JP2005068428A - 耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スチレン系単量体、シアン化ビニル系単量体、他の共重合可能なビニル系単量体、及び単官能性マレイミド系単量体、多官能性マレイミド系単量体をそれぞれ特定比率で共重合してなるスチレン系共重合体(A)を連続相とし、ゴム粒子(B)を分散相とする耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、前記耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物におけるゴム含量が1〜40重量%で、前記スチレン系共重合体(A)の下記式から求められるMIRが21〜30で、且つ樹脂組成物において残存の単官能性マレイミド系単量体が600ppm以下の耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物とする。
MIR=HMI/MI
HMI:250℃における10kg荷重でのMFR(g/10分)
MI :250℃における1kg荷重でのMFR(g/10分)
Description
MIR=HMI/MI
HMI:250℃における10kg荷重でのMFR(g/10分)
MI :250℃における1kg荷重でのMFR(g/10分)
多官能性マレイミド系単量体の具体例としては、例えばN,N'-4,4'-(3,3'-ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N'-4,4'-(3,3'-ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N'-4,4'-2,2-ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N'-4,4'-ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N'-3,3'-ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N'-4,4'-ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N'-4,4'-ジフェニルスルホキシドビスマレイミド、N,N'-4,4'-ベンゾフェノンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニルオキシフェニル)2,2−プロパン、N,N'-1,3-フェニレンビスマレイミド、ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステル等が挙げられるが、中でもN,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニルオキシフェニル)2,2−プロパン、N,N'-1,3-フェニレンビスマレイミドが好ましい。
本発明に使用できる単官能性重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クミルヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(以下「BPIC」と略称する)、シクロヘキサノンパーオキサイド、2,2'−アゾ−ビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾ−ビス-2-メチルブチロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2-メチルプロピオネート)などが挙げられる。これらの中でベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
(1)メルカプタン類:メチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン(以下「TDM」と略称する)、n−プロピルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、t−ノニルメルカプタン、5−t−ブチル−2−メチル−チオフェノールなど。
これらの単官能性連鎖移動剤の中で、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンが好ましい。
上記スチレン系共重合体(A)のMIRは、多官能性マレイミド系単量体の使用量及び添加のタイミング、多官能性重合開始剤の選択及びその使用量、反応装置の選択、全単量体の最終転化率(例えば上記(i-1)のスチレン系単量体、多官能性マレイミド系単量体或いは多官能性重合開始剤の部分使用量の一部を第2反応装置又は第2以後の反応装置に追加すること)により制御することができる。上記の制御方法は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(1) スチレン系共重合体(A)の重合に際して、多官能性マレイミド系単量体の使用量は、上記の(i-1) 、(i-2) 及び (i-3)からなる共重合用単量体の合計量100重量部に対して、0.0005〜1.0重量部である。
(2) スチレン系共重合体(A)のMIRは21.0〜30.0である。
方法1は連続塊状重合、溶液重合に使用される反応装置を用いることにより、前記ゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造することができる。かかる反応装置としてはプラグフロー反応装置(PFR)、完全混合式反応装置(CSTR)及び静止型混合式反応装置などが挙げられる。反応装置の数量は1個、2個又は3個以上を併用することができ、好ましくは3個以上を併用する。3個以上の反応装置を併用する場合には、その内の第一反応装置は完全混合式反応装置で、最終反応装置はプラグフロー反応装置であることが好ましい。この方法1は原料溶液(ゴム成分を含む)を連続的に反応装置に仕込んで反応を行う。上記反応装置を用いる場合の反応温度は通常30〜300℃、好ましくは60〜250℃、更に好ましくは80〜240℃である。反応装置を用いる場合の反応圧力は1〜10kg/cm2の間に制御することが好ましい。重合体の分子量をコントロールするために必要に応じて重合開始剤や連鎖移動剤を使用することができる。
