JPH0999733A - 冷凍サイクル装置および車両用空調装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置および車両用空調装置

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JPH0999733A
JPH0999733A JP26038195A JP26038195A JPH0999733A JP H0999733 A JPH0999733 A JP H0999733A JP 26038195 A JP26038195 A JP 26038195A JP 26038195 A JP26038195 A JP 26038195A JP H0999733 A JPH0999733 A JP H0999733A
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JP
Japan
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compressor
capacity
cooling
air
evaporator
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JP26038195A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Takano
義昭 高野
Hiroshi Kinoshita
宏 木下
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高冷房負荷時における冷房能力を確保しなが
ら、圧縮機の低容量運転時における潤滑油戻り性を良く
する。 【構成】 冷房負荷に応じて容量が変化する内部可変容
量型圧縮機9を備えた車両用空調装置において、外気温
度が所定温度よりも低いとき、すなわち圧縮機9の低容
量運転時には、電磁クラッチ16をオンオフさせて、圧
縮機9の運転、停止を繰り返す。これによって、圧縮機
9が停止状態から運転状態となるときに膨張弁12が開
き、液冷媒が蒸発器7内を一気に流れ、この液冷媒の一
部が圧縮機9に吸入され、この液冷媒と一緒に潤滑油が
圧縮機9に戻る。また、高冷房負荷時には、電磁クラッ
チ16のオンオフ制御は行われず、圧縮機9の容量変化
によって冷房能力が制御される。このときには高容量と
なり、冷房能力が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷房負荷に応じて
容量が変化する内部可変容量型圧縮機を用いて、蒸発器
における冷房能力を制御する冷凍サイクル装置および空
調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように、冷房負荷に応じて容量が
変化する内部可変容量型圧縮機を用いた冷凍サイクル装
置は、従来から一般的に知られている。このような冷凍
サイクル装置においては、圧縮機を低容量運転したとき
に、冷凍サイクル内の冷媒循環量が減少し、潤滑油が圧
縮機に戻りにくくなって、圧縮機の焼き付けが起こる可
能性があった。そのため、低容量運転時における膨張弁
開度が多少開き気味となるように膨張弁をセットするこ
とによって、圧縮機に液冷媒を少し戻し、圧縮機に潤滑
油を戻すようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ように
膨張弁をセットするときに、その開度を大きくすれば、
確かに潤滑油の戻り性は向上するが、反対に、高冷房負
荷時に冷凍サイクルの低圧圧力が十分に下がりきらず、
必要な冷房能力が得られなくなるといった問題が発生す
る。
【0004】従って、従来は、高冷房負荷時に必要な冷
房能力を確保するために、低容量運転時における膨張弁
開度をあまり大きくすることができず、その結果、圧縮
機への潤滑油の戻り量は十分なものではなかった。そこ
で、本発明は上記問題に鑑み、冷房負荷に応じて容量が
変化する内部可変容量型圧縮機を用いて、蒸発器におけ
る冷房能力を制御する冷凍サイクル装置において、高冷
