JPH0716792Y2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、たとえば腰掛式の水洗便器に一体化して局部
洗浄用として使用する衛生洗浄装置に関する。

〔従来の技術〕 従来から、局部洗浄機能を備えた衛生洗浄装置を水洗便
器に一体化したものが利用されており、その一例を第５
図に示す。

図において、便器本体１の後部上面を跨いで衛生洗浄装
置のケーシング２が固定され、このケーシング２に便座
2a及び便蓋2bが開閉自在に取り付けられている。なお、
便座2aの内部にヒータを設けて暖房機能を持たせる仕様
とすることも多い。

衛生洗浄装置は、局部洗浄，温風乾燥，消臭等の各種の
機能部を備えた構成であり、第６図に局部洗浄の系のみ
の概略を示す。ケーシング２には便器本体１のボール部
方向へ向けて駆動モータ3aによって進退するノズル３が
設けられ、また、洗浄水の供給のために、外部の給水源
に接続した温水タンク3bを配置し、電磁弁等の開閉弁及
びニードル弁等の流量調整弁を含むバルブユニット3cに
よって温水タンク3b及びノズル３への洗浄水の供給，停
止及び流量調整を行なう。更に、温水タンク3bには、加
熱用のヒータ3d及び温度センサ3eを設けて、洗浄水を設
定された温度にしてノズル３に送り込める系としてい
る。

これらのノズル３の駆動モータ3a,バルブユニット3c及
びヒータ3dの全ての作動は、制御部Ａによる通電の制御
によって行われる。たとえば、洗浄開始の信号が制御部
Ａに入力されると、駆動モータ3aが作動してノズル３を
洗浄位置まで進出させ、更にバルブユニット3cの流路を
開いて洗浄水を送り込んで噴出させる等である。また、
洗浄水の温度も、常に温度センサ3eによって検出して信
号を制御部Ａに入力し、設定温度からずれないようにヒ
ータ3dへの通電の制御を行なう。

このような洗浄系の機能のほか、温風乾燥，消臭及び便
座2aの暖房等の作動も同様に制御部Ａによって行われ
る。そして、各機能部の操作は、ケーシング２に設けた
操作パネル４を利用するか、又は第５図に示すように壁
に固定したハンガー5aに着脱自在なリモートコントロー
ラ５によって行なう。

〔考案が解決しようとする課題〕

リモートコントローラ５は赤外線を利用した光電式のも
ので、第６図に示すように、ケーシング２の内部には受
光部６が設けられる。この受光部６はケーシング２に開
けた透過窓6aに臨む配置とし、リモートコントローラ５
からの信号を受け、これを制御部Ａに入力して洗浄やそ
の他の機能部を作動させる。

また、人が便座2aに着座したこと検知するために、赤外
線を利用した着座センサ７も同様にケーシング２の内部
に備えられる。この着座センサ７は、人が便座2aに着座
したことを検知し、その検知信号によって洗浄や各種の
機能部が作動可能な状態に設定するものである。たとえ
ば、消臭機能を持つものでは、人が便座2aに着座して一
定時間経過した後にファンを回転させて臭気を外部へ放
出し、便座2aから離れた後に同様に一定時間経過してフ
ァンを停止させる等の制御が行われる。また、この他に
も、人が便座2aに着座しない限り機能部が作動しないよ
うな制御系とし、機器の無駄な作動を無くすことにも利
用される。

ところが、着座センサ７からは常に赤外線が発せられて
いるので、受光部６を同じケーシング２の内部で互いに
近い位置に設置すると、受光部６に対する外乱光の影響
が大きくなる。このため、受光部６の感知性能が不良と
なり、リモートコントローラ５からの信号が適正に伝達
されない恐れがあり、機能部の作動に支障を来たしてし
まう。

そこで、本考案は、着座検知のための赤外線が機能部の
制御の外乱として作用しないようにし機能部が異常なく
作動できるようにすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕 本考案の衛生洗浄装置は、以上の目的を達成するため
に、ケーシングの内部に局部洗浄用のノズル等の機器を
備え、これらの機器の作動を制御する制御部を組み込ん
だ衛生洗浄装置であって、人が着座したことを検知する
光電式の着座センサ及び前記機器を操作するための光電
式リモートコントローラからの信号を受ける受光部を前
記ケーシングの内部に設け、更に前記受光部に対して前
記着座センサからの散乱光を遮断する遮蔽構造をこれら
受光部と着座センサとの間に介在させたことを特徴とす
る。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例により本考案の特徴を具体的に
説明する。

第１図は本考案の要部を示す正面縦断面図、第２図はそ
の平面図である。なお、従来例で示したものと同じ部材
については共通の符番で指示しその詳細な説明は省略す
る。また、衛生洗浄装置は第５図において示した例と同
じものとして説明する。

第３図は衛生洗浄装置の便蓋2bを閉じたときの衛生洗浄
装置の全体を示す平面図である。

ケーシング２は便器本体１を跨いで固定され、左右に袖
部2c,2dをそれぞれ設け、左側の袖部2cの上面に操作パ
ネル４を配置している。また、人が着座したことを検知
する着座センサ７は右側の袖部2d内に収納されている。
この着座センサ７は赤外線発光ダイオードであり、これ
からの光を受ける受光ダイオード7aが左側の袖部2cに設
けられている。そして、人が便座2aに座って着座センサ
７から受光ダイオード7aまでの光路を遮断したときに、
着座センサ７がオンして制御部Ａに着座検知信号が入力
される。

