JP3374398B2 - 給水給湯用耐孔食性銅合金配管 - Google Patents

給水給湯用耐孔食性銅合金配管

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JP3374398B2
JP3374398B2 JP51088494A JP51088494A JP3374398B2 JP 3374398 B2 JP3374398 B2 JP 3374398B2 JP 51088494 A JP51088494 A JP 51088494A JP 51088494 A JP51088494 A JP 51088494A JP 3374398 B2 JP3374398 B2 JP 3374398B2
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pitting
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俊之 長
好正 白石
務 高橋
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、耐孔食性に優れた給水給湯用銅合金配管
に関するものである。
背景技術 従来、ホテル、病院、マンションなどの給水給湯用配
管として、燐脱酸銅管が広く使用されている。これは燐
脱酸銅管が耐食性、加工性、施工性などに優れており、
給水給湯用配管として優れているためである。
しかしながら、給水給湯用配管として燐脱酸銅配管を
用いた場合でも、ごく希に孔食による漏洩事故が発生し
問題になっている。この孔食は、Type IとType IIの2
種類に大別され、Type Iは主に欧州の硬水の冷水で発生
するものであり、わが国では軟水の温水の環境下でType
IIの孔食が発生している。
上記Type IIの孔食は、水質中の陰イオン比が[S
O4 2-]/[HCO3 -]>1で残留塩素濃度が高いときに、
銅合金配管内面に形成されているCu2O被膜の下部にClO2
-が濃縮し、ClO2 -が強い酸化剤として作用し、自分自身
が還元されてカソード反応をになうとともにCuを酸化し
てCuOを形成し、同時に腐食性のアニオンCl-を生じ、孔
食の起点を生じる。Cl-イオンは時間経過と共に濃縮
し、このCl-イオンの濃縮にともない、H+も濃縮してpH
低下を生じ、Type IIの孔食が進む。
かかる、Type IIの孔食に対して、抵抗力のある銅合
金配管が従来からいろいろと提供されており、例えば、
特公昭62−34821号公報には、Al:0.01〜1質量%、Sn:
0.03〜2.5質量%、[ただし、(Al+Sn)≧0.1質量
%]、P,Mg,B,MnおよびSiのうち1種または2種以上:0.
005〜0.5質量%、O:100ppm以下、残りがCuおよび不可避
不純物からなる組成の給水給湯用耐孔食性銅合金配管が
記載されている。
発明の開示 しかし、前記特公昭62−34821号公報に示されるCu−A
l−Sn系銅合金配管では、Alを含有するために、ろう付
け性、溶接性などが悪く、加工性にも問題を有してお
り、さらに、近年の酸性雨によるSO4 2-イオンの増大
や、水質の悪化に伴う塩素殺菌強化による残留塩素濃度
の増大、そして共沈剤としての硫酸アルミニウムミョウ
バンの添加量の増加に伴う硫酸イオン濃度の増大によっ
て、水質中の陰イオン比:[SO4 2-]/[HCO3 -]は1よ
りも一層大きくなり、残留塩素濃度もますます高くなっ
て、Type IIの孔食が一層引き起こされやすい状況にあ
るが、かかる状況に対して従来の銅合金配管では十分に
満足できるものではなく、さらなる耐孔食性に優れた銅
合金配管の開発が強く望まれていた。
そこで、本発明者らは、上述のような観点から、従来
の銅合金配管よりもさらに耐孔食性に優れた銅合金配管
を開発すべく研究を行った結果、下記のA〜Cに示され
