JPH07166551A - 盛土の補強方法 - Google Patents

盛土の補強方法

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JPH07166551A
JPH07166551A JP34117293A JP34117293A JPH07166551A JP H07166551 A JPH07166551 A JP H07166551A JP 34117293 A JP34117293 A JP 34117293A JP 34117293 A JP34117293 A JP 34117293A JP H07166551 A JPH07166551 A JP H07166551A
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JP
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embankment
concrete
ready
bag
mixed concrete
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JP34117293A
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English (en)
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Kiyoshi Yamamoto
山本  清
Takeshi Yamamoto
毅 山本
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OYO KIKAKU KK
Oyo Kikaku KK
Original Assignee
OYO KIKAKU KK
Oyo Kikaku KK
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 盛土の表面形成に土嚢積みが用いられ
ているが、土嚢は容易に変形する上、痩せてしまった
り、肩がだれる欠点があり、盛土の沈下が避けられな
い。このような欠点をカバーすることを目的とする。 【構成】 盛土の内部並びに/ないしは表面の所
定の箇所に、未硬化のコンクリートを入れた生コン袋を
設置するものである。盛土表面全面に生コン袋を設置し
てもよいし、部分的に設置してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は未硬化状態のコンクリート入り
容器を用い、そのコンクリートの硬化により盛土の補強
をする方法に関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】最近ジオグリッド材を用いた5
分勾配ないし垂直の急勾配の補強盛土が多用されてい
る。この補強盛土の表面材としては、表面に土嚢を積み
上げ、土嚢をジオグリッド材の延長部で巻き込む方法が
多用されている。土嚢積み方法は、比較的簡便で施工性
もよく、法面緑化も可能である反面、アンカー材との連
結が難しい、盛土の肩がだれる、余程盛土の土を選ばな
いと盛土の沈下が避けられない、などの問題があった。
【0003】
【問題点を解決する手段】上記の問題点を解決するため
に、この発明は、主として盛土内に層状に敷設されたジ
オグリッド材などのアンカー材で補強された盛土に関す
るものであるが、盛土の内部並びに/ないし表面の所定
の箇所で、未硬化状態のコンクリート入り容器を設置
し、その位置で硬化させるものである。容器としては、
可撓性があり、口が閉じられていることが望ましいの
で、通常は布製袋が用いられる。以下、特別の場合を除
いて容器の代表として袋という。
【0004】
【作用】この発明は、盛土表面並びにないし内部の所定
箇所で未硬化状態のコンクリート入り袋を設置すると袋
内のコンクリートが硬化し、盛土の肩のだれや、盛土の
沈下を抑制すると共に、この袋にジオグリッド材などの
アンカー材や表面被覆材を連結することにより、盛土を
より確りと安定させることが可能となる。コンクリート
は予め成形されたものでなく、未硬化の状態で袋に入れ
られているので、可なり自由に変形が可能であり、土嚢
と一緒に積み上げる場合などにも、土嚢となじむことが
出来る。型枠を構築しないでもコンクリート柱や梁を形
成することも可能であるし、未硬化であるので、設置し
た後に鉄筋などの補強筋を差し込むことも、連結用のア
ンカーピンなどを打ち込むことも可能である。硬化後は
強度がでるので、アンカーナットを埋め込むことも可能
となる。盛土表面全面を未硬化コンクリート入り袋で覆
うことにより、確りした法面を構築できる。
【0005】
【実施例1】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細
に説明する。図1は、盛土基盤31の上に形成された5
分勾配の盛土表面32に積み上げられた土嚢2の一部
を、未硬化状態のコンクリートを詰めた生コン袋1で置
き換えた状態を示すものである。生コン袋1は、横方向
・上下方向共に1メートル間隔の格子状に設置する。土
嚢2の袋としては、フラットヤーンを織製し、植生物が
通れるような隙間を有する生地を用い、表面に種子シー
トを付設したものを用いる。又、生コン袋は土嚢袋と同
じようなものを用いる。コンクリートとしては、早期に
強度の出るように早強セメントを用い、又、引張強度を
補強するようにファイバースチールを混入しておく。
【0006】施工する手順は、図2に示すように、盛土
