JPH07161025A - 磁気記録媒体、その製造方法およびその製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法およびその製造装置

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JPH07161025A
JPH07161025A JP30377193A JP30377193A JPH07161025A JP H07161025 A JPH07161025 A JP H07161025A JP 30377193 A JP30377193 A JP 30377193A JP 30377193 A JP30377193 A JP 30377193A JP H07161025 A JPH07161025 A JP H07161025A
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JP
Japan
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magnetic
recording medium
film
magnetic recording
alloy
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JP30377193A
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English (en)
Inventor
Kazusukatsu Igarashi
万壽和 五十嵐
Masaaki Futamoto
正昭 二本
Yoshihiro Shiroishi
芳博 城石
Yuzuru Hosoe
譲 細江
Shinan Yaku
四男 屋久
Atsushi Nakamura
敦 中村
Kiwamu Tanahashi
究 棚橋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】保持力を低下させることなく、磁気記録媒体の
ノイズを低減し、記録密度が1平方インチあたり1ギガ
ビット以上の超高密度大容量の磁気記憶装置およびこれ
に対応した磁気記憶媒体を提供する。 【構成】柱状構造をとる磁性粒子を適当に束ね(粒子
団)かつ、粒子団間に非磁性又は弱磁性領域を設けて磁
気的結合を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータの補助記
録装置等に用いられている磁気記録装置に用いる磁気記
録媒体に係り、特に、1平方インチあたり1ギガビット
以上の高い記録密度を実現するのに好適な磁気記録媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進行と共に、日常的に扱う
情報量は増加の一途を辿っている。これに伴って、磁気
記録装置に対する高密度、高記憶容量化の要求が強くな
っている。代表的な磁気記録装置である磁気ディスク装
置を高密度化していった場合、一般に、従来の電磁誘導
型磁気ヘッドでは、再生出力が低下し、再生が困難にな
る。このため、特開昭51−44917 号公報に記載の様に、
記録用磁気ヘッドと再生用磁気ヘッドを別にし、再生用
磁気ヘッドとして、高記録密度化した場合にも高い出力
の得られる磁気抵抗効果を利用した磁気ヘッドを用いる
ことが検討されている。この磁気抵抗効果型の磁気ヘッ
ドは再生出力が高く、かつ、ヘッドの抵抗が低いため発
生する熱雑音が小さい。このため、従来、電磁誘導型磁
気ヘッドから発生する大きなノイズに隠れていた磁気記
録媒体に起因するノイズが装置全体のノイズに対して大
きな割合を占めるようになる。したがって、磁気抵抗効
果型磁気ヘッドを用いて高記録密度化を実現するために
は、磁気記録媒体に起因するノイズ(媒体ノイズ)を低
減する必要がある。媒体ノイズを低減するには、磁性粒
子間の磁気的結合を低減するとともに磁性層の厚さを薄
くする必要があり、特開昭63−146219号公報に磁気記録
媒体を複数の磁性層と各磁性層間の磁気的結合を低減す
