JPH07157623A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH07157623A
JPH07157623A JP30953093A JP30953093A JPH07157623A JP H07157623 A JPH07157623 A JP H07157623A JP 30953093 A JP30953093 A JP 30953093A JP 30953093 A JP30953093 A JP 30953093A JP H07157623 A JPH07157623 A JP H07157623A
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JP
Japan
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weight
monomer
copolymer
maleimide
less
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Application number
JP30953093A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Sakai
比呂志 酒井
Yoshihisa Aoki
義久 青木
Hiroshi Mori
弘 森
Yasuaki Ii
康明 井伊
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 めっき性および耐熱性の優れた成形品を得る
ことができる樹脂組成物を得ること。 【構成】 特定のマレイミド系共重合体(A)10〜9
0重量%と特定粒径分布のゴムラテックスに、特定量の
芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体(b22)と
からなる単量体混合物を乳化重合することによって得ら
れるグラフト共重合体(B)90〜10重量%とからな
る樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はめっき性に優れた耐熱性
樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】耐衝撃
性の優れた熱可塑性樹脂として現在、ABS樹脂、ハイ
インパクトポリスチレンに代表されるゴム変性熱可塑性
樹脂が広く使用されている。製品としては、成形品その
もので使用する場合と塗装、めっき等に代表される2次
加工を施して使用する場合がある。そして、2次加工の
1つであるめっきにおいては、最近ハイサイクル化、歩
留り向上のため、めっき条件をかなり厳しくしているの
が実状である。
【0003】耐熱性を要求される部品に対しては従来耐
熱ABS樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂あるい
はポリカーボネート樹脂等が使用されてきた。
【0004】耐熱ABS樹脂はブタジエン系ゴムの存在
下にアクリロニトリルとスチレン及び/又はα−メチル
スチレンを重合して得られるいわゆるグラフトABS樹
脂と、これにアクリロニトリル−スチレン−α−メチル
スチレン三元共重合体やアクリロニトリル−スチレン−
N−フェニルマレイミド三元共重合体、あるいはアクリ
ロニトリル−スチレン−α−メチルスチレン−N−フェ
ニルマレイミド四元共重合体等のマトリックス樹脂を配
合したいわゆるグラフトブレンド法で製造されている。
この場合α−メチルスチレンを用いたものでは重合速度
が遅く重合度の高い樹脂が得られにくく、かつα−メチ
ルスチレン連鎖のつながった構造が生成する為、加工時
に熱分解しやすいという欠点を有している。またマレイ
ミド系共重合体については特開昭58−162616号
公報、特開昭60−79019号公報、特開昭61−2
76807号公報等で提案されている。N−フェニルマ
レイミドを用いたものは乳化重合法で製造されているも
のが多く、かかるポリマー中の残存乳化剤等の影響で衝
撃発現性が悪く、また成形時の着色が著しく樹脂の劣化
が進み好ましくない。
【0005】一方変性ポリフェニレンエーテル樹脂やポ
リカーボネート樹脂及びその変性樹脂は一般に高価であ
り、かつ成形加工性の面でも劣るという欠点を有してい
る。
【0006】これらの耐熱マトリックス樹脂をめっき用
樹脂成分として用いた場合、α−メチルスチレンを含む
重合体を用いた樹脂組成物では、めっき密着性が劣って
おり、ポリカーボネートや変性ポリフェニレンエーテル
樹脂では、一般的なめっきライン(ABS樹脂用)では
めっきが析出せず別のラインが必要となるためめっき用
樹脂組成物としては一般的でない。
【0007】すなわち、現在まで耐熱性とめっき性の両
方の性能を満足する成形物を得ることができる樹脂組成
物はなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この様な
現状に鑑み鋭意検討した結果、特定のグラフト共重合体
と特定のマレイミド系共重合体をある割合で混合する事
によってめっき性および耐熱性に優れた樹脂組成物が得
られる事を見出し、本発明に到った。
【0009】すなわち、本発明の要旨とするところは、
マレイミド系単量体単位(a1)28重量%を超え65
重量%以下、芳香族ビニル系単量体及びメタクリル酸エ
ステル系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種