第２図は、ケーシング２の上面を除いて示すもので、内
部には機器のタイマー設定を行なうためのインシュレー
タ８が収納されている。このインシュレータ８には、温
水タンク3aのヒータ3d及び便座2aのヒータ等への通電時
間帯を設定するタクトスイッチ型の設定スイッチ8aを設
けると共に、ディジタル式のタイマの表示装置8bが備え
られている。タイマの表示装置8b及び設定スイッチ8aは
コード8cによって制御部Ａに結線され、タイマ制御によ
り洗浄，乾燥，便座2aの暖房から消臭機能部を持つ場合
ではこれによる消臭等の機能を作動させる系を持たせて
いる。

インシュレータ８の側部には、第４図に示すように赤外
線発光ダイオードを利用した着座センサ７が備えられて
いる。この着座センサ７は、第３図に示したように左側
の袖部2cへ向けて赤外線を放てる姿勢として固定され
る。また、右側の袖部2dよりも奥側には、リモートコン
トローラ５からの赤外線信号を受ける受光部６が上を向
いて配置され、第３図に示すようにこの受光部６に対応
する位置のケーシング２の上面には透過窓6aが設けられ
ている。

インシュレータ８は、第１図に示すようにケーシング２
の内部に収納され、設定スイッチ8aや表示装置8b等は蓋
９によって隠されている。また、着座センサ７は、図示
のようにインシュレータ８の左側下部に位置し、その投
光面に対応する袖部2dの側壁には光路のための開口2eを
開けている。なお、受光ダイオード7aへの光路のため
に、左側の袖部2cにも同様な開口（図示せず）を設け
る。

更に、着座センサ７は、第４図に示すように投光面のみ
を除く面をインシュレータ８及び下端のプリント基板8d
によって包囲されている。この包囲構造は、第１図に示
すように、着座センサ７の背部に下方に突き出る遮蔽リ
ブ10等を形成したもので、着座センサ７からの投光は開
口2e方向を向き、ケーシング２内に散乱光として放たれ
ることを防止している。そして、遮蔽リブ10は、第２図
に示すように、ケーシング２の右側の袖部2dを奥行き方
向に走るように形成され、奥側に配置した受光部６と着
座センサ７との間を遮断する姿勢となっている。

以上の構成において、遮蔽リブ10等によって着座センサ
７はその投光面を除いて包囲されているので、散乱光が
ケーシング２内で伝播しない。このため、赤外線を発光
する着座センサ７とリモートコントローラ５からの赤外
線を受ける受光部６とをケーシング２内で互いに近い位
置に設けていても、受光部６には常に発光している着座
センサ７による外乱を受けることはない。したがって、
リモートコントローラ５によって洗浄やその他の機能部
を操作するときには、感知性能が着座センサ７によって
乱されることがなく、機能部の確実な作動が可能となる
と共に誤作動も解消される。

なお、第１図及び第２図に示すように、表示装置8bの周
囲にも平面形状がほぼＬ字状の補助リブ11が設けられて
いる。この補助リブ11は、表示装置8bが発光するもので
あるため、着座センサ８及び受光部６への障害を減らす
ために設けたものである。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の衛生洗浄装置において
は、着座センサから放たれる赤外線がリモートコントロ
ーラの受光部へ外乱光として到らないように、着座セン
サの投光面を除く周囲を遮蔽リブ等の遮蔽構造によって
囲んでいる。このため、着座センサからの赤外線は遮蔽
リブによって遮断され、リモートコントローラの受光部
は着座センサによる外乱を受けることなくリモートコン
トローラからの赤外線のみを受光できる。したがって、
洗浄やその他の機能部が誤作動したり異常な動きをする
ことが防止され、安全に使えるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の衛生洗浄装置の要部を示す正面縦断面
図、第２図はその平面図、第３図は衛生洗浄装置全体の
平面図、第４図はインシュレータの要部を示す斜視図、
第５図は衛生洗浄装置を備えた水洗便器の斜視図、第６
図は衛生洗浄装置の洗浄系及びリモートコントローラに
よる作動系を示す概略図である。 1:便器本体、2:ケーシング 2a:便座、2b:便蓋 2c,2d:袖部、2e:開口 3:ノズル、3a:駆動モータ 3b:温水タンク、3c:バルブユニット 3d:ヒータ、3e:温度センサ 4:操作パネル、5:リモートコントローラ 5a:ハンガー、6:受光部 6a:透過窓、7:着座センサ 7a:透過窓、8:インシュレータ 8a:設定スイッチ、8b:表示装置 8c:コード、8d:プリント基板 9:蓋、10:遮蔽リブ 11:補助リブ、A:制御部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中島 彰彦 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内 (72)考案者 板東 隆 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーシングの内部に局部洗浄用のノズル等
   の機器を備え、これらの機器の作動を制御する制御部を
   組み込んだ衛生洗浄装置であって、人が着座したことを
   検知する光電式の着座センサ及び前記機器を操作するた
   めの光電式リモートコントローラからの信号を受ける受
   光部を前記ケーシングの内部に設け、更に前記受光部に
   対して前記着座センサからの散乱光を遮断する遮蔽構造
   をこれら受光部と着座センサとの間に介在させたことを
   特徴とする衛生洗浄装置。