るための中間層からなる多層膜構造とする方法が開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記多層構造の磁気記
録媒体(多層膜磁気記録媒体)に用いられる中間層とし
てCrが広く検討されている。このCr中間層を用いて
多層膜磁気記録媒体を作成した場合、媒体ノイズは磁性
層が単層の磁気記録媒体に比べて低減されるが、単層磁
性膜が薄いと保磁力が低下してしまうという問題があ
る。保磁力が低下すると一般に、磁化遷移領域の幅が拡
大するため、高記録密度化が困難になる。また、多層膜
磁気記録媒体を作成するには層数分だけ成膜設備を増設
する必要があり、成膜コストが大きくなってしまう。
【0004】本発明の目的は、単層膜磁気記録媒体の作
成プロセスをなるべく変えずに、磁性粒子間の磁気的結
合を低減することに加えて、磁性層の厚さが薄くても十
分な保磁力を確保できるようにして高密度記録に好適な
磁気記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、柱状構造を
取る磁性粒子間の磁気的結合を低減するか、または、隣
接する複数の磁性粒子(以下、粒子団と呼ぶ)間の磁気
的結合を低減することことにより達成される。
【0006】
【作用】磁性膜の保磁力を下げる大きな原因に隣接磁性
粒子の干渉と、熱揺らぎがある。従って、磁性粒子間の
磁気的結合を低減することが保磁力を下げないようにす
るのに有効であるが、磁性層の厚さが薄くなると個々の
磁性粒の大きさが小さくなり、熱揺らぎの影響が無視で
きなくなる。
【0007】単層膜磁気記録媒体において、磁性粒子間
の磁気的結合を低減し、かつ磁性層の厚さが薄くても十
分な保磁力を確保する手法を種々検討した結果、磁性粒
子間又は粒子団間の領域を酸化物,窒化物、または、A
u,Ag,Pd,Pt,Cu,Cr,Ir,In,W,
Re,Zr,Ta,Gaを成分とするCo合金領域とす
ることにより、磁性粒子間又は粒子団間の磁気的結合を
低減することができ、さらに、熱揺らぎの影響を抑えら
れ、保磁力の低下を防止できることを見いだした。
【0008】磁性粒子間、又は、粒子団間の領域を酸化
物,窒化物、または、Au,Ag,Pd,Pt,Cu,
Cr,Ir,In,W,Re,Zr,Ta,Gaを主た
る成分とするCo合金領域とする手段は、磁性膜形成後
に磁性膜表面にNO2,O2,O3 ,酸素プラズマなど酸
化性の気体を導入するか、または、磁性膜表面を酸素イ
オンや窒素イオンにより逆スパッタするか、Au,A
g,Pd,Pt,Cu,Cr,Ir,In,W,Re,
Zr,Ta,Gaの中から選ばれた少なくとも一つの元
素を磁性膜表面に至らしめること(以下、この手段を表
面処理と呼ぶ)によって達成される。
【0009】図1を用いて本発明の原理について説明す
る。磁性粒1間の領域2は一般に物理的化学的結合が乱
れているので、化学反応に対する活性が高まっていると
考えられる。そこで外部より反応性物質3を供給するこ
とにより、磁性粒間領域2の磁性を変質せしめ、磁性粒
子間の磁気的結合が低減できる。所定の磁気特性を得る
ための磁性粒子間又は粒子団間の領域を酸化物,窒化
物、または、Au,Ag,Pd,Pt,Cu,Cr,I
r,In,W,Re,Zr,Ta,Gaを成分とするC
o合金領域とするには、それぞれの方法に依存した反応
時間が必要である。温度を高くしてやることによって、
これらのCo合金化反応時間を短くすることができる。
また、基板の熱膨張係数が磁性膜のそれより大きい場合
には、反応温度を膜形成時の温度より高くすることによ
り引っ張り応力を磁性膜に与えることができ、Co合金
化反応は一段と加速される。逆に基板の熱膨張係数が磁
性膜のそれより小さい場合には、Co合金化させる反応
温度を膜形成時の温度より低くすることにより引っ張り
応力を磁性膜に与えることができ、Co合金化反応は加
速される。
【0010】下地層のそれぞれの粒子上には、1又はそ
れ以上の磁性粒子が成長するので、下地層の熱膨張係数
が基板のそれと異なるものを選んでやることにより、磁
性粒子団を形成することができる。下地層の熱膨張係数
が基板のそれより小さい場合には成膜時よりCo合金化
