JP4457792B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吐出流量を変更可能な圧縮機、具体的には、吐出容量を変更可能な可変容量型圧縮機、回転数制御可能な電動圧縮機などを備える冷凍サイクル装置に関するものであり、特に、循環冷媒の流量が低流量のときにおける吐出流量の制御に関する。
従来、車室内前席側の領域を空調する前席側空調ユニットと車室内後席側の領域を空調する後席側空調ユニットとを備えるディアルタイプの車両用空調装置においては、前席側と後席側とでそれぞれ蒸発器を独立に設けるとともに、圧縮機と凝縮器は共通使用している。
ところで、後席用蒸発器は前席用蒸発器に比較して圧縮機から遠く離れた位置に配置され、冷媒配管経路が長いので、冷媒配管経路の圧力損失がどうしても大きくなる。そのため、後席用蒸発器では冷媒流量が低下して冷媒流速が前席用蒸発器に比較して低下しやすい。これに加え、後席用蒸発器の低圧配管は、通常車両の床下に配置され、圧縮機吸入配管よりも低い位置に配置されることが多い。
その結果、後席用蒸発器やその出口の低圧配管などに潤滑オイルが溜まって、圧縮機へのオイル戻り量が不足して圧縮機の耐久性に悪影響を与えるという不具合が発生する。そこで、車両用空調装置に使用される冷凍サイクル装置では、固定容量型圧縮機の作動を強制的に断続制御したり、あるいは可変容量型圧縮機の吐出容量を強制的に変化させることにより圧縮機へのオイル戻り量の不足を解消するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、上記特許文献1の他に、本出願人の研究検討によると、圧縮機へのオイル戻り量の不足は冷凍サイクル内の循環冷媒の流量が各種サイクルごとに決まる所定の閾値以下に低下すると顕著になるとともに、さらに、循環冷媒の流量が所定の閾値以下に低下すると蒸発器の吹出空気温度の温度分布のばらつきが大きくなることを見出した。
ところが、上記特許文献1では、圧縮機の起動後における圧縮機の連続作動時間を測定し、この圧縮機連続作動時間が所定時間に到達すると、固定容量型圧縮機の作動を断続制御したり、あるいは可変容量型圧縮機の吐出容量を強制的に変化させるなどの圧縮機作動制御を行なっているだけである。
つまり、冷凍サイクル内の循環冷媒の流量低下に直接関連した制御を行なっていないので、圧縮機へのオイル戻り不足の解消、あるいは吹出空気温度のばらつきの向上を観点として、循環冷媒の流量が所定の閾値よりも大きいときは蒸発器の冷却度合いに応じて圧縮機の吐出流量を連続的に制御し、循環冷媒の流量が所定の閾値以下であるときは、圧縮機の吐出流量を所定の閾値近傍の中間流量と所定の閾値より小さい小流量とで断続的に変化させることを特徴とする装置を出願している(例えば、特願2003−60037号参照。)。
特開2000−283576号公報
しかしながら、その後の発明者の研究検討によると、上記出願した装置では、所定の閾値近傍の低流量で断続的にON−OFF制御させた後に、その所定の閾値近傍の低流量で連続的に制御すると、断続的に変化させているときに圧縮機がONした直後は蒸発器の蒸発温度がオーバーシュートした状態であり、そのときに連続制御に切り替えると蒸発器の温度変化が急激に低下する現象があることを見出した。
言い換えれば、吐出流量を変化させるための圧縮機を作動する制御電流は、蒸発温度によりフィードバックさせているため、蒸発温度がオーバーシュートしたときは制御電流を大きくし、蒸発温度が低下しておればその制御電流を小さくして対応しているが、その蒸発温度が急激に低下すると制御電流の追従が困難であることが分かった。
さらに、制御電流の追従が困難であると、蒸発温度が低下し続けてフロスト領域に到達したり、制御電流が所定の閾値を下回ることで断続的に変化させる制御に切り替わって圧力ハンチングが発生するとか蒸発器吹出空気温度が変動することが分かった。
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、断続的な制御から連続制御に切り替えるときは、断続的に変化させている制御のときに蒸発温度が緩慢な状態を見極めたうえで連続的な制御に切り替える制御を行なうことで、オイル戻り性の確保および蒸発器吹出空気温度のばらつき低減が可能な冷凍サイクル装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、下記に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、吐出流量を変更可能な圧縮機(11)と、圧縮機(11)の吸入側に設けられ、低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(9、27)とを有する冷凍サイクル装置において、
サイクル内の循環冷媒の流量に関連する情報値に基づいて、循環冷媒の流量が所定の閾値より大きいか否か判定し、循環冷媒の流量が所定の閾値より大きいときは、蒸発器(9、27)の冷却度合いに応じて圧縮機(11)の吐出流量を制御し、
一方、循環冷媒の流量が所定の閾値以下であるときは、圧縮機(11)の吐出流量を所定の閾値近傍の吐出流量とする状態と、吐出流量実質上零流量とする状態とで断続的に変化させるように制御するとともに、圧縮機の吐出流量を断続的に変化させる制御のときの所定の閾値近傍の吐出流量とする状態での圧縮機(11)の作動時間を測定し、その圧縮機作動時間が所定時間を超えて蒸発器(9、27)における蒸発温度の変化が緩慢になったときに、所定の閾値近傍の吐出流量に応じて圧縮機(11)を連続制御することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、吐出流量を断続的に変化させる制御において、圧縮機(11)の作動時間を見極めることで、蒸発器(9、27)における蒸発温度の変化が緩慢となるため、断続的な制御から連続制御への切り替えがスムーズにできる。これにより、蒸発器(9、27)の冷却度合いに応じた吐出流量を追従できる。
また、循環冷媒の流量が所定の閾値以下となる圧縮機(11)へのオイル戻りの不足が発生しやすい条件になると、所定の閾値近傍の吐出流量と吐出流量が実質上零流量とで断続的に変化させるように制御することから、所定の閾値以上の吐出流量が流れるときに、蒸発器(9、27)やその蒸発器(9、27)の出口配管に滞留する潤滑オイルを押し流すことで圧縮機(11)へのオイル戻りの不足の解消ができる。
さらに、その所定の閾値近傍の吐出流量が流れることで、蒸発器(9、27)内部の冷媒回路の特定部位に液相冷媒が集中することを抑制して蒸発器吹出空気温度のばらつき低減ができる。
請求項2に記載の発明では、循環冷媒の流量が所定の閾値以下であるときに、蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いが所定の低温側域にある間は圧縮機(11)の吐出流量を実質上零流量に維持し、蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いが所定の低温側域よりも高温側に移行すると、所定の閾値近傍の吐出流量に応じて圧縮機(11)の吐出流量を制御することを特徴としている。請求項2に記載の発明によれば、所定の閾値以下であるときに、オイル戻り不足の解消のために、断続的に変化させるように制御させても、蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いを所定の温度域に維持することができる。
