JPH07166276A - 耐蟻の巣状腐食性に優れた銅合金およびこの銅合金からなる熱交換器用配管 - Google Patents

耐蟻の巣状腐食性に優れた銅合金およびこの銅合金からなる熱交換器用配管

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JPH07166276A
JPH07166276A JP34293193A JP34293193A JPH07166276A JP H07166276 A JPH07166276 A JP H07166276A JP 34293193 A JP34293193 A JP 34293193A JP 34293193 A JP34293193 A JP 34293193A JP H07166276 A JPH07166276 A JP H07166276A
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JP
Japan
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copper alloy
weight
corrosion
ant
heat exchanger
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JP34293193A
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Toshiyuki Cho
俊之 長
Yoshimasa Shiraishi
好正 白石
Tsutomu Takahashi
務 高橋
Masahito Watanabe
雅人 渡辺
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐蟻の巣状腐食性に優れた銅合金およびこの
銅合金からなる熱交換器用銅合金配管を提供する。 【構成】(1)R(ただし、RはYを除く希土類元
素):0.005〜2重量%、P:0.005〜0.5
重量%を含有し、残りがCuからなる銅合金。(2)
R:0.005〜2重量%、P:0.005〜0.5重
量%、Ca、Mg、Yのうち1種または1種以上を総量
で0.005〜1重量%を含有し、残りがCuからなる
銅合金。(3)R:0.005〜2重量%、P:0.0
05〜0.5重量%、Ca、MgおよびYのうち1種ま
たは2種以上を総量で0.005〜1重量%、Snおよ
びZnのうち1種または2種を総量で0.05〜5重量
%を含有し、残りがCuからなる銅合金、(4)前記
(1)、(2)または(3)記載の組成を有する銅合金
からなる熱交換器用配管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐蟻の巣状腐食性に
優れた銅合金に関するものであり、さらに、この耐蟻の
巣状腐食性に優れた銅合金からなる熱交換器用銅合金配
管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱交換器用銅合金配管として、燐
脱酸銅管が広く使用されている(例えば、特開昭63−
247326号公報参照)。これは燐脱酸銅が伝熱性、
耐食性などに優れているためで、この燐脱酸銅からなる
配管も伝熱性、耐食性などのほか、加工性、施工性など
に優れているためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱交換
器に使用された燐脱酸銅管は蟻の巣状腐食による漏洩事
故が発生することがあり問題になっている。蟻の巣状腐
食の特徴は、化学成分おやよび組織に異常は認められな
いにもかかわらず発生すること、腐食孔が肉眼で発見し
難いほど微小であること、腐食断面が特異的で侵食が複
雑に入り組んだトンネル状に連なる蟻の巣のような形状
をしていることなどである。
【0004】燐脱酸銅管を熱交換器用配管として用いた
場合に蟻の巣状腐食が発生する理由として、燐脱酸銅管
内面に残留した潤滑油が劣化して有機酸に変化し、この
有機酸の接触により発生するものと考えられているが明
らかではなく、いずれにしても耐蟻の巣状腐食性に優れ
た銅合金および耐蟻の巣状腐食性に優れた熱交換器用銅
合金配管が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述のような観点から、従来の燐脱酸銅配管よりもさら
に耐蟻の巣状腐食性に優れた熱交換器用銅合金配管を開
発すべく研究を行った結果、(a)通常の燐脱酸銅にR
(ただし、RはYを除く希土類元素):0.005〜2
重量%を含有せしめた銅合金、(b)通常の燐脱酸銅に
R:0.005〜2重量%、並びにCa、MgおよびY
のうち1種または1種以上を総量で0.005〜1重量
%を含有せしめた銅合金、(c)通常の燐脱酸銅にR:
0.005〜2重量%、Ca、MgおよびYのうち1種
または1種以上を総量で0.005〜1重量%、並びに
SnおよびZnのうち1種または2種を総量で0.05
〜5重量%を含有せしめた銅合金、は耐蟻の巣状腐食性
に優れており、この銅合金で作製した銅合金配管は耐蟻
の巣状腐食性に優れているので、熱交換器用配管として
使用しても蟻の巣状腐食による漏洩事故が発生すること
はないという知見を得たのである。
【0006】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、(1) R:0.005〜2重量
%、P:0.005〜0.5重量%を含有し、残りがC
uおよび不可避不純物からなる組成を有する耐蟻の巣状
腐食性に優れた銅合金、(2) R:0.005〜2重
量%、P:0.005〜0.5重量%を含有し、さらに
Ca、Mg、Yのうち1種または1種以上を総量で0.