望ましくは、本発明の耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造する塊状又は溶液重合反応に使われる原料溶液は、(i-1)スチレン系単量体50〜90重量部、(i-2) シアン化ビニル系単量体10〜50重量部及び(i-3)他の共重合可能なビニル系単量体0〜40重量部(以上合計100重量部)、並びにこれら(i-1) 、(i-2)及び(i-3)の合計100重量部に対して単官能性マレイミド系単量体1〜40重量部、多官能性マレイミド系単量体0.0005〜1.0重量部、溶媒0〜100重量部及びゴム成分0.5〜25重量部を含む。
ここでスチレン系単量体、シアン化ビニル系単量体、他の共重合可能なビニル系単量体、単官能性マレイミド系単量体、多官能性マレイミド系単量体、溶媒及び必要に応じて添加する重合開始剤、連鎖移動剤に関する使用量及びそれぞれの具体例は、スチレン系共重合体(A)の製造に用いる原料溶液で述べたものと同様のものが挙げられる。
方法1に用いられるゴム成分の具体例としては、ジエン系ゴム、ポリオレフィン系ゴム(例えばエチレン−プロピレンゴム)、ポリアクリレート系ゴム、ポリシロキサン系ゴムなどが挙げられる。
前記のジエン系ゴムとはジエン系単量体成分を重合させて得られる重合体を言う。かかるジエン系ゴムの具体例としては、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネンゴム、スチレン−ジエン系ゴム、アクリロニトリル−ジエン系ゴム等が挙げられる。この中でブタジエンゴムとしてはハイシス(Hi-Cis)とローシス(Low-Cis)の2種のポリブタジエンゴムが好ましい。ハイシスゴムはそのシス及びビニル構造単位の代表的な重量比がそれぞれ94〜99%及び0〜5%であり、その他の組成成分はトランス構造であって、ムーニ粘度は20〜120の範囲にあり、重量平均分子量の範囲は100,000〜800,000が好ましい。ローシスゴムはそのシス及びビニル構造単位の代表的な重量比がそれぞれ20〜40%及び6〜20%であり、その他の組成成分はトランス構造であって、ムーニ粘度は20〜120の範囲にあり、重量平均分子量の範囲は100,000〜800,000が好ましい。
スチレン−ジエン系ゴムの具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴムなどが挙げられ、それらはブロック共重合体、ランダム共重合体或いはテーパー共重合体よりなる組成物の何れでも良い。スチレン−ブタジエンゴム中のスチレンの重量比は50重量%以下の範囲が好ましく、その重量平均分子量は50,000〜600,000が好ましい。上記のゴムにおいてブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
方法2はスチレン系共重合体(A)とゴム状グラフト共重合体(B’)との混合物を混練押出して、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造する方法である。
連続式塊状反応又は溶液重合反応に関し、連続式塊状反応又は溶液重合反応によって原料溶液をグラフト重合反応させて、ゴム状グラフト共重合体(B')を得ることができる。その原料溶液は(i-1)スチレン系単量体15〜95重量部、(i-2)シアン化ビニル系単量体5〜85重量部及び(i-3)他の共重合可能なビニル系単量体0〜40重量部(以上合計100重量部)、並びにこれら(i-1)、(i-2) 及び (i-3)の合計100重量部に対して溶媒0〜100重量部及びゴム成分0.5〜25重量部を含む。望ましくは当該原料溶液は(i-1)スチレン系単量体50〜90重量部、(i-2)シアン化ビニル系単量体10〜50重量部及び(i-3)他の共重合可能なビニル系単量体0〜40重量部(以上合計100重量部)、並びにこれら(i-1)、(i-2) 及び (i-3)の合計100重量部に対して溶媒0〜100重量部及びゴム成分0.5〜25重量部を含む。これら原料溶液には、必要に応じて重合開始剤、連鎖移動剤添加することができる。この原料溶液には単官能性マレイミド、多官能性マレイミド系単量体は通常使用せず、使用する場合には本発明の使用量の下限未満に限られる。ここで上記スチレン系単量体、シアン化ビニル系単量体、他の共重合可能なビニル系単量体、溶媒、重合開始剤及び連鎖移動剤に関する使用量及びそれぞれの具体例は、スチレン系共重合体(A)の製造に用いる原料溶液で述べたものと同じものが挙げられ、またゴム成分の組成に関する説明は方法1で述べたのと同様である。
ジエン系ゴムラテックスの製造方法としては、例えば乳化重合法によりジエン系単量体(例えばブタジエン)、又はジエン系単量体100〜50重量%とその他の共重合可能な単量体例えばスチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステルなどの単量体0〜50重量%とを重合させて、重量平均粒径0.05〜0.6μmのジエン系ゴムラテックスを形成させる方法である。また、乳化重合法により前記のジエン系単量体を重合させて、重量平均粒径0.05〜0.20μmとなる小粒径のジエン系ゴムラテックスを得た後、次に冷凍法、ホモジナイザー処理法及び添加剤凝集法等により、この小粒径のジエン系ゴムラテックスを凝集肥大化し、重量平均粒径0.22〜0.6μmの大粒子径のジエン系ゴムラテックスを製造する方法が挙げられる。上記添加剤凝集法により用いられる添加剤としては、酢酸無水物、塩化水素、硫酸などの酸性物質、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の塩類、(メタ)アクリル酸系−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(例えば、メタアクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体、メタアクリル酸−アクリル酸エチル共重合体)などのカルボキシル基含有高分子凝集剤が挙げられる。