基盤31の法尻線に沿って溝33を堀り、その中に法尻
線に沿うように生コン袋1を一列に敷き並べる。敷き並
べられた生コン袋1には横断的に鉄筋5を差し込む。次
いで、引張強度の大きい繊維からなる網状のジオグリッ
ド材4を法尻線から盛土する奥の方に向かって敷設し、
次いで、生コン袋1に重なっている部分でジオグリッド
材4の網目を通し、多数のフック付アンカーピン6を生
コン袋1に打ち込み、コンクリートの硬化により、アン
カーピンを固定し、生コン袋1とジオグリッド材4とを
確りと連結する。
【0007】敷設されたジオグリッド材4の端部、即
ち、生コン袋1の上に横一列に生コン袋1を敷き並べ
る。その上に土嚢2を5分勾配を形成するように、高さ
50センチメートル迄、各段毎に袋半分を互いにずらし
て積み上げる。土嚢にバーク堆肥を中心とした植生基盤
材を充填したものを使用すると、植生に好適である。土
嚢積みの段毎に左右に約1メートル毎に土嚢の代わりに
生コン袋1を設置する。約1メートル間隔で生コン袋1
がジグザクに上下方向に連なる。
【0008】このようにして、盛土基盤31の上に盛土
表面32となる高さ50センチメートルの生コン袋交じ
りの土嚢積みが完成される。この盛土表面32の背面に
略水平に盛土3を行う。盛土はロードローラー・タンパ
ーなどを用いて充分に締め固める。第一段の盛土を形成
した後、盛土表面32の上に前記と同様に50センチメ
ートルの高さの土嚢積みを行う。下段の場合と同様、約
1メートル間隔で生コン袋を積む。50センチメートル
の土嚢積みの最上段には、生コン袋1を横方向に連続的
に設置する。生コン袋を貫通して鉄筋5を差し込むのも
下段と同様である。このように形成した盛土表面32の
背面に第二段目の盛土3を行う。
【0009】第二段の盛土3の上には、第二層のジオグ
リッド材4を敷設する。生コン袋に重なっている部分
で、ジオグリッド材4の網目を通してフック付アンカー
ピン6を下に位置する生コン袋1に打ち込む。盛土表面
32の上に生コン袋1を横方向に一層連続的に敷き並べ
る。上下隣接する生コン袋1を貫通して鉄筋5を差し込
む。このような施工を繰り返して、最終的には図1に示
したように縦横1メートルの格子状に生コン袋が設置さ
れた盛土表面32と裏面の盛土3を形成する。
【0010】図3に示すように、この上下方向に積み上
げられた生コン袋1の背後には、盛土表面に直交する方
向に生コン袋1を積み上げて盛土表面の倒壊を防止す
る。生コン袋1が重なる箇所では上下方向に鉄筋5を差
し込む。又、盛土表面の生コン袋と背後の生コン袋とも
鉄筋を差し込んで連結する。
【0011】実施例では生コン袋を盛土表面に格子状に
形成したが、生コン袋の設置方法は実施例の格子状に限
定されることはなく、上下方向のみとか横方向のみなど
でもよい。又、格子の間隔も1メートルに限定する必要
はない。実施例では生コン袋とジオグリッド材との連結
を強固にするために、生コン袋をジオグリッド材の上下
に設置し、上下から挟む例を説明したが、これも実施例
に限定する必要はなく、上下いずれか一方でもよい。
【0012】
【実施例2】図4に示すように、生コン袋1を四個を互
い違いに縦横に並べて、中央に空間のある一辺約1メー
トルの正方形を形成する。この正方形を袋の端が同じ位
置にならないように第一段の盛土の高さ迄積み重ねて柱
状物7を形成する。柱状物の中心の空間には鉄筋5を立
てた上、未硬化コンクリート10を流し込んで補強す
る。柱状物7の周囲には第一段の盛土を行う。上記と同
じ方法で柱状物の上に次段の柱状物7を積み上げる。第
一段の盛土3の上、第二段の柱状物7と隣の柱状物7の
間には水平方向に生コン袋1を30センチメートル厚に
敷き並べて水平方向の梁状物71を形成する。柱状物と
梁状物を構成する生コン袋1を貫通して縦横に複数の鉄
筋5を差し込んで連結してから、柱状物7の周囲と梁状
物71の周囲と上に第二段の盛土3を行う。このような
施工を繰り返すことにより、生コン袋1内のコンクリー
トが硬化し、柱状物と梁状物とからなる立体格子状のマ
トリックスで補強された盛土が形成される。同様な方法
で第二段・第三段というように盛土を繰り返して、全体
としてコンクリート構造で補強された盛土を完成する。
【0013】尚、発明者は平成5年特開第287749
号、発明の名称「コンクリート地中梁で補強された盛土
構造」に於いて、急勾配盛土全体をコンクリート地中梁
で補強する方法を提案したが、上記発明により筒状型枠
を用いて上下方向の梁を構築し、本発明にあるように、
生コン袋を用いて水平方向の梁を構築し、両者を結合し
て格子状の地中梁とすることなども可能である。
【0014】
【実施例3】図5に示すように、盛土基盤31の上にジ
オグリッド材4を敷設する。ジオグリッド材は1メート
ル程度法尻線から余しておく。法尻線に沿って生コン袋
1を一段直列に設置する。ジオグリッド材の余分を生コ
ン袋を巻き込むように折り返し、その網目を通して多数
のフック付アンカーピンを上から生コン袋に打ち込む。
この上に生コン袋1を4段重ねて垂直な盛土表面32を
形成する。鉄筋5を生コン袋1の最上段から最下段まで
貫通するように打ち込む。鉄筋の上端は10センチメー
トル程突出させておく。ある程度コンクリートが硬化し
た段階で盛土表面32の背後に第一段の盛土3を行う。
盛土は充分に締め固める。ジオグリッド材は法尻線から
充分に長く余しておき、積み上げた生コン袋全体を巻き
込むように施工しても差支えない。
【0015】盛土表面32の上に更に生コン袋1を積み
重ねる。その際、一番下の生コン袋から突出している鉄
筋の上端に生コン袋を差し込む。50センチメートル高