るような研究結果が得られたのである。
A. (a) Zr:0.005〜1質量%、Sn:0.05〜5質量%を添
加した銅合金からなる配管は、孔食の発生やその成長が
抑制されるところから上記従来の銅合金配管よりも一層
耐孔食性に優れ、これを給水給湯用耐孔食性配管として
使用した場合に実用上極めて満足できる効果を奏する、 (b) 前記Zr:0.005〜1質量%、Sn:0.05〜5質量%
を添加した銅合金に、さらにTi,R(ただし、RはYを除
く希土類元素)より選ばれる1種または2種以上の元素
を総量で0.005〜1質量%を添加すると、耐孔食性が一
層向上する、 (c) 前記Zr:0.005〜1質量%、Sn:0.05〜5質量%
を添加した銅合金に、さらにWを0.005〜1質量%を添
加すると、耐孔食性が一層向上する、 (d) 前記Zr:0.005〜1質量%、Sn:0.05〜5質量%
を添加した銅合金に、さらにTi,R(ただし、RはYを除
く希土類元素)より選ばれる1種または2種以上の元素
を総量で0.005〜1質量%を添加し、さらにWを0.005〜
1質量%を添加すると、耐孔食性が一層向上する。
B.前記(a)〜(d)記載の銅合金には、必要に応じて
Agを添加することができ、その場合は、SnとAgを総量で
0.05〜5質量%となるように添加することが好ましく、
したがって、 (e) Zr:0.005〜1質量%、SnおよびAgを総量で0.05
〜5質量%を添加した銅合金からなる配管は、孔食の発
生やその成長が抑制されるところから上記従来の銅合金
配管よりも一層耐孔食性に優れ、これを給水給湯用耐孔
食性配管として使用した場合に実用上極めて満足できる
効果を奏する、 (f) 前記Zr:0.005〜1質量%、SnおよびAgを総量で
0.05〜5質量%を添加した銅合金に、さらにTi,R(ただ
し、RはYを除く希土類元素)より選ばれる1種または
2種以上の元素を総量で0.005〜1質量%を添加する
と、耐孔食性が一層向上する、 (g) 前記Zr:0.005〜1質量%、SnおよびAgを総量で
0.05〜5質量%を添加した銅合金に、さらにWを0.005
〜1質量%を添加すると、耐孔食性が一層向上する、 (h) 前記Zr:0.005〜1質量%、Sn:0.05〜5質量%
を添加した銅合金に、さらにTi,R(ただし、RはYを除
く希土類元素)より選ばれる1種または2種以上の元素
を総量で0.005〜1質量%を添加し、さらにWを0.005〜
1質量%を添加すると、耐孔食性が一層向上する。
C.さらに、 (i) 上記(a)〜(h)の内のいずれかに記載の耐
孔食性が向上した銅合金に、さらにY:0.005〜1%を添
加すると耐孔食性が一層向上する、 (j) 上記(a)〜(i)の内のいずれかに記載の耐
孔食性が向上した銅合金に、さらにP:0.005〜0.5質量%
を添加すると耐孔食性が一層向上する。
この発明は、これらの研究結果に基づいてなされたも
のであって、質量%で、 (1) Zr:0.005〜1%、Sn:0.05〜5%を含有し、残
りがCuおよび不可避不純物からなる組成の銅合金からな
る給水給湯用耐孔食性銅合金配管、 (2) Zr:0.005〜1%、Sn:0.05〜5%を含有し、 さらに、Ti,Rより選ばれる1種または2種以上の元素
を総量で0.005〜1%を含有し、残りがCuおよび不可避
不純物からなる組成の銅合金からなる給水給湯用耐孔食
性銅合金配管、 (3) Zr:0.005〜1%、Sn:0.05〜5%を含有し、 さらに、W:0.005〜1%を含有し、残りがCuおよび不
可避不純物からなる組成の銅合金からなる給水給湯用耐
孔食性銅合金配管、 (4) Zr:0.005〜1%、Sn:0.05〜5%を含有し、 さらに、Ti,Rより選ばれる1種または2種以上の元素
を総量で0.005〜1%を含有し、 さらに、W:0.005〜1%を含有し、残りがCuおよび不
可避不純物からなる組成の銅合金からなる給水給湯用耐