1.MIR
MIRはHMIとMIとの比(HMI/MI) であって、HMIは250℃における10kg荷重でのMFR(g/10分)で、MIは250℃における1kg荷重でのMFR(g/10分)である。(MFRは溶融流動指数を指し、ASTM D-1238法によりその指数を測定することができる。)
Nicolet社製(シリーズ番号:Nexus 470)のフーリエ変換赤外分光計を用いて測定する。(単位:重量%)。
ASTM D-256により測定する。(ノッチ付き、厚さ1/4インチ、単位:kg-cm/cm)
100mm×12.7mm×3mmの試験片を曲率半径165mmの1/4楕円治具上に固定して、エタノール濃度が50%の水溶液に漬け込み、浸漬後に試験片に亀裂が生じる時間を評価する。
○:48時間以上。
△:24以上48時間未満。
×:24時間未満。
ASTM D−1525規定に従って、樹脂が軟化した時点の温度を測定した。(単位:℃)
「合成例a:スチレン系共重合体(A−1)の合成」
スチレン単量体(以下「SM」と略称する)64.5重量部、アクリロニトリル単量体(以下「AN」と略称する)35.5重量部、N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド単量体(以下「BMI」と略称する)0.025重量部、N-フェニルマレイミド(以下「PMI」と略称する)10重量部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(以下「BPO」と略称する)0.025重量部、連鎖移動剤としてt-ドデシルメルカプタン(以下「TDM」と略称する)0.1重量部及び溶媒としてエチルベンゼン(以下「EB」と略称する)25重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を三槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を36 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、更にSM 100重量部、BMI 0.22重量部からなる追加の混合溶液を2 kg/時間の流量で連続的に第二反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第三反応装置に導入し、更にSM 100重量部、BMI 0.04重量部からなる追加の混合溶液を2 kg/時間の流量で連続的に第三反応装置に仕込んで重合反応を行った。
上記の第一、第二反応装置は完全混合式反応装置(以下「CSTR」と略称する)で、第三反応装置はプラグフロー反応装置(以下「PFR」と略称する)であった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットル、75リットルで、反応入口の温度をそれぞれ95℃、105℃、135℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ120 rpm、90 rpm、35 rpmに保持した。
第三反応装置の転化率が74重量%に達した時、第三反応装置から得られる重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、減圧脱揮装置又は押出脱揮装置等の揮発装置に導入して未反応の単量体及び揮発成分を除去し、その後、造粒してスチレン系共重合体(A-1)を得た。スチレン系共重合体(A-1)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
スチレン単量体(以下「SM」と略称する)64.5重量部、アクリロニトリル単量体(以下「AN」と略称する)35.5重量部、N,N'-4,4'-2,2'-ジフェニルプロパンビスマレイミド単量体0.025重量部、N-フェニルマレイミド(以下「PMI」と略称する)10重量部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(以下「BPO」と略称する)0.025重量部、連鎖移動剤としてt-ドデシルメルカプタン(以下「TDM」と略称する)0.1重量部及び溶媒としてエチルベンゼン(以下「EB」と略称する)25重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を三槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を36 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、更にSM 100重量部、N,N'-4,4'-2,2-ジフェニルプロパンビスマレイミド単量体0.22重量部からなる追加の混合溶液を2 kg/時間の流量で連続的に第二反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第三反応装置に導入し、更にSM 100重量部、N,N'-4,4'-2,2-ジフェニルプロパンビスマレイミド単量体0.04重量部からなる追加の混合溶液を2 kg/時間の流量で連続的に第三反応装置に仕込んで重合反応を行った。
上記の第一、第二反応装置は完全混合式反応装置(以下「CSTR」と略称する)で、第三反応装置はプラグフロー反応装置(以下「PFR」と略称する)であった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットル、75リットルで、反応入口の温度をそれぞれ95℃、105℃、135℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ120 rpm、90 rpm、35 rpmに保持した。