請求項3に記載の発明では、圧縮機(11)は、吐出容量の変更を制御する制御弁(110)を有し、この制御弁(110)により吐出流量が目標吐出流量となるように吐出容量を可変制御する流量制御タイプの可変容量型圧縮機であり、目標吐出流量は蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いが目標冷却度合いとなるように決定され、目標吐出流量に対応した制御信号を指令する制御手段(40)を有し、循環冷媒の流量に関連する情報値は制御信号の値であり、この制御信号の値に基づいて循環冷媒の流量が所定の閾値より大きいと判定したときは、制御信号を制御弁(110)に加えて吐出容量を制御し、
一方、制御信号の値に基づいて循環冷媒の流量が所定の閾値以下であると判定したときは、制御信号の値を所定の閾値近傍の吐出流量に対応する値と吐出流量が実質上零流量に対応する値とに切り替えて、吐出容量を変化されることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、流量制御タイプの可変容量型圧縮機を用いる冷凍サイクル装置において、目標吐出流量に対応した制御信号に基づいて、所定の閾値近傍の吐出流量に対応する値と吐出流量が実質上零流量に対応する値とに切り替えて、吐出容量を変化させてオイル戻り不足の解消ができる。つまり、可変容量型圧縮機を用いて、請求項1および請求項2の作用効果を良好に発揮できる。
請求項4に記載の発明では、制御弁(110)は、サイクル高圧側圧力を用いて制御圧力を作り、この制御圧力により吐出容量の変更を制御するようになっており、制御弁(110)の制御信号に対応する循環冷媒の流量がサイクル高圧側圧力の上昇に応じて減少するようになっており、所定の閾値をサイクル高圧側圧力の上昇に応じて増大するように補正することを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、サイクル高圧側圧力の上昇に応じて循環冷媒の流量が減少する圧力依存型の制御特性を制御弁(110)が有していても、所定の閾値をサイクル高圧側圧力の上昇に応じて増大するように補正することにより、循環冷媒の小流量時におけるオイル戻り不足の解消のための流量制御を支障なく行なうことができる。
請求項5に記載の発明では、圧縮機(11)は、電動機(11i)の回転数制御により吐出流量が目標吐出流量となるように制御される電動圧縮機であり、目標吐出流量は蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いが目標冷却度合いとなるように決定され、目標吐出流量に対応した回転数制御信号を指令する電動機制御手段(40)を有し、循環冷媒の流量に関連する情報値は回転数制御信号の値であり、この回転数制御信号の値に基づいて循環冷媒の流量が所定の閾値より大きいと判定したときは、回転数制御信号を電動機(11i)に加えて電動機(11i)の回転数を制御し、
一方、回転数制御信号の値に基づいて循環冷媒の流量が所定の閾値以下であると判定したときは、回転数制御信号の値を所定の閾値近傍の吐出流量に応じた吐出流量に対応する値と吐出流量が実質上零流量に対応する値とに切り替えて、電動機(11i)の回転数を変化させることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、回転数制御可能な電動圧縮機を用いる冷凍サイクル装置において、電動機(11i)の回転数制御により上述した請求項3と同様の作用効果を発揮できる。
請求項6に記載の発明では、蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いは、蒸発器(9、27)の実際の吹出空気温度(Te)であり、目標冷却度合いは、冷房熱負荷条件に関係する情報値に基づいて算出される目標蒸発温度であることを特徴としている。請求項6に記載の発明によれば、冷房熱負荷条件に関係する情報値としては、具体的に、車室内吹出空気の目標吹出温度(TAO)、外気温度(Tam)などを用いることができる。
請求項7に記載の発明では、蒸発器(9、27)は、互いに並列接続された複数の蒸発器(9、27)であり、圧縮機(11)は1個であり、1個の圧縮機(11)により複数の蒸発器(9、27)に冷媒を循環させることを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、複数の蒸発器(9、27)を並列接続した冷凍サイクル装置では、複数の蒸発器(9、27)のうち、圧縮機(11)から遠く離れたほうの蒸発器(9、27)に、小流量時にオイルの滞留が発生しやすいが、このような冷凍サイクル装置においても、この装置に対応した閾値を選択することにより、小流量時のオイル戻り不足を良好に解消できる。
請求項8に記載の発明では、車両用の冷凍サイクル装置であって、車室内前席側を空調する前席側空調ユニット(1)に複数の蒸発器(9、27)の一つが配置され、車室内後席側を空調する後席側空調ユニット(26)に複数の蒸発器(9、27)の他の一つが配置されていることを特徴としている。
請求項8に記載の発明によれば、このような車両用の冷凍サイクル装置であっても、この装置に対応した閾値を選択することにより、小流量時のオイル戻り不足を良好に解消できる。
請求項9に記載の発明では、所定の閾値は、蒸発器(9、27)の吹出空気温度(Te)のばらつき、圧縮機(11)の圧力ハンチング、および冷凍サイクルのオイル戻りが良好となる最低の循環冷媒の流量であることを特徴としている。請求項9に記載の発明によれば、小流量のときは、オイル戻り不足の他に圧力ハンチング、吹出空気温度(Te)のばらつきなどがあるが、上述した請求項1および請求項2示す断続的に変化させるように制御することにより、これらの特性が良好とすることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における冷凍冷凍サイクル装置を図1ないし図8に基づいて説明する。図1は本発明の冷凍サイクル装置を車両用空調装置に適用した一例であり、冷凍サイクル装置を含む車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。
車両用空調装置は空調ユニットとして、前席側空調ユニット1と後席側空調ユニット26とを備えている。前席側空調ユニット1は車両前方のインストルメントパネル内に配設されて車室内前席側の領域を空調する。前席側空調ユニット1はケース2を有し、このケース2内に車室内前席側に向けて空気が送風される空気通路を構成する。そして、このケース2の空気通路の最上流部に内気導入口3および外気導入口4を有する内外気切替箱5を配置している。
この内外気切替箱5内に内外気切替手段としての内外気切替ドア6を回転自在に配置している。この内外気切替ドア6はサーボモータ7により駆動されるものであり、内気導入口3より内気(車室内空気)を導入する内気モードと、外気導入口4より外気(車室外空気)を導入する外気モードとを切り替える。
そして、内外気切替箱5の下流側には車室内に向かう空気流れを発生させる電動式の前席側送風機8を配置している。この前席側送風機8は、遠心式の送風ファン8aをモータ8bにより駆動するようになっている。前席側送風機8の下流側にはケース2内を流れる空気を冷却する前席側蒸発器9を配置している。この蒸発器9は送風機8の送風空気を冷却する冷房用熱交換器であり、冷凍サイクル装置10を構成する要素の一つである。