の第二段の盛土表面の背面に第二段の盛土を行う。1メ
ートル高毎にジオグリッド材を敷設しながら、生コン袋
で盛土表面を形成し、その背後に盛土をするという施工
を繰り返し、生コン袋の盛土表面を持ち、ジオグリッド
材で補強された垂直盛土を形成する。このように形成さ
れた盛土表面32の表に、アルミニウム板からなる軽量
の表面被覆板8をボルトを用いて取り付ける。取付けは
盛土表面の必要な箇所にアンカーナットを埋め込み、こ
のナットにボルトを螺合して行うと施工が楽である。
【0016】
【実施例4】実施例3と同様な方法で生コン袋だけを積
み重ねた5分勾配の盛土表面を形成し、その背後にはジ
オグリッド材で補強された盛土を構築する。ジオグリッ
ド材の先端を生コン袋と連結しておく。前実施例と同
様、ジオグリッド材は盛土表面に積み上げられた生コン
袋全体を巻き込むように施工しても差し支えない。図6
に示すように、盛土表面32の構成する生コン袋1に
は、未硬化の段階でところどころに係止ピン61を打ち
込む。係止ピンは盛土表面から5センチメートル程度突
出させておく。係止ピンは急勾配の表面にスラリー状の
植生基盤材を吹きつけた時に安定させる目的であるか
ら、突出部がやや広い網状であったり、帯状体の両端に
打ち込みピンが付設されたようなものが望ましい。全体
の盛土表面が完成し、背後の盛土3が完成した後に、盛
土表面の上全体に厚さ5センチメートル程度の植生基盤
材9を植生種子と共に吹きつけて、表面を緑化する。
【0017】係止ピンの代わりに上端にネジの切ったア
ンカーピンを打ち込んでおいてもよい。生コン袋内のコ
ンクリートの硬化後、このアンカーピンに法枠や法面を
覆うネットを取り付けるのに用いる。上端にネジがきっ
てあるので、法枠やネットをアンカーピンに差込み、ワ
ッシャーで抑えてからナット締めすることにより、容易
に取り付けが可能となる。取り付けた、法枠の中やネッ
トの上に植生基盤を形成し緑化ができる。通常の切土の
上の緑化と同様な方法であるが、切土の場合にはアンカ
ーピンの打ち込みに大変な労力を要するが、本実施例で
は未硬化の段階の生コン袋に予めアンカーピンを打って
置けるので、施工が大変楽である。
【0018】本実施例の場合、次のような施工方法をと
ることも可能である。生コン袋を形成する時に袋には、
植生物の根や芽が出易い目の粗いものを用いる。セメン
トとしては、アルカリ性の強いポルトラルセメントに代
わり、植生に影響の少ないマグネシアセメント・リン酸
セメントを用いる。コンクリートとしては、粗骨材分を
多くし、細骨材分を少なくして硬化した段階で空隙の多
いポーラスコンクリートとする。中に大粒の緩効性肥料
を混入する。このような配合のコンクリートを充填した
生コン袋を並べて5分勾配の盛土表面を形成する。硬化
する前に表面に係止ピンを打って置き、盛土表面が完成
してから、厚さ3センチメートル程度の植生基盤材を吹
きつける。植生物は植生基盤材を通り、ポーラスコンク
リートの中にも根を張り、ポーラスコンクリートの中の
水分・養分などを吸収して成育可能なので、肉薄の植生
基盤材の吹きつけによっても、安定した緑化が可能とな
る。
【0019】図7に示すように、中に仕切り壁11のあ
る二連袋12を用い、設置した時に表面側になる部分に
は種子と植生基盤材9を入れ、盛土側の部分には未硬化
コンクリート10を入れた複合生コン袋13を形成す
る。このような複合生コン袋を実施例1の土嚢に代えて
用いたり、実施例4の生コン袋に代えて敷設することに
より、安定がよく、しかも、植生が可能な盛土表面を形
成することができる。複合生コン袋は袋の中を二分する
代わりに、二個の袋を合体させて片方に植生基盤材をい
れ、他方にコンクリートを入れるという方法によっても
実現できる。小さな袋を大きな袋の中にいれて複合する
ことも可能である。又、袋の内側の一面にブロック化さ
れた植生基盤材を取付け、その残りの部分にコンクリー
トを充填するという方法によってもよい。
【0020】図8に示すように、耐候性に優れ、可撓性
のあるプラスチック材料からなる網体を以て直方体の箱
状容器14を形成しする。容器は中央の仕切り壁11で
二室に分けられている。一室には植生基盤材9を入れ、
他の一室には未硬化コンクリート10の充填された小さ
な生コン袋1を入れた複合容器を形成することも可能で
ある。この容器は複合生コン袋と同様に用いることがで
きし、盛土表面に設置された場合、植生基盤材を長期に
わたり安定して保持することができるので都合がよい。
【0021】この発明の補強盛土のアンカー材としては
実施例の網状のジオグリッド材が一般的であるが、これ
に限定されることはなく、帯状であったり線状であった
り、更に、材質も繊維製のものに限定されることなく、
引張強度が大きければ、金属などであってもよい。又、
この発明に用いる盛土材料としては、一般の土でもよい
が、発泡スチロールブロックや発泡モルタルなどの軽量
の盛土材料を用いることも可能である。
【0022】実施例では連続した生コン容器を貫通して
鉄筋を差し込んだ例を説明したが、鉄筋は省略可能であ
る。逆に、盛土表面の変形をできるだけ抑制するために
は、多数の補強筋を差し込んで、確りしたコンクリート
枠を形成するのが望ましい。
【0023】生コン容器は、通常はやや少なめの水を添
加して流動性を抑えたコンクリートを充填するのが、設
置する時の変形を抑える点から望ましい。又、粗骨材を
省略して細骨材のみを用いたモルタルを充填したもので
もよい。骨材としては軽量骨材を用い、生コン袋の重量
を軽くして施工性をよくしても差し支えない。更に、フ
ァイバースチールなどを混入して形成されるコンクリー
