口径を規制するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した二つの提案の構成は、ズーム環とシャッタの基板との間を相対的に移動させるようにしているため、両者間には隙間を設ける必要がある。そのため、設計上漏光に対する配慮が必要となり、また必要な遮光手段を施すことによってコストアップになるという問題がある。更に、ズーム環にはカムを形成することから、ズーム環の内径を大きくしなければならなくなるか、基板上のシャッタ構成の設計に制約を受けてしまうという問題がある。更には、シャッタ開閉部材が開き作動を行う時、所定の口径位置で規制部材に衝突するので、シャッタ羽根が開口位置でバウンドしてしまい、露光精度を上げるようにすることが極めて難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、上記した従来例のように連続的に開口規制を行うのではなく、撮影レンズの所定の設定情報に応じて一つの開口規制を行うようにした、構成が簡単で小型化に適し、且つシャッタ羽根の作動に影響を与えず露光精度のよい開口規制機構を備えたカメラ用シャッタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の開口規制機構を備えたカメラ用シャッタは、シャッタレリーズによって回動する駆動部材と、往動は前記駆動部材によって動かされ復動はバネによって動かされることによりシャッタ羽根を開閉走行させる開閉部材と、アパーチャの開口規制位置への往動は前記駆動部材によって動かされ復動はバネによって動かされる開口規制部材と、往動は前記駆動部材によって動かされ復動はバネによって動かされると共に前記開口規制部材の復動を開口規制位置で係止し該係止の解除は前記駆動部材に往動させられて行う係止部材とを備え、撮影レンズの設定信号に対応し、前記開閉部材の作動中、前記係止部材が前記開口規制部材を開口規制位置に係止しておけるようにする。
【0007】
また、本発明の開口規制機構を備えたカメラ用シャッタは、好ましくは、撮影レンズの設定信号に対応して正転及び逆転するパルスモータを備え、該パルスモータの正転で前記駆動部材を正方向へ、またその逆転で前記駆動部材を逆方向へ回転させ、該回動のいずれか一方においてのみ、前記開閉部材の作動中、前記係止部材が前記開口規制部材を開口規制位置に係止しておけるようにする。
更に、本発明の開口規制機構を備えたカメラ用シャッタは、好ましくは、露光時間が、前記パルスモータの駆動電流のパルス幅を変えることによって制御されるようにする。
【0008】
【作用】
撮影前の初期状態においては、シャッタ羽根は開閉部材によってアパーチャを閉じている。また開口規制部材は非開口規制位置にあり、係止部材に係止されていない。カメラを被写体に向け撮影レンズを所定の設定位置にセットしてからシャッタをレリーズすると、駆動部材が正方向へ回転を開始する。撮影レンズが例えば望遠位置に設定されている場合には、該駆動部材は、先ず開口規制部材を開口規制位置に往動させ、その位置で係止部材に係止させる。次に、駆動部材は開閉部材を往復動させ、シャッタ羽根の開閉作動を行わせる。シャッタ羽根が閉じた後、駆動部材は、係止部材の係止を解除し、開口規制部材を原位置に復帰させてから初期位置に復帰する。
【0009】
上記において、駆動部材を正方向へのみ回動する部材として構成した場合には、撮影レンズの設定信号によって望遠位置に設定されていないときのみ該駆動部材の作動域に臨む仲介部材を備え、駆動部材が、開閉部材を往復動させる直前に、該仲介部材を介して係止部材の係止を解除し、開口規制部材を原位置に復帰させるようにする。また、駆動部材が正逆転可能なパルスモータによって正方向又は逆方向へ回動されるように構成されている場合には、駆動部材は、撮影レンズが望遠位置に設定されていないときにはその設定信号によって逆方向へ回動され、開閉部材を往復動させるだけで原位置に復帰する。後者の構成にした場合には、露光時間は、パルスモータへのパルス幅を変えることによって調整される。