また、冷凍サイクル装置10は、圧縮機11の吐出側から、凝縮器12、受液器13、および前席側減圧手段をなす前席側温度式膨張弁14を介して前席側蒸発器9に冷媒が循環するように形成された周知のものである。また、受液器13の出口側と圧縮機11の吸入側との間に、前席側温度式膨張弁14および前席側蒸発器9と並列に、後席側減圧手段をなす後席側温度式膨張弁28および後席側蒸発器27が設けられ、前席側蒸発器9と後席側蒸発器27とに冷媒が並列に循環するようになっている。
また、冷凍サイクル装置10においては、圧縮機11により冷媒が高温高圧に圧縮され、この圧縮機11から吐出された高圧ガス冷媒は凝縮器(放熱器)12に導入され、この凝縮器12にてガス冷媒が冷却用電動ファン12aにより送風される外気と熱交換して放熱し凝縮する。凝縮器12を通過した冷媒を受液器13にて液相冷媒と気相冷媒とに分離するとともに、液相冷媒を受液器13内に貯留する。
そして、受液器13からの高圧液冷媒を前席側温度式膨張弁14にて低圧の気液2相状態に減圧し、この減圧後の低圧冷媒を上記の前席側蒸発器9において空調空気から吸熱して蒸発させるようにしている。同様に、受液器13からの高圧液冷媒は、後席側温度式膨張弁28にて低圧の気液2相状態に減圧されて後席側蒸発器27に流入し、この低圧冷媒が後席側蒸発器27にて空調空気から吸熱して蒸発する。前後の蒸発器9、27において蒸発した後のガス冷媒は再度圧縮機11に吸入され、圧縮される。
なお、前後の温度式膨張弁14、28は周知の如く蒸発器9、27の出口の冷媒過熱度が所定値に維持されるように弁開度を自動調節するものである。なお、冷凍サイクル装置10のうち、圧縮機11、凝縮器12、受液器13などの機器はエンジンルーム(図示せず)内に配置している。
一方、前席側空調ユニット1において、前席側蒸発器9の下流側には、ケース2内を流れる空気を加熱する前席側ヒータコア15を配置している。このヒータコア15は車両エンジンの温水(エンジン冷却水)を熱源として、蒸発器9通過後の空気(冷風)を加熱する暖房用熱交換器であり、その側方にはヒータコア15バイパスして空気が流れるバイパス通路16が形成してある。
また、前席側蒸発器9とヒータコア15との間にエアミックスドア17を回転自在に配置してある。このエアミックスドア17はサーボモータ18により駆動されて、その回転位置(開度)が連続的に調節可能になっている。エアミックスドア17の開度によりヒータコア15を通る空気量(温風量)と、バイパス通路16を通過してヒータコア15を迂回する空気量(冷風量)とを調節している。これにより、車室内前席側に吹き出す空気の吹出温度を調節している。
ケース2の空気通路の最下流部には車両の前面窓ガラスWに向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口19、前席乗員の上半身に向けて吹き出す前席側フェイス吹出口20、および前席乗員の足元に向けて空調風を吹き出す前席側フット吹出口21の計3種類の吹出口が設けられている。
そして、各吹出口19、20、21の上流部には、デフロスタドア22、前席用フェイスドア23、および前席用フットドア24が回転自在に配置されている。また、これらのドア22、23、24は図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ25によって開閉操作される。
次に、後席側空調ユニット26について説明する。この後席側空調ユニット26は、車室内の後席側の領域を空調するように車室内の後部側に配置される。後席側空調ユニット26は空気通路を形成するケース26aを有し、このケース26aの上流側に、内気(車室内空気)を吸入して送風する後席側送風機29が配置されている。この後席側送風機29は遠心式の送風ファン29aをモータ29bにより駆動するようになっている。また、後席側送風機29の下流側に後席側蒸発器27を配置してケース26a内を流れる空気を冷却する。
また、後席側蒸発器27の下流側に車両エンジンの温水を熱源として空気を加熱する後席側ヒータコア30を配置し、この後席側ヒータコア30の下流側に、後席乗員の上半身に向けて吹き出すための後席側フェイス吹出口31と、後席乗員の足元に向けて空調風を吹き出すための後席側フット吹出口32とを設けている。
そして、後席側フェイス吹出口31を開閉する後席側フェイスドア33および後席側フット吹出口32を開閉する後席側フットドア34が回転自在に配置され、この両ドア33、34を図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ35により開閉操作される。
次に、圧縮機11について説明する。圧縮機11は、プーリー11a、ベルト(図示せず)などを介して車両用エンジン(図示せず)の回転動力が伝達されて回転駆動される。本実施形態の圧縮機11は、外部からの制御信号により吐出容量を連続的に可変制御できる可変容量型圧縮機である。具体的には、斜板式の圧縮機において吐出圧と吸入圧を利用して斜板室の圧力を制御することにより、斜板の傾斜角度を可変してピストンのストロークを変化させ、これにより、圧縮機吐出容量を略0%から100%の範囲で連続的に変化させることができる。
このような斜板式の可変容量型圧縮機は周知である。本実施形態では、斜板式の可変容量型圧縮機の中でも、特に特開2001−107854号公報などにより、公知になっている流量制御タイプの可変容量型圧縮機の圧縮機11として用いている。
流量制御タイプの可変容量型圧縮機11を図2に基づいて説明する。図2は可変容量型圧縮機11の吐出側流路部分と斜板室の圧力制御弁の制御弁110部分との概略構成を示す模式図であり、圧縮機11の吐出室11bは図示しない複数のピストン作動室(シリンダ)から吐出される冷媒を集合するとともに吐出脈動を平滑化する部分である。
この吐出室11bの出口側流路11cに絞り部11dを設けて、圧縮機11の吐出冷媒がこの絞り部11dを通過することにより、この絞り部11dの前後間に所定の差圧Pが発生するようにしてある。ここで、差圧P=PdH−PdLである。ここで、PdHは絞り部11dの上流部の冷媒圧力であり、PdLは、絞り部11dの下流部の冷媒圧力である。
因みに、差圧Pはベルヌーイの定理により、圧縮機11の吐出冷媒流量と比例関係にあることから、差圧Pを制御することにより圧縮機11の吐出冷媒流量を制御できることになる。一方、制御弁110は、上記差圧Pに応じた力F1を発生する差圧応動機構111と、この差圧応動機構111の力F1に対抗する電磁力F2を発生する電磁機構とを備え、この差圧Pに応じた力F1と電磁力F2との釣り合いにより弁体113の位置(図2で左右方向)を変化させるようにしている。
また、差圧応動機構111はケース111a内に弁体113の移動方向(図2で左右方向)に弾性的に伸縮可能なベローズ111bを収容し、このベローズ111bの内部に絞り部11dの上流部の冷媒圧力PdHを導入する。一方、ケース111a内には、絞り部11dの下流部の冷媒圧力PdLを導入する。
そして、ベローズ111bの図2に示す右端部がケース111aに固定される固定端を構成し、ベローズ111bの図2に示す左端部が弾性的な伸縮作用により図2の左右方向に変位する可動端111cを構成する。また、ベローズ111bの内部にはベローズ111bを伸張方向(図2の左側方向)に押圧するばね111dが設けられている。