トの引張強度を補強することも可能である。水を添加し
ないで、セメントと粗骨材・細骨材、場合によっては繊
維状補強材を混合したまま透水性のある容器に詰めたも
のを所定場所に設置し、雨水などにより自然に水和硬化
させるとか、設置したのち外から散水して水和させるな
どの方法を採用することも可能である。
【0024】
【発明の効果】この発明はこのように構成されているの
で、次のような特長を有する。 1コンクリート成形物と違い、生コン袋には可撓性があ
るので、土嚢と同様に現場になじむことができる。 2現場になじむので、土嚢積みと同様に単純で安価な施
工ができる。 3生コン袋は人力で施工できるので、特に重機などの必
要もなく、山奥など交通の悪い箇所でも施工が可能であ
る。 4生コン袋は任意の箇所に設置できるので、直線状・格
子状など自由な設計が可能である。 5コンクリート型枠の構築は面倒で手間の掛かる作業で
あるが、本発明の生コン袋を用いると型枠の構築が不必
要なので、盛土内にコンクリートの柱や梁や、コンクリ
ートの盛土表面を容易に構築することができる。 6一定の高さまで生コン袋を積み上げ、次いで盛土を施
工する、という手順が繰り返される。盛土施工の間に生
コン袋のコンクリートが硬化し、次の生コン袋を積むこ
とができるので、手順や時間に無駄がない。 7生コン袋が硬化した段階ではコンクリートとしての圧
縮強度が得られるし、特に鉄筋などを差し込んで引張力
を補強することも出来るので、強固な盛土表面や圧密沈
下のし難い盛土が構築できる。 8生コン袋は通常の土嚢のように、中の土が痩せて減量
されて変形することがないので、土嚢だけで盛土表面を
形成するのに比べ、変形や盛土の肩のだれなどが生じ難
い。 9未硬化段階の生コン袋にフック付アンカーピンや鉄筋
などを打ち込むことは容易であるし、コンクリートの硬
化により強固に結合できる。又、鉄製品を用いても錆の
発生の心配がない。 10盛土表面を生コン袋で形成し、この上に係止ピンや
アンカーピンを打ち込み、その上に直接植生基盤材を吹
きつけたり、法枠や覆いネットを設置したりした上で植
生基盤を形成することができるので、安定した植生が可
能となる。 11盛土表面をプラスチック製のジオグリッド材や植生
土嚢や金網で形成すると、変形したり、可燃性であった
り、錆たりするので、永久構造物としては認められない
が、コンクリートで表面をカバーすることにより解決さ
れる。 12生コン袋ないし容器を生コン部分と植生基盤材の部
分からなる複合体とすることにより、生コン袋の特長を
持ちながら、且つ、緑化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 盛土表面の一例を示す正面図である。
【図2】 盛土の形成状況の一例を示す側断面図であ
る。
【図3】 盛土表面の形成状況の一例を示す平面図であ
る。
【図4】 補強された盛土の形成状況の一例を示す平面
図である。
【図5】 盛土表面に表面被覆板を取り付けた状況を示
す側断面図である。
【図6】 盛土表面に植生基盤材を施工した状況を示す
側断面図である。
【図7】 複合生コン袋の一例を示す断面図である。
【図8】 箱状容器の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 生コン袋 10 未硬化コンクリート 11 仕切り壁 12 二連袋 13 複合生コン袋 14 箱状容器 2 土嚢 3 盛土 31 盛土基盤 32 盛土表面 33 溝 4 ジオグリッド材 5 鉄筋 6 フック付アンカーピン 61 係止ピン 7 柱状物 71 梁状物 8 表面被覆板 9 植生基盤材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】 盛土の補強方法
【特許請求の範囲】
【請求項】 盛土の表面に土嚢を積み上げ、その背後
に盛土を行う盛土施工において、所定の箇所で、土嚢の
代わりに、未硬化状態のコンクリート入り容器を設置す
ることを特徴とした、請求項1ないし請求項記載の、
盛土の補強方法。
【請求項】 未硬化状態のコンクリート入り容器は、
盛土表面並びに/ないし盛土内部に所定間隔をおいて、
上下方向並びに/ないし左右方向に連続して設置するこ
とを特徴とした、請求項1ないし請求項記載の、盛土
の補強方法。
【請求項】 ジオグリッド材などのアンカー材を、盛
土の表面で、未硬化状態のコンクリート入り容器に連結
することを特徴とした、請求項1ないし請求項記載
の、盛土の補強方法。
【請求項】 盛土の表面に立設する擁壁ないし枠工な
いし植生基盤などの表面被覆材は、盛土の表面ないし内
部に設置した、未硬化状態のコンクリート入り容器に連
結することを特徴とした、請求項1ないし請求項5記載
の、盛土の補強方法。
【請求項】 未硬化状態のコンクリート入り容器を貫
通して、補強筋を挿入することを特徴とした、請求項1
ないし請求項記載の、盛土の補強方法。
【請求項】 未硬化状態のコンクリートの入り容器
は、袋であることを特徴とした、請求項1ないし請求項
記載の、盛土の補強方法。
【請求項10】 盛土材料は、天然材料以外の発泡スチ
ロール・発泡モルタルなどの人工材料であることを特徴
とした、請求項1ないし請求項記載の、盛土の補強方
法。
【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は未硬化状態のコンクリート入り
容器を用い、そのコンクリートの硬化により盛土の補強
をする方法に関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】最近ジオグリッド材を用いた5