【0010】
【実施例】
第1実施例
本発明の第1実施例を図1乃至図9を用いて説明する。図1は本実施例のシャッタの初期状態を示す平面図である。図2乃至図4は各々開口規制を行わない場合の作動を説明するための平面図であり、図2は駆動部材が時計方向に90度回動した状態を、図3は同様に180度回動した状態を、図4は同様に270度回動した状態を示している。図5乃至図8は開口規制を行う場合の作動を説明するための平面図であり、図5は駆動部材が反時計方向に90度回動した状態を、図6は同様に180度回動した状態を、図7は同様に270度回動した状態を、図8は同様に315度回動した状態を示している。図9はシャッタ羽根の開閉作動を示すタイムチャートであり、図(a)はパルスモータに供給するパルスの幅が広い場合、図(b)は狭い場合を示している。
【0011】
先ず、図1を用いて本実施例の構成を説明する。シャッタ地板1(図面上では外形が省略されている)にはアパーチャ1aとスロット1bが形成されている。このシャッタ地板1の表面側には、軸1d,1e,1fが植設されており、且つストッパ用のピン1g,1h,1iが植設されている。また、シャッタ地板1の背面に植設されたピン1jには、シャッタ羽根2が回転可能に取り付けられている。このシャッタ羽根2は、周知のようにスロット2aの位置を略共通として対称的に2枚配置されているが、図面の都合上1枚のシャッタ羽根のみが示されている。
【0012】
シャッタ地板1の軸1dには開口規制部材3が回転可能に取り付けられており、バネ4によって左旋習性が付与されている。この開口規制部材3は三つの腕部3a,3b,3cを有していて、腕部3aの先端には開口部3dが形成されており、また腕部3bの先端にはフック部3eが形成されており、また腕部3cには折曲部3fが形成されている。更に、腕部3cに植設された軸3gには、当接部5aを有する爪レバー5が回転可能に取り付けられており、バネ6によって右旋習性が付与されているが、図1においてはその右旋を折曲部3fによって阻止されている。
【0013】
シャッタ地板1の軸1eには開閉部材7が回転可能に取り付けられており、バネ8によって左旋習性が付与されている。この開閉部材7は二つの腕部7a,7bを有している。腕部7aの先端にはピン7cが背面方向へ植設されており、スロット1bを貫通してシャッタ地板1の背面でシャッタ羽根2のスロット2aに嵌合している。このピン7cは、図示していないもう1枚のシャッタ羽根のスロットにも嵌合していることは言うまでもない。他方、腕部7bの先端には当接部7dが形成されている。
【0014】
シャッタ地板1の軸1fには係止部材9が回転可能に取り付けられており、バネ10によって左旋習性が付与されている。この係止部材9の先端には上記フック部3eに係合する係止部9aが形成され、また中程には当接部9bが形成されている。シャッタ地板1には正逆転可能なパルスモータ11が取り付けられており、その出力軸11aには駆動部材12が取り付けられている。そして、この駆動部材12に植設された駆動ピン12aは、駆動部材12が回動したとき、上記した各当接部5a,7d,9bに当接可能となっている。
【0015】
次に、本実施例の作動を説明する。撮影に先立って撮影レンズを操作し、撮影画枠を設定する。この設定情報は、撮影レンズの望遠領域の設定信号と、非望遠領域の設定信号とに分けられ、撮影時に、図示していない制御回路に伝えられる。そして、その設定信号が望遠領域の設定信号の場合にはパルスモータを図1において反時計方向へ回転させ、非望遠領域の設定信号の場合には時計方向へ回転させる。そこで、先ず、撮影レンズの設定により、制御回路に非望遠領域の設定信号が与えられた場合を図1乃至図4によって説明する。
【0016】
