JPH0716402B2 - 新規なキトサナ−ゼ生産菌 - Google Patents
新規なキトサナ−ゼ生産菌Info
- Publication number
- JPH0716402B2 JPH0716402B2 JP24274386A JP24274386A JPH0716402B2 JP H0716402 B2 JPH0716402 B2 JP H0716402B2 JP 24274386 A JP24274386 A JP 24274386A JP 24274386 A JP24274386 A JP 24274386A JP H0716402 B2 JPH0716402 B2 JP H0716402B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chitosanase
- strain
- chitosan
- producing bacterium
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高活性なキトサナーゼを産生する新規なキトサ
ナーゼ生産菌に関するものである。
ナーゼ生産菌に関するものである。
キトサンは、カニやエビの甲かく中に含まれるアミノ糖
からなる多糖類の1種であるキチンの脱アセチル化物で
ある。そして、キトサンはユニークな特性を有すること
から最近注目されており、例えば、金属の選択的吸着
剤、有機材料用凝固剤、パッケイジングフィルム等に広
く利用可能である。さらに利用性を向上させるためにキ
トサンを加水分解して低分子のものにすることが行なわ
れている。キトサンの加水分解には酸素が使用されてい
る。例えば、1984年アカデミック プレス インコーポ
レーション(Academic Press Inc.)より発行された
“キチン,キトサンおよび関連酵素”(CHITIN,CHITOSA
N and RELATED ENZYMES)のP161〜P179には、土壌から
キトサンを分解する微生物〔バチルス サーキュランス
(Bacillus circulans)〕が単離され、該微生物は、キ
トサンを分解する酵素であるキトサナーゼを産生するこ
とが記載されている。
からなる多糖類の1種であるキチンの脱アセチル化物で
ある。そして、キトサンはユニークな特性を有すること
から最近注目されており、例えば、金属の選択的吸着
剤、有機材料用凝固剤、パッケイジングフィルム等に広
く利用可能である。さらに利用性を向上させるためにキ
トサンを加水分解して低分子のものにすることが行なわ
れている。キトサンの加水分解には酸素が使用されてい
る。例えば、1984年アカデミック プレス インコーポ
レーション(Academic Press Inc.)より発行された
“キチン,キトサンおよび関連酵素”(CHITIN,CHITOSA
N and RELATED ENZYMES)のP161〜P179には、土壌から
キトサンを分解する微生物〔バチルス サーキュランス
(Bacillus circulans)〕が単離され、該微生物は、キ
トサンを分解する酵素であるキトサナーゼを産生するこ
とが記載されている。
本発明は、上記文献記載のバチルス サーキュランスが
産生するよりも高い活性を有するキトサナーゼを産生す
る新規微生物を提供することを目的とする。
産生するよりも高い活性を有するキトサナーゼを産生す
る新規微生物を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明者は、キトサナーゼ生産能を有する微生物を自然
界より広く検索した結果、今回本発明者によって単離さ
れた細菌がキトサナーゼを多量に産出し、かつ該キトサ
ナーゼが高活性を有することを見出し、本発明を完成し
たのである。
界より広く検索した結果、今回本発明者によって単離さ
れた細菌がキトサナーゼを多量に産出し、かつ該キトサ
ナーゼが高活性を有することを見出し、本発明を完成し
たのである。
すなわち、本発明は、バチルス属に属するキトサナーゼ
生産菌バチルス サーキュランス(Bacillus circulan
s)LCC−1株を提供する。本発明で用いるバチルス サ
ーキュランスLCC−1株は、工業技術院微生物工業技術
研究所に昭和61年9月29日に微工研菌寄第8981号(FERM
P−8981)として寄託されているものであり、次に示
す菌学的性質を有する。
生産菌バチルス サーキュランス(Bacillus circulan
s)LCC−1株を提供する。本発明で用いるバチルス サ
ーキュランスLCC−1株は、工業技術院微生物工業技術
研究所に昭和61年9月29日に微工研菌寄第8981号(FERM
P−8981)として寄託されているものであり、次に示
す菌学的性質を有する。
(i)形態 大きさ0.6〜0.8×1.5〜2.0μmのグラム陰性桿菌、周鞭
毛を有し、運動性を示し、好気性であり、楕円形の芽胞
を形成する。コロニー(集落)は全縁、円形、半レンズ
状から偏平状であり、表面は平滑でにぶい光沢があり、
粘稠、無色である。
毛を有し、運動性を示し、好気性であり、楕円形の芽胞
を形成する。コロニー(集落)は全縁、円形、半レンズ
状から偏平状であり、表面は平滑でにぶい光沢があり、
粘稠、無色である。
(ii)生育状態 1.0%コロイダルキトサン、0.1%ペプトン、0.1%酵母