分勾配ないし垂直の急勾配の補強盛土が多用されてい
る。この補強盛土の表面材としては、表面に土嚢を積み
上げ、土嚢をジオグリッド材の延長部で巻き込む方法が
多用されている。土嚢積み方法は、比較的簡便で施工性
もよく、法面緑化も可能である反面、アンカー材との連
結が難しい、盛土の肩がだれる、余程盛土の土を選ばな
いと盛土の沈下が避けられない、などの問題があった。
【0003】
【問題点を解決する手段】上記の問題点を解決するため
に、この発明は、主として盛土内に層状に敷設されたジ
オグリッド材などのアンカー材で補強された盛土に関す
るものであるが、盛土の内部並びに/ないし表面の所定
の箇所で、未硬化状態のコンクリート入り容器を設置
し、その位置で硬化させるものである。容器としては、
可撓性があり、口が閉じられていることが望ましいの
で、通常は布製袋が用いられる。以下、特別の場合を除
いて容器の代表として袋という。
【0004】
【作用】この発明は、盛土表面並びにないし内部の所定
箇所で未硬化状態のコンクリート入り袋を設置すると袋
内のコンクリートが硬化し、盛土の肩のだれや、盛土の
沈下を抑制すると共に、この袋にジオグリッド材などの
アンカー材や表面被覆材を連結することにより、盛土を
より確りと安定させることが可能となる。コンクリート
は予め成形されたものでなく、未硬化の状態で袋に入れ
られているので、可なり自由に変形が可能であり、土嚢
と一緒に積み上げる場合などにも、土嚢となじむことが
出来る。型枠を構築しないでもコンクリート柱や梁を形
成することも可能であるし、未硬化であるので、設置し
た後に鉄筋などの補強筋を差し込むことも、連結用のア
ンカーピンなどを打ち込むことも可能である。硬化後は
強度がでるので、アンカーナットを埋め込むことも可能
となる。盛土表面全面を未硬化コンクリート入り袋で覆
うことにより、確りした法面を構築できる。
【0005】
【実施例1】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細
に説明する。図1は、盛土基盤31の上に形成された5
分勾配の盛土表面32に積み上げられた土嚢2の一部
を、未硬化状態のコンクリートを詰めた生コン袋1で置
き換えた状態を示すものである。生コン袋1は、横方向
・上下方向共に1メートル間隔の格子状に設置する。土
嚢2の袋としては、フラットヤーンを織製し、植生物が
通れるような隙間を有する生地を用い、表面に種子シー
トを付設したものを用いる。又、生コン袋は土嚢袋と同
じようなものを用いる。コンクリートとしては、早期に
強度の出るように早強セメントを用い、又、引張強度を
補強するようにファイバースチールを混入しておく。
【0006】施工する手順は、図2に示すように、盛土
基盤31の法尻線に沿って溝33を堀り、その中に法尻
線に沿うように生コン袋1を一列に敷き並べる。敷き並
べられた生コン袋1には横断的に鉄筋5を差し込む。次
いで、引張強度の大きい繊維からなる網状のジオグリッ
ド材4を法尻線から盛土する奥の方に向かって敷設し、
次いで、生コン袋1に重なっている部分でジオグリッド
材4の網目を通し、多数のフック付アンカーピン6を生
コン袋1に打ち込み、コンクリートの硬化により、アン
カーピンを固定し、生コン袋1とジオグリッド材4とを
確りと連結する。
【0007】敷設されたジオグリッド材4の端部、即
ち、生コン袋1の上に横一列に生コン袋1を敷き並べ
る。その上に土嚢2を5分勾配を形成するように、高さ
50センチメートル迄、各段毎に袋半分を互いにずらし
て積み上げる。土嚢にバーク堆肥を中心とした植生基盤
材を充填したものを使用すると、植生に好適である。土
嚢積みの段毎に左右に約1メートル毎に土嚢の代わりに
生コン袋1を設置する。約1メートル間隔で生コン袋1
がジグザクに上下方向に連なる。
【0008】このようにして、盛土基盤31の上に盛土
表面32となる高さ50センチメートルの生コン袋交じ
りの土嚢積みが完成される。この盛土表面32の背面に
略水平に盛土3を行う。盛土はロードローラー・タンパ
ーなどを用いて充分に締め固める。第一段の盛土を形成
した後、盛土表面32の上に前記と同様に50センチメ
ートルの高さの土嚢積みを行う。下段の場合と同様、約
1メートル間隔で生コン袋を積む。50センチメートル
の土嚢積みの最上段には、生コン袋1を横方向に連続的
に設置する。生コン袋を貫通して鉄筋5を差し込むのも
下段と同様である。このように形成した盛土表面32の
背面に第二段目の盛土3を行う。
【0009】第二段の盛土3の上には、第二層のジオグ
リッド材4を敷設する。生コン袋に重なっている部分
で、ジオグリッド材4の網目を通してフック付アンカー
ピン6を下に位置する生コン袋1に打ち込む。盛土表面
32の上に生コン袋1を横方向に一層連続的に敷き並べ
る。上下隣接する生コン袋1を貫通して鉄筋5を差し込
む。このような施工を繰り返して、最終的には図1に示
したように縦横1メートルの格子状に生コン袋が設置さ
れた盛土表面32と裏面の盛土3を形成する。
【0010】図3に示すように、この上下方向に積み上
げられた生コン袋1の背後には、盛土表面に直交する方
向に生コン袋1を積み上げて盛土表面の倒壊を防止す
る。生コン袋1が重なる箇所では上下方向に鉄筋5を差
し込む。又、盛土表面の生コン袋と背後の生コン袋とも
鉄筋を差し込んで連結する。
【0011】実施例では生コン袋を盛土表面に格子状に
形成したが、生コン袋の設置方法は実施例の格子状に限
定されることはなく、上下方向のみとか横方向のみなど
でもよい。又、格子の間隔も1メートルに限定する必要
