JPH0715889Y2 - バックホーにおけるバケット用リンク機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、土砂等の掘削、積込に用いられるバックホー
におけるバケット用リンク機構に関するものである。

［従来の技術］ バックホーのバケット用アームリンク部分の従来の構造
を第３図により説明すると、長手方向に長く延びるアー
ム１の先端に、バケット２の基部３をその開口部４側寄
りで枢着し、該バケット２の底部５側寄りの基部３に、
バケットリンク６の前端を枢着し、前記アーム１の両側
に位置して腕状を成すアームリンク7,7の一端を前記バ
ケットリンク６の後端に枢着すると共に、アームリンク
7,7の他端を、前記アーム１に、前記アーム１とバケッ
ト２基部３との枢着部よりも後方に離れた位置で枢着
し、前記アームリンク7,7とバケットリンク６との枢着
部に、後端がアーム１の後端近くに枢着されたバケット
シリンダ８のロッド９の先端を、両側アームリンク7,7
の内側に位置する様枢着している。

前記バケットリンク６とアームリンク７とにより、前記
ロッド９の伸縮運動を介し、バケット２を前記アーム１
先端とバケット２基部３との枢着部を中心として回動し
得るリンク機構10を構成する。

図中11は起伏用ブーム、12は、アーム１をブーム11に対
して起伏させるアームシリンダである。

バックホーを運転する場合、ブーム11を起伏させ、アー
ムシリンダ12の伸縮を介してアーム１をブーム11に対し
て起伏させ、バケットシリンダ８のロッド９の伸縮によ
りリンク機構10を介してバケット２を、アーム１先端と
の枢着部を中心として回動させ、更に図示されない装置
による旋回、走行運動を加えて土砂等の掘削、積込作業
を行っている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、上述の従来の構造によると、土砂等の掘
削、積込作業のためバケットシリンダ８のロッド９の伸
縮運動中、特にバケット２の開口部４により土砂等をす
くう方向にロッド９を伸長した場合、第３図に示す様に
ロッド９が外部に完全に露出することにより、該ロッド
９露出部が工事現場の障害物にぶつかりロッド９を破損
させるという問題があった。

このため、ロッド９破損防止用カバーをかぶせることも
考えられるが、カバーが障害物にぶつかって変形した場
合にはバケットシリンダ８が作動しなくなる恐れがある
ので適切な手段とは言えなかった。

本考案は、上記実情に鑑み、カバーなどの特別な保護手
段を設けることなく、バケットシリンダのロッドを保護
し得る様にしたバックホーにおけるバケット用リンク機
構を提供することを目的としてなしたものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、起伏自在なアームの先端に、上下へ回動自在
にバケットを枢着し、該バケットに枢着したバケットリ
ンクと前記アームの左右両側に枢着したアームリンクと
を連結してバケットリンクとアームリンクとによりリン
ク機構を形成し、前記アームに枢着したバケットシリン
ダのロッド先端を前記リンク機構の左右アームリンク間
を通して前記リンク機構に連結したバックホーにおい
て、前記アームリンクの側面を、側面的に見て、前記ロ
ッドの伸縮運動中、該ロッドを側方から常時覆い得る大
きさに形成したことを特徴とするものである。

［作用］ 従って、バケットシリンダのロッドの伸縮運動中、ロッ
ドを両側アームリンクにより側方から常時覆っているた
め、障害物等が側方からロッドに直接ぶつかるのを防止
することが出来る。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

第１図及び第２図は本考案の一実施例であり、図中第３
図と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。

バケットシリンダ８のロッド９の伸縮運動を介してバケ
ット２を回動し得るリンク機構10の一部を構成する両側
アームリンク13,13を、第３図のアームリンク７にかえ
て、バケットリンク６の後端及びアーム１のバケット２
基部３に対する枢着部よりも後方に離れた位置に枢着
し、前記両側アームリンク13,13の側面を、側面的に見
て、前記ロッド９の伸縮運動中露出されるロッド９を常
時覆い得る様、前記アームリンク13,13とバケットリン
ク６との枢着部14と、アームリンク13,13とアーム１と
の枢着部15とを結ぶ線の側を底辺とする略三角形に形成
する。なお、図中16は、アームリンク13の重量軽減のた
めの空間部である。

土砂等の掘削、積込作業を行う場合、第２図に示す様に
バケット２の開口部４を土砂等イをすくう方向に向ける
には、リンク機構10を介してバケットシリンダ８のロッ
ド９を短縮させるが、この際アームリンク13,13も枢着
部15を中心として回動しながら短縮中のロッド９を側方
から覆い、障害物等にぶつかるのを防護する。又、ロッ
ド９の前部は露出しているが、アームリンク13,13の前
部で障害物等に対して防護する。

第１図に示す様に、土砂等イが入った状態でバケット２
の開口部４を水平に向けるには、ロッド９を最も長く伸
長させるが、この際もアームリンク13,13が回動しなが
ら伸長中及び伸長後のロッド９を側方から完全に覆い防
護する。

従って、カバーなどの特別な保護手段を設けることなく
アームリンク13,13の形状を改良するだけで、ロッド９
を外部の障害物等から保護し破損を防止すること出来
る。

なお、上記実施例ではアームリンク13,13の形状を略三
角形にしたがロッド９の伸縮中にロッド９を側方から覆
うことが出来れば他の形状に形成しても良く、その他本
考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得るこ
とは勿論である。

［考案の効果］ 以上説明した様に本考案によれば、アームリンクの形状
を改良するだけでバケットシリンダのロッドの破損を防
止することが出来るので運転コストを低減させる等の優
れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のバケットシリンダのロッド
が伸長した時の状態を示す側面図、第２図は本考案の一
実施例のバケットシリンダのロッドが短縮した時の状態
を示す側面図、第３図はバックホーのバケット用リンク
機構部分の従来の構造を示す斜視図である。 図中、１はアーム、２はバケット、６はバケットリン
ク、８はバケットシリンダ、９はロッド、10はリンク機
構、13はアームリンクを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】起伏自在なアームの先端に、上下へ回動自
   在にバケットを枢着し、該バケットに枢着したバケット
   リンクと前記アームの左右両側に枢着したアームリンク
   とを連結してバケットリンクとアームリンクとによりリ
   ンク機構を形成し、前記アームに枢着したバケットシリ
   ンダのロッド先端を前記リンク機構の左右アームリンク
   間を通して前記リンク機構に連結したバックホーにおい
   て、前記アームリンクの側面を、側面的に見て、前記ロ
   ッドの伸縮運動中、該ロッドを側方から常時覆い得る大
   きさに形成したことを特徴とするバックホーにおけるバ
   ケット用リンク機構。