房負荷時における冷房能力を確保しながら、圧縮機の低
容量運転時における潤滑油戻り性を良くすることを第1
の目的とする。
【0005】また、上記のような冷凍サイクルの蒸発器
にて、車室内への吹出風の除湿を行うように構成された
車両用空調装置においては、圧縮機の低容量運転時に
は、蒸発器内の冷媒分布性が悪くなるので、蒸発器にお
ける除湿性能が落ち、車両フロントガラスの防曇性能が
悪化してしまう。そこで、本発明は上記問題に鑑み、冷
房負荷に応じて容量が変化する内部可変容量型圧縮機を
用いて、蒸発器における冷房能力を制御する車両用空調
装置において、車両窓ガラスの防曇性を良くすることを
第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1、2記載の発明では、冷房負荷に応
じて容量が変化する内部可変容量型圧縮機を有する冷凍
サイクルを備えた冷凍サイクル装置において、圧縮機の
容量が所定容量よりも低いときには、圧縮機制御手段
が、圧縮機の運転、停止を繰り返すように、圧縮機に接
続された切換手段を制御するようにしたことを特徴とし
ている。
【0007】これによると、圧縮機の容量が上記所定容
量よりも低いときには圧縮機の運転、停止が繰り返され
るので、低容量運転時における潤滑油戻り性を向上する
ことができる。すなわち、切換手段が制御されて圧縮機
が停止すると、冷凍サイクルの低圧圧力が上がって減圧
手段が絞られる。そして、この状態から切換手段が制御
されて圧縮機が運転状態となると、冷凍サイクルの低圧
圧力が下がって減圧手段が開く。そして、減圧手段が開
くことによって、液冷媒が蒸発器内を一気に流れる。
【0008】このとき、冷房負荷は低いので、蒸発器内
を一気に流れた液冷媒の一部は、蒸発しきらずに液冷媒
のまま圧縮機に吸入される。これによって、液冷媒と一
緒に潤滑油が圧縮機に戻る。従って、圧縮機の運転、停
止を繰り返しすことによって、圧縮機への潤滑油戻り性
が向上する。また、冷房負荷が高いときは、上記圧縮機
制御手段による制御は行われず、圧縮機の容量変化によ
って冷房能力が制御される。このときには高容量とな
り、冷房能力が確保される。
【0009】また、請求項3〜5記載の発明は、上記第
2の目的を達成するために、冷房負荷に応じて容量が変
化する内部可変容量型圧縮機を有する冷凍サイクルと、
空気流を発生する送風手段と、この送風手段が発生した
空気を車室内に導くとともに、冷凍サイクルの蒸発器が
内部に設けられた空気通路とを備えた車両用空調装置に
おいて、圧縮機の容量が所定容量よりも低いときには、
圧縮機制御手段が、圧縮機の運転、停止を繰り返すよう
に、圧縮機に接続された切換手段を制御するようにした
ことを特徴としている。
【0010】これによると、圧縮機の容量自体が低く、
蒸発器内を流れる冷媒流量が少ないときには、圧縮機の
容量変化のみによって蒸発器の冷房能力を制御する場
合、蒸発器に、液冷媒が行き届かない部位が形成される
が、上記圧縮機制御手段によって圧縮機の運転、停止が
繰り返されることによって、蒸発器内の冷媒の流れが乱
れ、その結果、上記液冷媒が行き届かなかった部位にま
でも冷媒が行き届くようになる。すなわち、蒸発器内の
冷媒分布性が良くなる。
【0011】このように蒸発器内の冷媒分布性が良くな
ることに伴って、蒸発器における除湿性能が向上する。
従って、この蒸発器によって除湿された空気を車室内に
吹き出すことによって、車両フロントガラスの防曇性能
が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明を自動車用空調装置
として用いた第1実施形態について、図1〜7を用いて
説明する。本実施形態では、車室内空間を空調するため
の空調ユニットにおける各空調手段を、空調制御装置に
よって制御するように構成されている。
【0013】まず、図1を用いて上記空調ユニットの構
成を説明する。空調ケース1の空気上流側部位には、車
室内気を吸入するための内気吸入口2と外気を吸入する
ための外気吸入口3とが形成されているとともに、内気
吸入口2を開口して外気吸入口3を閉口する内気循環モ