はない。実施例では生コン袋とジオグリッド材との連結
を強固にするために、生コン袋をジオグリッド材の上下
に設置し、上下から挟む例を説明したが、これも実施例
に限定する必要はなく、上下いずれか一方でもよい。
【0012】
【実施例2】図4に示すように、生コン袋1を四個を互
い違いに縦横に並べて、中央に空間のある一辺約1メー
トルの正方形を形成する。この正方形を袋の端が同じ位
置にならないように第一段の盛土の高さ迄積み重ねて柱
状物7を形成する。柱状物の中心の空間には鉄筋5を立
てた上、未硬化コンクリート10を流し込んで補強す
る。柱状物7の周囲には第一段の盛土を行う。上記と同
じ方法で柱状物の上に次段の柱状物7を積み上げる。第
一段の盛土3の上、第二段の柱状物7と隣の柱状物7の
間には水平方向に生コン袋1を30センチメートル厚に
敷き並べて水平方向の梁状物71を形成する。柱状物と
梁状物を構成する生コン袋1を貫通して縦横に複数の鉄
筋5を差し込んで連結してから、柱状物7の周囲と梁状
物71の周囲と上に第二段の盛土3を行う。このような
施工を繰り返すことにより、生コン袋1内のコンクリー
トが硬化し、柱状物と梁状物とからなる立体格子状のマ
トリックスで補強された盛土が形成される。同様な方法
で第二段・第三段というように盛土を繰り返して、全体
としてコンクリート構造で補強された盛土を完成する。
【0013】尚、発明者は平成5年特開第287749
号、発明の名称「コンクリート地中梁で補強された盛土
構造」に於いて、急勾配盛土全体をコンクリート地中梁
で補強する方法を提案したが、上記発明により筒状型枠
を用いて上下方向の梁を構築し、本発明にあるように、
生コン袋を用いて水平方向の梁を構築し、両者を結合し
て格子状の地中梁とすることなども可能である。
【0014】
【実施例3】図5に示すように、盛土基盤31の上にジ
オグリッド材4を敷設する。ジオグリッド材は1メート
ル程度法尻線から余しておく。法尻線に沿って生コン袋
1を一段直列に設置する。ジオグリッド材の余分を生コ
ン袋を巻き込むように折り返し、その網目を通して多数
のフック付アンカーピンを上から生コン袋に打ち込む。
この上に生コン袋1を4段重ねて垂直な盛土表面32を
形成する。鉄筋5を生コン袋1の最上段から最下段まで
貫通するように打ち込む。鉄筋の上端は10センチメー
トル程突出させておく。ある程度コンクリートが硬化し
た段階で盛土表面32の背後に第一段の盛土3を行う。
盛土は充分に締め固める。ジオグリッド材は法尻線から
充分に長く余しておき、積み上げた生コン袋全体を巻き
込むように施工しても差支えない。
【0015】盛土表面32の上に更に生コン袋1を積み
重ねる。その際、一番下の生コン袋から突出している鉄
筋の上端に生コン袋を差し込む。50センチメートル高
の第二段の盛土表面の背面に第二段の盛土を行う。1メ
ートル高毎にジオグリッド材を敷設しながら、生コン袋
で盛土表面を形成し、その背後に盛土をするという施工
を繰り返し、生コン袋の盛土表面を持ち、ジオグリッド
材で補強された垂直盛土を形成する。このように形成さ
れた盛土表面32の表に、アルミニウム板からなる軽量
の表面被覆板8をボルトを用いて取り付ける。取付けは
盛土表面の必要な箇所にアンカーナットを埋め込み、こ
のナットにボルトを螺合して行うと施工が楽である。
【0016】
【実施例4】図9に示すのは、盛土表面に小段を形成し
た例である。前実施例と同様、盛土基盤31の上にジオ
グリッド材4を敷設する。この上に生コン袋1を積み重
ねて高さ1メートルの垂直な盛土表面32を形成する。
前実施例と同様に生コン袋をジオグリッド材と緊結し、
生コン袋を貫通する鉄筋で補強することは同じである。
ある程度コンクリートが硬化した段階で盛土表面32の
背後に第一段の盛土3を行う。盛土は充分に締め固め
る。
【0017】第一段の盛土表面32から50センチメー
トル引っ込んだ箇所、第一段の盛土3の上に一層生コン
袋1を基礎として埋め込み、その上にジオグリッド材を
敷設し、その上に生コン袋1を積み重ねる。1メートル
の高さの第二段の盛土表面を形成し、その背面に第二段
の盛土を行う、というような施工を繰り返し、生コン袋
の盛土表面を持つ、小段34付きの盛土を形成する。小
段34は小さな木本類91や蔦などを植えて緑化するこ
とができる。又、生コン袋1の表面を擬石模様15にし
ておくなども可能である。
【0018】
【実施例5】 実施例3と同様な方法で生コン袋だけを積
み重ねた5分勾配の盛土表面を形成し、その背後にはジ
オグリッド材で補強された盛土を構築する。ジオグリッ
ド材の先端を生コン袋と連結しておく。前実施例と同
様、ジオグリッド材は盛土表面に積み上げられた生コン
袋全体を巻き込むように施工しても差し支えない。図6
に示すように、盛土表面32の構成する生コン袋1に
は、未硬化の段階でところどころに係止ピン61を打ち
込む。係止ピンは盛土表面から5センチメートル程度突
出させておく。係止ピンは急勾配の表面にスラリー状の
植生基盤材を吹きつけた時に安定させる目的であるか
ら、突出部がやや広い網状であったり、帯状体の両端に
打ち込みピンが付設されたようなものが望ましい。全体
の盛土表面が完成し、背後の盛土3が完成した後に、盛
土表面の上全体に厚さ5センチメートル程度の植生基盤
材9を植生種子と共に吹きつけて、表面を緑化する。
【0019】 係止ピンの代わりに上端にネジの切ったア
ンカーピンを打ち込んでおいてもよい。生コン袋内のコ
ンクリートの硬化後、このアンカーピンに法枠や法面を
覆うネットを取り付けるのに用いる。上端にネジがきっ
てあるので、法枠やネットをアンカーピンに差込み、ワ
