JPH07164868A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH07164868A
JPH07164868A JP31875693A JP31875693A JPH07164868A JP H07164868 A JPH07164868 A JP H07164868A JP 31875693 A JP31875693 A JP 31875693A JP 31875693 A JP31875693 A JP 31875693A JP H07164868 A JPH07164868 A JP H07164868A
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静男 土屋
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直 菅沢
Asako Shibuya
朝子 渋谷
Hideo Harada
秀雄 原田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 暖房運転から除湿運転へ、または除湿運転か
ら暖房運転への切り換えを行なった時の異音の発生を防
止すること。 【構成】 暖房運転中に除湿スイッチがONされると、
まず、第1電磁弁30がOFFされて第1迂回路33を
閉じる。続いて、冷凍サイクル4の高圧圧力が或る規定
値より高い場合は、インバータの周波数を段階的に低減
して、高圧圧力を低下させる。高圧圧力が規定値P以下
まで低下した後、第2電磁弁31をONして第2迂回路
34を開き、再びインバータの周波数を低減する以前の
設定値に戻すことにより、正規の除湿運転が行なわれ
る。なお、高圧圧力が規定値以下となるまでにインバー
タの周波数が予め決められた最低値に達した場合は、そ
の時点で第2電磁弁31をONして、再びインバータの
周波数を低減以前の設定値に戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒートポンプ式冷凍サ
イクルを備えた車両用空調装置に関し、特に電気自動車
に用いて好適である。
【0002】
【先行の技術】従来より、暖房用の温熱源を充分に確保
できない電気自動車用空調装置等では、冷凍サイクルを
流れる冷媒の循環方向を切り換えて、ダクト内に配され
た室内熱交換器を蒸発器として使用する冷房運転と、凝
縮器として使用する暖房運転とが行なわれている。しか
し、単一の室内熱交換器を蒸発器として使用したり凝縮
器として使用したりする場合には、冷房運転から暖房運
転に切り換えた時に、冷房運転時に室内熱交換器の表面
に凝縮していた凝縮水が蒸発して、その蒸発水分が送風
空気とともに車室内に運ばれることで、窓ガラスが曇る
ことになる。
【0003】そこで、本出願人は、冷房運転から暖房運
転に切り換えた時の凝縮水の蒸発に伴う窓ガラスの曇り
を防止するために、除湿暖房を行なうことのできる車両
用空気調和装置を出願した(平成4年12月24日出願
・特願平4−344345号)。この車両用空気調和装
置は、図2に示すように、ダクト2内に室内蒸発器21
と室内凝縮器22とを独立して配置したもので、除湿暖
房を行なう時は、冷媒圧縮機19より吐出した冷媒が、
四方弁29→室内凝縮器22→第2電磁弁31→室外熱
交換器20→第1減圧装置23(この時、第1電磁弁3
0は閉じている)→室内蒸発器21→アキュムレータ2
5→冷媒圧縮機19の順に流れる(冷媒の流れを矢印D
で示す)。これにより、送風機3によって車室内へ送ら
れる空気が、室内蒸発器21で冷却された後、室内凝縮
器22で加熱されることにより除湿暖房を行なうことが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、先願の車両
用空気調和装置では、暖房運転から除湿(除湿暖房)運
転に切り換える時、あるいは除湿(除湿暖房)運転から
暖房運転に切り換える時に、冷凍サイクル4を停止する
ことなく第1電磁弁30および第2電磁弁31の切り換
え(開閉)を行なっている。このため、第1電磁弁30
および第2電磁弁31の切り換えに伴う冷媒の急激な状
態変化によって、かなりレベルの高い異音が発生するこ
とで、乗員に不快感を与えるという問題を生じる。
【0005】この対策としては、一旦、冷凍サイクル4
を停止して、サイクル内の圧力を低下させてから第1電
磁弁30および第2電磁弁31の切り換えを行なう方法
が考えられる。しかし、この場合、冷凍サイクル4を再
起動させるためには、サイクル内の圧力をバランスさせ
る必要があることから、一旦冷凍サイクル4を停止する
と、直ぐに再起動させることができず、一定時間(例え
ば1分以上)待機する必要がある。従って、窓ガラスの
曇りが取れて除湿運転から暖房運転に切り換える場合に
は、冷凍サイクル4を一定時間停止することにより、暖
房感が損なわれることになる。
【0006】また、暖房運転から除湿運転に切り換える
場合には、冷凍サイクル4を一定時間停止することで、
除湿運転本来の目的である「暖房運転中の窓ガラスの曇
り防止」を素早く達成することができなくなってしま
う。本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、そ
の目的は、冷凍サイクルを停止することなく、暖房運転
から除湿運転へ、または除湿運転から暖房運転へのの切
り換えを行なった時の異音の発生を防止することのでき
る車両用空調装置の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1では、車室内に空気を導くダクト
と、このダクト内に空気を導入して前記車室内へ送る送
風機と、吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機
と、この冷媒圧縮機を駆動する電動モータと、運転モー
ドに応じて前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒の循環方
向を切り換える循環方向切換手段と、前記ダクト内に配
されて、前記運転モードが冷房モードおよび除湿モード
の時に、低温低圧の冷媒との熱交換によって通過する空
気を冷却する室内蒸発器と、前記ダクト内で前記室内蒸
発器の風下に配されて、前記運転モードが暖房モードお