ードと、内気吸入口2を閉口して外気吸入口3を開口す
る外気導入モードとを切り換える内外気切換ドア4が設
けられている。また、この内外気切換ドア4は、その駆
動手段57(具体的にはサ−ボモ−タ、図3参照)によ
って駆動される。
【0014】この内外気切換ドア4の下流側部位には、
送風手段としてのファン5が配設されている。このファ
ン5は、その駆動手段6(具体的にはブロワモータ)に
よって駆動され、ファンの回転数、すなわち車室内への
送風量は、ブロワモータ6に印加されるブロワ電圧によ
って制御される。なお、このブロワ電圧は空調制御装置
50(図3参照)によって決定される。
【0015】ファン5の下流側には、空気冷却手段をな
す蒸発器7が配設されている。この蒸発器7は、自動車
のエンジン8によって駆動される圧縮機9の他に、凝縮
器10、レシーバ11、温度作動式膨張弁12がそれぞ
れ冷媒配管13によって接続された冷凍サイクル14の
一部を構成する熱交換器である。なお、15は室外ファ
ンである。
【0016】また、上記圧縮機2には電磁クラッチ16
が接続されている。この電磁クラッチ16は、空調制御
装置50(図3参照)によって通電制御されるもので、
この空調制御装置50によって通電制御されたときに、
エンジン8の動力を圧縮機9に伝達して圧縮機9を作動
させ、空調制御装置50によって非通電制御されたとき
に、エンジン8の動力の圧縮機9への伝達を遮断して圧
縮機9を停止するように構成されている。
【0017】また、蒸発器7の空気下流側には、空気加
熱手段をなすヒータコア17が配設されている。このヒ
ータコア17は、内部にエンジン8の冷却水が流れ、こ
の冷却水を熱源としてヒータコア17を通過する空気を
加熱する温水式熱交換器である。このヒータコア17の
空気上流側には、蒸発器7からの冷風のうち、ヒータコ
ア17を通る割合と、ヒータコア17をバイパスするバ
イパス通路18を通る割合とを調節するエアミックスド
ア19が配設されている。このエアミックスドア19
は、その駆動手段58(具体的にはサーボモータ、図3
参照)によって駆動される。
【0018】また、空調ケース1の最下流側部位には、
車室内乗員の上半身に空気を吹き出すためのフェイス吹
出口20と、車室内乗員の足元に空気を吹き出すための
フット吹出口21と、フロントガラス23の内面に向か
って空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口22とが形
成されている。そして、上記各吹出口20〜22の上流
側部位には、空調風をフェイス吹出口20から吹き出す
フェイスモード、空調風をフット吹出口21から吹き出
すフットモード、空調風をフェイス吹出口20とフット
吹出口21とから吹き出すバイレベルモード、および空
調風をデフロスタ吹出口22から吹き出すデフロスタモ
ードの間で切り換える吹出口モード切換ドア24、25
が配設されている。なお、これらのドア24、25は、
それぞれの駆動手段59、60(具体的にはそれぞれサ
ーボモータ、図3参照)によって駆動される。
【0019】次に、圧縮機9の内部構造を図2を用いて
簡単に説明する。なお、以下説明する内部構造は、特開
平4−301189号公報に開示されているのて、詳細
な説明は省略する。圧縮機9のハウジング31内には、
エンジン8の回転に伴って回転する回転軸32が設けら
れているとともに、この回転軸32とは一緒に回転しな
い状態で斜板33が設けられている。そして、回転軸3
2と一緒にシリンダケース34が回転するときには、ピ
ストン35の一端側に設けられた摺動部材36が斜板3
3の面に沿って摺動し、これによってピストン35がシ
リンダ室37内で図中左右方向に往復運動する。つま
り、斜板33の傾きに応じて、ピストン35のストロー
ク、すなわち圧縮機9の吐出容量が変化する。
【0020】この斜板33は、その一部位がホルダ38
とピストン39とによって挟持されている。このホルダ
38には、コイルスプリング40の弾性力によって、斜
板33の上記一部位を図中右方向に押す力が作用し、ま
たピストン39には、制御圧力室41内の制御圧力Pc