反応温度を上げることにより、下地層の熱膨張係数が基
板のそれより大きい場合には成膜時よりCo合金化させ
る反応温度を下げることにより、下地層粒子境界におけ
るCo合金化反応を優先的に進めることができる。この
効果は、下地層が厚いほど大きい。
【0011】媒体は、表面にNi−PメッキしたAl−
Mg合金基板上に、厚さ10nmのCoCrPt合金磁
性層を形成した後、この反応をおこない、さらにその上
に厚さ20nmのC層を保護膜として積層したものであ
る。Co−Pt合金中のPt濃度は20at%である。
これらの媒体から発生するノイズを比較した結果、磁性
膜をCo合金化反応処理した媒体は、未処理膜媒体に比
べ、媒体ノイズが約三割程度低かった。磁性膜として、
CoPtの代わりに、CoNi,CoPt,CoNi,
CoFe,CoCr,CoIr,CoW,CoRe,C
oNiZr,CoCrTaあるいはCoNiCrなどを
用いてもよい。
【0012】本発明の磁気記録媒体は保持力を低下させ
ることなく媒体ノイズを小さくできるので、再生感度の
高い磁気抵抗効果型の磁気ヘッドと組み合わせることに
より、1平方インチあたり1ギガビット以上の高い記録
密度でも記録再生が可能である。
【0013】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の一実施例を図2を用いて説
明する。本実施例の磁気記録媒体は、表面にNi−P合
金をメッキしたAl−Mg合金,Ti合金,強化ガラ
ス、あるいは、有機樹脂,セラミックス等で構成される
非磁性基板11の上に、スパッタリング法により形成さ
れた、磁性層13、および、C保護層16と、さらにそ
の上に形成された潤滑層17により構成される。ここ
で、磁性膜13は厚さ10nmのCo−10at%Cr
−8at%Pt合金層である。C保護層16の厚さは2
0nmとした。また、潤滑層17は吸着性のパーフルオ
ロアルキルエーテルである。また、Ni−P合金膜の代
わりにW−Siアモルファス合金膜をスパッタリング法
により形成してもよい。
【0014】磁性膜13のCo合金化処理は、C保護層
16が形成される前におこなわれる。図3に示すよう
に、磁性膜形成後、基板11はヒータ21により加熱さ
れ300℃となったところで、ノズル22より吹き出した
オゾンガスにさらされる。これらは全て真空容器23の
中にあって主排気系24により真空に保たれている。ま
たオゾンガスの多くはノズル22に対向して置いてある
補助排気系25によって回収される。オゾンガスの代わ
りにNO2,O2,酸素プラズマを吹き付けてもよい。N
2 を用いると若干保磁力が上昇するようである。非磁
性基板11表面にW−Siアモルファス合金を用いる場
合には、600℃程度の高温における磁性膜13のCo
合金化処理が可能である。
【0015】二次電子スピン検出型走査電子顕微鏡を用
いて、保護層の形成前の磁性膜の磁化状態を観察する
と、直径約15nm程度の微小磁区が面内でランダムに
分布しており、この微小磁区と微小磁区との間に約2n
mの磁化が弱い領域が形成されているのが分かった。
【0016】図4は超伝導帯磁率計(SQUID)によ
り測定した保磁力の合金化処理時間依存性を示す。保磁
力は、最初Co合金化処理時間と共に増加するが、次第
に緩やかになり、50秒を越えると飽和値1500エル
ステッドに達して余り変わらなくなる。この値は、合金
化処理前の1000エルステッドに比べて1.5 倍にな
っている。
【0017】つぎに、記録再生特性を測定した。媒体と
磁気ヘッドの相対速度を12m/s、浮上スペーシング
を80nmとし、実効ギャップ長が350nmの記録用
電磁誘導型薄膜磁気ヘッドと再生用磁気抵抗効果型磁気
ヘッドを複合した磁気ヘッドを用いて評価した。その結
果、媒体ノイズは、磁性層厚30nmの従来媒体に比べ
て、約二割低減された。出力半減記録密度(D50)は
56kFCIであり、磁性層厚30nmの従来媒体に比
べて同等の値が得られた。
【0018】磁性膜の材質は、CoCrPtの代わりに
CoPt,CoNi,CoFe,CoCr,CoIr,
CoW,CoRe,CoNiZr,CoCrTaあるい