の単量体単位(a2)16重量%以上62重量%未満、
シアン化ビニル系単量体10重量%以上40重量%未満
(a3)及び他のビニル系単量体単位(a4)0〜25重
量%(但し(a1〜a4)単位成分の合計量100重量
%)から構成されるマレイミド系共重合体であって、
(i)該共重合体中の残存マレイミド系単量体の含有量
が0.1重量%以下で、かつマレイミド系単量体以外の
総揮発分が0.5重量%以下であり、(ii)該共重合体
の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/M
nが3以下であり、(iii)該共重合体のイエローインデ
ックスが30以下であり、かつ(iv)該共重合体の固有
粘度が0.3〜1.5であるマレイミド系共重合体
(A)10〜90重量%と、平均粒径0.35〜0.5
μmのゴム(b11)5〜30重量%(固形分として)、
平均粒径0.2〜0.32μmのゴム(b12)95〜7
0重量%(固形分として)および粒径0.10μm以下
のゴム(b13)0〜15重量%(固形分として)である
多分散粒径分布を有するゴムラテックス(b1)5〜7
0重量部(固 形分として)の存在下に、芳香族ビニル
単量体(b21)60〜90重量%、シアン化ビニル単量
体(b22)10〜40重量%およびこれらと共重合可能
な少なくとも一種のモノビニル単量体(b23)0〜20
重量%とからなる単量体混合物(b2)95〜30重量
部を乳化重合することによって得られるグラフト共重合
体 (B)90〜10重量%とからなる樹脂組成物にある。
【0010】本発明において用いるマレイミド系共重合
体(A)を構成するマレイミド系単量体単位(a1)と
は次式(I)で表わされるものである。
【0011】
【化1】
【0012】(式中、Rは水素、炭素数1〜4のアルキ
ル基、シクロヘキシル基、アリール基又は置換アリール
基を示す。)具体的には、マレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミ
ド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマ
レイミド、N−キシリールマレイミド、N−ナフチルマ
レイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−オルトクロ
ルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマ
レイミド等が挙げられる。これらの内N−シクロヘキシ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイル
マレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N
−オルトメトキシフェニルマレイミドが好ましく、特に
N−シクロヘキシルマレイミド及びN−フェニルマレイ
ミドが好ましいものである。これらマレイミド系単量体
は単独で、あるいは2種以上組合せて用いることができ
る。
【0013】マレイミド系共重合体(A)中のマレイミ
ド系単量体単位(a1)の含有量は28重量%を超え6
5重量%以下の範囲、好ましくは28重量%を超え55
重量%以下の範囲である。28重量%以下の含有量では
マレイミド系共重合体の耐熱性が低く、これをゴム強化
樹脂及び必要により他の硬質熱可塑性樹脂と配合した場
合、得られる成形品の耐熱性は低いものとなり好ましく
ない。また65重量%を超える含有量ではマレイミド系
共重合体の耐衝撃性や流動性の悪くなり、得られる最終
樹脂組成物の耐衝撃性や流動性が悪くなるので好ましく
ない。
【0014】本発明において用いるマレイミド系共重合
体(A)を構成し得る芳香族ビニル系単量体としては、
スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、
クロルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、スチレ
ン、α−メチルスチレンが好ましいものである。これら
芳香族ビニル系単量体は単独で、あるいは2種以上組合
せて用いることができる。
【0015】さらに本発明において用いるマレイミド系
共重合体(A)を構成し得るメタクリル酸エステル系単
量体としてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸イソボルニル、メタク
リル酸ベンジル、メタクリル酸トリフロロエチル等が挙
げられ、メタクリル酸メチルが好ましいものである。こ
れらメタクリル酸エステル系単量体は単独で、あるいは
2種以上組合せて用いることができる。
【0016】本発明においてはマレイミド系共重合体
(A)の(a2)成分として上記芳香族ビニル系単量体
及びメタクリル酸エステル系単量体からなる群から選ば
れる少なくとも1種の単量体が用いられ、本発明におい
て用いるマレイミド系共重合体(A)中の芳香族ビニル
系単量体及びメタクリル酸エステル系単量体の少なくと
も1種の単量体単位(a2)の含有量は16重量%以上
62重量%未満の範囲、好ましくは29重量%以上62
重量%未満の範囲である。16重量%未満の含有量では
マレイミド系共重合体の成形加工性は低いものとなり、
得られる最終樹脂組成物の成形加工性も低いものとなり
好ましくない。また62重量%以上では逆にマレイミド
系単量体単位の含有量が少なくなり、得られるマレイミ
ド系共重合体の耐熱性は低いものとなり、得られる最終
樹脂組成物の耐熱性も低いものとなり好ましくない。