さらに、ベローズ111bの可動端111cにプッシュロッド111eが一体に連結されている。このプッシュロッド111eは、ケース111aの嵌合穴111fに対して摺動可能に、かつ、図示しないシール機構により気密に嵌合し、ケース111aの外部へ突出している。
一方、電磁機構112は電磁コイル112aを有し、この電磁コイル112aの内周部にプランジャ112bがその軸方向(図2の左側方向)に変位可能に配置されている。また、プランジャ112bの端部には可動鉄心112cが一体に構成され、この可動鉄心112cに固定鉄心112dが対向配置され、この可動鉄心112cと固定鉄心112dとの間に、電磁コイル112aに供給される制御電流Inに応じた電磁力(吸引力)F2を発生するようになっている。
また、可動鉄心112cと固定鉄心112dとの間には電磁力(吸引力)F2と逆方向のばね力を発生するばね112eが配置されている。プランジャ112bのうち、可動鉄心112cと反対側の端部(図2の右端部)に上述した弁体113が一体に形成されている。
さらに、弁体113はその弁体113よりも十分小径の連結軸部113a介してプッシュロッド111eに一体に連結されている。従って、プランジャ112bと弁体113とプッシュロッド111eは一体物を構成し、プランジャ112bの軸方向(図2の左側方向)に一体に変位する。
弁体113は制御圧通路114に配置され、制御圧通路114の通路面積を増減する。この制御圧通路114の一端部は、連通路115を介して圧縮機11の吐出室11bに連通するので制御圧通路114の一端部には絞り部11dの上流部の冷媒圧力PdHが導入される。一方、制御圧通路114の他端部は連通路115を介して圧縮機11の斜板室11eに連通する。
そして、斜板室11eは絞り11fを有する連通路11gを介して圧縮機11の吸入室11hに連通する。弁体113は図2の右方向に変位すると制御圧通路114通路面積を減少し、図2の左方向に変位すると制御圧通路114通路面積を増加させる。従って、電磁力F2は弁体113を図2の右方向に変位させる閉弁方向の力であり、逆に、差圧Pに応じた力F1は弁体113を図2の左方向に変位させる開弁方向の力である。
そして、制御圧通路114の通路面積が減少すると、圧縮機11の吐出室11bから連通路115→制御圧通路114→連通路116を経て斜板室11eに流入する吐出冷媒量が減少して、斜板室11eの圧力が、すなわち、制御圧Pcが低下し、逆に、制御圧通路114の通路面積が増加すると、斜板室11eに流入する吐出冷媒量が増加して、斜板室11eの制御圧Pcが上昇する。
なお、斜板式の可変容量型圧縮機11においては、周知のように制御圧Pcの低下→斜板の傾斜角度の増加→ピストンストロークの増加→吐出容量の増加となり、逆に、制御圧Pcの上昇→斜板の傾斜角度の 減少→ピストンストロークの減少→吐出容量の減少となるように吐出容量変更機構が構成されている。
ところで、電磁力F2は、差圧Pに応じた力F1に対抗する力であるから、電磁力F2を増減することにより目標差圧を決定することになり、現実の差圧Pがこの電磁力F2により決定される目標差圧Pとなるように斜板室11eの制御圧Pcが制御され、吐出容量が変化することになる。さらに、差圧Pと吐出冷媒流量は上述したように比例関係にあるから目標差圧を決定することは目標吐出冷媒流量を決定することになる。
そして、電磁力F2は、電磁コイル112aに供給される制御電流Inに応じて決定されるから、図3に示すように、制御電流Inの増加に応じて目標差圧および目標吐出冷媒流量が増加する関係となる。なお、制御電流Inは具体的には電流制御回路の構成上、デーュティ制御により変化させる方式とするのが通常だが、制御電流Inの値をデーュティ制御によらず、直接、連続的(アナログ的)に変化させても良い。
また、斜板式の可変容量型圧縮機11においては制御圧Pcの調節により吐出容量を100%から略0%近傍まで連続的に変化させることができる。そして、吐出容量を略0%近傍に減少することにより圧縮機11が実質的に作動停止状態となる。従って、圧縮機11の回転軸をプーリー11a、ベルト(図示せず)を介して車両用エンジン側のプーリーに常時連結するクラッチレスの構成とすることができる。ただし、圧縮機11の回転軸に必要に応じて電磁クラッチ(図示せず)を装着して電磁クラッチにより圧縮機11への動力伝達を断続する構成としても良い。
次に、本実施形態の制御手段である空調制御装置40を図4に基づいて説明する。まず、図4に示すように、空調制御装置40はCPU、ROMおよびRAMなどを含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、かつそのROM内に空調制御のための制御プログラムが設けられており、その制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行なう電気制御部である。
空調制御装置40の入力側には、センサ群41からのセンサ検出信号、前席側空調パネル42からの操作信号、および後席側空調パネル43からの操作信号が入力される。センサ群41には、前席側蒸発器9の空気吹出部に配置されて前席側蒸発器吹出空気温度Teを検出する前席側蒸発器温度センサ41aが設けられており、この前席側蒸発器温度センサ41aの他に、外気温Tam、内気温Tr、日射量Ts、温水温度Twなどを検出する各種センサ41b〜41eなどが備えられている。
前席側空調パネル42は、車室内の運転席前方のインストルメントパネル(図示せず)近傍に配置されるものであり、乗員により操作される以下のスイッチ42a〜42eを有している。温度設定スイッチ42aは車室内前席側の設定温度の信号を出力するスイッチであり、内外気切替スイッチ42bは内外気切替ドア6による内気モードと外気モードとをマニュアル設定する信号を出力する。
吹出モードスイッチ42cは前席側吹出モードとして周知のフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードをマニュアル設定する信号を出力する。風量切替スイッチ42dは、前席側送風機8のオンオフおよび前席側送風機8の風量切替をマニュアル設定する信号を出力する。
エアコンスイッチ42eは圧縮機11の作動状態と停止状態を切り替えるスイッチであり、エアコンスイッチ42eをオフ状態にすると、制御弁110の制御電流Inを強制的に零にして、圧縮機11の吐出容量を略零容量にし、圧縮機12が実質的に停止状態となる。エアコンスイッチ42eをオン状態にすると、制御弁110に空調制御装置40で演算された所定の制御電流Inが出力される状態となる。
一方、後席側空調パネル43は、車室内の後席側領域などに配置されるもので、後席側風量切替スイッチ43aおよび後席側吹出モードスイッチ43bを備えている。後席側風量切替スイッチ43aは後席側送風機29のオンオフおよび後席側送風機29の風量切替をマニュアル設定する信号を出力する。後席側吹出モードスイッチ43bは後席側吹出モードとして周知のフェイスモード、バイレベルモード、およびフットモードをマニュアル設定する信号を出力する。
そして、空調制御装置40の出力側には、圧縮機11の容量制御弁110の電磁コイル112a、各機器の電気駆動手段をなすサーボモータ7、18、25、前席側送風機8のモータ8b、および後席側送風機29のモータ29bなどが接続され、これらの機器の作動が空調制御装置40の出力信号により制御される。