よび除湿モードの時に、高温高圧の冷媒との熱交換によ
って通過する空気を加熱する室内凝縮器と、車室外に配
されて、前記冷房モードの時に冷媒凝縮器として機能
し、前記暖房モードの時に冷媒蒸発器として機能する室
外熱交換器と、前記冷房モードおよび前記除湿モードの
時に、前記室外熱交換器より導かれた冷媒を減圧膨脹し
て前記室内蒸発器へ供給する第1減圧装置と、前記暖房
モードの時に、前記室内凝縮器より導かれた冷媒を減圧
膨脹して前記室外熱交換器へ供給する第2減圧装置と、
前記暖房モードの時に、前記室外熱交換器より導かれた
冷媒を、前記第1減圧装置および前記室内蒸発器を迂回
して前記冷媒圧縮機へ導く第1迂回路と、この第1迂回
路を開閉する第1開閉手段と、前記除湿モードの時に、
前記室内凝縮器より導かれた冷媒を、前記第2減圧装置
を迂回して前記室外熱交換器へ導く第2迂回路と、この
第2迂回路を開閉する第2開閉手段と、前記冷媒圧縮機
より吐出された冷媒の高圧圧力を検出する高圧圧力検出
手段と、前記暖房モードから前記除湿モードへのモード
切り換えを指令するモード切換信号を出力する運転モー
ド切換手段と、前記モード切換信号が入力されたか否か
を判定する信号判定手段と、この信号判定手段により前
記モード切換信号が入力されたと判定された場合に、前
記第1迂回路を閉じるように前記第1開閉手段を制御す
る第1開閉制御手段と、前記信号判定手段により前記モ
ード切換信号が入力されたと判定された場合に、前記高
圧圧力検出手段で検出される高圧圧力が所定値以下にな
るまで前記電動モータの回転速度を低下させる回転速度
制御手段と、この回転速度制御手段の制御が実行された
後、前記第2迂回路を開くように前記第2開閉手段を制
御する第2開閉制御手段とを備えたことを技術的手段と
する。
【0008】請求項2では、車室内に空気を導くダクト
と、このダクト内に空気を導入して前記車室内へ送る送
風機と、吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機
と、この冷媒圧縮機を駆動する電動モータと、運転モー
ドに応じて前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒の循環方
向を切り換える循環方向切換手段と、前記ダクト内に配
されて、前記運転モードが冷房モードおよび除湿モード
の時に、低温低圧の冷媒との熱交換によって通過する空
気を冷却する室内蒸発器と、前記ダクト内で前記室内蒸
発器の風下に配されて、前記運転モードが暖房モードお
よび除湿モードの時に、高温高圧の冷媒との熱交換によ
って通過する空気を加熱する室内凝縮器と、車室外に配
されて、前記冷房モードの時に冷媒凝縮器として機能
し、前記暖房モードの時に冷媒蒸発器として機能する室
外熱交換器と、前記冷房モードおよび前記除湿モードの
時に、前記室外熱交換器より導かれた冷媒を減圧膨脹し
て前記室内蒸発器へ供給する第1減圧装置と、前記暖房
モードの時に、前記室内凝縮器より導かれた冷媒を減圧
膨脹して前記室外熱交換器へ供給する第2減圧装置と、
前記暖房モードの時に、前記室外熱交換器より導かれた
冷媒を、前記第1減圧装置および前記室内蒸発器を迂回
して前記冷媒圧縮機へ導く第1迂回路と、この第1迂回
路を開閉する第1開閉手段と、前記除湿モードの時に、
前記室内凝縮器より導かれた冷媒を、前記第2減圧装置
を迂回して前記室外熱交換器へ導く第2迂回路と、この
第2迂回路を開閉する第2開閉手段と、前記暖房モード
から前記除湿モードへのモード切り換えを指令するモー
ド切換信号を出力する運転モード切換手段と、前記モー
ド切換信号が入力されたか否かを判定する信号判定手段
と、この信号判定手段により前記モード切換信号が入力
されたと判定された場合に、前記第1迂回路を閉じるよ
うに前記第1開閉手段を制御する第1開閉制御手段と、
前記信号判定手段により前記モード切換信号が入力され
たと判定された場合に、前記電動モータの回転速度を所
定の回転速度まで低下させる回転速度制御手段と、この
回転速度制御手段の制御が実行された後、前記第2迂回
路を開くように前記第2開閉手段を制御する第2開閉制
御手段とを備えたことを技術的手段とする。
【0009】請求項3では、車室内に空気を導くダクト
と、このダクト内に空気を導入して前記車室内へ送る送
風機と、吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機
と、この冷媒圧縮機を駆動する電動モータと、運転モー
ドに応じて前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒の循環方
向を切り換える循環方向切換手段と、前記ダクト内に配
されて、前記運転モードが冷房モードおよび除湿モード
の時に、低温低圧の冷媒との熱交換によって通過する空
気を冷却する室内蒸発器と、前記ダクト内で前記室内蒸
発器の風下に配されて、前記運転モードが暖房モードお
よび除湿モードの時に、高温高圧の冷媒との熱交換によ
って通過する空気を加熱する室内凝縮器と、車室外に配
されて、前記冷房モードの時に冷媒凝縮器として機能
し、前記暖房モードの時に冷媒蒸発器として機能する室
外熱交換器と、前記冷房モードおよび前記除湿モードの
時に、前記室外熱交換器より導かれた冷媒を減圧膨脹し
て前記室内蒸発器へ供給する第1減圧装置と、前記暖房
モードの時に、前記室内凝縮器より導かれた冷媒を減圧
膨脹して前記室外熱交換器へ供給する第2減圧装置と、
前記暖房モードの時に、前記室外熱交換器より導かれた
冷媒を、前記第1減圧装置および前記室内蒸発器を迂回
して前記冷媒圧縮機へ導く第1迂回路と、この第1迂回
路を開閉する第1開閉手段と、前記除湿モードの時に、
前記室内凝縮器より導かれた冷媒を、前記第2減圧装置
を迂回して前記室外熱交換器へ導く第2迂回路と、この
第2迂回路を開閉する第2開閉手段と、前記冷媒圧縮機
より吐出された冷媒の高圧圧力を検出する高圧圧力検出
手段と、前記除湿モードから前記暖房モードへのモード
切り換えを指令するモード切換信号を出力する運転モー
ド切換手段と、前記モード切換信号が入力されたか否か
を判定する信号判定手段と、この信号判定手段により前
記モード切換信号が入力されたと判定された場合に、前
記高圧圧力検出手段で検出される高圧圧力が所定値以下
になるまで前記電動モータの回転速度を低下させる回転