によって、斜板33の上記一部位を図中左方向に押す力
が作用している。すなわち、斜板33の傾きは、これら
弾性力および制御圧力Pc によって決まる。
【0021】ところで、上記制御圧力室41内には、蒸
発器7側の低圧圧力Ps が連通通路42、43を介して
導かれ、また圧縮機9自身が圧縮して高圧となった高圧
圧力Pd が連通通路42、44を介して導かれるように
構成されている。また、上記連通通路42と43との連
通部分には弁体45が設けられており、この弁体45の
位置が変化して、この連通部分における通路面積が変わ
ることによって、制御圧力Pc が変化するように構成さ
れている。
【0022】ここで、冷房負荷が大きい場合には、上記
低圧圧力Ps が高くなるので、ダイヤフラム46が図中
下方に押し下がる。すると、ロッド47を介して弁体4
5が図中下方に下がるので、制御圧力室41内の制御圧
力Pc は高くなる。この制御圧力Pc が高くなれば、ピ
ストン39によって斜板33の上記一部位を図中左側に
押す力が大きくなるので、結果的に斜板33の傾きが大
きくなり、圧縮機2の吐出容量が大きくなる。
【0023】反対に、冷房負荷が小さい場合には、低圧
圧力Ps が低くなるので、ダイヤフラム46が図中上方
に押し上がる。すると、ロッド47を介して弁体45が
図中上方に上がるので、制御圧力室41内の制御圧力P
c は低くなる。従って、結果的に斜板33の傾きは小さ
くなり、圧縮機9の吐出容量が小さくなる。このよう
に、本実施形態の圧縮機9は、冷房負荷に応じて吐出容
量が自動的に変わる、いわゆる内部可変容量型圧縮機と
呼ばれるもので、このような内部可変容量型圧縮機を用
いることによって、蒸発器7を通過後の空気温度をほぼ
所定温度(例えば0℃〜1℃)一定となるように制御で
きる。
【0024】次に、図3を用いて本実施形態の制御系の
構成を説明する。空調制御装置50には、車室内の空気
温度を検出する内気温センサ51、外気温度を検出する
外気温センサ52、車室内に照射される日射量を検出す
る日射センサ53、ヒータコア17に流入するエンジン
冷却水温を検出する水温センサ54、蒸発器7の空気冷
却度合い(具体的には蒸発器7を通過した直後の空気温
度)を検出する蒸発器後空気温度センサ55、および車
室内の操作性の良い位置に配設されたコントロールパネ
ル56上の各スイッチ(例えば車室内の目標温度を設定
する温度設定器)からの信号が入力される。
【0025】そして、上記空調制御装置50の内部に
は、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知
のマイクロコンピュータが設けられ、上記各センサ51
〜55およびコントロールパネル56からの信号は、空
調制御装置50内の図示しない入力回路によってA/D
変換された後、上記マイクロコンピュータへ入力される
ように構成されている。なお、空調制御装置50は、エ
ンジン8の図示しないイグニッションスイッチがオンさ
れたときに、図示しないバッテリーから電源が供給され
る。
【0026】次に、空調制御装置50のマイクロコンピ
ュータが行う全体的な制御処理について、図4を用いて
説明する。まず、イグニッションスイッチがオンされて
空調制御装置50に電源が供給されると、図4のルーチ
ンが起動される。そして、ステップ100にて初期化処
理を行い、次のステップ110にて、コントロールパネ
ル56の上記温度設定器にて設定された設定温度Tset
を入力する。そして、次のステップ120にて、上記セ
ンサ51〜55の各検出値をA/D変換した信号(Tr
、Tam、Ts 、Tw、Te )を読み込む。
【0027】そして、次のステップ130では、下記数
式1に基づいて、車室内への目標吹出温度(TAO)を
算出する。
【0028】
【数1】TAO=Kset ×Tset −Kr ×Tr −Kam×
Tam−Ks ×Ts −C なお、上記Kset 、Kr 、Kam、およびKs はゲイン、
Cは補正用の定数である。そして、次のステップ140
では、上記TAOに対応するブロワ電圧を、ROMに記
憶された図示しないマップからサーチすることによって
決定する。