【0017】本発明において用いるシアン化ビニル系単
量体(a3)としてはアクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、フマロニトリル等が挙げられアクリロニトリル
が好ましいものである。シアン化ビニル単量体(a3)
の含有量は10重量%以上40重量%未満の範囲であ
る。10重量%未満ではめっきの析出が困難であり40
重量%以上では成形加工性に劣る。
【0018】さらに本発明において用いるマレイミド系
共重合体(A)を構成し得る任意成分として用いられる
他のビニル系単量体(a4)としては、アクリル酸エス
テル系単量体、不飽和ジカルボン酸無水物及びビニルカ
ルボン酸系単量体等が挙げられる。
【0019】またアクリル酸エステル系単量体としては
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル等
が挙げられる。さらに不飽和ジカルボン無水物としては
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の無水物が挙
げられ、マレイン酸の無水物が好ましいものである。さ
らにまたビニルカルボン酸系単量体としてはアクリル
酸、メタクリル酸等が挙げられる。アクリロニトリル、
マレイン酸無水物及びメタクリル酸が好ましく用いられ
る。これら他のビニル系単量体(a4)は単独で、ある
いは2種以上組合せて用いることができるが、必ずしも
用いる必要はない。
【0020】本発明において用いるマレイミド系共重合
体(A)中のかかる他のビニル系単量体に基づく単位
(a4)の含有量は0〜25重量%の範囲、好ましくは
0〜19重量%、さらに好ましくは0〜16重量%の範
囲である。25重量%を超える含有量では得られるマレ
イミド系共重合体の特性は本発明の目的を外れたものに
なり好ましくない。
【0021】本発明において用いるマレイミド系共重合
体(A)は上記マレイミド系単量体単位(a1)、芳香
族ビニル系単量体及びメタクリル酸エステル系単量体か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体単位(a
2)、シアン化ビニル系単量体(a3)及び他のビニル系
単量体単位(a4)の含有量の合計量は100重量%に
なるように調整される。
【0022】さらに本発明において用いるマレイミド系
共重合体(A)は、該共重合体中の残存マレイミド系単
量体の含有量が0.1重量%以下、好ましくは0.05
重量%以下で、かつマレイミド系単量体以外の総揮発分
が0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下でな
くてはならない。残存マレイミド系単量体の含有量が
0.1重量%を超えると該共重合体の着色が著しく熱劣
化しやすい等の欠点が生じるため好ましくない。さらに
該共重合体を用いて得られる樹脂組成物を成形する際に
ブリードアウトが生じ、良好な成形品が得られないこと
やめっき性への悪影響もあり好ましくない。またマレイ
ミド系単量体以外の総揮発分としては構成成分の単量体
及び有機溶媒が挙げられるが、その量が0.5重量%を
超える量で存在する場合にはマレイミド系共重合体の耐
熱性が劣り、また該共重合体を用いて得られる樹脂組成
物を高温で成形した際にシルバーストリークが発生し、
良好な成形品が得られにくく好ましくない。
【0023】また本発明において用いるマレイミド系共
重合体(A)の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
の比Mw/Mnが3以下、好ましくは2.8以下、さら
に好ましくは2.5以下であることが必要である。Mw
/Mnの比は分子量分布の広がりの尺度として広く用い
られているものであるが、この値が3より大きい場合に
はマレイミド系共重合体の耐衝撃性が劣るものとなるた
めこの結果最終樹脂組成物の耐衝撃性も劣るものとなる
ため好ましくない。なお重量平均分子量Mwと数平均分
子量Mnはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)により求めた溶出曲線を標準ポリスチレンに
換算することで求めることができる。
【0024】さらにまた本発明において用いるマレイミ
ド系共重合体(A)のイエローインデックス(黄色度、
YI)は30以下、好ましくは25以下であることが必
要である。このイエローインデックスは得られるマレイ
ミド系共重合体を用いて成形した成形板の値として測定
されたものを指すものであり、マレイミド系共重合体中
の残存マレイミド系単量体の量及び他のビニル系単量体
としてシアン化ビニル系単量体を用いる場合にはその残
存単量体の量と密接な関係がある。イエローインデック
スが30を超えるものではマレイミド系共重合体の組成
分布が広く成形した際の熱着色を起こしやすい構造因子
を含んでいるので透明性及び耐衝撃性の劣ったものとな
るため、この結果最終樹脂組成物の耐衝撃性や透明性も
劣ったものとなるため好ましくない。
【0025】さらに本発明において用いるマレイミド系
共重合体(A)の固有粘度は0.3〜1.5、好ましく
は0.5〜1.2の範囲であることが必要である。固有
粘度はマレイミド系共重合体をN,N−ジメチルホルム
アミドに溶解し25℃にてウベローデ型粘度計で求めた
値である。0.3未満の固有粘度のマレイミド系共重合
体では耐衝撃性が低く、また1.5を超える固有粘度の
マレイミド系共重合体では耐衝撃性は高いものの、流動