速度制御手段と、この回転速度制御手段の制御が実行さ
れた後、前記第1迂回路を開くように前記第1開閉手段
を制御する第1開閉制御手段と、前記回転速度制御手段
の制御が実行された後、前記第2迂回路を閉じるように
前記第2開閉手段を制御する第2開閉制御手段とを備え
たことを技術的手段とする。
【0010】請求項4では、車室内に空気を導くダクト
と、このダクト内に空気を導入して前記車室内へ送る送
風機と、吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機
と、この冷媒圧縮機を駆動する電動モータと、運転モー
ドに応じて前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒の循環方
向を切り換える循環方向切換手段と、前記ダクト内に配
されて、前記運転モードが冷房モードおよび除湿モード
の時に、低温低圧の冷媒との熱交換によって通過する空
気を冷却する室内蒸発器と、前記ダクト内で前記室内蒸
発器の風下に配されて、前記運転モードが暖房モードお
よび除湿モードの時に、高温高圧の冷媒との熱交換によ
って通過する空気を加熱する室内凝縮器と、車室外に配
されて、前記冷房モードの時に冷媒凝縮器として機能
し、前記暖房モードの時に冷媒蒸発器として機能する室
外熱交換器と、前記冷房モードおよび前記除湿モードの
時に、前記室外熱交換器より導かれた冷媒を減圧膨脹し
て前記室内蒸発器へ供給する第1減圧装置と、前記暖房
モードの時に、前記室内凝縮器より導かれた冷媒を減圧
膨脹して前記室外熱交換器へ供給する第2減圧装置と、
前記暖房モードの時に、前記室外熱交換器より導かれた
冷媒を、前記第1減圧装置および前記室内蒸発器を迂回
して前記冷媒圧縮機へ導く第1迂回路と、この第1迂回
路を開閉する第1開閉手段と、前記除湿モードの時に、
前記室内凝縮器より導かれた冷媒を、前記第2減圧装置
を迂回して前記室外熱交換器へ導く第2迂回路と、この
第2迂回路を開閉する第2開閉手段と、前記除湿モード
から前記暖房モードへのモード切り換えを指令するモー
ド切換信号を出力する運転モード切換手段と、前記モー
ド切換信号が入力されたか否かを判定する信号判定手段
と、この信号判定手段により前記モード切換信号が入力
されたと判定された場合に、前記電動モータの回転速度
を所定の回転速度まで低下させる回転速度制御手段と、
この回転速度制御手段の制御が実行された後、前記第1
迂回路を開くように前記第1開閉手段を制御する第1開
閉制御手段と、前記回転速度制御手段の制御が実行され
た後、前記第2迂回路を閉じるように前記第2開閉手段
を制御する第2開閉制御手段とを備えたことを技術的手
段とする。
【0011】
【作用】請求項1に係わる車両用空調装置は、暖房モー
ドから除湿モードへのモード切換信号が信号判定手段に
入力されると、第1迂回路を閉じるように第1開閉手段
を制御するとともに、高圧圧力が所定値以下となるよう
に電動モータの回転速度を低下させる。その後、第2迂
回路を開くように第2開閉手段を制御する。この場合、
第1開閉手段に導かれる冷媒は、すでに第2減圧装置で
減圧されていることから、第1開閉手段が第1迂回路を
閉じる時にレベルの高い異音が発生することはない。ま
た、第2開閉手段は、高圧圧力が所定値以下となった後
に第2迂回路を開くことから、第2開閉手段が第2迂回
路を開く時にレベルの高い音が発生することはない。
【0012】請求項2に係わる車両用空調装置は、暖房
モードから除湿モードへのモード切換信号が信号判定手
段に入力されると、第1迂回路を閉じるように第1開閉
手段を制御するとともに、電動モータの回転速度を所定
の回転速度まで低下させる。その後、第2迂回路を開く
ように第2開閉手段を制御する。この場合、第1開閉手
段に導かれる冷媒は、すでに第2減圧装置で減圧されて
いることから、第1開閉手段が第1迂回路を閉じる時に
レベルの高い異音が発生することはない。また、電動モ
ータの回転速度を所定の回転速度まで低下させることに
より、冷媒圧縮機の冷媒吐出量が減少して高圧圧力が低
下する。このため、第2開閉手段が第2迂回路を開く時
にレベルの高い音が発生することはない。
【0013】請求項3に係わる車両用空調装置は、除湿
モードから暖房モードへのモード切換信号が信号判定手
段に入力されると、高圧圧力が所定値以下となるように
電動モータの回転速度を低下させる。その後、第1迂回
路を開くように第1開閉手段を制御するとともに、第2
迂回路を閉じるように第2開閉手段を制御する。この場
合、第1開閉手段および第2開閉手段は、高圧圧力が所
定値以下となった後に開閉制御されることから、第1開
閉手段が第1迂回路を開く時、および第2開閉手段が第
2迂回路を閉じる時にレベルの高い異音が発生すること
はない。
【0014】請求項4に係わる車両用空調装置は、除湿
モードから暖房モードへのモード切換信号が信号判定手
段に入力されると、電動モータの回転速度を所定の回転
速度まで低下させた後、第1迂回路を開くように第1開
閉手段を制御するとともに、第2迂回路を閉じるように
第2開閉手段を制御する。この場合、電動モータの回転
速度を所定の回転速度まで低下させることにより、冷媒
圧縮機の冷媒吐出量が減少して高圧圧力が低下すること
から、第1開閉手段が第1迂回路を開く時、および第2
開閉手段が第2迂回路を閉じる時にレベルの高い異音が
発生することはない。
【0015】
【実施例】次に、本発明の車両用空調装置の一実施例を
図1〜図7を基に説明する。図1は車両用空調装置の送
風系を示す模式図、図2は車両用空調装置の冷凍サイク
ル図である。本実施例の車両用空調装置1(以下エアコ
ン1と言う)は、主として電気自動車に搭載されるもの
で、車室内に送風空気を導くダクト2、このダクト2内
に空気を導入して車室内へ送る送風機3、ダクト2内を
流れる空気の冷却および加熱を行なうヒートポンプ式冷
凍サイクル4(図2参照)、およびエアコン操作パネル
5(図3参照)での各種操作に基づいて空調制御を行な
うエアコン制御装置6(図4参照)を備える。
【0016】ダクト2は、その下流端に分岐ダクト2a
〜2dが接続されて、各分岐ダクト2a〜2dの先端
が、図1に示すように、車室内に開口する吹出口7〜1
0に連通されている。吹出口7〜10は、車両のフロン
トガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ吹出口7、