第三反応装置の転化率が74重量%に達した時、第三反応装置から得られる重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、減圧脱揮装置又は押出脱揮装置等の揮発装置に導入して未反応の単量体及び揮発成分を除去し、その後、造粒してスチレン系共重合体(A-1-1)を得た。その溶融流動指数を測定した結果、MIR値は24.0であった。
スチレン単量体(以下「SM」と略称する)64.5重量部、アクリロニトリル単量体(以下「AN」と略称する)35.5重量部、N,N'-4,4'-ジフェニルエーテルビスマレイミド単量体0.025重量部、N-フェニルマレイミド(以下「PMI」と略称する)10重量部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(以下「BPO」と略称する)0.025重量部、連鎖移動剤としてt-ドデシルメルカプタン(以下「TDM」と略称する)0.1重量部及び溶媒としてエチルベンゼン(以下「EB」と略称する)25重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を三槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を36 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、更にSM 100重量部、N,N'-4,4'-ジフェニルエーテルビスマレイミド単量体0.22重量部からなる追加の混合溶液を2 kg/時間の流量で連続的に第二反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第三反応装置に導入し、更にSM 100重量部、N,N'-4,4'-ジフェニルエーテルビスマレイミド単量体0.04重量部からなる追加の混合溶液を2 kg/時間の流量で連続的に第三反応装置に仕込んで重合反応を行った。
上記の第一、第二反応装置は完全混合式反応装置(以下「CSTR」と略称する)で、第三反応装置はプラグフロー反応装置(以下「PFR」と略称する)であった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットル、75リットルで、反応入口の温度をそれぞれ95℃、105℃、135℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ120 rpm、90 rpm、35 rpmに保持した。
第三反応装置の転化率が74重量%に達した時、第三反応装置から得られる重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、減圧脱揮装置又は押出脱揮装置等の揮発装置に導入して未反応の単量体及び揮発成分を除去し、その後、造粒してスチレン系共重合体(A-1-2)を得た。その溶融流動指数を測定した結果、MIR値は23.4であった。
SM 65.5重量部、AN 34.5重量部、BMI 0.022重量部、PMI 10重量部、重合開始剤として1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下「TX-29A」と略称する)0.01重量部、TDM 0.1重量部及びEB 25重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を三槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を37 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、更にSM 100重量部、BMI 0.15重量部からなる追加の混合溶液を3 kg/時間の流量で連続的に第二反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第三反応装置に導入し重合反応を行った。
上記の第一、二反応装置はCSTRで、第三反応装置はPFRであった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットル、75リットルで、反応入口の温度をそれぞれ100℃、110℃、135℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ120 rpm、90 rpm、35 rpmに保持した。
第三反応装置の転化率が75重量%に達した時、合成例aと同様の操作方法にて、第三反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、脱揮、押出、造粒等の処理を行ってスチレン系共重合体(A-2)を得た。スチレン系共重合体(A-2)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
SM 64.5重量部、AN 35.5重量部、BMI 0.007重量部、PMI 15重量部、重合開始剤として2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシルプロパン(PX-12と略称す)0.007重量部、TDM 0.1重量部及びEB 25重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を四槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を36 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、更にSM 100重量部、BMI 0.066重量部、TX-29A 0.054重量部からなる追加の混合溶液を2 kg/時間の流量で連続的に第二反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第三反応装置に導入し、更にSM 100重量部、TX-29A 0.013重量部からなる追加の混合溶液を2 kg/時間の流量で連続的に第三反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第三反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第四反応装置に導入し重合反応を行った。