【0029】そして、次のステップ150では、上記T
AOに対応する内外気モードを、ROMに記憶された図
示しないマップからサーチすることによって決定する。
そして、次のステップ160では、上記TAOに対応す
る吹出口モードを、ROMに記憶された図示しないマッ
プからサーチすることによって決定する。そして、次の
ステップ170では、下記数式2に基づいて、車室内へ
の吹出空気温度が上記TAOとなるように、エアミック
スドア19の目標開度(SW)を算出する。
【0030】
【数2】 SW=((TAO−Te )/(Tw −Te ))×100 (%) そして、次のステップ180にて、上記各ステップ14
0〜170で決定または算出した各モードが得られるよ
うに、各アクチュエータに対して制御信号を出力する。
そして、ステップ190にて、制御サイクル時間である
τの経過を待った後、ステップ110の処理に戻る。
【0031】また、上記マイクロコンピュータは、上記
図4の制御処理とは別に、電磁クラッチ16についての
制御処理も行う。以下、この処理について図5を用いて
説明する。イグニッションスイッチがオンされて空調制
御装置50に電源が供給されると、図5のルーチンが起
動される。そして、ステップ200にて外気温センサ5
2が検出した外気温度Tamを読み込む。そして、次のス
テップ210にて、この外気温度Tamが所定温度Tst
(本実施形態では10℃)より低いか否かを判定するこ
とによって、圧縮機9が所定容量(本実施形態では30
%)より低いか否か、すなわち圧縮機9が低容量運転し
ているか否かを判定する。
【0032】このステップ210にてYESと判定され
たとき、すなわち圧縮機9が低容量運転しているとき
は、次のステップ220にて、蒸発器後空気温度センサ
55が検出した蒸発器後温度Te (蒸発器7を通過した
直後の空気温度)に応じて、電磁クラッチ16をオンす
るかオフするかを、ROMに記憶された図6に示すマッ
プからサーチすることによって決定し、これに基づいて
電磁クラッチ16を制御する。
【0033】すなわち、電磁クラッチ16をオンして圧
縮機9の運転を継続させ、上記蒸発器後温度Te が0
(℃)以下となったら、蒸発器7の冷房能力が所定能力
よりも大きくなったということなので、電磁クラッチ1
6をオフして圧縮機9を停止させる。そして、圧縮機9
の停止状態が続き、上記蒸発器後温度Te が1(℃)以
上となったら、蒸発器7の冷房能力が所定能力よりも小
さくなったということなので、電磁クラッチ16をオン
して圧縮機9を運転させる。
【0034】上記ステップ220の処理を終えたら、こ
のルーチンを抜ける。また、ステップ210にてNOと
判定されたときは、何もせずにこのルーチンを抜ける。
なお、上記各ステップは、それぞれの機能を実現する手
段を構成する。以上説明したように、本実施形態による
と、圧縮機9が低容量運転をする条件のときには、図6
のマップに基づいて圧縮機9の運転、停止が繰り返され
るように制御するので、低容量運転時における潤滑油戻
り性を向上することができる。
【0035】すなわち、電磁クラッチ16がオフして圧
縮機9が停止すると、冷凍サイクル14の低圧圧力が上
がって膨張弁12が閉じる。そして、この状態から電磁
クラッチ16がオンして圧縮機9が運転状態となると、
冷凍サイクル14の低圧圧力が下がって膨張弁12が開
く。このとき、膨張弁12が開くことによって、液冷媒
が蒸発器7内を一気に流れる。
【0036】このとき、蒸発器7における冷房負荷は低
いので、蒸発器7内を一気に流れた液冷媒の一部は、蒸
発しきらずに液冷媒のまま圧縮機9に吸入される。これ
によって、液冷媒と一緒に潤滑油が圧縮機9に戻る。従
って、圧縮機9の運転、停止を繰り返しすことによっ
て、圧縮機9への潤滑油戻り性が向上する。また、冷房
負荷が高いとき、すなわち外気温度Tamが上記所定温度
Tstよりも高いときには、電磁クラッチ16のオンオフ
制御(ステップ220)は行われず、圧縮機9の容量変
化によって冷房能力が制御される。従って、このときに
は高容量となり、冷房能力が確保される。
【0037】また、圧縮機9の低容量運転時には、圧縮