次に、以上の構成による本実施形態の冷凍サイクル装置10の作動を説明する。まず、前席側空調ユニット1および後席側空調ユニット26をともに作動させるときは、前席側空調パネル42の風量切替スイッチ42dおよび後席側空調パネル43の後席側風量切替スイッチ43aを投入して、前後両方の送風機8、29を作動させ、両空調ユニット1、26に送風する。
そして、前席側空調パネル42の圧縮機作動スイッチであるエアコンスイッチ42eを投入すると、圧縮機11の制御弁110に空調制御装置40で演算された所定の制御電流Inが出力される状態となって、圧縮機11が所定の吐出容量の状態にて、車両エンジンにより回転駆動され、圧縮機11が作動状態となる。なお、制御電流Inの演算については後述する図6のフローチャートに基づいて詳細を記述する。
そして、圧縮機11の作動により冷凍サイクル装置10において前後の蒸発器9、27に冷媒が並列に循環する。そのため、前席側空調ユニット1では送風空気を前席側蒸発器9により冷却、除湿して、車室内の前席側空間へ空調空気を吹き出すことができる。同様に、後席側空調ユニット26においても、送風空気を後席側蒸発器27により冷却、除湿して、車室内の後席側空間へ空調空気を吹き出すことができる。
前後両方の空調ユニット1、26を上述のように同時運転をしているときは、前後の温度式膨張弁14、28がそれぞれ前後の蒸発器9、27の冷房熱負荷に対応した弁開度に調節され、その冷房熱負荷に対応した流量の冷媒が常時、各蒸発器9、27の流路を通過する。これにより、各蒸発器9、27の出口冷媒の過熱度を所定値に調節する。
次に、後席側空調ユニット26を停止して、前席側空調ユニット1のみを単独運転するときは、前席側風量切替スイッチ42dのみを投入し、後席側風量切替スイッチ43aを停止状態にする。これにより、後席側送風機29が停止し、後席側蒸発器27に空気が送風されないので、後席側蒸発器27の出口冷媒がその雰囲気温度に対応する飽和状態となり、過熱度を持たない。
その結果、後席側温度式膨張弁28が閉弁状態、もしくは閉弁に近い状態となるので、冷凍サイクル装置10において後席側蒸発器27への冷媒の循環が停止され、前席側蒸発器9のみに冷媒が循環する。
次に、空調制御装置40により実行される容量制御について、図5および図6に基づいて説明する。まず、図5に示すように、ステップ100にて、センサ群41の検出信号、操作パネル42、43の操作信号などを読み込む。そして、ステップ110にて車室内前席側への吹出空気の目標吹出温度TAOを算出する。
この目標吹出温度TAOは、空調熱負荷変動にかかわらず前席側操作パネル42の温度設定スイッチ42aにより乗員が設定した設定温度Tsetに車室内温度前席側を維持するために必要な車室内前席側への吹出空気温度であって、TAOは公知の如く設定温度Tset、外気温Tam、内気温Tr、日射量Tsに基づいて算出する。
次に、ステップ120にて前席側蒸発器9の目標蒸発器温度TEOを算出する。この目標蒸発器温度TEOは、前席側蒸発器吹出空気の目標温度であり、上記TAOにより車室内温度制御のために決定される第1目標蒸発器温度TEO1と、外気温Tamに基づいて決定される第2目標蒸発器温度TEO2とのうち、低いほうの温度を最終的にTEOとして算出する。すなわち、TEO=MIN(TEO1、TEO2)である。
第1目標蒸発器温度TEO1は、具体的には上記TAOの上昇につれて上昇するように決定される。また、第2目標蒸発器温度TEO2は外気温Tamが中間温度域(例えば、20℃付近)以上になると、窓ガラスの防曇性能確保のための除湿作用の必要性が低下するので第2目標蒸発器温度TEO2を高くして圧縮機11の駆動動力を低減することで車両用エンジンの省動力を図る。一方、外気温Tamが中間温度域より低温となる低温域では第2目標蒸発器温度TEO2を低くして蒸発器9、27の除湿作用により窓ガラスの防曇性能を確保する。
次に、ステップ130にて、圧縮機容量制御のための制御電流Inを算出する。この制御電流Inは上述の図3に示すように、圧縮機11の容量制御弁110における目標差圧(目標流量)Pを決定するものであって、この制御電流Inは基本的には、蒸発器吹出温度センサ41aにより検出される実際の前席側蒸発器吹出空気温度Teが目標蒸発器温度TEOとなるように決定されるが、制御電流Inの具体的算出方法は図6により後述する。そして、ステップ140にて、上記の制御電流Inが容量制御弁110のコイル112aに出力され、圧縮機11の容量制御が実行される。
次に、図6は、図5の基本制御ルーチンにおける制御電流Inの算出ステップ130の具体例を示す制御処理である。まず、図6に示すように、ステップ1310にて、仮の制御電流値In−0を実際の蒸発器吹出空気空気温度Teと目標蒸発器温度TEOとの偏差Enに基づいて算出する。より具体的には、偏差En(En=Te−TEO)を算出し、この偏差Enに基づいて、TeをTEOに近づけるための仮の制御電流値In−0を比例積分制御(PI制御)によるフィードバック制御の手法で算出する。
そして、ステップ1320にて、算出した仮の制御電流値In−0が所定の閾値In−sより小さいか否かを判定する。そして、仮の制御電流値In−0が所定の閾値In−sより小さいときは、ステップ1330にて、フラグをONとする。つまり、フラグがOFFであれば、現在が連続制御をしていることを意味しており、この場合にはフラグをONとしてON/OFF制御に切り替える。そして、フラグがONであれば、現在がON/OFF制御をしていることを意味しており、この場合にはON/OFF制御を継続させる。
一方、仮の制御電流値In−0が所定の閾値In−sより大きいときは、ステップ1340にてフラグがONの状態か否かを判定し、フラグがONの状態であればステップ1350に移行し、フラグがONの状態でなければステップ1370に移行する。このステップ1340で、フラグONのときは、現在、ON/OFF制御が作動していることを意味しており、このときは、現状の現在ON/OFF制御を継続させる。そして、フラグがOFFのときは、現在、連続制御が作動していることを意味しており、このときは現状の連続制御を継続させる。
なお、以上のステップ1320ないしステップ1330までの制御処理は、算出した仮の制御電流値In−0が所定の閾値In−sよりも低流量であるか否かを判定し、低流量であればフラグを0NにしてON/OFF制御させ、低流量でなければ連続制御させるようにする低流量判定手段である。
ところで、ステップ1320の判定値である所定の閾値In−sは、圧縮機へのオイル戻り量の不足が顕著なる流量の閾値であって、図3に示す特性を有している。つまり、制御電流Inが増加するとそれに比例する目標差圧(目標流量)が増加する特性と、サイクル側の高圧圧力Pdに基づいて求められる。つまり、所定の閾値In−sが同一であっても、サイクル側の高圧圧力Pdが上昇すると、目標差圧(目標流量)が減少する特性を有している。
因みに、目標差圧(目標流量)を所定の閾値ΔP−sかまたはG−sを維持するためには高圧圧力Pdの上昇に応じて制御電流Inの所定の閾値In−sを増加させる必要がある。また、図3に示す特性図から分かるように、所定の目標差圧ΔP−sひいては所定の目標流量G−sを決定するものであるから、仮の制御電流値In−0が所定の閾値In−sよりも大きい流量のときは圧縮機吐出冷媒流量(質量流量)が所定の閾値In−sよりも大きい状態を意味することになる。