上記の第一、二反応装置はCSTRで、第三、四反応装置はPFRであった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットル、75リットル、75リットルで、反応入口の温度をそれぞれ100℃、110℃、130℃、135℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ120 rpm、90 rpm、38 rpm、35 rpmに保持した。
第四反応装置の転化率が74重量%に達した時、合成例aと同様の操作方法にて、第四反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、脱揮、押出、造粒等の処理を行ってスチレン系共重合体(A-3)を得た。スチレン系共重合体(A-3)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
SM 64.5重量部、AN 35.5重量部、BMI 0.028重量部、PMI 10重量部、PX-12 0.009重量部、TDM 0.1重量部及びEB 25重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を三槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を36 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、更にSM 100重量部、TX-29A 0.033重量部からなる追加の混合溶液を2 kg/時間の流量で連続的に第二反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第三反応装置に導入し、更にSM 100重量部を2 kg/時間の流量で連続的に第三反応装置に仕込んで重合反応を行った。
上記の第一、第二反応装置はCSTRで、第三反応装置はPFRであった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットル、75リットルで、反応入口の温度をそれぞれ100℃、110℃、135℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ120 rpm、90 rpm、35 rpmに保持した。
第三反応装置の転化率が75重量%に達した時、合成例aと同様の操作方法にて、第三反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、脱揮、押出、造粒等の処理を行ってスチレン系共重合体(A-4)を得た。スチレン系共重合体(A-4)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
SM 64.5重量部、AN 35.5重量部、BMI 0.02重量部、PMI 25重量部、BPO 0.02重量部、TDM 0.1重量部及びEB 25重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を三槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を30 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、更にSM 100重量部、BMI 0.2重量部、TX-29A 0.08重量部からなる追加の混合溶液を2 kg/時間の流量で連続的に第二反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第三反応装置に導入し、更にSM 100重量部を2 kg/時間の流量で連続的に第三反応装置に仕込んで重合反応を行った。
上記の第一、二反応装置はCSTRで、第三反応装置はPFRであった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットル、75リットルで、反応入口の温度をそれぞれ95℃、110℃、135℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ120 rpm、90 rpm、35 rpmに保持した。
第三反応装置の転化率が76重量%に達した時、合成例aと同様の操作方法にて、第三反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、脱揮、押出、造粒等の処理を行ってスチレン系共重合体(A-5)を得た。スチレン系共重合体(A-5)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
原料溶液において、単量体の組成としてSM 60重量部、AN 34重量部、メタクリル酸メチル(以下「MMA」と略称する) 6重量部を使った以外は、合成例bと同様の操作方法にて製造した。最終の第三反応装置の転化率は74重量%であった。スチレン系共重合体(A-6)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
第一反応器に仕込んだ原料混合溶液の単量体組成としては、スチレン単量体を61重量部、アクリロニトリルを39重量部に変更調整した以外は、合成例bと同様の製造方法で行った。最終反応器の単量体転化率が74重量%となった。スチレン系共重合体(A−7)製造の反応条件及び分析結果を表1に示す。