エキス、0.1%KH2PO4、0.05%MgSO4・7H2O及び1.5%寒
天含有(pH7.0)キトサン寒天平板培地中、28℃、96時
間培養すると、明確なコロニーを形成する。
エキス、0.1%KH2PO4、0.05%MgSO4・7H2O及び1.5%寒
天含有(pH7.0)キトサン寒天平板培地中、28℃、96時
間培養すると、明確なコロニーを形成する。
(iii)生理学的性質 硝酸塩の還元:陽性 V−P反応:陰性 インドールの生成:生成せず 硫化水素生成:生成せず デンプンの加水分解:分解する ゼラチンの加水分解:分解する ウレアーゼ:陽性 オキシダーゼ:陽性 カタラーゼ:陽性 5%NaCl存在下での生育:生育せず 生育の温度範囲:15〜42℃で生育し、25〜35℃で最も
良く生育する 生育のpH範囲:pH4〜11 これまでに、キトサナーゼを生産するバチルス・サーキ
ュランスに属する微生物として報告されているものは、
前記“キチン、キトサンおよび関連酵素”に記載されて
いるものだけである。この菌株をA株とすると、本発明
のLCC−1株は、次に示すように菌の大きさおよび運動
性の点でA株と明らかに区別できる。
良く生育する 生育のpH範囲:pH4〜11 これまでに、キトサナーゼを生産するバチルス・サーキ
ュランスに属する微生物として報告されているものは、
前記“キチン、キトサンおよび関連酵素”に記載されて
いるものだけである。この菌株をA株とすると、本発明
のLCC−1株は、次に示すように菌の大きさおよび運動
性の点でA株と明らかに区別できる。
また後述の如くキトサナーゼ生産性においてもA株とは
顕著に相違するので、LCC−1株をバチルス・サーキュ
ランスに属する新菌株であると結論した。
顕著に相違するので、LCC−1株をバチルス・サーキュ
ランスに属する新菌株であると結論した。
本発明の菌株は、昭和59年7月長野県清里村で採取され
た土壌から、次の方法により分離された。
た土壌から、次の方法により分離された。
コロイダルキトサン1%、ペプトン0.1%、KH2PO40.1
%、MgSO4・7H2O 0.05%、寒天1.5%含有のキトサン寒
天平板培地(pH7.0)上で土壌試料の懸濁液を1白金耳
量画線し、これを28℃で96時間培養した後コロニーを採
取し、これを繰返して菌株を培養した。
%、MgSO4・7H2O 0.05%、寒天1.5%含有のキトサン寒
天平板培地(pH7.0)上で土壌試料の懸濁液を1白金耳
量画線し、これを28℃で96時間培養した後コロニーを採
取し、これを繰返して菌株を培養した。
この様にして得た菌株を、ペプトン1%、酵母エキス1
%、NaCl0.5%、寒天1.5%(pH7.2)の寒天平板培地中2
8℃で4日間培養した後、4℃にて保存し、1箇月ごと
に新しい培地に植継ぎ保存した。
%、NaCl0.5%、寒天1.5%(pH7.2)の寒天平板培地中2
8℃で4日間培養した後、4℃にて保存し、1箇月ごと
に新しい培地に植継ぎ保存した。
次に本発明の菌株から生産されるキトサナーゼの理化学
的性質を次に示す。
的性質を次に示す。
作用:キトサンに作用して、これをendo型に分解する。
作用pH範囲:4〜9(至適pH6.2) pH安定性:37℃で60分処理した場合pH5〜7において80%
以上の残存活性を示す。
以上の残存活性を示す。
至適温度:pH6.2において、コロイダルキトサンを基質と
した場合45℃付近にある。
した場合45℃付近にある。
温度安定性:コロイダルキトサンを基質で、pH6.2にお
いて、0〜50℃、30分間処理で80%以上の残存活性を示
す。
いて、0〜50℃、30分間処理で80%以上の残存活性を示
す。
等電点:pH5付近 尚、本発明で得られるキトサナーゼは培養濾液中に存在
するので、キトサンを分解させる際、遠心分離操作によ
る上清液をそのまま使用してもさしつかえないが、キト
サナーゼを単離する場合は、上記理化学的性質を考慮し
て種々の方法を適宜組合せることによって行うことがで
きる。具体的には、硫安分画法、エタノール分画法、透
析法、イオン交換クロマト法、核酸除去法、限外濾過
法、電気泳動法、その他通常用いられている方法を用い
る。
するので、キトサンを分解させる際、遠心分離操作によ
る上清液をそのまま使用してもさしつかえないが、キト
サナーゼを単離する場合は、上記理化学的性質を考慮し
て種々の方法を適宜組合せることによって行うことがで
きる。具体的には、硫安分画法、エタノール分画法、透
析法、イオン交換クロマト法、核酸除去法、限外濾過
法、電気泳動法、その他通常用いられている方法を用い
る。
本発明の菌株、バチルスサーキュランスLCC−1株を培
養すると、キトサナーゼを多量に産生し、かつ培養物か
ら高活性のキトサナーゼを得ることができる。
養すると、キトサナーゼを多量に産生し、かつ培養物か
ら高活性のキトサナーゼを得ることができる。
次に実施例により本発明を説明する。
先ず、グルコース1%、ペプトン1%、酵母エキス1%
の培地を1N−NaOHでpH7.0に調整し、その80mlを500ml坂
口フラスコに分注し滅菌した。次に、保存培地からバチ
ルスサーキュランスLCC−1株(FERM P−8981)を一
白金耳量接種して28℃で24時間培養した。
の培地を1N−NaOHでpH7.0に調整し、その80mlを500ml坂