ところで、本実施形態では所定の閾値G−sは、各蒸発器9、27の吹出空気空気温度Teのばらつき、圧縮機11の圧力ハンチング、および冷凍サイクルのオイル戻りが良好となる最低の循環冷媒の流量に基づいて設定されている。
また、仮の制御電流値In−0が所定の閾値In−sよりも小さい低流量のときは圧縮機吐出冷媒流量(質量流量)が所定の閾値In−sよりも小さい状態を意味することになり、顕著にオイル戻りの不足が生ずる低流量である。因みに、この閾値In−sは冷凍サイクル装置10の仕様により変化する値であるが、本実施形態のような車両用空調装置によれば、例えば、20〜60kg/h程度の流量が該当する。
そして、ステップ1340でフラグがOFFであれば、ステップ1350に移行して最終決定の制御電流値Inを仮の制御電流値In−0と決定するとともに、ステップ1360にてタイマを「0」にリセットする。これにより、仮の制御電流値In−0が容量制御弁110のコイル112aに出力され、仮の制御電流値In−0により、目標差圧、ひいては目標流量が決定される。
この結果、実際の差圧P(PdH−PdL)が仮の制御電流値In−0により決定された目標差圧となるように圧縮機11の吐出容量が可変制御される。これを言い換えると、実際の圧縮機吐出流量がIn−0により決定された目標流量となるように圧縮機11の吐出容量が制御されることになる。そして、このように圧縮機吐出流量が容量制御弁110の制御電流値により制御されることで前席側蒸発器9の冷却能力が増減されて前席側蒸発器9の実際の吹出空気温度Teが目標吹出温度TEOに維持される。
また、後席側蒸発器27においても、圧縮機吐出流量が容量制御弁110の制御電流値により制御されることで前席側蒸発器9と同じように、冷却能力が増減されるので、後席側蒸発器27の実際の吹出空気温度も前席側蒸発器9の吹出空気温度Teに準じた制御を行なうことができる。なお、ステップ1350およびステップ1360を連続制御と称する。
一方、ステップ1320ないしステップ1340で、ON/OFF制御が作動しているときは、ステップ1370にて、前席側蒸発器9の実際の吹出空気温度Teが目標吹出温度TEOより高いか否かを判定する。この判定手段は、具体的には、図7に示すように、判定閾値に所定のヒステリシス幅(例えば、1℃程度)を持たせて行なうようになっており、実際の吹出空気温度TeがTEO+1℃より高くなると、判定結果を「1」とし、TeがTEOより低くなると、判定結果を「0」とする。従って、判定結果の「1」はTeがTEOより高温側であることを示し、判定結果の「0」はTeがTEOより低温側であることを示す。
そして、判定結果が「1」であるときは、ステップ1380に移行して、最終決定の制御電流値Inを閾値In−sとする。そして、ステップ1390にて、図示しないタイマを作動させて圧縮機の作動時間の測定を開始する。一方、判定結果が「0」であれば、ステップ1400に移行し、最終決定の制御電流値Inを実質零とする。そして、ステップ1410では、タイマを作動させず圧縮機の作動時間は0のままである。なお、本実施形態ではステップ1380で最終決定の制御電流値Inを閾値In−sとしたが、これに限らず閾値In−s近傍の値であっても良い。
そして、ステップ1420にて、カウントした作動時間Tnが所定時間T1(例えば、60秒程度)を経過するまで所定の閾値G−sと実質零の間で断続的に制御され、カウントした作動時間Tnが所定時間T1(例えば、60秒程度)に到達したら、ステップ1430にて、フラグONからフラグをOFFさせる。つまり、ON/OFF制御から連続制御に切り替える。なお、このときの制御電流値Inは閾値In−sとする。
なお、以上のステップのうち、ステップ1370ないしステップ1410が最終決定の制御電流値Inを閾値In−sと実質零との間で繰り返すON/OFF制御であり、ステップ1420およびステップ1430がON/OFF制御から連続制御に切り替えるための判定手段である。
これにより、仮の制御電流値In−0が所定の閾値In−sより小さい低流量のときには、圧縮機11の作動を所定時間T1が経過するまでは、図8に示すように、(a)に示す実際の吹出空気温度Teと目標吹出温度TEOに基づいて、(b)に示す最終決定の制御電流値Inを閾値In−sと実質零との間で繰り返すON/OFF制御している。つまり、制御電流値Inの変化に基づいて圧縮機11の吐出容量が変化し、この結果、(c)に示す圧縮機吐出流量が所定の閾値G−sと実質零の間で断続的にON/OFF制御している。
因みに、所定の閾値G−sの流量を断続的に制御することにより、後席側蒸発器27およびその蒸発器27の出口側の冷媒配管に停滞しようとするオイルを押し戻して、圧縮機11に還流できる。従って、圧縮機吐出流量、つまり、サイクル内循環冷媒の小流量時においても、圧縮機11へのオイル戻り量を確保することができる。
一方、実際の吹出空気温度Teと目標吹出温度TEOとの高低判定に基づいて圧縮機吐出流量を所定の閾値G−sの流量にて断続することにより、平均流量が低下して、前席側蒸発器9の吹出空気温度Teを目標吹出温度TEOに維持でき、前席側蒸発器9の吹出空気温度Teの制御性も確保できる。また、後席側蒸発器27の吹出空気温度Teも前席側蒸発器9の吹出空気温度Teに準じた制御ができる。
また、ON/OFF制御において、圧縮機11の作動時間を測定し、この作動時間が所定時間T1(例えば、60秒程度)を超えたときに連続制御に切り替えるように制御することにより、実際の吹出空気温度Teの変動が安定してくると、ON/OFF制御の切替タイミングが頻繁から緩慢に変化している。
そこで、本発明では所定時間T1(例えば、60秒程度)に到達するまでは、前席側蒸発器9の温度変動が大きいと判断をし、この場合にはON/OFF制御を継続させている。従って、前席側蒸発器9の温度変動が小さくなるのを見届けて連続制御に切り替えることでその切替がスムーズに行なうことができる。これにより、前席側蒸発器9の冷却度合いに応じた吐出流量を追従できる。所定時間T1は、因みに、冷凍サイクルにおいて、例えば、前席側温度式膨張弁14が開度を変更したときに、その作動がサイクル内を一巡するのに要する所要時間を用いても良い。
以上の第1実施形態による冷凍サイクル装置によれば、循環冷媒の流量が所定の閾値G−s以下であるときは、圧縮機11の吐出流量を所定の閾値G−s近傍の吐出流量と吐出流量が実質上零流量とで断続的に変化させるように制御するとともに、その制御のときの圧縮機11の作動時間を測定し、その圧縮機作動時間が所定時間T1を超えたときに、所定の閾値G−s近傍の吐出流量に応じて圧縮機11を連続制御することにより、吐出流量を断続的に変化させるONO/FF制御において、圧縮機11の作動時間を見極めることで、前席側蒸発器9における蒸発温度の変化が緩慢となるため、断続的な制御から連続制御への切り替えがスムーズにできる。これにより、前席側蒸発器9および後席側蒸発器27の冷却度合いに応じた吐出流量を追従できる。