機9の運転、停止が繰り返されるように制御するので、
蒸発器7内の冷媒分布性が良くなり、その結果、蒸発器
7における除湿性能が向上して、フロントガラス23の
防曇性能が向上する。すなわち、圧縮機9の容量自体が
低く、蒸発器7内を流れる冷媒流量が少ないときには、
圧縮機9の容量変化のみによる蒸発器7の冷房能力の制
御(内部可変容量制御)を行う場合、蒸発器7に、液冷
媒が行き届かない部位が形成されるが、圧縮機9の運
転、停止を繰り返す制御(オンオフ制御)を行うことに
よって、蒸発器7内の冷媒の流れが乱れ、その結果、上
記液冷媒が行き届かなかった部位にまでも冷媒が行き届
くようになる。すなわち、蒸発器7内の冷媒分布性が良
くなる。
【0038】実際に、本発明者等が、上記内部可変容量
制御を行う場合に比べて、上記オンオフ制御を行う場合
の方が、蒸発器7内の冷媒分布性が良くなるかどうかに
ついて、図1に示すシステムを用いて実験した結果、図
7に示すデータが得られた。この実験を具体的に説明す
ると、時間t0 までの間は、上記内部可変容量制御され
た蒸発器7にて冷却された後に、エアミックスドア19
にて温度調節された空気(このときの吹出温度は約7
(℃))を車室内へ吹き出しているところに、時間t0
のときから、蒸発器7の冷房能力を上記オンオフ制御に
切り換えたことろ、吹出温度は上記内部可変容量制御の
ときに比べて低下した。
【0039】すなわち、上記車室内への吹出温度が低下
したということは、蒸発器7全体としての温度が低下し
たということである。つまり、蒸発器7内における冷媒
分布性が良くなったということである。ちなみに、上記
実験を行ったときの車室内気温度は25(℃)、車室内
の相対湿度は50(%)、車室内への吹出風量は200
(m3/h )である。
【0040】上述したように、本実施形態によると、圧
縮機9の低容量運転時における蒸発器7内の冷媒分布性
が良くなるので、この蒸発器7によって除湿された空気
を車室内に吹き出すことによって、車両フロントガラス
23の防曇性能が向上する。次に、本発明の第2実施形
態について説明する。なお、本実施形態と上記第1実施
形態と異なるところは、マイクロコンピュータによる電
磁クラッチ16の制御のみであるので、この電磁クラッ
チ16の制御についてのみ、図8を用いて説明する。
【0041】まず、ステップ195にて、図4のステッ
プ150で決定された内外気モードが内気循環モードで
あるか否かを判定する。そして、YESと判定されたと
きのみ上記ステップ200〜220と同様の処理を行
い、NOと判定されたときは何もせずにこのルーチンを
抜ける。これによると、特に曇り易い内気循環モード時
にも、ステップ210、220の制御によって、フロン
トガラス23を効率良く防曇できる。
【0042】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。なお、本実施形態と上記各実施形態と異なるとこ
ろも、マイクロコンピュータによる電磁クラッチ16の
制御のみであるので、この電磁クラッチ16の制御につ
いてのみ、図9を用いて説明する。まず、上記ステップ
200、210と同様の処理を行う。そして、ステップ
210にてYESと判定されたときは、次のステップ2
15にて、ステップ210でYESと判定されてからの
時間をカウントするカウンタtを0にセットする。な
お、このカウンタtは、図示しないタイマによる時間割
込み(例えば2ms)に応じて1カウントずつカウント
アップされる。その後、上記ステップ220と同様の処
理を行う。
【0043】次のステップ230では、上記カウンタt
が所定時間tON(例えば2分)を越えたか否かを判定す
る。ここでNOと判定されたときは、再びステップ22
0の処理に戻る。すなわち、上記カウンタtが所定時間
ONを越えるまでは、ステップ220の処理によって圧
縮機9の運転、停止が繰り返される。また、ステップ2
30にてYESと判定されたら、次のステップ240に
て、電磁クラッチ16を強制的にオンする。
【0044】そして、次のステップ250にて、上記カ
ウンタtが所定時間tV (例えば10分)を越えたか否