性が不良のため、この結果最終樹脂組成物の成形が困難
となり実用的でない。
【0026】本発明において用いるマレイミド系共重合
体を製造する方法としては基本的には塊状重合である。
しかしながら、反応系に有機溶媒の添加を必須とする。
実際の操作においてマレイミド系共重合体(A)を製造
するためには、単量体の重合速度(反応性比)が互いに
異なるので、マレイミド系単量体を7〜50重量%、芳
香族ビニル系単量体及びメタクリル酸エステル系単量体
からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体を40
〜90重量%及び所望により他のビニル系単量体0〜3
5重量%(これら単量体の合計量の100重量%)と有
機溶媒ならびに所望により重合開始剤とを、単量体と有
機溶媒との重量比が3:2〜9:1の範囲となるように
完全混合重合反応器に連続的に滴下供給することにより
共重合反応を継続させることが必要である。この単量体
と有機溶媒との重量比の範囲よりも有機溶媒の量が単量
体の量に比べ小さい領域では重合中に反応系の粘度が高
くなり撹拌が困難になる上に、反応系からの重合反応物
の取出しも困難になるため好ましくない。また粘度が高
くなると熱の伝達が不良となり、反応系内の温度不均一
を引き起こし分子量分布や組成分布が広がる原因とな
る。一方有機溶媒の量が単量体の量に比べ多い領域では
重合速度が遅くなり、さらに脱揮工程での有機溶媒の除
去が困難となり生産性が悪くなるため好ましくない。
【0027】上記マレイミド系共重合体(A)を製造す
るに際して用いることのできる有機溶媒はそれ自身重合
するものではなく、また上記単量体の重合を妨げるもの
ではなく、かつ上記マレイミド系共重合体(A)を溶解
できるものであることが必要である。かかる有機溶媒の
具体例としてはメチルエチルケトン、ジエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、アセトフエノン、ベンゼン、
トルエン、エチルベンゼン、キシレン、テトラヒドロフ
ラン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0028】さらに上記マレイミド系共重合体(A)の
重合を行なう際に所望により重合開始剤を添加すること
ができる。重合開始剤としては一般に公知の有機過酸化
物、アゾ系化合物を用いることができる。有機過酸化物
としてはケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール
類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサ
イド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステ
ル類、パーオキシジカーボネート類等が用いられ、特に
10時間半減期温度が80〜140℃の範囲にあるもの
が好ましい。有機過酸化物の具体例としてはメチルエチ
ルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパー
オキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、
アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ジブチルパ
ーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ジブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−
ジ−t−ブチルパーオキシブタン、2,2,4−トリメ
チルペンチル−2−ハイドロパーオキサイド、ジグミル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、トリス−
(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ジ−t−ブチル
パーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブ
チルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチ
ルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート等が挙げられる。またアゾ系化合物
の具体例としては1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カーボニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2′−ア
ゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げら
れる。
【0029】本発明において用いるマレイミド系共重合
体(A)の製造方法は上述のように単量体と有機溶媒と
の重量比が特定範囲のもとで共重合反応を継続させてか
ら重合反応物を反応系から連続的に取り出すとともに単
量体及び有機溶媒を連続的に反応系へ供給するいわゆる
連続重合するものであり、これにより組成分布や分子量
分布の狭いマレイミド系共重合体の製造が可能となる。
【0030】即ち上述のように単量体と有機溶媒との重
量比が3:2〜9:1の範囲となるように完全混合重合
反応器に連続的に滴下供給することにより共重合反応を
継続させ、反応系内の仕込全単量体の重合転化率が30