撮影レンズの設定後、カメラのレリーズボタンを押すと、最初に、上記制御回路の電源が閉じて測光回路を働かせると共に上記の撮影レンズの設定信号が与えられる。次に、レリーズボタンを更に深く押すと、撮影開始の信号が制御回路に与えられ、測光回路の測定結果に対応したパルス幅の通電によって、即ち測定結果に対応した速度によって、パルスモータ11が時計方向へ回転させられる。この回転で、駆動部材12の駆動ピン12aは、先ず当接部9bをバネ10に抗して押し、係止部材9を右旋させた後、90度回動して図2の位置に達する。この状態においては、係止部材9は既にバネ10によって左旋され、ピン1iによって停止されて原位置へ復帰している。
【0017】
駆動部材12が更に回動すると、駆動ピン12aは開閉部材7の当接部7dを押す。そのため、開閉部材7はバネ8に抗して右旋され、ピン7cによってシャッタ羽根2を作動させ、アパーチャ1aを開口させる。図3には、図1の初期位置から180度回動してアパーチャ1aを全開した状態が示されている。その後、駆動ピン12aが尚も回動すると、開閉部材7はバネ8によって左旋され、シャッタ羽根2に閉じ作動をさせたあと、ピン1hによって停止され、原位置へ復帰する。
【0018】
図4には、駆動部材12が更に回動し、初期位置から270度の位置で、駆動ピン12aが爪レバー5の当接部5aに当接している状態が示されている。この状態から駆動部材12が更に回動すると、駆動ピン12aは爪レバー5を押すが、バネ4の力よりバネ6の力の方が弱いため、爪レバー5は軸3gにおいてバネ6の力に抗して左旋される。従って、開口規制部材は全く動かない。その後、駆動ピン12aが通り過ぎると、爪レバー5はバネ6によって右旋し、その右旋を折曲部3fに阻止されることによって原位置へ復帰する。そして、最後に、駆動部材12が1回転し、駆動ピン12aが図1の位置に達した時、パルスモータ11が停止されて、一連の露光作動が終了する。
【0019】
次に、撮影レンズの設定により、制御回路に望遠領域の設定信号が与えられた場合の作動を図1、及び図5乃至図9によって説明する。撮影レンズの設定後、カメラのレリーズボタンを押すと、上記の場合と同様にして被写体の測光が行われ、その測定信号と上記の設定信号が制御回路に与えられる。次に、更にレリーズボタンを深く押すと、撮影開始の信号が制御回路に与えられ、測光回路の測定結果に対応したパルス幅の通電によってパルスモータ11が反時計方向へ回転される。この回転で、駆動部材12の駆動ピン12aは、先ず爪レバー5の当接部5aを押す。そのため、爪レバー5は折曲部3fを押して開口規制部材3をバネ4に抗して右旋させる。
【0020】
開口規制部材3が右旋し、図5の位置の直前に達すると、フック部3eの先端が係止部9aの先端部を押し、係止部材9をバネ10に抗して右旋させる。しかし、このようなフック部3eと係止部9aとの関係は、夫々の作動軌跡の差から一時的なものであって直ぐに解かれるため、係止部材9はバネ10によって復帰する。この時、殆ど同時に駆動ピン12aによる爪レバー5の押動量がピークに達しているため、開口規制部材3の右旋も停止し、フック部3eと係止部9aとは図5に示すような係合状態となる。従って、この状態においては、開口規制部材3の左旋は係止部材9によって阻止されており、アパーチャ1aの開口口径は開口規制部材3によって規制され、この場合の開口口径は開口部3dの口径となっている。
【0021】
駆動部材12が更に回動すると、駆動ピン12aは開閉部材7の当接部7dを押す。そのため、開閉部材7はバネ8に抗して右旋され、ピン7cによってシャッタ羽根2に開き作動を行わせる。図6は、駆動部材12が図1の初期位置から180度回動した位置を示したものであり、この状態においては、シャッタ羽根は開口部3dを全開し且つ開き作動の最終位置にある。その後、駆動ピン12aが尚も回動すると、開閉部材7はバネ8によって左旋され、シャッタ羽根2に閉じ作動をさせたあと、ピン1hによって停止され、原位置へ復帰する。そして、初期位置から270度反時計方向へ回動した状態が図7に示されている。
【0022】