乗員の上半身(頭胸部)に向けて空気を吹き出すフェイ
ス吹出口8、車室内の両サイドから空気を吹き出すサイ
ドフェイス吹出口9、および乗員の足元に向けて空気を
吹き出すフット吹出口10から成る。
【0017】デフロスタ吹出口7、フェイス吹出口8、
フット吹出口10は、各分岐ダクト2a、2b、2dの
上流側開口部に設けられた吹出口切換ダンパ11〜13
によって開閉される。これらの吹出口切換ダンパ11〜
13は、選択された吹出口モード(図3参照)に応じ
て、図示しないリンク機構を介してサーボモータ14
(図4参照)により駆動される。また、フェイス吹出口
8とサイドフェイス吹出口9には、乗員の手動操作によ
って各々の吹出口8、9を開閉する開閉ダンパ8a、9
aが設けられている。
【0018】送風機3は、ファンケース3a、遠心式フ
ァン3b、ファンモータ3cより構成され、このファン
モータ3cへの印加電圧に応じてファンモータ3cの回
転速度が決定される。ファンケース3aには、車室内空
気(内気)を導入する内気導入口15、車室外空気(外
気)を導入する外気導入口16、および内気導入口15
と外気導入口16とを選択的に開閉する内外気切換ダン
パ17が設けられている。この内外気切換ダンパ17
は、選択された吸込口モード(図3参照)に応じて、図
示しないリンク機構を介してサーボモータ18(図4参
照)により駆動される。
【0019】冷凍サイクル4は、図2に示すように、冷
媒圧縮機19、室外熱交換器20、室内蒸発器21、室
内凝縮器22、第1減圧装置23、第2減圧装置24、
アキュムレータ25、流路切換手段(後述する)を備え
る。冷媒圧縮機19は、電動モータ26(図4参照)に
よって駆動されることにより、吸入した冷媒を圧縮して
吐出するもので、電動モータ26の回転速度に応じて冷
媒吐出量が変化する。電動モータ26は、冷媒圧縮機1
9の密閉容器内に内蔵されており、インバータ27(図
4参照)の周波数特性に応じて回転速度を可変する。
【0020】室外熱交換器20は、車室外に配されて、
外気と冷媒との熱交換を行なう。室外熱交換器20の前
面には、室外熱交換器20へ外気を送風する室外ファン
28が設置されている。室内蒸発器21は、ダクト2内
に配されて、ダクト2内を流れる空気と低温低圧の冷媒
との熱交換を行なうことにより、室内蒸発器21を通過
する空気を冷却する。室内凝縮器22は、ダクト2内で
室内蒸発器21の下流(風下)に配されて、ダクト2内
を流れる空気と高温高圧の冷媒との熱交換を行なうこと
により、室内凝縮器22を通過する空気を加熱する。
【0021】第1減圧装置23は、冷房運転時および除
湿運転時に室内蒸発器21へ供給する冷媒を減圧膨脹す
る固定絞りのキャピラリチューブである。第2減圧装置
24は、暖房運転時に室外熱交換器20へ供給する冷媒
を減圧膨脹する固定絞りのキャピラリチューブである。
アキュムレータ25は、冷媒圧縮機19へ還流する冷媒
を気液分離して液冷媒を貯留し、気相冷媒のみを冷媒圧
縮機19へ送り出すものである。
【0022】流路切換手段は、運転モード(冷房モー
ド、暖房モード、除湿モード)に応じて冷媒の流れ方向
を切り換えるもので、四方弁29(本発明の循環方向切
換手段)、第1電磁弁30(本発明の第1開閉手段)、
第2電磁弁31(本発明の第2開閉手段)、および逆止
弁32より構成される。
【0023】四方弁29は、冷媒圧縮機19より吐出し
た冷媒の循環方向を運転モード(冷房モード、暖房モー
ド、除湿モード)に応じて切り換えるもので、冷房モー
ドの時に通電が停止(OFF)されて、冷媒圧縮機19
より吐出した冷媒を室外熱交換器20側へ導く流路に切
り換えられ、暖房モードおよび除湿モードの時に通電
(ON)されて、冷媒圧縮機19より吐出した冷媒を室
内凝縮器22へ導く流路に切り換えられる。
【0024】第1電磁弁30は、第1減圧装置23およ
び室内蒸発器21を迂回して室外熱交換器20の出口側
と室内蒸発器21の出口側とを結ぶ第1迂回路33に介
在されて、運転モードに応じて第1迂回路33を開閉す
る。第2電磁弁31は、第2減圧装置24を迂回して室
内凝縮器22の出口側と室外熱交換器20の入口側とを
結ぶ第2迂回路34に介在されて、運転モードに応じて
第2迂回路34を開閉する。なお、第1電磁弁30およ
び第2電磁弁31は、通電によって開弁し、通電停止に
よって閉弁する。逆止弁は、冷媒の流れ方向(逆流)を
規制するものである。
【0025】ここで、各運転モードにおける冷媒の流れ
を説明する。 イ)冷房モード(四方弁29:OFF、第1電磁弁30
および第2電磁弁31ともにOFF)。冷媒圧縮機19
より吐出した冷媒が、四方弁29→室外熱交換器20→
第1減圧装置23→室内蒸発器21→アキュムレータ2
5→冷媒圧縮機19の順に流れる(図2に冷媒の流れを
矢印Cで示す)。
【0026】ロ)暖房モード(四方弁29:ON、第1
電磁弁30:ON、第2電磁弁31:OFF)。冷媒圧
縮機19より吐出した冷媒が、四方弁29→室内凝縮器
22→第2減圧装置24→室外熱交換器20→第1電磁
弁30→アキュムレータ25→冷媒圧縮機19の順に流
れる(図2に冷媒の流れを矢印Hで示す)。
【0027】ハ)除湿モード(四方弁29:ON、第1
電磁弁30:OFF、第2電磁弁31:ON)。冷媒圧
縮機19より吐出した冷媒が、四方弁29→室内凝縮器
22→第2電磁弁31→室外熱交換器20→第1減圧装
置23→室内蒸発器21→アキュムレータ25→冷媒圧
縮機19の順に流れる(図2に冷媒の流れを矢印Dで示
す)。
【0028】なお、ダクト2内で室内凝縮器22の下流
には、電気ヒータ35(例えばPTCヒータ)が設けら
れている。この電気ヒータ35は、通電を受けて発熱す
ることにより空気を加熱するもので、最大暖房時に室内
凝縮器22だけでは所望の暖房能力を得られない時に使
用される。
【0029】エアコン操作パネル5は、車室内のダッシ
ュボード等に設けられている。このエアコン操作パネル
5には、図3に示すように、吹出口モードを設定する吹
出口切換スイッチ36a〜36e、送風機3の風量レベ
ルを切り換える風量切換スイッチ37、エアコン1の消
費電力を低減させる節電スイッチ38、吸込口モードを
設定する吸込口切換スイッチ39、運転モードを選択す
る運転モードスイッチ40a〜40e、空調能力をコン