ッシャーで抑えてからナット締めすることにより、容易
に取り付けが可能となる。取り付けた、法枠の中やネッ
トの上に植生基盤を形成し緑化ができる。通常の切土の
上の緑化と同様な方法であるが、切土の場合にはアンカ
ーピンの打ち込みに大変な労力を要するが、本実施例で
は未硬化の段階の生コン袋に予めアンカーピンを打って
置けるので、施工が大変楽である。
【0020】 本実施例の場合、次のような施工方法をと
ることも可能である。袋には粗骨材の漏れない程度の目
の粗いものを用いる。セメントとしては、アルカリ性の
強いポルトランドセメントに代わり、植生に影響の少な
いマグネシアセメント・リン酸セメントを用いる。粗骨
材としては、人工軽量骨材を用いる。細骨材は用いず、
粗骨材にセメントミルクをまぶして、硬化した段階で空
隙の多いポーラスコンクリート(まぶしコンクリート)
とする。中に一粒の重量が10〜30グラムの大粒の緩
効性肥料を混入する。緩効性肥料としては、菱化農芸株
式会社発売のイソブチリデンジウレアを主成分としたウ
ッドエース(登録商標)が適している。
【0021】 このような配合の未硬化状態のコンクリー
トを充填した生コン袋を並べて5分勾配の盛土法面を形
成する。コンクリートの硬化後、植生基盤材を吹きつ
け、ポーラスコンクリートの空隙を充填すると共に、生
コン袋の上にも厚さ3センチメートル程度の植生基盤材
層を形成する。植生物は植生基盤材を通り、ポーラスコ
ンクリートの中にも根を張り、その中の水分・養分を吸
収して成育可能なので、安定した緑化が可能となる。
【0022】 図7に示すように、中に仕切り壁11のあ
る二連袋12を用い、設置した時に表面側になる部分に
は種子と植生基盤材9を入れ、盛土側の部分には未硬化
コンクリート10を入れた複合生コン袋13を形成す
る。このような複合生コン袋を実施例1の土嚢に代えて
用いたり、実施例4の生コン袋に代えて敷設することに
より、安定がよく、しかも、植生が可能な盛土表面を形
成することができる。
【0023】 複合生コン袋は袋の中を二分する代わり
に、二個の袋を合体させて片方に植生基盤材をいれ、他
方にコンクリートを入れるという方法によっても実現で
きる。小さな袋を大きな袋の中にいれて複合することも
可能である。又、袋の内側の一面にブロック化された植
生基盤材を取付け、その残りの部分にコンクリートを充
填するという方法によってもよい。
【0024】 図8に示すように、耐候性に優れ、可撓性
のあるプラスチック材料からなる網体を以て直方体の箱
状容器14を形成する。容器は中央の仕切り壁11で二
室に分けられている。一室には植生基盤材9を入れ、他
の一室には未硬化コンクリート10の充填された小さな
生コン袋1を入れた複合容器を形成することも可能であ
る。この容器は複合生コン袋と同様に用いることができ
し、盛土表面に設置された場合、植生基盤材を長期にわ
たり安定して保持することができるので都合がよい。
【0025】 この発明の補強盛土のアンカー材としては
合成繊維からなる網状のジオグリッド材が一般的である
が、これに限定されることなく、帯状であったり線状で
あったり、更に、材質も繊維製のものに限らず、引張強
度が大きければ、合成樹脂製やテールアルメ工法(商標
登録)に用いられるように金属であってもよい。又、
この発明に用いる盛土材料としては、一般の土でもよい
が、発泡スチロールブロックや発泡モルタルなどの軽量
の盛土材料を用いることも可能である。
【0026】 実施例では連続した生コン容器を貫通して
鉄筋を差し込んだ例を説明したが、鉄筋は省略可能であ
る。逆に、盛土表面の変形をできるだけ抑制するために
は、多数の補強筋を差し込んで、確りしたコンクリート
枠を形成するのが望ましい。
【0027】 生コン容器は、通常はやや少なめの水を添
加して流動性を抑えたコンクリートを充填するのが、設
置する時の変形を抑える点から望ましい。又、粗骨材を
省略して細骨材のみを用いたモルタルを充填したもので
もよい。骨材としては軽量骨材を用い、生コン袋の重量
を軽くして施工性をよくしても差し支えない。更に、フ
ァイバースチールなどを混入して形成されるコンクリー
トの引張強度を補強することも可能である。水を添加し
ないで、セメントと粗骨材・細骨材、場合によっては繊
維状補強材を混合したまま透水性のある容器に詰めたも
のを所定場所に設置し、雨水などにより自然に水和硬化
させるとか、設置したのち外から散水して水和させるな
どの方法を採用することも可能である。
【0028】
【発明の効果】この発明はこのように構成されているの
で、次のような特長を有する。 1コンクリート成形物と違い、生コン袋には可撓性があ
るので、土嚢と同様に現場になじむことができる。 2現場になじむので、土嚢積みと同様に単純で安価な施
工ができる。 3生コン袋は人力で施工できるので、特に重機などの必
要もなく、山奥など交通の悪い箇所でも施工が可能であ
る。 4生コン袋は任意の箇所に設置できるので、直線状・格
子状など自由な設計が可能である。
【0029】 5コンクリート型枠の構築は面倒で手間の
掛かる作業であるが、本発明の生コン袋を用いると型枠
の構築が不必要なので、盛土内にコンクリートの柱や梁
や、コンクリートの盛土表面を容易に構築することがで
きる。 6一定の高さまで生コン袋を積み上げ、次いで盛土を施
工する、という手順が繰り返される。盛土施工の間に生
コン袋のコンクリートが硬化し、次の生コン袋を積むこ
とができるので、手順や時間に無駄がない。 7生コン袋が硬化した段階ではコンクリートとしての圧
縮強度が得られるし、特に鉄筋などを差し込んで引張力