005〜1重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不
純物からなる組成を有する耐蟻の巣状腐食性に優れた銅
合金、(3) R:0.005〜2重量%、P:0.0
05〜0.5重量%を含有し、さらにCa、Mgおよび
Yのうち1種または2種以上を総量で0.005〜1重
量%を含有し、さらにSnおよびZnのうち1種または
2種を総量で0.05〜5重量%を含有し、残りがCu
および不可避不純物からなる組成を有する耐蟻の巣状腐
食性に優れた銅合金、(4) 上記(1)、(2)また
は(3)記載の組成を有する耐蟻の巣状腐食性に優れた
銅合金からなる熱交換器用配管、に特徴を有するもので
ある。
【0007】つぎに、この発明の耐蟻の巣状腐食性に優
れた銅合金およびその銅合金配管の成分組成を上記のご
とく限定した理由について説明する。
【0008】(a) R Rは、燐脱酸銅に添加することにより銅合金表面に形成
された酸化膜を安定化させ、蟻の巣状腐食を抑制させる
作用があるが、その含有量が0.005重量%未満では
銅合金の蟻の巣状腐食抑制効果が十分でなく、一方、2
重量%をより多く含有すると耐蟻の巣状腐食性向上効果
が飽和し、かえって延性などの低下による加工性の低下
を招くので管成形には好ましくない。したがって、Rの
含有量は0.005〜2重量%に定めた。
【0009】(b) P Pは脱酸剤として銅合金中に添加され、健全なインゴッ
トの製造を容易にするとともに含有して蟻の巣状腐食の
発生やその成長を抑制する作用を有するが、その含有量
が0.005重量%未満では十分な脱酸効果がなく、ま
た十分な蟻の巣状腐食抑制効果が得られず、一方、0.
5重量%をより多く含有すると脱酸効果はあるものの、
燐化物を形成し、加工性が著しく低下するので管成形に
は好ましくなく、また耐蟻の巣状腐食性のより一層の向
上効果が得られない。したがって、Pの含有量は0.0
05〜0.5重量%に定めた。
【0010】(c) Ca、Mg、Y これらの成分は、活性な金属であって銅に添加すること
によって銅の電位を低下させると共に表面に濃縮化して
安定な酸化被膜を形成し、蟻の巣状腐食の発生やその成
長を抑制する作用を有するが、その含有量が総量で0.
005重量%未満では、銅合金の電位を下げる作用が十
分でく、さらに安定な酸化被膜の形成が十分でないため
に満足な蟻の巣状腐食抑制効果が得られず、一方、1重
量%をより多く含有するとかえって延性などの加工性の
低下を招くので管成形上好ましくない。したがって、C
a、Mg、Yのうち1種または1種以上の含有量は総量
で0.005〜1重量%に定めた。
【0011】(d) Sn、Zn SnおよびZnは、ともに安定な酸化物を形成して蟻の
巣状腐食の発生やその成長を抑制する作用を有するとと
もに、一旦、腐食が発生しても腐食先端部では銅の優先
的溶解を生じてこれら元素が濃縮化し、酸化被膜の安定
化が増大して蟻の巣状腐食を抑制する効果を有するが、
その含有量が0.05重量%未満では酸化被膜による銅
合金表面の安定化作用が十分でないために満足な蟻の巣
状腐食抑制効果が得られず、一方、5重量%をより多く
含有するとかえって加工性が低下するので管成形上好ま
しくない。したがって、SnおよびZnのうち1種また
は2種の含有量は、総量で0.05〜5重量%に定め
た。
【0012】なお、この発明の耐蟻の巣状腐食性銅合金
には、不可避不純物としてPb、As、Fe、Se、
S、Sbなどがそれぞれ数ppm 以下、酸素が50ppm 程
度含まれていても、耐蟻の巣状腐食性に何等影響を与え
るものではない。
【0013】
【実施例】つぎに、この発明の耐蟻の巣状腐食性銅合金
およびその銅合金からなる配管をを実施例により具体的
に説明する。
【0014】外径:15.88mm、肉厚:1.00m
m、長さ:250mmの寸法を有しJIS規格H330
0,C1220T−OL材からなる従来の燐脱酸銅配管
(以下、従来銅合金配管という)、表1〜表5に示され
る成分組成の銅合金からなり、外径:15.88mm、
肉厚:1.00mm、長さ:50mmの寸法を有する本
発明熱交換器用銅合金配管(以下、本発明銅合金配管と
いう)1〜30および比較熱交換器用銅合金配管(以
下、比較銅合金配管という)1〜17を用意した。
【0015】なお、比較銅合金配管1〜17は、いずれ
も構成成分のいずれかの組成がこの発明の範囲から外れ
たものである(この発明の範囲から外れた組成に*印を
付して表4〜5示した)。
【0016】上記本発明銅合金配管1〜30および比較
銅合金配管1〜17をそれぞれ従来銅合金配管とテフロ
ン製熱収縮チューブにて接続し、全長:300mmの試
験銅合金管を作製した。この試験銅合金管の片端をシリ
コン栓で密栓し、試験銅合金管内に1vol%の蟻酸か
らなる腐食液を2ml注入したのち、他端をシリコン栓