かを判定する。ここでNOと判定されたときは、再びス
テップ240の処理に戻る。すなわち、上記カウンタt
が所定時間tV を越えるまでは、ステップ240の処理
によって圧縮機9が強制的に運転状態となる。また、ス
テップ250でYESと判定されたら、このルーチンを
抜ける。
【0045】以上説明した本実施形態によると、外気温
度Tamが上記所定温度Tstよりも低いときに、圧縮機9
のオンオフ制御のみを行うのではなく、オンオフ制御と
内部可変容量制御とを間欠的に行う。例えば、本実施形
態においては、10分間のうち2分間はオンオフ制御を
行い、残りの8分間は内部可変容量制御を行う。このよ
うに、ある時間間隔で圧縮機9の運転、停止を繰り返す
ようにしても、高負荷時における冷房能力の確保、低容
量運転時における潤滑油戻り性の向上、および蒸発器7
内の冷媒分布性の向上をそれぞれ満足することができ
る。
【0046】(他の実施形態)上記各実施形態では、圧
縮機9が低容量運転しているか否かの判定(ステップ2
10)を、外気温度Tamが所定温度Tstより低いか否か
をみることによって判定したが、例えばコントロールパ
ネル56上に設けられたデフロスタスイッチがオンされ
たか否かをみることによって判定しても良い。デフロス
タスイッチがオンされるときの外気温度は、圧縮機9が
低容量運転となる位に低いとなしても良いからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の全体構成図である。
【図2】上記第1実施形態の圧縮機9の内部構造を示す
一部断面図である。
【図3】上記第1実施形態の制御系の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】上記第1実施形態のマイクロコンピュータが行
う全体的な制御処理についてのフローチャートである。
【図5】上記マイクロコンピュータが行う電磁クラッチ
16についてのフローチャートである。
【図6】上記第1実施形態の蒸発器後温度Te に対する
電磁クラッチ16の状態の関係を示すマップである。
【図7】内部可変容量制御時とオンオフ制御時とにおけ
る吹出温度についての実験データである。
【図8】本発明第2実施形態のマイクロコンピュータが
行う電磁クラッチ16についてのフローチャートであ
る。
【図9】本発明第3実施形態のマイクロコンピュータが
行う電磁クラッチ16についてのフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1…空調ケース(空気通路)、2…内気吸入口、3…外
気吸入口、4…内外気切換ドア(吸入口開閉手段)、5
…ファン(送風手段)、6…ブロワモータ(送風手
段)、7…蒸発器、9…圧縮機、10…凝縮器、12…
膨張弁(減圧手段)、14…冷凍サイクル、16…電磁
クラッチ(切換手段)、52…外気温センサ(物理量検
出手段)、55…蒸発器後空気温度センサ(冷房能力検
出手段)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を吸入、圧縮、吐出するとともに、
    冷房負荷に応じて容量が変化する内部可変容量型圧縮機
    (9)、この圧縮機(9)が吐出した冷媒を凝縮させる
    凝縮器(10)、この凝縮器(10)からの冷媒を減圧
    する減圧手段(12)、およびこの減圧手段(12)か
    らの冷媒を蒸発させる蒸発器(7)をそれぞれ有する冷
    凍サイクル(14)を備えた冷凍サイクル装置におい
    て、 前記圧縮機(9)に接続され、この圧縮機(9)の作
    動、停止を切り換える切換手段(16)と、 前記圧縮機(9)の容量に関連した物理量を検出する物
    理量検出手段(52)と、 この物理量検出手段(52)が検出した物理量に基づい
    て、前記圧縮機(9)の容量が所定容量よりも低いか否
    かを判定する低容量判定手段(ステップ210)と、 前記低容量判定手段(ステップ210)によって、前記
    圧縮機(9)の容量が前記所定容量よりも低いと判定さ