を補強することも出来るので、強固な盛土表面や圧密沈
下のし難い盛土が構築できる。 8生コン袋は通常の土嚢のように、中の土が痩せて減量
されて変形することがないので、土嚢だけで盛土表面を
形成するのに比べ、変形や盛土の肩のだれなどが生じ難
い。
【0030】 9未硬化段階の生コン袋にフック付アンカ
ーピンや鉄筋などを打ち込むことは容易であるし、コン
クリートの硬化により強固に結合できる。又、鉄製品を
用いても錆の発生の心配がない。 10盛土表面を生コン袋で形成し、この上に係止ピンや
アンカーピンを打ち込み、その上に直接植生基盤材を吹
きつけたり、法枠や覆いネットを設置したりした上で植
生基盤を形成することができるので、安定した植生が可
能となる。 11盛土表面をプラスチック製のジオグリッド材や植生
土嚢や金網で形成すると、変形したり、可燃性であった
り、錆たりするので、永久構造物としては認められない
が、コンクリートで表面をカバーすることにより解決さ
れる。 12生コン袋ないし容器を生コン部分と植生基盤材の部
分からなる複合体とすることにより、生コン袋の特長を
持ちながら、且つ、緑化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 盛土表面の一例を示す正面図である。
【図2】 盛土の形成状況の一例を示す側断面図であ
る。
【図3】 盛土表面の形成状況の一例を示す平面図であ
る。
【図4】 補強された盛土の形成状況の一例を示す平面
図である。
【図5】 盛土表面に表面被覆板を取り付けた状況を示
す側断面図である。
【図6】 盛土表面に植生基盤材を施工した状況を示す
側断面図である。
【図7】 複合生コン袋の一例を示す断面図である。
【図8】 箱状容器の一例を示す斜視図である。
【図9】 小段付きの盛土の一例を示す側断面図であ
る。
【符号の説明】 1 生コン袋 10 未硬化コンクリート 11 仕切り壁 12 二連袋 13 複合生コン袋 14 箱状容器15 擬石模様 2 土嚢 3 盛土 31 盛土基盤 32 盛土表面 33 溝34 小段 4 ジオグリッド材 5 鉄筋 6 フック付アンカーピン 61 係止ピン 7 柱状物 71 梁状物 8 表面被覆板 9 植生基盤材
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】追加
【補正内容】
【図9】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 盛土表面並びに/ないし盛土内部の所定
    の箇所に、未硬化状態のコンクリート入り容器を設置
    し、上記コンクリートの硬化により、盛土を補強するこ
    とを特徴とした、盛土の補強方法。
  2. 【請求項2】 盛土は内部にジオグリッド材などのアン
    カー材により補強された補強盛土であることを特徴とし
    た、請求項1記載の、盛土の補強方法。
  3. 【請求項3】 未硬化状態のコンクリート入り容器は、
    セメントと骨材の混合物を透水性のある容器に詰め、所
    定の箇所に設置した後に、自然に、ないし、人為的に水
    を加えたものであることを特徴とした、請求項1ないし
    請求項2記載の、盛土の補強方法。
  4. 【請求項4】 盛土の表面に土嚢を積み上げ、その背後
    に盛土を行う盛土施工において、所定の箇所で、土嚢の
    代わりに、未硬化状態のコンクリート入り容器を設置す
    ることを特徴とした、請求項1ないし請求項3記載の、
    盛土の補強方法。
  5. 【請求項5】 未硬化状態のコンクリート入り容器は、
    盛土表面並びに/ないし盛土内部に所定間隔をおいて、
    上下方向並びに/ないし左右方向に連続して設置するこ
    とを特徴とした、請求項1ないし請求項4記載の、盛土
    の補強方法。
  6. 【請求項6】 ジオグリッド材などのアンカー材を、盛
    土の表面で、未硬化状態のコンクリート入り容器に連結
    することを特徴とした、請求項1ないし請求項5記載
    の、盛土の補強方法。
  7. 【請求項7】 盛土の表面に立設する擁壁ないし枠工な
    いし植生基盤などの表面被覆材は、盛土の表面ないし内
    部に設置した、未硬化状態のコンクリート入り容器に連
    結することを特徴とした、請求項1ないし請求項6記載
    の、盛土の補強方法。
  8. 【請求項8】 未硬化状態のコンクリート入り容器を貫
    通して、補強筋を挿入することを特徴とした、請求項1
    ないし請求項7記載の、盛土の補強方法。
  9. 【請求項9】 未硬化状態のコンクリート入り容器は、
    二つの部分から構成されており、一つの部分には植生基
    盤材が充填され、他の部分には未硬化のコンクリートが
    入れられていることを特徴とした、請求項1ないし請求
    項8記載の、盛土の補強方法。
  10. 【請求項10】 未硬化状態のコンクリートの入り容器
    は、可撓性と透水ないし通水性のあることを特徴とし
    た、請求項1ないし請求項9記載の、盛土の補強方法。
  11. 【請求項11】 未硬化状態のコンクリートの入り容器
    は、袋であることを特徴とした、請求項1ないし請求項
    10記載の、盛土の補強方法。
  12. 【請求項12】 盛土材料は、発泡スチロール・発泡モ
    ルタルなどの人工材料であることを特徴とした、請求項
    1ないし請求項11記載の、盛土の補強方法。
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