また、循環冷媒の流量が所定の閾値G−s以下となると圧縮機11へのオイル戻りの不足が発生しやすい条件になる。従って、所定の閾値G−s近傍の吐出流量と吐出流量が実質上零流量とで断続的に変化させるように制御することから、所定の閾値G−s以上の吐出流量が流れるときに、前席側蒸発器9および後席側蒸発器27やその蒸発器9、27の出口配管に滞留する潤滑オイルを押し流すことで圧縮機11へのオイル戻りの不足の解消ができる。さらに、その所定の閾値G−s近傍の吐出流量が流れることで、各蒸発器9、27内部の冷媒回路の特定部位に液相冷媒が集中することを抑制して蒸発器吹出空気温度Teのばらつき低減ができる。
また、循環冷媒の流量が所定の閾値G−s以下であるときに、各蒸発器9、27の実際の冷却度合いが所定の低温側域にある間は圧縮機11の吐出流量を実質上零流量に維持し、蒸発器9、27の実際の冷却度合いが所定の低温側域よりも高温側に移行すると、所定の閾値G−s近傍の吐出流量に応じて圧縮機11の吐出流量を制御することにより、所定の閾値G−s以下であるときに、オイル戻り不足の解消のために、断続的に変化させるように制御させても、蒸発器9、27の実際の冷却度合いを所定の温度域に維持することができる。
また、圧縮機11は、吐出容量の変更を制御する制御弁110を有し、この制御弁110により吐出流量が目標吐出流量となるように吐出容量を可変制御する流量制御タイプの可変容量型圧縮機であり、目標吐出流量は各蒸発器9、27の実際の冷却度合いが目標冷却度合いとなるように決定され、目標吐出流量に対応した制御信号を指令する空調制御装置40を有し、循環冷媒の流量に関連する情報値は制御信号の値であり、この制御信号の値に基づいて循環冷媒の流量が所定の閾値G−sより大きいと判定したときは、制御信号を制御弁110に加えて吐出容量を制御し、一方、制御信号の値に基づいて循環冷媒の流量が所定の閾値G−s以下であると判定したときは、制御信号の値を所定の閾値G−s近傍の吐出流量に対応する値と吐出流量が実質上零流量に対応する値とに切り替えて、吐出容量を変化させることにより、流量制御タイプの可変容量型圧縮機を用いる冷凍サイクル装置において、目標吐出流量に対応した制御信号に基づいて、所定の閾値G−s近傍の吐出流量に対応する値と吐出流量が実質上零流量に対応する値とに切り替えて、吐出容量を変化させてオイル戻り不足の解消ができる。
また、制御弁110は、サイクル高圧側圧力Pdを用いて制御圧力を作り、この制御圧力により吐出容量の変更を制御するようになっており、制御弁110の制御信号に対応する循環冷媒の流量がサイクル高圧側圧力の上昇に応じて減少するようになっており、所定の閾値G−sをサイクル高圧側圧力の上昇に応じて増大するように補正することにより、サイクル高圧側圧力の上昇に応じて循環冷媒の流量が減少する圧力依存型の制御特性を制御弁110が有していても、循環冷媒の小流量時におけるオイル戻り不足の解消のための流量制御を支障なく可変することができる。
また、各蒸発器9、27の実際の冷却度合いは、その各蒸発器9、27の実際の吹出空気温度Teであり、目標冷却度合いは、冷房熱負荷条件に関係する情報値に基づいて算出される目標蒸発温度であることにより、冷房熱負荷条件に関係する情報値としては、具体的に、車室内吹出空気の目標吹出温度TEO、外気温度Tamなどを用いることができる。
さらに、各蒸発器9、27は、互いに並列接続された複数の蒸発器9、27であり、圧縮機11は1個であり、1個の圧縮機11により複数の蒸発器9、27に冷媒を循環させることにより、複数の蒸発器9、27を並列接続した冷凍サイクル装置10では、複数の蒸発器9、27のうち、圧縮機11から遠く離れたほうの蒸発器9、27に、小流量時にオイルの滞留が発生しやすいが、このような冷凍サイクル装置においても、この装置に対応した所定の閾値を選択することにより、小流量時のオイル戻り不足を良好に解消できる。
また、車室内前席側を空調する前席側空調ユニット1に複数の蒸発器9、27の一つが配置され、車室内後席側を空調する後席側空調ユニット26に複数の蒸発器9、27の他の一つが配置されていることにより、このような車両用の冷凍サイクル装置であっても、この装置に対応した所定の閾値G−sを選択することにより、小流量時のオイル戻り不足を良好に解消できる。
さらに、所定の閾値G−sは、蒸発器9、27の吹出空気温度Teのばらつき、圧縮機11の圧力ハンチング、および冷凍サイクルのオイル戻りが良好となる最低の循環冷媒の流量であることにより、小流量のときは、オイル戻り不足の他に圧力ハンチング、吹出空気温度Teのばらつきなどがあるが、上述したように、断続的に変化させるように制御することにより、これらの特性を良好とすることができる。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、本発明を外部からの制御信号により吐出容量を連続的に可変制御できる可変容量型圧縮機に適用させたが、これに限らず、具体的には、図9に示すように、圧縮機11として、電動圧縮機11を用いている。この電動圧縮機11は、電動機11iと、この電動機11iにより駆動される圧縮部11jとを一体化したものである。電動機11iは具体的には3相交流モータであり、また、圧縮部11jは、例えば周知のスクロール式圧縮部である。
また、電動機11iに付与される3相交流電源の周波数をインバータ11kにより可変制御することにより、電動機11iの回転数を制御し、その回転数の高低に応じて電動圧縮機11の冷媒吐出流量を増減できる。また、インバータ11kは電動機制御手段である空調制御装置40の制御出力により制御される。つまり、冷媒吐出流量の増減を回転数制御信号に置き換えて第1実施形態と同じように制御させても良い。
以上の構成による電動機11iの回転数制御により吐出流量が目標吐出流量となるように制御される電動圧縮機11であっても、第1実施形態と同じように、循環冷媒の流量が所定の閾値G−s以下であると判定したときは、回転数制御信号の値を所定の閾値G−s近傍の吐出流量に応じた吐出流量に対応する値と吐出流量が実質上零流量に対応する値とに切り替えて、電動機11iの回転数を断続的に変化させる制御を行なうことで同じ効果が得られる。
(他の実施形態)
以上の実施形態では、本発明を1個の圧縮機11により複数の蒸発器9、27に冷媒を循環させるディアルエアコンタイプの冷凍サイクル装置10に適用させたが、これに限らず、1個の圧縮機11と1個の蒸発器9とから構成されるシングルエアコンタイプの冷凍サイクル装置10に適用しても良い。
なお、この場合には、図6に示すステップ1320の所定の閾値In−sは、ディアルエアコンタイプの閾値In−sよりも小さくてよい。因みに、ディアルエアコンタイプの閾値In−sが、例えば、冷媒流量60kg/hであれば、シングルエアコンタイプでは、冷媒流量50kg/h程度でよい。
以上の実施形態では、図6に示すステップ1370にて、蒸発器9の吹出空気温度Teに基づいて判定したが、これに限らず、吹出空気温度Teを時間変化率(微分)を算出してこの時間変化率(微分)に基づいて蒸発器9の温度勾配で判定させても良い。また、吹出空気温度Teの代わりに、蒸発器9のフィンやチューブの表面温度を検出して蒸発器9の冷却度合いを検出するようにしても良い。