はCoNiCrを用いた場合にも同等の効果が得られ
た。
【0019】(実施例2)本発明の他の実施例を図5を
用いて説明する。本実施例の磁気記録媒体は、表面にN
i−P合金をメッキしたAl−Mg合金,Ti合金等で
構成される非磁性基板11の上に、スパッタリング法に
より形成された、下地Cr層12,磁性層13、およ
び、C保護層16と、さらにその上に形成された潤滑層
17により構成される。ここで、磁性膜13は厚さ10
nmのCo−10at%Cr−8%at%Pt合金層で
ある。C保護層16の厚さは40nmとした。また、潤
滑層17は吸着性のパーフルオロアルキルエーテルであ
る。X線回折法によると磁性層のc軸は面内にあること
が分かった。
【0020】磁性膜13のCo合金化処理について図6
を用いて説明する。磁性膜形成後、そのままの温度およ
び、基板11がヒータ21により加熱され350℃に上
昇したところで、真空容器23内にスパッタガス溜め2
7より5mTorrの酸素を導入し、続いて100WのRF
スパッタ電力26を基板に印加する。このため、基板
と、真空容器23は電気的に独立に制御できる構造にな
っている。酸素の代わりに窒素、又は、酸素と窒素の混
合気体を用いると、酸素だけの場合に比べて飽和磁束密
度が上昇する傾向がみられた。
【0021】超伝導帯磁率計(SQUID)により測定
した10Kにおける保磁力の合金化処理時間依存性を図
7に示す。保磁力は、どちらの合金化処理温度でも、処
理時間と共に増加するが、処理温度が高い方が上昇が速
く、飽和するまでの時間も短い。ただし、飽和値は、3
00℃で4500エルステッド,350℃で4000エ
ルステッドと処理温度が高いと低くなっていた。これら
の値は、比較用のCo合金化処理をしていない記録媒体
E(磁性層厚20nm)の保磁力3500エルステッド
に比べ、極めて高い値が得られた。
【0022】飽和値に達したこれらの媒体の保磁力の温
度変化を示したのが図8である。保磁力は全体的に温度
と共に減少する傾向がある。合金化処理温度300℃の
試料でこれが顕著であり、小さい磁性粒が独立してある
ため、熱揺らぎの影響を強く受けているものと思われ
る。ただし、Co合金化処理をしていない場合に比べる
と保磁力は増加しており、室温における使用の限りで
は、磁性層厚のより厚い従来媒体の保磁力と同等程度の
水準に達している。
【0023】強化ガラス、あるいは、有機樹脂,セラミ
ックス等を非磁性基板11として用いる場合には、磁性
膜形成後温度を下げてCo合金化処理を行うと同様の保
磁力増大効果が得られる。ただし、合金化が十分進み保
磁力が飽和値に達するまでの時間は、温度を上げる場合
に比べて倍以上かかった。
【0024】つぎに、室温において記録再生特性を測定
した。媒体と磁気ヘッドの相対速度を12m/s、浮上
スペーシングを80nmとし、実効ギャップ長が350
nmの記録用電磁誘導型薄膜磁気ヘッドと再生用磁気抵
抗効果型磁気ヘッドを複合した磁気ヘッドを用いて評価
した。その結果、媒体ノイズは、磁性層厚30nmの従
来媒体に比べて、合金化処理温度300℃で約三割五
分,合金化処理温度350℃で約三割低減された。出力半
減記録密度(D50)は合金化処理温度300℃で80
kFCIで、合金化処理温度350℃で76kFCIで
あり、比較用記録媒体と同等以上の値が得られた。
【0025】単層膜磁気記録媒体上に、CrやCなどの
中間層をはさんで、磁性膜を二層積層してやると、媒体
ノイズをさらに二割程度低減することが可能である。
【0026】(実施例3)図5を用いて本発明の他の実
施例を説明する。本実施例の磁気記録媒体は、表面にN
i−P合金をメッキしたAl−Mg合金,Ti合金,強
化ガラス、あるいは、有機樹脂,セラミックス等で構成
される非磁性基板11の上に、スパッタリング法により
形成された、下地Cr層12,磁性層13、および、C
保護層16と、さらにその上に形成された潤滑層17に
より構成される。ここで、磁性膜13は厚さ10nmの
Co−10at%Cr−8%at%Pt合金層である。
C保護層16の厚さは40nmとした。また、潤滑層1