図7の状態から駆動部材12が更に回動すると、駆動ピン12aは係止部材9の当接部9bを押し、係止部材9をバネ10に抗して右旋させる。そのため、係止部9aによるフック部3eの係止が解かれ、開口規制部材3はバネ4によって原位置に復帰する。このときの状態が図8に示されており、駆動部材12は図1の初期位置から反時計方向へ315度回動した位置となっている。その後、駆動ピン12aが通り過ぎると、係止部材9はバネ10によって左旋し原位置へ復帰する。そして、最後に、駆動部材12が1回転し、駆動ピン12aが図1の位置に達した時、パルスモータ11が停止されて、一連の露光作動が終了する。
【0023】
上記の説明において、パルスモータ11は、測光回路の測定結果に対応したパルス幅の通電によって、即ち測定結果に対応した速度によって、回転させられることを述べた。この点を図9を用いて詳しく説明する。先ず、図(a)を基準にして考える。この図は、コイルAに印加されるパルス幅がXmsの1パルスによってシャッタ羽根2が開き作動を行い、コイルBに印加されるパルス幅がXmsの1パルスによってシャッタ羽根2が閉じ作動を行うことを示している。このことは、駆動部材12の駆動ピン12aが開閉部材7の当接部7dを押しシャッタ羽根2を動かし始めてから図3及び図6の状態に達するまでにXms要したということである。
【0024】
測光回路による被写体光の測定結果が、図(a)に示した場合よりも強い場合には、シャッタ羽根2の作動は図(b)に示すようにして行われる。この場合、1パルスのパルス幅は、XmsよりAms短い(X−A)msとなる。即ち、駆動部材12の駆動ピン12aが開閉部材7の当接部7dを押しシャッタ羽根2を動かし始めてから図3及び図6の状態に達するまでに(X−A)ms要し、且つ閉じ作動も同様となる。また、コイルA,Bのパルス間の間隔も所定の比率で短くなっている。そのため、露光時間は短くなる。従って、このことから撮影レンズの設定により、制御回路に望遠領域の設定信号が与えられた場合、即ち開口規制部材3の開口部3dを使用して撮影する場合には、上記と同じ考え方に立ち、開口口径が小さくなった分だけ逆にコイルA,Bのパルス間の間隔を広くし、露光時間を長くするようにする。
【0025】
第2実施例
本発明の第2実施例を図10によって説明する。尚、本実施例の構成は、第1実施例の構成と殆どの点で共通しているので、第1実施例の構成と同じものについては、同じ符号を付け、その説明を省略し、異なる点のみを説明する。先ず、本実施例においては、第1実施例における爪レバー5が設けられていない。そのため、バネ6も設けられていないし、開口規制部材3に折曲部3fも設けられていない。そのため、爪レバー5の当接部5aに代わって、開口規制部材3の腕部3cに当接部3hが形成されている。
【0026】
仲介部材13は、当接部13a,スロット13b,ピン13cを有しており、シャッタ地板1に植設された軸1mにスロット13bを嵌合させている。この仲介部材13は、バネ15によって軸1mで左旋習性を付与されているが、その左旋は、シャッタ地板1に植設されたストッパ用のピン1nによって阻止されており、また、もう一つのバネ16によって図面の右上方へ付勢されているが、スロット13bの長手方向の一端が軸1mに当接してその移動を阻止されている。また、この仲介部材13は、図において係止部材9のピン9cに接触している。
【0027】
更に、シャッタ地板1にはプランジャ14が取り付けられている。このプランジャ14は、通電されたとき内蔵するバネの付勢力に抗して可動子14aを矢印方向へ移動させる。可動子14aはピン13cに接触しており、プランジャ14が通電されたときには、ピン13cを押し、バネ16に抗して仲介部材13を図面上略左下方へ移動させる。プランジャ14に通電されるのは、撮影レンズが望遠領域に設定されている場合であり、その場合には、仲介部材13の当接部13aは、駆動ピン12aの作動軌跡外へ移動することになる。また、本実施例における駆動部材12は、時計方向には回転せず、反時計方向にのみ回転されるように構成されている。
【0028】