口フラスコに分注し滅菌した。次に、保存培地からバチ
ルスサーキュランスLCC−1株(FERM P−8981)を一
白金耳量接種して28℃で24時間培養した。
本培養はキトサン1%、ペプトン0.1%、酵母エキス0.1
%、KH2PO40.1%、MgSO4・7H2O 0.05%、1−プロパノ
ール0.2%の培地(pH7.0)を80mlづつ別の500ml坂口フ
ラスコに分注し滅菌後、前培養液1mlを接種し、28℃で4
8時間振盪培養した。この操作を繰返し菌を馴化した。
%、KH2PO40.1%、MgSO4・7H2O 0.05%、1−プロパノ
ール0.2%の培地(pH7.0)を80mlづつ別の500ml坂口フ
ラスコに分注し滅菌後、前培養液1mlを接種し、28℃で4
8時間振盪培養した。この操作を繰返し菌を馴化した。
培養終了後、10000rpm,4℃にて10分間遠心分離し上清液
を粗キトサナーゼ液として採取した。
を粗キトサナーゼ液として採取した。
この粗キトサナーゼ液を適宜希釈し、該希釈液0.5mlに
対し1%キトサン液(pH6.2)1.5ml及び0.1Mマレイン酸
緩衝液(pH6.2)0.5mlを加え37℃で20分間反応(キトサ
ンを加水分解)させた。
対し1%キトサン液(pH6.2)1.5ml及び0.1Mマレイン酸
緩衝液(pH6.2)0.5mlを加え37℃で20分間反応(キトサ
ンを加水分解)させた。
反応終了後、沸騰水に浸して反応を停止させ、反応液中
の全還元糖を定量することにより、粗キトサナーゼ液の
キトサナーゼ活性を測定した。すなわち、0.5M Na2CO3
水溶液1に0.5gのフェリシアン化カリウムを溶解させ
た液3mlと反応液サンプル1mlを共栓付き試験管に入れて
混合し、さらに純水2mlを加え沸騰湯浴中に15分間浸漬
した。
の全還元糖を定量することにより、粗キトサナーゼ液の
キトサナーゼ活性を測定した。すなわち、0.5M Na2CO3
水溶液1に0.5gのフェリシアン化カリウムを溶解させ
た液3mlと反応液サンプル1mlを共栓付き試験管に入れて
混合し、さらに純水2mlを加え沸騰湯浴中に15分間浸漬
した。
その後、冷却し、420nmにおける吸光度を測定した。得
られた値を用い、グルコサミンを標準物質として作成し
た検量線からキトサナーゼ活性を定量した。
られた値を用い、グルコサミンを標準物質として作成し
た検量線からキトサナーゼ活性を定量した。
尚、キトサナーゼ活性1単位(Unit)は、上記の条件
下、1分間に1μモルのグルコサミンに相当する還元糖
を生成するのに必要な酵素量とした。
下、1分間に1μモルのグルコサミンに相当する還元糖
を生成するのに必要な酵素量とした。
培養結果を次に示す。
馴化回数 最大キトサナーゼ活性 1回 10(U/ml) 3回 20 5回 35 8回 40 上記活性は、従来の技術の項で述べた文献記載の細菌
“バチルス・サーキュランスA株”が産生した酵素のキ
トサナーゼ活性1〜2U/mlに比べて、極めて高いことが
わかる。
“バチルス・サーキュランスA株”が産生した酵素のキ
トサナーゼ活性1〜2U/mlに比べて、極めて高いことが
わかる。
Claims (1)
- 【請求項1】バチルス属に属するキトサナーゼ生産菌バ
チルスサーキュランス(Bacillus circulans)LCC−1
株(微工研菌寄第8981号)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24274386A JPH0716402B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | 新規なキトサナ−ゼ生産菌 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24274386A JPH0716402B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | 新規なキトサナ−ゼ生産菌 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6394971A JPS6394971A (ja) | 1988-04-26 |
JPH0716402B2 true JPH0716402B2 (ja) | 1995-03-01 |
Family
ID=17093596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24274386A Expired - Lifetime JPH0716402B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | 新規なキトサナ−ゼ生産菌 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0716402B2 (ja) |
-
1986
- 1986-10-13 JP JP24274386A patent/JPH0716402B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6394971A (ja) | 1988-04-26 |
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