〜70%の範囲で常に一定の単量体組成と重合反応物の
濃度ならびに所望により重合開始剤の濃度を一定に保つ
ように未反応単量体及び有機溶媒を含有する重合反応物
を完全混合重合反応器より連続的に取り出すことにより
定常状態下での連続重合を継続することが重要な点であ
る。重合転化率が30%未満で取り出す場合には後述の
脱揮装置での未反応単量体及び有機溶媒の除去が困難と
なるので好ましくない。一方重合転化率が70%を超え
る状態まで重合を行なうと反応系の粘度が高くなり撹拌
が困難な上に重合反応物の連続的取り出しが困難とな
る。しかも重合反応器内に温度分布が生ずるため分子量
分布や組成分布が広がった共重合体が生じ、耐衝撃性や
透明性の劣るものとなり好ましくない。
【0031】マレイミド系共重合体(A)の製造におい
てはかかる操作の後取出された重合反応物を所望により
設けたスタテイックミキサー型の第2の重合反応器にて
少なくとも未反応のマレイミド系単量体を重合せしめた
後、得られる重合反応物を脱揮装置に移送せしめ、未反
応の単量体ならびに有機溶媒を減圧条件下で脱揮する。
【0032】上記第2の重合反応器にてさらに重合転化
率を高くすることができる。しかし単量体の連続供給等
を行なわない本重合反応器ではあまり重合度を高めると
組成分布、分子量分布の不均一化を生じさせるため好ま
しくない。しかしこれに続く脱揮工程へ到る前に重合反
応物中の未反応のマレイミド系単量体は重合させなくて
はならない。未反応のマレイミド系単量体が存在する状
態で脱揮を行なうと得られるマレイミド系共重合体は著
しく着色したものとなり好ましくない。
【0033】脱揮装置としては多ベント式脱揮押出機、
フラッシュ式脱揮装置、薄膜式脱揮装置等が好ましく用
いられる。またこれらの装置を複数個組合せた装置も使
用することができる。
【0034】このような上述した種々のプロセスを経る
ことにより、得られるマレイミド系共重合体中の残存マ
レイミド系単量体の含有量が0.1重量%以下で、かつ
マレイミド系単量体以外の総揮発分が0.5重量%以下
であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比M
w/Mnが3以下であり、イエローインデックスが30
以下であり、かつ固有粘度が0.3〜1.5となるよう
にするものである。
【0035】本発明グラフト共重合体(B)に用いるゴ
ムラテックス(b1)は、ブタジエン100〜50重量
%およびこれと共重合可能は基を有する単量体0〜50
重量%(合計100重量%)とから構成されるものであ
る。
【0036】該共重合体の例としては、例えばブタジエ
ン−スチレン共重合体、ブタジエン−ビニルトルエン共
重合体などのようなブタジエン−芳香族ビニル化合物共
重合体;ブタジエン−アクリロニトリル共重合体;ブタ
ジエン−メタクリロニトリル共重合体;ブタジエン−ア
クリル酸メチル共重合体、ブタジエン−アクリル酸エチ
ル共重合体、ブタジエン−アクリル酸ブチル共重合体、
ブタジエン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体な
どのようなブタジエン−アクリル酸アルキルエステル共
重合体;ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、ブ
タジエン−メタクリル酸エチル共重合体などのようなブ
タジエン−メタクリル酸アルキルエステル共重合体;な
どを含み、更にブタジエン単位50重量%以上から構成
される三元共重合体も含む。これらは、通常、公知の乳
化重合によって容易に製造することができる。また、こ
のジエン系ゴムの製造に使用する触媒、乳化剤等は、特
に制限なく各種のものが使用できる。ゴム粒子径として
は、大粒子と中粒子の2分散の粒径分布を有するものが
必要であり、大粒子の平均粒径が0.35〜0.5μ
m、中粒子の平均粒径が0.2〜0.32μmであり、
大粒子と中粒子の比率としては、5〜30/95〜70
(重量%)の範囲である。大粒子の平均粒径が0.5μ
mを越えると、耐衝撃性が大幅に低下し、0.35μm
より小さいと、めっき性の改良効果が低下する。中粒子
の平均粒径が0.32μmを越えると、耐衝撃性が低下
し、0.2μmより小さいと、耐衝撃性が低下すると同
時に、めっき性の改良効果も低下してくる。また、0.
1μm以下の粒径のゴムは、0〜15重量%であり、1
5重量%を超えると、めっき性、物性共に低下する傾向
にある。大粒子/中粒子の比率に関しては、ゴム中の大
粒子の割合が5重量%より低いと、めっき性、大型成形
性の改良効果が低下し、30重量%を越えると、耐衝撃
性が低下する。また、粒径分布を持たせる方法としては
特に制限はなく、それぞれの粒子を個別に製造し、それ
らを所定の割合でブレンドする方法、肥大化能の異なる
酸基含有共重合体のブレンド系で、小粒子ゴムを一挙に
粒径分布を持たせて肥大化する方法等があげられる。
【0037】本発明における芳香族ビニル単量体(b2
1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、tert−ブチルスチレン等が代表的なもの
として挙げられ、単独または2種以上混合して用いるこ
とができるが、好ましくはスチレンが用いられる。シア
ン化ビニル単量体(b22)としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリル等が
挙げられ、単独または2種以上混合して用いることがで
きるが、好ましくはアクリロニトリルが用いられる。