7は吸着性のパーフルオロアルキルエーテルである。
【0027】磁性膜13のCo合金化処理は、磁性膜形
成後、加熱して350℃となったところで、通常のスパ
ッタリング法によりAu層を1nm形成する。この温度
で所定時間放置後、C保護層16とその上の潤滑層17
を形成する。Auの代わりにAu,Ag,Pd,Pt,
Cu,Cr,Ir,In,W,Re,Zr,Ta,Ga
の中から選ばれた少なくとも一つの元素を用いてもよ
い。層の形成手段は、抵抗加熱蒸着,電子ビーム蒸着,
レーザビーム蒸着,化学気相成長法などを用いてもよ
い。磁性膜の材質は、CoCrPtの代わりに、CoP
t,CoNi,CoFe,CoCr,CoIr,Co
W,CoRe,CoNiZr,CoCrTaあるいはCo
NiCrを用いた場合にも同等の効果が得られるが、磁
性膜形成後に積層する金属と同じものが微量含まれてい
ると合金化処理時間が半分程度ですむようになる。
【0028】超伝導帯磁率計(SQUID)により測定
した室温における保磁力は、Co合金化処理時間と共に
増加し、飽和値は2200エルステッドであった。この
値は、合金化処理をしていない場合の保磁力1500エ
ルステッドに比べ高い値が得られた。記録再生特性は、
媒体と磁気ヘッドの相対速度を12m/s,浮上スペー
シングを80nmとし、実効ギャップ長が350nmの
記録用電磁誘導型薄膜磁気ヘッドと再生用磁気抵抗効果
型磁気ヘッドを複合した磁気ヘッドを用いて評価した。
その結果、媒体ノイズは、Co合金化処理をしていない
場合に比べて、約三割五分低減された。出力半減記録密
度(D50)は80kFCIであり従来媒体と同等以上
の値が得られた。
【0029】(実施例4)実施例1ないし3に示した媒
体を基板の両面に形成したディスク4枚と再生部に磁気
抵抗効果を有する複合型薄膜磁気ヘッド7個とNi−F
e合金を記録再生用磁極とするサーボ用の薄膜ヘッドと
を組み合わせた磁気記録装置を試作した。本装置は、図
9に示すように磁気記録媒体41,磁気記録媒体駆動部
42,磁気ヘッド43,磁気ヘッド駆動部44,記録再
生信号系45などの部品から構成される。この磁気記録
装置を使用し、浮上スペーシング80nmにおいてエラ
ーが発生するまでの平均時間を求めたところ、信頼性が
高いことを実証できた。また、本実施例で試作した磁気
記録装置はヘッド浮上量が低いため、信号の記録再生に
おける位相マージンが広くなり、従来媒体を用いた浮上
スペーシング120nmの装置に比べて面記録密度を4
倍に高めることができ、小型で大容量の磁気記録装置を
提供できた。本装置を用いてトラック幅が5μm以下の
MRヘッドで再生した場合に130kBPI以上の高い
記録密度においてS/Nが4以上、さらにオーバーライ
ト(O/W)特性が26dB以上の大容量磁気記録装置
が得られた。特に、4kTPI以上の高記録密度時にも
本実施例の媒体はトラック幅方向の書きにじみが十分に
行われるため、高いS/Nが得られた。また、基板表面
のテクスチャー形状が小さく、高密度であるためサーボ
信号の品位も高く、良好なヘッド位置決めが可能であっ
た。
【0030】本実施例では、Co−Ni−Feもしくは
Co−Ta−Zr合金を磁極材とする薄膜磁気ヘッドを
用いているが、Ni−Fe,Fe−Al合金磁性膜、も
しくはこれらを用いた多層磁性膜等を記録用磁極材とす
る録再分離型薄膜ヘッド,Co−Ta−Zr,Fe−A
l−Si合金等をギャップ部に設けたメタル インギャ
ップ型(MIG)録再分離複合磁気ヘッド、さらには誘
導型薄膜ヘッドまたはMIGヘッドを用いた場合にも同
様の効果が得られることを確認した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、保持力を低下させるこ
となく、磁気記録媒体のノイズを低減することができ
る。これにより、記録密度が1平方インチあたり1ギガ
ビット以上の超高密度大容量の磁気記憶装置に対応した
磁気記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図。
【図2】本発明の一実施例における説明図。
【図3】磁性膜表面に酸化性ガスを吹き付ける方法を示