    れたとき、前記圧縮機(9)の運転、停止が繰り返され
    るように前記切換手段(16)を制御する圧縮機制御手
    段(ステップ20)とを備えることを特徴とする冷凍サ
    イクル装置。
  2. 【請求項2】 前記蒸発器(7)における冷房能力を検
    出する冷房能力検出手段(55)を備え、 前記圧縮機制御手段(ステップ220)は、 前記冷房能力検出手段(55)が検出した冷房能力が所
    定能力よりも小さいときに前記圧縮機(9)を運転さ
    せ、前記冷房能力検出手段(55)が検出した冷房能力
    が前記所定能力よりも大きいときに前記圧縮機(9)を
    停止させるように、前記切換手段(16)を制御するよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項1記載の冷凍装
    置。
  3. 【請求項3】 冷媒を吸入、圧縮、吐出するとともに、
    冷房負荷に応じて容量が変化する内部可変容量型圧縮機
    (9)、この圧縮機(9)が吐出した冷媒を凝縮させる
    凝縮器(10)、この凝縮器(10)からの冷媒を減圧
    する減圧手段(12)、およびこの減圧手段(12)か
    らの冷媒を蒸発させる蒸発器(7)をそれぞれ有する冷
    凍サイクル(14)と、 空気流を発生する送風手段(5、6)と、 この送風手段(5、6)が発生した空気を車室内に導く
    とともに、前記蒸発器(7)が内部に設けられた空気通
    路(1)とを備えた車両用空調装置において、 前記圧縮機(9)に接続され、この圧縮機(9)の作
    動、停止を切り換える切換手段(16)と、 前記圧縮機(9)の容量に関連した物理量を検出する物
    理量検出手段(52)と、 この物理量検出手段(52)が検出した物理量に基づい
    て、前記圧縮機(9)の容量が所定容量よりも低いか否
    かを判定する低容量判定手段(ステップ210)と、 前記低容量判定手段(ステップ210)によって、前記
    圧縮機(9)の容量が前記所定容量よりも低いと判定さ
    れたとき、前記圧縮機(9)の運転、停止が繰り返され
    るように前記切換手段(16)を制御する圧縮機制御手
    段(ステップ220)とを備えることを特徴とする車両
    用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記蒸発器(7)における冷房能力を検
    出する冷房能力検出手段(55)を備え、 前記圧縮機制御手段(ステップ220)は、 前記冷房能力検出手段(55)が検出した冷房能力が所
    定能力よりも小さいときに前記圧縮機(9)を運転さ
    せ、前記冷房能力検出手段(55)が検出した冷房能力
    が前記所定能力よりも大きいときに前記圧縮機(9)を
    停止させるように、前記切換手段(16)を制御するよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項3記載の車両用
    空調装置。
  5. 【請求項5】 前記空気通路(1)には、車室内気を吸
    入するための内気吸入口(2)および外気を吸入するた
    めの外気吸入口(3)がそれぞれ形成され、 前記各吸入口(2、3)を選択的に開閉する吸入口開閉
    手段(4、57)と、 この吸入口開閉手段(4、57)が、前記内気吸入口
    (2)を開口し前記外気吸入口(3)を閉口する内気循
    環モードであるか否かを判定する吸入口開閉状態判定手
    段(ステップ195)とを備え、 前記吸入口開閉状態判定手段(ステップ195)によっ
    て、前記内気循環モードであると判定され、かつ前記低
    容量判定手段(ステップ210)によって、前記圧縮機
    (9)の容量が前記所定容量よりも低いと判定されたと
    きに、前記圧縮機制御手段(ステップ220)による制
    御が行われるように構成されたことを特徴とする請求項
    3または4記載の車両用空調装置。
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