トロールする空調能力調節レバー41、暖房運転時に室
外熱交換器20の除霜を開始する除霜スイッチ42が設
けられている。
【0030】なお、風量切換スイッチ37は、押す毎に
「弱」→「中」→「強」の順に切り換えることができ
る。吸込口切換スイッチ39は、押す毎に「内気モー
ド」→「半内気モード」→「外気モード」の順に切り換
えることができる。
【0031】空調能力調節レバー41は、その操作位置
に応じてインバータ27の出力周波数を制御することに
より、電動モータ26の回転数を変化させて空調能力を
調節するものである。例えば、冷房モードの時は、図3
に示すパネル5で、最も左側にセットした時が最大能力
となり、最も右側にセットした時が最小能力となる。ま
た、暖房モードのときは、パネル5で最も右側にセット
した時が最大能力となり、最も右側にセットした時が最
小能力となる。
【0032】除霜スイッチ42は、室外熱交換器20の
着霜が検出された時に、乗員が押すことで除霜を開始す
ることができる。なお、室外熱交換器20の着霜は、除
霜スイッチ42に設けられたインジケータ42aが点滅
することで乗員に知らされ、このインジケータ42aの
点滅時に除霜スイッチ42を押して除霜を開始すると、
インジケータ42aが点灯状態に変わり、除霜が終了す
るとインジケータ42aが消灯する。
【0033】エアコン制御装置6は、マイクロコンピュ
ータ(図示しない)を内蔵するもので、エアコン操作パ
ネル5より出力される信号、およびエアコン1の作動状
態を検出するための検出手段(下述する)より出力され
る検出信号に基づいて、各空調機器(送風機3、吹出口
切換ダンパ11〜13、内外気切換ダンパ17、冷媒圧
縮機19、室外ファン28、四方弁29、第1電磁弁3
0、第2電磁弁31、電気ヒータ35等)を制御する
(図4参照)。
【0034】検出手段は、室内蒸発器21のフィン温度
を検出するフィン温度サーミスタ43、冷凍サイクル4
の高圧圧力を検出する高圧圧力検出センサ44(本発明
の高圧圧力検出手段)、冷媒圧縮機19より吐出した冷
媒の温度を検出する吐出温度検出センサ45、外気温を
検出する外気温検出センサ46、室外熱交換器20の着
霜を検知する着霜検知センサ47、インバータ27に流
れる電流値を検出する電流検出器48等である。
【0035】次に、運転モードを切り換える時の制御に
ついて、図5〜図7に示すフローチャートを基に説明す
る。 I)四方弁29の切り換えを伴う運転モードの切り換
え。ここでは、冷房モードから暖房モードに切り換える
場合を説明する(図5参照)。冷房運転中に暖房スイッ
チ40dがONされたか否かを判定する(ステップ10
0)。暖房スイッチ40dがONされていない場合(N
O)は、そのまま冷房運転が継続される。暖房スイッチ
40dがONされた場合(YES)は、インバータ27
の出力を停止する(ステップ110)とともに、室外フ
ァン28の作動を停止(ステップ120)して、冷凍サ
イクル4を一旦停止する。
【0036】続いて、冷凍サイクル4の停止後、一定時
間(例えば60秒)の間隔を設定するために、エアコン
制御装置6のマイクロコンピュータに内蔵されたタイマ
機能によってカウントを開始する(ステップ130)。
その後、タイマ機能がカウント終了したか否かを判定し
(ステップ140)、カウント終了後、流路の切り換え
を行なうために四方弁29をONする(ステップ15
0)。
【0037】続いて、第1電磁弁30をONして第1迂
回路33を開き(ステップ160)、インバータ27の
出力を開始(ステップ170)して電動モータ26を駆
動するとともに、室外ファン28をONする(ステップ
180)。これにより、冷媒圧縮機19が起動されて冷
凍サイクル4を冷媒が循環し、室外ファン28の作動に
よって外気より吸熱されることにより、暖房運転が行な
われる(ステップ190)。
【0038】上記作動において、冷凍サイクル4の停止
後に一定時間の間隔を設定した理由は、冷凍サイクル4
の高低差圧を軽減して四方弁29の切り換えを支障なく
行なうとともに、第1電磁弁30を開く(ON)ことに
伴う冷媒の急激な状態変化による異音の発生を抑制する
ためである。これは、暖房モードから冷房モードに切り
換える場合も同様である。
【0039】II)四方弁29の切り換えを伴わない運
転モードの切り換え。 a)暖房モードから除湿モードに切り換える場合(図6
参照)。暖房運転中に除湿スイッチ40e(本発明の運
転モード切換手段)がONされたか否かを判定する(ス
テップ200・本発明の信号判定手段)。除湿スイッチ
40eがONされていない場合(NO)は、そのまま暖
房運転が継続される。除湿スイッチ40eがONされた
場合(YES)は、第1電磁弁30をOFFして第1迂
回路33を閉じる(ステップ210・本発明の第1開閉
制御手段)。ここで、暖房運転中に第1電磁弁30を流
れる冷媒は、第2減圧装置24で低圧に減圧されている
ことから、冷凍サイクル4を停止することなく第1電磁
弁30をOFFしても、異音の発生には至らない。
【0040】また、第1電磁弁30が閉じることから、
第2減圧装置24で減圧された後、室外熱交換器20を
通って導かれた冷媒は、第1減圧装置23で再度減圧さ
れて室内蒸発器21へ供給されることになる。このた
め、正規の除湿運転時に比べて、冷媒の循環量が減少
し、除湿能力が若干低下するものの、除湿は可能であ
る。
【0041】ステップ210に続いて、室外ファン28
を停止(ステップ220)して、室外熱交換器20への
送風を停止する。これにより、室外熱交換器20内での
冷媒の状態変化(液相→気相)を極力抑えることができ
るため、第1減圧装置23での圧力損失が低減される。
その結果、冷媒循環量の低下を最小限に止めて、除湿能
力を確保することができる。
【0042】続いて、高圧圧力検出センサ44の信号を
基に、冷凍サイクル4の高圧圧力が或る規定値P(例え
ば10kg/cm2)以下であるか否かを判定する(ステップ
230)。ここで、高圧圧力が規定値Pより高い場合
は、第2電磁弁31を開弁した時に、冷媒の急激な状態
変化によって異音が発生する。このため、第2電磁弁3
1を開弁する前に、異音が問題のないレベルとなるまで
高圧圧力を低下させる必要がある。
【0043】そこで、ステップ230の判定結果がNO
の場合、つまり冷凍サイクル4の高圧圧力が規定値Pよ
り高い場合は、インバータ27の周波数を段階的に低減