次に、作動の説明をする。尚、本実施例においては第1実施例のように夫々の作動位置を示す複数の図面を用意していないが、第1実施例の作動説明を念頭におけば、以下の説明は容易に理解できる。本実施例の場合にも、初期位置においては、第1実施例の場合と同じように、駆動ピン12aが一点鎖線で示す位置にある。先ず、撮影レンズが非望遠領域に設定された場合について説明する。撮影レンズの設定後、カメラのレリーズボタンを押すと、電源が閉じて測光回路を働かせると共に制御回路に上記の撮影レンズの設定信号が与えられる。レリーズボタンを更に深く押すと、撮影開始の信号が制御回路に与えられ、測光回路の測定結果に対応したパルス幅の通電によって、パルスモータ11が反時計方向へ回転させられる。
【0029】
このパルスモータ11の回転で、駆動部材12の駆動ピン12aは、先ず当接部3hを押し、バネ4に抗して開口規制部材3を右旋させる。その後、開口規制部材3は、係止部材9の係止部9aにフック部3eを係止されて図10の状態となる。従って、この状態においては、一応、開口規制部材3は開口規制位置にセットされたことになる。駆動ピン12aは、図10の位置から更に回動すると、次に当接部13aを押す。そのため、仲介部材13は軸1mでバネ15に抗して僅かに右旋させられる。この右旋によってピン9cが押されるので、係止部9aによるフック部3eの係止が解かれ、開口規制部材3は原位置へ復帰する。
【0030】
その後、駆動部材12が更に回動すると、駆動ピン12aは開閉部材7の当接部7dを押す。そのため、開閉部材7はバネ8に抗して右旋され、ピン7cによってシャッタ羽根2を作動させ、開口規制されることなくアパーチャ1aを開口させる。その後の駆動部材12の回動により、開閉部材7はバネ8によって左旋され、シャッタ羽根2に閉じ作動をさせたあと、ピン1hによって停止され、原位置へ復帰する。駆動部材12はその後も反時計方向へ回動を続け、駆動ピン12aが一点鎖線で示されている初期位置へ復帰したとき停止する。その途中で、駆動ピン12aが係止部材9の当接部9bを押し、係止部材9に往復運動をさせるが、機能上には何の影響も及ぼさない。
【0031】
次に、撮影レンズの設定により、制御回路に望遠領域の設定信号が与えられた場合の作動を説明する。撮影レンズの設定後、カメラのレリーズボタンを押すと、上記の場合と同様にして被写体の測光が行われ、その測定信号と上記の設定信号が制御回路に与えられる。更にレリーズボタンを深く押すと、撮影開始の信号が制御回路に与えられ、先ずプランジャ14に通電した後、パルスモータ11が測光回路の測定結果に対応した速度で反時計方向へ回転される。
【0032】
プランジャ14が通電されたことにより、可動子14aは矢印方向へ動かされ、ピン13cを押して当接部13aを駆動ピン12aの作動軌跡から退避させているので、駆動部材12は、開口規制部材3を図10の係止状態から解除することなく、開閉部材7を作動させる。従って、シャッタ羽根2は開口規制部材3の開口部3dの口径で開閉作動を行う。駆動部材12は尚も反時計方向への回動を続け、駆動ピン12aが係止部材9の当接部9bを押し、係止部9aによるフック部3eの係止を解除してから、初期位置へ復帰し、停止する。
【0033】
本実施例においては、パルスモータ11によって駆動部材12を一方向へのみ回転させるものであるから、パルスモータに代えて、駆動部材12をバネ駆動するようにすることも可能である。但し、その場合には、駆動部材12に、電磁ガバナー又は機械ガバナーを設ける必要があり、コスト的には有利であるとは言いがたい。また、本実施例において、可動子14aはバネ16によって常にピン13cに接触するようになされているが、可動子14aの該接触部を二股のフォーク状にし、ピン13cを摺動可能に挟むように構成すれば、上記のバネ16は不要となる。
【0034】
尚、上記の各実施例においては、撮影レンズの変倍,レンズ交換,テレ・ワイドの切り換え等による画枠サイズの情報によって開口規制を行う場合で説明したが、本発明は、前にも述べたように距離情報によって開口規制を行う場合にも適用することができるものである。
【0035】
【発明の効果】