で密栓し、ついで密栓した試験銅合金管をよく振り、管
内全面に腐食液を付着せしめた。上述のごとく本発明銅
合金配管1〜30および比較銅合金配管1〜17をそれ
ぞれ従来銅合金配管とテフロン製熱収縮チューブにて接
続し全長:300mmの試験銅合金管とした理由は、得
ることの困難な本発明銅合金配管1〜30および比較銅
合金配管1〜17を節約し、かつ配管として使用した場
合と同じようにある程度の長さを確保し、管内の蒸気圧
を均等に一定に確保して配管の条件に近似させるためで
ある。
【0017】次に、腐食液を2ml注入した試験銅合金
管を恒温水槽に、長手方向に立てて水中に半分浸漬した
状態で固定し、恒温水槽を25℃で12時間保持した
後、40℃で12時間保持の条件で1日1サイクルさせ
ることにより、銅合金配管が昼夜に受ける温度サイクル
を模擬した加熱冷却を加え、蟻の巣状腐食の生じやすい
環境条件下に3か月保持する腐食試験を行った。
【0018】かかる腐食試験終了後、試験銅合金管を恒
温水槽から取り出し、試験銅合金管を長手方向に2分割
切断し、切断面を研磨し、光学顕微鏡観察を行って本発
明銅合金配管1〜30、比較銅合金配管1〜17および
従来銅合金配管についての蟻の巣状腐食による最大浸食
深さを測定し、その測定結果を表1〜表5に示した。な
お、従来銅合金配管の蟻の巣状腐食の最大浸食深さは、
本発明銅合金配管1と接続した従来銅合金配管の蟻の巣
状腐食による最大浸食深さを示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】表1〜表5に示される結果から、R:0.
005〜2重量%およびP:0.005〜0.5重量%
を含有する本発明銅合金配管1〜30は、従来銅合金配
管に比べていずれも耐蟻の巣状腐食性に優れていること
がわかる。しかし、上記範囲から外れた比較銅合金配管
1〜17は、耐蟻の巣状腐食性に劣っていたり、耐蟻の
巣状腐食性に優れていても加工性またはろう付け性が極
めて悪かったりすることから熱交換器用銅合金配管とし
て好ましくないことも分かる。
【0025】さらに、R:0.005〜2重量%および
P:0.005〜0.5重量%を含有し、さらにCa、
MgおよびYのうち1種または2種以上を総量で0.0
05〜1重量%を含有する本発明銅合金配管9〜21、
さらにSnおよびZnのうち1種または2種を総量で
0.05〜5重量%を含有を含有する本発明銅合金配管
22〜30は、さらに耐蟻の巣状腐食性に優れているこ
とも分かる。
【0026】
【発明の効果】上述のように、この発明の銅合金からな
る配管は、耐蟻の巣状腐食性に優れており、熱交換器用
配管として用いた場合、蟻の巣状腐食に対する信頼性は
従来よりも一層向上し、優れた効果を奏するものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 雅人 埼玉県北本市下石戸上1975番地2 三菱マ テリアル株式会社北本製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(ただし、RはYを除く希土類元
    素):0.005〜2重量%、P:0.005〜0.5
    重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からな
    る組成を有することを特徴とする耐蟻の巣状腐食性に優
    れた銅合金。
  2. 【請求項2】 R:0.005〜2重量%、P:0.0
    05〜0.5重量%を含有し、さらにCa、Mg、Yの
    うち1種または1種以上を総量で0.005〜1重量%
    を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成
    を有することを特徴とする耐蟻の巣状腐食性に優れた銅
    合金。
  3. 【請求項3】 R:0.005〜2重量%、P:0.0
    05〜0.5重量%を含有し、 さらにCa、MgおよびYのうち1種または2種以上を
    総量で0.005〜1重量%を含有し、 さらにSnおよびZnのうち1種または2種を総量で
    0.05〜5重量%を含有し、残りがCuおよび不可避
    不純物からなる組成を有することを特徴とする耐蟻の巣
    状腐食性に優れた銅合金。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の組成を有す
    る耐蟻の巣状腐食性に優れた銅合金からなることを特徴
    とする熱交換器用配管。
JP34293193A 1993-12-15 1993-12-15 耐蟻の巣状腐食性に優れた銅合金およびこの銅合金からなる熱交換器用配管 Withdrawn JPH07166276A (ja)

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