する(ステップ240・本発明の回転速度制御手段)。
これにより、電動モータ26の回転速度が低下して冷媒
圧縮機19の冷媒吐出量が減少することにより、高圧圧
力を低下させることができる。続いて、インバータ27
の周波数低減から一定時間待機(ステップ250)した
後、インバータ27の周波数が最低値(例えば、20H
z)まで低下したか否かを判定する(ステップ26
0)。
【0044】ステップ260の判定結果がNOの場合、
つまりインバータ27の周波数が最低値より高い場合
は、高圧圧力が規定値P以下となるまで、あるいはイン
バータ27の周波数が最低値となるまでステップ230
〜ステップ260を繰り返す。ステップ230で高圧圧
力が規定値P以下となった場合、またはステップ260
でインバータ27の周波数が最低値まで低下した場合
は、第2電磁弁31をONして第2迂回路34を開く
(ステップ270・本発明の第2開閉制御手段)。ここ
では、高圧圧力がすでに規定値P以下、あるいはインバ
ータ27の周波数が最低値まで低下していることから、
第2電磁弁31を開弁しても、レベルの高い異音が発生
することはない。
【0045】なお、高圧圧力が規定値P以下となるまで
に、インバータ27の周波数が予め決められた最低値に
達した場合は、その時点で、第2電磁弁31をONさせ
ている。これは、インバータ27の周波数を最低値より
低下させると、電動モータ26が最悪停止してしまう可
能性があり、その場合(停止した場合)は、再起動まで
に一定時間(例えば60秒)停止状態を保持しなければ
ならないのを回避するためである。なお、一定時間停止
状態を保持する理由は、冷媒圧縮機19に内蔵された電
動モータ26の起動電流が制限値を越えるのを防ぐため
である。
【0046】第2電磁弁31をONした後、再び、イン
バータ27の周波数を低減する以前の設定値に戻す(ス
テップ280)ことにより、正規の除湿運転が行なわれ
る(ステップ290)。
【0047】b)除湿モードから暖房モードに切り換え
る場合(図7参照)。除湿運転中は、第1電磁弁30お
よび第2電磁弁31ともに高圧冷媒に晒されている。従
って、この状態で第1電磁弁30および第2電磁弁31
を切り換える(開閉)と、各電磁弁30、31の開閉に
よって冷媒の流れが急激に変化することから、その冷媒
の状態変化に伴って異音が発生する。このため、冷凍サ
イクル4の高圧圧力が規定値Pまで低下した後、あるい
はインバータ27の出力周波数を最低値まで低下した後
に、第1電磁弁30および第2電磁弁31の切り換えを
行なう必要がある。
【0048】そこで、除湿運転中に暖房スイッチ40d
(本発明の運転モード切換手段)がONされたか否かを
判定する(ステップ300・本発明の信号判定手段)。
暖房スイッチ40dがONされていない場合(NO)
は、そのまま除湿運転が継続される。暖房スイッチ40
dがONされた場合(YES)は、高圧圧力検出センサ
44の信号を基に、冷凍サイクル4の高圧圧力が或る規
定値P以下であるか否かを判定する(ステップ31
0)。この判定結果がNOの場合、つまり冷凍サイクル
4の高圧圧力が規定値Pより高い場合は、インバータ2
7の周波数を段階的に低減する(ステップ320・本発
明の回転速度制御手段)。
【0049】続いて、インバータ27の周波数低減から
一定時間待機(ステップ330)した後、インバータ2
7の周波数が最低値まで低下したか否かを判定する(ス
テップ340)。この判定結果がNOの場合、つまりイ
ンバータ27の周波数が最低値より高い場合は、高圧圧
力が規定値P以下となるまで、あるいはインバータ27
の周波数が最低値となるまでステップ310〜ステップ
340を繰り返す。
【0050】ステップ310で高圧圧力が規定値P以下
となった場合、またはステップ340でインバータ27
の周波数が最低値まで低下した場合は、第2電磁弁31
をOFFして第2迂回路34を閉じる(ステップ350
・本発明の第2開閉制御手段)とともに、第1電磁弁3
0をONして第1迂回路33を開き(ステップ360・
本発明の第1開閉制御手段)、室外ファン28をONし
て室外熱交換器20に送風を開始する(ステップ37
0)。続いて、インバータ27の周波数を低減する以前
の設定値に戻す(ステップ380)ことにより、暖房運
転が行なわれる(ステップ390)。
【0051】〔変形例〕本実施例では、暖房モードと除
湿モードとの切り換え時に、インバータ27の周波数を
低下させるため、能力も一時的に低下する。このため、
能力低下を最小限に抑えるために、運転モードの切換制
御中において、サーボモータ18を制御して、内外気切
換ダンパ17が外気導入口16を閉じる(即ち内気モー
ド)方向に駆動すると同時に、電気ヒータ35用のリレ
ー49をONして、電気ヒータ35に通電する制御を追
加することも可能である。
【0052】本実施例では、冷媒圧縮機19を駆動する
電動モータ26を冷媒圧縮機19の密閉容器に内蔵した
例を示したが、電動モータ26を冷媒圧縮機19の外部
に設置して、電動モータ26の回転力をベルト駆動によ
って冷媒圧縮機19に伝達するようにしても良い。電動
モータ26の回転速度をインバータ27の出力周波数に
よって決定したが、電動モータ26に印加する電圧によ
って決定することもできる。
【0053】
【発明の効果】本発明の車両用空調装置は、暖房運転か
ら除湿運転へ切り換える時に、冷凍サイクルの高圧圧力
が所定値以下となるように、または電動モータの回転速
度が所定の回転速度まで低下するように制御してから第
2迂回路を開くように第2開閉手段を制御することか
ら、第2開閉手段の作動に伴う異音の発生を防止するこ
とができる。なお、この場合、第1開閉手段に導かれる
冷媒は、すでに第2減圧装置で減圧されていることか
ら、第1開閉手段が第1迂回路を閉じる時にレベルの高
い異音が発生することはない。また、電動モータの回転
速度を低下させる前に、第1迂回路を閉じるように第1
開閉手段を制御することにより、第1減圧装置および室
内蒸発器に冷媒が供給されることで、除湿性能の低下を
最小限に抑えることができる。
【0054】また、除湿運転から暖房運転へ切り換える
時には、冷凍サイクルの高圧圧力が所定値以下となるよ
うに、または電動モータの回転速度が所定の回転速度ま
で低下するように制御してから第1開閉手段および第2
開閉手段の開閉制御を行なうことにより、各開閉手段の