上記のように、本発明は、撮影レンズとの関係で設計配置上の制約を受けることが全くなく、また、撮影レンズの所定の設定情報に応じて一つだけの開口規制を行うようにしたから構成が簡単で小型化に適し、しかも、シャッタ開閉部材を、開き作動の途中で、規制部材に衝突させるようなこともしないので、シャッタ羽根の作動に影響を与えず、所期の露光精度を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のシャッタの初期状態を示す平面図である。
【図2】図1の状態から駆動部材が時計方向に90度回動した状態を示す平面図である。
【図3】図1の状態から駆動部材が時計方向に180度回動した状態を示す平面図である。
【図4】図1の状態から駆動部材が時計方向に270度回動した状態を示す平面図である。
【図5】図1の状態から駆動部材が反時計方向に90度回動した状態を示す平面図である。
【図6】図1の状態から駆動部材が反時計方向に180度回動した状態を示す平面図である。
【図7】図1の状態から駆動部材が反時計方向に270度回動した状態を示す平面図である。
【図8】図1の状態から駆動部材が反時計方向に315度回動した状態を示す平面図である。
【図9】シャッタ羽根の開閉作動を示すタイムチャートであり、図(a)はパルスモータに供給されたパルスの幅が広い場合、図(b)は狭い場合を示している。
【図10】第2実施例の平面図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
2 シャッタ羽根
3 開口規制部材
3d 開口部
3e フック部
3f 折曲部
5 爪レバー
3h,5a,7d,9b,13a 当接部
7 開閉部材
9 係止部材
9a 係止部
11 パルスモータ
11a 出力軸
12 駆動部材
12a 駆動ピン
13 仲介部材
14 プランジャ
14a 可動子
Claims (3)
- シャッタレリーズによって回動する駆動部材と、往動は前記駆動部材によって動かされ復動はバネによって動かされることによりシャッタ羽根を開閉走行させる開閉部材と、アパーチャの開口規制位置への往動は前記駆動部材によって動かされ復動はバネによって動かされる開口規制部材と、往動は前記駆動部材によって動かされ復動はバネによって動かされると共に前記開口規制部材の復動を開口規制位置で係止し該係止の解除は前記駆動部材に往動させられて行う係止部材とを備え、撮影レンズの設定信号に対応し、前記開閉部材の作動中、前記係止部材が前記開口規制部材を開口規制位置に係止しておけるようにしたことを特徴とする開口規制機構を備えたカメラ用シャッタ。
- 撮影レンズの設定信号に対応して正転及び逆転するパルスモータを備え、該パルスモータの正転で前記駆動部材を正方向へ、またその逆転で前記駆動部材を逆方向へ回転させ、該回動のいずれか一方においてのみ、前記開閉部材の作動中、前記係止部材が前記開口規制部材を開口規制位置に係止しておけるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の開口規制機構を備えたカメラ用シャッタ。
- 露光時間が、前記パルスモータの駆動電流のパルス幅を変えることによって制御されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の開口規制機構を備えたカメラ用シャッタ。
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JP5947550B2 (ja) * | 2012-01-20 | 2016-07-06 | キヤノン株式会社 | 光量制御装置 |
-
1995
- 1995-08-11 JP JP20555495A patent/JP3561339B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0954354A (ja) | 1997-02-25 |
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