孔食性銅合金配管、 (5) Zr:0.005〜1%、SnおよびAgを総量で0.05〜5
%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成
の銅合金からなる給水給湯用耐孔食性銅合金配管、 (6) Zr:0.005〜1%、SnおよびAgを総量で0.05〜5
%を含有し、 さらに、Ti,Rより選ばれる1種または2種以上の元素
を総量で0.005〜1%を含有し、残りがCuおよび不可避
不純物からなる組成の銅合金からなる給水給湯用耐孔食
性銅合金配管、 (7) Zr:0.005〜1%、SnおよびAgを総量で0.05〜5
%を含有し、 さらに、W:0.005〜1%を含有し、残りがCuおよび不
可避不純物からなる組成の銅合金からなる給水給湯用耐
孔食性銅合金配管、 (8) Zr:0.005〜1%、SnおよびAgを総量で0.05〜5
%を含有し、 さらに、Ti,Rより選ばれる1種または2種以上の元素
を総量で0.005〜1%を含有し、 さらに、W:0.005〜1%を含有し、残りがCuおよび不
可避不純物からなる組成の銅合金からなる給水給湯用耐
孔食性銅合金配管、 (9) 上記(1),(2),(3),(4),
(5),(6),(7)または(8)記載の銅合金に、
さらにY:0.005〜1%を含有し、残りがCuおよび不可避
不純物からなる組成の銅合金からなる給水給湯用耐孔食
性銅合金配管、 (10) 上記(1),(2),(3),(4),
(5),(6),(7),(8)または(9)記載の銅
合金に、さらにP:0.005〜0.5%を含有した銅合金からな
る給水給湯用耐孔食性銅合金配管、 に特徴を有するものである。
つぎに、この発明の給水給湯用耐孔食性銅合金配管の
成分組成を上記のごとく限定した理由について説明す
る。
(a) Zr Zrは活性な金属であって、Cuに添加することにより電
位を低下させるとともに表面に濃化して安定な酸化被膜
を形成し、孔食の発生やその成長を抑制させる作用を有
するが、その含有量が0.005質量%未満では銅合金配管
の電位を下げる作用が十分でなかったり安定な酸化被膜
の形成が十分でなかったりして満足な孔食抑制効果が得
られず、一方、その含有量が1質量%をより多く含有す
ると耐孔食性向上効果が飽和してしまい、かえって加工
性が大幅に減少し、生産性の低下を招くので好ましくな
い。したがって、Zr:0.005〜1質量%に定めた。好まし
い範囲は0.03〜0.3質量%である。また、Zrは、腐食反
応によって酸化されると、銅合金配管表面に形成される
亜酸化銅被膜と銅合金配管表面との間に濃縮し、銅合金
配管表面を保護すると共に亜酸化銅被膜中にあって亜酸
化銅被膜の安定性を向上させ、残留塩素などの酸化剤に
よって亜酸化銅被膜が酸化第二銅被膜に酸化されるのを
抑制し、孔食の発達を防止する機能を有する。さらに、
孔食状の腐食が発達しても孔食先端部ではCuの優先的な
溶解を生じ、合金表面ではZrによる安定な酸化被膜が形
成されて孔食の進行は大幅に制限される。
(b) Sn Snは、安定な酸化物を形成して孔食の発生やその成長
を抑制する作用を有すると同時に、一旦、孔食状の腐食
が発生しても、孔食先端部では銅の優先的溶解を生じて
これらの元素が表面濃縮化し、電位が卑になると共にこ
れらの元素などにより酸化被膜の安定性が増大し、カソ
ード反応が抑制されることにより孔食の成長をブロック
し、抑制する効果がある。したがって、Snの添加により
銅合金配管の腐食形態は、孔食型から全面腐食型への傾
向を著しく強め、深さ方向への腐食に対して面方向の腐
食が強くなり、腐食部は浅く広くなる。しかし、Snの含
有量が0.05質量%未満では酸化物被膜による銅合金配管
内面の安定化作用が十分でないために十分な孔食抑制効
果が得られず、一方、5質量%をより多く含有するとか
えって加工性が低下する。したがって、Snの含有量は0.