開閉制御に伴う異音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調装置の送風系を示す模式図である。
【図2】車両用空調装置の冷凍サイクル図である。
【図3】エアコン操作パネルの平面図である。
【図4】本実施例の制御系に係わるブロック図である。
【図5】冷房モードから暖房モードへ切り換える時の制
御を示すフローチャートである。
【図6】暖房モードから除湿モードへ切り換える時の制
御を示すフローチャートである。
【図7】除湿モードから暖房モードへ切り換える時の制
御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両用空調装置 2 ダクト 3 送風機 6 エアコン制御装置(信号判定手段、第1開閉制御手
段、回転速度制御手段、第2開閉制御手段) 19 冷媒圧縮機 20 室外熱交換器 21 室内蒸発器 22 室内凝縮器 23 第1減圧装置 24 第2減圧装置 26 電動モータ 29 四方弁(循環方向切換手段) 30 第1電磁弁(第1開閉手段) 31 第2電磁弁(第2開閉手段) 33 第1迂回路 34 第2迂回路 40d 暖房スイッチ(運転モード切換手段) 40e 除湿スイッチ(運転モード切換手段) 44 高圧圧力検出センサ(高圧圧力検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F25B 13/00 103 (72)発明者 原田 秀雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)車室内に空気を導くダクトと、 b)このダクト内に空気を導入して前記車室内へ送る送
    風機と、 c)吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機と、 d)この冷媒圧縮機を駆動する電動モータと、 e)運転モードに応じて前記冷媒圧縮機より吐出された
    冷媒の循環方向を切り換える循環方向切換手段と、 f)前記ダクト内に配されて、前記運転モードが冷房モ
    ードおよび除湿モードの時に、低温低圧の冷媒との熱交
    換によって通過する空気を冷却する室内蒸発器と、 g)前記ダクト内で前記室内蒸発器の風下に配されて、
    前記運転モードが暖房モードおよび除湿モードの時に、
    高温高圧の冷媒との熱交換によって通過する空気を加熱
    する室内凝縮器と、 h)車室外に配されて、前記冷房モードの時に冷媒凝縮
    器として機能し、前記暖房モードの時に冷媒蒸発器とし
    て機能する室外熱交換器と、 i)前記冷房モードおよび前記除湿モードの時に、前記
    室外熱交換器より導かれた冷媒を減圧膨脹して前記室内
    蒸発器へ供給する第1減圧装置と、 j)前記暖房モードの時に、前記室内凝縮器より導かれ
    た冷媒を減圧膨脹して前記室外熱交換器へ供給する第2
    減圧装置と、 k)前記暖房モードの時に、前記室外熱交換器より導か
    れた冷媒を、前記第1減圧装置および前記室内蒸発器を
    迂回して前記冷媒圧縮機へ導く第1迂回路と、 l)この第1迂回路を開閉する第1開閉手段と、 m)前記除湿モードの時に、前記室内凝縮器より導かれ
    た冷媒を、前記第2減圧装置を迂回して前記室外熱交換
    器へ導く第2迂回路と、 n)この第2迂回路を開閉する第2開閉手段と、 o)前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒の高圧圧力を検
    出する高圧圧力検出手段と、 p)前記暖房モードから前記除湿モードへのモード切り
    換えを指令するモード切換信号を出力する運転モード切
    換手段と、 q)前記モード切換信号が入力されたか否かを判定する
    信号判定手段と、 r)この信号判定手段により前記モード切換信号が入力
    されたと判定された場合に、前記第1迂回路を閉じるよ
    うに前記第1開閉手段を制御する第1開閉制御手段と、 s)前記信号判定手段により前記モード切換信号が入力
    されたと判定された場合に、前記高圧圧力検出手段で検
    出される高圧圧力が所定値以下になるまで前記電動モー
    タの回転速度を低下させる回転速度制御手段と、 t)この回転速度制御手段の制御が実行された後、前記
    第2迂回路を開くように前記第2開閉手段を制御する第
    2開閉制御手段とを備えた車両用空調装置。
  2. 【請求項2】a)車室内に空気を導くダクトと、 b)このダクト内に空気を導入して前記車室内へ送る送
    風機と、 c)吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機と、 d)この冷媒圧縮機を駆動する電動モータと、 e)運転モードに応じて前記冷媒圧縮機より吐出された
    冷媒の循環方向を切り換える循環方向切換手段と、 f)前記ダクト内に配されて、前記運転モードが冷房モ
    ードおよび除湿モードの時に、低温低圧の冷媒との熱交
    換によって通過する空気を冷却する室内蒸発器と、 g)前記ダクト内で前記室内蒸発器の風下に配されて、
    前記運転モードが暖房モードおよび除湿モードの時に、
    高温高圧の冷媒との熱交換によって通過する空気を加熱
    する室内凝縮器と、 h)車室外に配されて、前記冷房モードの時に冷媒凝縮
    器として機能し、前記暖房モードの時に冷媒蒸発器とし
    て機能する室外熱交換器と、 i)前記冷房モードおよび前記除湿モードの時に、前記
    室外熱交換器より導か れた冷媒を減圧膨脹して前記室内蒸発器へ供給する第1
    減圧装置と、 j)前記暖房モードの時に、前記室内凝縮器より導かれ
    た冷媒を減圧膨脹して前記室外熱交換器へ供給する第2
    減圧装置と、 k)前記暖房モードの時に、前記室外熱交換器より導か
    れた冷媒を、前記第1減圧装置および前記室内蒸発器を
    迂回して前記冷媒圧縮機へ導く第1迂回路と、 l)この第1迂回路を開閉する第1開閉手段と、 m)前記除湿モードの時に、前記室内凝縮器より導かれ
    た冷媒を、前記第2減圧装置を迂回して前記室外熱交換
    器へ導く第2迂回路と、 n)この第2迂回路を開閉する第2開閉手段と、 o)前記暖房モードから前記除湿モードへのモード切り