【0038】また、これらと共重合可能なビニル単量体
(b23)としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が挙げ
られ、単独または2種以上混合して用いることができ
る。これらの単量体は各々所定の比率で用いなければな
らない。所定の比率を超えると成形性・めっき析出性・
めっき密着性の少なくとも一つ以上が劣り好ましくな
い。
【0039】グラフト共重合体(B)は次のようにして
得ることができる。
【0040】重合は乳化重合法で、反応条件としては、
重合開始温度が40〜50℃、単量体混合物の仕込み方
式は滴下速度1.2〜1.5重量部/分の速度で全量を
滴下する。反応開始剤量は0.10〜0.20重量部
で、反応開始剤の種類としては有機パーオキサイドの使
用が好ましい。また、反応プロフィールとしては、重合
のピーク温度を60〜80℃の範囲にすることが好まし
い。すなわち、この重合処方の特徴は、低温開始、低開
始剤量、高速モノマー滴下で、反応開始速度を遅くする
ことにより、グラフト点を少なくし、ゴム内部でのグラ
フトを極力少なくすることにある。また、グラフトゴム
のグラフト率は、25〜70%が好ましい範囲である。
使用する重合調節剤としては、tert−ドデシルメル
カプタンが好ましい。
【0041】本発明の樹脂組成物は上述したマレイミド
系共重合体(A)とグラフト共重合体(B)を前者が1
0〜90重量%、後者が10〜90重量%の範囲となる
ように配合したものである。
【0042】グラフト共重合体(B)の配合量が10重
量%未満であれば得られる樹脂組成物から得られる成形
品の衝撃強度及びめっき密着強度が低く満足できない。
【0043】また、90重量%を超える配合量では、樹
脂組成物から得られる成形品の耐熱性、めっき密着強度
が向上しないため好ましくない。
【0044】なお任意成分として配合し得る他の硬質熱
可塑性樹脂の使用量は上記(A)成分と(B)成分の合
計量100重量部に対し0〜100重量部の範囲であ
る。
【0045】100重量部を超える割合の使用量では、
最終的に得られる樹脂組成物のめっき性、耐熱性や衝撃
強度の向上が期待できないものである。
【0046】上記硬質の熱可塑性樹脂としては、常温で
硬質のものであれば特に制限なく使用することができる
が、芳香族ビニル化合物−アクリロニトリル共重合体、
芳香族ビニル化合物−アクリロニトリル−メタクリル酸
メチル三元共重合体、芳香族ビニル化合物−アクリロニ
トリル−低級アルキルアクリレート三元共重合体、アク
リロニトリル−低級アルキルアクリレート共重合体およ
びポリカーボネート等が好適なものとして例示される。
【0047】また、必要に応じて染顔料などの各種着色
剤、光または熱に対する安定剤類、無機または有機の粒
状、粉状または繊維状の充填剤、発泡剤等を添加するこ
とができる。そして、組成物は、射出成形、押出成形な
どの各種加工法により成形される。
【0048】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく
説明するが、これら本発明を限定するものではない。
【0049】なお、実施例、比較例中、「部」は「重量
部」を表す。
【0050】なお、下記実施例および比較例における各
種物性は、以下の方法によって測定した。
【0051】(1)ラテックス粒径(単位:μm) ゴムラテックスの水希釈溶液を、光散乱法を原理とした
大塚電子(株)製測定装置(DLS−700)を使用し
て測定した。
【0052】(2)アイゾット衝撃強度(単位:kg・
cm/cm) ASTM D−256により測定した。
【0053】(3)ピカット軟化温度:ASTM D−
1525(5kg荷重) (4)密着強度(単位:kg/cm) 下記に示す工程で、めっき用平板にめっきを行い、荷重
測定器上でめっき膜を垂直方向に引くことにより測定し
た。
【0054】脱脂(60℃ 3分)→水洗→エッチング
(CrO3 400g/1、H2SO4 200cc/
1 70℃ 20分)→水洗→酸洗(室温1分)→水洗
→触媒化処理(25℃ 3分)→水洗→活性化処理(4
0℃ 5分)→水洗→化学Niメッキ(40℃ 5分)
→電気銅メッキ(膜厚35μm 20℃ 60分)→乾
燥(80℃ 120分) (5)ロックウエル硬度:ASTM D−785(単位
Mスケール) (6)GPC測定 重合反応液中の重合体の量は重合反応物をメチルエチル
ケトンで希釈してからメタノールで再沈を行ない得られ
た重合体の重量より算出した。この再沈した重合体を用
いて組成分析、固有粘度、GPC測定等を行なった。
【0055】重合反応液中の未反応の単量体や脱揮後の
残留単量体等の量はガスクロマトグラフィーで測定し
た。
【0056】重合体の各単量体単位の組成は赤外線吸収
スペクトル測定での各特性基の吸収から算出した。
【0057】重合体の固有粘度〔η〕は重合体をN,N
−ジメチルホルムアミドに溶解しウベローデ型粘度計で
25℃にて求めた。
【0058】重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)の比Mw/MnはGPCの溶出曲線から
ポリスチレンの標準重合体を基準として算出したMwと
Mnの比で算出した。
【0059】実施例 マレイミド系共重合体(A−1〜A−3)の製造:図1
に示した製造装置を用いて各種マレイミド系共重合体
(A−1〜A−3)の製造を行った。
【0060】まず第1重合反応器(完全混合重合反応
器)1内を真空ポンプにより器内の空気を除去した後窒