05〜5質量%に定めた。好ましい範囲は0.2〜2質量%
である。さらにAgを添加する場合は、SnおよびAgの総量
が0.05〜5質量%(一層好ましくは0.2〜2質量%)で
あることが好ましい。
(c) Ti,R(Yを除く希土類元素) TiおよびRは、孔食抑制効果を増進、すなわち銅合金
の電位低下に寄与すると共に銅合金表面に濃化して表面
酸化被膜の安定性を一層高め、孔食の発生を抑制する効
果があるが、その含有量が0.005質量%未満では表面酸
化被膜の安定性の増大に対する寄与が十分でなく、一
方、1質量%を越えて含有するとそれ以上の耐孔食性向
上効果が認められず、逆に加工性の低下を招くので好ま
しくない。したがって、TiおよびRの含有量は、その総
量で0.005〜1質量%に定めた。好ましい範囲は0.03〜
0.3質量%である。
(d) W Wは、いずれも孔食抑制効果を増進、すなわちZrとと
もにあることによって、銅合金の電位低下に寄与すると
共に銅合金表面に濃化して表面酸化被膜の安定性を一層
高め、孔食の発生を抑制する効果があるが、その含有量
が総量で0.005質量%未満では表面酸化被膜の安定性の
増大に対する寄与が十分でなく、一方、その含有量が総
量で1質量%を越えて含有するとそれ以上の耐孔食性向
上効果が認められず、逆に溶解温度が著しく高くなって
生産性の低下を招くので好ましくない。したがって、W
の含有量は、その総量で0.005〜1質量%に定めた。好
ましい範囲は0.01〜0.1質量%である。
(e) Y、 Yは、活性な金属であって、Cuに添加することにより
電位を低下させるとともに表面に濃化して安定な酸化被
膜を形成し、孔食の発生やその成長を抑制させる作用を
有するので必要に応じて添加するが、その含有量が0.00
5質量%未満では銅合金配管の電位を下げる作用が十分
でなかったり安定な酸化被膜の形成が十分でなかったり
して満足な孔食抑制効果が得られず、一方、その含有量
が1質量%をより多く含有すると耐孔食性向上効果が飽
和してしまい、かえって溶解温度が高くなって生産性の
低下を招くので好ましくない。したがって、Y:0.005〜
1質量%に定めた。好ましい範囲は0.03〜0.3質量%で
ある。また、Yは、腐食反応によって酸化されると、銅
合金配管表面に形成される亜酸化銅被膜と銅合金配管表
面との間に濃縮し、銅合金配管表面を保護すると共に亜
酸化銅被膜中にあって亜酸化被膜の安定性を向上させ、
残留塩素などの酸化剤によって亜酸化銅被膜が酸化第二
銅被膜に酸化されるのを抑制し、孔食の発達を防止する
機能を有する。さらに、孔食状の腐食が発達しても孔食
先端部ではCuの優先的な溶解を生じ、合金表面ではYに
よる安定な酸化被膜が形成されて孔食の進行は著しく抑
制される。
(f) P Pは脱酸作用を有するため、その添加は健全な合金塊
の製造を容易にし、さらに、孔食は合金への酸化物巻き
込みなどによる表面欠陥を起点にして起こることが多
く、このためPの添加は間接的に孔食の発生やその成長
を抑制する作用を有するが、その含有量が0.005質量%
未満では十分な脱酸効果がなく、合金塊に酸化物巻き込
みによる欠陥を生じ、そこを起点にして孔食が起こるた
め、十分な孔食抑制効果が得られず、一方、0.5質量%
をより多く含有すると燐化物を形成し、加工性が著しく
低下するとともに耐孔食性のより一層の向上効果が得ら
れない。したがって、Pの含有量は0.005〜0.5質量%に
定めた。好ましい範囲は0.005〜0.04質量%である。
なお、この発明の給水給湯用耐孔食性銅合金配管の銅
合金には、不可避不純物としてPb,Bi,As,Fe,Se,Al,S,Sb
などがそれぞれ数ppm以下、酸素が50ppm程度含まれてい
ても、耐孔食性に何等影響を与えるものではない。
発明を実施するための最良の形態 表1〜表5に示される成分組成の銅合金からなり、外
径:15.88mm、肉厚:1.02mm、長さ:1000mmの寸法を有する
本発明給水給湯用耐孔食性銅合金配管(以下、本発明銅
合金配管という)1〜27、比較給水給湯用耐孔食性銅合
金配管(以下、比較銅合金配管という)1〜18、および
従来給水給湯用耐孔食性銅合金配管(以下、従来銅合金
配管という)1〜2を作製した。
なお、比較銅合金配管1〜18は、いずれも構成成分の