本発明の第1実施形態における冷凍サイクル装置を含む車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態における可変容量型圧縮機の吐出側流路部分と斜板室の圧力制御弁の制御弁部分との概略構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態における可変容量型圧縮機の目標差圧と制御電流との関係を示す特性図である。 本発明の第1実施形態における電気制御部の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態における空調制御装置の容量制御全体の制御処理を示すフローチャートである。 図5に示す圧縮機制御電流Inの算出の制御処理を示すフローチャートである。 図6に示す蒸発器の吹出空気温度Teの判定ステップを示す特性図である。 (a)、(b)、(c)は図6に示す容量制御の作動状態を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態における電動圧縮機11の制御関係を示すブロック図である。
符号の説明
1…前席側空調ユニット
9…前席側蒸発器(蒸発器)
11…圧縮機
11i…電動機
26…後席側空調ユニット
27…後席側蒸発器(蒸発器)
40…空調制御装置、電動機制御装置(制御手段、電動機制御手段)
110…容量制御弁(制御弁)
Te…吹出空気温度

Claims (9)

  1. 吐出流量を変更可能な圧縮機(11)と、前記圧縮機(11)の吸入側に設けられ、低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(9、27)とを有する冷凍サイクル装置において、
    サイクル内の循環冷媒の流量に関連する情報値に基づいて、前記循環冷媒の流量が所定の閾値より大きいか否か判定し、
    前記循環冷媒の流量が前記所定の閾値より大きいときは、前記蒸発器(9、27)の冷却度合いに応じて前記圧縮機(11)の吐出流量を制御し、
    一方、前記循環冷媒の流量が前記所定の閾値以下であるときは、前記圧縮機(11)の吐出流量を前記所定の閾値近傍の吐出流量とする状態と、前記吐出流量実質上零流量とする状態とで断続的に変化させるように制御するとともに、前記圧縮機の吐出流量を断続的に変化させる前記制御のときの前記所定の閾値近傍の吐出流量とする状態での前記圧縮機(11)の作動時間を測定し、その圧縮機作動時間が所定時間を超えて前記蒸発器(9、27)における蒸発温度の変化が緩慢になったときに、前記所定の閾値近傍の吐出流量に応じて前記圧縮機(11)を連続制御することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記循環冷媒の流量が前記所定の閾値以下であるときに、前記蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いが所定の低温側域にある間は前記圧縮機(11)の吐出流量を実質上零流量に維持し、前記蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いが前記所定の低温側域よりも高温側に移行すると、前記所定の閾値近傍の吐出流量に応じて前記圧縮機(11)の吐出流量を制御することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記圧縮機(11)は、吐出容量の変更を制御する制御弁(110)を有し、前記制御弁(110)により前記吐出流量が目標吐出流量となるように吐出容量を可変制御する流量制御タイプの可変容量型圧縮機であり、
    前記目標吐出流量は前記蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いが目標冷却度合いとなるように決定され、前記目標吐出流量に対応した制御信号を指令する制御手段(40)を有し、
    前記循環冷媒の流量に関連する情報値は前記制御信号の値であり、前記制御信号の値に基づいて前記循環冷媒の流量が前記所定の閾値より大きいと判定したときは、前記制御信号を前記制御弁(110)に加えて前記吐出容量を制御し、
    一方、前記制御信号の値に基づいて前記循環冷媒の流量が前記所定の閾値以下であると判定したときは、前記制御信号の値を前記所定の閾値近傍の吐出流量に対応する値と吐出流量が実質上零流量に対応する値とに切り替えて、前記吐出容量を変化されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記制御弁(110)は、サイクル高圧側圧力を用いて制御圧力を作り、この制御圧力により前記吐出容量の変更を制御するようになっており、
    前記制御弁(110)の前記制御信号に対応する前記循環冷媒の流量が前記サイクル高圧側圧力の上昇に応じて減少するようになっており、
    前記所定の閾値を前記サイクル高圧側圧力の上昇に応じて増大するように補正することを特徴とする請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記圧縮機(11)は、電動機(11i)の回転数制御により前記吐出流量が目標吐出流量となるように制御される電動圧縮機であり、
    前記目標吐出流量は前記蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いが目標冷却度合いとなるように決定され、前記目標吐出流量に対応した回転数制御信号を指令する電動機制御手段(40)を有し、
    前記循環冷媒の流量に関連する情報値は前記回転数制御信号の値であり、前記回転数制御信号の値に基づいて前記循環冷媒の流量が前記所定の閾値より大きいと判定したときは、前記回転数制御信号を前記電動機(11i)に加えて前記電動機(11i)の回転数を制御し、
    一方、前記回転数制御信号の値に基づいて前記循環冷媒の流量が前記所定の閾値以下であると判定したときは、前記回転数制御信号の値を前記所定の閾値近傍の吐出流量に対応する値と吐出流量が実質上零流量に対応する値とに切り替えて、前記電動機(11i)の回転数を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記蒸発器(9、27)の実際の冷却度合いは、前記蒸発器(9、27)の実際の吹出空気温度(Te)であり、前記目標冷却度合いは、冷房熱負荷条件に関係する情報値に基づいて算出される目標蒸発温度であることを特徴とする請求項3または請求項5に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記蒸発器(9、27)は、互いに並列接続された複数の蒸発器(9、27)であり、前記圧縮機(11)は1個であり、前記1個の圧縮機(11)により前記複数の蒸発器(9、27)に冷媒を循環させることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 車両用の冷凍サイクル装置であって、車室内前席側を空調する前席側空調ユニット(1)に前記複数の蒸発器(9、27)の一つが配置され、車室内後席側を空調する後席側空調ユニット(26)に前記複数の蒸発器(9、27)の他の一つが配置されていることを特徴とする請求項7に記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記所定の閾値は、前記蒸発器(9、27)の吹出空気温度(Te)のばらつき、前記圧縮機(11)の圧力ハンチング、および冷凍サイクルのオイル戻りが良好となる最低の循環冷媒の流量であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
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