した説明図。
【図4】表面処理時間による保磁力の変化を示す特性
図。
【図5】本発明の一実施例における他の説明図。
【図6】磁性膜表面を逆スパッタする方法を示した説明
図。
【図7】表面処理方法の違いによる保磁力の変化を示す
特性図。
【図8】温度による保磁力の変化を示す特性図。
【図9】本発明の一実施例の磁気記録装置の縦断面図。
【符号の説明】
1…磁性粒、2…磁性粒間の領域、3…反応性物質、1
1…非磁性基板、13…磁性層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細江 譲 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 屋久 四男 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 中村 敦 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 棚橋 究 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に対して概ね垂直な柱状構造を有する
    磁性粒子の集合体からなる磁気記録媒体において、前記
    磁性粒子は非磁性又は弱磁性領域あるいは他の磁性粒子
    と隣接することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1において、非磁性又は弱磁性領域
    が1又はそれ以上の磁性粒子を取り囲んでいる磁気記録
    媒体。
  3. 【請求項3】請求項2において、磁性層が非磁性下地層
    の上に形成される磁気記録媒体において、非磁性又は弱
    磁性領域に囲まれた1又はそれ以上の磁性粒子は、同一
    下地層粒子上に成長した磁性粒子によって構成される磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項3において、下地層の熱膨張係数
    が、基板のそれぞれで異なる磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4において、前記
    非磁性又は弱磁性領域には酸素または窒素が含まれてい
    る磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3または4において、前記
    非磁性又は弱磁性領域にはAu,Ag,Pd,Pt,C
    u,Cr,Ir,In,W,Re,Zr,Ta,Gaの
    中から選ばれた少なくとも一つの元素が含まれている磁
    気記録媒体。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6におい
    て、結晶磁気異方性が面内にある磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,4,5または7におい
    て、磁性膜形成後に、磁性膜表面にNO2 ,O2
    3 ,酸素プラズマなど酸化性の気体を導入することが
    できるか、または、磁性膜表面を酸素イオンや窒素イオ
    ンにより逆スパッタでき、かつ、このときの温度が磁性
    膜形成時の温度と異なる温度とすることができる手段を
    有する磁気記録媒体の製造装置。
  9. 【請求項9】請求項1,2,3,4,6または7におい
    て、磁性膜形成後に、Au,Ag,Pd,Pt,Cu,
    Cr,Ir,In,W,Re,Zr,Ta,Gaの中か
    ら選ばれた少なくとも一つの元素を磁性膜表面に至らし
    め、この過程以後の温度が膜形成時の温度とほとんど同
    じ、またはそれ以上とすることができる手段を有する磁
    気記録媒体の製造装置。
JP30377193A 1993-12-03 1993-12-03 磁気記録媒体、その製造方法およびその製造装置 Pending JPH07161025A (ja)

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