素ガスを器内に導入し、窒素雰囲気にした。この操作を
更にもう1回繰り返して器内を完全に窒素雰囲気にした
後に重合実験を実施した。
【0061】即ち表1に示す割合の各種混合液A及び混
合液Bを別々の配管から第1重合反応器1に連続的に滴
下供給し、表1に示す重合温度及び滞留時間の条件の下
で共重合反応を行ない、供給仕込単量体の重合転化率が
表1に示す値となった時点で供給仕込単量体の総量に等
しい量を反応器の底よりギヤポンプ2で連続的に抜き取
り連続運転を行なった。第1重合反応器1を出た重合反
応液をギヤポンプ2により押出し流れ型の第2重合反応
器3に移送した。第2重合反応器3において更に重合を
進行せしめ残存マレイミド系単量体の量を大幅に減少せ
しめた。しかる後第2重合反応器3から重合反応物をギ
ヤポンプ4により脱揮押出機5へ供給した。第2重合反
応器出口での重合反応液の組成を表1に示した。なおこ
のときの脱揮押出機5は2ベントタイプ(図1中のV1
及びV2 )の二軸押出機である。脱揮押出機5にて残存
単量体、有機溶媒等を除去した後ペレタイザー6により
ペレット化して透明なペレットを得た。表2に脱揮押出
機5の運転条件及び得られた各種マレイミド系共重合体
中の残留物及び単量体単位の含有量を示す。また表2に
得られた各種マレイミド系共重合体(A−1〜A−3)
の各種物性値を示した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】参考例2 乳化重合法によるマレイミド系共重合体(A−4)の製
造:5リットルの撹拌機付きガラス製反応器に次の組成
のものを仕込んだ。
【0065】 純 水 200部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2部 ロンガリット 0.5部 硫酸第一鉄 0.005部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01部 仕込物を60℃に昇温し、次の組成の混合液を内温60
℃に保持したまま3時間にわたって連続滴下した。滴下
終了後60℃にて1時間保持してから冷却した。
【0066】 アクリロニトリル 15部 スチレン 55部 N−フェニルマレイミド 30部 クメンハイドロパーオキサイド 0.5部 得られたマレイミド系共重合体ラテックスを硫酸マグネ
シウムにて凝固し、脱水、乾燥して白色粉末のマレイミ
ド系共重合体(A−4)を得た。マレイミド系共重合体
(A−4)の各種物性値を測定した結果を表2に併せて
示した。
【0067】 ゴム(Bd−1)ラテックスの合成 1,3−ブタジエン 66部 アクリル酸n−ブチル 9部 スチレン 25部 ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド 0.2部 オレイン酸カリウム 1.0部 不均化ロジン酸カリウム 1.0部 ピロリン酸ソーダ 0.5部 硫酸第一鉄 0.005部 デキストローズ 0.3部 無水硫酸ナトリウム 0.3部 水 200部 上記組成に従って100リットルオートクレーブで50
℃で重合した。9時間でほぼ重合は完了し、転化率97
%、平均粒子径0.08μm、pH9.0のジエン系ゴ
ムラテックスが得られた。
【0068】 ゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体(Bs−1)の合成 アクリル酸n−ブチル 85部 メタクリル酸 15部 オレイン酸カリウム 2部 ジオクチルスルホコハク酸ソーダ 1部 クメンヒドロパーオキサイド 0.4部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.3部 イオン交換水 200部 上記組成物を別の重合装置で70℃で4時間重合させ
た。転化率は98%であり、平均粒子径0.08μmの
酸基含有共重合体ラテックスが得られた。
【0069】ゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体(Bb
−1)の合成 上記酸基含有共重合体(Bs−1)の合成において、ア
クリル酸n−ブチルを72部、メタクリル酸を28部に
変える以外全く同様な方法をくり返して重合した。転化
率は97%であり、平均粒子径0.10μmの酸基含有
共重合体ラテックスが得られた。
【0070】多分散粒径分布ゴムラテックス(Bc−
1)の製造 ゴム(A−1)ラテックス100部(固形分として)
に、酸基含有共重合体の混合ラテックス2部(Bs−1
/Bb−1=80/20、固形分比)を撹拌下に添加
し、さらに30分間撹拌し多分散粒径分布を有するゴム
ラテックスを得た。表3にこのラテックスの粒径分布の
測定結果を示す。
【0071】 グラフトゴムラテックス(B−1)の製造 上記多分散粒径分布ラテックス(Bc−1) 45部 スチレン 39部 アクリロニトリル 16部 クメンハイドロパーオキサイド 0.12部 不均化ロジン酸カリウム 2.0部 ピロリン酸ソーダ 0.2部 硫酸第一鉄 0.01部 デキストローズ 0.35部 水 200部 上記の組成で、重合開始温度40℃、単量体滴下速度
1.3重量部/分でグラフト重合を行なった。
【0072】得られた重合体ラテックスに、抗酸化剤と
してブチル化ヒドロキシトルエン2部、ジラウリルチオ
プロピオネート0.5部を加え、5%硫酸水溶液で凝固
し、洗浄し、乾燥して白色粉末を得た。フォスファイト
系安定剤を0.1部加え、表3に示す割合でヘンシェル
ミキサーで5分間(3000rpm)混合した後、シリ