第一反応器に仕込んだ原料混合溶液の単量体組成としてBMIを0.066重量部、第二反応装置への追加の混合溶液において、単量体の組成としてBMIを0.45重量部に変更調整した以外は合成例bと同様の操作方法にて製造した。最終の第三反応装置の転化率は75重量%であった。スチレン系共重合体(A-8)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
SM 73重量部、AN 27重量部、BMI 0.044重量部、PMI 6重量部、TX-29A 0.01重量部、TDM 0.1重量部及びEB 24重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を三槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を37 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、更にSM 100重量部の追加の混合溶液を3 kg/時間の流量で連続的に第二反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第三反応装置に導入し重合反応を行った。
上記の第一、二反応装置はCSTRで、第三反応装置はPFRであった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットル、75リットルで、反応入口の温度をそれぞれ100℃、110℃、130℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ120 rpm、90 rpm、35 rpmに保持した。
第三反応装置の転化率が60重量%に達した時、合成例aと同様の操作方法にて、第三反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、脱揮、押出、造粒等の処理を行ってスチレン系共重合体(A-9)を得た。スチレン系共重合体(A-9)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
SM 68重量部、AN 32重量部、PMI 8重量部、BPO 0.025重量部、TDM 0.1重量部及びEB 25重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を二槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を40 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、重合反応を行った。
上記の第一、二反応装置はCSTRであった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットルで、反応入口の温度をそれぞれ100℃、125℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ120 rpm、90 rpmに保持した。
第二反応装置の転化率が55重量%に達した時、合成例aと同様の操作方法にて、第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、脱揮、押出、造粒等の処理を行ってスチレン系共重合体(A-10)を得た。スチレン系共重合体(A-10)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
原料溶液において、単量体の組成としてBMI 0.01重量部を添加した以外は、合成例jと同様の操作方法にて製造した。最終、第二反応装置の転化率は56重量%であった。スチレン系共重合体(A-11)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
原料溶液において、PMIの使用量を0重量部に変えた以外は、合成例bと同様の操作方法にて製造した。最終の第三反応装置の転化率は72重量%であった。スチレン系共重合体(A-12)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
SM 68重量部、AN 32重量部、BMI 0.05重量部、PMI 6.8重量部、BPO 0.02重量部、TDM 0.1重量部及びEB 25重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を一槽の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を50 kg/時間の流量で連続的に反応装置に仕込んで重合反応を行った。
上記の反応装置はCSTRであった。反応装置の内容積は40リットルで、反応入口の温度を120℃に保持し、反応攪拌の速度を120 rpmに保持した。最終、反応装置の転化率は50重量%であった。スチレン系共重合体(A-13)製造の際の反応条件及び分析結果を表1に示す。
原料溶液において、単量体の組成としてPMIを45重量部に変えた以外は合成例bと同様の操作を行ったが、反応系の粘度が過度に上昇し反応が順調に進めなかった。また反応生成物の色相が悪化し、流動性が低下したため成形材料として使えなかった。
原料溶液において、単量体の組成としてBMIを1.5重量部に変えた以外は合成例bと同様の操作を行ったが、反応系の粘度が過度に上昇し、反応生成物の色相が悪くなると共にコンタミと架橋異物が増大し、結局、重合継続が不能となった。且つ第三反応装置から得られる重合物を取り出し、溶融流動指数を測定した結果、そのMIR値は33であった。
なお本発明においてコンタミとは、本発明の樹脂組成物をつくる過程で生じる、通常、変色した溶融困難な物であり、その主成分は、スチレン系単量体とシアン化ビニル系単量体と単官能性マレイミド系単量体とが重合したもので、小塊状を呈している。