    換えを指令するモード切換信号を出力する運転モード切
    換手段と、 p)前記モード切換信号が入力されたか否かを判定する
    信号判定手段と、 q)この信号判定手段により前記モード切換信号が入力
    されたと判定された場合に、前記第1迂回路を閉じるよ
    うに前記第1開閉手段を制御する第1開閉制御手段と、 r)前記信号判定手段により前記モード切換信号が入力
    されたと判定された場合に、前記電動モータの回転速度
    を所定の回転速度まで低下させる回転速度制御手段と、 s)この回転速度制御手段の制御が実行された後、前記
    第2迂回路を開くように前記第2開閉手段を制御する第
    2開閉制御手段とを備えた車両用空調装置。
  3. 【請求項3】a)車室内に空気を導くダクトと、 b)このダクト内に空気を導入して前記車室内へ送る送
    風機と、 c)吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機と、 d)この冷媒圧縮機を駆動する電動モータと、 e)運転モードに応じて前記冷媒圧縮機より吐出された
    冷媒の循環方向を切り換える循環方向切換手段と、 f)前記ダクト内に配されて、前記運転モードが冷房モ
    ードおよび除湿モードの時に、低温低圧の冷媒との熱交
    換によって通過する空気を冷却する室内蒸発器と、 g)前記ダクト内で前記室内蒸発器の風下に配されて、
    前記運転モードが暖房モードおよび除湿モードの時に、
    高温高圧の冷媒との熱交換によって通過する空気を加熱
    する室内凝縮器と、 h)車室外に配されて、前記冷房モードの時に冷媒凝縮
    器として機能し、前記暖房モードの時に冷媒蒸発器とし
    て機能する室外熱交換器と、 i)前記冷房モードおよび前記除湿モードの時に、前記
    室外熱交換器より導かれた冷媒を減圧膨脹して前記室内
    蒸発器へ供給する第1減圧装置と、 j)前記暖房モードの時に、前記室内凝縮器より導かれ
    た冷媒を減圧膨脹して前記室外熱交換器へ供給する第2
    減圧装置と、 k)前記暖房モードの時に、前記室外熱交換器より導か
    れた冷媒を、前記第1減圧装置および前記室内蒸発器を
    迂回して前記冷媒圧縮機へ導く第1迂回路と、 l)この第1迂回路を開閉する第1開閉手段と、 m)前記除湿モードの時に、前記室内凝縮器より導かれ
    た冷媒を、前記第2減圧装置を迂回して前記室外熱交換
    器へ導く第2迂回路と、 n)この第2迂回路を開閉する第2開閉手段と、 o)前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒の高圧圧力を検
    出する高圧圧力検出手段と、 p)前記除湿モードから前記暖房モードへのモード切り
    換えを指令するモード切換信号を出力する運転モード切
    換手段と、 q)前記モード切換信号が入力されたか否かを判定する
    信号判定手段と、 r)この信号判定手段により前記モード切換信号が入力
    されたと判定された場合に、前記高圧圧力検出手段で検
    出される高圧圧力が所定値以下になるまで前記電動モー
    タの回転速度を低下させる回転速度制御手段と、 s)この回転速度制御手段の制御が実行された後、前記
    第1迂回路を開くように前記第1開閉手段を制御する第
    1開閉制御手段と、 t)前記回転速度制御手段の制御が実行された後、前記
    第2迂回路を閉じるように前記第2開閉手段を制御する
    第2開閉制御手段とを備えた車両用空調装置。
  4. 【請求項4】a)車室内に空気を導くダクトと、 b)このダクト内に空気を導入して前記車室内へ送る送
    風機と、 c)吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機と、 d)この冷媒圧縮機を駆動する電動モータと、 e)運転モードに応じて前記冷媒圧縮機より吐出された
    冷媒の循環方向を切り換える循環方向切換手段と、 f)前記ダクト内に配されて、前記運転モードが冷房モ
    ードおよび除湿モードの時に、低温低圧の冷媒との熱交
    換によって通過する空気を冷却する室内蒸発器と、 g)前記ダクト内で前記室内蒸発器の風下に配されて、
    前記運転モードが暖房モードおよび除湿モードの時に、
    高温高圧の冷媒との熱交換によって通過する空気を加熱
    する室内凝縮器と、 h)車室外に配されて、前記冷房モードの時に冷媒凝縮
    器として機能し、前記暖房モードの時に冷媒蒸発器とし
    て機能する室外熱交換器と、 i)前記冷房モードおよび前記除湿モードの時に、前記
    室外熱交換器より導かれた冷媒を減圧膨脹して前記室内
    蒸発器へ供給する第1減圧装置と、 j)前記暖房モードの時に、前記室内凝縮器より導かれ
    た冷媒を減圧膨脹して前記室外熱交換器へ供給する第2
    減圧装置と、 k)前記暖房モードの時に、前記室外熱交換器より導か
    れた冷媒を、前記第1減圧装置および前記室内蒸発器を
    迂回して前記冷媒圧縮機へ導く第1迂回路と、 l)この第1迂回路を開閉する第1開閉手段と、 m)前記除湿モードの時に、前記室内凝縮器より導かれ
    た冷媒を、前記第2減圧装置を迂回して前記室外熱交換
    器へ導く第2迂回路と、 n)この第2迂回路を開閉する第2開閉手段と、 o)前記除湿モードから前記暖房モードへのモード切り
    換えを指令するモード切換信号を出力する運転モード切
    換手段と、 p)前記モード切換信号が入力されたか否かを判定する
    信号判定手段と、 q)この信号判定手段により前記モード切換信号が入力
    されたと判定された場合に、前記電動モータの回転速度
    を所定の回転速度まで低下させる回転速度制御手段と、 r)この回転速度制御手段の制御が実行された後、前記
    第1迂回路を開くように前記第1開閉手段を制御する第
    1開閉制御手段と、 s)前記回転速度制御手段の制御が実行された後、前記
    第2迂回路を閉じるように前記第2開閉手段を制御する
    第2開閉制御手段とを備えた車両用空調装置。
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