いずれかの組成がこの発明の範囲から外れたものである
(この発明の範囲から外れた組成に*印を付して表4〜
5に示した)。
上記本発明銅合金配管1〜27、比較銅合金配管1〜1
8、および従来銅合金配管1〜2に、それぞれ、 炭酸水素イオン :40mg/l、 硫酸イオン :80mg/l、 塩素イオン :20mg/l、 ケイ酸ナトリウム:15mg/l(SiO2として)、 残留塩素濃度 :5mg/l、 を含み、pH:7の水質の60℃温水を流速:1m/sで1年間流
すことにより通水試験を行い、1年後の各種銅合金配管
の孔食状況を最大孔食深さおよび単位面積当たりの孔食
発生数を測定することにより調べ、その測定結果を表1
〜表5に示した。
なお、上記通水試験において、試験開始後3日間は残
留塩素を添加せず、各種銅合金配管内面に安定なCu2O被
膜を形成させる誘導期間を設け、試験開始後4日目から
2日間かけて徐々に残留塩素用塩素を添加していき、最
終的に残留塩素濃度:5mg/lとした。
かかる通水試験は、Type II孔食の発生機構から考え
て通水試験開始と同時に残留塩素用塩素を添加する従来
の通水試験法よりも孔食発生の信頼性及び再現性に優れ
た試験方法である。すなわち、試験当初から高い残留塩
素濃度に試験水(温水)を設定すると、孔食よりもむし
ろ全面腐食が進行してしまう危険があり、銅合金配管の
耐孔食性が的確に評価できないからである。
表1〜表5に示される結果から、Cuに、Zr:0.005〜1
質量%、Sn:0.05〜5質量%を含有し、さらに必要に応
じてAgをSn+Ag:0.05〜5質量%となるように含有し、
さらに必要に応じてY:0.005〜1質量%を含有し、さら
に必要に応じて、 (a) Ti,Rより選ばれる1種または2種以上の元素を
総量で0.005〜1質量%、 (b) W:0.005〜1質量%、 (c) P:0.005〜0.5質量%、 を単数添加または複合添加した銅合金からなる本発明銅
合金配管1〜27は、従来銅合金配管1〜2に比べて耐孔
食性が優れていることがわかる。
一方、比較例1および9に見られるように、添加成分
がこの発明の範囲よりも少ないと耐孔食性は低下する
が、添加成分がこの発明の範囲を越えて過剰に含有する
と、耐孔食性は向上するものの、加工性および溶接性が
極めて悪化し、この過剰添加した銅合金を用いて配管を
製造することは困難となり、例え、製管できたとして
も、曲げなどの塑性加工をすることができないので配管
として使用することはできず、また溶接性も低下するの
で配管の接合が難しくなるなど好ましくない特性が現わ
れることがわかる。
なお、この実施例においては、Type IIの孔食が発生
するような水質で試験したが、この発明の銅合金配管
は、Type Iの孔食が発生するような水質に対しても優れ
た耐孔食性を示すことを確認した。
上述のように、この発明の銅合金配管は、従来よりも
一層耐孔食性に優れており、ホテル、病院、マンション
などの給水給湯用耐孔食性配管として用いた場合、孔食
に対する信頼性は従来よりも一層向上し、優れた効果を
奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 前置審査 (72)発明者 渡辺 雅人 埼玉県大宮市北袋町1―297 三菱マテ リアル株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−59033(JP,A) 特開 昭57−207137(JP,A) 特開 昭61−221345(JP,A) 特開 昭63−293129(JP,A) 特公 昭58−54180(JP,B1) 特公 昭40−19568(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 9/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量%で(以下、%は質量%を示す)、Z
    r:0.005〜1%、Sn:0.05〜5%を含有し、残りがCuおよ
    び不可避不純物からなる組成の銅合金からなることを特
    徴とする給水給湯用耐孔食性銅合金配管。
  2. 【請求項2】Zr:0.005〜1%、Sn:0.05〜5%を含有