R1,R2: 完全混合式反応装置(CSTR)
R3,R4:プラグフロー反応装置(PFR)
SM:スチレン単量体
AN:アクリロニトリル単量体
MMA:メタクリル酸メチル単量体
BMI:N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド単量体
PMI:N−フェニルマレイミド単量体
DVB:ジビニルベンゼン
BPO:ベンゾイルパーオキサイド
TX-29A:1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
PX-12:2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシルプロパン
TDM:t-ドデシルメルカプタン
EB:エチルベンゼン
「ゴムグラフト共重合体(B’−1)の合成例」
SM 68重量部、AN 32重量部、ブタジエンゴム7重量部(BDと略称す)、BPO 0.03重量部、TDM 0.1重量部及びEB 35重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を四槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を40 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第三反応装置に導入し重合反応を行った。そして第三反応装置から得られる重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第四反応装置に導入し重合反応を行った。
上記の第一〜四反応装置はCSTRであった。反応装置の内容積はすべて40リットルで、反応入口の温度をそれぞれ100℃、105℃、115℃、130℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ300 rpm、200 rpm、150 rpm、90 rpmに保持した。
第四反応装置の転化率が65重量%に達した時、合成例aと同様の操作方法にて、第四反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、脱揮、押出、造粒等の処理を行ってゴム状グラフト共重合体(B’-1)を得た。そのゴム含有量は10重量%であった。
〔同時グラフト法〕
「実施例1」
SM 65.5重量部、AN 34.5重量部、BD 10.0重量部、BMI 0.022重量部、PMI 5.0重量部、TX-29A 0.04重量部、TDM 0.2重量部、可塑剤としてステアリル酸ブチル(以下「BS」と略称する)1.5重量部及びEB 50重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を四槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を37 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら第二反応装置に導入し、更にSM 100重量部、BMI 0.15重量部からなる追加の混合溶液を3 kg/時間の流量で連続的に第二反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第三反応装置に導入し重合反応を行った。そして第三反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第四反応装置に導入し重合反応を行った。
上記の第一、二反応装置はCSTRで、第三、四反応装置はPFRであった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットル、75リットル、75リットルで、反応入口の温度をそれぞれ100℃、105℃、115℃、130℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ300 rpm、200 rpm、150 rpm、90 rpmに保持した。
第四反応装置の転化率が75重量%に達した時、合成例aと同様の操作方法にて、第四反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出して揮発装置に導入し、脱揮、押出、造粒等の処理を行ってゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。そのゴム含有量は10重量%であった。得られたゴム変性スチレン系樹脂組成物をテトラヒドロフラン溶液に溶かしてスチレン系共重合体(A)の連続相を取り出して、溶融流動指数を測定した結果、そのMIRは23.1値であった。ゴム変性スチレン系樹脂組成物製造の際の反応条件及び分析/評価結果を表5に示す。
SM 68重量部、AN 32重量部、BD 9.0重量部、BMI 0.0002重量部、PMI 5.0重量、TX-29A 0.04重量部、TDM 0.2重量部、BS 1.5重量部及びEB 45重量部の混合液を完全に溶解させて原料溶液とした。
上記の原料溶液を四槽直列の反応装置ヘ連続的に仕込んだ。即ち該原料溶液を40 kg/時間の流量で連続的に第一反応装置に仕込んで重合反応を行った。そして第一反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第二反応装置に導入し重合反応を行った。そして第二反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第三反応装置に導入し重合反応を行った。そして第三反応装置から得られた重合物の溶液を連続的に取り出しながら、第四反応装置に導入し重合反応を行った。
上記の第一、二反応装置はCSTRで、第三、四反応装置はPFRであった。反応装置の内容積はそれぞれ40リットル、40リットル、75リットル、75リットルで、反応入口の温度をそれぞれ100℃、105℃、115℃、130℃に保持し、反応攪拌の速度をそれぞれ300 rpm、200 rpm、150 rpm、90 rpmに保持した。