ンダー温度230℃で押出しペレット化し、スクリュー
式射出成形機(シリンダー温度230℃、金型温度60
℃)を用いて物性測定用試片およびめっき用平板を成形
した。
【0073】次いでその試片および平板を用いて物性な
らびにめっきの密着強度を測定した。結果を表3に示
す。表3中、未肥大化小粒子(0.08μm)は、大粒
子の割合と中粒子の割合を足したものの残部である。
【0074】
【表3】
【0075】実施例2 実施例1において多分散粒径分布ゴムラテックスの製造
における、酸基含有共重合体のBs−1/Bb−1の混
合比を93/7に変える以外は、実施例1と全く同様な
方法をくり返した(B−2)。結果を表3に示す。
【0076】実施例3 実施例1の酸基含有共重合体(Bs−1)の合成におい
て、アクリル酸n−ブチルを88部、メタクリル酸を1
2部に変えて(Bs−2)、実施例1と同様な方法をく
り返した(B−3)。結果を表3に示す。
【0077】実施例4 実施例1の酸基含有共重合体(Bb−1)の合成におい
て、アクリル酸n−ブチルを65部、メタクリル酸を3
5部に変えて(Bb−2)、実施例1と同様な方法をく
り返した(B−4)。結果を表3に示す。
【0078】比較例1 実施例1において、酸基含有共重合体(Bs−1)のみ
を使用して実施例1と同様な方法をくり返した(B−
5)。結果を表3に示す。
【0079】比較例2 実施例1において、使用する酸基含有共重合体(Bb−
1)のみを使用して、全く実施例1と同様な方法をくり
返した(B−6)。結果を表3に示す。
【0080】比較例3 実施例1において、酸基含有共重合体の比率(Bs−1
/Bb−2)を60/40に変えて、実施例1と同様な
方法をくり返した(B−7)。結果を表3に示す。
【0081】比較例4 実施例1において、酸基含有共重合体の比率(Bs−1
/Bb−2)を97/3に変えて、実施例1と同様な方
法をくり返した(B−8)。結果を表3に示す。
【0082】比較例5 実施例1の酸基含有共重合体(Bb−1)の合成におい
て、アクリル酸n−ブチル83部、メタクリル酸17部
に変えて(Bb−3)、実施例1と同様な方法をくり返
した(B−9)。結果を表3に示す。
【0083】比較例6 実施例1の酸基含有共重合体(Bb−1)の合成におい
て、アクリル酸n−ブチルを60部、メタクリル酸を4
0部に変えて(Bb−4)、実施例1と同様な方法をく
り返した(B−10)。結果を表3に示す。
【0084】比較例7 実施例1の使用する酸基含有共重合体の量を1部にし
て、実施例1と同様な方法をくり返した(B−11)。
結果を表3に示す。
【0085】
【発明の効果】本発明により、めっき性および耐熱性の
優れた成形品を得ることができる樹脂組成物を得ること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するマレイミド系共重合体の製造
装置例である。
【符号の説明】
1 第1重合反応器(完全混合重合反応器) 2 ギヤポンプ 3 第2重合反応器 4 ギヤポンプ 5 脱揮押出機 6 ペレタイザー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井伊 康明 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイミド系単量体単位(a1)28重
    量%を超え65重量%以下、芳香族ビニル系単量体及び
    メタクリル酸エステル系単量体からなる群から選ばれる
    少なくとも1種の単量体単位(a2)16重量%以上6
    2重量%未満、シアン化ビニル系単量体10重量%以上
    40重量%未満(a3)及び他のビニル系単量体単位
    (a4)0〜25重量%(但し(a1〜a4)単位成分の
    合計量100重量%)から構成されるマレイミド系共重
    合体であって、(i)該共重合体中の残存マレイミド系
    単量体の含有量が0.1重量%以下で、かつマレイミド
    系単量体以外の総揮発分が0.5重量%以下であり、
    (ii)該共重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量
    Mnの比Mw/Mnが3以下であり、(iii)該共重合体
    のイエローインデックスが30以下であり、かつ(iv)
    該共重合体の固有粘度が0.3〜1.5であるマレイミ
    ド系共重合体(A)10〜90重量%と、平均粒径0.
    35〜0.5μmのゴム(b11)5〜30重量%(固形
    分として)、平均粒径0.2〜0.32μmのゴム(b
    12)95〜70重量%(固形分として)および粒径0.
    10μm以下のゴム(b13)0〜15重量%(固形分と
    して)である多分散粒径分布を有するゴムラテックス
    (b1)5〜70重量部(固形分として)の存在下に、
    芳香族ビニル単量体(b21)60〜90重量%、シアン
    化ビニル単量体(b22)10〜40重量%およびこれら
    と共重合可能な少なくとも一種のモノビニル単量体(b
    23)0〜20重量%とからなる単量体混合物(b2)9
    5〜30重量部を乳化重合することによって 得られる
    グラフト共重合体(B)90〜10重量%とからなる樹
    脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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