    し、 さらにTi,R(ただし、RはYを除く希土類元素)より選
    ばれる1種または2種以上の元素を総量で0.005〜1%
    を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成の
    銅合金からなることを特徴とする給水給湯用耐孔食性銅
    合金配管。
  3. 【請求項3】Zr:0.005〜1%、Sn:0.05〜5%を含有
    し、 さらに、W:0.005〜1%を含有し、残りがCuおよび不可
    避不純物からなる組成の銅合金からなることを特徴とす
    る給水給湯用耐孔食性銅合金配管。
  4. 【請求項4】Zr:0.005〜1%、Sn:0.05〜5%を含有
    し、 さらに、Ti,R(ただし、RはYを除く希土類元素)より
    選ばれる1種または2種以上の元素を総量で0.005〜1
    %を含有し、 さらに、W:0.005〜1%を含有し、残りがCuおよび不可
    避不純物からなる組成の銅合金からなることを特徴とす
    る給水給湯用耐孔食性銅合金配管。
  5. 【請求項5】Agを、SnおよびAgの総量が0.05〜5%とな
    るように含有する組成の銅合金からなることを特徴とす
    る上記請求項1,2,3または4記載の給水給湯用耐孔食性
    銅合金配管。
  6. 【請求項6】上記請求項1,2,3、4または5記載の銅合
    金に、さらにY:0.005〜1%を含有した銅合金からなる
    ことを特徴とする給水給湯用耐孔食性銅合金配管。
  7. 【請求項7】Zr:0.03〜0.3%、Sn:0.2〜2%を含有し、
    残りがCuおよび不可避不純物からなる組成の銅合金から
    なることを特徴とする給水給湯用耐孔食性銅合金配管。
  8. 【請求項8】Zr:0.03〜0.3%、Sn:0.2〜2%を含有し、 さらにTi,R(ただし、RはYを除く希土類元素)より選
    ばれる1種または2種以上の元素を総量で0.03〜0.3%
    を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成の
    銅合金からなることを特徴とする給水給湯用耐孔食性銅
    合金配管。
  9. 【請求項9】Zr:0.03〜0.3%、Sn:0.2〜2%を含有し、 さらに、W:0.01〜0.1%を含有し、残りがCuおよび不可
    避不純物からなる組成の銅合金からなることを特徴とす
    る給水給湯用耐孔食性銅合金配管。
  10. 【請求項10】Zr:0.03〜0.3%、Sn:0.2〜2%を含有
    し、 さらに、Ti,R(ただし、RはYを除く希土類元素)より
    選ばれる1種または2種以上の元素を総量で0.03〜0.3
    %を含有し、 さらに、W:0.01〜0.1%を含有し、残りがCuおよび不可
    避不純物からなる組成の銅合金からなることを特徴とす
    る給水給湯用耐孔食性銅合金配管。
  11. 【請求項11】Agを、SnおよびAgの総量が0.2〜2%と
    なるように含有する組成の銅合金からなることを特徴と
    する上記請求項7,8,9または10記載の給水給湯用耐孔食
    性銅合金配管。
  12. 【請求項12】上記請求項7,8,9、10または11記載の銅
    合金に、さらにY:0.03〜0.3%を含有した銅合金からな
    ることを特徴とする給水給湯用耐孔食性銅合金配管。
  13. 【請求項13】上記請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11ま
    たは12記載の銅合金に、さらにP:0.005〜0.5%を含有し
    た銅合金からなることを特徴とする給水給湯用耐孔食性
    銅合金配管。
  14. 【請求項14】上記請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11ま
    たは12記載の銅合金に、さらにP:0.005〜0.04%を含有
    した銅合金からなることを特徴とする給水給湯用耐孔食
    性銅合金配管。
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