R1,R2: 完全混合式反応装置(CSTR)
R3,R4:プラグフロー反応装置(PFR)
SM:スチレン単量体
AN:アクリロニトリル単量体
BD:ブタジエンゴム
PMI:N−フェニルマレイミド単量体
BMI:N,N'-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド単量体
TX-29A:1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
TDM:t-ドデシルメルカプタン
BS:ステアリル酸ブチル
EB:エチルベンゼン
「実施例2」
ゴム状グラフト共重合体(B’-1)20重量部、ゴム状グラフト共重合体(B’-2)30重量部、スチレン系共重合体(A-1)50重量部及びN,N'−エチレンビス(ステアリルアミド)(以下「EBS」と略称す)0.3重量部をヘンシェルミキサーでドライブレンドし、更に、シリンダー温度を200〜220℃、ダイアダプタ温度を220℃に設定した排気口付きの二軸押出機を用いて溶融混練してペレット状ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。そのゴム含有量は17重量%であった。ゴム変性スチレン系樹脂組成物の組成及び分析/評価結果を表6に示す。
ゴム状グラフト共重合体(B’-2)30重量部、実施例1で得たゴム変性スチレン系樹脂組成物20重量部、スチレン系共重合体(A-2)50重量部及びEBS 0.3重量部を実施例2と同様の押出し条件にて処理して、ペレット状ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。そのゴム含有量は17重量%であった。ゴム変性スチレン系樹脂組成物の組成及び分析/評価結果を表6に示す。
ゴム状グラフト共重合体(B’-2)34重量部、スチレン系共重合体(A-1)66重量部及びEBS 0.3重量部を実施例2と同様の押出し条件にて処理して、ペレット状ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。そのゴム含有量は17重量%であった。ゴム変性スチレン系樹脂組成物の組成及び分析/評価結果を表6に示す。
スチレン系共重合体(A)の種類と使用量を調整した以外は、実施例4と同様の操作方法にて製造した。得られたそれぞれのゴム変性スチレン系樹脂組成物の組成及び分析/評価結果を表6に示す。
スチレン系共重合体(A-1)の代わりに、スチレン系共重合体(A-1-1)50重量部を使用した以外は、実施例2と同様の操作方法にて製造した。その耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、ゴム含有量が10重量%、ゴム粒径が0.42μm、残留PMI含量が24ppm、耐熱性(S.P.)が119℃、耐衝撃性が8.7kg-cm/cmで、耐環境応力亀裂性の評価は○であった。
スチレン系共重合体(A-1)の代わりに、スチレン系共重合体(A-1-2)50重量部を使用した以外は、実施例2と同様の操作方法にて製造した。その耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、ゴム含有量が10重量%、ゴム粒径が0.41μm、残留PMI含量が27ppm、耐熱性(S.P.)が118.7℃、耐衝撃性が8.4kg-cm/cmで、耐環境応力亀裂性の評価は○であった。
スチレン系共重合体(A-1)の代わりに、スチレン系共重合体(A-1-1)50重量部を使用した以外は、実施例4と同様の操作方法にて製造した。その耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、ゴム含有量が10重量%、ゴム粒径が0.42μm、残留PMI含量が24ppm、耐熱性(S.P.)が119℃、耐衝撃性が8.7kg-cm/cmで、耐環境応力亀裂性の評価は○であった。
スチレン系共重合体(A-1)の代わりに、スチレン系共重合体(A-1-2)50重量部を使用した以外は、実施例4と同様の操作方法にて製造した。その耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、ゴム含有量が10重量%、ゴム粒径が0.41μm、残留PMI含量が27ppm、耐熱性(S.P.)が118.7℃、耐衝撃性が8.4kg-cm/cmで、耐環境応力亀裂性の評価は○であった。
スチレン系共重合体(A)の種類を調整した以外は、実施例2と同様の操作方法にて製造した。ゴム変性スチレン系樹脂組成物の組成及び分析/評価結果を表6に示す。
Claims (1)
- (i-1)スチレン系単量体15〜95重量部、(i-2) シアン化ビニル系単量体5〜85重量部及び(i-3)他の共重合可能なビニル系単量体0〜40重量部(これらの合計は100重量部)と、前記(i-1) 、(i-2)及び(i-3)の合計100重量部に対して単官能性マレイミド系単量体1〜40重量部、多官能性マレイミド系単量体0.0005〜1.0重量部とを共重合してなるスチレン系共重合体(A)を連続相とし、ゴム粒子(B)を分散相とする耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物であって、
前記ゴム変性スチレン系樹脂組成物におけるゴム含量が1〜40重量%で、
前記スチレン系共重合体(A)の下記式から求められるMIRが21〜30であり、且つ
前記ゴム変性スチレン系樹脂組成物中に残存する単官能性マレイミド系単量体が600ppm以下である耐熱性ゴム変性スチレン系樹脂組成物。
MIR=HMI/MI
HMI:250℃における10kg荷重でのMFR(g/10分)
MI :250℃における1kg荷重でのMFR(g/10分)
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